このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

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 TOPIX : 1224.39 (-23.38, -1.87%)    日経平均 : 12532.13 (-250.67, -1.96%)    円ドル : 102.05  

● 世界的に拡大する信用収縮に対する懸念、さらに円高に対する懸念などから軟調にスタートした相場は、前場中盤に一段安。後場は横ばい推移だったものの、戻りらしい戻りもなく、結局、大幅続落。日経平均は終値ベースで年初来安値を更新(TOPIXはまだ少し余地がある)、2005年9月1日以来、約2年半ぶりの安値水準と、かなり引け味の悪い1日になってしまいました。2005年9月といえば、例の小泉郵政解散のあとの強力な上昇相場中だったので、同じレベルでも印象はえらい違い(総理大臣もえらい違い)。なお、東証1部出来高は前週末比1億2182万株増の21億9925万株、売買代金は同815億円増の2兆4348億円と引き続き低調で、買い手不足の厳しさが如実に出た1日でした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 指数の動き以上に重要に感じたのが、今日も先週から感じている違和感というか、相場の歪みがかなり大きく出た1日だったということ。はっきり言えば、昨年8月に一段と似てきています。ここ数日のネガティブ・リターンは昨年8月に匹敵、もしくは超過する規模になりつつある印象。ファクターの動きも昨年8月と類似しており、相変わらずバリューとリバーサルが酷い状態で、グロースも全く駄目。要するに何をやっても駄目状態ってことで、何らかの指標で割安に見える銘柄ほど売られる悲惨な状況。その一方で、特に理由も無く上昇する銘柄もあり、そういった銘柄に売り残高が多い銘柄が見られたのが特徴的。つまり、新たにポジションを作るのではなく、アンワインド(ポジション解消)を連想させるのです。その逆噴射状態が先週木曜日あたりからかなりきつくなっており、どこかのファンドのソコソコの規模でアンワインドしている(した)と推察しています。

● さらに厄介なのは、きっかけは単一のファンドによるアンワインドだったとしても、今日に至っては、もはや単一のファンドではなく、かなり同じような行動を取っている向きが増えた印象。これは昨年8月の「バリュー崩落」経験をベースにして、色々な損失限定策やより細かなリスク管理のルールが適用されていることが推察できます。しかし、昔のポートフォリオ・インシュアランスと同じで、多くが同時に同方向(ロスカットやリスク縮小)に動くことで、余計に相場の振幅が増幅している感も避けられなくなってきました。まるで、お互いに他人の頭を鉄砲で撃ちあっているって感じ(^^;。ロスカットやリスク縮小の動きを受けて、余計にポートが傷む方向に相場が動き、それが一段とロスカットを招くスパイラル的な動きです。余裕があれば逆張りも可能なんでしょうけど、今はそれが乏しいのです。

● 背景は追々明らかになってくるでしょうが、これだけ世界中で信用収縮してしまうと、解約がゼロだったとしても、レバレッジを落とさざるを得ないファンドも多いことは簡単に想像できるます。レバレッジを落とす(外す)行為は、マーケットから見れば解約と同じ。かなりの金額が動いて相場に影響を与えることになります。信用収縮への政策的な対処が困難なのは、日本も経験済み。日本の信用収縮は土地から企業融資(特に中小企業向け)に広がり、「貸し剥がし」との言葉が流行ったのはちょっと前の話。その「貸し剥がし」が足元でファンド筋に対して増えており、その影響が日本株市場にも波及しているのが分かります。昨年中にヤマ場は越えたとも希望的に考えたかったのですが、先週から今日に掛けての動きを見る限りでは、どうもまだ駄目みたいです。

● もっとも、こういった「異常事態」は、通り過ぎれば急速に反発するのは簡単に予想できます。しかし、相場の歪みがかなり大きくなっているので、ホンの1~2日のタイミングのズレでも、かなり大きな損失を被る可能性があります。また、すでにポジションを保持している向きにとっては、「我慢、もうちょい我慢、ウゥ…、もう我慢できん!」と切れてしまうのも良くあること(T_T)。そうなってくると、相場には「手出し無用」の雰囲気が強まるばかり。当然、商いも細ることになってしまいます。商いが細り流動性が落ちてくると乱高下するリスクも高くなり、株式に投資せざるを得ないフルインベストメントのFM諸氏としては、β値が高い銘柄を避ける以外に手がありません(現金で保有することが許されていないため。多くの年金ファンドがそう)。そうなると高β銘柄を外して、より低β銘柄を買う傾向が強まることになり、それが今日のマーケットだった印象。

● しかし、このところの相場を見ると、投資に大事なのは「タイミング」だということを、痛いぐらいに感じさせられます。ファンダメンタル派が聞いたら反発するでしょうけど、とりわけ有事のときには、実際のPLに大きな影響を与えるのは、やっぱり「タイミング」なんです。銘柄が多少ずれていても、タイミングがドンピシャだったらそれなりに儲かるものです。でも、タイミングが外れていたら、ドンピシャ銘柄でも儲からないのです。

● 記録。東証1部値上がりは290銘柄で、値下がりは1360銘柄、今朝のSQ値を計算すると、前週末比96.50円安の12686.30円(確定したのは13時05分だけど、アルプス電気が売買停止だったので、それ以外の銘柄は9時15分までに初値決定)。朝方はそれほどでもなかったことが分かります。日経平均の日中値幅は250.00円(前場195.08円、後場91.61円)で、後場に入ってから指数は小動き。なお、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(2690万株売り/1440万株買い)でした。また、大引け後の先物手口でも、特に目立ったというほど一方的なのはありませんでした。

● 今日、また東証でシステムトラブル。「株式売買システム上の障害が発生したため」(東証)とのことで、アルプス電気(6770)と名古屋鉄道(9048)が前場売買停止になってしまいました。午後1時から売買再開されたものの、「またか…」って感じ。相場に対する影響は、直接的には数銘柄の売買がストップしても大したことはないはずですが、アルプス電気は日経平均採用銘柄なので、裁定取引などに不便が出たのは事実。それ以上に、市場関係者の間では、「システム障害」=「売り」という刷り込みが出来ているので、影響があろうが無かろうが、少なくとも買い材料ではない、という連想はあったでしょう。東証のリリースは、こちらこちらなどをご参照ください。現時点では、原因が何だったかの発表はありません。

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