2007年11月30日(金) .... 続伸、バリューもリバーサルもグロースもギンギンの1日
TOPIX : 1531.88 (+17.41, +1.15%) | 日経平均 : 15680.67 (+166.93, +1.08%) | 円ドル : 110.45 |
● 今日は不思議な印象の1日でした。ファクター分析から見ると、11月の最終日にして、11月中の正反対の展開。バリューもリバーサルも、そしてグロースもプラスにギンギンに貢献するという最近にしては珍しい1日。指数で見る以上に「理屈が通る1日」だった印象で、「強い相場」と感じた方も少なくなかったでしょう。こんな日が毎日続くと楽なんですが…(^^;。あるFM氏は、「今日みたいな相場で嫌がっている人は誰もいないでしょうね」とおっしゃっていましたが、別の某FM氏は、「こんなの、いいんですかねぇ~」と…(^^;。負け癖が付いてしまったとは言いたくないのですが、あまりにひどい1ヶ月だっただけに、にわかには信じ難い1日だったのでしょう(^^;。
● 8月と類似するバリューが効かない相場が嫌というほど続いた11月ですが、昨日、今日とリバーサルから反転してバリューへと波及したのが、来週にどう繋がるかが注目点。単に月末だから反発しただけなのか、それとも外国人投資家の日本株外しの動きに変化が出てきた兆しなのかが、とても大きな焦点になってきます。これは需給面の話だけではなく、心理面に大きな影響を与える可能性を秘めています。PERで10倍割れ、PBR1倍割れがゴロゴロあるなかでは、心理の変化がファンダメンタルズの変化どころではないインパクトを与える可能性があるからです。
● 週明けには、機関投資家の手元にBarraのデータが届くことでしょう。今回は日付の並びの関係でSQが遅い(12月14日)こともあって、来週は月次リバランス週になります。来週初め、出足の2~3日間の相場の動きによっては、バリューを強めるか、それともリスクを落とすかの決断が必要になりそうです。相場がどちらにモメンタムが付くかによって、どちらにも動きかねないというか…。12月が稼ぎ時の1ヶ月になるのか、ひどい年末になるのかの分かれ道かも知れません(^^;。気合を入れていきましょう。
● 指数の面からは、前場は静かに寄ってジリ高、後場は基本的に横ばいの展開。日経平均の日中値幅では、全体では230.67円とソコソコ。前場が177.92円、後場が143.81円でした。14時20分に掛けてジリジリと伸び悩む局面もありました。ちょうど、WSI紙の 「China's Sovereign Wealth Fund Takes Cautious Approach (海外で大型投資行う用意はまだない=中国の外準運用会社董事長)」 との記事の日本語訳が流れていたようなので、多少は警戒感が強まったのかもしれません。それでも、その後は再びジリ高基調となり、最後の最後はピョコンと上昇。「お化粧買い」が入ったのかどうかは分かりませんけど、悪くない印象の大引けでした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。大引けのピョコンが見えます?
● 今日は、MSCIやRussell野村のリバランスの基準日ってこともあって、大引け間際はかなり商い活況。毎分の東証1部売買代金推移を見ると、前場37.95%、後場62.05%と、かなり極端に後場に偏りがありました。朝寄付き後5分間が5.6%だったのに対して、大引け前5分間はなんと15.6%。大引けのワンティックで10.4%もの売買代金がありました。さすがというか、なかなかのモノでした(^^;。個別にも動いた銘柄はあちこちにありましたが、いすゞ自動車(7202)あたりを代表例にして、日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。見難いかもしれませんが、大引け間際での出来高の集中度合いをご覧頂ければと…。
● 記録。東証1部出来高は前日比6億6942万株も増加して26億1581万株、売買代金は同5324億円増の3兆1195億円と活況。売買代金3兆円超は11月20日以来、約1週間半ぶり。東証1部値上がりは1229銘柄、値下がりが406銘柄と、かなり値上がり銘柄が多かったものの全面高というほどではなし。実際、マザーズはマイナスだったし、ヘラクレスもほぼチャラ。この辺の銘柄を中心に相場を見ている方々にとっては、あまり面白くなかったかもしれません。今朝のSQ値を計算すると、前日比9.21円高の15522.95円、日経平均VWAPは15646.86円、また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(4750万株売り/4270万株買い)でした。
● 指数ヲタク系業務連絡。今日大引け後に東京建物不動産販売(3225)の東証2部→東証1部昇格が発表されています。東証1部指定日は12月7日なので、TOPIX算入は1月末となります。東証HP内の 「一部指定・市場変更・指定替え会社一覧」 にてご確認ください。
● さて今週末から12月。そろそろ年賀状用の住所録などを整理しなくては…。毎年、やろうやろうと考えながら、実際に「やる」のは12月最終週だったりします(^^;。今年こそは進歩しなくては!皆様も良い週末を!
