このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

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 TOPIX : 889.23 (-67.41, -7.05%)    日経平均 : 8674.69 (-631.56, -6.79%)    円ドル : 99.55  

● 米国株安(NYダウ -231.77ドル、-2.50%)を受けて、朝からある程度軟調地合いは多くが想定していたでしょうが、ここまで大幅に下がることは大多数にとって完全な想定外。特に後場の下げ足の速さについてはかなりの意外感がありました。タイミングとしては、ユーロが対円でスコンと下落したあたりから売りが加速した印象があったのですが、ユーロ円の急落は、直接的な理由というよりも、きっかけだったと考えています。最近は大幅な値動きに慣れてきたのは事実でしょうけど、先週後半からおぼろげながらも、相場に落ち着きが見え始めていただけに、「まだ終わってないか…」との失望感は避けられず、一気に冷や水状態で心理的にかなり響く大引けとなってしまいました。「疑心暗鬼」という言葉を片隅に追いやることが出来るのは、いつになることやら…。

● 結局、TOPIXも日経平均もモロ安値引け。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比234.97円安の9071.28円(9時33分確定)で、寄付きから売られたものの、この程度の下落は多くが想定していたでしょう。前場はほぼ日経平均9000円あたりでの推移で、SQ値水準から大きく戻りはしなかったものの、売られもしなかったのです。ユーロが対円で130円を割り込んできたのは、後場寄付き直前。そして、スコーンって感じでユーロ安が進んだのが午後1時半前で、同時に対ドルでも円高が進行し、タイミング的に日本株が下げ足を速めたのと一致。

● もっとも、それ以降の円ユーロや円ドルは比較的落着いていたのに、日本株はズルズルと下落幅が拡大し続ける状況。かつて流行った「ユーロ高メリット銘柄リスト」は「地雷銘柄リスト」と化して市場筋の間を飛び交うなか、この辺からは、為替どうのこうのというよりも、心理的に「こりゃあ、到底買えない」という空気が広がってしまった印象でした。加えて、時間が進むとともにアジア各国市場もボロボロになり、余計に「到底買えない」感に拍車を掛けた格好。韓国市場などは、かなり悲壮感があったように感じました。「サムスン電子、サンディスクへの買収提案を撤回」 (日経)ってのも、あれだけウォンが急落してしまうと、どうしようもなかったのでしょうね。公式の理由には出てこないですけど…。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 記録。東証1部出来高は前日比7402万株増の21億5760万株、売買代金は逆に同18億円減の1兆8806億円と、指数の値動きが荒かった割には今一つ。買いが手控えられるなか、ビッドを売りに行かざるを得なかった向きが多かったことを感じさせます。東証1部値上がりはたったの75銘柄、値下がりは1602銘柄で、全面安。日経平均の日中値幅は523.45円(前場208.98円、後場330.04円)とかなり大きく、しかも「前場値幅+後場値幅≒1日の値幅」で、戻りらしい戻り局面が無かったことを物語っています。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再びかなりの売り越し(4220万株売り/2560万株買い)でした。

● 少し話題変更でヘッジファンドの話。市場では、ヘッジファンドの解約通告期限を「45日ルール」などと呼ぶことが多いようです。つまり、投資家サイドがヘッジファンドを解約するには、当該月の月末から逆算して45日前に通告するという話。そのため、ヘッジファンドの決算が多いとされる11月末(本当にどの程度多いのかは良く分からない(^^;)を基準に逆算すると、解約に伴うドタバタ売りは「10月15日まで」との共通認識がある(あった)様子です。

