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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!
 TOPIX : 867.12 (-32.25, -3.59%)    日経平均 : 8576.98 (-452.78, -5.01%)    円ドル : 97.95  

● 昨日までの3日連続急上昇の反動もあって、朝から軟調なスタート。ただ、ドカンと売り込むような感じではなく、連休控えて、米大統領選を控えて、日銀アナウンスメントを控えて、ひとまず利食いできるものは外しておこう、という空気がいっぱい。12時30分にみずほFG(8411)から業績下方修正が発表されたものの、それを「好感」して(^^;、相場はグイッと戻し。ただ、それも板薄のなせるワザって感じで、プラス圏をバンバンと買いに行くほどでもなく、何となく模様眺め気分が強まるなかで、午後2時前後の日銀待ちの状態に。

● 13時58分に情報端末上に流れたヘッドラインは、「日銀、政策金利を0.30%に引き下げ」、「4賛成、4反対で議長決定」のヘッドライン。ヘッドラインが流れた2分後ぐらいから、為替が急速に円高方向に進み(反応がなぜか鈍かった)、これで株式市場は、スコーンと下落。ただ、為替がすぐに元の水準近くまで戻したことで、株式市場も比較的すぐに株式市場は落ち着きを取り戻してチャンチャン。もともと「利下げ」は実体経済への効果云々ではなく、アナウンスメント効果期待だったものの、それが今一つの効果だったのは否めない状況。業績発表シーズンが終わって下方修正が出尽くしてしまえば状況は変わるのでしょうが、今の株式市場にとって、一番恐いのは円高。日銀利下げが、その歯止め効果としては中途半端だったことで、まぁ、何とも煮え切らないイベントになってしまいました。

● その後は基本的に週末ムード。ここ数日は最後の1時間にズンズン上昇するのが恒例になっていたのですが、今日は完璧に逆に出てしまった格好。最後の10分間ほどは、現物市場での換金売りや、このところ続いていた「公的資金"の買い」に期待して買っていた向きの投げ売りに加え、先物にはヘッジ売りがかなり出たようで、断続的な裁定解消売りを引っ掛けてスコーン。心配材料が山積みのうえ、月末・月初に荒れる状態が続いているだけに、この辺の不安定感は止むを得なかった感じでした。ただ、安値引けするほど売られるとは考えていませんでしたが…。大引け直前にズッこけるのは、ある意味でNY市場に似てきた印象ですが、もちろん、あまり好ましい状態ではないです(-_-;)。

● 今日は日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。出来高が一緒に掲載されているので、午後2時のところや、大引け間際に商いが膨らんでいる様子がご覧頂けると思います。

● 記録。東証1部出来高は前日比2億5351万株減の27億8236万株、ただ売買代金はほぼ前日と同水準で、逆に同117億円増の2兆2952億円でした。東証1部値上がりは750銘柄、値下がりは892銘柄で、時間的な都合もあって最後は大型株中心に売られたことが見て取れます。新興市場はプラスでしたしね。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比217.05円安の8812.71円(15時00分確定)。ニコン(7731)とソフトバンク(9984)が最後まで寄付かなかったものの、多くは9時半までに寄付いていました。日経平均の日中値幅は435.33円(前場285.92円、後場435.33円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、2日連続の買い越し(4280万株売り/4340万株買い)でした。

● これで10月が終わったのですが、色々な意味で歴史的な1ヶ月でした。TOPIXは9月末 1087.41pt→10月末 867.12ptで -20.26%。日経平均は9月末 11259.86円→10月末 8576.98円で -23.83%。日経平均採用銘柄で、この期間中に上昇したのは、たったの6銘柄。上昇率順に上から行くと、東京電力、関西電力、信越化学、JAL、中部電力、積水ハウス。ちなみに下落率上位3銘柄はパイオニア、日立建機、太陽誘電で、いずれも半値以下になっています(T_T)。ユニバースをTOPIX500銘柄まで広げると、カブドットコム証券(8703)が栄光の値上がり率トップ(+27.31%)。下落率最悪はエルピーダ(6665)で-73.63%でした。はぁ~(^^;。なお、いずれもBloomberg ProfessionalのMRRを使って計算しています。

● 一歩下がって眺めてみると、サブプライム爆弾が爆発したのが昨年8月と考えると、これでようやく1年とちょっとが経過。「小回り三月、大回り三年」という相場格言を考えると、まだ半分以上残っていることになります(^^;。さらに足元の相場でズッコケが始まったのを、リーマン・ブラザーズ破綻と考えると、それも半分程度の経過率。相場格言が万能だって言うのではないにしても、これだけ相場が大きく動いてしまえば、人の心理が変わるのには時間が必要なのは真実です。この時間の枠のなかで、現在、何をどうすべきかを静かに考える時だとは分かっているものの、ただ、その答えはなかなか出てきません(^^;。

● 何はともあれ3連休。某市場筋氏によると、3連休明けは「荒れる」との経験則があるそうですが、まぁ、「心配してもしゃあない」ってことで、秋を楽しむことにしましょう(^o^)。そろそろ関東近辺も紅葉が迫ってきたのかな?良い週末・連休を!

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 TOPIX : 899.37 (+69.05, +8.32%)    日経平均 : 9029.76 (+817.86, +9.96%)    円ドル : 98.55  

● 米国株式市場は最後の10分間強ほどで400ドルほども急落するなど不安定さ丸出し状態。でも、CME日経平均先物は8475円(大証比175円高)と堅調。FOMCの利下げは事前予想通りで、米国株そのものは大した反応がなかったものの、何よりも為替が落着いていてホッと一息。東京も朝から買い先行でスタートし、円が対ドルで99円台に入るなどで、株式市場はその後も上昇継続。後場に入ってアジア各国が上昇度合いを強めるのに足並みを揃えて一段高。こうなると、先物でも踏みが入るし、断続的な裁定買いを引っ掛けるしの循環で、アレヨアレヨの上昇でした。結局、TOPIXはモロの高値引け(TOPIX月末修正絡みも効いた様子)、日経平均もほぼ高値引けでした。日経平均は史上4番目の上昇率でした(日経平均プロフィル参照)。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 今日も、少なくとも心理的に円高に一服感が出ているのが、かなり大きく効いている印象。加えて、今日も市場筋の間では「公的資金の買い」説が流れていました。実際、これだけ株式が下がると、アセットアロケーション比率を保つ観点からだけ考えても、いずれどこかで株式に買いが入って来るのは想像できます。月末を意識したのかもしれませんし、もしかしたら景気対策への"配慮"みたいなのもあったかも知れません(^^;。まぁ、この辺の詳細が明らかになることは無いでしょうけど…。

● 外国人投資家からのフローも増えている印象があるし、相場が少しずつノーマルに戻りつつある雰囲気は、市場参加者の多くが感じていることと察します。だから「買ってみようか?」が入るのです。しかし、まだ「一歩踏み外すと…」という不安感が色濃く残っているのも確かで、一喜一憂の日々は続きそうです。例えば日銀が利下げしないなどの事情で、円が再び独歩高なんてことになると、ここ数日の上昇分なんて、あっという間に吹っ飛ぶリスクはあるんです。

● テクニカル面から見ると、TOPIXも日経平均も10月27日(月)に終値ベースの安値を付けています。そこから今日の終値まで、TOPIXは210.18pt下落して、149.91pt戻しており、安値からの上昇率は20.08%。日経平均は2143.35円下落して1866.86円戻し、安値からの上昇率は26.06%と、いずれも数日間という短期間との点を考えると、凄い戻りになっています。明日、ずっこけなければ、週足ベースではかなり長い下ヒゲが出る状態になり、テクニカル的にも印象が強くなってきそうです。問題はこの戻り相場がどこまで続くか、ということ。素早く動き過ぎず、でも遅くなり過ぎず、といった神経質な対応が迫られそうです。

● 記録。東証1部出来高は前日比5474万株増の30億3587万株、売買代金は同468億円増の2兆2835億円とソコソコの水準をキープ。東証1部値上がりは1493銘柄、値下がりは176銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比221.68円高の8433.58円(15時00分確定)。コマツ(6301)が最後まで寄付かなかったものの、それ以外は9時35分頃までに多くが寄付いています。日経平均の日中値幅は761.14円(前場317.64円、後場477.31円)とかなり大きく、前場値幅+後場値幅≒日中値幅からも分かるように、かなり一方通行的なトレンドデーでした。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、7日ぶりに買い越し(3840万株売り/4000万株買い)でした。昨日に続いて、売り買いともにかなりフローが多くなってきた印象です。

● 話題変更。今日は10月末のTOPIXコーポレートアクション(株数変更+FFW変更)の基準日でした。今回はFFW見直しが焦点。ここ数ヶ月は特にそうだったのですが、以前ならコーポレートアクション系に先回りして取引していたようなヘッジファンドが、「それどころとちゃう!」状態に陥り、先回り商いが減った印象があったのです。さらに、この9月~10月は自らの身を守るのに必死で、TOPIXのFFW変更などにうつつをぬかしている状態ではなかったのは簡単に想像可能(^^;。前回の日経平均銘柄入替えでも比較的「順」な反応だったし、今回もどうなるか注目していました。

● 一番分かり易い手段として、シミュレーションでロング/ショート・ファンドを組んでモニターしていたところ、10月20日あたりから、FFW変更ファンドはグングンと儲かる状態へと発展。他のファクター類が全く効かなかった時期だけに、FFW変更がそれこそ唯一儲かった戦略だったのです(^o^)。FFW変更を前倒しで実施したんでしょうし、今日の大引後に「決める」ことを前提に、仕込みに入っていた業者もあったと想像できます。シミュレーションの結果でしかないのですが、10月20日から今日の終値までで、このLSファンドはかなりの%単位で利益が出ていました(詳細はボカします(^^;)。ホンの2週間弱で、しかもこの相場環境を考えると凄い効き具合だったのは間違いありません。そのうち、ウン%は今日後場に発生した利益だったので、かなりのオペレーションが入っていた印象がありました。もっとも、ザラ場では午後1時半~2時頃がピークだった印象で、大引けに掛けてはダレダレ状態でしたけど…(ストップ高とザラ場引けが多かったためもある)。

● また、今日はファンディングの面から見て、対象銘柄群がかなりのウェイト減だったので、全体が買われるのは予想できていましたし、実際にTOPIXの高値引けを見ると、その影響があったのかなと…。もっとも、相場全体を見ると、それ以上の勢いが付いてしまった感じ。もちろん、今日の上昇はFFW変更が主因だったと寝惚けたことを言うつもりはありませんが、それなりの影響を与える一因だったとは考えています。なお、TOPIX月末修正があったおかげもあり、東証1部の前後場の売買代金分布はかなり歪み、前場36.98%、後場63.02%と、相当規模で後場に偏っていました。

● 業務連絡。大引後に東証から 「上場株券に係る時価総額基準の適用の停止について」 とのリリースが出ています。かなりの銘柄がこの基準に引っ掛かるところまで時価総額が下落しているのですが、ひとまずホッと一息ってところ。ただし、退場すべき銘柄も退場しなくなってしまいます。マーケットとして見た場合、良いのか悪いのか…。

 TOPIX : 830.32 (+46.29, +5.90%)    日経平均 : 8211.90 (+589.98, +7.74%)    円ドル : 97.00  

● オーバーナイトの米国株が史上2番目の急上昇(NYダウが+889.35ドル、+10.88%)で、CME日経平均先物は大証比380円高の8110円まで上昇。円は対ドルで98円台、対ユーロで125円台と円安方向。これで寄付きから高くなる条件は整った状態(^^;。実際、最初の30分間ほどは買い気配ばかりで値が付かず、全体に寄付いたなと思えたのは9時40分頃。もっとも、そこがTOPIXのザラ場高値でした。後場寄付き後に急に伸び悩み、嫌ぁ~な雰囲気。しかし、午後2時20分頃からは、買いが先行してアレヨアレヨの上昇。全体に板薄のなかを、市場参加者の多くが短期でトレンドフォローに走っている印象で、「右往左往」という言葉がぴったりと来る1日でした。結局、TOPIXは高値圏、日経平均はモロ高値で大引け。TOPIXは9時41分にザラ場高値を付け、後場はこれを上回ることが出来ずに終わっています。日経平均は、モロ高値引けだったし、テクノロジー系を中心とする輸出関連の引っ張りが目立ったことを物語っています。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 「協調利下げへの期待感」と書くときれいのですが(^^;、銀行株がそんなにマーケットを引っ張った印象は無かったので、「まぁ、あったらあったで良いけど…」程度だったでしょうか。それよりも輸出関連などのブッ飛びの方が目立ったので、やはり円高一服の方が「効いた」感じを受けました。まぁ、日本が利下げすることによって、円高にならないように後押しする解釈もあるにはあるでしょうけど…。

● 株式市場からすると日銀がドル/ユーロの押し上げ介入をしてくれた方が、はるかにインパクトがあったように思います。下げ相場で介入しても効き目は薄いでしょうけど、今日みたいに反転局面だと、比較的少ない金額で効果が出たと思うのですが、なぜやらないのですかね?今日の上昇は、再び円高進行なんてことになると、あっさりと手放してしまう上昇だったかも知れないわけで、この辺の不透明感は色濃く残ったままでした。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億8467万株減の29億8113万株、売買代金は逆に同649億円増の2兆2366億円。東証1部値上がりは1406銘柄、値下がりは253銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比501.16円高の8123.08円(15時00分確定)と初っ端からブッ飛び状態。15時00分というのは、日産化学(4021)が最後まで寄付かなかったためで、それ以外は、9時50分までにほぼ寄付いています。日経平均の日中値幅は470.38円(前場464.52円、後場450.92円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(4680万株売り/4270万株買い)。売り買いともにかなりフローが増加した印象でした。

● 話題変更。日本株とは直接関係ないのですが、世界中の株式関係者の間で話題になっているのが、フォルクスワーゲン(Volkswagen AG、VOW)の爆騰。BloombergのティッカーではVOW:GRで、ロイターではVOW.DEです。チャートをご覧頂けると一目瞭然。というか、あまりに株価が急変してしまって、何が何やら良く分かりません(^^;。同社の株価は2日間で約5倍になり、ドイツ取引所は今日の日本時間早朝、DAX指数のVOWウェイトを強制的に10%に引き下げる措置(Bloombergによると計算上は27%強あった)を発表しています。こんな唐突にウェイトを半分以下にされたら、指数連動ファンドや指数系のデリバティブをやっている連中はどうするんでしょうか?それも逆にパニックです、ホンマ…。もっとも、即日実施ではないみたいですが…。

