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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

● 亀井静香金融・郵政問題担当大臣という選択肢は、新政権にとって、さらにマーケットにとって、何かと火種になるのではないかと懸念は持っていたのですが、やっぱりというか何と言うか…。いったい、この人は自分の立場というか、少なくとも出身母体の政党議席数をわきまえて発言しているのかどうか、大いに疑問に思ってしまいます。多分、同じように感じている人が多いんでしょうし、常識ある人々は今回のモラトリアム法案などがマトモに受け止められるとは考えていないでしょうけど、それでも不透明感は相場にとってマイナス材料。NT倍率の推移を見ても、このところの動きはかなり酷い状態です。

● あちこちのニュースから抜き出してきても、こんな感じ…。もちろん、全てのメディアが公正中立だとは考えていないとしても、それにしても…って感じは避けられません。

● ぶっちゃけた話、こういう"ニュース"は、スポーツ新聞などを読むほうがはっきりと書いてあるので分かり易いです(^^;。いずれにしろ、ある程度の経済サポート制度は考えられるにしても、それは約1年前だったら同意が得られただろうけど、「今になってなんで?」って感じは避けられません。もちろん、もう一度、経済全体としてダブルディップに陥るリスクがあるのは事実だとしても、それでも「なんで今?」ってのは避けられません。まぁ、もともと「日経平均先物廃止」なんてことを提言した人だから、過去をある程度知っている向きにとっては、「またか…」なんでしょう。全銀協会長のコメントも、そんな感じがありましたしネ。しかし、自らがどういう立場で大臣になっているのか、もう少し認識された方が良い様な印象は避けられませんでした。

NT Ratio ● まぁ、政治の話をするのがこの場所の本題ではないので、この辺にしておいて、もう少し相場関連の話。今回の亀井発言に加えてJALの経営問題を受けて、金融株が全般に売り込まれた結果、NT倍率で見て分かるように、かなり歪な状態になりつつあります。これをNT倍率という言い方ではなく、物色として見ると、「日経平均採用値嵩株買い・時価総額大銘柄売り」となり、もっと端折ってしまえば、テクノロジーや輸出系(とファーストリテイリング)を買いで、銀行株を中心とする金融株売りって構図になるのです。

● 問題は誰がそうやっているのかということ。NT倍率などを意識せずに、単に業績回復度合いとか、中国経済がどうのこうので銘柄選択をして、結果的にそういう格好になったという面は大きいと考えています。その一方で、NT倍率をモロに意識して、ロング・ショートをかましてきているヘッジファンドの影も十分以上に感じるようになってきたのも事実。ヘッジファンドは、いずれどこかでアンワインド(ポジションの解消)をやってきます。それがジワジワだったらNT倍率もジワジワと低下するようになるでしょうし、何らかのきっかけで急激に発生すれば、NT倍率も急激に下落するシナリオも想像できてしまいます。

● とは言うものの、「何がどうなればそうなる」というのははっきり見えてこないのが現状。だからこそ、NT倍率はこんな格好でジワジワと上昇過程をたどっているのですが、その裏で、逆側に動くリスクもそれなりに意識しておきたいです。足元の状況を見る限りでは、銀行株急騰のシナリオはちょっと考えにくいので、日経平均採用値嵩株系が下がるってコト?ならば、相場全体も影響は避けられないだろうし…。頭を柔らかくして考えておきたいところです。

● 蛇足。過去といえば、亀井静香氏は、かつて、かの許永中を「盟友」と呼んだとかどうとか…。Googleなどで「亀井静香 許永中 盟友」とググってみると、かなりおどろおどろしい世界が出てきてびっくりすると思いますヨ。いずれにしろ、せっかく鳩山総理の外交デビューがソコソコの好印象で来たんですから、これ以上、妙な方向に進まないことを祈るのみです。少なくとも、政治の世界がマーケットに悪影響を与え過ぎないことを願っています。まぁ、避けられないことなのは分かっていますけど…(^^;。

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● 本日、鳩山政権の誕生を受けて、金融・郵政問題担当大臣として、国民新党の亀井静香氏が閣僚入りすることが正式発表されました。まぁ、それはそれで良いんですが、この亀井氏って、約1年前には『日経平均先物取引の廃止』を提言していたのをご存知ですか?もっとも、当時は市場関係者ですら「フン!なんじゃそりゃあ?」程度で、鼻で笑う感じであしらうぐらいだったし、まともには取り合わない程度だったのです。

