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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!
 TOPIX : 834.82 (+5.79, +0.70%)    日経平均 : 8512.27 (+138.88, +1.66%)    円ドル : 95.30  

● 米国はThanksgivingの祝日で休場。東京市場の寄付き前に発表された経済指標は、予想されたとは言えかなり悲惨な状況で、先行き不透明感は強まるばかり。ただ、実際にマーケットが始まってみると、寄付き直後に一瞬マイナスに振れる局面はあったものの、比較的安定した右肩上がり。後場中盤に高値を付けた後、スコーンと下落する局面はあったものの、最後の最後にピョンと上昇して高値圏での大引け。今日は大引けでラッセル野村関連指数のリバランスがあったし、もしかしたら月末の「お化粧買い」があったのかも知れません(可能性は薄いと思うけど)。ただ、米国にしろ、日本にしろ、ボロボロの経済指標で相場がドカンとこなかったことは、それなりに評価したいところです(含む希望的観測(^^;)。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 業種別に今日の相場を見ると、これまでかなりボロボロに売られたセクターが買われ、逆にこれまで比較的堅調だったセクターが売られと、かなりはっきりとリターン・リバーサルの空気が流れていました。今日の業種別指数でも値上がり率上位には、不動産、商社、鉄鋼、海運などが並ぶ一方、マイナスだったのは保険、電力・ガス、小売、紙・パ、情報通信といったところ。保険などでは、ラッセル野村リバランスの影響もかなりあったと考えています。

● そういえば、今日設定の野村アセットの「野村リターン・リバーサル日本株0811」 が105億円強の設定となったことも、影響した可能性があります。もっとも、100億円のファンドが相場を動かすというのも言い過ぎかも知れないところで、週末を控えてポジションを整理したい意向が出易い日で、それが結果的にリバーサルっぽい動きになった、って方が当たっていたのかも知れません。

● 記録。東証1部出来高は前日比3億8478万株増の19億6927万株、売買代金は同2574億円増の1兆4799億円でした。出来高面はソコソコ盛り上がったようにも見えるものの、売買代金ベースでは年初来最低レベルをさまよう状態のままです。東証1部値上がりは1079銘柄、値下がりは538銘柄でほぼ昨日と同水準。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比53.38円高の8426.77円(9時35分確定)。日経平均採用銘柄のVWAPから日経平均を計算すると8465.40円で、大勢としては、今日もSQ値水準で横ばい推移だったことが分かります。日経平均の日中値幅は181.56円(前場101.28円、後場111.19円)と小動き。また、市場筋推計による今朝の外資系証券寄付前売買動向は、再び売り越し(2580万株売り/2090万株買い)でした。

● そうそう、今日午後5時にモリモト(8899)が民事再生手続き開始を発表(TDNet開示)し事実上の破綻(帝国データバンク:http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/2843.html)。東証2部銘柄だし「ふぅ~ん」程度でしょうけど、今日、この銘柄ってストップ高買い気配で終わっています(^^;。ビ・ライフ投資法人(8984)を大和ハウス工業(1925)が子会社化すると発表した件があったからでしょうけど、まぁ、何と言いますか…(^^;。今日、モリモト株がストップ高で買えなくてホッとしている方は多いとは思いますが、大和ハウスは知ってたのだろうか?知ってても問題ありそうだし、知らなかったとしても別の問題がありそうだし…。

● 業務連絡。株券電子化に関連して、東証から 「株券電子化移行に伴う本年末の内国株券等の決済の取扱い(5日目決済)について」 とのリリースが出ています。要するに12月末は、ほぼ全銘柄が5日目決済となる予定で、月内受渡最終は12月24日(水)で、12月25日(木)取引分は1月5日(月)が決済日になるってことです。

● 関連して、12月25日(木)から12月30日(火)まで売買停止になる銘柄のリストが、東証HP内の 「株券電子化関連情報」 に掲載されています。以前から折々アップデートされているページですが、NTTやみずほFG、三井住友FGなど、かなり大きな銘柄も売買停止対象になっているので、頭に入れておいた方がよろしいかと。売買再開が2009年1月5日(月)なので、カレンダー上は、丸々1週間半ほど取引できないことになります。さらに、指数関連でも 「株券電子化実施日前後の指数の取扱いの臨時変更について」 なんてのも11月頭に出ており、何かとややこしくなりそうです(^^;。

● 今晩の米国市場は、一応、オープンしているものの、短縮取引なので実質上は連休って感じ。私がNYで勤務していた頃も、この時期は若手がボランティアで出勤しています(^^;、みたいな空気が濃厚だったのを良く覚えています。NYSE休日スケジュールでご確認を。

● 何はともあれ、良い週末を!

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 TOPIX : 829.03 (+11.81, +1.45%)    日経平均 : 8373.39 (+160.17, +1.95%)    円ドル : 95.10  

● 米国株については、かなりj距離のあるところ(東京)から眺めているので、実感としての感触が薄くなってしまうものの、昨晩のように、あれだけ「これでもかぁ!」というほどの悪い経済指標が相次いだなかで、かなり上昇して終われたことは、それなりに期待感を抱いてしまうところ。CME日経平均は大証比425円高の8565円と、こちらも大幅高。ところが、日本市場がオープンしたら、「誰もおらへんやんけ…」状態(^^;。相場は上がるにも下がるにも、それなりのエネルギーが必要なんですが、今日はそのどちらもが不足していた印象で、寄付きでピョコンと跳び上がった後は、ひたすら横ばいもみあい。プラスを保ったものの、後場は薄商いのなかをジリ貧に陥る印象の方が強かったです。

● 東証1部出来高は前日比8295万株減の15億8449万株、売買代金は同1119億円減の1兆2225億円で、昨日記録した今年の最低記録(1兆3343億円)をあっさりと更新。実際、売買代金が1兆円台に乗ったのは午後2時半頃で、「ヤバイ」雰囲気と、呆れた空気が相場には漂っていたのです。物色動向を見ても、これまで売り込まれていた商社、海運、銀行、不動産などが高かった一方で、ディフェンシブ系のテレコム、電力・ガス、鉄道などは軟調。自動車はまた別の事情があって軟調だったのですが、薄商いのなかで自律反発しただけ、と言われてしまえばその通りの状況(^^;でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 記録。東証1部値上がりは1026銘柄、値下がりは560銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比183.22円高の8396.44円(9時22分確定)。その後、フワッと上昇する局面があったものの、日経平均採用銘柄のVWAPから日経平均を計算すると8388.47円で、SQ値とはほとんど差が無い状況。つまり、寄付いた後は、実質的には上にも下にも動かなかったことになります。日経平均の日中値幅は158.19円(前場147.44円、後場154.73円)と、昨日を下回る小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ホンのわずかながら買い越し(2440万株売り/2490万株買い)でした。15日ぶりの買い越しです(^^;。

● もともと、日本株固有の「魅力」というのは、「避難場所」としてのニーズはあったとしても、強く投資家を惹き付けるポジティブ要素はかなり限定的。ついこの前まで「PERから見れば割安」の論調があったものの、あれもマーケットが下方修正リスクを織り込んで推移していたので、結果的に当時は割安に見えただけ。もちろん、ほとんどの市場関係者はそんなこと百も承知だったので、当時の「割安」が修正されないまま放置されていたのが、企業業績が大きく下方修正されたことで、落着くべき水準に落着いてきたってことです。残念ながら。

● これは色々なモデルでファンドを運用する立場からすると悩ましい状況で、当時はモデル君はそんなこと意識せずに「割安なんだから買え」と言う一方で、FM諸氏は下方修正リスクを理解しているので「んなもん買えるかぇ!」と拒否。かなりの股裂き現象に苦しんだのです(^^;。10~11月の業績発表を通過して、この矛盾点はかなり解消できたんですが、いつどこでマーケットが更なる下方修正リスクを織り込みに掛かるかが不透明。そうなってくると、引き続き「リスク・リダクション」がメインテーマにならざるを得なくなってしまいます。もうすぐ12月だし、月次リバランスの方々はそろそろ方針を考えておく時期なんですけど…(^^;。

● 話題変更。指数系業務連絡。日本時間の早朝、米S&P500指数の銘柄入替が発表されています。今月17日にも2銘柄の入替え発表があったので、「またぁ?」って感じですが…(^^;。新規採用されたのはDun & Bradstreet(DNB)とRepublic Services(RSG)で、削除はLiz Claiborne(LIZ)とAllied Waste(AW)。入替えのスケジュールは2日に分かれているので、詳細はS&Pのリリースでご確認を。

● 今日は防災訓練で41階から地上まで階段で降りたので、ひざが完全に"笑って"います(^^;。明日はもっと酷くなるだろうから、出社できないかも(^^;。日頃の運動不足を反省させられた日でした(^^;。

 TOPIX : 817.22 (-14.36, -1.73%)    日経平均 : 8213.22 (-110.71, -1.33%)    円ドル : 95.00  

● 米国がなりふり構わない金融対策を出してきたものの、米国株市場の反応は今一つ。それを受けた東京市場では、より事態は深刻というか、「そして誰も居なくなった」状態に陥ってしまった1日でした。薄商いも特徴的だったのですが、方向感の乏しさも際立った1日。明日の晩は米国はThanksgivingで休場だし、週明けには、GM問題が再燃するのが分かっているだけに、手出し無用の雰囲気が非常に強かったです。

● 東証1部出来高は前日比4億8554万株減の16億6744万株、売買代金は同4021億円減の1兆3343億円。売買代金は、今年最低だった8月27日の記録(1兆3441億円)を下回って今年最低。今年は大発会(半日立会)ですら1兆7985億円あったのですから、今日の低迷ぶりの酷さが良く分かるというか…。なお、昨年末の大納会は1兆0829億円だったので、これ以来の低水準となります。ただし、大納会は半日立会だったので、実質的にはそれより薄商い。全日立会でのデータを探したのですが、手元のデータでは、「いつ以来」が分かりませんでした(^^;。なお、出来高は今年最低を免れているものの、東証1部出来高上位に大和紡やルックが出てくるようだと、ねぇ~(^^;。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 残りの記録。東証1部値上がりは407銘柄、値下がりは1198銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比127.61円安の8196.32円(9時15分確定)。日経平均の日中値幅は168.27円(前場135.96円、後場136.34円)と、ここ最近の水準からすると、かなりの小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、14日連続の売り越し(2840万株売り/1980万株買い)でした。