● VOWの急騰には、色々な背景があるのですが、業績がどうのこうのではありません(^^;。一番最初はリーマン破綻の影響を受け、第二幕の爆騰はポルシェが出資比率を引き上げる、と発表したことがきっかけ。最初のはリーマンの破綻を受けて貸し株が返って来なくなり、指数連動型ファンドなどが「買い直し」を強いられたのが背景。貸し出していた株券の代わりに担保に取っていた現金などがあったはずなので、損益的にはチャラ近辺か、世界的に株価が下がったので、プラスだった可能性もありました。ただ、ファンドとしては株券を持っておく必要があったので、買い直しになったのです。似たようなことは、VOWだけではなく、日本や他国でも発生していました。この結果、VOWはかなり割高になってしまい、あちこちのアナリストは売り推奨するし、ヘッジファンドはVOWを売ってポルシェを買う、なんてロング/ショートを組んでいたのです。これが次の破壊的爆発・修羅場の背景。

● 先日、ポルシェが出資拡大と今後も拡大すると発表したことを受けて、VOWは一気に強烈爆騰。「ショート・スクィーズ」の見本みたいなことになってしまいました。この過程で、かなりの数のヘッジファンドが致命的な大怪我を負ったと囁かれており、実際そう考えざるを得ない状況です。地相場が200ユーロとかの銘柄が、一気に1000ユーロ超までブッ飛んで行ったのですから…。政府・金融当局が株価対策などに右往左往している最中にです。ちなみにVOWは株価爆騰のおかげで、昨晩は瞬間風速で世界最大の時価総額にまでなったのです。そりゃあ「おかしい」と考える向きが多いだろうし、ショートしたくなりますわな…(^^;。他人事だから「(^^;」ですけど、歴史的な踏み上げ相場で踏み上げさせられた方々は…。VOWの昨晩までの日足チャート(軽いPDFファイル)を付けておきます(データはBloomberg、グラフ作成は虎年の獅子座)。さすがにDAXウェイト変更のおかげで、今日は急落しています(^^;。

● 最後に一言。景気対策と称してまたばら撒きをやるらしいですネ。無駄使いも、えぇ加減にして欲しいというか…(-_-;)。個人消費を引き上げるには、富裕層にどうやってお金を使い易くさせるかってことが本当の要点になるハズなのに、"エセ正義"のメディアを含めて、選挙絡みや世間からの反発が怖くて、それは誰も言い出しません。まして、税金払っていない層にまで"給付金"をばら撒くとは、何が平等で何が不平等なのかを本当に疑うばかり。生活保護などが本当に必要な方々には、きちんと手当てすべきだと考えていますが、それは景気対策としてやるべきものではないハズ。福祉としてやれば良いのです。それをどんぶり勘定にして、ドサクサ紛れに不平等をやろうというのだから呆れてしまいます。税金払っている層をどう考えているのか?まぁ、文句を言わない奴隷程度にしか考えていないのでしょう。期待値が低過ぎるので、あまり反論も出てこないのでしょうが、それにしても…。失望の溜息だけが出てきます…(-_-;)。

● 口直し。例の日米主要企業決算発表予定ワークシートをアップデートしてあります。これまでも時々、こっそりと(でもないか(^^;)アップデートしていたし、これからも時々アップしますのでよろしく。左側のメニューからダウンロードページに進めます。シンプルなExcelシートです。

 TOPIX : 784.03 (+37.57, +5.03%)    日経平均 : 7621.92 (+459.02, +6.41%)    円ドル : 95.55  

● 飲み会があって更新が遅くなりました。ほろ酔い気分で行きます(^^;。

● オーバーナイトの米国株市場は相変わらずの状態だったものの、昨日の日本株市場である程度の下落は織り込んだ状態。CME日経平均先物は大証比50円安の7110円で、昨日のイブニングで6830円まで突っ込んでいた点を考えると、こちらは逆に若干ポジティブ。しかし、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大量の売り越し(6000万株売り/2770万株買い)で、「また大量解約売りかいなぁ~」状態。前場寄付き後に一瞬プラスになったものの、かなり神経質な展開で、前場中盤には、TOPIXで-24.93pt(-3.34%、10時17分)、日経平均で-168.00円(-2.35%、10時17分)と、かなり下押しする局面もありました。この時点で、日経平均は6994.90円と7000円割れ(26年ぶり)を記録。

● 後場に入って、為替が対ドルでも対ユーロでも円安方向に動き、市場関係者が一番気にしていた円高独歩高に一服感。GLOBEXの米株式先物が堅調だったことも加わり、一斉に押し目買いやらショートカバーに火を点けた格好。いったん上がりだすと、売り物が「消える」(^^;のは良く見掛ける風景で、今日もそんな感じでした。日経平均7000円割れという「イベント」も通過したことで、ある程度は出尽くし感というか、「もうえぇやろ」感もあったのでしょう(^^;。それやこれやで、指数は高値圏での引け。日中の値幅としては、TOPIXが8.72%、日経平均が8.82%(日中値幅は631.52円で前場が265.96円、後場が500.05円)と凄まじいスウィングでした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● ファクター分析してみると、それほどバリューが上向いたって程ではなかったものの(セクターの方に振り分けられた印象)、低PER、低PBR組がそれなりに上昇。銀行・不動産あたりは朝から弱くて、TOPIXの方がかなりアンダーパフォーム状態だったものの、買われていた銘柄が「理屈が付き易い」銘柄群だったこともあって、機関投資家にとっては、若干呆気に取られながらも、悪い1日ではなかったと察します。市場筋の間では例によって「公的資金の買い」説も流れていたのですが、これは本当かどうかは永遠に分かりません(^^;。それっぽい臭いがするけど、買い手が良く分からない時に出てくる「説」です(^^;。昨日は「オイルマネーの売り」説が出ていたぐらいだし(ユーロ建てで見ると日本株の下落は少ないので売り易いとの理由付け)、まぁ、この辺はネタとして頭のホンの隅っこに置いておく程度でしょうか。

● これでコツンと来たかですか?まぁ、それは2~3ヶ月経過後に振り返れば分かる類のモノで、現時点で分かることはないと考えています(^^;。現在の様々な「対策」などは、基本的に止血措置で、まだ治療の段階ではないのです。まず止血してから治療して、そして傷口が直っていくという過程を経る必要があります。まだ集中治療室で止血措置の真っ最中なのに、「コツン」はないでっしゃろ…(^^;。そんなところで全力疾走を試みるのは無理だし、やはり時間を掛けて治療し、体力の回復を図るしかないと考えています。もちろん、万能特効薬があれば、それに越したことは無いのですが…。

● 残りの記録。東証1部出来高は前日比7026万株増の31億6580万株、売買代金は逆に同606億円減の2兆1718億円。出来高面では30億株超え2日連続だったのですが、ザラ場を見ていると英語でいう「choppy」って感じは否定できませんでした。東証1部値上がりは1356銘柄、値下がりは300銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比0.32円高の7163.22円(12時39分確定)と静か。三井住友FG(8316)が最後まで寄付かなかったものの、それ以外は全て9時20分台に寄付いていました。

● 雑談。今朝のニッカンスポーツに、 「ジェイコム男、株大暴落でも25億円の儲け」 との記事(^^;。記事が正しいとすると、年初来で10%超のプラス。日本株中心でこれは凄いことでっせ。しかも、100万円とか200万円に対する10%と違って、約200億円弱という巨額に対しての10%超ってところが凄いのです。そこら中の「プロ」と呼ばれる連中をほとんどぶっ飛ばしていることになります。個人投資家の強みをフルに生かしていると思うし、もしB・N・F氏がヘッジファンドでも始めるなんて言い出そうものなら、あっという間に数百億円が集まるでしょうネ(^^;。もっとも、彼は他人資産の運用には興味がない様子だし、他人資産の運用だとスタイルが変わってしまうリスクがあるのですけどネ…。それにしても、やっぱり凄いっす。

 TOPIX : 746.46 (-59.65, -7.40%)    日経平均 : 7162.90 (-486.18, -6.36%)    円ドル : 93.35  

● 前場はプラスとマイナスを行ったり来たりの展開。先週末のイブニング取引で、日経平均先物は7100円というトンでもない値段を付けたものの、週末の米国株市場がそれほど懸念されたほどで酷くなかったことあんどから、前場はまぁまぁ落着いた動き(比較感の問題ですが(^^;)。もっとも、大型増資が伝えられたメガバンクは朝からかなり安かったことで、日経平均と比べると、TOPIXは水面下の動きの時間が圧倒的に長かったのですが…。

● 後場に入って最初の1時間は比較的静かな動き。ところが、午後1時半頃から雷雲が広がり始め、ズルズルと下落幅拡大。午後2時過ぎには、スコーンと下落してあっという間に大幅安。特にこれと言った売り材料は無かったものの、市場安定化策のニュースが流れたあたりから、相場が不安定化したなんて、ホンマ、しゃれにもなりません。為替介入がなかった点を嫌気したのかも知れないし、焦点ボケ対策に嫌気がさしたのかも知れません。GLOBEXの米株先物の軟調さも嫌気されたでしょう。いったん下がり始めると、もう心理的にも支えきれず、アレヨアレヨの下落。一度下がりだせば止まらない、というマーケットの脆弱性ばかりが目立つ1日になってしまいました。

● 結局、TOPIXも日経平均も2003年のバブル崩壊後安値をあっさりと下回ってしまい、TOPIXは1984年1月6日に739.87ptで引けて以来(だとと思う)の安値となり、日経平均は1982年10月7日に7114.64円で引けて以来、なんと26年ぶりの安値。まぁ、こんな記録調べても仕方ないのですが、それだけ酷い事態に陥ってしまったのです。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 市場安定化策が発表されたのですが、あまりマーケットでは話題になっていませんでした。「空売り」が相場下落の主要因ではないのは皆が分かっているし、さらに、多くが「これでは止まらない」と十分以上に理解しているからでしょう。ただ、話題になっていたのが「ネイキッド・ショート禁止」の件。その内容は 「空売り規制を強化、株の手当てなく売りつけることを禁止へ=金融庁」 (ロイター)あたりのニュース記事や、金融庁のリリース 「空売り規制の強化について」 をご参照下さい。

● 何が不思議かと言えば、日本でこの「ネイキッド・ショート」というのは、あらかじめ株券を手当て(借りてくる)しない空売り。圧倒的大多数の空売りは、制度信用や一般信用で売るので、これは「手当てしている空売り」になります。何がネイキッド・ショートになるかと言えば、空売りするための株券を借りれないのが分かっていて空売りする馬鹿のことで、意図的に受渡をフェールさせるような取引。この類の取引は、これまでもずーっとご法度だったし、改めて禁止されるようなものではない、というのが私の認識。法律で禁止されていなかったってこと?少なくとも、個人的に理解していたところだと、これまでも駄目だったハズなんですが…(^^;。それを明言したことで「規制強化」というのは、まぁ、何と言いますか…(^^;。

● また、「発行済株式総数の原則0.25%以上の空売りポジションの開示」は、誰が売っているのかが見えることで、心理的な沈静効果が考えられる一方で、もし口座を分散してやられたらどうなるか?ってところは不透明。あくまでも自己申告だし、違反がバレたらそれなりのペナルティを食らうんでしょうが、証券会社側は自分のところで取引されたものについては、ある程度把握できるとしても、顧客の取引全てを把握することは言うまでもなく不可能。まぁ、もともと空売りが主要因で下がっている相場ではないので、"規制強化"しながらも、大した実害は与えないという"微妙な味付け"を当局が配慮してくれた、と理解しておくことにします(^^;。

● さすがに「これでもかぁ!」というほど暴力的に見える相場下落を受けて、さすがにメディアでも「異常」という語句が増加してきた印象があります。確かに異常は異常なんでしょうけど、Gartman氏の"Rules of Trading"の一つに「Markets Can Remain Illogical Far Longer Than You Or I can Remain Solvent」ってのがあるように、常識的に考える以上に、こういった状態が長続きするリスクについては、頭のどこかに入れておきたいところです。これも当然の話で、"常識"が通用しないから"異常"と呼ぶんであって、それを"常識"で推し量ろうとするには無理があるのです(^^;。それを踏まえた上で、どう行動するかが大事なんですよね。行動しない、というのも選択肢の一つですが、全員がそれを出来るワケではないのが難点です。

● 記録。東証1部出来高は前週末比4億5898万株の増加で30億9554万株、売買代金は同1755億円増の2兆2324億円。売買代金はそれほど増加しなかったものの、出来高の30億株超は10月10日に32億7441万株を記録して以来。ただし、この日はミニSQだったので、SQ以外だと今年1月16日に30億2815万株を記録して以来と、かなり昔のことになります(^^;。さすがにパニック的な売りが出た可能性を感じさせます。

● 東証1部値上がりは126銘柄、値下がりは1556銘柄で、金曜日とほぼ同レベル。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前週末比23.13円安の7625.95円(9時44分確定)と静かで、少なくとも朝の寄付き段階では、これほどまでの下落を想定しなかったことがうかがえます。日経平均の日中値幅は737.70円(前場392.53円、後場595.35円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(3330万株売り/2160万株買い)でした。

● 最後に訂正を1件。金曜日、TOPIXのバブル崩壊後安値を「2003年4月28日の773.10pt」と書いたのですが、これは間違い。「2003年3月11日の770.62pt」が正解です。良くやるんですよ…(^^;。伝聞を盲信しないように(^^;。もっとも、今日の相場は、関係ないほど下げてしまいましたが…。

 TOPIX : 806.11 (-65.59, -7.52%)    日経平均 : 7649.08 (-811.90, -9.60%)    円ドル : 95.40  

● 今晩は証券業界関係者の400人規模の盛大な「飲み会」があり、更新が遅くなりました(^^;。「こんな時期に…」って声があるかもしれませんが、「こんな時期だからこそ!」です。何だかんだ言っても、証券界は会社の枠を超えた人と人のつながりで成り立っている業界なんです。ほろ酔い気分で更新と行きたいのですが、今日の日本株市場はもちろんのこと、アジア株式市場はボロボロ。欧州株式市場もボロボロだし、始まったばかりの米国株式市場もボロボロ。円高はひたすら進行しているし…。

● 最初から行きましょう。米国株式市場はまちまちながら、相変わらず不安定感が目立つ印象。東京も初っ端の1時間から昨日同様にスコーン、スコーンと下落幅拡大。日本株がここまで売られる理由はなかったと思うのですが、今のマーケットは理屈で対処しようとするとやられます。相場を見る限りでは、最初の1時間にかなりの売り圧力が発生したようで、これは海外の投信筋の可能性が大。色々と解約だのが出ているのでしょうネ。日本円が急上昇したおかげで、ドルやユーロベースで見れば、生の指数で見るよりも下げが緩やかに見えるでしょうし…。

