このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

● 改めて書くほどのことはないかもしれませんが、「誰か間違えるだろうなぁ〜」と思っていたら、予想通り、間違えが発生したみたいなので(^^;、記録的にコメント。話はご存知の通り、「住友商事がKDDIに対抗してJCOM株をTOBする」というもの。このニュースの詳細をご存じない方は、Googleでニュース検索して内容をご覧下さい。ここでは、ニュースそのものではなく、関連して起こった「間違い」の話です(^^;。

● 今回の話でTOBのターゲットになっている銘柄は、正式には「ジュピターテレコム」のこと。銘柄コードは4817で、JASDAQ上場銘柄。銘柄略称は「JCOM」です(全角文字の記述が正解)。一方で、名前が似たような銘柄に「ジェイコムホールディングス」というのがあり、銘柄コードは2462。こちらはれっきとした東証1部上場銘柄で銘柄略称は「ジェイコム」。どちらも読みは「じぇいこむ」と同じですが、前者が通信業で"日本最大のケーブルテレビ局統括運営会社"の一方、後者はサービス業の"携帯電話販売中心の人材派遣が軸"ってことで、全くの別会社。もちろん、資本関係なども一切ありません。

JCOM(4817)日中足ジェイコム(2462)日中足
JCOM(4817)日中足 ジェイコム(2462)日中足
出典:Yahoo! JAPAN Finance

● 上記、日中足をご覧頂けると分かるのですが、JCOMはTOB価格にサヤ寄せする格好でストップ高のままでした。これは十分に納得できるところ。笑ってしまったのがジェイコム。買い気配から始まって、それなりの出来高を伴って高寄りしたものの、その後は急激に元の水準に戻して終わり。こちらは特に何も材料があったというのではなく、当然の結果と言えばその通り。「JCOM」と「ジェイコム」の勘違いがもたらした結果としか思えないのです(^^;。要するに銘柄間違いですね。

● 勘違いを助長した可能性があるのが、もちろん読み方の類似があるでしょうが、会社規模の"逆転"現象、株価の似たような水準ってあたりもその原因になりそうです。TOBターゲットになっているJCOMは、時価総額、会社規模など、ほとんど全ての点でジェイコムより大きな会社。にもかかわらず、JCOMがJASDAQ銘柄で、ジェイコムが東証1部。さらに、昨日終値を見ると、JCOMは90,000円、ジェイコムは87,000円と似たような水準。素人さんだったら間違える可能性大かもしれません…(^^;。

● とは言うものの、この手の間違いそうな銘柄名のパターンは、少しでもマーケットに参加している方々はあらかじめ認識していて当然の話。昔、人の手で注文をさばいていた時代には、間違いを避けるための独特の銘柄の呼び方がいっぱいありました。日本航空は「にっこう」と呼ばず「じゃる」と呼んでいたし、日工は「にちえこう」で、日本鉱業は「やまにっこう」って具合。これらの呼び方は主に立会い場で生まれ、そして証券会社各社に広がったものが多かったのです。お客さんの注文を間違えるなんて、プロとしては絶対にしてはならないこと。そのため、間違いが起こらないような予防措置的な手順が証券会社のなかには、あちこちにあったのです。時代の流れと共に、そういうカルチャーが薄れてきたのは事実でしょうし、ネット経由での取引が増加するに従って、証券会社の社員が顧客注文を直接的に扱う機会も激減しました。だからこの手の間違いは仕方ないんでしょうけど…(^^;。一度目はともかく、二度目は単なるアホですよ!

関連ニュース

MSCI Barra ● 日本時間で昨日、2月11日(木)早朝に、MSCI Barraから2月の四半期リバランスが発表されています。MSCI Barraからの公表リリースはこちら(PDFファイル、英文)からどうぞ。

● 結論から書くと、日本株に関しては新規の追加も削除もなく、株数変更の微調整だけに留まっています。元々、MSCI指数が大きく入替えられるのは5月と11月のリバランスで、それ以外の四半期は主として微調整。大型上場や大型増資などは即座に追加採用され調整されるので、その辺のエキサイトメントもなく、この時期は、それに属さない程度の規模の調整をまとめてやる、って感じです。なので、事前から「何もない」と思われていたし、実際に「何もない」というのが今回の四半期リバランス。その意味では、サプライズも失望もありません…(^^;。

● じゃあ、何で書いているのかと言われれば、現時点で「何もない」と考えられていることを書いておくのも、まぁ、記録かなと…。そしてもし何か起これば、「あの時はナメていた」と反省することになるだろうし…(^^;。

MSCI Barraのサイトを隅から隅まで探しても、実は、株数変更などの詳細情報は掲載されていません。以前から何度も書いているように、これらの情報はライセンス情報で有料です。それも、決してお安くない値段です(^^;。ライセンス契約している人だけに教えてくれる情報ってことです。日本では、大手証券会社(外資系はほぼ全部、国内系もいくつか)や大手投信会社などが契約しており、徐々にその辺からレポートが出て、それがニュース記事になり、世間一般に周知されていくというのが普段の手順です。で、これを書いている時点で色々とニュース記事を検索してみたのですが、どこにも見付かりませんでした。それだけ「何もない」ってことです(^^;。

● 色々な情報ソースから教えてもらったところ(なので、全てぼやかした伝聞調です(^^;)では、日本株で金額ベースで一番大きく増加するのは野村HD(8604)とのことですが、それでも1日平均売買代金で考えると0.2日程度にも満たない水準。まぁ、大引け間際の瞬間インパクトはともかく、中期的なインパクトは非常に考え辛いですね(^^;。金額ベースで一番大きく減少するのは三菱UFJ FG(8306)とのことですが、対1日平均売買代金では1桁%の水準。誤差以下の範囲です。まぁ、1日平均売買代金ベースでもう少しインパクトが大きそうな銘柄もいくつかある様子ですが、それでも、1日以上のインパクトがありそうな銘柄は計算上は出てこない状態。まぁ、無風に近いですね(^^;。

● 一方、日本株全体で見た場合の資金フローですが、敢えて書けば若干の流出みたいです。ただ、それでマーケットが大きく動くような規模ではない様子(敢えて詳細は明記しませんが…)。これらのリバランスは、今月末、つまり2月26日(金)の終値で実施されます。

● 先週末金曜日の相場がかなり大きくギャップダウンしたことにより、日経平均もTOPIXもチャート上は「アイランド・リバーサル」っぽくなってきてしまいました。下左が日経平均の日足チャート(出典:Infoseek Money)です。

日経平均日足 ● アイランド・リバーサルとは「離れ小島」という意味。窓を空けて上昇してもみあった後に、今度は窓を空けて下落してしまって、もみあった局面が小島のように浮いてしまった状況を言います。今回は上へのアイランド・リバーサル型ですが、これは下落局面での反発にも出現することがあります。

● 本来ならば、強烈なアイランド・リバーサル(トップ)は、もっと上昇局面が続いた天井で出るもので、その場合は「ホンマ、ヤバイ」って状態になります。今回の波で言うと、例えば1月中旬の高値の頃に、これが出ていたら本当に"ド天井示唆"ってことになっていました。下の場合も同様で、昨年11月下旬の底の局面でも、ギャップダウンしたのですが、その後にギャップアップがあったら、かなり典型的で有力な"大底示唆"となっていたのです。

● 今回の局面を考えると、下落中のホンの一瞬の反発局面でアイランド・リバーサルが出現。これをどう解釈するかは難しいところです。下落を示唆する雰囲気がプンプンするのは避けられないチャートの格好なのは事実で、週明けの相場の動きには注意しておく必要があります。一方、あっさり窓を埋めてしまうようだったら、このアイランド・リバーサルはダマシだったってことになります。

● 週末金曜日(2月5日)のNYダウは、ふらふらとしながらも、とりあえずプラスで終了。CME日経平均先物は、円建てもドル建ても、1万円割れと軟調ながら、贔屓目に見ればそれなりに落ち着いた動き。まぁ、お世辞にも強くはないですけど…(^^;。

● いずれにしろ、地合いの弱い雰囲気がプンプンしているのは否定できないけど、チャートを見ている方の8割がそう考えているのも確かでしょう(^^;。金曜日ザラ場中にもこのアイランド・リバーサルは見えていた話なので、少なくとも、金曜日後場の時点で対処した方もいらっしゃったと考えています。その辺がワイルドカードですかね…(^^;。

騰落レシオとTOPIX ● 何でもかんでも「ショック」と名付けるのも節操がない(^^;のですが、今日はそうしたくなるほど色々な悪材料が重なる格好で、東京も当然のように大幅安。ただ、トヨタは朝方の一瞬以外は堅調推移で、この辺の銘柄を見ている限りでは、日経平均が300円近くも下落した(前日比 -298.89円、-2.89%、終値10,057.09円)のとは印象が一致しない一日でした。

● このところ、指数が堅調でもトヨタは我が道を行くって感じで急落していたので、その修正と言えばその通りだったのかも知れません。さらに、プリウスのリコール話まで出てきて、色々な意味で「やり過ぎ感」があったのも事実なんでしょう。相場としては、「これ以上の悪材料」が想像し難くなってくるならば、そこで買い戻しや押し目買いが入るのは、お馴染みのパターン。大引間際に、産経新聞に『トヨタ擁護の声も カナダ経済紙などが米政府の“意図”批判』なんて記事も流れていましたが、似たように考えている向きはいる、ってことなんでしょう。

● さて、今日の相場を受けて25日騰落レシオがどうなったかを確認しておきましょう。本日の東証1部は値上がりがたったの131銘柄で、値下がりが圧倒的な1506銘柄と全面安。この結果、25日騰落レシオは本日大引時点で85.19%まで下落。指数がかなり大きく下落した割には…って印象があるかもしれませんが、さすがに下がってきています。

● この先、来週1週間ずっと750銘柄上昇/750銘柄下落のチャラが続けば、祝日1日を挟んで来週金曜日(ミニSQ日)に82.69%まで下落する計算。実は、レシオはこの先もあまり急激には下落しないのです。同様に500銘柄上昇/1000銘柄下落が来週いっぱい続けば、来週金曜日で74.44%まで下落することになり、これでちょっと「売られ過ぎ感」が出てくるのかもしれません。逆に1000銘柄上昇/500銘柄下落が続いても、レシオは90%台半ば程度です。

● 昨年11月末には瞬間ながら60%割れがあったことを考えると、まだ"年に1回"って感じの究極的な売られ過ぎ感は遠いように見えます。でも、"3ヶ月に1回"程度の水準は見えてきたようにも思えます。いずれにしろ、どうせ将来のことを完全に見通そうってのは無理(^^;。自分の座標軸を確かめながら、ゆっくりと確実に!