● 一歩引いて眺めてみると、ヘッジファンドを中心とする売りが峠を越えた印象は、多くの市場関係者が持っていると思います。ヘッジファンドがロング気味だったのは確かとしても、基本的にはロング/ショートが主要戦略。なので、売る一方で買い戻しも実施していたはず。一方で、投信は単純な売りになるので、実際のマーケットインパクトとしては、こちらの方が大きかったかもしれません。特に10月は海外投信のストレートな売りが、かなり目立っていた印象がありましたから…。

● ここ2ヶ月ほどのヘッジファンドの売りは、相場が下がることを狙った売りよりも、圧倒的に止むに止まれぬ「デ・レバレッジ」と「解約」に備えた売り(買い戻しも)が多かったのは明白。要するに、市場から去っていく取引なワケで、それがピークを越えると同時に、市場参加者がかなり減ってしまった印象があります。下げを狙うショートだったら、下がったところで利食いの買いが入るのでしょうけど、数々の空売り規制などのせいもあって、現在はそれも薄くなった印象ですし…。今日もその空気が非常に濃かったし影響も幅広くなった印象でした。来週になれば、ヘッジファンドにとっても年末までの解約規模にほぼメドが立つハズ。ただ、そこで日本株が魅力を提供できないと、このまま「そして誰も居なくなった」になるリスクはかなり大きくなっていると考えています。

● 雑談。最近は「KY」というと、「空気読めない」だけではなく、「漢字読めない」との意味もあるそうで、某国の国家主席のことを指すそうです(^^;。なんじゃそりゃ???ちなみに、最近というか、大学生の頃にPCを使い始めてから、漢字は読めるけど書けない状態が年々酷くなっているようで、自分でも恥ずかしく、また危機感を持っています。簡単な漢字が、いざ手書すると書けないんですよねぇ~。「躊躇」みたいな、到底手書きでは書けない漢字がIMEのおかげでポンと変換されるのは良いのですけど…(^^;。「KY」と人のことを言っている場合ではなく、「KK」(漢字書けない)を直さないと…(^^;。

 TOPIX : 831.58 (+28.89, +3.60%)    日経平均 : 8323.93 (+413.14, +5.22%)    円ドル : 96.40  

● 米国株高を受けて、「11月の3連休明けは高い」というジンクス(大和総研調べ)そのままに大幅高。まぁ、日本が休んでいる間にNYダウは金曜日に494.13ドル高(S&P500は47.59pt高)、月曜日に396.97ドル高と(S&P500は51.78pt高)、2日間で11.80%(S&P500は13.21%高)も上昇したんですから、日本が金曜日高かったことを割り引いても、これぐらいはやってくれなきゃあ…(^^;。もっとも、高寄りした後は伸び悩み感でいっぱいで、ちょっとヤバいかなの雰囲気もありました。ところが、最後の1時間でスルスルと上昇。今日はMSCIのリバランス基準日だったので、その影響(全体が若干の買い越し)があった可能性は考えられます。

● TOPIXは840.73pt(+38.04pt、+4.74%、9時25分)のザラ場高値からザラ場安値の807.89pt(+5.20pt、+0.65%、14時02分)、日経平均は同高値の8356.83円(+446.04円、+5.64%、9時34分)から実質上のザラ場安値の後場安値8075.91円(165.12円高、+2.09%、14時02分)と、両指数ともにかなりの値幅を動いたことが分かります。それだけ相場心理も揺れ動いた、ってことです。

● 今朝のSQ値を計算すると、前週末比433.96円高の8344.75円(9時40分確定)と、寄付きにかなり買いが集中したことが分かります。幻のSQ値にはならなかったものの、実際にSQ値が確定した頃には、実際の指数は伸び悩み。日経平均採用銘柄で終値が寄付値を下回っているのが64.0%と約3分の2にも達していたのです。その点から見ても、終値が大幅高だった割には、雰囲気としては今一つだったのが分かるかと…。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 米シティの「公的救済措置」については、あちこちで報道されているし論評されているので、ここでは省略しますが、日本でりそな銀行への公的資金注入が大きな相場の転機になったことを連想された方々は多かったと思います。実際にあの頃のことを振り返ってみても、「状況は深刻で、第二のりそなが出る」って見方は根強く、相場の雰囲気は決して良くなかったし、相場は神経質に上がったり下がったり不安定だったのです。最終的に相場の「評価」が固まって、上向きの方向性が見えたのは翌月になってから。今回もまだ気を緩めるような状態ではないことは、皆が十分以上に分かっていると思うし、だからこそ寄付き後の伸び悩みがあったと考えています。

● 記録。東証1部出来高は前週末比3億3635万株減の21億5298万株、売買代金は同817億円減の1兆7364億円。東証1部値上がりは1270銘柄、値下がりは372銘柄。日経平均の日中値幅は331.14円(前場331.14円、後場248.02円)だったのですが、往復したので気持ちとしてはもっと動いた印象でした。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、13日連続の売り越し(3990万株売り/3080万株買い)でした。

● 業務連絡。先物のサーキットブレーカーの刻みが今日から変わったと思えば、東証/大証から早くも、再なるサーキットブレーカーの発動基準見直しが出てきています。要するに二段階制度ってことで、第1回目のサーキットブレーカー発動後に、第二回目の発動基準を設けるというもの。さらに、理論価格からの乖離基準が廃止されることになります。それぞれ東証のリリースはこちら大証のリリース(PDF直リンク)はこちらです。いずれも12月15日から実施なので、ビッグSQの後ってことになります。まぁ、あまり使う機会がない制度でしょうけど、何で変更日当日早々に次の変更を出してくるのか…(^^;。

祝日(勤労感謝の日の振替休日)のため休場。

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 TOPIX : 802.69 (+20.41, +2.61%)    日経平均 : 7910.79 (+207.75, +2.70%)    円ドル : 95.00  

● 米国株安、円高、CME日経平均先物が大証比355円安、外国人売り越しと、明るい材料が見付からないなかでの寄付き。ひどい状況を想像した参加者が多かったのでしょうが、実際には寄付きの売りが一巡してからは下げ渋りの展開。前場終盤から右肩上がりの展開で、後場寄付き後にスコンと上昇し、13時20分前にはTOPIXも日経平均もプラス転換。その後、一時的にマイナス転落する局面はあったものの、最後の1時間ほどは、「ホンマかいやぁ」というほどの勢いで上昇。アレヨアレヨと呆気に取られるぐらいでした。もっとも、商いはそれほど多くなかった印象でしたが…。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。上下動の激しさとともに、そこに渦巻いた心理を想像して頂けると、より一層お楽しみになれるかと…(^^;。

● 今日の相場を振り返ってみても、特にこれと言った材料があって戻ったのでは無かった印象。ただ、最初に目立ってプラス転換したのがメガバンクだったので、シティ(C)関連のニュース、 「シティグループ、身売り含む選択肢を検討=事情筋」 (WSJ紙の翻訳記事)に反応した可能性は考えられます。ちょっと後付っぽいですけどネ(^^;。

● 一方、ファクター分析でみると、前場最初の30~40分間は、まともにファクターが効かないボロボロ状態。ところが、10時前からバリュー、グロース、リバーサルともに結構な勢いで戻し始めたのが印象的でした。後場はずっとリバーサルがギンギン状態。敢えて想像力を逞しくすると、朝から年金筋の買いが入っていたものの、最初は外国勢の売りに押された。ところが、売りが一巡してからは、フォロースルーの売りが少なかったことで買いが優勢になったって感じでしょうか(^^;。

● また、結果的に10月27日安値(終値ベースでTOPIX=746.46pt、日経平均=7162.90円)を割り込まなかったことや、GLOBEXの米株式先物がずっと堅調だったことも、心理的な援軍になったかもしれません。もちろん、この先に関しては「続くかどうか」が焦点。今日は連休控えての週末ってことで、ショート筋も一度ポジションを縮小したいニーズがあったでしょうし、そこにうまく火が付いた格好だったのかもしれません。3連休中に、この火種がどう変化するのかは、実際のところ、やってみないと分からないのです。その点で、今日の上昇が不透明感を払拭したとまでは、言い切れないと考えています。絶望の淵から希望を持てるところまで戻したことは、ちゃんと評価したいですけどネ。

● 記録。東証1部出来高は前日比3億8219万株増の24億8933万株、売買代金は同2138億円増の1兆8181億円と、週末にしては、まぁまぁの出来高。ただ、"活況"という言葉を使うほどではなかったのですが…。東証1部値上がりは1220銘柄、値下がりは412銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比240.83円安の7462.21円(14時20分確定)と、かなり初っ端から売られたことが分かります。なお、保険株がいくつか寄付かなかったのですが、それ以外は9時44分までに全部寄付いています。日経平均の日中値幅は588.50円(前場203.15円、後場452.47円)とかなり大きい目。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、12日連続の売り越し(4270万株売り/2300万株買い)でした。

● 米ビッグ3の件。公聴会の内容は、全部を詳細に見たわけではないのですが、下品な言葉で言えば「開き直り」と「ゆすり、たかり」と大差ないように聞こえてしまいました。日本のメディアだけではなく、CNNでも見たのですが、印象はあまり大きく変わらなかったです。笑ったのは、自家用ジェットで公聴会に駆けつけた件。そりゃあ、 「米国:ビッグ3首脳、大ひんしゅく 自家用機で税金無心の旅」 (毎日新聞)となってしまいますって。セキュリティや時間の件などがあったり、米国でのコーポレート・ジェットは極端に珍しい話ではないにしても、税金での手助けをお願いする立場の行動としては、感情的にも、ちょっと疑問符が付くのは避けられません。これと比較したら、一流ホテルのバーで夜な夜な酒飲むなんて、軽いもんです(^^;。ホンマ…。

● 話題変更。金融庁から出た 「空売り規制強化案」 についても何か書こうかと思ったのですが、パブリックコメント募集中なので、とりあえず控えておきます(^^;。ただ、一言だけ書くなら、「この"案"を書いた方々は、現場を知らないんだろうなぁ~」ってこと。証券会社の機関投資家や外国人投資家セールス/セールス・トレーディングの後ろで、ほんの半場だけでも座って見学すれば、何がどうなっているのか分かるだろうのに…。現場を知らない規制強化が、建築・不動産業界にどれだけ悪影響を与えたか…。おっと、これ以上書くとアレなので…(^^;。

● 何はともあれ3連休。休み明け25日(火)は終値基準でMSCIのリバランス。27日(木)は米国市場はThanksgivingの祝日で休み。ここからクリスマスセールが本格的に始まります。この日の終値でTOPIXの月末修正(小規模)。そして、28日(金)の米国市場は開いているけど短縮取引で、米国は実質上、連休になります(欧州はThanksgivingの祝日はない)。また、この日の終値でラッセル野村のリバランス。色々ありそうな週です(^^;。良い週末&連休を!