● 一度は戻り掛けた相場も、前引けに掛けてジリ貧。後場に入ってすぐに、日経平均はあっさりと8000円割れ。1ドル=95円台前半、1ユーロ=121円台の円高水準、そして週末を控えているとなれば、もう止まらなかった感じでした。買物薄のなかをビッドを叩くような売りが多く、トレーダーにしても「待っていると先に下を売られる」状況。最後大引け間際の15分間では一段安となり、結局、TOPIXも日経平均も想定外の急落。TOPIXは終値ベースで2003年5月2日の804.62pt以来の安値、日経平均は2003年4月28日の7607.88円以来の安値で、いずれも約5年6ヶ月ぶりってことになります。この2003年4月28日は、日本のバブル崩壊後安値だったので、そこまで行って来いで下がってしまったことになります。ちなみに、TOPIXは2003年4月28日の773.10ptがバブル崩壊後安値です。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● きれいな理由としては、ソニー決算・業績予想への失望、外需銘柄への警戒感、グローバル・リセッション懸念などでしょうけど、足元では現金化に伴う需給関係の悪化が相場下落に拍車を掛けているのが否定できない状態。投信の解約やヘッジファンドの解約/解約に備えて現金化する動きが途切れない印象があります。実は、先週後半から今週前半に掛けては、少し一服感もあったのですが、それは完全な間違いだったってこと。昨日も書いたように、投信の解約はモロに「売り」として出てきます。しかも、解約なので現金化が最優先目的。「高く売る」などとぬるい話をしているヒマはないのです。

● 一方で、理屈としてこの水準を正当化するには、かなりの業績悪化を見込んでいることになるし、それ以上に、極端なリスク(企業破綻など)を織り込みに掛かっているとしか考えられない状況。何らかのきっかけて「リスク過敏の行き過ぎ」と考えることが出来るようになれば、極端部分が消えるだけでも、かなりの株価の戻りになるのは理解できるのですが…。問題はそのタイミング。加えて、行き過ぎ修正には誰かが自分の後で買ってくれないと駄目で、そのメドを立てるのが、現時点ではかなり難しいのも事実。この調子で世界的な株式の急落が続くとなると、欧米で思惑が出始めている「市場閉鎖」も、あながち"思惑"だけでは無くなってきそうです(-_-;)。余計に混乱を招くだけなので、これは完璧な"禁じ手"なんですけど…。

● 金融危機の影響が先進各国のなかで小さいはずの日本株が、他国に足並みを揃えるか、もしくはそれ以上の下落を演じていることについて、某シニアFM氏(海外)が、「日本は上昇相場では成熟国、下落相場では新興国」と笑っていましたが、ホンマ、笑えないジョークです。ただ、外国人投資家が6割ものシェアを握る状態に甘んじてしまい、国内投資家を育てることをサボってきたツケは否定できないところ。同様に、日本経済全体としても外需に頼る構造のままで、内需振興の手を抜いていたツケが積もっていたのも否定できません。

● 円高だって今は嫌気されるものの、1980年代後半には円高は大きな好感材料だったのです。かつて「トリプル・メリット相場」といった言葉が流行ったのですが、その条件の一つが円高だったのですから…。これは、日本経済は内需型バブルだったからですが、重要なのは「内需型」だったということ。政策的に円高でもメリットを受けられるような経済対策が出来れば、世界も日本を見直すきっかけになるのでしょうが、これは相場反転よりも期待薄…(-_-)。この際ですから、バブル崩壊後の安値を割り込んで、それを機会に何かが変わることを期待したいところです。ただ、たとえ変化の芽吹きが出てくるにしても、日本からではなく、海外からなんでしょうね…、残念ながら。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億8984万株減の26億3656万株、売買代金は同2976億円減の2兆0569億円と、決して多くはありませんでした。これは、売り買いが交錯して下げたのではなく、無理矢理にビッドを叩く格好で売られたことを示唆しています。東証1部値上がりは123銘柄、値下がりは1556銘柄で、最近の相場と比較すると、指数の下落ほどは"強烈"ではなし。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比158.06円安の8302.92円(9時45分確定)で、少なくとも朝の寄付き段階では、これほどまでの下落を想定しなかったことが分かります。なお、昼休みギャップもかなり大きく、後場SQ値は前場終値に対して-58.61円もありました。日経平均の日中値幅は743.97円(前場378.08円、後場335.95円)で、前後場の値幅合計がほぼ1日の値幅という、右肩下がりのトレンドデーだったことが分かります。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き、売り越し(3490万株売り/2140万株買い)でした。

● 悪い相場のことは一時忘れて、紅葉を楽しみたい季節です。皆様も良い週末を!

 TOPIX : 871.70 (-17.53, -1.97%)    日経平均 : 8460.98 (-213.71, -2.46%)    円ドル : 97.80  

● 最終的な数字を見れば大幅続落ながら、ザラ場安値から見ると大幅に戻して終了。TOPIXは前日比 57.55pt安(-6.47%、9時56分)、日経平均は同 658.08円安(-7.59%、9時56分)まであったのですから、ザラ場安値から、TOPIXで 4.50%、日経平均で 5.13%も戻したことになります。決算銘柄に対する反応が良かったとか、GLOBEXの米株先物が堅調だったことなどがあったにしろ、これは凄いことです。

● 時系列で行きましょう。オーバーナイトの米国株市場がまた急落(NYダウで-514.45ドル/-5.69%、S&P500で-58.27pt/-6.10%)。CME日経平均先物は8215円(大証比445円安)と、そこまで酷くなかったものの、実際に東京が始まってみると、この水準を下回ってNY株におつきあい状態。確かに1ドル=97円台、1ユーロ=125円台とかなりの速度で円高が進行したのはネガティブながら、それでも朝方最初の1時間ほどは、「そこまで売るかぁ?」ってほどの売られ方でした。この寄付き後1時間の売りというのは、海外投信系の商いに良く見受けられる特徴。今日もその可能性があったと考えています。その後の1時間、前場中盤以降は、売り圧力がある程度弱まったことを反映してか、相場もジリジリと戻す展開で昼休み。

● ホッと一息付きたかったところが、後場に入って昨日と同じように一段安。為替も対ドル、対ユーロで円高方向に振れて「キャン」(-_-;)。ただ、今日はここからが粘り腰で、その後はアレヨアレヨの戻し。信越化学(4063)の決算が午後1時に出て、同株がそれで上昇に転じた辺りから、相場全体も急速な戻しになった印象でした。昨日大引け後に決算発表したKDDI(9433)も、今日は朝方の一瞬以外はプラス推移だったし、やや安心感が出たというか、材料通過で動き易くなった銘柄に打診買いが入ったところ、意外に株価の足取りが軽かった意外感があったのかもしれません。電力・ガス、テレコム、医薬品・ヘルスケアなどのディフェンシブ系に加え、不動産もプラス転換して、安値からは大幅にもどして終了。今日も日中足は「V」字型でした。

● 日経平均の日中足に加えて、信越化学の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

日経平均日中足
信越化学(4063)日中足

● 記録。東証1部出来高は前日比6億6880万株も増加して28億2640万株、売買代金は同4739億円増の2兆3544億円。売買代金は株数ベースほど増加しなかったものの、それでも前日比で25%ほど増加。今日のザラ場切り返しは、それなりの商いを呼び込んだことが分かります。東証1部値上がりは470銘柄、値下がりは1152銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比399.69円安の8275.00円(14時17分確定)。これはスズキ(7269)がストップ安に張り付いて寄付かなかったからで、9時45分頃までには大部分が寄付いていました。ザラ場で658.08円安まであったので、SQ値よりも260円弱も下げた瞬間があったことになります。そして、終値はSQ値よりも185円ほど上でした。日経平均の日中値幅は531.18円(前場531.18円、後場451.09円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な売り越し(5010万株売り/2840万株買い)でした。

● さて、昨日と今日の相場下落について、実体経済がどうのこうのと理屈を付ける"相場解説"が多いし、それは全然否定しません。しかし、足元のマーケットで起こっていることは、問答無用の「現金化」が断続的に出ているって感じがしてなりません。その現金化を誘発する要因としては、実体経済がどうのこうのというのがあるんでしょうが…。ヘッジファンド主導の強烈な現金化やリスク・リダクションの流れは先月から今月がピークだったのかもしれませんが(そうでない要素もまだまだある)、足元では投信など、もう少し一般的なところから「現金化」が増加している印象があります。彼らはリスク・リダクションというよりも、投資家からの解約に対応する現金化なので背景が異なるものの、マーケットから見ると、現金化という観点からは同じ。価格関係なしでビッドを叩くような売りとなる要因です。

● ヘッジファンドならロング/ショートという格好で両建て戦略が多く、ポジション解消となっても、何かを売る一方で何かを買うことが多いのが通例。一方で、投信などは"ネイキッド・ロング"状態。つまり、解約が来ると、ファンドからはストレートに「売り」だけが出てきます。昨日後場寄付き後すぐに、ファクター分析でサイズがスコーンと下がったので、「誰か大型株主体の売りを出したな」というのはすぐに分かったのですが、この局面でそれをやるってことは、現金化するためとしか考えられないのです。上昇相場で同じことが起こると、「誰か小型株を買いに行ったな…」になるんですけどネ…(^^;。

● 関連して、ロイターに 「ファンド・オブ・ヘッジファンズ、解約要求に備え資金調達」 とのニュースが流れていました。昨日も書いたように、ヘッジファンドの解約通告期限には色々なパターンがあり、例えば今年12月末をターゲットにした分でも、想定できるところとしては、まず9月末、今月末(11月末向け解約の通告も重なる)、11月15日あたり、11月末などの波が考えられるのです。さらに、解約通告をギリギリまで待たないこともあるでしょうから、それ以外の日付でも可能性は常にあります。投信などは解約通告期限といった縛りがないので、余計に「いつでも」状態です。つまり、まだシートベルトを外せるような状況ではない、ってことですネ。

● その一方で、解約の嵐が吹く(吹いている)ことは、どこのヘッジファンドやFoHFsのマネージャーでも嫌になるほど分かっていることで、何も対応していないハズがないのです。かなり多くのファンドが、解約に備えてキャッシュを抱えているのもが事実で、年末までに、どの程度解約されるかが不透明なので、既に半分以上キャッシュなんてファンドも珍しくないのです。今後、何らかの理由により、想定していたほどの解約が出ないということになれば、今度はキャッシュがジャブジャブ過ぎることになり、運用に廻さざるを得ない事態もある得るってことは認識しておくべきかなと…。ただ、それがある程度見えてくるにしても、11月半ば頃まで待つ必要があるとは考えていますけど…。

 TOPIX : 889.23 (-67.41, -7.05%)    日経平均 : 8674.69 (-631.56, -6.79%)    円ドル : 99.55  

● 米国株安(NYダウ -231.77ドル、-2.50%)を受けて、朝からある程度軟調地合いは多くが想定していたでしょうが、ここまで大幅に下がることは大多数にとって完全な想定外。特に後場の下げ足の速さについてはかなりの意外感がありました。タイミングとしては、ユーロが対円でスコンと下落したあたりから売りが加速した印象があったのですが、ユーロ円の急落は、直接的な理由というよりも、きっかけだったと考えています。最近は大幅な値動きに慣れてきたのは事実でしょうけど、先週後半からおぼろげながらも、相場に落ち着きが見え始めていただけに、「まだ終わってないか…」との失望感は避けられず、一気に冷や水状態で心理的にかなり響く大引けとなってしまいました。「疑心暗鬼」という言葉を片隅に追いやることが出来るのは、いつになることやら…。

● 結局、TOPIXも日経平均もモロ安値引け。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比234.97円安の9071.28円(9時33分確定)で、寄付きから売られたものの、この程度の下落は多くが想定していたでしょう。前場はほぼ日経平均9000円あたりでの推移で、SQ値水準から大きく戻りはしなかったものの、売られもしなかったのです。ユーロが対円で130円を割り込んできたのは、後場寄付き直前。そして、スコーンって感じでユーロ安が進んだのが午後1時半前で、同時に対ドルでも円高が進行し、タイミング的に日本株が下げ足を速めたのと一致。

● もっとも、それ以降の円ユーロや円ドルは比較的落着いていたのに、日本株はズルズルと下落幅が拡大し続ける状況。かつて流行った「ユーロ高メリット銘柄リスト」は「地雷銘柄リスト」と化して市場筋の間を飛び交うなか、この辺からは、為替どうのこうのというよりも、心理的に「こりゃあ、到底買えない」という空気が広がってしまった印象でした。加えて、時間が進むとともにアジア各国市場もボロボロになり、余計に「到底買えない」感に拍車を掛けた格好。韓国市場などは、かなり悲壮感があったように感じました。「サムスン電子、サンディスクへの買収提案を撤回」 (日経)ってのも、あれだけウォンが急落してしまうと、どうしようもなかったのでしょうね。公式の理由には出てこないですけど…。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 記録。東証1部出来高は前日比7402万株増の21億5760万株、売買代金は逆に同18億円減の1兆8806億円と、指数の値動きが荒かった割には今一つ。買いが手控えられるなか、ビッドを売りに行かざるを得なかった向きが多かったことを感じさせます。東証1部値上がりはたったの75銘柄、値下がりは1602銘柄で、全面安。日経平均の日中値幅は523.45円(前場208.98円、後場330.04円)とかなり大きく、しかも「前場値幅+後場値幅≒1日の値幅」で、戻りらしい戻り局面が無かったことを物語っています。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再びかなりの売り越し(4220万株売り/2560万株買い)でした。

● 少し話題変更でヘッジファンドの話。市場では、ヘッジファンドの解約通告期限を「45日ルール」などと呼ぶことが多いようです。つまり、投資家サイドがヘッジファンドを解約するには、当該月の月末から逆算して45日前に通告するという話。そのため、ヘッジファンドの決算が多いとされる11月末(本当にどの程度多いのかは良く分からない(^^;)を基準に逆算すると、解約に伴うドタバタ売りは「10月15日まで」との共通認識がある(あった)様子です。

● ヘッジファンドは流動性が高いファンドでも、基本的に月末でしか解約できない場合が圧倒的に多いのです(これはかなり確実)。基準価格(NAV per unit)を計算するのに、運用側も投資家側も月末が都合が良い(きちっとした数字が出る)点があるのです。ただ、流動性はファンドによってピンキリで、毎月解約可能なファンドもあれば、半年に1回しか解約できないファンドもあります。M&A系ファンドは一般的に流動性が低く、半期とか1年に1回のみというのは珍しくありません。一方で、クオンツ系ファンドのように分散が効いたファンドは、毎月の流動性があるものが多いです。M&A系ファンドなどは、個別企業の発行済み株式数のかなりの部分を保有してたりするので、日々の流動性に対するポジションが大きくなり、解約が来た場合に、その対応(現金化)に時間が掛かるってことです。

● そこまでは良いとして、普段からこの「45日ルール」について、かなり不思議に感じています(^^;。実際にヘッジファンドにある程度足を突っ込んでいる方々からは、「そんなに45日ノーティスばかりでもないのにねぇ~」って声の方が良く聞こえてくる印象があるのです(^^;。私にしても全体像を把握するには程遠いのは自覚しているし、実際に「どう」と言い切れるほど数多くのファンドを見ているのではありません。なので、かなり曖昧な話で恐縮ですけど、それでも15日や30日ノーティス、3ヶ月ノーティスなどは良く見掛けるし、個人的な印象として45日ノーティスが大多数とは感じないのです。いつからなんでしょうね、日本で「45日ルール」が定説として広まったのは?(^^; (^^;

