2007年12月03日(月) .... 朝高・寄り天後は伸び悩み、外国人売り継続?
TOPIX : 1532.16 (+0.28, +0.02%) | 日経平均 : 15628.97 (-51.70, -0.33%) | 円ドル : 110.60 |
● 朝方の一瞬こそは、前週末の米国株高や金曜日の引け味の良さを引き継いで堅調だったものの、寄付き段階の買いが一巡してしまうとフニャフニャ。ジリ貧状態のまま前場中盤には指数はマイナス転落。後場に入ってからは、下がらず、上がらずで、方向感に乏しいままの1日になってしまいました。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び大幅な売り越し(8250万株売り/6210万株買い)で、月が替わっても外国人売りが継続していることを感じさせ、ちょっと心配な状況。今日の相場を見る限りでは、外国人投資家の日本株外しの動きが収まってきたと仮定したとしても、「じゃあ、誰が買うん?」の答えが見付からない印象が残りました。
● もっとも、ザラ場中もそれほど大きくは下がらなかったし、TOPIXは結局プラスで終わっているところを見れば、大きく押し下げるほどの売り圧力ではなかったことが分かります。さらに、下値ではそれなりに買いが入っていたのも確かでしょう。でも、上値を追うにはまだ時期尚早って雰囲気は濃厚で、上値の重たさというか、勢いの乏しさも否定できない状況でした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 全体を見渡してみると、何となく内需系がしっかりだった印象があるものの、日替わりメニュー状態から脱出してトレンドが出てきたかどうかは、何とも言えないところ。先週金曜日に強かった商社や海運は再び売られ、鉄鋼も今一つ元気が無し。銀行もメガバンク系は堅調だったものの、地銀系は軟調な銘柄が多く、今一つ焦点が絞りきれない状態でした。TOPIXサブインデックスで見ても、Core30が15bp勝ち、Large70は61bpも負け、Mid400が21bp勝ち、Smallが44bp勝ちと、Large70に負けが集中。今週前半がキーポイントという状態には変わり無さそうだし、その答えは今日の相場だけでは見えなかった、と考えています。
● 記録。東証1部出来高は前日比5億1570万株も減少して21億0011万株、売買代金は同5468億円減の2兆5727億円。先週の金曜日の盛り上がりとは対照的に、元に戻ってしまった格好。東証1部値上がりは958銘柄、値下がりが641銘柄で、印象としてはチョビプラスのTOPIXの方が違和感が少ない状況。今朝のSQ値を計算すると、前日比91.91円高の15772.58円、日経平均VWAPは15678.35円、日経平均の日中値幅は222.00円(前場159.86円、後場125.50円)でした。
● 話題変更で指数ヲタク系の話題。先週後半から、先日、東証とS&Pから発表された「S&P/TOPIX150シャリア指数」についてのお問い合わせをいくつか受けるようになりました。同指数が今日から算出開始になったことで、余計に興味を持った向きがあったでしょうし、最近話題のSWF関連としても注目は当然でしょう。オイルマネーの日本株への流入期待があるなかで、イスラム投資家からの日本の大型優良株への投資という発想ならば、候補銘柄として、イスラム教への適合性のある銘柄がユニバースになる、というのは筋の通った話です。
● 東証からのこの件に関するリリースは 「S&P及び(株)東京証券取引所、イスラム投資家向けの日本株指数を算出開始‐S&P/TOPIX150シャリア指数の開発‐」 として掲載されています。11月21日発表なので少し前の話になります。構成銘柄などの問い合わせも頂いたのですが、構成銘柄は東証HPではなく、S&Pの株価指数ページのなかに、 「S&P/TOPIX150シャリア指数、構成銘柄リスト」 として公開されています。S&P/TOPIX 150指数のなかからイスラム教に適合する79銘柄が採用されており、パッと見では、ハムなどが無いのはもちろん、8200~8700番台の金融セクターが見事に欠落しています(^^;。ただ、この銘柄リストだけではウェイトが不明なので、これだけだと指数を計算するまでには至りません。為念。
● 興味深いのは、S&Pの指数には「S&P/TOPIX150シャリア指数」だけでなく、「S&P Japan 500 Shariah」なる指数も存在すること。こちらは日本株で276銘柄あります。S&P Japan 500指数の中からイスラム適合性を基準で選ばれた銘柄で、S&P/TOPIX150シャリア指数と同じく約半分が採用になっています。この指数の詳細はS&Pの英語版HP、 「S&P Japan 500 Shariah」 にあるのですが、銘柄リストはざっと見たところネットには掲載されていないようです(発見された方は教えて頂けると幸いです)。「S&P/TOPIX150シャリア指数」を参考に想像力を膨らませて頂くってことで…(^^;。
● この指数がメジャーになるかどうかは別にして、イスラム教という枠組みのなかで、どういった銘柄が投資対象になり、どういった銘柄が対象にならないのかを把握しておくことは、決して損なことではないと考えています。同様に、欧米の投資家や中華圏の投資家にとって、さらに投資スタイルによって、どんな銘柄が好まれて、また嫌われるかも、ある程度のイメージを持っておくべきだと考えています。例えば、SRI投資(Socially responsible investment、社会的責任投資)などでは、軍需産業、たばこ、アダルトなどの業種は排除されるし、パチンコ関連などもアウトです。この手の話は、当然のように資金量が大きくなれば大きくなるほど影響も大きくなります。今はSWFが流行だし、イスラム金融の影響も資金の流れにあわせて考慮する必要がある、ってことです。
● もう一つ指数系の業務連絡。大引後に東証1部への昇格案件が2件発表されています。ワイエイシイ(6298、東証2部→東証1部)と日本M&Aセンター(2127、マザーズ→東証1部)です。また、ベリサーブ(3724)がマザーズから動くことも発表されているものの、現時点では所属部未定となっています。いずれも東証HP内 「一部指定・市場変更・指定替え会社一覧」 に掲載されていますので、ご確認をよろしく。TOPIX算入はいずれも1月末の月末修正です。
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