● 昨日のニュースですが、『ドイツ「空売り」規制解除 金融市場の安定を理由に』(産経新聞)とのこと。皆さんもご存知の通り、一連の空売り規制は、2008年秋のリーマン・ショックの時にボラティリティーが大きく跳ね上がったことなどを理由に、世界各国で導入されたものです。

● 本来、世界各国どこでも、ほとんどが時限措置として導入されたのです。それがようやく解除されつつあるってこと。これだけ聞けば、「何を当然の話」と不思議に思われるかもしれません。そもそも時限的な措置だったのだから、その必要が無ければ撤去されるのは当然のこと。当然のこと…なんですが、物事はそう簡単ではないのが事実。特に日本においては、この手の時限措置が事実上の恒久措置になることは珍しくありません。ガソリンの暫定税率なんてその際たるもの。何十年も「時限」とか「暫定」のまま放置されるケースは、全くもって珍しくないのです。

● リーマン・ショックほどの事態が発生した時に、当局が何らかの規制措置を講じるのは理解できます。市場関係者としても、それに従うのは当然のことだし、その点について異論はありません。でも、一般論としてマーケットには、なるべく規制が少ない方が良いというのも、私が信じる事柄の一つ。空売り規制などは、マーケットを不自然にゆがめてしまう最も大きい規制の一つだと考えています。だから、臨時措置を講じたのであれば、その必要性が薄れたと判断できれば、なるべく速やかに規制を撤去して欲しいのです。事実上の恒久措置にするのではなく…。つまり、規制にも規律が必要、と考えているんです。

● ちなみに、日本の空売り規制はリーマン・ショック前からあったのですが、色々と規制が強化(臨時的に)されて現在に至っています。そして、つい先月、『空売り規制、4月末まで延長』(日経)と金融庁から発表されています。延長はこれで4回目。臨時とは言いながら、徐々に恒久化されつつあります。本当に恒久化したいのであれば、それはちゃんと議論すべきだと思うんですけどねぇ〜。

● 今日はさすがに相場も反発。もっとも、上に伸びなかった印象が強かったのですが、これは仕方ないところでしょうか。そもそも、それほどまでに活気のある相場を期待する方が、現時点では間違っている、って考えることにしています…(^^;。

騰落レシオとTOPIX ● ってことで、今日の上昇を受けて、騰落レシオがどうなっているかをを再確認しておきましょう。グラフが25日騰落レシオとTOPIXの推移を描いたものです。今日大引け時点での25日騰落レシオは97.91%。正直、「うぅ〜〜ん、ちょっと足らんかな?」って感じは避けられませんネ(^^;。相場としては下落が続いていたこともあって、ある程度の調整があったのは分かるのですが、少なくとも騰落レシオから見ると、本格的調整というにはかなり遠いことが分かります。ちなみに、足元で25日騰落レシオが一番下落したのは、昨日時点の94.58%でした。まぁ、中期的上昇相場に変化がないとすると、一息の局面で買うというのは正しいんでしょうけど…。

● 今後の推移を考えると、この先、5日間連続でチャラ相場(値上がり銘柄数750/値下がり銘柄数750)が続いたとしても、5日後の25日騰落レシオは93.97%。つまり、現状とほとんど変化はありません。上がりも下がりもしない、ってことです。もう少し騰落レシオが下落する展開を考えると、同様に5日間連続で「上昇500銘柄/下落1000銘柄」の相場展開が続いたとして、5日後の25日騰落レシオは82.46%。1月18日は「上昇496銘柄/下落1060銘柄」で日経平均は-127.02円だったのですが、イメージとしたら、これが5日間継続したとしてもこの程度、ってこと。

● もう少し悲惨な「上昇250銘柄/下落1250銘柄」相場展開が5日連続したとして、5日後の25日騰落レシオは72.25%。直近では1月22日に「上昇229銘柄/下落1357銘柄」で日経平均は-277.86円だったので、あれを思い出すと分かるのですが、これが5日間も続くとなるとかなり悲惨でしょうね(^^;。でも、それぐらいにならないと、少なくとも騰落レシオという観点からは、割安感を感じるような状態にはならない、ってことです。

● 計算上、落ちていく25日前の数字が12月の上昇相場局面だったので、この先しばらくは、相場上昇が続いても騰落レシオが極端に跳ね上がることもないんで、相場の過熱感という観点からは、しばらくは心配する必要もなさそうです。決算発表も本格化しているし、相場は色々な外部要因に振られながら、テクニカル的には今ひとつ方向感が定まらない状態が続くことを示唆しているようにも思えます。「何をやりたいのか」と「何をやりたくないのか」って点において、自分の考え方をきちんと持っておかないと…(^^;。

● 先週突如として出てきたオバマ政権の「新金融制度規制案」(日経では新金融規制案と記述、他にも銀行規制強化案との言い方もある)。正確に記すと、いずれ何らかの規制案は出てくるだろうというのは予想されていました。実際、英国では金融機関の高額ボーナスに対する特別課税が出たし、米国でも金融機関に対する特別課税という案が出ていたんです。ところが、今回出てきた規制案の内容は、ほぼ市場関係者全員の想定を超えるもの。グラス・スティーガル法の時代を知っている世代にとっては、その復活を意図したと感じ取っただろうし、大部分の人々が大衆迎合的と感じただろうし、モロ社会主義的に見えるし、その突然(に思える)の方向転換はかなり極端。見方によっては、投資銀行というビジネスモデルすら否定する格好になっています。

● ひとまず、現時点で出ている規制案について簡単に書いておくと、下記の点が伝えられています。

  • 銀行(商業銀行)による自己勘定取引(プロップ・トレーディング)の制限
  • 銀行(商業銀行)によるヘッジファンド、プライベートエクィティ兼営(投資)の禁止
  • 規模拡大の制限(預金シェア10%上限)

● 実際にこれらのビジネスを知っている方々にとっては、本当にこの辺が実施されるとなると、どんなに大きな地殻変動になるかは、容易に想像できると思います。リーマン・ショックを受けて、米国のかつて"証券会社"と呼ばれた大会社は全部"銀行"になっちゃってます。ゴールドマン・サックスしかり、メリルリンチしかり…。そこが大きな影響を受けようとしているってこと。ストレートに解釈すると、積極的リスクテイクが出来なくなるってことだし、リスクテイク無しにはリターンは生まれません(当然の話)。そして、リスクテイクが出来なくなるってことは、ポジション縮小をせざるを得なくなる可能性が高く、それは信用収縮ってこと。信用が収縮するマーケットがどうなるかは、誰もが簡単に理解できると思います。リーマン・ショックでそれ経験したばかりなのに…。

● 今朝の日経には、日本の銀行はそれほど大きな影響はないなんて、実にの〜〜天気な声が掲載されていました。確かにヘッジファンド投資やプライベートエクィティなどに関してはそうでしょうけど、それは単に「周回遅れ」だから。選択してエクスポージャーが小さいのではないのです。さらに、忘れちゃあいけないのが、日本の株式市場は60%近くの売買が外国人投資家によってなされていること。そして、株価の上下に対して、日本の銀行はかなり脆弱な体質だってこと。その辺が見えてないのか、敢えて見ないようにしているのかは分かりませんが…。

● マーケットにとって何よりも最悪なのは、今回出てきた規制案の全体像が見えてこないこと。「詳細は今後詰める」というのは、想像次第でどこまでもワーストシナリオが膨らむ可能性があるってことで、マーケットも、少なくとも一時的には、それを織り込みに行かざるを得ないのです。こういった場合、往々にしてマーケットは行き過ぎます。ワーストを織り込みに掛かるんだから、それは当然のこと。さらに、信用収縮というのは、最初のきっかけは大したことが無かったとしても、一旦転がり出すと、転がり出した方向に一気に加速して転がる可能性があるってこと。リーマン・ショックでどれほどの規模で信用収縮が発生したかを思い出せば、これも誰にでも分かるハズです。