● もっとも、今回は解約の申し出が届く前から、圧倒的な「現金化」の動きがあったわけで、単に解約対応だけではないのです。この辺は語れば長くなるので端折りますが、この1~2ヶ月ほどの「現金化」の動きは、最初はレバレッジの縮小(デ・レバレッジング)から始まったのです。この結果、相場が大きく動きボラティリティーが急激に上昇してたことで、意図しないほどのリスクを抱えてしまう結果になり、慌ててリスク縮小(リスク・リダクション)に一斉に走り、それが余計に相場のボラティリティーを高める悪循環に陥ったのです。リスク・リダクションとデ・レバレッジングは大規模な同時進行となり、マーケットは大きく歪み、それが運用成績悪化。そうなると、当然のように解約もドンドン出てきます。リスク・リダクションと同時に、解約に備えて現金を手元に確保しておきたい意向もドンドン高まり、それが余計にポジション解消を誘発して…、って感じです。

● 先週後半から、ようやくグローバルな大津波が収まってきたような雰囲気があっただけに、今日の相場では「10月15日過ぎたのに、何でこんなに売るの?」的な失望感があったのでしょう。失望感に加えて、「まだ続いているのか…」、「いつまで続くのか?」といった不透明感が増してしまい、「買ってる場合じゃあない」と買い手が萎縮してしまう状態。今日の相場でも、午後から一気に崩れた印象があったし、他のアジア市場の崩れ方もみると、日本だけではない資金の動きがあったことを想像させます。もっとも、究極的に背景が見えてくるとしても、まだ相当先の話でしょうけど…。

● 話が長くなってしまったのですが、関連ニュースを一つ。ヘッジファンドクルークでは、「株価続落の原因、ヘッジファンドではなく投資信託の資金確保―米トリムタブス調査」 との記事がありました。元ネタはダウジョーンズの「Forced Hedge Fund Selling May Be Over For Now, TrimTabs Says」ですが、英語よりも日本語で読む方が楽です(^^;。いずれにしろ、まだしばらく一喜一憂の流れは変わりそうにありません。今日の相場でそれをかなり感じてしまった次第です。なお、このサイトのニュースを読むには、無料会員登録が必要です。為念。

● 最後に、夕凪さんの「ダントツ投資研究所」で、「似ているチャートその後」 (http://yuunagi.enjyuku-blog.com/archives/2008_10_post_284.html にもある)がアップデートされています。経済情勢やら相場環境は全く違うのですが、グラフの形やタイミングがかなり似通っているように見えます。相場を動かす要因は何であれ、相場心理の揺れ方には大差ないのかも知れません(^^;。ただし、「かつてこうだった」が「これからどうなる」と同じかどうかは分かりません。為念。

 TOPIX : 956.64 (+29.27, +3.16%)    日経平均 : 9306.25 (+300.66, +3.34%)    円ドル : 101.45  

● 米国株高に反応したのはそうでしょうが、それ以上に大きかったように感じるのは、「そろそろ落着いてきた」という心理的要素。主に海外投資家による問答無用の「現金化」により、結果的に、株価が極端なケース(破綻や恐慌)までも想定した水準まで売り込まれていたのは、多くの市場参加者が認識しているハズ。少しでも「さすがにそれはないやろ」の気持ちを持てるようになると、その行き過ぎたリスクの織り込み部分は戻すことになり、それだけでもかなりのラリーになるのは簡単に想定できるところ。もちろん、これで全てが終わったワケではないのは承知の上で、先回り的な動きが出始めた可能性はあります。昨日も書いたように、そろそろ「金融危機」ネタに飽きてきましたしネ(^^;。問題は、どこまで続くかなんです…。

● まだ不透明感も色濃く残るなかでの上昇相場だけに、市場に警戒感もそれなりにあったのは明らか。前場から後場中盤までジリ貧だった点もその一つ。今朝の日経平均SQ値は、前日比292.38円高の9297.97円(9時37分確定)で、初っ端からそれなりの買いが先行したことが分かります。その後、TOPIXは9時32分にザラ場高値(+34.51pt、+3.72%)、日経平均も同じく9時32分にザラ場高値(+352.92円、+3.92%)を付け、その後は後場前半に掛けてジリ貧の伸び悩み。TOPIXは前場にザラ場安値が付いているものの、日経平均は13時23分に安値を付けど、かなりどよぉ~んとした雰囲気でした。ただ、その後は一転してきれいな右肩上がりとなり、結局、日中足は「V」字型。ジリ貧を警戒感と受け止めた方が良いのか、大引けに掛けての戻りを力強いと受け取った方が良いのか、どちらが優位とも判断し難い相場でした(^^;。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 物色動向としては、今日は比較的理屈が通る相場。これまでバカスカ売り込まれた外需関連銘柄が一斉に反発。資源系にしても、コモディティー市場の売り一巡感を支えに上昇。ファクター分析をしても、割安感のある銘柄が買われて、バリューがソコソコ、グロースもまぁまぁ、リバーサルがかなり効いて、機関投資家FMの皆さんにとっては、それなりにホッと一息付ける相場だったと察します。問題はこの状態が続くかどうか、ということ。今日の出来高などを見ても、「今一つ」感は避けられない状態です。商いの盛り上がりが欠けるのは、これまでの下落が急だっただけに、戻り売りを考えている向きにしても、この水準ではあまり大きな売りが出てこないのです。そうやこうやで、指数ベースで3%超もの大幅な上昇だった割には、売り買い交錯というほどの勢いは感じられない相場でした。これは東京だけの話ではなく、アジア各国の市場でも、似たような感じだったみたいです。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億3284万株減の20億8358万株、売買代金は同64億円減の1兆8824億円と今一つ盛り上がりに欠ける水準。東証1部値上がりは1257銘柄、値下がりは393銘柄。日経平均の日中値幅は223.10円(前場221.77円、後場172.81円)で、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向 は、買い越し(2320万株売り/3110万株買い)でした。

● 雑談。私にとっての今年のプロ野球シーズンは昨晩で終了。オリンピック以降の試合で良く見た風景が繰り返された印象でした。あれだけチャンスに打てなかったら、いくらピッチャーが抑えていても難しい、ってことでしょう。でも、岩田投手の投げっぷりは見ごたえがあったし、何か来年に繋がるものを魅せてくれた印象でした。これで、スカパーのJ-Sportsを解約し、パックもチャンネルを組み変える作業に入ります。来年3月か4月には、また元に戻しますけど…(^^;。スカパーのおかげで、サンテレビが入らない土地でも心置きなく生中継が見れるのは、それなりに凄いことです。ここでスカパーにお願いしたいのは、プロ野球パックだけでなく、球団別の組み合わせパック考慮して欲しいこと。「阪神タイガースパック」があれば、結構、全国的な販売が期待できると思いますよ!

● 雑談その二。興味深い記事を発見。 「かぶあがりひょうたん御守:八戸・蕪嶋神社のお守りが人気」 (毎日新聞)、 「株価が上がりますよう…八戸・蕪嶋神社のお守り人気が急上昇」 (読売新聞)とか…(^^;。青森県八戸市ですか。土地勘がないので位置的に良く分からないところがあるのですが、 Googleマップではこちら からどうぞ。今週末にでも行く??

 TOPIX : 927.37 (+33.08, +3.70%)    日経平均 : 9005.59 (+311.77, +3.59%)    円ドル : 102.05  

● 前週末の米国株市場は下落したものの、最近の相場だと強がれば「誤差」の範囲内(^^;。日本も寄付直後こそはチョビマイナスになる局面こそあったものの、その後は堅調な値動き。前引けに掛けて伸び悩んで「あかんか…」になり掛ける局面はあったものの、後場はきれいな右肩上がりで、終わってみれば大幅高。極端な不安感が薄れつつあるのは多くが感じているでしょうし、相場はそれを素直に反映した格好。しかし、商いが今一つ盛り上がらなかった点を見ても、まだシートベルト着用サインが点いたままなのも、多くが認識している状態で、今晩の米国株市場次第なのは変わりません(^^;。そろそろ「金融危機」ネタに飽きてきた感はありますけどね。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 個別には、相場全体の不安感の薄らぎを反映するように、鉄鋼、商社、海運など、これまで「眼の敵」とばかりに売り込まれた銘柄群が反発。ただ、ブリヂストン(5108)のように「???」状態の大幅高だった銘柄があった一方、コマツ(6301)のように「まだ売るか?」銘柄もあったものの、全体としては多少は理屈が通るような相場に戻りつつある印象。主として外国人投資家(ヘッジファンド筋)による暴力的な「現金化」の動きが収まりつつあるのは、値動きを見ているだけでも分かります。ただ、これが嵐の中の一時的な休息なのか、それとも嵐が通過した後なのかは、まだ分かりません(^^;。半年、1年経過して振り返れば、確実に分かるんですけど…(それやったら役立たんって(^^;)。

● 記録。東証1部出来高は前週末比8319万株減の22億1642万株、売買代金は同802億円減の1兆8888億円と今一つ。東証1部値上がりは1411銘柄、値下がりは242銘柄でほぼ全面高。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比118.94円高の8812.76円(9時19分確定)で、日経平均の日中値幅は350.75円(前場185.35円、後場234.74円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(2080万株売り/2470万株買い)でした。フローそのものがかなり減っており、そろそろ「現金化」の流れにも一巡感が出てきた感じはあります。本格的に買う感じは全くありませんが…(^^;。

● 指数ヲタク向け連絡事項。今日は20日なので、TOPIXの月末修正分が一斉に所報掲載されています。今回は先日発表されたFFW変更がかなり多くて、実際のインパクトもこちらの方が大きくなりそうな雰囲気です。FFW変更と月末修正をあわせれば750件ほどになるので、ターゲットを絞らないとどうしようもありません。またトータルのウェイト変化もかなり大きくなるので、資金繰りにはご注意を。いつも通り、TOPIX月末修正については、東証HP内の 「月末上場株式数」 をご参照下さい。浮動株比率の変更については、同じく東証HP内の 「浮動株比率」 をどうぞ。"No Pain, No Gain"です(^^;。

● 雑談。某市場筋に教えてもらったのですが、昨日の秋華賞勝者のブラックエンブレムのオーナーは、元リーマン・ブラザーズのエクイティ・デリバティブ・トレーダーとのこと(^^;。日刊スポーツの記事 「愛馬が無職オーナーの窮地救う/秋華賞」 はこちらからどうぞ。

 TOPIX : 894.29 (+29.77, +3.44%)    日経平均 : 8693.82 (+235.37, +2.78%)    円ドル : 101.45  

● 米国株が今度は「上へまいりまぁ~す」(NYダウ+401.35ドル、+4.68%)となったことで、こちらも上昇。ただ、寄付き段階での買いが一巡してからは、どうも上値の重たい展開というか、少なくとも前場は、かなりはっきりとした右肩下がり状態の伸び悩み。後場寄付きで、ソコソコ大きな「昼休みギャップ」(前引+67.97円)を空けて上昇したものの、大きなトレンドを変えるほどではなし。大引け間際の5分間ほどでスルスルと上昇したこともあって、やや体感温度よりも高く引けているものの、それでも、SQ値がほぼ高値のかなり「寄り天」に近い状態の1日でした。まぁ、週末を控えているし、何が起こるか分からん、ってのは皆が意識しているところなんで、仕方ないですけどネ…(^^;。指数ベースで+3.44%もあるので、タイトルには「大幅」を使ったのですが、実際にザラ場を見た感じでは、あまりその迫力は感じませんでした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 昨夕のイブニングから先物はかなり上昇(+340円)して先食いしていた面もあったでしょうが、それでもCME日経平均先物の8805円が先物ベースでやっと(現物は届かなかった)というのは、マーケットに色濃く漂う警戒感を感じざるを得なかった印象。さらに、電力・ガスが相場を引っ張る状態で、次いで、情報通信や食料品が業種別指数の値上がり率上位に来ており、「内需」と言えば聞こえは良いものの、嵐に備えてディフェンシブ系に乗り換えているように見えてしまいます。一方、海運や卸売、さらに資源系銘柄群はマイナスでしたし…。そういえば、10月19日(米国)・20日(日本)はブラックマンデーの日。まだしばらく、本当の意味で自信が持てるようになるまでは、上昇相場でも喜ぶというよりも、有事に備えての空気が強い状態が続くと考えておいた方が良さそうです。なお、これを書いている時点のイブニング取引で、日経平均先物はかなり安く推移しています(-_-;。

● 記録。東証1部出来高は前日比2億6107万株減の22億9961万株、売買代金は同2068億円減の1兆9690億円と2兆円割れ。東証1部値上がりは1392銘柄、値下がりは272銘柄と、数字上はほぼ全面高(雰囲気は違ったけど)。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比263.98円高の8722.43円(9時41分確定)。ヤフー(4689)が最後まで寄付かなかったものの、それ以外は9時30分までに寄っていました。日経平均の日中値幅は224.20円(前場224.20円、後場140.31円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、今日もかなりの売り越し(3610万株売り/2580万株買い)でした。

● 話題変更。今回の金融危機について振り返るほど状況は落着いていないのですが、週末だし、ちょっと感じることを。巷では識者ぶった方々から、米国覇権崩壊論に近いような話が出始めています。それが正しいとしても(正しいとは思わないけど…)、その先の世界は誰が引っ張るの?ってところが、まるで見えてきません。あえて候補としてとして考えられるのは、共同体としてのヨーロッパ(ユーロ圏+英国)か、中国か、ロシアか、はたまた日本か…。

● 欧州の可能性が一番マシなものの、個々の国ではなく共同体としてでないと無理。中国やロシアは軍事的にはともかく、金融経済面は無理だらけ。アジア圏は全体がまとまることが出来れば可能性はあるんでしょうが、現時点では困難山積。日本については敢えて書きません(^^;。そうやって考えると、政治的、軍事的、さらに金融経済的に世界を引っ張れるのは、現時点では、結局のところ、米国以外に候補が居ないのが良く分かります。あと50年ほど経てば状況は変わるかもしれませんけど…。

● かつて「米国がくしゃみをすると、日本が風邪を引く」と言われた頃があったのですが(なぜか最近はあまり聞かない(^^;)、その米国は重病で現在入院中。この状況下で、日本だけが無事で居れるはずがないのです。日本株が米国株よりも下落が厳しかったのも、当然と言えば当然の話。外部からの影響を和らげるには日本国内で需要喚起する(つまり内需)のが一つでしょうけど、それもかなり難しい状況。政策的にも、外需に引っ張ってもらうところで安穏としてしまい、内需で需要喚起する努力をやってこなかったですから…。と言う訳で、結局のところ、米国に頑張ってもらうしかない、というのが色々な意味で本音ではないかと考えています。だから、相場としても、まだしばらくは米国市場の動向に振られる展開が続くだろうな、ってことも…。

● 雑談。時事通信で 「巨人優勝年は株価暴落?=下落率歴代10位まで独占」 とのニュースを発見(^^;。単に優勝回数が多いだけという以上に、このトレンドは当たってるんですよね。そう言えば、巨人は2年連続でセ・リーグ優勝となったのですが、心底からの野球ファン以外は、昨年の優勝は中日だったと"勘違い"して覚えている向きが多いでしょう。クライマックス・シリーズの弊害ですね、これは…。両方とも勝ってようやく世間的に"優勝"と覚えてもらえる感じがします。ちなみに、この記事中の阪神ファンは私ではありません。為念(^^;。

