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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!
第一生命(8750)日中足

● 第一生命(8750)の上場2日目。もっとも、初日は擬似ダッチ方式として、一本値取引で即売買停止になったので、実際にザラ場取引があったのは4月2日が初日。この4月2日終値で第一生命株はFTSEに新規採用となりました。時価総額が大きなIPO銘柄に許される「Fast Entry」という早期算入制度に基づくものです。この辺の詳細は、以前このブログでも書いたので、『第一生命株、 FTSE算入は4月2日終値基準で』をご参照下さい。

● 今回は記録保存の意味合いで、FTSE算入日の最後の最後に何が起こっていたかを書いておきます。まず左側グラフは第一生命の4月2日の日中足(出典:Yahoo! JAPAN Finance)です。ちょっと分かりにくいのですが、最後の最後にピョコンと跳ねて下がってしているのが分かると思います。それに伴って、かなりの出来高が出来ているのも。この辺は、かなり典型的な指数イベント銘柄の動作です。

● 東証の売買システムが arrowhead になってから、かなりの売買をこなせるようになっているのは誰が見ても分かるのですが、今回の第一生命でも、その真価を発揮。最後の1分間だけの取引に限定してみると、165,900円で14時59分がスタート。そこから166,800円まで上昇して、14時59分の最後に記録されているティックは163,500円。そして大引けは162,500円。

第一生命(8750)歩み値抜粋 ● 値動きもさすが指数イベントとして"相応しい"貫禄があるんですが、驚くべきはティック回数。14時59分と銘打たれた取引だけで、なんと453回(!)。

● 右側はマネックストレーダーの歩み値画面の抜粋ですが、これでも14時59分部分のホンの一部です。実は、この画面を更新しながら手作業でティック回数を数えたので、多少の間違いはあるかも知れませんが、意図はご理解頂けるかと…。どちらにしろ、1分間に453回もの取引が成立しているんだから、リアルタイムに目で追い掛けるのは、いくら動体視力がスーパーマン並でも不可能です(^^;。

● ちなみに、14時59分に成立した出来高は 17,605株。大引けのワンティックで 42,666株の取引が成立しています。第一生命の全日出来高は 1,078,553株だったので、14時59分と大引けのホンの1分間で、60,271株、5.59%もの取引が成立したことになります。ただ、実はこれは事前に予想されていた10万株程度という数字からすると少なめ。背景としては、ザラ場引けリスクなどを考慮して、実際には、もう少し前から執行していたためと考えられます。

● いずれにしろ、第一生命が算入される株価指数として、FTSEはマイナーではないけど、MSCI BarraやTOPIXなどと比較すると、規模としては小さい方です。今後、MSCI Barraでも「Early Inclusion」(FTSEで言うFast Entryと同意語)があります。

● 実は、既にMSCI Barraから公表されていますが、「4月15日より第一生命は MSCI Barra に新規採用されます」(リンク先は英文のMSCI Barra発表リリース)。4月15日から指数採用ということは、基準となるのは、前日の4月14日(水)の終値。つまり、ここでFTSEの場合と同様の指数イベントが発生することになります。

● FTSEよりは MSCI Barraの方が連動ファンドの規模が大きいと考えられるので、素直にいけば、想定される買い規模は大きくなると考えられます。もちろん、FIFなどが公開されていない(契約者のみのライセンス情報)ので、詳細は不明ですが・・・。

● 一応、この手の指数イベントの経験が浅い方もいらっしゃるでしょうから、蛇足的に書いておきますが、指数連動ファンドの買いニーズがあるからと言って、株価が上昇するなんて寝惚けたことは言うつもりありません、為念(^^;。それとこれは別モノです(キッパリ断言!)。

● まぁ、それでも、一応、期待感を込めて眺めておきます(^o^)。

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