● もっとも、実際にこの規制法案が通るかどうかは何とも言えない状況にあることも確かで、このまま規制実施に突っ走るとは考え難い面があるのは事実。何と言っても、その場合に到来するであろうマーケットの混乱は、現時点での米政権にとっては、全く不必要なものだからです。それでも、上記したように、マーケットは何よりも不透明感を嫌がります。それが微妙なレベルであったとしても信用収縮を巻き起こし、それが昨年からずっと継続している相場の上昇基調を、あっさりと終わらせてしまうことだって有り得るんです。少なくとも、その匂いを感じ取ったからこそ、米国株はこれだけ2日間で下落したのでしょうしね。

● ずーっと昔にマーケットコメントで書いた覚えがあったのですが(検索したらこちらでした(^^;)、元英国首相、マーガレット・サッチャーさんの有名な言葉を贈りたいです。

"The poor will not become rich, even if the rich are made poor."
「お金持ちを貧乏にしても、貧乏な人はお金持ちになりません」

● 本当にその通りだと感じます。決して金持ちや高額ボーナスを礼賛するわけではないとしても、「金持ち批判」だけでは何も解決しない、ってこと。それよりも、金持ちにスッとお金を出させるように制度を整備した方が、お互いに良い思いをしつつ金が廻ると思うんですけど…。なお、私の見方は当然ながら、多少なりとも、金融業界側にバイアスしていると思いますので、その辺はあらかじめご了承を(^^;。

参考ニュース

追記:参考になるサイト・ブログ


● 皆さんもご存知の通り、今日(1月21日)の大引けは、JR東海(9022)の日経平均採用に伴う基準日でした。同株は明日から日経平均採用銘柄となります。JR東海の終値は 679,000円だったので、みなし額面換算で679円の銘柄ってことになります。出て行ったJALが最後は異常なほどの低位株だったのですが、資金フローの面からは、今日の大引けでは相場全体に対して、目立ったインパクトはありませんでした。まぁ、全体にはほぼ予想通りってところでしょうか。

JR東海(9022)日中足 ● 後々のためにも、今日のJR東海の日中足を載せておきます(出所:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 昨日、日経平均採用のニュースが正式に発表されてから初めての相場では、寄付き後に高値をつけた後は、基本的にジリ貧。ただし、今日の大引の瞬間にはピョコンと戻して引けています。ここでの出来高の盛り上がりもご覧頂けると思いますが、この辺は、さすがインデックス銘柄ってところ(^^;。

● 問題は、今後のJR東海の値動きですが、将来は分かりません(きっぱり!)。指数ヲタクからすると、今日で指数イベントは終了したので、今後は普通の日経平均採用銘柄としての動きになってくるハズです。それ以外の要素については、予想しろって方が無理です(^^;。

● もっとも、ここで話を終わらせるのも何ですから、参考になりそうな話をいくつか。まず夕凪さんのブログで、『JALと似たケース: 三井化学』 と、『JR東海と三井化学』 のアップがあります。いずれもカネボウが破綻により日経平均から外れ、三井化学(4183)が新規採用されたという、今回と似たケースの動きです。さらに、JR東海絡みでしたら、ロイターに、『野村証が募集中の「JPM世界鉄道関連株投信」が高人気、一部の支店で募集停止に』 なんてニュースも流れていました(^^;。もちろん、信じるも信じないはもちろんのこと、どう考えるかも、全て最後は自己責任ですんでよろしく!

● JALの整理ポスト割当(会社更生法適用申請に伴う東証上場廃止決定)を受けて、日経平均の臨時銘柄入替えが発表されました。事前の大方の予想通り(『JAL問題の決着近付く、日経平均「臨時銘柄入替え」の可能性について』 をご参照)、JR東海(9022)がみなし額面5万円で補充されることになります。JALは20日に日経平均から除外され、JR東海の補充は2営業日後の22日から。指数連動ファンドは、1月21日(木)の大引けでJR東海を買うことになります(ルール上は)。

● 現状のJALが極端なほどの低位株で、現時点でのJR東海のみなし額面換算後の株価が682円ってことになるので、資金フローが多少は発生することになります。一応、ご注意を。

● 日経のリリースは、『日経平均、日航を除外しJR東海を補充』 と出ています。前回のアップで、通常の発表は午後4時半と書いたのですが、今回の発表は、日経ニュースサイトで18時45分(情報端末上では18時30分?)と、かなり遅かったです(^^;。これは想像するに、東証からの正式な上場廃止通知(『上場廃止等の決定について−(株)日本航空−』)が出てくるのを待っていたからだと思います。

● 今日は飲み会があり、ほろ酔い気分なので、短いですがこの辺で…(^^;。

JAL(9205) ● 右は本日のJAL(9205)の日中足(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。今週に入って初めてマトモにザラ場で取引されたのですが、その分だけ出来高も爆発。何と、1,042,599,000株も出来ました。10億株でっせ!ホンマ…(^^;。東証1部出来高は32億2679万株だったので、約3分の1がJALだったことになります。

● こういった株価の動きを見ると、どうしても、あしぎんFG(足利銀行)の壮大なマネーゲームを思い出してしまいます。振り返って見ると、これは2003年末(11月〜12月)の出来事だったので、もう相当昔の話。今となっては当時のあしぎんFGのチャートも手元にないのですが、記憶にある限りでも、あの乱高下を思い出さざるを得ないのです(^^;。さらに、名古屋のテレビ塔から札(100円札と1ドル札)をばら撒いた輩が居て、それがあしぎんFGのマネーゲームで儲けた金だったってことで、年末の話題となったのも思い出します。自分の記憶プラスネット検索で、色々と見てみましょう。

● なお、このブログの読者の方々には蛇足で必要ないとは信じていますが、念のためにあらかじめ書いておきます。今回のJALが当時のあしぎんFGを同じ値動きをするかどうかは全く分かりませんし、そもそも、予想する気にもなりません。ましてや、JAL株にちょっかいを出すことを薦めているわけではありません(きっぱり!)。単に、回顧調に当時を振り返るってことですから、為念。

● まず、何があったかを振り返っておきましょう。wikipediaの記述によると、足利銀行は色々な経営不振を受けて増資を繰り返したのち、あしぎんFGという持株会社に衣替え。ところが、これでも行き詰ってしまい、2003年11月29日に預金保険法第102条第1項第3号認定を受けて経営破綻。その後、2003年12月1日に特別危機管理開始決定により預金保険機構が足利銀行の総ての株式を強制取得し、あしぎんFGから足利銀行が外れ、その後、あしぎんFGは2003年12月25日に会社更生法の適用を申請。1ヵ月後の2004年1月26日に東証第一部を上場廃止となっています。

● この当時のニュース記事のクリップがいくつかネット上に存在します。もっとも、大元の新聞社の記事は多くが削除されてしまっているようですが、検索してみると、一部コピーがネット上に残っていました。これは著作権を侵害している可能性は大ですが、まぁ、その辺はちょっと横に置いておいて(^^;、リンクを張っておきます。ネットがなければ図書館で1日潰さないと見付からないような情報が、手元ですぐに見付かるんですから、便利な世の中になったものです。感謝 m(_._)m

● 記憶や記録を振り返ると、足利銀行の破綻が発表されてから、あしぎんFGは当然のようにストップ安の連続。そして株価1円で寄付いたところまでは、まぁ、皆が予想した通り。ある程度のマネーゲームは予想されていたものの、あしぎんFGには足利銀行(破綻と同時にFGから外れた)以外にも北関東リースなど4社が傘下にあったことから、「無価値ではないのではないか」との思惑が飛び交う状態になり、12月11日には、株価が24円まで上昇するというトンでもない事態となってしまったのです。出来高も爆発し、私が自分で書いていたマーケットコメントを遡ると、12月3日には東証1部出来高の15億0399万株に対してあしぎんFGの出来高が6億2467万株あまりと、これだけでなんと東証1部全体の41.5%もあったと書いていました(^^;。ひでぇ話だ…。

● この時点であしぎんFGは、監理ポストだったものの整理ポストではなかったので、まだ堂々とした東証1部銘柄だったのです(TOPIXに入ったまま)。この辺は今のJALと似ています。当時は、機関投資家のなかでもピュアにTOPIXパッシブのファンドなどは、「あしぎんFGを売りたいけど売れない」という悩ましい状況に陥っていたのです。これも一つの契機となって、機関投資家の間では、たとえTOPIX銘柄であっても、株価が極端な低位に崩落した場合などにはポートフォリオから外す、といった内規の設定が相次いだのを覚えています。

● そして、2003年クリスマス前に登場したのが、上記の記事にある「紙幣ばらまき男」。当時の記事には、「1円と5円の時に600万株ほど買い、15円ぐらいになった時に売った。7000万〜8000万ぐらいのもうけになった」との記述があったので、それも話題になったのを覚えています。マネーゲームとしても、個人で手掛けるには凄い額だと…(^^;。それをテレビ塔からばら撒くというのも何ですが…(^^;。

● かの著名なJ_Coffeeさんのサイトにも(現在は考える株式投資のgotospace氏がミラーサイトを作ってくれています)、所々であしぎんFGの件が出てきます。なかでも、「J_Coffeeの徒然草(36巻)- 整理ポストと監理ポスト(あしぎんFG)」には、マネーゲームのなかで急上昇したあしぎんFGの日中足が掲載されていて、ちょっと懐かしいやら呆れるやら…(^^;。

● 繰り返しになりますが、今回、JALがそうなるかどうかは全く分かりません。というか、あまりえぇ〜加減に考える筋を増やさないためにも、すっきりと株価1円(1円買い/2円ヤリ)で張り付いてくれる方が良いのですけどネ…。