● エグイ1週間(しかも1日短かった)で疲れました。ゆっくりと休める良い週末を期待しています(今晩のNYが…(^^;)。

 TOPIX : 864.52 (-90.99, -9.52%)    日経平均 : 8458.45 (-1089.02, -11.41%)    円ドル : 100.10  

● 米国株市場が再度急落。NYダウは前日比733.08ドル安(-7.87%)、S&P500はもっと酷くて-90.17pt(-9.03%)。公的資金注入をまるっきり無視するように急落する相場は、一般的相場解説としては「実体経済の悪化懸念」でしょうけど、ある意味では信用恐慌を連想させる出来事が、金融業界以外でも発生することを想定してしまった可能性があります。一度心理的に壊れてしまうと、極端なケース(企業破綻など)を「有り得ない」と考えることが不可能になり、そのリスクを価格に織り込まざるを得なくなってしまいます。「有り得ない」を普通に「有り得ない」と考えることが出来るようになると、それだけで極端に価格に織り込んだ部分だけでも戻るのですが…。

● 日本株市場。米国株の急落を受けてCME日経平均先物は大証比1025円安(!)の8465円。当然、こちらの先物もその水準を目指して急落。日経平均先物はCME水準を下回る8300円で寄付き、そこでサーキットブレーカー発動で一時取引中断。ただ、比較的早い時間帯に松下(ではなくパナソニック(^^;。6752)などが寄付き(9時05分)、これだけ海運市況がボロボロにも関わらず郵船(9101)が9時20分に寄付くなど、「おっ、意外に早く寄るやん」って印象。株価が100円台の銘柄(太平洋セメント、三菱自動車、川重、IHIなど)は、あちこちでスッと寄付き、個人投資家の参戦をかなり感じた状況。前回の暴落局面で買いそびれた向きが「えいやぁ!」と買い入れた雰囲気でした。

● 9時45分頃には日経平均採用銘柄で寄付いていないのが残り15銘柄となり、大部分の銘柄は寄付いた状態。この辺からザラ場相場スタート。その後、戻りかけては押され、売られかけては戻しと、ずっと底辺でさまよっていた相場は、後場最後の1時間ぐらいに息切れ状態になり今日の安値を更新。この辺からストップ安に張り付く銘柄も増加し、結局、TOPIXは安値圏での大引け、日経平均はモロ安値引けでした。TOPIXも日経平均も歴代第2位の下落率。ちなみに、歴代第1位はブラックマンデー(1987年10月20日、TOPIX=-14.62%、日経平均=-14.90%)で、これまでの第2位はスターリンショック(1953年3月5日、TOPIX=-8.75%、日経平均=-10.00%)でした。

● 今日も歴史的な1日になってしまったので、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● セクターは東証33業種全てがマイナス。ただし、ブリヂストン(5108)、住友ゴム(5110)がプラスだったこともあって、ゴム製品は最後の最後までプラスを維持していたのです(最終的にはマイナス)。ほか個別銘柄では、花王(4452)、ローソン(2651)、ファミリーマート(8028)、ダイセキ(9793)などが、こんな日にプラスでした。ただ、どうしても目立つのは圧倒的なマイナスだった点。海運はバルチックドライ指数が崩壊状態(開所以来最大の下落)に陥ったこともあって、軒並み大幅安。ほか、商社や鉄鋼、非鉄なども悲惨で、テクノロジー系は買い手不在が如実に出てしまった格好。見慣れてしまった10%超下落が、そこら中に散乱して、手が付けられない状態。市場全体の出来高は多くは無かったので、買物薄のなかを、換金売り・解約売り、もしくは投げ売りなど、とにかく売りたい向きがビッドを叩いた状態が分かります。はぁ~~(T_T)。

● 記録。東証1部出来高は前日比4835万株増の25億6068万株、売買代金は逆に同1669億円減の2兆1758億円。指数の動きの割には、商いが膨らまなかった様子が見て取れます。東証1部値上がりはたったの87銘柄、値下がりは1611銘柄で、文句なしの「全面安」。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比926.56円安の8620.91円(9時54分確定)と、寄付きから売られたことが分かります。ある意味では、寄付きから160円ほど下げて引けているので、ザラ場の売り圧力はこの程度だったのかもしれません(ストップ安で売るに売れないのはあったとしても…)。日経平均の日中値幅は942.40円(前場841.08円、後場272.18円)ですが、これは前回同様にミスリーディング。SQ値を寄付値と考えると、前日比で大きく動いたほどはザラ場で動かなかったことが分かります。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、一転して大幅な売り越し(4320万株売り/1630万株買い)でした。

● 一歩引いてみるまでもなく、金融危機で資金のパイプが詰まり、心理的な圧迫感から個人消費が急激に落ち込み、それに伴って実体経済が悪化するのは、まさに日本の「失われた10年」と同じ状況。実体経済の悪化とともに日本で発生したのが、長期的なデフレ。とりわけ資産デフレ/逆資産効果が進行し、それが余計に金融システムを痛めつけ、巡ってさらに実体経済を傷つけるという、出口の見えない悪循環が続いたのです。ここまでの米国発グローバル金融危機が、不思議なぐらい日本の「失われた10年」と似通った流れになっているのは否定し難い状態。そうなってくると米国(や欧州)が、何か相当に違う方策でも出さない限り、同じような方向に進む可能性を考えざるを得ない印象です。

● 当時、日本でも超低金利が長期間に渡って浸透したおかげで、現金保有が増大したのですが、それが必要資金が流れないフン詰まり状態にもなり、最後は量的緩和で無理矢理動かす羽目になりました。それが次の不動産バブル(ミニ規模だったけど…)を生み、足元で弾けつつあるのですが…(^^;。貯蓄癖の乏しい米国人が全く同じ行動を取るとは思えないものの、資金の流れがフン詰まりになっている状況は似たり寄ったり。どうやって資金をスムーズに流すことが出来るのか、極端な話、「現金保有が損をする」という状態を景気配慮の低金利のなかでどう演出できるか…。いや、簡単ではないのは皆が分かっているんです。だからこそ、こんなマーケットになってしまっているんです。

● 欧州市場もかなり悲惨なスタートだったものの、これを書いている時点では、かなり戻っています(大幅安だけど暴落ではない水準)。GLOBEXの米株価指数先物もプラスになってきて、イブニングの日経平均先物も高く、少しだけ期待しておきましょう(^^;。どっちにしろ、米国株式市場次第ですけど…。

 TOPIX : 955.51 (-0.79, -0.08%)    日経平均 : 9547.47 (+99.90, +1.06%)    円ドル : 101.70  

● 米国株式市場の動向に振り回されるのは仕方ないとしても、それでも大型株が1日で1割上がったり下がったりすると、さすがに「手が出せない」ムードは強くなるし、まだ"非常時"との認識からも抜けられません。今日も米国株軟調(急騰後の軟調引け)、CME日経平均先物軟調(大証比245円安)を受けて軟調にスタート。その後は、1日の大部分を水面下でもみあう展開。ところが、午後2時半頃から急にスルスルと急速な戻し。主力銘柄中心に大口買いがドカン、ドカンと入ってきたことで、先物が走り、裁定買いが追い掛けて、現物も走るといった状態。市場筋の間では、「公的年金資金の買い」との思惑が飛び交っていましたが、本当かどうかは、いつも通り、分かりません(^^;。TOPIXは大引け間際に一時プラス転換したものの、最後はチョビマイナス。日経平均は1%超のプラスで終了。

● 今日は日経平均とTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。グラフの形は当然、似通っているのですが、若干、レベルに違いがありました。

日経平均 日中足
TOPIX 日中足

● 暴力的な売りが収まってきたのは、外資系証券寄付前売買動向を見ても感じるところだし、マーケットにも多少は落着きも見られるようになって来ました。しかし、今日、買われていたセクターは、医薬品、電力・ガス、食品、テレコムと並び、誰がどう見てもディフェンシブが買われている状況。しかも、この辺の銘柄は5%超もの上昇を記録するなど、普通の相場よりもはるかに値動きが激しかったのが特徴的。逆に売られていたのは、鉄鋼、海運、資源系など。銀行もかなりまだら模様でした。これだけを見ても、警戒感が薄らいだというよりも、この戻り局面(というには情けないけど)を利用して、よりディフェンシブなポジションに組み替えている向きがかなり多いように感じてしまいました。もし金融危機第1幕が終わったと仮定しても、次はありとあらゆる企業業績や経済指標が悪化する第2幕が待ち構えているんでしょうし…。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億2933万株増の25億1233万株、売買代金は同4217億円増の2兆3426億円。東証1部値上がりは883銘柄、値下がりは756銘柄とほぼチャラ。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比106.85円安の9340.72円(9時36分確定)。日経平均の日中値幅は331.81円(前場176.62円、後場331.81円)。前場から後場中盤までは基本的にもみあいで、後場最後の30分に値幅が出ています。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、今日も大幅な買い越し(2190万株売り/4580万株買い)でした。

● 話題変更。VIX指数(CBOE SPX Volatility Index)を見ると、さすがに一昨日は大幅に下落し、昨日はほぼ横ばいになっているものの、まだ歴史的な高水準で推移。振り返ってみれば、ここ2年間ほどのピークが31程度だったところ、この水準を超えたのが9月17日。リーマン・ブラザーズ破綻してAIGが公的管理下に置かれたその時。その辺でもみ合うかと見えて、ズコーンと上抜けたのが9月29日、金融安定化法案否決の日でした。日本時間に引き直すと、これを見てリアクション的に行動したとして、翌日9月30日の終値まで待って売ったとしても、TOPIXで1087.41pt、日経平均で11259.86円だったのです。今の水準よりは、かなり上だったのです。もちろんこれは「たられば」の典型ですけどネ…(^^;。

● 参考までにVIXのチャートを付けておきます(データはBloomberg、グラフ加工は「虎年の獅子座」)。グラフをご覧頂くと、如何に今回の「金融危機」が異常な事態だったかが良く分かります。

 TOPIX : 956.30 (+115.44, +13.73%)    日経平均 : 9447.57 (+1171.14, +14.15%)    円ドル : 102.45  

● 月曜日の米国株式市場が爆騰。NYダウは+11.08%(+936.42ドル)、S&P500は+11.58%(+104.13pt)。CME日経平均先物も9000円ちょうどで、ほぼ大証比1000円高。昨晩の米国株式市場も凄かったし、その後、東京がオープンする前にWSJ紙が「米銀上位9行に公的資金注入の方針」と報じるなど、ある意味では、マーケットが暴落して「催促」していた政策が出てきたことで、市場もそれを素直に好感。ただ、実務的に効いたのは「銀行間取引保証」でしょうか。これで、資金繰り関連のかなりの不安感を解消する効果があったと考えています。もっとも、日本市場が好感したというよりも、米国市場が反応したのに反応した、と言う方がより適切かもしれませんけど…(^^;。

● 時間順に行きましょう。初っ端から、TOPIX先物/日経平均先物は上昇局面でのサーキットブレーカー発動。もっとも、先日の暴落局面でのサーキットブレーカー発動と同じで、現物がほとんど寄付かないことで、先物だけが走るにも限界があり、サーキットブレーカーで時間稼ぎして現物が追い付いてくるのを待つ状態でした。9時半でも寄付いていない銘柄があまりにも多く、表示されている指数値は額面通り受け取れない状況。5分毎に現物の気配が上がるたびに指数が階段状に上昇する状態でした。午前10時の段階で、日経平均採用225銘柄のうち、まだ29銘柄が寄付いていませんでした。もっとも、ストップ高買い気配になってしまえば、指数値の計算はそれなりにできたのですが…。

● ただ、TOPIXにして100pt高程度、日経平均にして1000円高程度を超えてくると、さすがに上昇の勢いは大人しくなった感があったものの、最後まで上昇基調で、結局、TOPIXも日経平均も歴代最高の上昇率を記録して終了。今日も歴史的な1日だったので、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 最近、本当に「歴代」とか「史上」とかを良く使います(^^;。日経平均の歴代上昇記録は日経平均プロフィル内のこちらからどうぞ。東証の記録はHPには掲載されていないようなので、東証に直接電話して聞いてみました。TOPIXのこれまでの上昇率記録は日経平均と同じ1990年10月2日で、このときTOPIXは+9.54%だったとのこと。もっとも、上昇記録の多くは「暴落後」ってのが定石なので、それなりの注意は必要ですけど…(^^;。何はともあれ、今日の終値水準は先週前半のあたりまで戻ったことになります。TOPIXは10月9日がプラスだったものの、日経平均は7日続落だったので、これで8日ぶりの反発ってことになります。

● 感心しているだけではなくて考えてみると、何だかんだ言っても、結局のところ、今晩の米国株市場に依存している状態に変化はありません。なんせ、売買の6割を外国人投資家が握っており、日本だけが独立して動ける状態にはないからです。換金売りの嵐が終わったのかどうかも、実際のところは良く分かりません。外資系証券寄付前売買動向などを見るとその予感はあるにしても、確信を持てるだけの根拠はありません。もっとも、往々にして確信なんてのは無いままで見切り発車するのが株式市場の得意パターンだし、"結論"が出るまで待てるのは、実際のポジションを持っていない評論家ぐらいのもの。ストップ高が多くて商いできなかった(東証1部のストップ高は770銘柄もあったらしい)という特殊事情はあるにしても、今日の出来高や売買代金が今一つ伸びなかったことは、今日の急騰はともかくとして、明日以降は別の話ってのを感じさせる状態でした(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前週末比8億9141万株減少の23億8300万株、売買代金は同7144億円減の1兆9210億円。金曜日がミニSQだったことを割り引いても、先週はざっくり25億株/2兆5000億円程度はあったので、今日は少なめでした。東証1部値上がりは1678銘柄、値下がりは25銘柄と、こちらも歴史的な数字。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比1076.06円高の9352.49円(15時00分確定)と、寄付きからぶっ飛ばしたことが分かる一方、そこからの上値は100円程度しかなかったことも分かります。日経平均の日中値幅は1047.68円(前場1007.51円、後場123.79円)だったのですが、これはかなりミスリーディング。SQ値を基準にした方が印象に合致します。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な買い越し(2570万株売り/5700万株買い)でした。市場筋によると、差引で3130万株の買い越しは、2007年9月27日以来(この日も3130万株買い越し)とのこと。

● 雑談。「こんな時に"新聞休刊日"とは、何を考えとんねん!」なんて考えていたら、今朝、日経の「特別号外」が新聞受けに入っていました(^^;。4ページのペラペラでしたが、広告が無かった分だけ、それなりに活字の"量"はあった感じ。さすがに、この時期にノホホンと休むのは、さすがに日経も「マズイ」と考えたんでしょう(^^;。都内は日経専売店があるものの、地方では他紙販売店に宅配を委託している都合上、日経だけの都合では動けないってのはあるみたいです。ただ同様(多分劣後)の境遇にあるスポーツ新聞は、休刊日でも駅売りはちゃんとあるのです。日経もその程度は十分以上に可能だと思うんですがねぇ~。