 TOPIX : 782.28 (-45.15, -5.46%)    日経平均 : 7703.04 (-570.18, -6.89%)    円ドル : 95.20  

● 米国株が大幅安(NYダウは-427.47ドル、-5.07%、S&P500は-52.54pt、-6.12%)で5年ぶりの安値水準。日足チャートでも下抜けの雰囲気がより濃厚になってしまい、CME日経平均先物は大証比405円安の7865円。さらに市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ついに11日連続の売り越し(5010万株売り/2350万株買い)。これだけ重なると、もう「キャン」と言うしかなかった感じ。まだそれでも朝方は「その割には下がらない」といった印象もあったんですが、後場に入ってからは、円高が進行したこともあって、ズルズルと下落幅を拡大する展開。チャート上の逆三尊もあっさりと崩れてしまい、下値不安を抱えた状態での大引け。日経平均はモロ安値引け。TOPIXもほぼ安値引けでした。しっかし、日経市況欄に出ると効果てきめんやなぁ~(-_-;)。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 東証33業種では、電力・ガスがプラスだった以外は全てマイナス。なかでも、保険は業種別指数で-15.33%の下落と極端な下落。ほか、業種別指数で二桁%のマイナスは、不動産、その他金融、証券・商品。実は、この辺の業種はこのところズッ下げっぱなしで、ファクター分析でリバーサルが効かないのを如実に表している格好です。今日もまともにファクターが効かない状態で、どうもアンワインドが出ている印象を持たざるを得ませんでした。一方、こんな日でもプラス銘柄はあるもので、電力・ガス以外でも、JT、JR西日本、住友大阪セメントなどがプラス。他にもニトリ、ABCマート、キッセイ薬品などが年初来高値を更新して、なおかつ終値でもプラスでした。

● 保険がストップ安銘柄だらけだったなかでも、損保ジャパン(8755)について一言。昨日、決算発表したのですが、その内容以上に気になった点が一つ。同社は11月4日に上期業績予想を「上方修正」を発表しており、翌日の株価もそれなりに上昇したのです。そして、昨日、通期業績予想を赤字に「下方修正」。確かにルール上は間違ったことはしていないのでしょうけど、市場との対話といった観点からは「なんじゃそりゃ?」状態。上期の上方修正と同時に通期下方修正も発表すべきだったのです。いくら相場変動が大きいことを理由にしたとしても、です(-_-;)。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億5836万株増の21億0714万株、売買代金は同763億円増の1兆6043億円。多少は前日比で増加したものの、まだ低水準のままでした。つまり、売りが多くて下げたというよりも、値段関係なしに少ない買物にぶつけるような売りが下げ要因だったことを示唆しています。東証1部値上がりは130銘柄、値下がりは1541銘柄。日経平均の日中値幅は446.75円(前場259.23円、後場207.87円)と、ほぼ日中通して下げ続けたことが分かります。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比323.26円安の7949.96円(15時00分確定)と、それほど極端な数字ではなかったのです。つまり、ザラ場でフォロースルーの売り圧力があったことを示唆しています。なお、損保ジャパンが最後まで寄付かなかったのですが、保険株以外は9時44分までに全て寄付いていました。

● 話題変更。GM救済からビッグ3救済へと話が大きくなる一方で、資金枠には限界があるのも確か。一度、特別な救済をしてしまうと、後々まで繰り返し「また金クレ…」状態になるのは古今東西同じパターン。当然、米国政府も米国民もそれを分かっているだろうし、スムーズにコンセンサスが出来上がるかどうかは大きな疑問。その一方で、もしビッグ3のどこかがポシャることになれば、連鎖的な影響は想像するのが困難で、思わぬところに大きな悪影響が出る可能性も大だし、下手すると米国全体の信用が大きく毀損する羽目も想定できてしまいます。だから、 「米国債が最上格トリプルAから転落する日」 (ダイヤモンド・オンライン)といった見方が出てくるし、当然、これは為替にも大きな影響を与えるでしょう。そして、それが日本経済にとってプラスになるとは思えないのです。はぁ~(-_-;)。

● よって、結局のところは防空壕から眺めるしかない、というのが現在の投資家の正直な気持ちでしょうか…。外資系金融機関の多くは、11月末か12月末が決算期末。米系投資銀行は11月末決算が多く、それ以外は12月末決算が多いのですが、この時期は動きたくないし大きな損益を出して決算見通しがブレるのを嫌がるのは、日本企業の3月と同じ。経営陣だけではなく、現場でも今年の総括的なミーティングが増えるし、アプレイザルの時期でもあり、何かと本業以外にエネルギーを取られる、まぁ、そういう時期なんです(^^;。このややこしい時期に、相場はこれだけの難問山積というのなら、誰も敢えて火中の栗に手を出そうとしませんって。心理的に事態を悪化させることはあっても、好転要因では有り得ません。それが相場に素直に出ている感じを受けた1日でした。

● そうそう、ヘッジファンド・クルークで 「ヘッジファンドの多数、年末の資金償還請求期限を11月15日・26日に設定」 との記事がありました。元ネタはダウ・ジョーンズの記事です。まぁ、気にしたらキリがないのですけど、来週月曜日は日本市場が祝日で休み。明けて25日(火)には、終値でMSCIのリバランスがあり、米国は27日(木)はThanksgivingの祝日で休場。28日(金)の米国市場は開いているものの短縮取引日(NYSE休日スケジュール)。何かと微妙な空気が流れそうな1週間です(^^:。

2008年11月19日(水) .... 続落、薄商いで方向感の乏しい展開

 TOPIX : 827.43 (-8.01, -0.96%)    日経平均 : 8273.22 (-55.19, -0.66%)    円ドル : 96.60  

● 朝から「盛り上がるネタが無いなぁ~」とは感じていたものの、残念ながらその予想を裏切らない展開の1日でした。商いも昨日とほぼ同水準の薄商いだったし、方向感にも乏しく参加者が少ない印象がありあり。指数としてはそれほど大きな下落にならなかったものの、金融株は増資の話も加わって売られ、輸出関連や商社なども軟調。一方で、内需ディフェンシブ系がそれなりに買われて、適度に打ち消しあい。ただ、指数が大きく下がらなかったのが不思議に感じた1日でもありました。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。グラフでは、それなりに動いたようにも見えるのですが、Y軸の目盛りに注目して頂ければ、大して動かなかったことがご覧頂けるかと…(^^;。

● 市場関係者の間では、TOPIXの820ptあたり、日経平均の8200円あたりを割り込んでくると、公的年金の買いが入るとの思惑が強い状態が継続。チャート面からの「逆三尊」のラインもこの辺で、この水準から下を売り込むネタもとりあえず手元に乏しいとあって、どうしてもここまで下がってくると買い戻しなどが入り、下方硬直性が強くなっている印象です。ただし、買い材料は買戻し以外に乏しいので上値も限定的。「相場が安定してきた」のは事象面からは事実でしょうけど、マーケットを見ていると、「手詰まり感から動きが取れない」との印象の方が強いです。動き出せば動きそうなんですけどネ。ホンの半月前まではボラティリティーの高さに「勘弁してくれ…(T_T)」だったトレーダー連中は、ちょっと落着いてくると「相場が動かなくて面白くない」と…(^^;。まぁ、妙に「100年に一度」の刺激に慣れてしまうと、それが薄れると恋しくなるというか、禁断症状が出るというか…(^^;。

● 一方、今日は指数が動かなかった割に、バリューやリバーサルはかなりボロボロで、特にここ数日はリバーサルが逆噴射する状態が継続しています。つまり、売られる銘柄はいつまでも売られて(典型例が不動産)、一方で、買われる銘柄は継続的に買われている(ツムラ、塩野義製薬、ワタミ、ABCマートなど)状態。プラスとマイナスが適度に打ち消しあっていることで、指数はそれほど動かないというのが見えてきます。「プチ股割き二極化」ってところでしょうか。ファクターがまともに効かないということは、この1~2年の経験からすると、どうしてもアンワインドを連想させます。状況としてはそれが否定できないので、月末まで、ちょっと気をつけておきたいところです。

● 記録。東証1部出来高は前日比216万株減の19億4878万株、売買代金は逆に同359億円増の1兆5281億円。前引け段階での東証1部出来高は9億株割れ、売買代金は7000億円にも届かず、「今日はかなりヤバイぞ」と考えていたのですが、どうにか昨日並の水準は確保。でも、かなりの薄商いでした。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比5.41円安の8323.00円(9時10分確定)と、全くの無風状態(前日比でも確定時刻でも)。東証1部値上がりは736銘柄、値下がりは869銘柄で、これもほぼ昨日と同水準。日経平均の日中値幅は254.38円(前場191.06円、後場157.51円)と比較的小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ついに10日連続の売り越し(2810万株売り/2070万株買い)でした。

● 業務連絡。昨日の話で恐縮ですが、大証から 「株価指数先物取引に係るサーキットブレーカーの発動基準等の見直しについて」 とのリリースが出ています。日経平均先物で言えば、これまでは1万2500円未満で、値動きが1000円幅超、理論価格からの乖離が200円超でサーキットブレーカーが掛かるとなっていたものを、1万円と7500円に新たな刻みを設定。つまり、今後(11月25日以降)は、サーキットブレーカーが掛かり易くなることになります。現在の株価水準は「7500円以上10000円未満」のカテゴリーに入るので、前日比で750円超の変動、理論価格からの乖離が150円超でサーキットブレーカーが発動されることになります。まぁ、日経平均がこんなに下がるとは想定していなかった、ってのが本当のところかもしれませんが…(^^;。