● せっかくの祝日ですが、今日は妙に肌寒いこともあって巣ごもり(^^;。そこで、JAL(9205)の件について少し書いておきましょう。ただ、世間一般で出ている「株券紙くず化」等々の話については、日経その他の報道をご覧頂くとして(^^;、ここでは指数絡みの話に集中して行きます。

● まずイベント予定の把握。休み明けの1月12日には、JALのOBに対する「企業年金減額に関する意向確認」の投票期限を迎えます。とは言うものの、色々な報道などを見ていると、現段階ではこの結果がどうあれ、JALが法的整理に入ることは間違いなさそうです。JALの株主にとって、現時点でJAL株を売ったほうが良いかどうかは、まぁ何て言うか、墜落しつつある飛行機の中で旅行者傷害保険の申込み用紙を記入しているようなもので、時、既に遅し。一方で、指数ヲタクにとって気になるのは、JALの上場が維持されるかどうかの点です。

● というワケで本題。ご存知の通り、JALは日経平均採用銘柄です。ところが、JALが破綻となって上場廃止が決まれば、日経平均の「臨時銘柄入替え」が発生することになります。日経平均の銘柄入替え等々のルールは、「日経平均プロフィル」というオフィシャルサイトに詳細に出ていますが、そのなかで今回注目すべきは、「銘柄選定ルール」のところ(2ページあります)。上の方は年1回実施される(例年10月に実施)「定期見直し」に関連する話が中心ですが、今回のJALの場合は、下の方に記載してある「(5)臨時入れ替え」に該当。つまり、「採用銘柄の被合併や経営破たんよる上場廃止が発生した場合」と明記してあるケースに該当する(かもしれない)ってことになります。

● ここでは、JALが法的整理に伴って100%減資を実施し、上場廃止になると想定して書いていきましょう。銘柄入替えについて考察する際に、押さえておくべきポイントがいくつかあります。いずれも、日経平均プロフィルに明記してあることですが、特に以下は重要。

  • 除外は整理ポスト入りと同時に行う
  • 破たん銘柄の整理ポスト入り後、2日間程度の周知期間を置いた上で補充
  • 経営破たんよる上場廃止が発生した場合、「高流動性銘柄群」に含まれる銘柄の中から、当該除外銘柄と同一セクターに属する銘柄のうち、市場流動性順位が高い未採用の銘柄を補充することを原則
  • ただし、細かい例外規定もあり

● このルールから想像すると、JALの上場廃止が決まった時点でJALは整理ポストに割り当てられることになるので、その時点で日経平均から除外されることになります。いまさら後生大事にJAL株を抱えているファンドは多くはないと想像するのですが、それでもピュアな指数連動ファンドからは売りが出るでしょうネ。まぁ、これはそれほど大した話ではありません(空売り出来る訳ではないので)。そして、その日の大引後にでも、日経から新規採用銘柄(補充銘柄)が発表されることになるハズです。そこから2日間程度経過したあとで、めでたく日経平均に採用、という手順になります。これまでの経験からすると、大引後の発表は午後4時半です。もちろん、私がこう書けば日経が気まぐれを起こすかもしれませんが…(^^;。

● 一方、補充銘柄については、JALと同一セクターに属する銘柄ってことになっています。日経のセクター分類定義はこちらの中段付近に明記されていますが、JALは「運輸・公共」セクターに所属。これは、日経36業種に言い換えると「鉄道・バス、陸運、海運、空運、倉庫、電力、ガス」ってこと。この中で、日経平均に採用されていない銘柄で流動性ランクが上となると、まぁ、ドタ勘で想像したとしても、大体が同じような結果になると思います。敢えて伏字にするほどのことはないと思うので書いちゃいますが、JR東海(東海旅客鉄道、9022)が筆頭候補ですね(^^;。これまでも定期銘柄入替えの際に候補銘柄として何度も名前が出ているので、全くサプライズではないし、「運輸・公共」セクターとしては妥当なチョイスでしょうか。

● JR東海はかなり大きな銘柄なので、(1) JALの上場廃止が決まった、(2) 補充銘柄がJR東海と決まった、と2連発で予想を当てたとしても、どの程度の株価インパクトがあるかは不透明。市場関係者の間では、JALの経営不安が現実味を帯びて囁かれはじめた頃(もうかれこれ半年以上も前の話)から、日経平均の臨時銘柄入替えについては、頭にあったはず。当時は先回りする確信があったのではないにしろ、12月にJALが100円を割り込んで急落した時点では、相当数の市場関係者が意識したと想像します。その時点で、JR東海という名前は、かなりの方々の頭に浮かんでいたでしょうから…(^^;。

● なお、もしJALの減資が100%ではなくて上場維持となれば、現時点での臨時銘柄入替えは発生せず、上記の話は「無かったこと」になります(^^;。現在、話として出ているのは、「施行規則で定める再建計画の開示を行った場合には、当該再建計画を開示した日の翌日から起算して1か月間の時価総額が10億円以上」というのが条件になります。これは東証の有価証券上場規程第601条(7)に明記されています。もし興味のある方は、東証HPにPDFファイルがアップされていますので、ご参照ください(このPDFファイルの39ページ目)。この場合、何%の減資ならこの条件を満たせるかってことが焦点になります。

● ちなみにJALの株価は休み明けに急落(率で言えばの話)すると予想されるのですが、JAL株だけを考えれば、日経平均への直接的な影響は非常に限定的です。JALの金曜日終値は67円ですが、この価格帯での制限値幅は30円。ストップ安するとしても前日比では30円下落するだけ。日経平均は基本が単純平均株価なので、構成銘柄の一つが30円安したとしても、全体からすれば、ホンの微々たるもの。むしろ、ファーストリテイリング(9983)がチョロッと動いた方が、はるかに日経平均に対してはインパクトが大きくなります。

● 総合的に見れば、債権放棄を迫られるメガバンクの株価にも、ある程度のプレッシャーが掛かる可能性があるでしょうから、波及効果としてはJAL単体の下落よりも大きなインパクトになる可能性があります。でも、はっきり言って、JALの経営破綻はサプライズでも何でもありません(^^;。もう何ヶ月も前から分かっていたことだし、現在は手続の最終局面ってこと。それよりも、為替の水準がどうのこうのだとか、米国の株価がどう動いたかの方が、はるかにインパクトがあるでしょうね。

● 最後に蛇足的に少し。この先、日経平均はあと2銘柄の臨時入替えがあることが、ほぼ決まっています。一つは、新日本石油(5001)と新日鉱HD(5016)の経営統合で、これは今年3月末の話。もう一つは、三菱ケミカルHD(4188)による三菱レイヨン(3404)のTOB・完全子会社化に伴うもの。現時点では時期は未確定ながら、春先ってのは違いなさそうです。指数ヲタクにとっては、昨年秋の定期銘柄入替えが無かっただけに、ちょっと心躍る春先になりそうです(^o^)。

NT倍率 ● 1月SQも目立った波乱なく通過し、日本は成人の日を含めた3連休。年末から年初の日本株相場は、それなりに世界的な出遅れ感を解消する相場展開でした。

● もっとも、外資系証券を中心とするトレーダー仲間と話をすると、ちょっとやそっとの上昇相場では追いつかないほど、日本株に対する世界的な興味は薄らいでいる印象があります。まぁ、日本国内でも、その辺に出ている投資関連の雑誌などを見ると、あっちでもこっちでも日本株よりも新興国へ如何に投資するかを競うような企画ばかり。まぁ、天邪鬼な私としては(^^;、これだけあっちでもこっちでも新興国と叫んでいることそのものが、ソロソロ、逆が起こるタイミングなのかもしれないなと敢えて考えるようにしています。かなりやせ我慢ですけど…(^^;。

● せっかくの休みですし、NT倍率と騰落レシオについて現状把握。右上グラフはNT倍率の推移です。先週は、年明けのリターン・リバーサルが効いた感じでNT倍率がジリ貧だったものの、全体として、NT倍率の上昇傾向に大きな変化はありません。年が替わってリターン・リバーサルが効くのは、January Effect(1月効果)と同じで「良くある話」。これが続くのかどうかは、実際のところ、あと2週間ほど経過観察しないと分かりません。ただ、個人的には、リターン・リバーサルは基本的に「割安が割安でなくなったら終わる」ので、物色の流れが変化していないのであれば、これは一巡してしまえば終わりになると考えています。

● 一方で、本気で物色の流れが変化しているとなると、そのシグナルの一つとして、これだけ長期的な上昇トレンドが続いているNT倍率に変化が発生する、ということだと認識してもいるんです。NT倍率そのもので売り買いするワケではないけど、シグナルの一つとして、この先も注意して眺めておきます。

騰落レシオとTOPIX ● 次のグラフは、25日騰落レシオとTOPIXの推移。1月6日時点で 127.64% まで上昇し、「そろそろ、えぇところ」近辺まで来ているのは事実。

● この先、12月頭の頃の数字が計算から落ちていく格好になるので、騰落レシオとしては、ここからの急上昇は考え難い状態になってきています。相場上昇が継続したとしても、騰落レシオは115〜120%近辺で高止まりする可能性が高く、750銘柄ずつの上昇/下落が続けば、騰落レシオはしばらく115%近辺での高止まり。一方、抜ける数字との相対比較から、もし足元の相場が数日下落すると(↑500、↓1000なら)、騰落レシオは今週中にも100%割れの水準まで下落することになります。まぁ、どちらにしろ、騰落レシオだけで売買するのは無理があるので、頭に入れておきながら、他のテクニカルなシグナルを加味して考えることになりそうです。

● もうひとつの大きな話題、JAL(9205)の件については、何か書くか考えておきます(^^;。それにしても、Yahoo!知恵袋などを見る限りでは、如何にJAL株を優待券狙いで保有していた個人投資家が多いかが分かります(^^;。バカ高い優待券になりそうですネ(完璧に他人事…(^^;)。

東証の新取引システム、arrowhead が今日から稼動。あらためて書くほどのことは無いのかもしれませんが、とりあえず前場を見ての印象としては、「速くなったねぇ〜(^o^)」ってこと。"ご祝儀"も含めていくつか取引したのですが、自分はもともとデイトレーダーではないし、基本的に流動性重視なのでどうしても大型株が多くなるので、板が速い遅いはあまり気になりませんでした。速く動いているのは一目瞭然ながら、だからスタイルが変わるかと聞かれれば、それは無いのです。だから、速いのは良い事です!