2008年10月13日(月) .... 祝日(体育の日)のため休場

祝日(体育の日)のため休場。

 TOPIX : 840.86 (-64.25, -7.10%)    日経平均 : 8276.43 (-881.06, -9.62%)    円ドル : 98.65  

● 世界的な協調利下げも全く効かず、空売り解禁の米株式市場では、GM(GM)がボロボロに売られ、NYダウは678.91ドル安(-7.33%)、S&P500は-75.02pt(-7.62%)の暴落。CME日経平均先物も引けに掛けて奈落の底状態で大証比585円安。ところが、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、一転して大幅な買い越し(1900万株売り/3290万株買い)。「えっ?買い越し?」って感じでシグナルは妙に交錯。そして日本はミニSQ。

● Excel上の日経平均速算値は、8時40分で前日比1200円ほど。実は、最後までこの値は大きく変化せず、9時直前にバスケット買いが入った様子ながら、SQとは関係ない膨大な売り圧力のおかげで、状況が良く見えない状態(^^;。あまりに特別売り気配銘柄が多くて、9時30分時点でも日経平均採用225銘柄のうち、175銘柄が寄付かず。日経平均が前日比で1000円安超になった時点(9時41分)でも、まだ103銘柄が寄付いていない悲惨な状況。ただ、先物などは9時半頃には戻りに入り始めており、その効果が出てきたのに加えて、多少は買いが入ったようで、10時03分にユニー(8270)が寄付き、最後まで残っていた豊田通商(8015)はこの時点でストップ安売り気配だったので、事実上、SQ値は確定。その豊田通商も10時06分に寄付き、SQ値は前日比1164.89円安の7992.60円と、悲惨な結果になりました。

● 市場筋推計によると、SQ関連売買は約1億5000万株~2億5000万株/約1500億円~2500億円程度とのこと。また、10月限のオプションは権利行使価格が9000円までだったので(SQ週には追加設定がない)、プットが全部イン・ザ・マネーになるという、前代未聞のSQでした。昔にはオプションの権利行使価格が1万円超に渡って存在し、銘柄コードに補助コードが適用されたという異常事態もありましたけど…(そんなこと覚えてる向きも少ないだろうけど(^^;)。

● 大部分の銘柄が寄付いた10時過ぎには、そこまで戻り歩調だった先物の上値が重たくなってしまう状況。ただ、そこから大きく売り込む感じではなく、後場中盤までは安値圏での右往左往。ただ、大きく下げた後だけに、ソコソコの値動きがありました。後場中盤以降は、商社株の一角やコマツ(6301)など、これまでの相場下落の象徴のような銘柄が意外にもプラスに転じて、雰囲気がかなり好転。前日比での大幅安は変わらなかったものの、最後の1時間の雰囲気は、多少明るい方向に変わった印象でした。もっとも、先物は現物引け後の10分間でかなり売られており、拭いきれない不安感が否定できなかった感じです。

● 日経平均と日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

日経平均 日中足
日経平均先物(12月限) 日中足

● 「コツン」が聞こえたかと言われると、まだ何とも言えません。テクニカル指標を含めて、あちこちで異常値が頻発しているのは事実です。今朝の売られ方は、相当にパニック的になっていたのも事実。ただ、水準的なものはともかく、タイミングを数日間違えれば、簡単に1~2割やられる地合いです(^^;。こういう状況下では、一度、距離を置くことを決めた投資家が戻ってくるには、時間を掛けるしかないことが多いのです。もちろん、全く予想していなかったような状況変化によって、相場環境が一夜にして一変する可能性はあるのですが、そんな奇跡のようなことを前提にして投資するワケには行きません。どの程度の時間が必要かは、状況次第。場合によっては2週間ほどかもしれないし、悪ければ2年間必要かもしれません。それも含めて、相場に出入りするタイミングが重要だと考えています。それがなかなか見えてこないんですよねぇ~(^^;。

● 今日も記録的な1日だったことは確かなので、前回のようにSQ値などを抜き出しておきます。今日は寄付くのに時間が掛かったので、画面上で見る指数の始値は、あまり意味が乏しいのでSQ値を使っています。同様の理由で、ザラ場高値は後場高値を使っています。また、SQ値は取引所発表のものを使っています。実は今日のSQ値は、TOPIXでも日経平均でも「幻のSQ値」。つまり、寄付きで相当量の「投げ売り」が出たことを示唆しています。また、今後、SQ値が下値支持になる可能性もあるので、注目しておきます。それにしても、こうやって眺めてみると、今日の値幅は凄いですね(^^;。

TOPIX日経平均
指数値前日比前比率時刻 指数値前日比前比率時刻
SQ値821.74-83.37-9.21%15:00 7992.60-1164.89-12.72%10:06
後場高値857.06-48.05-5.31%14:25 8476.74-680.75-7.43%14:25
日中安値823.46-81.65-9.02%9:35 8115.41-1042.0-11.38%9:41
終値840.86-64.25-7.10%15:00 8276.43-881.06-9.62%15:00
(SQ値は取引所発表値)

● その他の記録。東証1部出来高は前日比3億5543万株増の32億7441万株、売買代金は同1605億円増の2兆6353億円でした。ミニSQ関連売買が2億株/2000億円あったとしても、一応、出来高で30億株ほどは出来た格好。東証1部値上がりは175銘柄、値下がりは1499銘柄で、先日10月8日の値上がり44銘柄/値下がり1649銘柄よりはかなりマシでした。一方、指数ベースの日経平均の日中値幅は900.93(前場900.93円、後場290.68円)と、トンでもない数字でしたが、これはミスリーディング。"実質"の値幅は上記表をご参照ください。また、今日の毎分東証1部売買代金分布は、なかなか見れないような形だったので、こちらに画像を貼り付けておきます(別窓で開きます)。朝方から全然寄付かなかった様子が良く分かります。ただ、前後場の分布はSQと感じさせないイメージでした。また、大引け前に商いが盛り上がった状況もご覧頂ければと…。

● そうそう、月曜日(10月13日)の米国はコロンバスデー。FRBのスケジュールに従う為替などは休場ですが、株式は通常通りの取引です。ただ、薄商いになるのが通例です。NYSE休日スケジュールはこちらをご参照。

● 雑談。昨夕、不動産投資信託(REIT)のニューシティ・レジデンス投資法人が民事再生法の適用を申請。ところが、夜のニュースで見た記者会見では、新井潤代表が、ニコニコしながら頭を下げていたのに、ちょっとビックリ。確かに、あの「申し訳ありませんでした!」は非常に日本的なシーンだし、本当に申し訳なく思って頭を下げている場合もあるだろうけど、ある意味では"演出"であり"儀式"。この代表の場合、J-REITマーケットそのものを破壊しかねないような羽目に陥りながら、その"演技"すらも満足に出来ないとは…。今日の東証REIT指数は、前日比-11.99%と暴落状態でした。詳細は帝国データーバンクの 「大型倒産速報」 をどうぞ。

● 今日は長文&まとまりの無い文章でスミマセンでした。良い週末/連休を!

 TOPIX : 905.11 (+6.10, +0.68%)    日経平均 : 9157.49 (-45.83, -0.50%)    円ドル : 100.80  

● 寄付直後の1時間ほどは、かなり神経質な雰囲気。ただ、一度戻った後に伸び悩んでマイナスになっても、それほど大きな売りが出なかったことが、心理的に効いた感じでした。前場中盤以降は、戻りのトレンドが徐々に明らかになり、所々では裁定買いなども引っ掛けて上昇。もちろん、昨日の歴史的な下落と比較すると物足りなさは否定し出来ないものの、それでも6日ぶりのプラスには、ホッと一息状態。上がったからというよりも、多少なりとも考える時間を与えてくれた点で、朝方のプラスは有難かったというのが市場関係者の実感だったでしょうか(^^;。

● 後場も前半は上昇基調だったものの、午後2時前には息切れ状態。TOPIXはその時点では、そこそこのプラスだったものの、日経平均はスコーンと下落して、あっという間のマイナス転落。そのスピードの速かったこと(^^;。如何に板が薄くなっているかを思い知らされた格好でした。特に悪材料は無かったのですが、下がりだすと、また余計なことを考えてしまいます(^^;。もっとも、この2時過ぎのスコーンの後は、大きくマイナスに突っ込むことはなく、昨日終値近辺で行ったり来たり。TOPIXはずっとプラス圏推移だったものの、上値が限定的だったのは否定できない格好でした。残念ながら、「コツン」が聞こえた確信は持てないのが正直なところです。

● TOPIXはザラ場で+34.08pt(+3.79%、12時55分)まであり、日経平均は+240.13円(+2.61%、12時56分)までありました。これを書くと、如何に上値が重たかったかが良く分かるので、本当は書きたくなかったんですが…(^^;。明日はミニSQで、G7があって、連休前の週末です。シートベルト&防弾チョッキは手放さないように…(^^;。今日は、日経平均とTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。グラフの形は似たようなものですが、前日終値に対するレベル感の違いをご覧頂ければと…。

日経平均 日中足
TOPIX 日中足

● 個別銘柄のどうのこうのは、各種"市場解説"を参照頂くとして(とサボる…(^^;)、ちょっと違う視点。今日の相場では、TOPIXサブインデックスで見てかなりの歪みが出ていたのが特徴的でした。各TOPIXサブインデックス、及び他の指数のパフォーマンスを抜き出すと以下の通り。

指数前日比率指数前日比率
TOPIX+0.68%日経平均-0.50%
TPX Core 30+1.41%東証2部+0.62%
TPX Large 70+0.53%JASDAQ-1.38%
TPX Mid 400-0.29%マザーズ+6.05%
TPX Small+1.14%ヘラクレス+1.48%
出所:Bloomberg

● TOPIXサブインデックスの中で目立つのが、Core30が明らかな牽引役だったことと、Mid400が苦労したこと。あえて想像力を逞しくすると、各業種のトップ企業にはそれなりにリバウンド狙いの買いが入ったものの、二番手以下まで手が廻らなかったというか、エネルギーが足らなかった印象。引け間際に伸び悩んだのを見ても、マーケットが自信満々なハズもなく、戻り局面があるとしても、足元がフラフラしている状況が続く可能性が高いだろうし、落とし穴に落ちるリスクも高いと予想しているのが良く分かります。そうなると、どうしても「安心感」や「信頼感」から、トップ銘柄を中心に物色が向かうのは止むを得ない格好です。ただ、これだけだと「持たない」とは思います。もう少し物色の広がりが見えてこないと、相場全体に漂う不安を払拭するまでは行かないと考えています。

● 記録。東証1部出来高は前日比6113万株増の29億1898万株、売買代金は同532億円増の2兆4749億円。指数から見た相場は、結果的には昨日終値近辺だったけど、昨日と同水準の商いがあったということは、今日はそれなりにリバウンド狙いの買いがあったことを感じさせます。東証1部値上がりは980銘柄、値下がりは656銘柄で、TOPIXの方が実感にマッチしていた印象。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比45.61円安の9157.71円(9時35分確定)。また、「昼休みギャップ」も+71.08円とかなり大きい目でした。日経平均の日中値幅は342.52(前場203.18円、後場342.52円)と、後場の方が値動きがありました。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(2710万株売り/2680万株買い)でした。

● 最後になっちゃいましたが、今朝発表された8月機械受注は前月比-14.5%と急減。6月が-2.6%、7月が-3.9%だったので、これで3ヶ月連続の減少。事前予想はBloombergで前月比-2.8%、ロイターで同-3.5%だったので、大きなネガティブ・サプライズ。製造業が総崩れ状態に陥ったことで、実体経済への影響がいよいよ数字になってきたか、との印象でした。もともと機械受注はボラタイルな指標だけど、今後、こういった経済指標が相次ぐと覚悟しておいた方が良さそうです。利下げ余地の乏しい日本に何ができるか?バラマキ型の補正予算は勘弁して欲しいところですけど…。

● 雑談。ショック&失意で元気ありません…(T_T)。今晩は試合がなく、今週末、金土日の3連戦を対横浜、対横浜、対中日(ホーム)で日程終了。はぁ~(T_T)。どないなったんや?ホンマ…。

 TOPIX : 899.01 (-78.60, -8.04%)    日経平均 : 9203.32 (-952.58, -9.38%)    円ドル : 100.35  

● 急落する相場にも、ある程度は見慣れてきた感があるものの、やっぱり非常事態。TOPIXは手元に記録が無かったので、東証に直接聞いてみたのですが、今日の下落率は開所以来第3位の下落率(指数は遡って計算されている)。日経平均も歴代第3位の下落率、下落幅では18位でした(日経平均プロフィル)。如何に今日の下落がひどく、歴史に残る非常事態だったかが分かります。ちなみに、歴代第1位はTOPIXも日経平均も、ブラックマンデー(1987年10月20日、TOPIX=-14.62%、日経平均=-14.90%)で、第2位はスターリンショック(1953年3月5日、TOPIX=-8.75%、日経平均=-10.00%)です。

● 昨日は一時的にしろ下げ止まりそうな雰囲気があったのに、オーバーナイトで米国株式がドカンと来てしまうと、また打つ手なし状態。午後はGLOBEXの米先物はプラスになったりしていたものの、相場はそれを完全無視(これを書いている時点では、GLOBEXもかなり安い)。急速な「リスク資産現金化」の流れが止まるどころか、加速していた感がありました。午後2時過ぎには、板薄のなかをスルスルと戻す局面があったものの、そこで円ドルが100円突破。これで、株式も見事な返り討ち状態になってしまい、その後は、スコーン、スコーンと買物薄のなかを一段安。主力銘柄が軒並み10%もの下落率を記録するなかで指数も暴落。ほぼ安値圏で取引を終了しています。現物が引けた後の10分間で先物は一段と売られ、最近見たことが無いほどの逆ザヤ。今晩の米国株が立ち直らなければ、現物が下落する格好で先物に追い付くのでしょう。

● 今日は、日経平均と日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。全体に戻り局面がほとんど無かった点と、先物が最後の10分間で売られてしまった様子をご覧頂ければと…。

日経平均 日中足
日経平均先物(12月限) 日中足

● TOPIXも日経平均も5日続落。この5日間で、TOPIXは-202.12pt(-18.36%)、日経平均は-2164.94円(-19.04%)というトンでもない下落を記録しています。まさに、超音速で落ちてくるナイフ状態で、これを怪我せずに素手で受け止めることの出来る人は限りなくゼロに近い状態。多くは遠巻きに見守るのが精一杯で、勇気のある向きでも、地面に落ちて跳ね返るところで掴みに行こうと考えているハズ。一方で、解約に直面しているファンドや、色々な事情で資金繰りが悪化している向きは、「とにかく現金化」の動きを加速させます。値段など関係なく、とにかく現金化することが最優先になっているなかでは、買い指値のあるところに売りをぶつけるしかなく、文字通りの投げ売りをせざるを得なくなっています。買い手不足は深刻で、現金化を急ぐ向きだけが目立つ悲惨な地合いでした。