● TOPIX先物など東証の株価指数先物のサーキットブレーカー発動基準は、 「指数先物取引制度概要」 に出ています。東証では、新派生売買システムが稼動した際(2008年1月15日)に、750ポイントという区切りが設定されています。ただ、東証では刻みが「750ポイント以上、1250ポイント未満」で1000ポイントの区切りは無かったのです。そこで昨日、 「指数先物取引におけるサーキットブレーカーの発動基準の見直し等について」 が出て、新たに1000ポイントの区切りが出来ています。こちらも11月25日から実施です。

● 現場としては、それよりも指数型ETFの値幅制限を撤廃、もしくは先物と同じにした方が良いと思うんですけどねぇ~。先物が普通に取引しているのに、指数型ETFがストップ高したりストップ安したりは、やっぱりおかしいでしょ…。

 TOPIX : 835.44 (-15.05, -1.77%)    日経平均 : 8328.41 (-194.17, -2.28%)    円ドル : 96.65  

● 寄付き段階から軟調なのは多くが予想していたでしょうし、その通りの展開。ザラ場は上下動があったものの、方向感は乏しく商いも低調。物色は内需ディフェンシブ系が中心で、「参加したくない」という雰囲気が濃厚な1日。色々な懸念材料は山積みの一方、下値ではそれなりに買いが入ってくる状況で、どちらにも動きづらい地合いで、結局は、上も下も行ききらない状態のまま大引け。東証1部の売買代金は前日比1326億円減の1兆4922億円にとどまり、これは9月1日に1兆4243億円を記録して以来、約2ヵ月半ぶりの低水準でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 出来高や外国人のフローが少なくなっている点は、ある意味では、暴力的に値段関係なしに叩き売る向きが一巡してきた印象につながります。ただ、これで全てが終わったとは、誰も考えていないでしょうし、その不透明感が根強いこともあって、積極的な買い手が現れてきません。当面は、経済情勢にしても企業業績にしても、かなりネガティブなニュースフローが続くのは簡単に想像できるし、あちこちで「人員削減」の嵐が吹いている昨今、気持ちとしてもそれどころではない、というのが正直なところだと思います。まだ時間が必要なのは間違いなさそうですけど、その一方で、チャンスを狙う気持ちは失いたくないところですけどね。

● 記録。東証1部出来高は前日比7519万株減の19億5094万株で、売買代金で見るほど低迷ではなかったものの、やっぱり薄商い。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比162.84円安の8359.74円(9時20分確定)。東証1部値上がりは745銘柄、値下がりは846銘柄で、指数ほどは酷くなかった印象。これは中小型株がまぁまぁだったことが影響しています。日経平均の日中値幅は138.17円(前場138.17円、後場100.00円)と久しぶりの小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、これで9日連続の売り越し(2170万株売り/1480万株買い)でした。もっとも、フローはかなり少なかった印象だったのですが…。

● さて、既にあちこちで指摘されているように、テクニカル的に、TOPIXも日経平均も「逆三尊」を強く意識する展開が数日続いています。その注目レベルが、TOPIXで835pt近辺、日経平均で8200円弱。ここを割り込んでしまうと、10月27日水準(TOPIXで740pt、日経平均で7200円弱あたり)がモロに見えてくることになります。ただ、はっきりとネックラインを割れてくるまでは、その手前で買戻しや押し目買いが入るのは当然のことで、今日もザラ場ではその印象がかなり強い1日でした。上値としては、20日移動平均線や25日移動平均線を意識する声も多く、買戻し以上に上値を買う動きもありませんでした。

● 日経平均の日足を付けておきます(出典:ケンミレ株式情報)。

● 外部環境として、ファンダメンタルズ面の要素に不透明感が強いだけに、中長期の参加者が増加し辛い状況です。さらに、ヘッジファンドなどの外国人投資家の参加が減少してしまっていることで、市場参加者の視点も偏りがちになってしまい、「迷える子羊」軍団が特に理由もなく右往左往しているというか…(^^;。そんな中で足元の市場参加者を平均すると、どうしても目先指向が多くなるし、テクニカル指向が強くなってしまいます。そのため、余計にテクニカルを意識する見方が結果的に「効く」状態(^^;。まぁ、もう少し何か外部環境なりに方向性が出るまでは、こんな感じが続くのかも知れません。

● 一方、S&P500やNYダウの日足は、ちょっとテクニカル的にヤバイ雰囲気が隠し切れなくなってきた印象(-_-;)。S&P500では10月末の安値で845ptあたりが下値だったものの、おとついは「ヒゲ」でその水準を一瞬割り込んでいます。最後にドカンと上昇したので終値ベースでは維持しているものの、昨晩の下落でかなり際どい水準まで下げています。NYダウも8175ドルあたりが安値水準だったものの、おとつい同様に「ヒゲ」で瞬間風速割り込み、終値ではセーフ。ところが、昨日の下落でギリギリの水準まで来ています。ここをはっきりと割り込んでしまうと、もう日足ベースではメドがありません(^^;。ITバブル崩壊後の安値で、S&P500で800pt弱、NYダウでは7500ドルの水準を何度かアタックして跳ね返しているので、この辺がメド。ここを割れると…です。

● 同様にS&P500株価指数の日足を付けておきます(出典:ケンミレ株式情報)。ちょっとチャートが見難いかもしれませんが、そんな時は、お手元の色々なチャートソフトでご参照下さい。

● そうそう、AC/DCとかThe Whoの話、意外感があるほど反応を頂きました(^^;。自分だけじゃあないと嬉しくなっちゃいました(^o^)。

 TOPIX : 850.49 (+3.58, +0.42%)    日経平均 : 8522.58 (+60.19, +0.71%)    円ドル : 97.00  

● G20緊急首脳会合(金融サミット)は、ある程度予想されたとは言え、これと言った具体策は出てこず、さらに寄付前に発表された7-9月期GDPが前期比-0.1%で2四半期連続でのマイナス。Bloombergコンセンサスでは+0.0%、ロイターでは+0.1%だったところなので、実際の「差」は大した事は無かったものの、プラスとマイナスでは心理的には大きなな違いがあり、2四半期連続マイナスで「リセッション入り確認」となってしまいました。

● それやこれやで、寄付き段階から売り先行の展開。ただ、売りが一巡してから新たに大きく売り込む動きはなく、午前10時頃からは逆に右肩上がり。全体に薄商いだったこともあって、アレヨアレヨと上昇して指数は一気にプラス転換。市場筋の間では、例によって「公的資金の買い」の思惑が飛び交っていましたが、本当にそうかどうかは分かりません(いつも通りのこと(^^;)。ファクター推移を見ると、前場終盤から後場寄付きに掛けて、バリュー(フロー系)がヒョイと上昇したので、その思惑も100%間違いってことは無かった空気でした。

● もっとも、後場寄付後の30分間ほどで買い一巡してしまうと、その後は高値巡航→緩やかにジリ貧歩調。最後の30分間には、TOPIXは再びマイナス転落となる局面もあり、日経平均もかなり伸び悩み(日経平均はプラス維持)。いずれにしろ、今日はかなり薄商いだったし、G20に対する本当の反応は今晩の米国市場を見てみないと、との空気が強く、全体としては見送りムードでした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● ただ、指数はそれなりに日中で上下動があり、TOPIXはザラ場高値で+25.86pt(+3.05%、12時52分)、ザラ場安値で-19.90pt(-2.35%、9時48分)と、日中で5.40%も動いています。日経平均はザラ場高値が305.59円高(+3.61%、12時52分)、安値が-243.57円(-2.88%、9時16分)と、こちらは日中で約6.5%も動いたのです。

● 一方、日経平均が前日比でプラスマイナス100円以内だったのは、10月15日に前日比99.90円高を記録して以来。ただ、この日も前日比率では+1.06%あり、前日比率で1%未満は10月9日の45.83円安、-0.50%を記録して以来のこと。TOPIXでは、10月15日に前日比-0.79pt、-0.08%というのが直近では小動き記録ですが、興味深いことに、この日の日経平均は上記したようにプラスで1%超の上昇だったのです。日中大きく上下に動いて結果は小動き。はぁ~(^^;。

● 物色は医薬品、鉄道、電力・ガスなど、基本的にディフェンシブが中心。テクノロジーは高い銘柄があった一方で、かなり売られる銘柄もあり、全体は小幅高程度。鉄鋼や非鉄は安い方が多かったし、商社も全体軟調。不動産はビル需給の問題が報道されたこともあって、かなり売り込まれてしまい、メガバンクも軟調。内需系銘柄に行きたい気持ちはあるものの、その中でもリスク回避したい気持ちが前面に出ているというか、まだまだ相場の不安定さを気にする向きが圧倒的に多い印象でした。

● 記録。東証1部出来高は前週末比7208万株減の20億2613万株、売買代金は同955億円減の1兆6248億円と商い低調。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前週末比147.97円安の8314.42円(9時30分確定)。東証1部値上がりは886銘柄、値下がりは720銘柄。一方、日経平均の日中値幅は549.16円(前場342.37円、後場304.36円)もありました。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、これで8日連続の売り越し(2930万株売り/1750万株買い)でした。

● 業務連絡。大引け後に、トリドール(3397)のマザーズからの昇格が発表されています。指定は12月10日付。まだ所属部は未定ですが、これは同時に新株式発行(及び売り出し)を実施するためで、価格が決まって時価総額その他が確定して基準をクリアすれば上場部が決まる、という段取りになります。東証HP内、 「一部指定・市場変更・指定替え会社一覧」 をご確認ください。なお、東証1部に指定されるには、 「一部指定基準」 を満たす必要があります。為念。