● それ以上にびっくりだったのが、約定案内の速さ。これはかなり印象に残りました。これまでは、成行注文をだして即約定しているのが分かっていても、ワンテンポ、ツーテンポも待たないと約定案内が戻ってこなかったのが、arrowhead になってからは、「あれっ、もう案内返ってきた!」って感じ。印象からすると、これまでの大証よりも少し速くなった感じでした。これも大変喜ばしいことです。ホント…(^o^)。

● ってことで、今のところ、新しいシステムとその速さを楽しんでいます。そのうち、色々と"調整"が必要な面も見えてくるのでしょうけど、今はなんて言うか、新しいPCを購入してその速さに感動している瞬間、って感じです(^^;。


追記(大引後)

● あまり商いが活況だったとは言い難い状態(はっきり言えば閑散)だったので、今ひとつ分かりにくいところもあったのですが、全体として見れば、arrowhead 稼動によるスピードの向上は、色々な意味で歓迎できると感じました。

● 呼び値の刻みが細分化されたところ(例:2000円〜3000円で5円刻み→1円刻み)では、前場はやや戸惑いっぽい雰囲気もあったのですが、後場はかなり改善されたように見えました。ちょっと贔屓目かな(^^;。前場はソニー(6758)や三井住友FG(8316)で一見すると板がかなり薄くなったように見えたものの、後場はその状態も改善されたように感じました。もっとも、5円刻みが1円刻みになることで、例えば上下5本が30円だったのがずっと狭い値幅を表示するようになるので、一見すると板が薄くなるように見えるのは、ある意味で、当然と言えば当然なんですけどね…(^^;。

● 今日は証券ディーラーの動きもかなり抑制的だったと思います。多くの会社では、発注システムが更新されただろうし、発注画面が変わったところもあると思います。それに慣れてくるまでは、"初心者マーク"付きの雰囲気になるのは仕方ないでしょうね。事故起こしたくないでしょうから…。あと2〜3日、そして来週ぐらいになれば、普段通りのペースに戻ると思います。

● 何はともあれ、システム障害が無くて(無かったよね?)良かった、良かった…。

● 泣いても笑っても、東証の新取引システム、arrowhead が稼動する1月4日大発会までホンの少し。投資家としては、多くが色々な面から東証 arrowhead について認識していないといけない時期ですが、何となくそうなっていないようで心細い感もあります。まぁ、それもこれも自己責任原則と言われればその通りなんですけど、せっかく年末ってことで相場も閑散小動きなので、少し想像力を加えながら arrowhead 後に気を付けることについて、ホンの少しだけ書いておきます。

● 東証 arrowhead が稼動すると、通常の注文執行がえらく素早く約定されるようになり、なおかつ、場合によってはコレまで以上に「ディープ」に株価インパクトが発生する可能性については、誰もが想像していると思います。特に板が薄い銘柄について、成行注文はこれまで以上に慎重に対応する必要があるのも、98%の方々が認識しているハズ。注文執行・約定が素早くなるのは、間違いなくユーザーにとってメリットのある話ですが、一方で、これまでと環境が少し異なるのは、ちゃんと意識する必要があります。サンフランシスコのケーブルカーのような路面電車に飛び乗るのは可能だったとしても、新幹線でそれをやるのは不可能って、小学生だって分かる話。もしそれをやる向きが居たら、考えられないほど非常識な無知か自殺志願者ってことです(^^;。少なくとも、自らがそうならないようにしないと…。

● ネット証券が独自サービスとして提供している(取引所が提供しているサービスではない)注文形態の一つに、「逆指値」と呼ばれる注文方法があります。詳細な説明はネット証券のHPにあるのでそちらを参照(マネックス証券)して頂くとして、要するに、『ある指定した株価まで上昇(下落)したら買い(売り)を執行する』という注文形態です。「上昇して買い、下落して売り」というのが普通の指値と逆なので、逆指値といわれるもの。他にもロスカット注文などの呼び名もあるし、カブドットコム証券のHPには『特許第3875206号』なんて記述もあるので、同社が何らかの特許を保有しているのかもしれません。いずれにしろ、ネット証券系では非常にポピュラーな注文形態だし、機関投資家の世界でも、自動執行ではないにしろ、ロスカットポイントを決めるというのは日常的な行動です。

● この注文形態では「ある指定した株価」というのがミソ。ここの値段がホンの瞬間風速でも付けば、逆指値は有効に変化して発注されてしまいます。逆指値を成行で執行するように指定していれば、その瞬間風速に一気に巻き込まれるリスクが考えられます。一方で、逆指値を指値執行と指定していたら、空振りしてしまうとロスカットにならない、という逆のリスクもあるので、悩みどころ。このリスクは現状でも存在するのですが、東証 arrowhead が稼動すると、この「瞬間風速」がどう変化するのかが、よく読めない点があるんです。

arrowheadロゴ ● 詳細は省略しますが、全体の約定に関するスピードが半端じゃなく向上することに加えて、「連続約定気配」の新設もあって、大口注文が入ったときに株価が変動するのに掛かる時間が、arrowhead では相当に短縮されることが予想されます。これまでは、大口注文が入ったのを画面で見て、「おっ、これは逆行くチャンス!」とか「ヤバイ、取消!」といった行動があったのが、arrowhead ではほぼ不可能。なんせ、人間の瞬きの間に何回も値が付いてしまう計算ですから…(^^;。

● そうすると、大口注文が入って板が瞬間的にスカスカになったところで、瞬間的に逆指値で指定した株価が付いてしまい、そして逆指値が執行されてしまうリスクがあります。先日、南アフリカランドで異常値が付き、それがもとでストップロスが一斉に執行されてしまってえらい大騒ぎになった(コメルツ銀行が処分された)ことがありました。株式の場合、あくまでもマーケットで値段が決まる仕組みなので、そこまでの異常値は考え難いのですが、それでも、これまでより株価がブレる可能性については、無いとは言えないのが本音。そうなると、瞬間的にスカスカになったところでトリガーされた逆指値による「寝惚けたような」注文がふわぁ〜っと約定されてしまう可能性も、無いわけでは無いんです(^^;。

● もちろん、この辺はあくまでも想像でしかなく、実際には「やってみないと分からない」の典型例です。ただ、投資家として気をつけておく必要があるのが、年を越えて、妙な逆指値等の注文を漫然と出し続けておかないこと。取引システムが変わることで、影響度の大小は別にしても、環境が変化することは間違いないのです。リスクについて知っておくとともに、それなりに想像力を使って、自らが怪我をするリスクを減らしておくのが当然の行動。環境がこれまでと同じであったらそれでOK。逆に、怪我してから「知らんかった…」では済まないのです、ホンマ…。

東証の新取引システム、arrowhead が稼動するまで少し。証券各社や東証のシステム担当者は正月返上状態でしょうけど、投資家サイドだけではなく、実際の現場から見ても、まだまだ「やってみないと分からない」ことがたくさんあります。今回は、そのなかでも証券会社の株式取引に関わるコストについて少し書いてみます。投資家から見れば直接的に支払うコストではないのですが、場合によっては、将来的に委託取引手数料が引き上げられる可能性もあり、その意味で影響を与えるかもしれない話です。

arrowheadロゴ ● まずは東証HP内、「新システム導入に伴う取引参加料金の見直しについて」をご覧頂きましょうか…。この"取引参加料"は、証券会社が東証などの取引所において取引することについて支払うコストのことです。ショバ代の一種ですね(^^;。投資家が直接的に支払う費用ではありません。注目して欲しいのは、これは「注文件数」に対するコストで、「約定件数」に対するコストではない、という点です。要するに不出来注文(含取消注文など)に対しても、証券会社にとってはコストが掛かっているってことです。

● そのなかの項目に"アクセス料"というのがあるのですが、これが意外に影響を与える可能性がある要素です。現在のシステムだと、月間注文件数が400万件超の場合、一律で660万円でした。つまり、400万件のところで注文1件の注文あたり1.65円のチケットコストとなり、そこから上は、注文件数が多ければ多いほど、注文1件あたりのコストはかなり下がる構造になっていました。ところが、arrowhead の導入とともに、この料率テーブルが変更され、注文件数の打ち止めはなくなり、スライド制に変更になります。具体的には、例えば月間注文件数が1000万件だったりする証券会社は、これまで上限打ち止めのおかげで、注文1件あたりのコストがかなり低く抑えられていたのが、今後は注文件数スライド制に変更になることで、そのメリットをかなり失うことになるのです。