● この水準まで下がってくると、さすがに公的資金や国内年金資金が買いを入れる可能性が出てきます。もちろん、相場観での買いではなく、あらかじめ定められた資産運用比率を保つためです。つまり、足元で債券が上昇して株式が下がっていることから、「債券比率が高くなり過ぎ/株式比率が低くなり過ぎ」といった状況が発生すれば、債券を売って株式を買う必要がある、ということ。もっとも、実際に現場で運用しているFM諸氏に"強気筋"なんて居ようハズもなく(^^;、もし資産配分比率をキープする目的で株式を買うにしても、淡々と執行されるのでしょう。既に実際に買いが入っている可能性も十分にあるものの、ここ数日は、あまりに売り圧力が強過ぎて、その姿が全然見えません(^^;。

● 売りの主体はヘッジファンドや海外からの投信など、外国人投資家が主だったところでしょうけど、国内からも売りが出てきているのも感じました。FM諸氏からすると、自分が持っている銘柄ばかりが売られているとの心境だと推察します。つまり「理屈が付く銘柄」ほど売られているのが現状。同じような考え方をして、同じように銘柄選択をして、同じように保有されている銘柄群がバカスカと売られているのです。今のマーケットでは、独立した考え方をする向き(主に個人投資家)が少なくなっていることを、改めて感じさせられている格好です。「リスク・リダクション」と「現金化」の流れがどこで止まるのか?相場が落ち着きを取り戻すのがいつになるのか?傷の深さがエグイだけに、落着いてもすぐに資金が戻ってくる状態にならない覚悟は必要です。その上で、タイミングです。この言葉、毎日書いている気がするんですが(^^;、なかなか見えてきません。

● 個別銘柄の値動きなどは、他のマーケットレポートを参照頂くとして(^^;、記録に行きましょう。東証1部出来高は前日比1億0728万株減の28億5785万株、売買代金は同1054億円減の2兆4217億円。これだけ指数が動いたのに、出来高も売買代金も前日比で増加しなかったというのは、買い指値にぶつける売りが圧倒的だったことを物語っています。つまり、売り買いが交錯したのではなく、単に「買いが売られた」状態で、しかも下値まで売り叩いてきたので指数の下落が厳しかった、と読み取れるのです。東証1部値上がりはたったの44銘柄、値下がりは1649銘柄に達し、間違いなく「全面安」。

● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比335.79円安の9820.11円(9時24分確定)。この時点でも「厳しいなぁ~」と考えていたものの、終わってみれば「寄付きで全部売れば良かった」状態でした(T_T)。ザラ場でもフォロースルーの売りが、かなり多かったことも物語っています。日経平均の日中値幅は851.83円(前場324.78円、後場561.40円)と非常に大きく、前後場の値幅を足せばほとんど日中値幅になるというのは、日中ほとんど戻りらしい戻りがなくて下げ続けたこと。前後場の売買代金分布を見ると、前場が38.59%に対して後場が61.41%と、この点からも、後場の下げが予想以上だったことをうかがわせる数字です。なお、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(3110万株売り/2710万株買い)でした。

● 余談ですが、今日の下落でトヨタ自動車(7203)がTOPIXウェイト第1位を三菱UFJFG(8306)に明け渡しました。手元の計算ですが、三菱UFJ FGのTOPIXウェイトは3.85%、トヨタが3.65%。これがいつ以来というのは調べてないので不明ですが、今回の下落を象徴しているような気がします。なお、TOPIXウェイト上位5銘柄は順番に、三菱UFJ FG、トヨタ自動車、三井住友FG(8316)、みずほFG(8411)、NTT(9432)です。

● 最後にもう一つ。昨夕発表されたFFW見直しやTOPIXニューインデックス変更についても書きたかったのですが、この嵐の中では…(^^;。東証HP内の 「浮動株比率」 、及び、 「TOPIX Core30等株価指数の構成銘柄の定期選定について」 をご参照ください。

 TOPIX : 977.61 (-21.44, -2.15%)    日経平均 : 10155.90 (-317.19, -3.03%)    円ドル : 102.95  

● 世界的な株式急落は世界を一周。おまけに急激な円高となると、もう打つ手なし状態の寄付。昨日、一足先に「やっちゃった」東京だったものの、寄付きから「寄付かない銘柄ばかり」の状態で指数はスルスルと下落。9時16分にはザラ場としては2003年12月11日以来の1万円割れ。東京市場で売買の6割を占める外国人投資家が一斉に市場から逃げ出さざるを得ない状況に陥り、買い手不足が深刻化。ここまで外国人におんぶにだっこで、国内の投資家を育てる努力を怠ってきたツケが一気に噴出している感もありました。

● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比443.94円安(!)の10029.15円(9時45分確定)。シャープ(6753)が最後まで寄付かなかったものの、多くの銘柄は9時30分頃までに寄付きました。9時半前に安値を付けた後は、さすがに打診買いが入り始め指数は切り返し。「日経平均1万円割れ」というイベントも達成したし、円ドルも東京時間前場中頃からはジワジワと円安方向に動き、GLOBEXの米先物も午後は堅調。オーストラリアの利下げもアジア株式市場全体に好影響を与えた模様。安値からはかなり切り返した点は評価出来るものの、ザラ場高値から大引けに掛けてはかなり押すなど、傷口はそれなりに深かったです。

● 日経平均の日中足も付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● また、後日のために、今日の指数の動き(高安)を整理して抜き出しておきます。今日は売り気配が多くて指数の「寄付」にあまり意味がないので、SQ値を使っています。また、TOPIXのSQ値は前場引け段階での概算値です。前引けの段階で寄付いていない銘柄については、TOPIX計算と同じ方法で定められた順位の株価を使って計算しています。為念。

TOPIX日経平均
指数値前日比前比率時刻 指数値前日比前比率時刻
SQ値952.89-46.16-4.62%11:00 10029.15-443.94-4.24%9:45
高値991.89-7.16-0.72%13:15 10363.14-109.95-1.05%13:05
安値944.37-54.68-5.47%9:26 9916.21-556.88-5.32%9:23
終値977.61-21.44-2.15%15:00 10155.90-317.19-3.03%15:00
(SQ値は概算、計算は「虎年の獅子座」)

● 業種別に見ると、紙・パは朝方から堅調だったし、午後からは不動産、銀行など、そして下落の象徴的銘柄だったコマツ(6301)やJFE(5411)がプラスに転じたのも印象的。まぁ、これだけ短期間に主力銘柄が急落する局面と、さすがにリバーサル狙いの買いが入ってきます。普段は1%も動くことが無い主力銘柄が、あっという間に5%とか10%とか急落したのですから、「今日の下落の半分戻ったとしても、5%も取れるんやで」派が打診買いを入れたのは良く理解できます。ただ、今回の下落の背景には、東京市場で売買の6割を占める外国人投資家が、一斉に「リスク資産圧縮、現金化」に走らざるを得なかったことが大きな要因になっています。そりゃあ、世界景気がどうのこうのも大きな要因でしょうけど、足元で需給的な要因が大きく働いているのは違いないところ。だからPERやPBRなどが効かないし、ファクターも効かないし、ファンダメンタルズが効かない相場が続いているのです。となると、「この需給要因が収まれば…」と考えるのは当然。今日、それが最終局面かって?正直、何とも言えません。

● この世界でキャピタルゲインで儲けるには、自分が買った後に誰かが買ってくれないと無理なんです。日本株市場で売買の6割を占めていた外国人は、たとえ生き残っていたとしても、しばらくリハビリが必要。個人投資家に望みを掛けるにしても、今後、景気悪化の数字がドンドン出てくるのが見えるだけに、積極的なブームを想定するのは無理。つまり、「次の買い手」がなかなか見えてこないなかでは、熱が冷めると「もう少し先で、えぇか…」といった様子見ムードが広がるのも無理はないのです。

● ここまで主力株がボロボロに売られた後は、私個人の考え方としては、銘柄選択よりもタイミングが重要。アナリスト諸氏やファンダメンタル派のFM諸氏が聞いたら目を剥くかもしれませんが(^^;、タイミングが当たってさえいれば銘柄が多少外れてもそれなりに儲かります。でも、銘柄がドンピシャで当たっていても、タイミングが間違っていたら、結果的には儲かりません。で、そのタイミングが一番難しいのです。誰かタイミングが見通せる方、教えてください! (^^; (^^;

● 記録。東証1部出来高は前日比3億9818万株増の29億6513万株、売買代金は同1507億円増の2兆5271億円と、最近の水準としては、まぁ活況。ただし、出来高から見たほど売買代金は伸びなかった印象です。一方、日経平均先物は掛け値なしに「活況」で、日経平均先物当限の出来高が25万枚を超えた(イブニングを除いて259,758枚)のは、本当に久しぶりでした。東証1部値上がりは315銘柄、値下がりは1356銘柄。日経平均の日中値幅は446.93円(前場412.33円、後場207.24円)と、2日連続でかなり大きく動きました。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な売り越し(4480万株売り/2650万株買い)でした。

● 最後に雑談。こういう状況になったとき、特に政治家の先生方は「大丈夫」とか「万全の…」といった発言が多くなります。気持ちは分からないでもないのですが、それを真に受ける向きがどれだけいるのやら…。信頼感の裏打ちがゼロに近い政治家が、下手に「大丈夫です」を繰り返すなら「ホンマはヤバイんや…」と考える方が普通でしょ(^^;。金融機関にとっても、一般の企業にとっても、それは同じで、最初の1回ぐらいはともかく、「大丈夫だ」とうるさいぐらい繰り返されれば、繰り返されるほど疑心暗鬼になって不要なストレスを引き起こすのです。先生方、分かってます?

 TOPIX : 999.05 (-48.92, -4.67%)    日経平均 : 10473.09 (-465.05, -4.25%)    円ドル : 103.35  

● ある程度軟調な相場は予想していたにしても、「こんなに下がる材料あったっけ?」→「知らんところで、とても悪いことが進んでいるに違いない」→「買いなんてとんでもない」→「売れるモノは売っておこう」→「とにかくポジションを減らそう」…という心理状態に陥る下落。売られ方を見ていても、"戻りを売る"なんて悠長な雰囲気はなく、「とにかく現金化が最優先」との空気。つまり、換金売りがかなり出ていた様子。後場寄付後に先物主導で戻る一瞬はあったものの、その後、急速な円高進行(対ドルでも対ユーロでも)もあって一段安。TOPIXは2003年12月18日以来、約4年10ヶ月ぶりの1000ポイント割れに落ち込んでしまいました。三桁でっせ!ホンマ…。前週末の米TARP(金融安定化法案)の可決も、材料になりませんでした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● これだけ全面安・大幅安になってしまうと、もうあまり書くことがないというか、書く気力が沸いて来ません…(T_T)。きれいに聞こえるのは、「世界的な景気減速(失速)懸念を嫌気して…」とか、「世界的な信用収縮が引き起こす景気減速懸念」ってところでしょうが、それも空しくなってしまいます。どこかの"相場解説"はどうせ、「先物に仕掛け的な売りが…」とか書くでしょうけど、相場の近くで見ていると、先物が悪いとかって次元の話ではなく、現物市場に押し寄せる大規模なの実弾売り(撤退売り、現金化売り)と、逆に情けない程の買い手不足が全てって感じでした。そんな環境下では、少しでも戻る局面があったらすかさずヘッジ売りが出てしまうし、そのヘッジ売りを止めろとは誰も言えません…。

● ヘッジファンドだけでなく、ありとあらゆる投資家による「リスク資産現金化」の流れば、まだ収まりそうにないのが正直なところ。この1~2週間ほどは、WSJ紙でもヘッジファンドの解約が相場押し下げ圧力になっていると指摘する記事が急速に増加している印象があるし、実際に業界内でも、解約の話だけでなく、ヘッジファンド閉鎖の話、はたまた解約に備えてポジションを現金化する動き、FoHFsへの資金繰りプレッシャーなど、もう珍しくなくなってしまいました。解約停止のファンドが増加していることで、余計に「まとも」なファンドに解約プレッシャーが掛かる悪循環。色々なヘッジファンド指数の9月速報値を見ると、8月に次いでかなり悲惨なものが出始めています。速報値なので、今後、修正される可能性は大きいとしても、良い方に修正されるよりも悪い方に修正されるのではないか、と考えるのは避けられません。

● 最初はロング・ショート系のアンワインドが多かったので、指数ベースではプラス/マイナス打ち消しあっていたのでしょうけど、先月末から10月に入ったところでは、明らかにロング・オンリー系の売りが増加しているようで、これが指数を強く押し下げる要因になっています。ちょうど国内年金資金も、月次のデータが届いて今週が月次リバランスの時期。こんな相場が続いている状況では、常識的に考えて、リスクを落とす以外の選択肢はかなり困難。そして、皆がリスクを落としに掛かっているなかで、一人だけリスクを増加させるのはもっと困難です。結果的に、リスクテイクする資金が極端に細り、買い手が非常に乏しくて市場全体の流動性が落ち、実際に出ている金額以上に価格下落が厳しい状態になっています。通常なら「戻り局面を待って売る」となるんでしょうが、換金売りは現金化が最優先。つまり、ビッドにぶつけて売るしかないのです。いずれどこかで冷静さを取り戻す局面は来るのでしょうが、現時点ではそのタイミングはなかなか見えてきません。

● 記録。東証1部出来高は前週末比2億2129万株増の25億6695万株、売買代金は同460億円増の2兆3764億円でした。出来高面では結構増加していたものの、売買代金はほぼ同水準。相場の値動きが大きかった割には商いが膨らまず、下値を売ってきた様子が分かります。東証1部値上がりはたったの95銘柄、値下がりは1594銘柄に達し、「全面安」の展開。今日は新興市場もかなり悲壮感があり、なかでも東証マザーズは-9.86%、大証ヘラクレスは-8.97%と大幅な下落。東証1部大型株が大きく売られる日は、往々にして、中小型株はビッドがないので売ろうにも売れず、まともな株価が付かないことで、結果的に下げてないように見えることが多いのですが、今日の換金売りはそんなこと関係なしに下値を叩き売ったってことかもしれません。ファンド筋だけではない売りがあったのでしょう。

● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前週末比159.41円安の10778.73円(9時26分確定)と、それほど安くは無かったのです。つまり、ザラ場のフォロースルーの売りが多かったったことになります。なお、TOPIXはザラ場で992.15pt(-55.81pt、-5.33%、13時56分)まで突っ込み、日経平均は10374.38円(-563.76円、-5.15%、13時57分)まで突っ込んでいます。日経平均の日中値幅は465.12円(前場301.17円、後場271.50円)とかなり大きく動いています(ズルズルと下落した)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅ながら引き続き売り越し(3530万株売り/3320万株買い)でした。

