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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

● オーバーナイトでの欧州市場、さらにNY株式市場の波乱を受けて、今日の東京株式市場は大幅続落。日経平均終値で -3.10%(10,364.59円、-331.10円)でした。瞬間風速ではもう少しエグイところもあったのですが、それでも指数で2%超の下落(上昇)は、「大幅」という枕詞に値するでしょうから、大幅安は大幅安。

騰落レシオとTOPIX ● メディアは「きれいに聞こえる事後説明」に忙しいようなので(^^;、全て急落の原因をギリシャに責任をおっかぶせる格好になっているものの、ギリシャ・ショックだけが全てではないってことは、多くの市場関係者は分かっていると思います。まぁ、その辺の事情については他のサイトに譲るとして、何はともあれ、騰落レシオの水準をチェックしておきましょう。

● 右グラフは、いつも通り、TOPIXの推移と25日騰落レシオの推移をグラフにしたものです。本日(5月7日)終値時点で、25日騰落レシオは97.66%まで下落。25日騰落レシオが100%台を割り込むのは、3月8日に大台乗せとなって以来なので、ちょうど2ヶ月ぶりの水準ってことになります。ただ、騰落レシオとして見た場合、まだ「低水準」とは言い辛い状態。数字からすると「中立」だし、敢えて言葉にすると、「約2ヶ月間近く続いた過熱状態が、ほぼ解消した」程度に過ぎないのです。

● グラフをご覧頂ければ分かりますが、25日騰落レシオをシグナルと見なして「買う」のであれば、少なくとも90%割れの水準、もっと言えば80%割れ水準が欲しくなります。

● 今後、値上がり500銘柄/値下がり1000銘柄が5日間続けば、25日騰落レシオは、来週金曜日に 76.47%まで下落する計算になります。まぁ、さすがにここまで来れば…ってことでしょうけど、「↑500/↓1000」ってのは、かなり弱い相場。そしてそれが5日間も継続した暁には、それこそ世の末みたいな雰囲気(^^;になってしまうでしょうから、そこまではちょっと考えにくいところ。

NT倍率の推移 ● もし来週、ずっと値上がり/値下がりともに750銘柄ずつのチャラ相場だったとすると、金曜日に25日騰落レシオは、87.08%まで下落する計算。まぁ、この辺が一つの考え場所かなと想定することにしています。

● 今日はもう一つグラフを添付しておきましょう。左側グラフはNT倍率の推移です。今日だけの話ではないのですが、4月上旬頃に11.25近辺の下値支持線を割り込み、少しずつトレンドに変化の兆しが明確になりつつあります。NT倍率は「日経平均÷TOPIX」なので、これまで相場牽引役として突っ走ってきた輸出系銘柄、値嵩株中心の展開に変化が出ていることを示唆しているように思えるのです。

● もっとも、だからといってギリシャ危機の足元を考えると、ここで銀行株を狙うって動きには、到底なれません(^^;。気持ちとして、そちらの方向には行けませんよねぇ~。特にJGBを死ぬほど抱え込んでいる日本の銀行は、かなり偏ったソブリンリスクを抱えているのですから…。

● NT倍率の変化が、相場に直接的に何かをもたらすってことはないかもしれませんが、気になるテクニカル指標の一つとして、ちょっと頭に入れておきましょう。

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