● ヘッジファンドは流動性が高いファンドでも、基本的に月末でしか解約できない場合が圧倒的に多いのです(これはかなり確実)。基準価格(NAV per unit)を計算するのに、運用側も投資家側も月末が都合が良い(きちっとした数字が出る)点があるのです。ただ、流動性はファンドによってピンキリで、毎月解約可能なファンドもあれば、半年に1回しか解約できないファンドもあります。M&A系ファンドは一般的に流動性が低く、半期とか1年に1回のみというのは珍しくありません。一方で、クオンツ系ファンドのように分散が効いたファンドは、毎月の流動性があるものが多いです。M&A系ファンドなどは、個別企業の発行済み株式数のかなりの部分を保有してたりするので、日々の流動性に対するポジションが大きくなり、解約が来た場合に、その対応(現金化)に時間が掛かるってことです。

● そこまでは良いとして、普段からこの「45日ルール」について、かなり不思議に感じています(^^;。実際にヘッジファンドにある程度足を突っ込んでいる方々からは、「そんなに45日ノーティスばかりでもないのにねぇ~」って声の方が良く聞こえてくる印象があるのです(^^;。私にしても全体像を把握するには程遠いのは自覚しているし、実際に「どう」と言い切れるほど数多くのファンドを見ているのではありません。なので、かなり曖昧な話で恐縮ですけど、それでも15日や30日ノーティス、3ヶ月ノーティスなどは良く見掛けるし、個人的な印象として45日ノーティスが大多数とは感じないのです。いつからなんでしょうね、日本で「45日ルール」が定説として広まったのは?(^^; (^^;

● もっとも、今回は解約の申し出が届く前から、圧倒的な「現金化」の動きがあったわけで、単に解約対応だけではないのです。この辺は語れば長くなるので端折りますが、この1~2ヶ月ほどの「現金化」の動きは、最初はレバレッジの縮小(デ・レバレッジング)から始まったのです。この結果、相場が大きく動きボラティリティーが急激に上昇してたことで、意図しないほどのリスクを抱えてしまう結果になり、慌ててリスク縮小(リスク・リダクション)に一斉に走り、それが余計に相場のボラティリティーを高める悪循環に陥ったのです。リスク・リダクションとデ・レバレッジングは大規模な同時進行となり、マーケットは大きく歪み、それが運用成績悪化。そうなると、当然のように解約もドンドン出てきます。リスク・リダクションと同時に、解約に備えて現金を手元に確保しておきたい意向もドンドン高まり、それが余計にポジション解消を誘発して…、って感じです。

● 先週後半から、ようやくグローバルな大津波が収まってきたような雰囲気があっただけに、今日の相場では「10月15日過ぎたのに、何でこんなに売るの?」的な失望感があったのでしょう。失望感に加えて、「まだ続いているのか…」、「いつまで続くのか?」といった不透明感が増してしまい、「買ってる場合じゃあない」と買い手が萎縮してしまう状態。今日の相場でも、午後から一気に崩れた印象があったし、他のアジア市場の崩れ方もみると、日本だけではない資金の動きがあったことを想像させます。もっとも、究極的に背景が見えてくるとしても、まだ相当先の話でしょうけど…。

● 話が長くなってしまったのですが、関連ニュースを一つ。ヘッジファンドクルークでは、「株価続落の原因、ヘッジファンドではなく投資信託の資金確保―米トリムタブス調査」 との記事がありました。元ネタはダウジョーンズの「Forced Hedge Fund Selling May Be Over For Now, TrimTabs Says」ですが、英語よりも日本語で読む方が楽です(^^;。いずれにしろ、まだしばらく一喜一憂の流れは変わりそうにありません。今日の相場でそれをかなり感じてしまった次第です。なお、このサイトのニュースを読むには、無料会員登録が必要です。為念。

● 最後に、夕凪さんの「ダントツ投資研究所」で、「似ているチャートその後」 (http://yuunagi.enjyuku-blog.com/archives/2008_10_post_284.html にもある)がアップデートされています。経済情勢やら相場環境は全く違うのですが、グラフの形やタイミングがかなり似通っているように見えます。相場を動かす要因は何であれ、相場心理の揺れ方には大差ないのかも知れません(^^;。ただし、「かつてこうだった」が「これからどうなる」と同じかどうかは分かりません。為念。

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