2008年02月22日(金) .... 再び反落、主体性に乏しい地合い続く
TOPIX : 1321.37 (-13.35, -1.00%) | 日経平均 : 13500.46 (-187.82, -1.37%) | 円ドル : 107.50 |
● 朝から軟調な展開だった相場は、前場中盤にスルスルと下落。米国株安やCME日経平均先物安からして、ある程度軟調なのは予想していた向きが大勢だったでしょう。「フィラデルフィア連銀の2月製造業景気指数が予想を大幅に下回ったことを嫌気」なんて書くと格好良いのですが、要は主体性に乏しいマーケットなので、外部環境によって相場心理が振らされる度合いが大きくなるのは致し方ないところ。後場は安値圏でのもみ合いに終始し、最後の30分間で日経平均にして100円ほどは戻ったものの、軟調なまま大引け。ドカンと下がらなかったことで安心すべきか、それとも上値の重さ、主体性の乏しさを嫌気すべきか…。チャートも三角持合いというかフラッグになっているので、来週がちょっとした鍵になりそうな雰囲気です。
● 今朝のNHKニュースで 「中国ファンド 日本重点の方針」 で「アジア各国への投資のうち半分以上を日本に投資する方針」と報じられるなど、心理的な追い風材料もあるにはあったのです。でも、今の相場は、一度上向きの勢いが付くと悪材料が悪材料に見えないし、逆に下向きの勢いが付くと好材料は全面無視。市場心理が揺れ動くというか、「羊の群れが右往左往」って感じが否めない状況が継続中。しっかりとした先導犬が居てくれると、それなりの方向性も出てくるのでしょうけどねぇ~(^^;。参加者が皆揃って他人の顔色を窺っているようだと、なかなか主体性は出てきません(^^;。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別銘柄には、テレコムの全面安商状が「痛っ!」。KDDIは何と-10.10%で、ドコモ-4.82%、NTT-3.53%、ソフトバンク-2.00%と酷い状態でした。KDDIの家族通話無料化で連想される料金体系泥沼化がネタというのは分かるのですが、それにしても…って印象もありました。KDDIは日経平均へのインパクトも大きい銘柄なので、その点でも「痛っ!」でした。今日はKDDIだけで日経平均を-30.00円押し下げていました。第2位がキヤノンの-8.01円だったので、インパクトの大きさが分かります。また、下げ止まらない不動産株、とりわけ今日は住友不動産が昨年来安値を更新するなど、こちらも先が見えない状況。テクノロジーは行ったり来たりが続く一方で、意外に資源系が堅調で、商社も堅調でした。
● そうそう、市場筋の間で話題になっていたのがNTT(9432)。大引間際に数千株単位の売りが断続的に出て(多くは引成、一部指値)、結局、差引1万株程度の売り越しになってしまってザラ場引け。市場筋の間では、「何があったんや?」が飛び交っていました。最初に頭に浮かぶのは「誤発注」でしょうけど、最近は各社ともに防止措置はかなり充実しているはずなので、大型の誤発注が頻繁に発生することは考え難くなっています。
● 本当にNTTを1万株ほど売りたいのだったら、大引成行ばかりにせずに最後の3~5分間ほどで売れば、それなりにインパクトはあったにしても、全数約定できたロットだったのです。想像するに、終値ギャランティーか「終値で売ってくれ」というインストラクションが付いていた注文だった可能性が考えられるのですが、流動性や引けの気配の飛び方を知らなかったのですかね?ちょっと不思議でした。なお、大引後の立会外取引や市場外取引では、数百株程度の取引はあったものの、1万株単位はありませんでした。タダでさえ軟調地合いのセクターだったので、余計に目立った格好でした。蛇足ですが、最後の値段の時間が14時59分になっているところで、ザラ場引けが分かります。
● NTTの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。実際にはザラ場引けで取引は成立しなかったのですが、最後が14時59分なのはご覧頂けるかと。
● 記録。東証1部出来高は前日比7726万株減の20億9076万株、売買代金は同1206億円減の2兆4746億円と商いは今一つ。東証1部値上がりは542銘柄、値下がりは1070銘柄と指数的には妥当なところ。今朝のSQ値を計算すると、前日比197.85円安の13490.43円(9時25分確定)。実は、この後で一度戻り掛けたものの、その後、前場終盤に安値アタック。ただ、結果的にはSQ値から大きく外れることが無かった1日でした。日経平均の日中値幅は161.90円(前場161.90円、後場128.89円)と小動き。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日ぶりの売り越し(2770万株売り/2490万株買い)でした。
● 今日も大引後に発表された先物の手口から大きなところを抜き出しておきましょう。日経平均先物では、CSが5447枚売り(買い非公開)、JPMが3215枚売り(買い非公開)、カリヨンが差引 2673枚売り越しなど。買いはGSが差引 2033枚買い越し、みずほが2761枚買い(売り非公開)、野村が2672枚買い(売り非公開)、LBが差引 1746枚買い越しなど。
● TOPIX先物では、CSが差引 2107枚売り越し、LBが差引 1791枚売り越し、MSが差引 1284枚売り越しなど。買い手はGSが差引 2065枚買い越し、ドイツが差引 1291枚買い越し、BNPPが差引 1134枚買い越し、みずほが1209枚買い(売り非公開)など。これで何が分かるかと聞かれても、100%の確度では何も分かりません(^^;。ただ想像力を逞しくして、解釈を広げると見えてくるような「気がする」こともあります。それ以上に、先物動向に注目が集まること自体が、マーケットを引っ張るネタが乏しい、と理解しています(^^;。
● 雑談。外資系証券では先月ぐらいから、人材が何かと流動しやすい「時期」です(^^;。私が時々覗きに行くブログに、藤沢数希氏(ハンドルネームだとは思うけど詳細不明)の 「金融日記」 という、ちょっと毒舌が入った(^^;面白いブログがあります。ご本人は「某米系投資銀行勤務」とのことで、過去のアップを読むとクオンツ系のプロップ・トレーダーのようです(スタットアーブかな?)。その彼の最新アップが、 「行く人、来る人、去る人、拒まれる人 -外資系証券会社の人間模様-」。ややリアル過ぎる面(^^;もあるのですが、風景が何となく想像できるかと…。このアップには、既に数多くのコメントが付いているのですが、それを読むと如何に外資系証券の世界を知らない方々が多いか、とも感じてしまいました。これは良い意味でも悪い意味でも、ってことです(^^;。
● お疲れ様でした。良い週末を!
政府系ファンドの中国投資公司、日本への投資方針に関する報道を否定
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=a9aLk2UR4X7U&refer=jp_home
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