● ところが、この提言を出した人が金融担当大臣として、金融庁を所管することになるんだから、まぁ、何と言いますか…(^^;。あまりこのブログでは政治的な話はしないようにしているのですが、金融証券市場に対して、この程度の認識しかない向きが大臣ってのも、ちょっとだけ気にはなります。日本人だったら、その辺のことは実現性が乏しいってのは理解できるとしても、この辺の話が英訳されて外国人投資家の間でも広まってしまうとなると、ちょっと過剰な話になってもおかしくないんです。鳩山氏の論文を部分的に英訳しただけで、あれだけ米国で大騒ぎになるんですから…。

● ちなみに、この『日経平均先物取引の廃止』の提言は、国民新党のHPに現在でも掲載されています。昨年10月17日に公表した「緊急金融安定化対策について」です。

● おまけ話。消費者・少子化対策担当大臣として社民党の福島瑞穂氏が決まったのですが、この人に関しても、まぁ、何と言いますか…。何がですか?今日、市場筋の間で"回覧"されていたメールです。なんと同氏の著作に、『産まない選択―子どもを持たない楽しさ』ってのがあると…(^^;。現在はAmazonでは「この本は現在お取り扱いできません」状態で販売されていないようですが、しっかし、ねぇ~(^^;。少子化対策担当大臣でっせ、ホンマ…。いずれにしろ、お手並み拝見です。

● 本日大引後に、日本経済新聞社から、今年の日経平均定期銘柄入れ替えは実施しない旨の発表がありました。ニュース記事は、日経平均プロフィール内に 『日経平均、09年は銘柄入れ替えなし 日経300は2銘柄』 と掲載されています。日経本紙ではこちらに出ています。

● 先日書いたアップでも、銘柄入れ替えゼロの下馬評が根強いとは書いたのですが、せっかくのイベントなんだから「何か」があるように、ちょっとは期待していたんですけどねぇ~(^^;。

● 事前の証券各社レポートなどを見ても、今年は小規模な入れ替えとの見方が優勢だったので、入れ替えがあったとしても1~2銘柄程度、がコンセンサスだったと感じています。その点では、今回はあまり盛り上がらなかった印象が避けられなかったのですが、それにしてもゼロってのも…、ねぇ~(^^;。

● ちなみに、新規採用候補銘柄としては、毎度お馴染みのSBI HD(8473)、さらに東京建物(8804)やDeNA(2432)あたりが出ていました。一方で、削除候補としては、圧倒的に東京ドーム(9681)でした。明日以降の相場で、多少の反動が出る可能性は考えられるのですが、事前の期待感が大したことは無かったので、どちらにしろ、あまりサプライズ的な動きになるとは考えていません(^^;。

● 毎年恒例の日経平均定期銘柄入替えの時期がやってきました。基本的に9月第1週後半から第2週に掛けて発表されることが多く、過去の例からは、9月メジャーSQ日の前に発表されています。

● ただ、今年は「もしかしたら銘柄入替えがゼロかもしれない」という下馬評も結構根強いので、もし本当に入替えがゼロだった場合、その旨の発表そのものがあるのかどうかは不明です。かの「伝説の30銘柄入替え」(2000年)以来、定期銘柄入替えで銘柄が入れ替わらなかったことはありません。もし定期入替えがゼロだったら、現行制度になってから初めて、ってことになります。

● 過去の日経平均銘柄入替え関連のニュースは、日経平均プロフィルというサイトのニュースページ(http://www.nikkei.co.jp/nkave/news/index.html)に全て掲載されています。ご参考までに、過去の日経平均銘柄入替え発表日は以下表の通りです。全てこの日の大引後、大体は午後4時半頃に発表されています。そのためSQ日までの営業日は、翌日からの計算としてあります。為念。

日経平均・定期銘柄入替え
発表日曜日対SQ日
2008年9月8日第2月曜日4営業日前
2007年9月7日第1金曜日5営業日前
2006年9月5日第1火曜日3営業日前
2005年9月5日第1月曜日4営業日前
2004年9月7日第1火曜日3営業日前
2003年9月9日第2火曜日3営業日前
2002年9月5日第1木曜日6営業日前
2001年9月11日第2火曜日3営業日前
2000年9月8日第2金曜日SQ日当日

● ちなみに、今年の9月SQは9月11日(金)です。そうそう、ストリートでの下馬評ですか?まぁ、ここに銘柄名を明記してしまうと、妙にエキサイトする方々が出てくるリスクがあるので、いつも通り、個別名は無しにしておきます(^^;。