● まぁ、もともとこの手の料金体系としては、量とコストはある程度比例しているのが当然と言えば当然なので、このこと自体は仕方が無い話なんでしょう。しかし、それなりのサイズの証券会社、特にハイ・フリクエンシー・トレードを頻繁に実施する顧客を抱えている外資系証券や、小口注文が多いネット証券にとっては、デメリットとなる可能性が大きく、さらに、そのデメリットがどう最終投資家サイドに反映される事になるか(委託取引手数料値上げ?)は、やっぱり「やってみないと分からない」んです(^^;。

● 実際問題、月間注文件数が400万件と言われても、それがどんな規模なのか良く分からないと思います(^^;。かのライブドア強制捜査事件(2006年1月)をきっかけに、東証が一時取引停止に追い込まれたあと、しばらく注文件数/約定件数が発表されていた時期があったのですが、現在はそれは無くなったようです。あの頃で、注文件数は1日600万件とかありました。当時、約定件数が1日400万件で取引停止なんて事態だったのですが(当時の東証リリース)、その後、東証のシステムも順次増強され、現在では、注文件数で1日2000万件超の能力がある状態になっています(直近までは調べてないけど、2年前でこのぐらいだった)。

● 現在の注文件数や約定件数が発表されていないので、あくまでも想像するしかないのですが、東証の取引参加者で、マーケットシェアから考えると、最も大きな証券会社で10%弱程度という点から考えると、毎日、約定件数で数十万件あってもおかしくありません。注文件数はその2倍とかになるのが普通なので、月間で見ると、1000万件超ある証券会社がいくつも存在していてもおかしくありません。TOPIXバスケットで1500銘柄程度入っているのは不思議では無いし、それを毎日何回も何十回もトレードしていれば、注文件数、約定件数ともにあっという間に1日で数十万回。月間ではその20倍です。ネット証券も含めて、そういった証券会社にとっては、今回のテーブルの改訂は間違いなく値上げになります。

● この話を書いても実感が沸かないかもしれませんが、証券会社にとっては、難儀な問題を抱えています。これまでもそうですが、証券会社は注文が約定しない限り、委託取引手数料は徴収できません。一方、不出来注文、取消注文などについても、証券会社にとっては費用が発生しているのです。これまでは、ある意味で不出来注文や取消注文については、コストを抱いてしまっても仕方が無い、という状態だったのでしょうけど、これがどう変化するかです。まぁ、しばらくは現状維持だとは思いますが、最悪のケースになれば、不出来注文や取消注文については、コスト負担という考え方が出てくる可能性も有り得るでしょうね。そうなれば、余計にマーケットは冷えるだろうし、そうすれば余計にコスト負担が辛くなるだろうし…。悪循環です。

● そんな悲惨な事態が発生しないことを祈っていますし、現時点では、可能性は比較的低いとは思うけど…。ネット証券なんかでも、成行注文と指値注文の手数料差をもっと大きくしたくなる可能性は有り得ますね。

NT倍率の推移 ● 世間一般はクリスマスイブ。まぁ、自分の身の回りでは、だからと言って、何がどうなるってことは全く無いんですが、バブルの頃は、それはそれは色々と凄かったのは覚えています(^^;。貧乏学生までが見栄張ってスィートルームの予約なんてことをやっていた時代でしたから…(^^;。ここ最近の相場やら経済状況を見ていると、もう、こんな光景は日本では二度と見られないのかもしれない、なんて考えてしまいます。可能性としては、中国がそうなる(なっている?)んだろうけど、日本にその順番は二度と回ってこなかったらどうしよう?

● まぁ、そんなどうでもえぇ雑談はこの辺で(^^;。NT倍率が再び上昇基調を強めています。終値ベースでみると、NT倍率はこれで5日連騰。これまでに直近高値は12月14日の 11.4178 だったのですが、21日にこの水準を上抜けて、今日は終値ベースで 11.5319 まで上昇。右上グラフをご覧頂けると一目瞭然ですが、長期的な強い上昇トレンドが継続中。

NT倍率の推移(長期) ● 左側のグラフは、もっと長期のNT倍率を描いたものです。1999年夏に12倍を割り込んでから、ずっと10倍前後の推移が続いていたのが、足元の1年少しの間に大きく変化しているのが見て取れます。1999年夏前に一度、瞬間風速的に12倍を割り込だのは、1993年11月のこと。正確には、11月2日に終値ベースで 11.9499 を記録して12倍を割り込んで、11月22日に 11.6378 を付け、その後、ほぼ年内はずっと12倍割れで推移することになりました。

● 1993年といえば、8月に細川連立政権が成立して自民党支配が崩れ、米が初めて輸入された年。レインボーブリッジが開通したのも"ドーハの悲劇"も1993年。他にも今年(2009年)と1993年の類似性については、色々な面であちこちで指摘されている通りです。

● 偶然かもしれないのですが、NT倍率でも「変化」という観点からは、相場のなかで何らかの地盤変化が起こっている可能性は否定できません。ここで分析というほどの分析は出来ないし、まぁ、やるつもりもないんですけど(^^;、現時点で答えが分からなくても、あとで振り返って「あっ、そうか」は良くある話。足元で変化の全てや理屈の全てが分からなかったとしても、頭の片隅には入れておきたい要点です。もっとも、1993年のスパイク的な下落は、こうやって長期スパンで見ると、本当にスパイク的なもので、トレンドを変化させるものではなかったんですけどネ。

1993年と2009年の日経平均 ● というわけで、1993年と2009年の日経平均推移のグラフのアップデートが右側。年間の立会日数が違うので、多少のズレはあるのですが、高安のタイミングはかなり似通った1年だったことが分かります。今年の場合は、最後の最後になって、上昇基調が強まっている点は、1993年とは違った方向にも見えますけどネ。

● 来年からは、東証arrowhead がスタートするし、相場がどんなスタートを切るか少し楽しみにしています。ただ、ストラテジスト諸氏が書いているほど楽観視はしていないんですけど…(^^;。

● ちなみに、今年の大納会は例年通り12月30日ながら、半日立会ではなく、全日立会になります。そして、立会後に東証に石川遼選手が来るそうです(^^;。東証からのお知らせは、『「2009年大納会」について』からどうぞ。なお、大発会は同じく例年通り1月4日で、こちらも全日立会。『「2010年大発会」について』からどうぞ。

東証の新取引システム、arrowhead が来年大発会から稼動するのは、もう多くの方が認識していないといけない時期ですが、何となくそうなっていないようで心細い感もあります。特に、一般的なメディア報道を見る限りでは、経済専門誌などですら、まともに取り上げられない状態。「コレで大丈夫なんか?」という一抹の不安が心をよぎるし、知らなかったら知らない方が悪い、ってことなんでしょうか…(^^;。一個人としてこの段階で出来ることは限られているのは事実だとしても、それなりに起こることを想像して、心の準備をしておくぐらいのことは、最低限必要かなと…。

● ホンの少しだけですけど、例えばGoogleニュースで「アローヘッド」で検索するだけで、多少はそれっぽい記事が見えて来ると思います。さらに、今日はロイターが「特集」っぽいことをやって、記事をいくつかリリースしています。相場がこれだけ閑散で動きに乏しいなかだけに、まだご存知無い方々は、下記に抜粋してみました。

● 東証HP内には、arrowhead 関連のまとめページ、『arrowheadスクエア』 もありますので、こちらも目を通しておいた方がよろしいかと…。いざと言う時に慌てるぐらいなら、少なくとも心の準備ぐらいはしておいた方が良いと思いますヨ!

日経平均日中足 ● 今日の相場は朝方から「超」が付く小動き。三菱UFJ(8306)の増資分がTOPIX等の指数に算入されるイベントがあったので、もう少し動くだろうと考えていたし、実際に最後の最後で少し動いているのは、右の日経平均日中足(出典:Yahoo! JAPAN Finance)でもご覧頂けると思います。ただ、前場の値幅は27.71円だったし、後場に入ってからも中盤までの日中値幅は20円程度と見たことが無いぐらいの小動き(^^;。

● 日経ニュースによると、今日の日中値幅の32.02円は、「1986年2月21日の29円以来、約23年ぶりの小幅な値動き」(http://www.nikkei.co.jp/news/market/20091221m1ASS0ISS16211209.html)とのこと(^^;。さらに、東証1部の売買代金は9835億円どまり。これは今年1月19日以来の低水準で、とにかく見所に欠ける1日でした。もっとも、これだけ閑散になってしまうと、逆に何か書きたくなってしまうので、それだけ「意味」がある1日だったのかもしれませんが…(^^;。

● 記録のために、今日の日経平均4本値です。すごいでしょ!

 日経平均   始値:10196.71 高値:10215.49  安値:10183.47 終値:10183.47 (+41.42)

arrowheadロゴ 東証の新システム、arrowhead が来年大発会から稼動するまでに約3週間。その割には、色々な個人投資家の方々と直接お話をしたりメールでお話をしたりしても、意外に知らない方々が多いことにびっくりします。東証の広報不足もその要因でしょうけど、決してインパクトがゼロのイベントではないので、投資家サイドとしても、それなりの心構えと準備が必要に考えています。

● 一方で、「デイトレーダー全滅説」といったような過激で根拠に乏しい話が飛び交っているのも、まぁ、ご愛嬌(^^;。環境が変化するのは事実なので、その対応が出来なければ滅びる運命というのは、それこそ恐竜の時代の前から真実だとしても、それだけでデイトレーダーが全員、生き残れないというのは、あまりにも極論。誰にとっても変化と対応は必要でしょうけど、全員が一夜にして滅びるほどの環境激変ではありません(^^;。現状では、東証よりも大証の方が、約定にしろ板にしろ、レスポンスが相当に速いことは、実際にトレーディングをされている方は理解しているでしょう。だからと言って、大証銘柄のデイトレーディングが不利なんて、誰も言いませんよネ(^^;。今回はそれよりもかなり環境変化は大きくなるでしょうけど、だからと言って、対応出来ないほどではないハズ。そもそも、システムが速くなって困る向きなんていないんですから…、ホンマ!