● 雑談。「AC/DC」というロックバンド、ご存知ですか?1970年代後半に世界的にブレークしたオーストラリア出身のハードロックバンドです。かなり「骨太」なロックバンドで、日本ではそれほど人気が無かったように思う(なんせ昔の話(^^;)んですが、欧米では滅茶苦茶人気のあるバンド。それが、9年ぶりの新アルバム「ブラック アイス(Black Ice)」のリリースとともに再ブレーク。ビックリ(^^;。なんせ、基本的に高校生の頃の話だし、大学の頃には「10年前に流行った曲」的に良く聞いていた記憶があるけど、CS放送の Music Air でも先月からガンガン流れていて懐かしくもほろ苦くも…(^^;。

● そういえば、The Whoも先週から来日コンサートをやってるし(行けないけど、今晩は日本武道館でやってる)、最近はCMでも70~80年代の曲が多いように感じています。ピート・タウンゼントって63歳なんですってネ(^^;。もう立派なおじいちゃんやんか…(^^:。

 TOPIX : 846.91 (+9.38, +1.12%)    日経平均 : 8462.39 (+233.75, +2.72%)    円ドル : 97.10  

● まぁ、しかし…。NYダウの日中値幅は911.17ドルでっせ(高値:8876.59、安値:7965.42)。で、最終的に終値は前日比+552.59ドルの8835.25ドル(+6.67%)。荒れるにも程があるってところでしょうが、それだけ先行き不透明感が強くて、明確な方向性が見出せない状態にあることが良く分かります。しかし、それにしても…(^^;。なお、CME日経平均先物は対大証比595円高の8855円。為替は対ドルでも対ユーロでもかなり大きく円安方向に振れ、そしてミニSQ。

● Excel上の日経平均速算値は、朝の早い段階から前日比1200~1250円高程度でほぼ固定状態。その状態が8時59分58秒ぐらいまで続くという珍しい状態で、最後の最後に"お約束"の売りバスケットが出てチャンチャン。SQ値は前日比389.53円高の8628.17円(9時38分)。印象としては、比較的あっさり寄付いた感じだったし、なおかつCME日経平均先物水準などを考慮すると、伸び悩みもかなりありました。なお、市場筋の推計によると、SQ関連売買は約2億2000万株程度、売買代金で約2200~2300億円程度とのことでした。

● SQ後の相場は、ある程度予感はあったものの、かなり情けない状態。TOPIXは9時20分にザラ場高値(874.04pt、+36.51pt、+4.36%)を記録し、日経平均は9時40分に同高値(8689.85円、+451.21円、+5.48%)を記録。SQ確定時刻が9時38分だったことを考慮すると、時間的には、ほぼ寄り天だったことが推測できます。そこから後は、ジリ貧の右肩下がり。日経平均のザラ場安値は9時01分だったので、これは参考にならないとして、TOPIXはザラ場安値を14時43分に付けており、ほぼ継続的にジリ貧だったことが分かります。

● また、TOPIXは最終的に+1.12%と日経平均の+2.72%を大きく下回り、より伸び悩み感というか、情けなさが目立った1日になってしまいました。前日比ではプラスだったものの、あまりプラスとは感じなかったのが本当のところです。今日は日経平均とTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。当然ながらグラフの形は似たようなものですが、TOPIXの方がかなり伸び悩み感が強かったのがご覧頂ければと…。

日経平均日中足
TOPIX日中足

● 記録。東証1部出来高は前日比9424万株減の20億9821万株、売買代金は同374億円減の1兆7576億円。今日がミニSQだったことを考慮し、市場筋推計の約2億2000万株程度/約2200~2300億円程度が正しいと仮定すると、実質上は18.5億株/1兆5000億円台あたりと、かなり薄商いだったことが見て取れます。また、東証1部売買代金分布を見ると、前場が50.9%、後場が49.1%で、SQ日と感じないレベルの分布でした。東証1部値上がりは955銘柄、値下がりは638銘柄と、迫力に欠ける状態。日経平均の日中値幅は311.72円(前場311.72円、後場188.03円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅な売り越し(4400万株売り/2170万株買い)でした。これで7日連続の売り越しです。

● 一方、チャート面からは、TOPIXも日経平均ともに「逆三尊」が形成できるかどうか、際どいところに差し掛かっています。TOPIXで840pt弱、日経平均で8250円あたりがキーレベルで、端折って書くと、ここを保てるようだと10月27日が大底だった可能性が強まる一方、割り込むようだと逆三尊が崩れて、もう一度安値アタックの可能性が強くなってしまいます。もちろん、チャートの形に全てを賭けるなんてことはないにしても、気になることは気になる話(^^;。ま、頭の片隅にってことで…。

● ようやく週末。今週末はG20金融サミットが開催され、それ以外にも何かと国際政治的な発言や動きが出る可能性があります。何も出ない可能性も大ですし…。もっとも、そうだからこそ、今日の全体薄商い、手控えムードだったのでしょうが、せっかくの秋の週末。ゆっくり休んで、ややこしいことは来週月曜日の朝に考えることにしましょう(^^;。良い週末を!

 TOPIX : 837.53 (-37.70, -4.31%)    日経平均 : 8238.64 (-456.87, -5.25%)    円ドル : 95.80  

● オーバーナイトの米国株市場が再び大幅安。CME日経平均先物は大証比575円安(イブニング比でも435円安)の8165円。昨日大引け後のイブニング取引がえらい安いなぁ~とは思っていたものの、それを上回るドカン。おまけに94年台半ばの円高水準となれば、東京も初っ端から「キャン!」。もっとも、最初に売られた後は、それほど大きな下値はなく、後場終盤は戻り歩調。もっとも、最後の最後に不安感からか先物が売られてしまい、裁定解消売りなどを引っ掛けて、結局は大幅安。今日は円高の影響がかなり大きかったこともあり、日経平均はTOPIXよりも1%ほども下落が大きくなっています。

● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比414.14円安の8281.37円(9時36分確定)と、初っ端からかなり派手に売り込まれたことが分かります。前場はこの辺が安値(TOPIXは9時26分、日経平均は9時31分に前場安値を記録)でした。昼休みギャップが+77.07円と大きく上に跳ねたものの、その後は逆にジリ貧。TOPIXは13時40分に-44.08pt(-4.31%)、日経平均は13時41分に547.21円安(-6.29%)のザラ場安値を付けています。その後、かなり戻した(日経平均で250円ほど)のですが、最後の10分間ほどで売られて終わり。特に何かニュースがあってというよりも、ロングでオーバーナイトするのが恐い、という心理状態が色濃く出た印象でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 明日はミニSQ(11月オプションSQ)だし、G20金融サミット(緊急首脳会合)を控えているし、12月末から逆算して45日と、何かと不安になる材料が揃っているというか…(^^;。事前に心配すればするほど、往々にして何も起こらないものなんですが、それでもやっぱり「無理することはない」になってしまうのは、避け難いところ。AIGの件にしても、GMの件にしても、GE(GEキャピタル)の件にしても、真剣に考えようとすればするだけ、考えたく無くなってしまいます(^^;。だから、考えないで済むような妙な銘柄を物色するのも一つの手は手ですが、多くの投資家は着地点というか、最悪シナリオが読めるようになり、その場合の行動が想像できるようになるまで、やっぱり手控えてしまいます。仕方ないんですが…(^^;。

● 実は、そんな相場でも年初来高値を付けている銘柄はあるもので、東証1部では、ワタミ(7522)、サイゼリヤ(7581)、ABCマート(2670)、ツムラ(4540)、クレスコ(4674)が年初来高値更新。52週高値にしても同様で、ライトオン(7445)が加わります(Bloombergで抽出)。お手元の端末で日足チャートをご覧頂くと分かるのですが、ワタミやサイゼリヤの右肩上がりは、「一体、何やねん?」って感じ(^^;。サイゼリヤなんて、あのメラミンピザ事件が絶好で究極の買い場だったのですから…(^^;。こちらから上記銘柄の3ヶ月日足チャート(Yahoo! JAPAN Finance)を表示できるようにしてあります。

● ABCマートとツムラはMSCI指数採用というネタがトドメ的な上げ要因でしょうけど、その前からそれなりに堅調でした。クレスコは出来高が少な過ぎるので除けておいて、ライトオンも「"地球を救う"Tシャツ」だけでこうなるとは思えないし…(^^;。この辺の銘柄をピンポイントで当てるのは無理ですが、それでも元気な銘柄はあるってことです。そして、こうやって並べてみると、共通項が見えてくるような気がしませんか? なお、蛇足だとは思いますが念のため、上記銘柄を推奨するものでは絶対にありません。追随するも逆張りするも、そして見送るも全て自己判断でよろしく。

● 残りの記録。東証1部出来高は前日比1億1592万株増の21億9245万株、売買代金は同875億円減の1兆7576億円。東証1部値上がりは248銘柄、値下がりは1404銘柄。日経平均の日中値幅は416.17円(前場334.39円、後場257.91円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅な売り越し(4240万株売り/1880万株買い)でした。

2008年11月12日(水) .... 全般軟調、方向感に乏しく商い低調

 TOPIX : 875.23 (-14.13, -1.59%)    日経平均 : 8695.51 (-113.79, -1.29%)    円ドル : 97.70  

● 米国株安を受けて軟調にスタートすることは予測できたものの、今日はそれほど大きく下がらず、かと言って確固たる意思で買う感じでもなく、方向感の見え難い一日。米国株安以外には、特にこれと言った悪材料は無かったものの、逆にこれと言った好材料もなく、何となく漂う不透明感をや不安感は、どうしても株価としてはネガティブ。時間が経過して痛みが和らぐのを待つしかないんでしょうね。えっ?「なぜソフトバンクがストップ高したか?」ですか?知りませへんがなぁ~(^^;。ちなみに、ソフトバンクは一銘柄で日経平均を24.3円押し上げていました(^^;。

● 今日は相場は比較的静かだったし、ほかに書きたいことも多いので、さっさと記録に行きます。東証1部出来高は前日比536万株減の20億7653万株、売買代金は同223億円減の1兆6702億円と引き続き低調。東証1部値上がりは469銘柄、値下がりは1142銘柄。日経平均の日中値幅は208.28円(前場208.29円、後場147.58円)で、特に後場はここ最近では忘れてしまったような小動きでした(^^;。

● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比241.17円安の8568.13円(9時25分確定)と、朝方はかなり売り込まれたものの、結果的にここが安値。日経平均のザラ場安値は8574.20円(-235.10円、-2.67%、9時22分)で、実は「幻のSQ値」でした。ちなみに、ザラ場高値は26.82円安(-0.30%、前引)だったのですが、昼休みギャップ(後場SQ値-前引値)が-69.17円も発生しています。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅売り越し(3020万株売り/1510万株買い)でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 話題変更。日本時間で今朝早朝、MSCI Barra から銘柄入替が発表されています(http://www.mscibarra.com/)。日本株部分のスタンダード・インデックスに関しては以下の通り。

新規 ABCマート(2670)、松井証券(8628)、ニッセイ同和損保(8759)、セブン銀行(8410)、ツムラ(4540)
除外 アイフル(8515)、CSK HD(9737)、オークマ(6103)、パイオニア(6773)、東邦チタニウム(5727)、東海理化電機(6995)

● 他にも株数変更があったものの、今回はFIF変更はありません。日本株全体で見ると、Worldではウェイト変更はほとんど発生しない(ホンの少しだけ増加)見込み、EAFEでは日本はウェイト増加になります。ドイツがWorldでもEAFEでもウェイト減で目立つ存在です。全体としては、基本的に小規模なリバランスとの印象で、個別に新規採用/削除された銘柄以外には、それほど大きなインパクトはなさそうです。リバランス実施は11月25日終値基準です。

● 最後にもう一つ。このコメントを書いているところで、「タワー投資顧問がK1J-Fundを清算する意向(和訳:虎年の獅子座)」と流れています。英語版のDow Jonesが最初だったようですが、日経の英語サイトに見出し 『Tower Investment Management To Shut Fund In Nov』 と出ています。さらに、それをピックアップする格好で、Bloombergの英語ニュースでもヘッドラインが流れています。一方、Bloombergにはその後、 『タワー投資顧問の谷村社長:「記事の事実はない」-ファンド閉鎖に』 とのニュースも出ており、何かが正式の発表されたのではない状態です。つまり観測記事ってことですね。

● 屈指のウォッチャー、 考える株式投資 では以前、「タワー投資顧問のタワーK1Jファンドの9月末のデータですが、何故か8月末と資産総額も基準価額も同じ値なので評価不能な状態です。困った…。何かあったのか…」(本文はこちら)とのアップがあり、「何か」が起こっていると感じる要素が色々あったのも事実。さらに、ここ最近、色々な銘柄をブロックなどで、かなり派手に売却すると同時にREITをかなり買っていたりと、やや意味不明で派手な動きも目立っていました。 『大量保有報告書から インベスコ投信投資顧問、タワー投資顧問 泣く泣く処分売り』 (日本証券新聞)とか、 『タワー投資顧問:REIT銘柄のケネディク、日コマなどを大量保有』 (Bloomberg)などです。いよいよ、来るべき時が来たってことですか…。

● こんな時は"考える株式投資"の 「タワー投資顧問 保有銘柄 最新情報」 で確認を。下手な有料の情報端末よりも、よっぽど見やすいサイトです(^o^)。

 TOPIX : 889.36 (-27.29, -2.98%)    日経平均 : 8809.30 (-272.13, -3.00%)    円ドル : 98.00  

● 「ヤバイ」と思えばスッと戻るし、「行ける」と意気込んだら急に止まる。なかなか思ったようにならない千鳥足相場の1日でした。指数の上下動はかなり大きかったものの、正直言って、最近の相場では日経平均で500円ぐらい動かないと、動いた気がしなくなってきたというか…(^^;。完全に感覚麻痺状態です。一方で、まともに投資を考えている向きからすると、これだけ不安定な相場では、命の次に大事な資金を託すには躊躇するのも当然。やるにしても金額を抑えて時間分散するしかなく、余計に商いが薄くなって一方通行的に値が飛ぶ、という状態を誘発しています。まぁ、どちらにしろ方向感が見えてくる1日ではありませんでした。

● 今朝の日経平均のSQ値を計算すると、前日比206.81円安の8874.62円(9時26分確定)と、寄付きからそれなりに売られていたのです。その後、TOPIXで-31.54pt(-3.44%、10時10分)、日経平均で-376.87円(-4.15%、10時11分)まで突っ込んだものの、そこからは戻し歩調。後場寄付きで+94.47円もの昼休みギャップ(後場SQ値-前引値)を発生させて上にピョコンと飛び、13時08分にはTOPIXで-2.78pt(-0.30%)、日経平均で-25.12円(-0.28%)まで戻したものの、その後は結局ジリ貧。ザラ場でこれだけ上下した割には、出来高や売買代金は今一つの状態が続き、板薄状態というか、市場参加者が方向感を持てずに、さまよえる子羊状態になっているのが見て取れます。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 今日は東証33業種のうち32業種がマイナス(プラスはゴム製品だけ)。昨日、それなりに行けそうな雰囲気があった"中国関連"銘柄は、一部に残り火的な堅調さこそあったものの、全体を引っ張るには明らかに力不足。「継続性があれば…」の状態だったのですが、どうも「???」が残ってしまった格好。今週はミニSQや12月末から逆算して45日目など、色々と神経質になりやすいイベントが週末に控えているだけに、動きがとり辛い状態が続くと覚悟しておいた方が良いのかも知れません。

● 記録。東証1部出来高は前日比4206万株減の20億8189万株、売買代金は逆に同343億円増の1兆6924億円。お世辞にも活況とは言い難い状態でした。東証1部値上がりは351銘柄、値下がりは1284銘柄で、日経平均の日中値幅は351.75円(前場280.00円、後場257.00円)。一方、新興市場は全体に東証1部よりも堅調で、マザーズやヘラクレスはプラス(マザーズ+2.01%、ヘラクレス+1.06%)でした。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4日連続の売り越し(2210万株売り/2170万株買い)でした。フローはガタッと減ってしまいましたが…。

● 話題変更。今日から例の"市場対策"絡みで、空売り残高情報の公開が始まっています。東証HPでは 「空売りの残高に関する情報」 からアクセスできます。直接ご覧頂ければ分かりますが、PDFファイル(ZIPされている)でポジション保有者別に出ているのは、興味深いものがあるものの(普段は"客名"を直接的に見ることは少ないので…)、0.25%超の空売りポジションがあると分かったとして、将来的な買い要因だってことは認識しても、それが実際の株価の動きにどう影響するかは分かりません(^^;。

● 今日の開示分(17時分)をざっと見たところでは、ドイツ銀行ロンドン支店がアイフル(8515)を5.73%空売りしてたり、SFCG(8597)を2.9%空売りしているのが開示されており、野村インターナショナルが同じくアイフルを4.812%も空売りしていると開示されて、「ほぉ~」でした(^^;。その他に「網谷充弘(東京都渋谷区)」って個人(?)投資家が小林洋行(8742)を0.3328%空売りしているとかも開示されています(ぐぐってみると、弁護士さん?えぇんかいな?)。

● 今日が開示初日なので、それなりに興味津々で追い掛けたものの、継続的に追い掛けるほどの情報かどうかは、良く分かりません(^^;。これが「市場対策」というのだったら、手口公開の方がもっと良い(不正防止にもなる)と思うんですけどねぇ~。それと、PDFファイルは如何にもデータとしては扱い難いです(^^;。もっとも、その扱い難さもある意味で目的の一つかも知らんけど…。

● もう一度、話題変更。今晩の米国為替・債券市場は、ベテランズデーの祝日のため休場です。ただし、株式市場は通常通りの取引です。もっとも、為替や債券が休みなので、あまり盛り上がるとは思えないのですが…。昔から不思議に感じているのですが、なぜか、米国ではマーケットによって休みが違うのです(^^;。為替や債券はFRBの予定に従っており、株式はNYSEの予定に従っているのです。 FRB休日スケジュール(為替・債券) NYSE休日スケジュール(株式) をそれぞれどうぞ。

 TOPIX : 916.65 (+37.65, +4.28%)    日経平均 : 9081.43 (+483.43, +5.81%)    円ドル : 99.00  

● 前週末の米国株式市場の地合いを引継ぎ、さらに 「中国、総額57兆円規模の景気刺激策発表 世界経済低迷に対応」 (日経)のニュースにも刺激され、朝からピョコンと飛び上がって大幅高。ただ、前日比では大幅高だったものの、ザラ場の値動きは今一つ勢いに欠けたのも正直なところ。本日の東証1部出来高は前週末比5億9309万株も減少して21億2395万株、売買代金は同5315億円減の1兆6581億円に留まり、お世辞にも活況とは言い難い状況だったし、薄い中をギャップで飛んでしまった感が強い1日でした。

● 東証33業種指数は全てプラス。海運、鉄鋼、建設機械などの銘柄群が中心的に急上昇した点を考えると、如何にも"中国関連"って感じ。中国の経済対策への期待感が手伝って、「売られ過ぎ」銘柄群が一斉に急上昇したのですが、ショート系の買戻しがかなりあったのかもしれません。いつも焦点は継続性。明日以降も続くかどうかは、本当に「神のみぞ知る」って感じです(^^;。続けば大したものですが、続かなければ不安定な相場が継続することになります。現時点では後者の可能性の方が高いと覚悟しつつ、何か変化の兆しがあるかを考えておくしかありません。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 記録。東証1部値上がりは1409銘柄、値下がりは246銘柄。日経平均のSQ値を計算すると、前日比429.53円高の9012.53円(15時00分確定)。コムシス(1721)とクレディセゾン(8253)が最後まで寄付かなかったのですが、それ以外は9時55分までに寄付いていました。日経平均の日中値幅は394.30円(前場381.70円、後場186.35円)。日経平均のザラ場高値は前週末比523.29円高(+6.10%、14時13分)だったので、SQ値を基準に考えると、あまり大きな値動きが無かったことが分かります。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(3570万株売り/3370万株買い)でした。

● 話題変更で指数ヲタク系話題。東証から 「TOPIX スタイルインデックスシリーズの試験算出開始」 とのお知らせが出ています。ついにTOPIXもスタイル・インデックスの世界に入ります。ちょっと遅かった気はしますが…(^^;。MSCIやラッセル野村など、ありとあらゆる指数にはスタイルインデックスがあるのですが、どうも「今一つ感」が付きまとうもの。東証は「バリュー、グロースの判別には、株式の割安度、成長度の投資指標として広く利用されている実績PBR(連結ベース)を基に予想PERの要素も一部加味し選定します」と説明しているのですが、これだけではイメージも掴み辛いです。何はともあれ、使いやすい指数になることを願っています。

