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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!
 TOPIX : 1170.84 (-30.81, -2.56%)    日経平均 : 12212.23 (-345.43, -2.75%)    円ドル : 106.85  

● 米国株大幅安、CME日経平均先物安、円高、金融・信用不安、五・十日、週末と、外部環境面からは買い手控え理由ばかり。当然のように、相場は朝から大幅安。もっとも、前場中に安値をつけた後、後場にもう一度安値アタックしたものの、TOPIXも日経平均もそこは何とか耐え抜いた状況。前日比での指数の動きはかなり大きかったものの、ファクター面から相場内容を見ると、実は今日は過去2~3日ほど酷くなかったのです。その点からは、ある意味では、指数の動きがここ数日の相場内容の悪化に追い付いてきたかな、という印象もありました。

● ファクター分析から見ると、この数日間、極端な悪者だった色々なファクターが、前場の1時間程度を除けば、比較的落着いた動き。フロー系のバリューもまぁまぁだったし、スペシフィック・リターン・リバーサルも、昨日の逆噴射状態から見れば、随分と落着いた感じでした。グロースも稼いだ印象はなかったものの、極端に足を引っ張っていた状態から、ニュートラルに近くなっただけでも大きな改善(^^;。全体を見ると、昨日、一昨日とは、かなり印象が違って見えたし(この2~3日が酷すぎたのもあるけど…)、ホンの少しだけ一息。もっとも、単に週末金曜日に良く見かける「その週の逆」だけだったのかどうかは、月曜日にならないと分からないのですが…(^^;。

● 個別にも、このところ下げ相場に抵抗して上昇していたような銘柄群が、今日は調整気味(例:日本ハム、山崎製パンなど)だった点も、少し変化の兆しを感じるところ。もっとも、これらの銘柄にしても、他の損失拡大が止まらない銘柄群(例:コマツ)などと「あわせ切り」されただけかも知れず、そうだとしたら、マーケットが落着いてきたのではなく、いよいよマーケットから撤退している向きが多くなっている証左かもしれません。つまり、ロング・ショート筋だけではなく、ロングオンリーからも撤退売りが出始めている可能性を考えてしまうのです。これは、あまり考えたく無いシナリオですが、もしそうだとすると、これまで下値抵抗力がそれなりにあった銘柄群も売られ、これまで下げ止まらなかった銘柄もやっぱり売られるという、行き場無しの悲惨な状況になってしまいます。証券マンとしては、これは考えないことにします(^^;。

● 一歩下がって相場を眺めると、相場の歪みがかなりの規模に達した時は、意外にも指数は小動き(小高かったりする)で推移。そして、少し経ってから指数がドカン。昨年8月は、8月9日~11日に掛けて「統計学的に有り得ない」状態が起こったものの、この時点で日経平均などはプラスだったりしたのです。そして、1週間空けて8月17日にドカンが来たのですが、今回は1日あったかなかったか。時間軸の違いはあるものの、色々な面で昨年8月を連想させたし、相場環境に違いはあったとしても、背景的というか需給的には、似たようなことが起こっていたのでしょう。時間の経過とともに、この辺は追々見えてくると思います。こう書くと「もう終わった」みたいに聞こえるかもしれませんが、そう願いたい気持ちと警戒感の狭間で週末を迎えるイメージです(^^.。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億4603万株増の22億7924万株、売買代金は同790億円増の2兆3295億円。まぁ、見れる水準に戻ってきました。東証1部値上がりは227銘柄、値下がりは1445銘柄と「ほぼ全面安」状態。ただし、東証33業種で2業種(鉱業、紙パ)は値上がりでした。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比350.91円安の12206.75円(9時30分確定)と、初っ端からかなり「来て」いました。SQ値よりも下はあったのですが、結果的にSQ値あたりで引けています。つまり、ザラ場で寄り付いてからは、それほどの圧力を食らわなかった感じです。日経平均の日中値幅は222.32円(前場222.32円、後場92.27円)。もっとも、これは指数計算上のマジックで、ザラ場の値動きとしては、12165円~12265円程度の比較的狭い値動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの売り越し(4240万株売り/3040万株買い)でした。

● 指数のパフォーマンスを見ると、TOPIXはザラ場安値で前日比-37.39pt(-3.11%、9時58分)まであり、日経平均は同394.33円安(-3.14%、9時59分)までありました。後場にTOPIXで1166.50pt(13時21分)、日経平均で12172.90円(13時26分)まで安値があったのですが、いずれも前場の安値を下回ることなく、大引けに掛けて多少なりとも戻す展開でした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 大引後に開示された先物手口についても少し。日経平均先物(当限)では、GSが2372枚売り越し、野村が1060枚売り越し、MLが買い手口不明の2437枚売りなど。CSが1609枚買い越し、LBが1349枚買い越し、大和SMBCが売り手口不明の2265枚買いなど。TOPIX先物(当限)では、JPMが2286枚売り越し、バークレイズが1092枚売り越しなど。買いは野村が2487枚買い越し、CSが1960枚買い越しなど。CTA筋が良く使っていると考えられている「筋」は、今日は買い越し気味。つまり、先物がプッシュして下げたのではなく、現物主導で下がったと見た方が良い感じです。

● 雑談。今週は本当に疲れました。阪神タイガースが勝ち出せば、また相場も少しは良い方向に向かうと信じています。だから、今週末は広島で勝たなくては…。来週は日経平均銘柄入替えが発表されるだろうし、ビッグSQもあります。気力と体力を整えるためにも、良い週末を!

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