2007年11月29日(木) .... 大幅高、不安感解消への期待感が背景だけど…
TOPIX : 1514.47 (+38.83, +2.63%) | 日経平均 : 15513.74 (+359.96, +2.38%) | 円ドル : 110.00 |
● オーバーナイトの米国株が大幅高、CME日経平均先物は大証比で400円弱も高く、初っ端から「今日は高いでぇ」の雰囲気。8時半前には今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向が伝わり、これが20日ぶりの買い越し(3370万株売り/3800万株買い)。株数ベースでは、今月に入って初めての買い越しってことです(^^;。この数日間、市場筋観測では金額ベースで買い越しになっていたので、株数ベースでも買い越しになるのは時間の問題かなとは感じていたものの、実際に数字として「買い越し」になると、ようやく不安感の一つが解消に向かっていることを感じさせる動きでした。
● そうやこうやで、TOPIXも日経平均も初っ端からピョコンと上昇。今朝のSQ値を計算すると、前日比346.15円高の15499.93円(9時25分確定)で、実はこの水準からあまり上値も下値も無かったというのが今日の相場。日経平均の日中値幅は215.43円(前場211.44円、後場はわずかに87.48円)でした。つまり、寄付きでワーッと買いに行ったものの、フォロースルーは今一つだったってことです。ちなみに、TOPIXは10時15分にザラ場高値、日経平均は12時49分にザラ場高値を付けたのですが、その水準は前場高値とわずかに4円ほどしか違わず、この水準でやや頭打ち感があったのも事実。とは言うものの、2%超も高かったことは、それなりに評価しておきたいところです。
● ご参考に日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。寄付き後は、ほぼ横ばいだったのがご覧頂けるかと。
● ちょっと気になったのは、今日の出来高・売買代金が今一つ盛り上がりに欠けたこと。東証1部出来高は前日比2998万株減の19億4639万株、売買代金は逆に同1350億円増の2兆5872億円。つまり、昨日とほぼ同水準で、水準そのものも活況とは言い難い水準だったこと。外国人投資家の「何でもカンでも売り」に一巡感が出てきたと仮定しても、買いが増加したのではないのかもしれません。つまり、需給面からかなりの圧迫感を与えていた売り圧力が減った分だけ戻ったというか…。いずれにしろ、来週、月が替わって何か相場動向に変化があるかどうかが、一つの焦点だと考えています。方向性そのものもそうですが、バリューが効かない足元の相場環境が変化するかどうかも、です。
● 残りの記録。東証1部値上がりは1449銘柄、値下がりが203銘柄で、「ほぼ全面高」状態。サイズは大型方向で、Core30が48bp勝ち、Large70が6bp勝ちのチャラ、Mid400は44bpも負け、Smallは75bp負けでした。東証マザーズやヘラクレスもプラスはプラスだったものの、対TOPIXでは出遅れていました。
● 指数ヲタク系話題。今日はTOPIXの月末修正。今月は、ソニーフィナンシャルホールディングス(8729)以外にあまり目玉らしい目玉はなく、そのソニーFHも極端というほどの値動きではありませんでした。一応、記録の意味も込めて同株の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 明日はMSCIのリバランス基準終値日。実はRussell/ノムラPrime指数も明日がリバランスの基準終値日。RNPがどの程度ベンチマークされているのか良く分からない(^^;のですが、世界的に見ればMSCIの方が圧倒的に大きいとは考えています。明日の大引け間際には、月末ってこともあり、色々と動きがありそうな雰囲気。商いが膨らむ可能性もあるので、VWAPトレーダーの方々はご注意を(って言っても、出来ることは限られているけど…(^^;)。
