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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

NT Ratio ● 昨日、日経QUICKニュースに、『株価指数先物・オプション大引け、4日続伸 先物NT倍率9年ぶり高水準』と流れていましたが、現物指数のNT倍率(終値ベース)も直近高値を更新してきています。左グラフは前回と同様に、昨年のリーマンショック前の8月1日から直近までのNT倍率を書いていますが、継続的な上昇基調をご覧になれるかと…。

● このNT倍率の推移を眺めて見ると分かるのですが、昨年9月のリーマンショック後の相場混乱期に一気に落ち込んだところが見て取れます。これは、世界的な景気の急速な落ち込みを懸念したことで、日経平均に比重重く採用されている輸出系銘柄が急落したのが大きく響いているのは周知の通りです。ただ、それが1ヶ月ほどで一巡してからは、今年1~2月にもたつく局面はあったものの、3月以降に関しては、NT倍率は緩やかな右肩上がりが続いているのです。総選挙後に上昇角度が多少大きくなっているのは、もちろん、民主党政権誕生が影響しているのでしょうし、何と言っても連立政権相手の某大臣発言などが響いているのは否定できません。

NT Ratio (Long Term) ● 一方で、右グラフはもっと長期のNT倍率を出しています。Yahoo! JAPAN Finance で日足を遡ると、1991年1月4日から数値が取れるのですが、そこからの過去データを使ってExcel上で描いたグラフです。これだけのデータを集めるのにも結構苦労したのですが(^^;、その結果を見ると、色々と興味深いことも見えてきます。

● 2000年後半ぐらいから、NT倍率は「10倍プラスマイナス0.5」の周辺で推移していたのですが、明確にレンジを抜けてきていることが分かります。例の『伝説の日経平均30銘柄入替え』が実施されたのは、2000年4月24日(詳細はこちらから)のこと。NT倍率のグラフでも、その影響がかなりショッキングに出ているのですが、NT倍率はその前からかなりの角度で下落を続けており、この30銘柄入替えについても、今になって振り返れば、そのなかの「スパイク的イベント」に過ぎなかったような感じすらします。何はともあれ、1999年初頭まではNT倍率は13倍近辺の推移だったことも、このグラフから見て取れます。私が個人的にNT倍率関連の取引を活発にやっていた頃は、NT倍率は13倍基準だったので、ある意味で懐かしいっす(^^;。

● 長期的なNT倍率の変移については、色々とファンダメンタル的な理由があって発生するのは当然のこと。この辺の相場解説や謎解きについては、アナリストやストラテジストにお任せするとします(とサボる(^^;)。ただ、いくら民主党が「内需中心」と叫んでも、NT倍率を見る限りでは、そう考えにくい姿が見えてきます。もっとも、現在の日経平均を引っ張る銘柄の一つはファーストリテイリング(9983)なので、その点では「内需」なんですけど…(^^;。

● このところ書いているように、「NT倍率が、いつ、何がきっかけで反転するか?」については、個人的には、かなり注目しています。

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