● 今年2月に最初に発表された際のリリースは、 「TOPIXシリーズの拡充について - スタイル指数(バリュー・グロース)の導入‐」 ですが、ここに掲載されている資料は"概念"だけです。また、今年夏に 「TOPIX等のスタイル指数(バリュー指数、グロース指数)の概要について」 とのリリースが出ていますが、こちらも"概念プラスアルファ"程度。具体的な説明については、算出要綱が発表されるのを待つしか無さそうです。指数としての興味は盛り上がるものの、実際に年金基金などにベンチマーク採用されるのは、数年先の話になりそうです。その前に先物やETFなどが出てくるのでしょうね。

● 雑談。昨晩でプロ野球シーズンもようやく終了。もっとも、自分の気持ち的には大分前にシーズンは終わっていたので、それほど大きな感慨はありません(^^;。かつての阪神タイガースは、この時期に日本シリーズなど関係なしに「お家騒動」が起こっていたものです。下手すれば、シーズン後半からクリスマスの頃まで、延々と「あ~でもない、こ~でもない」が繰り返されたものです(^^;。今では考えられないことかも知れませんが…。優勝した年だったら、ちょうどクリスマス前にもハイライトを集めたDVDが発売されて…なんてペースだったのですが、今年は無しでしょうね。まぁ、来年に期待します。

 TOPIX : 879.00 (-30.30, -3.33%)    日経平均 : 8583.00 (-316.14, -3.55%)    円ドル : 97.55  

● しかしまぁ、何と言いますか、かなりえげつない乱高下の1日でした(^^;。メディアは「トヨタショック」と書きたがるでしょうし、実際、トヨタには、あちこちのアナリストから格下げ爆弾が集中し、朝からストップ安売り気配。自他共に認める"日本株式会社"の代表選手がこれだけ痛んでいるってことは、他の銘柄もアカンやろ、との連想が広がるのは避けられなかった格好で、心理的にも相場全体に大きな影響を与えたのは違いありません。朝方はこの辺の不安材料から、ズルズルと下げ幅を拡大する嫌なパターン。それでも、前場中盤に安値を付けてからは、多少戻して前場終了。

● 後場にトヨタが「意外」にもスッと寄付いた(しかも、ストップ安より上で寄った)ことが、先物でのショートカバーを誘い、加えて年金資金なのか、それなりに大型株中心に買いが入ったことで、指数は前場のドツボからあっという間に戻し、先物は一時、前日比でプラス(指数はプラスまでは行かなかった)。日経平均で600円ほども戻したのですから凄いことです。年金買い観測については、ちょうど月初のリバランス時期だし、株式のウェイトが落ちているのは誰が見ても想像できるので有り得る話。その辺の背景に加えて、先物を中心にヘッジ売りを出していた向きが踏まれた感じもありました。だから買戻しが一巡してしまうと、再び下値模索、スルスルと下落して、結局は大幅安。まだ、不安定な相場はこの先も続くと覚悟しておいた方が良さそうです。

● 下に今日の指数の動きをまとめておきました。凄い日中のスィングで、船酔いしそうでした(^^;。なお、SQ値概算はTOPIXに関しては前場終了時で計算。日経平均も同じく前場終了時で切っています。後場にトヨタが上で寄付いているので、若干のズレがありますので、為念。大部分の銘柄は10時前までに寄り付いたのですが、チャートが階段状に下がっているところは、気配が5分毎に更新された結果で、これは本当の意味での「ザラ場」ではないと考えています。なので、始値とせずにSQ値を使っています。蛇足的解説でした(^^;。

TOPIX日経平均
概算SQ値 860.86(-48.44, -5.33%, 11:00)8406.50(-492.64, -5.54%, 11:00)
高値 900.49(-8.81, -0.97%, 13:32)8868.10(-31.04, -0.35%, 13:32)
安値 851.32(-57.98, -6.38%, 09:52)8266.09(-633.05, -7.11%, 09:52)
終値 879.00(-30.30, -3.33%, 15:00)8583.00(-316.14, -3.55%, 15:00)
(概算SQ値は虎年の獅子座算出)

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 日中の値動きも激しかったのですが、今週(4日間)の値動きも激しく、TOPIXは最初の2日間で+99.79pt、後半の2日間で-87.91ptの行って来い。日経平均は2日間で+944.26円して、木・金曜日で-938.24円と究極的過ぎるほどの行って来い。この1週間は何だったんでしょう? (^^; (^^;

● 記録。東証1部出来高は前日比3億4070万株増の27億1704万株、売買代金は同1908億円増の2兆1896億円。東証1部値上がりは296銘柄、値下がりは1360銘柄。日経平均の日中値幅は602.01円(前場508.40円、後場389.15円)。なお、今日は新興市場が比較的堅調で、マザーズやJASDAQ指数はプラスでした。一握りの銘柄動向に左右されたため(マザーズはミクシィ、JASDAQはセブン銀行とか)ってのはありましたが…(^^;。一方、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅売り越し(4520万株売り/2150万株買い)でした。

● 雑談的にもう少しトヨタについて。トヨタは寄付きがストップ安近くの3330円(前日比480円安)、終値は3460円(350円安)でした。前場中はストップ安売り気配だったものの、後場寄付きで少し上で寄ったちょっと珍しいパターン。営業利益予想を1兆円減額というのは、ニュース・ヘッドライン的にもかなり派手だし衝撃的。下期赤字の可能性を示唆するアナリストも数多く、初っ端から条件反射的に売られたのは仕方ない格好でした。米国で取引されているADRが大幅に下落したのは、トヨタとGMを同一視したのではないにしろ、自動車会社に対する不安感は米国の方が強かった可能性は大きかったのかも知れません。敢えて、トヨタが何を考えているのかを深読みすると、これ以上の下方修正はしたくない、ってところでしょうか。それを信じることが出来るかどうかが判断の分かれ道です(^^;。それでも営業利益ベースで6000億円も儲かるのですから、ある意味では大したものです(^^;。

● トヨタ(7203)の日中足も付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

トヨタ(7203)日中足

● 祝日のおかげで1日短い週でしたが、相場がかなり荒っぽいこともあって、そんな感じがありませんでした(^^;。何はともあれ、良い週末を!

2008年11月06日(木) .... 急反落、不安定な地合いが継続

 TOPIX : 909.30 (-57.61, -5.96%)    日経平均 : 8899.14 (-622.10, -6.53%)    円ドル : 97.80  

● 米国株式市場の流れから、ある程度は安いことは皆が覚悟していたでしょうけど、後場の下げ方は予想以上に大きかった感じを受けました。まだ全てが解決したのではない、との考え方は大なり小なり市場参加者の99%が持っているでしょうが、それにしても指数で5%超も上下するのは尋常ではありません。その尋常で無い状態が連続して発生するのですから、防空壕からちょっと首を出しかけた向きも、「まだあかん」と引っ込んでしまいそうな1日でした。大引け間際にバスケット買いが入ったおかげで安値引けは免れたものの、ザラ場安値はTOPIXで-65.59pt(-6.78%、14時49分)、日経平均で-714.53円(-7.50%、14時50分)まであり、大引け前までズルズルと下落した様子が見て取れます。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 東証33業種は全てマイナス。昨日爆騰した業種が見事に急落しており、いくらリターン・リバーサルと言っても極端過ぎる動き。オーバーナイトのギャップが大き過ぎて、超高速回転ファンドでも、このドッタンバッタンは取れないことの方が多いのです。ファクター分析をすると、今日はさすがにリバーサルは一服。という以上に、これだけギャップだらけで荒れてしまうと、なかなかモデル君も分析が難しかったようで(^^;、スペシフィック・リスクがかなり大きな1日でした。

● 米国雇用がこれからドンドン悪化し、日本の雇用も悪化し、さらに経済状況に関するニュースも当面は悪い話ばかりになりそうなのは、誰もが覚悟している話。それでも上昇することがあるのが株式だし、「不景気の株高」に期待する声が増えているのも確かです。これだけ世界中の中央銀行が金融緩和していると、萎縮しまくったマネーが少しだけでも「通常」に近くなれば、過剰流動性に伴うイケイケドンドン相場がやってくる可能性も、ゼロではないのです(^^;。ただ、それに期待したい気持ちは分vかるのですが、今それに全力で賭けるかと聞かれると、やっぱりタイミングが見えないって答えるしかない状況。タイミングさえ合えば、それこそ「てきと~」に銘柄を選んでも、それなりに儲かることが多いのですが、タイミングが間違っていれば、銘柄がドンピシャでも駄目ってことです。そのタイミングは、まだ見えてくる気がしません。基本的には心を広く持ちつつ、徹底的に時間分散することと考えています。

● 記録。東証1部出来高は前日比4億8957万株も減少して23億7634万株、売買代金は同3292億円減の1兆9989億円。東証1部値上がりは1456銘柄、値下がりは215銘柄で昨日の裏返し。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比500.63円安の9020.61円(9時35分確定)と朝から相当売られたのが分かります。ただ、そこから後場中盤以降にズルズル下がったことは、フォロースルーの売り圧力を感じてしまいました。日経平均の日中値幅は573.59円(前場407.34円、後場226.29円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び大幅売り越し(3930万株売り/2430万株買い)でした。

● 雑談。先日、円が急騰した局面で、個人がユーロなどの外貨買いに走り、街中の両替店に列が出来て、ユーロなどが品切れになったとのニュースがありました。「元気やなぁ~」と感心していたら、金貨などもいまや買えない状態なんですね(^^:。田中貴金属のHPには、 「【お詫び】金貨、プラチナコインの一部販売停止に関するお知らせ」 が掲示されています。行き場所の無い資金があるのは違いないのでしょうが、何か違ったところへ向かっているような気がしてなりません。まぁ、バナナダイエットのように、すぐに落着いてしまうのかも知れませんが…。

 TOPIX : 966.91 (+56.21, +6.17%)    日経平均 : 9521.24 (+406.64, +4.46%)    円ドル : 99.70  

