fc2ブログ
このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!
 TOPIX : 1192.38 (+0.79, +0.07%)    日経平均 : 12346.63 (-54.02, -0.44%)    円ドル : 107.35  

● オーバーナイトの米国株が大幅安(NYダウは-280.01ドル、-2.43%)とあって、寄付前から悲壮感が漂う展開。ただ、実際に寄り付いてみると、先物が意外に下げ渋り、裁定買いを引っ掛けて指数も下げ渋る展開。昨晩の米株式市場最大の話題になったリーマン・ブラザーズ(LEH)関連のニュースがマーケットを飛び交うなかで、銀行株を初めとする金融セクターや不動産、建設セクターが後場に強含みの展開に。これでTOPIXは午後2時半前にプラス転換。日経平均も瞬間にはプラスになったものの、大引けではマイナスのまま。日経に電子部品がどうのこうのと書かれて、京セラ、TDKなどの日経平均採用の値嵩株がマイナスだったのが響いた格好でした。

● 今日はTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。午後2時半にヒョンと上昇しているのは、昨晩から"交渉中断"伝えられていた韓国産業銀行(KDB)とリーマンの出資交渉について、あちこちのニュースで、 「韓国産業銀、リーマン経営権を6兆ウォンで取得することを模索=聯合」 とのニュースが突然流れたから。しかし、大引け後には、 「韓国産業銀とリーマン、合意に近づいてはいない=韓国政府当局者」 として、再度、交渉は中断ってことになっています。相当この辺の情報は錯綜していたし、それに目先筋が振り回された感はありました。なお、リーマンは日本時間の明日朝7時半に四半期決算発表と「Strategic Initiatives」の発表を予定しています。明日朝、何が出てくるか、情報端末を気にしておきましょう(^^;。

● 今日の銀行株、不動産株、建設株の上昇には意外感があり、何を示唆しているのか迷うところ。実際、前場は軟調推移だったのが、後場に切り返してきた点は、「あれっ?」って感じ。現実的なところで、ショートカバーや裁定買い以外に買い手が望み難い状況は皆が承知の上。それを考えた上で、ドカンと急落しなかったことに安堵感と意外感がありました。ただ、かといって希望が湧き出るというところまでは行かず、気迷いが強く残った印象。

● 結果的に、今日の上昇で、三菱UFJ FG(8306)などは、非常にきれいなアイランド・リバーサルを形成することになり、さらにはらみ線の次に抱き線というおまけ付き。はらみ線で「変化の前兆」となり、その次にかなり大きな陽線。ホンマ迷うところです(^^;。その他のメガバンク株にも似たような形が出来ているし、三菱地所(8802)や三井不動産(8801)なども似たような状態。過去の経験則からすると、ファンダメンタルズの要因を探すよりも、チャートに素直に付いた方が大体は結果が良好なのは分かっているものの、「それでも、ねぇ~」って印象は避けられません(^^;。一方で、指数を見ると(日経平均先物なども同様)、アイランド・リバーサルっぽい状態を埋めてしまった格好となり、こちらは個別銘柄群とは逆にも受け取れるシグナルを示唆。色々な点で迷います。

● 三菱UFJ FG(8306)の日足(3ヶ月)を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

三菱UFJ FG(8306)日足

● 一方、ファクター面から見ると、アセット系のバリューは良かったものの、フロー系のバリューが相変わらず酷い状態。銀行などの金融株、不動産株、建設株などといった利益面で割安じゃない銘柄が上昇し、商社、鉄鋼などの利益面で割安な銘柄がブチ売られる状況だと、FM諸氏にとっては「痛し痒し」の1日だったと推察します。実際のところ、現状で銀行株などをオーバーウェイトしている向きはほとんどいないでしょうし、不動産や建設株についても同様でしょう。ファクターの効きから相場を見ても、まだまだ不安定さが続きそうだし、方向感が出てくるには時間が掛かりそうなイメージでした。

● 記録。東証1部出来高は前日比4億8066万株も増加して22億6616万株、売買代金は同5085億円増の2兆5049億円と、ここ最近の水準としては活況。東証1部値上がりは919銘柄、値下がりは708銘柄と値上がり銘柄数の方が多く、TOPIXの印象によりマッチした感じでした。ちなみに、日経平均採用銘柄だけで見ると、値上がり95銘柄に対して値下がり123銘柄でした。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比246.19円安の12154.46円(9時16分確定)と、「かなり来た」状態でスタート。ただ、ここがほぼ1日の安値でした。日経平均の日中値幅は244.70円(前場141.39円、後場148.34円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日連続の売り越し、しかもソコソコサイズの売り越し(3530万株売り/2070万株買い)でした。

● 雑談。矢野選手が良くやってくれました(^o^)。ベテランに頼りすぎるきらいはあるものの、頼れるベテランほど貴重な存在はありません。シーズンがずっとスムーズに行くとは考えていなかったものの、オリンピック前からの展開はやっぱりしんどいっす(^^;。ところで、ルー・フォードってどうなったんだろうと思っていたところ、ニッカンスポーツでは「解雇」との記事。一方、デイリースポーツでは「今後も“戦力”」と…。どちらにしろ、崖っぷちみたいです(^^;。そういえば、「今岡」という名前もホンマに聞かなくなってしまった…。

スポンサーサイト