このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

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 TOPIX : 1632.64 (-1.29, -0.08%)    日経平均 : 16800.05 (+35.96, +0.21%)    円ドル : 118.30  

● 指数を見てもマーケットの姿が良く見えないというのは、今日も同じ。指数だけ見ていると一見小動き。しかし、個別銘柄では大きな銘柄でも5%程度も大きく上下に振れているのはあちこちにあり、大荒れ相場が継続。指数的には適度に打ち消しあっていたのでしょうけど…。今日の特徴的な動きは、バリューの爆発的な急反発。先週までの-3σ ブッチ切りの正反対で、今日は+3σ ブッチ切りの動き。売り込まれていたバリュー銘柄の買い気配やぶっ飛び方は、その過激さに驚くばかりでした。でも、ホッとした方は多かったでしょう。もっとも、これで大波乱が収まったというほどナイーブ(英語的な意味で)ではありませんけど…(^^;。

● 物色動向は鉄、非鉄、商社、海運といった典型的バリュー銘柄。この1週間でかなり売り叩かれたセクターでもあるので、その意味では、バリューの逆襲と同時に、短期リターン・リバーサルでもありました。一方で売られたのは損保、不動産、建設など、同期間中にワケ分からない急騰を演じた「割高」セクター。しかし、三菱マテリアルが寄付から10%超の上昇となる一方で、ヤマダ電機、ファーリテ、イオンなどが5%前後の下落と、個別ベースでは激しい値動きでした。繰り返しですが、この辺は指数だけを見ていたのでは分かりません(^^;。

● 国内のメディアでは、まだ詳細には報道していませんが、海外メディアからは色々と記事が流れてきています。この週末にも、 「ルネッサンスの株式ヘッジファンド、8月初め以来8.7%の損失」 や、 「米ゴールドマンの旗艦ヘッジファンド、年初来の下落率は26%-関係者」 など、個々の事態の深刻さが報道され始めています(上記ニュースはBloomberg)。当初はサブプライムに直接的に投資しているファンドの損失話が多かったのですが、急激に「それ以外」のファンドにも莫大な被害が襲っていることが分かります。

● ちょっと他人の財布を覗くようで悪趣味みたいな印象もあるんですが(^^;、日本でも色々な投信の基準価格から、そのダメージの大きさを知ることができます。例えばゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの「米国株式マーケット・ニュートラル・ファンド」。色々話題になっているかのグローバル・アルファとは違うファンドですが、 こちらから基準価格のグラフ を見ることが出来ます。これを見れば、何となく米国株式のマーケット・ニュートラルにおけるダメージの酷さが見えるというか…。日本株での同様なファンドとしては、「ゴールドマン・サックス 日本株式マーケット・ニュートラル・ファンド」があるようですが、 こちらがその基準価格のグラフ です。なお、同社のリリースページには、 『受益者の皆様へ~「GSジャパン・ニュートラル」8月8日および9日の基準価額の値動きについて』 との「説明」が掲載されています。

● また、野村アセットマネジメントなどでも「バリュー」と名の付くファンドの基準価格を見れば、同様にダメージの片鱗が見えてきます。 こちら は「ノムラ・ジャパン・バリュー・オープン」の基準価格グラフですが、ご覧頂くと雰囲気が分かると思います。

● 他人が苦しむのを見るだけ(^^;ではなく、これらの投信の運用報告書を見れば、どんな銘柄が組み入れられているかも開示されています。もちろん、リアルタイムではないのですが、それでもバリューと名の付くファンドにはどういった銘柄が入っているのかは、把握しておいても損はないと思います。野村アセットだけではなく、各投信会社の内容を見比べると、同じ「バリュー」と名の付くファンドでもそれぞれに特徴が出ています。「中華料理」と一言で表現しても、店によって少しずつ味も中身も違うように、「バリュー」と言っても、何を基準にするかなどで、少しずつ内容は違ってきます。この辺は、落ち着いて調べればそれなりに興味深い分野です(今はそんな余裕が無いかも知れんけど…(^^;)。

● 話題を戻しましょう。今回の相場の大変動について、やはり本質的なところは、やはりクレジット・クランチ(信用枠削減と短期金利上昇)により、最初はポジションを閉じざるを得なくなった向きが動き出し、それによってマーケットが「有り得ない」方向(割安が叩き売られ、割高が爆騰する)に動き出したことを受けて、他のファンドなども一斉に同じ方向に動いてしまった結果だと考えています。

● たとえて言えば、薄暗い映画館で皆がのんびりと映画を楽しんでいたところ、誰かが急に出口に走り出し、気付いた向きが一緒に出口に駆け出し、それに気付いた大量の人間がワケも分からず出口に殺到、という感じ(^^;でしょうか。最初に走り出した向きは、火事などの非常事態ではなく、単に下痢か何かで急いでトイレに行きたかっただけかもしれません(^^;。でも、一度、群集心理的にある動きが広がってしまうと、もう逆らうのは不可能。今回の場合、単に映画館というのではなく、実際にPLに大きな影響が出ただけに、「群集心理+ロスカット」で雪崩が起こってしまいました。疑心暗鬼は影響が把握し辛いこともあって面倒です。リスクを減らそうとしたものの、全員が同じ方向を向いて動いてしまったので、かえってリスクが高くなってしまった皮肉です。この動きが終わったかどうかは、今日だけでは、何とも言えません。大きく戻るには(指数ではなくバリューがという意味)、少し傷が深過ぎる印象ですが、ロスを取り返すには戻りを狙いに行くしかないのも、ある意味で真実。この先しばらくは、かなり神経質な値動きになりそうです。

● なお、巷で囁かれている8月15日ですが、この日はそれなりに意識するべき1日かも知れないのですが、最近のクオンツ系ヘッジファンドは「1 month prior notice」も多いです。村上ファンドやスティール・パートナーズのようななM&A系のファンドと、クオンツ系のファンドでは、解約期間にはかなり大きな違いがあります。これは、個別銘柄を現金化するのにどの程度の日数が掛かるかによるのですが、クオンツ系のファンドならば数日で現金化が完了することは珍しくありません(今回もそうだったと考えられるように…)。なので、事前に解約通告すべき日数もファンドによって違うのです。8月15日が過ぎたら大丈夫って盲信するのは、ちょっと違いますので、老婆心ながら為念(^^;。

● 記録。東証1部出来高は、前週末比8億7981万株も減少して24億7432万株、売買代金も同1兆3730億円も減少して3兆3427億円でした。決して閑散取引ではないものの、先週の異常な出来高からすると、この面からも落ち着きが感じられます。今朝のSQ値を計算すると、前週末比30.66円高の16794.75円。ザラ場では前週末比184.31円高の16948.40円まであり(10時21分)、「おっ、なかなかのフォロースルーやんけ」と思っていたら、どっちゃらけの「行って来い」状態(^^;。日計り族が多かったのでしょうかネ。ちなみに日経平均の日中値幅は222.85円あったのですが、前場の値幅222.85円に対して、後場はたったの80.76円。ちょっと極端でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、16日連続の売り越し(5270万株売り/4230万株買い)で、市場筋によると金額も大幅な売り越しとのことでした。

● 最後に日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

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