● 米大統領選挙については、ほぼ事前の予想通り、バラク・オバマ上院議員が勝利。昼休み頃から速報が入り始め、後場中盤にはほぼ結果が出ていた状態。全体として、マーケットはフレンドリーな空気で結果を受け止めていた様子だったものの、日本株について、直接的にどうのこうのというのではなかった感じでした。それよりも、相場全体や外部環境に落ち着きが出始めていることを認識する参加者が増加している方が、相場押し上げ要因になったと考えています。

● なんせ「極端の極端の極端の極端」を「これでもかぁ!」とばかりに織り込みに掛かった相場なので、そのうちホンの少しだけでも「極端」が抜けると、それ以外の要因が何もなくても株価は戻ります。その意味では、足元の上昇は自律反発なんでしょうけど、下げが厳しかった分だけ、反発もかなりの規模になるのが自然。指数ベースだと1日で2%も動けばかなりのモノですが、足元のたった2日間で、TOPIXは99.79pt高(+11.51%)、日経平均は944.26円高(11.01%)と、指数ベースで11%超も上昇したのです(^^;。今日はTOPIXも日経平均もモロ高値引けでした。

● 今日はTOPIXの方が勢いがあったので、TOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 相場環境の落ち着きについては、Libor金利が落着いてきたとか、VIX指数も落ち着きを見せつつあるとか、バルチック・ドライバルク指数 (http://www.dryships.com/index.cfm?get=report) は下げ続けているものの、その下落度合いがマシになってきたとか、全体にニュースフローを見ていても感じるところ。物色内容を見ても、まだ危なげなところはたくさんあるにしても、一方通行だけではなく、それなりに売り買いが交錯し始めていることが分かります。

● さらに、相場をファクター分析をすると、ここ5日間ほどはスペシフィック・リターン・リバーサル(SRR)がギンギンに効いており、今日はその中でも特に効いた1日でした。SRRが効くということは、売られた銘柄が買い戻され、行き過ぎた銘柄がお休みする状態が、順番に回転しているということ。これまでは、下がる銘柄はトコトンまで売られて底が全く見えない状態で、かなりの不安感を誘う要因になっていました。それが曲がりなりにも循環し始めたということは、直近では戻りが相場全体に広がっていることを示唆し、さらに色々な意味で「まともな相場」になりつつあるってこと。これまでは、SRRでも短期が中心だったのですが、この2日間ほどでは、中期から長期ゾーン(長期と言っても3ヶ月ほど)へ広がりが出始めている点も心強いところ。最大の問題は「どこまで続くか」で、これがまだ見えて来ないのが難点なんですけどネ(^^;。

● 希望を言えば、もう少し理屈が付く利益系バリューなどに物色が来てくれると有難いものの、こちらはまだかなり不安定。行きそうに見えて、逆にドカーン、という状態を繰り返しており、まだ信頼を置けるような状態ではありません(^^;。今はちょうど年金資金などが月初のリバランスを実施する時期ですが、もう少し安定するようだとこちらに「試し買い」の資金が廻ってくるのでしょうけど、まだちょっと「恐い」感じ(^^;。日々お話ししているFM諸氏の間でも、非常事態を脱出しつつあることは多くが認めながらも、この段階で「えいやぁ」と勝負を掛けるのは時期尚早って声が多い印象。これだけ傷付けば、慎重になるのは止むを得ないんでしょうし…(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比6億0748万株も増加して28億6591万株、売買代金は同4250億円増の2兆3281億円。今日は比較的低位株の商いが多かったことで、株数ベースではややインフレ気味です(^^;。東証1部値上がりは1530銘柄、値下がりは151銘柄とほぼ全面高。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比276.13円高の9390.73円(15時00分確定)と朝から高かったものの、これほどまで「引けピン」になるとは予想していなかった感じ。午後1時頃からスコーンと下落したところなどは、やっぱりかなりヒヤリでした(^^;。日経平均の日中値幅は304.94円(前場208.76円、後場283.05円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(4110万株売り/4700万株買い)と、売り買いともにソコソコのフローでした。

● 話題変更。某市場筋氏からのメールで知ったのですが、今日の日経朝刊26面に公告が出ています。日本の法律に基づいたものではなく、表題は「ブリヂストン証券訴訟の件について」で、テネシー中央地区担当合衆国連邦地方裁判所ナッシュビル支部の「法廷通知」と出ています。目が痛くなりそうな公告(^^;ですが、「2000年3月30日から2000年8月31日までの間にブリヂストン株式を購入した投資家は、集団訴訟の和解案に従って和解金の支払いを受けられる可能性がある」とのこと。公告によると、一株当たり0.16米ドルの和解金を見積もっているものの、参加資格者全員が応募することはないだろうってことで、「平均分配が増額する可能性があります」と。日本のトールフリー番号も公告に掲載されているので、興味のある方はどうぞ(^^;。しかし、こんなの見ている人おらんやろけど、FMとして知らんかったでは困る場合もあるでしょうから、今日の日経をゴミ箱から出して、この公告をセーブしておきましょう(^^;。

 TOPIX : 910.70 (+43.58, +5.03%)    日経平均 : 9114.60 (+537.62, +6.27%)    円ドル : 98.90  

● CME日経平均先物は前週末比630円高の9080円。一見するとかなり派手に見えるものの、要するに金曜日最後の15分間ほどでズッこけた分を戻したのにプラスアルファ150円ほどってこと(^^;。後場中盤までは、先週木曜日終値(TOPIX = 899.37pt、日経平均 = 9029.76円)や金曜日のザラ場高値(TOPIX = 904.85pt、日経平均 = 9012.31円)近辺まで来ると止まってしまう、という流れが継続。午後2時前に先物主導でグィンと買いが入ってようやくこの水準を上抜け。そこからドンドン上にって感じではなかったものの、それなりに大幅高で終了。ただ、新たな方向性が見えるほどの勢いは感じられないままの1日でした。ある程度結果は見えているというものの、米大統領選挙というビッグイベントを控えて、米国株がどう反応するかを待ちたい、というムードも多分にあったし…。

● 3連休中に特にこれといった悪材料が無かったことで、相場全体の心理も、多少は明るい方向に向かいつつある印象。特にパナソニック(6752)が三洋電機(6764)を買収する方向と報じられ、三洋電機のストップ高はともかく、パナソニックも大幅高と「歓迎ムード」があったことも、相場全体を押し上げる要因になったイメージ。9月、10月に歴史的な出来事がドカン、ドカンと発生して、株価は「極端」を強烈に織り込む格好になっただけに、その「極端」が少し薄れるだけでも、自然に株価が戻ったというのが今日の相場。ただ、東証1部出来高は前週末比5億2393万株も減少して22億5843万株にとどまり、売買代金も同3921億円減の1兆9031億円だった点から分かるように、売り物薄のなかを値が跳ねた感も否定できず。まぁ、それでも値段関係なしに下値を叩いてくる向きが減っただけでも、「ピーク過ぎたんとちゃうか?」感に繋がるし、それなりにホッと一息って感じにはなったと思います。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 残りの記録。東証1部値上がりは1365銘柄、値下がりは278銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比409.53円高の8986.51円(15時00分確定、三洋電機とソフトバンクがS高)。初っ端からかなり飛ばして行ったものの、後場中盤まではSQ水準でのもみあいに終始し、上にも下にも抜けない状況でした。日経平均の日中値幅は442.52円(前場308.86円、後場199.91円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び売り越し(3900万株売り/2890万株買い)でした。

● 今日から11月。そういえば、与謝野馨経済財政担当相が 『リーマン破綻の影響、与謝野氏「ハチが刺した程度」』 と発言したのは9月17日のこと。そこから約1ヵ月半が経過し、「ハチが刺した程度」どころか、相場は複雑骨折の大怪我を負ってしまいました。今月中旬は年末から逆算して45日になるし、今月末は同30日。ヘッジファンドから出た暴力的で土石流的な解約売りは峠を越えたとは考えているものの、あれだけ大きな地震が発生しただけに、余震はあって当然。ただ、余震は本震を上回ることは無い、というのが自然界の経験則で、それが相場にも適用できることを願っています(^^;。

● 現状では、大地震による被害の後片付けをしながら、次の展開を目指すことになるでしょうが、傷が癒えるにはどうしても時間が必要。でも、これは次のステップへの準備段階でもあるのです。今日、Bloombergで話をした某HFのFM氏も、「年内は次の展開を考えることに時間を使う」と言っていましたが、彼のような生き残り派はマシなほう。でも、HFを運用している連中はそんなにヤワではないので、また儲けてやろうとの戦う心さえ失わなければ、チャンスはあると考えています。当面は、景気が悪いだの、企業業績が悪いだのと、ニュースフローはかなりネガティブになりそうですが、「不景気の株高」がどこで来るのか、ある意味で楽しみ。まぁ、そう考えていないとやってられませんしネ(^^;。

● 業務連絡。株券電子化に伴って、今年年末に売買停止になる銘柄が出てくるのですが、段々とその時期が迫ってきて、具体的な銘柄名も出始めています。今日の東証所報にもいくつか追加掲載されており、FM諸氏としても、一応、頭に入れておいた方が良いかなと…。ちょっとややこしいのは、全銘柄が売買停止になるのではなく、「株券電子化に伴う端株整理のための株式分割及び単元株制度採用に伴う期間売買停止」というのが、長い売買停止を要する銘柄となります。具体的には、12月24日(木)を権利付最終売買日として、翌12月25日(木)から売買停止。来年1月5日(月)の大発会に売買再開となるので、カレンダーで1週間半ほど売買停止になります。

● ここまでのところ、大きな銘柄では、日本製紙(3893)、電通(4324)、りそなHD(8308)、三井住友FG(8316)、みずほFG(8411)、JR東日本(9020)、NTT(9432)などがそれに該当しています。詳細は東証HPの 「株券電子化関連情報」 をどうぞ。しかし、外国人投資家に周知するのが厄介になりそうです(^^;。まぁ、クリスマスから新年に掛けての時期なので、あまり居ないってのはあるかも知らんけど…。

2008年11月03日(月) .... 祝日(文化の日)のため休場

祝日(文化の日)のため休場。