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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!
 TOPIX : 786.02 (-2.86, -0.36%)    日経平均 : 7917.51 (-6.73, -0.08%)    円ドル : 92.30  

● 少しマイナスかと予想していたら、意外に堅調なスタート。ただ、米ビッグスリーの件や雇用統計などの先行き不透明感は避けられず、上にも下にも大きくは動かない地合いでした。まぁ、これは十分以上に予想できた展開だったので、サプライズでは無かったですけど…(^^;。ただ、指数は比較的小動きだったものの、個別には急上昇している銘柄と急降下している銘柄があちこちにあり、それなりに忙しそうな1日でした。

● 初っ端のプラスについて、市場関係者の間では「???」。買い主体が分からない時は「公的資金の買い」説が有力になります(^^;。まぁ、本当にそうだったかは永遠に分からないし、「公的資金」説が流れる時は、それだけ姿が見えなかったってことです(^^;。今日の相場で特徴的だったのは、Large70が妙に強かったこと。Core30が23bps負け、Mid400が37bps負けだったのに対して、Large70は63bpsも勝っていたのです。Smallも43bps勝ちだったものの、これは時価総額的には小さいところなので影響は小さいものの、Large70のパフォーマンスは、ちょっと不自然な感じもありました。何かその辺の銘柄群に買いが入っていた可能性は考えられます。

● 個別では、一見するとディフェンシブ系がしっかりだったようには見えるものの、電力・ガスや医薬品は、さすがに利食い売りに押された格好でマイナス。一方で、小売りやテレコムは堅調と、方向性が今一つまとめ難い1日でした。まぁ、銀行株が安かったのは、五・十日の週末となれば仕方ありません(^^;。詳細は、色々なマーケットレポートをお読み頂ければと…(とサボる(^^; )。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億2641万株減の18億9938万株、売買代金は同959億円減の1兆4084億円。東証1部値上がりは731銘柄、値下がりは874銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比75.49円高の7999.73円(9時20分確定)。日経平均の日中値幅はたったの115.68円(前場86.47円、後場106.82円)でした。また、市場筋推計による今朝の外資系証券寄付前売買動向は、かなりの売り越し(2570万株売り/1540万株買い)。なお、今日から集計が1社減って11社になりました。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 話題変更。このところのヘッジファンド関連のニュースフローを見ると、「解約停止」や「償還停止」が異常なほど目立ちます。 「米ヘッジファンドのフォートレスが償還停止、年内の償還請求増加で」 (ロイター)や 「チューダー・インベストメント、BVIファンドの償還を一時停止」 (ロイター)などは最近の典型例。ヘッジファンド側の言い分としては、一部の顧客による大型解約・償還によってファンドが不必要に痛むのを防ぎ、残存顧客の利益を守るため、というのが良く使われます。もちろん、ファンドそのものの存在を継続することで、生き残りを図っている面も強くあるのですが…。ちょっと前までは、解約・償還停止なんてのは"破綻一歩手前"と受け止められ、一気に信用を失う禁じ手だったのです。ところが、昨年8月以降、昨今の状況では、残念ながら珍しくも何ともなくなってしまいました。

● マーケット側から見れば、解約・償還停止により、突然のポジション解消に伴う大量の投げ売りや強烈な買戻しが出にくくなり、市場の混乱を抑制する効果があると考えることが出来ます。ただ一方で、投資家側からすると現金化するつもりだったポジションが、強制的な「塩漬け」状態になってしまうワケで、現金が必要だったりリスクを減らす必要があれば、解約・償還停止になっていないファンドを予定外に現金化する羽目に陥り、結局のところは、廻り回ってマーケットに影響を与える結果になります。

● 厄介なのは、往々にして解約・償還停止になるファンドは、運用成績が悪化したことが原因の場合が圧倒的に多いってこと。結果的に運用成績が悪ければ悪いほど、解約・償還停止になってシコる、という投資家としては避けたいパターンに陥ってしまうのです。その分のリスク量を他で落とすことになったり、ヘッジファンド保有リスクを他のデリバティブを使ってヘッジしたり(最近はそういう商品が流行だったりします(^^;)と、余計な手間隙が掛かります。ヘッジしたリスクは、組成した業者がマーケットでヘッジするしかなく、結局、マーケットにインパクトが出て来ることになってしまうのです。

● 解約・償還停止は、基本的にも根本的にも問題の先送り。多くのヘッジファンドは既にレバレッジを落としてしまっているので、かつてのように数百%(もしくはそれ以上)のレバレッジを掛けていた時点で被った損失を、低レバレッジの状態でコツコツ取り返すのは、全てがうまく行ったとしても、かなりの時間が掛かってしまうのは誰が考えてもすぐに分かります。そのため、これらの問題の「解決」には、相当な時間が必要になるのは明らか。後ろ向き処理を時間を掛けてやるというのは、ある意味で、不良債権処理と同じようなもんです。相場に神風が吹くのを待つ、というのも似た状況でしょうし、そんな時には神風が吹くことは無い、というのも多分、「真」なんでしょう。何度も同じことをヤルってのも、情けない気もしますが…(^^;。

● 雑談。 「ホンダ来季F1撤退へ!経費負担が経営圧迫」 (サンケイスポーツ)などと、あちこちのメディアで報道されています。色々な経済状況を勘案すると致し方ないところでしょうけど、やはり寂しく感じるのは避けられません。電気自動車だけの世界的なレースツアーでもあれば、メーカーも資金を投じて参加する大義名分が出来るだろうのに…。既に電気自動車で時速300キロ超も出る車は存在します(Wikipedia、エリーカ)。結構、興味深いレースになると思います。ただ、妙に静かで盛り上がらないレースになるかもしれないけど(^^;。

● 寒くなりそうな週末です。お身体にはくれぐれもお気をつけ下さい。来週はビッグSQです(^^;。良い週末を!

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株式関係のブログというと、デイトレーダーの収支報告だったり、アフィリエイト重視の内容の 薄いものが多く、なかなか参考になるものがありません。 また、証券会社のレポートなどは、株価の動きをいろんな形で跡付けているだけで、 文体も無味乾燥なものが多く、…
2008/12/06(土) 10:17:21 | さいたま市の永遠の25歳社長日記