fc2ブログ
このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!
 TOPIX : 1167.97 (-0.72, -0.06%)    日経平均 : 12115.03 (+24.44, +0.20%)    円ドル : 106.05  

● 今日のマーケットも、評価がかなり難しいように感じました。ザラ場で結構安いところがあった後に、最後は高値引け(日経平均はプラス引け)。これは評価に値すると思います。ただ、個別銘柄の値動きを見ると、かなりまだら模様が強かったし、全体の方向感を感じるところまでは行かなかった印象。総合すると、結局はオーバーナイトの米国株市場を見て、そしてまた反応するしかない、って感じでしょうか。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 「評価が難しい」と書いたのには、今一つ、何かの考え方があって動いたマーケットという印象が薄かったこと。今日は配当権利付きの最終売買日。多少は医薬品や電力株などの一角には配当狙いの買いが入っていた様子ながら、それ以上に配当利回りが高いJFEやトヨタなどが売られていたりと、あまり統一感が無かった印象。この辺も、化けの皮が剥がれるのかどうか、明日の値動きで分かると思います。また、セクター内でも値動きがバラけていた印象。例えば鉄鋼では、新日鉄、JFEがかなりのマイナスだった一方で、住金、神戸鋼がかなりのプラス。「アンワインド?」なんて考えてしまうところですが、本当にそうなのかは分かりません(^^;。ただ、不思議な印象が残りました。

● 記録。東証1部出来高は前日比1061万株減の20億3837万株、売買代金は同1024億円増の2兆3543億円。東証1部値上がりは867銘柄、値下がりは750銘柄で、この点からはチョビプラスの日経平均の方がマッチした印象。今朝のSQ値を計算すると、前日比139.05円安の11951.54円(9時30分確定)。TOPIXは10時24分に前日比-24.89pt(-2.13%)まであり、日経平均は10時23分に同185.99円安(-1.54%)まで突っ込み、その後は右肩上がりの戻り。結局、TOPIXも日経平均もザラ場高値の大引け。今日の日経平均の日中値幅は210.43円(前場127.38円、後場137.04円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの売り越し(4860万株売り/3710万株買い)でした。余談ですが、この集計は9月18日(木)から「外資系12社」と1社減になっています。

● 最後に雑談。休暇中に色々な大事件が次々に発生。「何っちゅう時に休んどるねん!」状態だったのですが(^^;、相場から一歩後ろに下がって眺めてみると、画面に張り付いてみているのとは違った世界が見える気がしました。なかでも「投資銀行」が消滅してしまったというのは、非常に印象的。今後の展開次第では、今後の世界中のマーケットに影響がジワジワと出てくるだろうな、と考えてしまいました。とにかく、「投資銀行」というビジネスモデルが、こんな短時間で独立を維持できなくなってしまったというのは、何よりも凄い話です。

● もちろん、投資銀行ビジネスが消えてなくなるのではなく、今後は「商業銀行」のなかの一部門として投資銀行業務が継続することになるのでしょう。でも、これまでとは違った世界になるでしょうネ。その変化の度合いが大きいか小さいかは、そして成功か失敗かは、実際のところ、やってみないと分かりません。野獣的なところ多分にある投資銀行が家畜的になってしまうのならば、中長期的にマーケットの性格に影響を与えざるを得ないのは、少し考えれば分かります。しかし逆に、そうならないなら今度は商業銀行の性格が変わるってことになります。

● 日本語では「投資銀行」(Investment Banking)というよりも「証券会社」と言った方がイメージが沸くのですが(^^;、日本でも銀行系ではなく独立の大手証券は、いまや野村證券だけ。その野村證券がリーマン・ブラザーズの米国以外のビジネスを買うというのは、ある意味で、象徴的です。せっかく買収するのだから、ちゃんとした人材をキープできるシステムを野村が素早く出せるかどうかがカギです。三菱UFJに関しては、うまくモルガン・スタンレーという猛獣系の会社をコントロールできるかどうか見もの。でも、ホンの数年前には、日本の金融機関が外資系金融機関に「請われて」出資するなんて、考えられませんでした。本当に先行きは分からないものです(^^;。

スポンサーサイト