● ただ、一つ留意点があります。それは、皆さんが取引しているネット証券が新システムに対応しているかどうかに留意が必要ということ。それなりの規模の会社だったら「対応していない」という回答はないでしょうけど、対応度合いには差が出てくる可能性があります。証券会社側にとっては、かなり重たい設備投資になっているのですが、せっかく東証のシステムが最新化されるのだから、それに対応できる証券会社を選ぶのは、ユーザーとしては当然。年内の立会日数はあと2週間程度ですが、大発会から突然切り替わるのですから、事前に色々と下調べをしておいて損はないと思います。もし、新たに口座設定したり預かり資産を移すんだったら、ちょうど年末というキリの良い時期ですしネ。

● 「アフィリエイト」サイトではないので、敢えてどのネット証券がどういった対応をしているかは書きません。ただ、個人的に色々と各社の「お知らせ」を比較しているだけで、例えば、arrowhead の特徴の一つの「フル板」が見れるかどうかについても、対応度合いに温度差があるような気がします。もちろん、得られる情報量が多いに越したことは無いにしても、それはスピード(データ量)とのトレードオフになるのは、簡単に想像できます。データが多くなればなるほど重たくなるのは当然の話で、その辺のバランスが各社のトレーディングシステムによって差異が出てくるのではないか、とも考えています。

● 注意点として、多くの証券会社で arrowhead 対応の新システムが使えるのは1月3日とか、1月4日大発会当日といった状況。実際のところ、「やってみないと分からない」が多くなりそうです。そのため、投資家・ユーザーサイドとしても、気持ちの準備とともに、いざという時に備える「コンティンジェンシー・プラン」が必要になりそうです。何も起こらなければそれで結構なことだし、何か不都合が発生しても慌てないだけの準備は、出来れば年内にしておいた方が良さそうです。

● 前2回の『東証arrowhead稼動で変わること』は以下です。こちらもご参考に。

● また、東証HP内のarrowhead 関連のまとめページ、『arrowheadスクエア』 がありますので、こちらもご参照を。

1993年と2009年の日経平均 ● 12月メジャーSQも終了し、外資系証券では一気に年末ムードが高まる時期になりました(^^;。実際、12月SQ終了とともに本国に帰国してしまう外国人スタッフは非常に多く、今週からはオフィスも閑散としてくることが多いのです。

● 多くの外資系証券では11月か12月が決算月で、今年の成績はほぼ確定済み。今は「やっても成績に勘案されない」時期です。なので、どうせやるなら来年になってから、というムードが漂うのは避けられません。アプレイザルと呼ばれる成績評価も終わっているだろうし、それに伴う最も重要なボーナス交渉なども山場を越えた状態。また、クリスマスシーズンってことで、何か重要案件をやろうにも、本国のお偉いさん方々も休暇で居ないとなると、「まぁ、来年になってからでえぇか…」となるんです。そして、日本人スタッフは落ち着いて年賀状書きにいそしむ、というのがこの時期、例年恒例のパターンです(^^;。

NT倍率の推移 ● というわけで、12月メジャーSQまでのテクニカル指標のフォローアップです。右上は『1993年と2009年の類似性』グラフです。どこを基点にとるかによって印象は若干異なるんですが(数日はずれて当然)、それでもグラフの格好や天井・底のタイミングがかなり似通っているのが見て取れます。政権交代だの何だの、色々と社会的にも類似点がある両年ですが、この調子だと年末まで同じような状態でなだれ込みそうな雰囲気です。

● 左は『NT倍率』の推移。昨年のリーマン・ショック前からをグラフにしているのですが、9.50近辺で底打ちして以降の上昇トレンドは、まだ確たる変化が見えない状態。ひたすら日経平均を牽引してきた大きな要因の一つ、ファーストリテイリング(9984)が少し止まりつつあるかなと思えたものの、それ以上に、三菱UFJ FG(8306)などを筆頭にした銀行株が駄目駄目マーク。結果的に、NT倍率は波を打ちながらも上昇傾向維持って感じです。

● 12月11日(金)のNT倍率は終値ベースで11.3754。直近のピークは10月27日終値の11.4045です。ここを超えてくるようだと、色々な意味で物色動向に大きな変化は無いってことを示していることになるし、もし届かないとなると、NT倍率ベースでダブルトップからトリプルトップを形成する可能性が出てくる雰囲気。テクニカル分析面からしたら、一応、それなりに注目しておきます。

● 前回からの続きです。東証arrowheadが来年1月4日の大発会から稼動することにより、売買制度にも色々な変更が予定されています。前回は制限値幅と更新値幅の変更について書いたので、今回は呼値の単位(刻み)変更について書きます。なお、前回のアップはこちらからどうぞ。

● 早速ですけど、前回と同様に、新旧対照表を作ってみましたのでご覧下さい。

株価 新・呼値単位 現行呼値単位
1 2,000円以下 15 bps 15 bps
2,000 3,000円以下 13 bps 517 bps
3,000 5,000円以下 510 bps 1020 bps
5,000 30,000円以下 103 bps 103 bps
30,000 50,000円以下 5010 bps 5010 bps
50,000 300,000円以下 1003 bps 1003 bps
300,000 500,000円以下 50010 bps 1,00020 bps
500,000 3,000,000円以下 1,0003 bps 1,0003 bps
3,000,000 5,000,000円以下 5,00010 bps 10,00020 bps
5,000,000 20,000,000円以下 10,0005 bps 10,0005 bps
20,000,000 30,000,000円以下 10,0003 bps 50,00017 bps
30,000,000 50,000,000円以下 50,00010 bps 100,00020 bps
50,000,000   100,000N/A 100,000N/A
注:bps=株価レンジ上限に対するティックサイズ(ベーシスポイント)
(出所:東京証券取引所HP、作成:虎年の獅子座)

● こちらもほぼ一目瞭然ですけど、ティックサイズがかなり減少していることが分かります。また、現在の呼値の刻みだと、3 bpsだったのが、次の基準では突然の20 bpsといった不具合があったのを、今回の改訂でかなりなだらかに修正していることも分かります。最大でティックサイズが10bpsというのは、何とか許容しなくちゃあいけない線でしょう。もっと早く手を付けるべきところだったのでしょうけど、ひとまず、妙な不都合が減るのは良い事です。

● ティックサイズが小さくなるということは、それだけマーケットインパクトが小さくなる可能性が出てくるわけで、投資家にとっては、間違いなく良い話です。また、ティックサイズが小さくなると、例えば2000円チョイの値段の株だったとすると、これまで5円刻みで値が付いていたものが、今後は1円刻みで値が付くことになるので、一値あたりに堆積する注文量は減ることが考えられます(前後に増えた値段に分散される)。そのため、上下5本値などをパッとみるだけだと、板が薄くなった印象があるかもしれません。ただ、これは値段の刻みが増加したから発生するもので、これまでも1000円超のところの刻みが1円になった時と同じで、最初は戸惑ったにしても、最終的に慣れてしまえば、逆に流動性が改善してインパクトが減少する効果を感じることが出来ると予想しています。VWAPトレーディングでも、ティックサイズに泣かされて、分厚い板で順番待ちで悶々としていたのは、多少はマシになるんでしょうかね。しかし、東証arrowheadの約定速度を考えると、「バババババッ・・・」と一気に1円刻みの値が付くんでしょうネ。ちょっと見てみたいような怖いような…(^^;。

● そうそう、前回同様に蛇足だとは思いますけど、もし万が一、東証arrowheadについて、まだ詳しくご存知ない方がいらっしゃいましたら、東証HP内に 『arrowheadスクエア』 という「まとめページ」があります。そちらもご参照を!