● 大引後に開示された先物の手口も少し。日経平均先物で売り手は、UBSが3591枚売り越し、バークレイズが1840枚売り越し、三菱UFJが1162枚売り越し、みずほが買い手口不明の5073枚売りなど。買いはニューエッジが4103枚買い越し、野村が1703枚買い越し、GSが1513枚買い越し、JPMが1487枚買い越し、MLが売り手口不明の4285枚買いなど。TOPIX先物では、売りはMSが1326枚売り越し、買いはCSが2350枚買い越し、GSが2100枚買い越しなどでした。これだけで何が分かるかといえば、多分、あまり何も分かりませんけど、最近はCTA系は先物「だけ」見ると買い越しが多い様子です(^^;。

● GLOBEXは結構安く推移している(-2.5%程度)し、これを書いている時点の欧州株も、軒並み5%超の下落。今晩の米国市場が自ら立て直さないと連鎖を止めるのが難しくなりそうです…(-_-;)。

 TOPIX : 1047.97 (-29.00, -2.69%)    日経平均 : 10938.14 (-216.62, -1.94%)    円ドル : 105.30  

● 米国株安などを受けて、寄付き段階からマイナス。もっとも、昨日の段階で東京でかなりの「下げ」をやっちゃってたこともあって、指数ベースでは軟調だったものの、底なし沼というほどの下落にはならず。GLOBEXの米先物が全体に堅調だったことも、多少は安心感に繋がった様子。ただ、これは指数ベースでの話。個別銘柄ベースでは、深刻な買い手不足のなかを、主力銘柄が「これでもかぁ!」とバカスカと売られ、相場の地合いはかなり悲惨。日経平均はファーリテ(9983)の一銘柄だけで、60.0円も押し上げていたので、対TOPIXではかなりアウトパフォーム(^^;。でも、これを除けば今日は日経平均にして270円を超える下落だったわけで、そちらの方が実感に近い印象でした。

● 今日は、TOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。日中足のチャートそのものには、日経平均とそれほど大差はなかったのですけどネ(^^;。

● 今日の地合いを象徴していたのは寄付き。日経平均がたかだか100円とか安いだけの寄付きで、トヨタ(7203)が売り気配でしばらく寄らない(寄付いたのは9時15分)なんてのが、如何にも象徴的でした。つまり、この段階で「誰もが持っている銘柄」に大きな売りが出ていることを感じさせられたのです。外国人投資家からすると、トヨタは「日本国製造業」の代表選手の象徴みたいな銘柄。実際に、そういう意味合いで保有している投資家も少なくないのです。その銘柄が値段関係無しに暴力的に売られてしまうと、相場全体の心理状態は落ち込まざるを得ません。

● 他にも、下げ止まらないコマツ(6301)、キヤノン(7751)、ホンダ(7267)、ソニー(6758)などが軒並みメタメタ。任天堂(7974)も「泣くなよ」と慰められないほど。少し前までは堅調だったブリヂストン(5108)も耐えられずに急落と、外需型代表格の銘柄があちこちでバカスカ売られる1日でした。しかも、値段関係なしに思えるような売り方。英語で言う「リクイデーション」、日本語で言う「撤退売り」とか「投げ売り」との印象が避けられませんでした。つまり、解約か何かの危急の事情により、値段を意識して時間を掛けて売るのではなく、早急に現金化する必要があった、という感じでした。

● 一方で、小売りは内需型代表格として堅調で、メガバンク株もマイナスが多かったものの、相場全体と比較するとしっかり。米国でも主力どころの銀行株は足元では堅調ですが、そろそろ「これ以上の悪いニュースはない」というムードがあるのかもしれません。製造業はこれから景気がドカンと悪化して「これから悪いニュースが相次ぐ」という状況なので、心理的な不利は否定できません。もっとも、株式市場は、来年3月頃に景気が悲壮感漂う状況になるだろうと見込んで売っているワケで、その点では「そろそろ」なんでしょう。でも、「亀」状態から脱出するには、ドタ勘だけでは無理なのも事実。特に他人資産を運用している場合には…。

● 記録。東証1部出来高は前日比2億0923万株増の23億4566万株、売買代金は同1268億円増の2兆3304億円。東証1部値上がりは304銘柄、値下がりは1347銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比74.49円安の11080.27円(9時30分確定)とそれほど安くは無かったものの、結果的に、TOPIXは安値圏での引け、日経平均はモロ安値引けでした。日経平均の日中値幅は161.59円(前場136.80円、後場106.04円)と比較的小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な売り越し(4150万株売り/2720万株買い)でした。

● 一歩下がって今回の「金融危機」に対する投資家や金融機関の対応策を見ると、一言では実像は捉え難いものの、結局は「キャッシュを確保」ってことに行き着きます。市場で買い手が乏しくなっているところに、リスク資産をキャッシュ化しようとするならば、ビッドがあるところにぶつけて売るしかなくなるし、それが余計にリスク資産の価格を押し下げ、余計にキャッシュ化の動きが強まる負のスパイラル状態。今日の株式市場も、ちょっとそんな感じがありました。昨日も書いたように、業績から見た割安感がどうのこうのや、PBRやPERといったファンダメンタルズではなくなっています。もちろん、いずれどこかで、正気を取り戻す局面がやってくるでしょうけど、そのタイミングが分からないのが難点。

● 各国の中央銀行がこれだけ大量の資金供給をしているのに、短期市場の流動性枯渇が止まらないとなると、「資金繰り破綻」も頭から離れなくなってしまいます。そうなると、株価は破綻リスクを極端な格好で織り込みに掛かるワケで、余計にネガティブな圧力が掛かります。この辺は日本のバブル崩壊以降、1997年あたりに起こっていたことと同じ。あの頃の立会外取引などでは、「まとまって売れるのなら、時価より○×%下でもOK」なんてのが頻発したし、それなりにマシな銘柄と"放射性廃棄物"みたいな銘柄を混ぜて、バスケットで叩き売るのも日常茶飯事でした。今回はそれがグローバルな規模で発生しているということです。

● 中央銀行などの人々は、この状況を当然、よく頭で理解しているでしょうし、対処しようとしているハズ。市場関係者の多くも、頭では良く分かっているハズ。でも、集団行動や集団心理となると、理論を超越するような手段でもないと、なかなか押さえ込むのは困難です。まだ世間一般の経済感覚が悲惨な状態にまで悪化していないだけ、公的資金を注入しようとしても、世間・世論からの理解は得られずに時間が空費されてしまい、より傷口が化膿して悪化してしまう。この辺の状況も、あの頃の日本と同じです。結局、米国は日本の失敗から学んだように見えて、あまり学んでいなかったということなんでしょうか?個人としては、少なくともスピードだけでも米国は学んでいるように考えたいところですが…。

● 何はともあれ週末。悪いことはさっぱり忘れて(忘れられるワケないけど…)、秋の季節を楽しみたいところです。良い週末を。

 TOPIX : 1076.97 (-24.16, -2.19%)    日経平均 : 11154.76 (-213.50, -1.88%)    円ドル : 105.85  

● 寄付きこそはCME日経平均先物が堅調だったことなどを受けてプラスで始まったものの、それは1時間も持たず、その後はマイナス転落してズルズルと下落幅を拡大する展開。時折、米国絡みのニュース("SEC空売り規制延長"とか"米上院で金融安定化法修正案可決"など)で戻る局面はあったものの、上値が重たいというか、買い手がおらんというか…。これほどネガティブな心理状態に陥ってしまうと、「いくら修正法案が可決しても、雇用統計でずっこけたら…」とか、「世界的な景気悪化懸念」など、出てくる話は下向きスパイラル状態の発想ばかり。後場最後の30分ほどは、ヘッジ売りか何かは知りませんが、先物が売られて断続的な裁定解消売りを引っ掛けて一段安。なまじ朝に高かっただけに、引け味は最悪。閉塞感が強まるなかで、買い手不足は深刻化しているのがモロに出てしまった相場でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● かなり悲惨な空気の相場のなかでも、東証33業種別指数で見ると、値上がり業種は7業種あったのです。なかでも、情報通信、電力ガス、医薬品などは、それなりにプラス。一方で、鉄鋼、商社、機械(特にコマツや日立建機)、非鉄などはボロボロ。この辺は、業種別指数で5%超も下落したのです。日立建機(6305)は日経平均採用があってここまで堅調だった反動としても、コマツ(6301)なんてまた1割超も急落し、悲鳴すらも聞こえなくなってきた印象。自動車もそうだし、ソニーが6%近く売られるのも「何で?」って感じ。一方で、こんな相場でも高値を付ける銘柄もあり、東洋水産(2875)なんて上場来高値でっせ。他にも日清食品HD(2897)、山崎製パン(2212)、ABCマート(2670)が瞬間風速にしても年初来高値を付けていました。

● この辺の上がった銘柄群と下がった銘柄群を見るだけで、思い浮かぶ言葉は一つ、「ディフェンシブ」。ちょうど月初のリバランス時期に差し掛かるのですが、この相場環境下でフルインベストメントのFM諸氏は、「とにかくβを落として、ポートのリスクを下げて」が合言葉状態…(T_T;)。株式を保有しながら、如何に「株なんて保有していないようなファンド」を構築するか、って感じになりつつあります(^^;。業績から見た割安感がどうのこうのというファンダメンタルズではないんですよネ、実際のところ。

● 流動性が落ちる中で、値段関係なしのアンワインドやら何やらが飛び交っている状況では、投資アイディアを掲げても空しくなってしまいます。ファクター分析しても、何も効いていないように見えるのも、逃げ出す資金だらけ、との状況を象徴しているように感じます。「陰の極かも知れない」と思いつつも、実際には、手も足も出ない「亀」状態に成らざるを得ません(^^;。Gartman氏の相場格言にも、「Market can remain illogical far longer than you or I can remain solvent」ってのがあるし、タイミングがなかなか見えてきません。タイミングさえ分かれば…です。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億9973万株増の21億3643万株、売買代金は同2037億円増の2兆2036億円。東証1部値上がりは283銘柄で、値下がりが1368銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比64.73円高の11432.99円(9時14分確定)。寄付き段階ではプラスだったのです(^^;。TOPIXのザラ場高値は9時23分(+6.55pt、+0.59%)で、日経平均の高値は9時29分(+84.13円、+0.74%)でした。ちなみにザラ場安値はTOPIXが14時45分(-27.36pt、-2.48%)、日経平均も14時45分(-224.47円、-1.97%)。つまり、ほぼ寄り天で安値圏の引けと、「持ち上げといて、叩き落す」という"痛い"パターン。日経平均の日中値幅は308.60円(前場215.13円、後場132.77円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び小幅ながら売り越し(3530万株売り/3160万株買い)でした。

● 考えると気持ちが重たくなるんですが、この惨状が実態経済に反映されて、世間一般が酷さに気付くのは半年後になるんでしょうね。つまり、来年の2月とか3月には、相当に酷い数字が並んでいることを覚悟する必要がありそうです。日本以外の世界は、それを痛切に感じているのですが、なぜか日本はガラパゴス状態というか…(^^;。取り付け騒ぎが発生していないのは、先進国では日本とフランスぐらいです、ホンマ…。もっとも、実際に数字が悪化してくる頃には、相場はもっと先を読みに掛かるでしょうから、「景気がこんなに悪いのに、何で株が上がるねん?」って状態になっているかもしれません。にわか識者(本当の識者はもっと賢い)はそこで、「おかしい」と言うでしょうが、その辺が本当のチャンスかもしれません。何はともあれ、今は生き残ること最優先って感じです。一歩、オフィスから外に出て眺める世間一般は、まだまだ余裕があるように見えますが…。

● ホンマ疲れる相場が続きます。明日はようやく週末。ただし、明日夜には米雇用統計があったりします…(^^;。

 TOPIX : 1101.13 (+13.72, +1.26%)    日経平均 : 11368.26 (+108.40, +0.96%)    円ドル : 105.90  

● 米国株に振り回されるのは仕方ないにしろ、避け難い上値の重たさが気になった1日。焦点の米金融安定化法案については、上院で修正案を10月1日(つまり今晩)採決することになった様子ながら、一度裏切られたマーケットは可決を盲信するワケにいかない状態。さらに、下院でどうなるかは、「あ~でもない、こ~でもない」と数々の妥協を経てからの話なので、議会再開の10月2日に採決できるかは不透明。「騙されても、もう一度信じてやる」ってのは格好良いんですけどねぇ~(^^;。今日の東京でも、昨日の大幅安の後ということもあって、それほど急激に売り込む動きはなかったものの、米国株高だけを支えに上に行くには限界があった感じでした。様々な先行き不透明感から手詰まり感が強く、雰囲気は前日比でプラスって感じではありませんでした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● さらに、多くが予想していたとは言え、寄付前に発表された日銀短観は全てのカテゴリーで悪化。弊社エコノミストは、前回6月調査では「エネルギー・原材料価格高によるマイナスの価格ショック」が原因の低迷だったが、今回は「輸出減速による総需要ショックの悪影響」と。さらに、「米国の一連の金融機関の破綻を背景とした金融ショックの悪影響はまだ現れていない」と…。まぁ、年内は相場も経済もアカンと多くが覚悟しているでしょうが、株式市場がどれだけ先行して回復に向かえるのか…。もうちょっと自信が持てるような雰囲気になれば、それも可能なんでしょうけど、今の状態だと「揺れ」が収まったとは到底言えない状況です。

● 東証33業種では、20業種値上がりに対して13業種値下がり。実際、金融株が上昇して引っ張ったのは何となく分かるにしても、その次に上昇率が大きかったのが、医薬品、電気・ガスといった具合。今日から10月という点を考えると、気の早いリバランスは早くも「リスク・リダクション」に走っているのだろうか、なんて疑心暗鬼になってしまいます。下落の方は、海運がダントツ。ドライバルクが下げ止まるまでは、なかなか負の連鎖が止まらないようです。昨日はあの下げ相場で比較的、値を保っていたので、変化の兆しかとも思ったのですが…。一方、新興市場は今日も多くがマイナス。JASDAQ指数は-2.02%、マザーズ指数が-2.40%、ヘラクレス指数が-1.31%と、戻りに付いていく雰囲気は感じられませんでした。強かったと言えば、セブン銀行(8410)だけですかね…。

● 記録。東証1部出来高は前日比3億3197万株も減少して19億3670万株、売買代金は同3161億円減の1兆9998億円で、ホンのわずかながら「20億株/2兆円」割れ。東証1部値上がりは954銘柄で、値下がりが661銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比185.91円高の11445.77円(9時13分確定)で、これは日経平均のザラ場高値(11456.64円、+196.78円、9時20分)近辺。つまり、今日はほとんど「寄り天」だったことになります。ちなみに、TOPIXも9時20分高値でした。日経平均の日中値幅は142.36円(前場106.71円、後場88.46円)と比較的小動きで、ここからも手控えムードが分かります。また、「昼休みギャップ」は49.98円のマイナスでした。市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、誤差の範囲内(^^;ながら、6日ぶりの買い越し(2240万株売り/2340万株買い)でした。

● 今日は面白味がほとんど感じられない相場だったので、短いですけどこの辺で…。