2009年11月01日(日) .... NT倍率の推移を継続的にウォッチ、直近では若干緩んだけど…。
● NT倍率の推移については、継続的にウォッチするようにしているのですが、日経の市況欄にも記事が出たこともあって(^^;、足元では若干の緩和状態にあります(左図参照)。ただし、右下図でも分かるように、短期的なグラフで見た場合には、それも比較的分かり易いのですが、長期的なグラフで見た場合には、まだ"傾向"というほどの変化は出ていません。もちろん、これほどの長期的なグラフではっきり見えるようになった時には、トレンドの確認ってイメージで、決して予知するようなモノではありませんけど…(^^;。
● いずれにしろ、NT倍率は2000年4月の『伝説の日経平均30銘柄入替え』以降、2000年後半ぐらいから、ずっと「10倍プラスマイナス0.5」の周辺で推移していたのが、足元で完全にレンジを放れたのは誰もが否定できない状態は続いています。トレンドとして、昔の「13倍プラスマイナス1倍」程度の世界に戻るのか、それとも新たなレンジを形成するのか、個人的には、かなり興味を持って眺めています。
● 個別には、「9983」と「9984」のコンビが日経平均の上昇に大きく寄与しているのは周知の通り。特にファーストリテイリング(9983)の爆発パワーに日経平均が大きく影響を受けているのは、誰もが良く分かっていると思います。上記したように、NT倍率が大きなレンジを変えるような動きをしているなかでは、こういった機会をチャンスと感じるのは、ヘッジファンドも同じ。今回も、相当な量のNT倍率関連の取引が入っているのは、誰が見ても明らかな状態。
● 日経平均の変化度を左右する寄与度の大きい銘柄で、なおかつ、それなりに商いが出来る割に値動きが大きな銘柄となったら、現在だとファーリテとソフトバンクに注目が集まるのは、誰がやっても同じ。さらに、マイナス側で銀行株を売るってのは、それなりに業績面からの理屈も付くし、亀井大臣のおかげで政策的にも理屈が通る状態。こうなったら、「やらない方が罪」みたいな状態になってしまいます。そして、日本株市場そのものが、何となく面白くないマーケットになってしまった中では、先物を使って量が捌けるのはメリット。
● で、問題は、どこでアンワインドしてくるか(利食いしてくるか)ってこと。かつて、ソフトバンクが似たような状態の銘柄となり、機関投資家も「買わざるを得ない」となって、アナリストやストラテジストの「アンダーウェイト推奨」から、あれやこれやと理屈を付けて買った頃を思い出します(^^;。もっと昔には、光通信にも、そんな時代がありましたなぁ…(^^;。そして買い終わったら、今度は売り気配で寄付かないという悲劇があったのです。まぁ、ファーリテはそんな羽目にはならないと思いますが、あれやこれやとアナリストがきれいな理屈を付けてくるようになったら、背後には「買いたい」という意思を感じる証左ってことになります。「買いたいんやけど、ちゃんとした理屈が欲しい」という"顧客の声"に応じた結果が、そういったレポートになってくるからです。この辺には敏感になっておきたいところです。
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