● 東証arrowheadが来年1月4日の大発会から稼動することにより、売買制度にも色々な変更が予定されています。売買システムが新調されることで、ITやシステム関係の方々は、テストや何やらで大変な年末・年始になると思います(^^;。ご苦労さまです。で、こちらはこちらで、実際の売買に関連する色々な変更について、復習と備忘録のために、書き記しておくことにします。全体の印象として、今回の修正では、あちこちに存在していた歪みを取り除いており、リセットするには妥当な変更って感じです。

● これらの変更点については、既に発表済みのものばかりですんで、全て東証HPで確認できます。細かい変更点は色々とあるんですが、実際に売買する方々にとって、一番影響が大きいのが、制限・更新値幅と呼値の単位変更だと思います。その中で、今回は制限値幅と更新値幅の変更について書いておきます。そして、第2回目で呼値の単位変更(刻み変更)について書きます。

● これらの件については、11月5日に東証から発表されている 『arrowhead稼働時における売買制度等の見直しに伴う業務規程等の一部改正について』 (PDFファイル4ページ目)に明記されています。このリリースにも変更される部分は掲載されているのですが、新旧対照表を作った方がわかりやすいかなと考えて、ちょっと挑戦してみました。皆さんもデータを適当に組み合わせて、使い易い部分を抜き出してスクリーンの横にでも貼っておいてください(^^;。

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株価 2010年1月4日以降適用 現状(2008年7月22日〜)
制限値幅 更新値幅 制限値幅 更新値幅
1円以上 100円未満 3030% 517% 3030% 517%
100円以上 200円未満 5025% 510% 5025% 510%
200円以上 500円未満 8016% 810% 8016% 56%
500円以上 700円未満 10014% 1010% 10014% 1010%
700円以上 1,000円未満 15015% 1510% 10010% 1010%
1,000円以上 1,500円未満 30020% 3010% 20013% 2010%
1,500円以上 2,000円未満 40020% 4010% 30015% 3010%
2,000円以上 3,000円未満 50017% 5010% 40013% 4010%
3,000円以上 5,000円未満 70014% 7010% 50010% 5010%
5,000円以上 7,000円未満 1,00014% 10010% 1,00014% 10010%
7,000円以上 10,000円未満 1,50015% 15010% 1,00010% 10010%
10,000円以上 15,000円未満 3,00020% 30010% 2,00013% 20010%
15,000円以上 20,000円未満 4,00020% 40010% 2,00010% 20010%
20,000円以上 30,000円未満 5,00017% 50010% 3,00010% 30010%
30,000円以上 50,000円未満 7,00014% 70010% 4,0008% 40010%
50,000円以上 70,000円未満 10,00014% 1,00010% 5,0007% 50010%
70,000円以上 100,000円未満 15,00015% 1,50010% 10,00010% 1,00010%
100,000円以上 150,000円未満 30,00020% 3,00010% 20,00013% 2,00010%
150,000円以上 200,000円未満 40,00020% 4,00010% 30,00015% 3,00010%
200,000円以上 300,000円未満 50,00017% 5,00010% 40,00013% 4,00010%
300,000円以上 500,000円未満 70,00014% 7,00010% 50,00010% 5,00010%
500,000円以上 700,000円未満 100,00014% 10,00010% 100,00014% 10,00010%
700,000円以上 1,000,000円未満 150,00015% 15,00010% 100,00010% 10,00010%
1,000,000円以上 1,500,000円未満 300,00020% 30,00010% 200,00013% 20,00010%
1,500,000円以上 2,000,000円未満 400,00020% 40,00010% 300,00015% 30,00010%
2,000,000円以上 3,000,000円未満 500,00017% 50,00010% 400,00013% 40,00010%
3,000,000円以上 5,000,000円未満 700,00014% 70,00010% 500,00010% 50,00010%
5,000,000円以上 7,000,000円未満 1,000,00014% 100,00010% 1,000,00014% 100,00010%
7,000,000円以上 10,000,000円未満 1,500,00015% 150,00010% 1,000,00010% 100,00010%
10,000,000円以上 15,000,000円未満 3,000,00020% 300,00010% 2,000,00013% 200,00010%
15,000,000円以上 20,000,000円未満 4,000,00020% 400,00010% 3,000,00015% 300,00010%
20,000,000円以上 30,000,000円未満 5,000,00017% 500,00010% 4,000,00013% 400,00010%
30,000,000円以上 50,000,000円未満 7,000,00014% 700,00010% 5,000,00010% 500,00010%
50,000,000円以上  10,000,000N/A 1,000,00010% 10,000,000N/A 1,000,00010%
(#1)(#2) (#1)(#2)
注:#1=株価レンジ上限に対する%、#2=値幅制限に対する%
(出所:東京証券取引所HP、作成:虎年の獅子座)

● ご覧頂ければ分かるのですが、全体に値幅制限が拡大されている点が一つ。さらに、これまでは値幅制限が株価500円以上のレンジ(要するに普通の株)であっても、レンジ上限の7%〜15%とかなりばらつきがあったのを、今回は14%〜20%へと、ばらつきを少なくするように修正している印象です。値幅制限が拡大するのは、よりマトモなマーケットを運営する上では大事なことだと思うし、値幅制限などは、少なくとも先進国であれば、世界中を見渡しても無いマーケットの方が多いのです。その点を見ても、まぁ、全体としては、正しい方向に向かっていると評価するべきなんでしょう。制限値幅が全体に拡大していることから、ストップ高やストップ安が減る可能性はあるのですが、arrowheadの速度を考えると、ストップ高やストップ安に到達する時間は、これまでよりも速くなる可能性は考えられます。始まってみないと分からないですけどネ(^^;。

● なお、現在の値幅制限や呼値の単位は、東証HP内の 『更新値幅、制限値幅と呼値の刻み』 に掲載されています。

● 最後に、蛇足だとは思いますけど、もし万が一、東証arrowheadについて、まだ詳しくご存知ない方がいらっしゃいましたら、東証HP内に 『arrowheadスクエア』 という「まとめページ」もありますんで、そちらもご参照を!年が替わってから慌てても遅いですよ!

1993年と2009年の日経平均 ● 先週は1週間を通して反発。しかも、11月30日〜12月4日の5日間で日経平均は941.07円(10.36%)も上昇しました。かなり意外感があったものの、メディアは何でも「ショック」と付けたがるだけで、ドバイ・ショックも、言葉から響くほどの大事ではなかった、ってコトかもしれません。まぁ、本当の意味の結果はまだ出ていないんですけどね…。

● せっかくの週末ですし、1993年と2009年の類似性についてのグラフをアップデートしてみました。グラフをクリックすると、拡大画像がご覧頂けます。幅はともかくとして、タイミングは春先の底打ちも、今回の底打ちも、かなり似通っているのが分かります。もちろん、今後、1993年と全く同じ動きをする根拠は何も無いとしても、グラフを単純に比較すると、タイミング的には、残り1ヶ月は基本的にもみあう印象があります。まぁ、こうやって書くと、そうはならない場合が多いのですが…(^^;。

● 目先的には、12月11日(金)がメジャーSQ。SQというのは、何かと相場の転機になることが良くあるので、ちょっとだけ気にしておくつもりです。

● 先週末、11月27日に東証HP内に、『次世代売買システム「arrowhead」専用ページ』 なるものが公開されています。証券会社、特にトレーディングの最前線で戦う方々にとっては、これまでも何かと話題になってきたシステムですが、色々なスペックだけではなく、今回、板状況が動画で公開されており、これは証券会社関係者だけではなく、一般に売り買いする方々は一度は目を通しておくべきかと…。

● とにかくスピードが速いのです。板の状態のシミュレーションが掲載されているのですが、まず、それをご覧頂いた方が話が早いと思います。東証HPに掲載されているものをリンクします。東証HPでは、上記ページ内に『arrowhead稼働後の板の動き(シミュレーション)』として掲載されているもので、実際の板で成行注文が執行されるときの様子です。

■現行システム ---> 板の動き(動画=等速)
■arrowheadシステム ---> 板の動き(動画=約15分の1でスロー再生)
■arrowheadシステム(連続約定気配) ---> 板の動き(動画=約15分の1でスロー再生)

● ご覧頂くと一目瞭然ですが、「約15分の1のスロー再生」でも、肉眼ではまず見えません(^^;。なので、ホンチャンだと、瞬時に板が変化したように見えるのでしょうね。現状と比較すると、ワープってな速度ではありません、ホンマ…(^^;。

● これで何が変わるか?前々から証券関係者の間では予想されていることですが、特に短期筋にとっては、「板を見ながら売買する」というスタイルが通用しなくなってくる可能性が大きいと考えています。証券のディーラー筋などの間では、これまでは、大きな注文が入ったのを見て追随したりの売買が可能(相当に素早く動く必要があったにしろ)だったのでしょうけど、このシミュレーション動画を見るだけでも、arrowheadシステムになったあと、「板を見ながら…」が通用するとは思えないんです。「あっ」って時には、既に約定済みだし、実際に画面で大きな注文が入ったのかどうかを確認することすら困難になりそうです。もちろん、板を覚えていて、「○○円まで入ったのだから、××株の商いが成立したに違いない」は分かるでしょうけど、常にウォッチしている10銘柄ほどの板を、しかも常時変化する板を覚えるなんて、実際に何かに役立つのかどうかも疑問です。

● 一方で、これだけ約定が素早くなるってことは、情報処理に優れているシステムを使っている、主に外資系証券のプロップデスクや、超高速回転系ヘッジファンドにとっては、それだけエッジがつかめることになる可能性があります。ただし、それについていくだけの巨額な設備投資も必要でしょうけどね…。

● いずれにしろ、arrowheadシステムの導入でトレーディングスタイルが変化するのは間違いありません。このシステムは、2010年1月4日(月)に稼働予定です。

1993年と2009年の日経平均 ● 2日前のアップ、『1993年と2009年の日経平均の動き、ホンマによく似ている…(^^;。』 と書いたのですが、今日の大幅安で、グラフはますます似てきてしまいました…(^^;。右が本日終値まで入ったアップデート版です。

● グラフをクリックすると、拡大画像がご覧頂けるのですが、タイミングと言い、規模と言い、まるで図ったような下落度合い。決して「ドバイ・ショック」を予見したのではありませんし(^^;、急激な円高を予見したのでもありません!(きっぱり)。でも、これだけ不思議な一致を見てしまうと、理由は何であっても、何かのつながりを感じてしまうのも避けられません。まぁ、そういった時期と理解しておくことにします(^^;。

● 米国市場が感謝祭の休みの間に発生した出来事。再開したところで、米国市場がどう反応するかが大きなカギです。