2008年01月04日(金) .... 大発会。「米株安+円高+原油高」の三重苦で全面安
TOPIX : 1411.91 (-63.77, -4.32%) | 日経平均 : 14691.41 (-616.37, -4.03%) | 円ドル : 108.95 |
明けましておめでとうございます。
● 波乱の幕開けとなりましたが、それも相場。波乱を前向きにチャンスと捉えるだけの余裕を持ちながら、相場に向かい合って行きたいところです。今年もよろしくお願い申し上げます。
● 大発会。約1週間の年末年始の休みとなると、海外市場で「何か」が起こってもおかしくなかったのですが、実際、それが起こってしまって東京にやってきたのが今日。「米国株下落+円高+原油高」の三重苦状態では、影響は避けられませんでした。CME日経平均先物は大証比350円安だったものの、実際に相場が始まるとその水準をあっさり割り込み、「ズボッ」と下抜ける展開。11月安値を意識するところで落ち着きそうになったものの、その後は再び一段安。この売りのフォロースルーは、かなり地合いを悪化させた印象でした。明日、明後日で頭を冷やせることと、発射台が低くてよかった、とヤセ我慢(^^;して考えることにしましょう。
● 最後の15分間ほどでは、さすがに目先筋の買戻しが入って下げ渋りとなったものの、基本的には「焼け石に水」状態。TOPIXは一時、昨年終値比-72.46pt(-4.91%、10時45分)まであり、日経平均のザラ場安値は同765.20円安(-5.00%、10時45分)までありました。このザラ場安値を付けた時間を見ても、ズルズルと下げを拡大して行った様子が分かります。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● ただ、ちょっと気付いたのが、ザラ場安値が10時45分と「引け前15分」だったこと。最近はコンプライアンス対応面から、「引け前15分で切り上げ、その後は関与なし」というのは、あちこちの証券会社で採用されている社内規制と推察します。今日も結果的に、10時45分を境にして急に売り圧力が減った(安値から反発した)ことを見ると、デリバティブ系のヘッジ取引がかなりあったのかな、と想像したくなってしまいます。
● まだ現時点ではそれほど神経質になるほどではないのは分かっているのですが、日経平均で14500円を割れてくるなら、そろそろ、「リスク軽減型」デリバティブ商品のノックイン水準を頭に入れておく必要が出てくるのかもしれません。もっとも、それだけが今日の急落の原因だとは全く思わないし、裁定解消売りがどうのこうのと言っても仕方がないほどの下落。要は買いが入らない、というところに根本的なモノがあるんでしょうけどね。
● テクニカル的に見ると、11月安値はTOPIXでは1437.38pt(終値、11月22日)、日経平均では14837.66円(終値、11月21日)でした。これらをあっさりとぶち破っての下落。つまり、テクニカル的にはかなり痛い状況に陥ってしまい、下値のメドが掴み難くなってきました。売られ過ぎ感も、実はちょっと前ほど大きくないのが現状でもあり、需給面からは信用期日をクリアしたものの、その資金が株式市場に戻ってこないのだったら、単に「嫌な記憶」だけが残ってしまいます。今日の大幅安は「虚を突かれた」面もあったでしょうから、本番は来週からです。そこで本性が見えてくると考えています。
● 記録を見ておきましょう。東証1部値下がり銘柄数は1662銘柄(値上がりはたった43銘柄)にも達する全面安商状。あの昨年8月17日のバリュー崩落局面(実際にバリューが酷かったのはその前の週だったけど)でも、値上がり87銘柄、値下がり1620銘柄だったので、数字的には今日の方がきつかったのかも知れません。昨年3月14日には値上がり43銘柄、値下がり1674銘柄というのがあったので、それ以来ってことになります。ちなみにこの日、TOPIXは-15.93pt(-0.91%)、日経平均は501.95円安(-2.92%)でした。
● 東証1部出来高は昨年末比5億4316万株増の14億2426万株、売買代金は同7156億円増の1兆7985億円。半日立会ということを考慮すると、出来高・売買代金ともにソコソコの水準でした。今朝のSQ値を計算すると、昨年末比375.52円安の14932.26円(9時27分確定)。シカゴ日経平均先物の水準を考えると、この程度は多くが予想していたでしょう。そこから日経平均で765.12円安まで突っ込んだのですから、フォロースルーの売りがかなりあったことを想像させます。日経平均の日中値幅は前場だけだったのに614.08円もあり、手元の集計では、昨年11月27日の510.68円を上回って、昨年8月17日の800.49円以来の大幅な値動きでした。一方、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅買い越し(2680万株売り/2610万株買い)で比較的平静でした。
● 話題変更。新年恒例の日経金融新聞の「今年の期待銘柄」。銘柄に期待するなんてナイーブなのではなく、「著名機関投資家が考える当たり障りの無いコンセンサス」がどこにあるかを知る意味で期待しています。2008年は以下の通りです(出典:日経金融新聞)。
順位 | 銘柄 |
第1位 | トヨタ自動車 |
第2位 | 東レ、住友化学 |
第4位 | ダイキン工業、コマツ、日本ガイシ、日本電産 |
第8位 | 三井物産、ソニー |
● ちょうど1年前、昨年(2007年)の大発会にも似たようなコメントを書いた(http://torashishiza.blog55.fc2.com/blog-entry-269.html)のですが、2007年から2008年への変化としては、新日鉄が第1位から圏外に消え去り、キヤノンが第3位から圏外、信越化学が第4位から圏外など、かなり銘柄が入れ替わっています。他に「消えた」銘柄は、三井住友FG、エルピーダメモリ、任天堂、日東電工でした。「入った」銘柄は、東レ、住友化学、ダイキン工業、日本ガイシ、日本電産、三井物産、ソニー。
● 昨年のコメントのところに書いた表を見ると、これまでは銀行株が一つは入っていたものの、それが完璧に消えてなくなったのもある意味で象徴的。この「当たり障りの無いコンセンサス」に沿っていくか、それとも反対を行くかは何とも言えませんが…(^^;。
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