● 雑談。「ガソリン価格、155円超へ=新日石、卸値6.7円引き上げ」なんてニュースが流れています。日本の石油会社が自分で石油を掘り出している量なんて知れており、基本的には原油精製業者なので、モロに石油価格高騰を被るしそれを転嫁してきます。普通の車には60リッターほどガソリンが入るとして、リッター100円とリッター155円だったら、満タンで3000円超も違ってきます。はぁ~~(^^;。ハイオクは165円とか168円とかになるんでしょうね。以前にチラッと書いたのですが、環境問題もあって、石油起源の価格が上昇することを容認する空気って、どこかにあるのでしょうね。それで代替エネルギーがコスト競争力の面で戦えるようになり、技術的に発展する可能性もあるんだし。でも、エタノールはバブル崩壊みたいですけど…(^^;。Tori Boxさんの「はやっ」をご参照。
2007年11月28日(水) .... 朝高後はジリ貧でマイナス、方向感乏しい1日
TOPIX : 1475.64 (-3.14, -0.21%) | 日経平均 : 15153.78 (-69.07, -0.45%) | 円ドル : 108.50 |
● このところ前後場で全く様相が違う相場展開になっていたのですが、今日は一転して「継続感」のある1日でした。最初から行きましょう。米国株は大幅高となったものの、昨日の東京市場時間帯から、これはある程度織り込み済み。しっかりでスタートした相場は、前場中盤に日経平均先物に大口売り爆弾が複数炸裂したことでスコンとマイナスになり、そこからは基本的に方向感に乏しい横ばいの展開のまま終了。ちょっと昨日の昼休みギャップなどがあって、お疲れ気味だったのかもしれません(^^;。今日の日経平均日中値幅は191.56円あったのですが、前場が147.75円、後場は117.08円と、特に後場は小動きで方向感に乏しい展開でした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● ここ数日間話題になっていたSWFにしても、中国、オイルマネーと来たので、今日はロシアが来るかな?なんてスケベ心があったかもしれませんが(^^;、さすがに一休み状態。昼休みにも特にニュースはありませんでした。物色動向も気迷い気味で、今一つ良く見えない印象。内需系に行きたがっている雰囲気はあるものの、腰を据えて内需と言い切るだけの国内景気の先行きへの自信はなく、全体としては相場の方向性も物色の方向性も気迷い状態でした。
● あまり面白味を感じる相場でもなかったので、さっさと記録に行きましょう。東証1部出来高は前日比3億6341万株も減少して19億7637万株、売買代金も同5187億円減の2兆4522億円どまり。東証1部値上がりは835銘柄、値下がりが762銘柄と、実は値上がり銘柄の方が多かったです。これは比較的小型株のパフォーマンスが良かった日に起こる現象で、今日はSmallが52bp勝ち。またマザーズは+4.85%とかなりの急上昇で、ヘラクレスも+2.47%でした。
● 今朝のSQ値を計算すると、前日比41.15円高の15264.00円(9時10分確定)、日経平均VWAPは15185.82円でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、19日連続(記録更新中)の売り越し(4660万株売り/3170万株買い)。ただし、市場筋観測によると今日も金額ベースでは若干の買い越しだったとのこと。
● 指数ヲタク向け話題。明日はTOPIX月末修正の基準終値日。それよりも、明後日のMSCIリバランスの方が気になるというか…。2回に分けて新計算基準に移行するのですが、前回のMSCIの時も、TOPIXの浮動株基準化の時も、アルファを稼ぐ目的で最初に全量移行してしまう方がソコソコいらっしゃるようで、初っ端のインパクトが大きくなりがち。今回がそうなるとは限らないものの、その可能性は頭に入れておきたいところです。
● もう一件。大引け後に東証から、セキュアード・キャピタル・ジャパン(2392)の「マザーズ→東証1部」の昇格が発表されています。昇格日は12月5日なので、実際にTOPIX算入されるのは、来年1月末になります。東証HP内の 「一部指定・市場変更・指定替え会社一覧」 にてご確認を(ちょっと下の方に掲載されています)。
2007年11月27日(火) .... 前場軟調・後場堅調、シティ増資で昼休み挟んで400円弱もギャップ発生
TOPIX : 1478.78 (+11.75, +0.80%) | 日経平均 : 15222.85 (+87.64, +0.58%) | 円ドル : 108.45 |
● 今日も前後場で派手な二部構成の1日でした。かなり珍しい1日だったので、ちょっと細かく書いていきましょう。前場は米国株が大幅安で円は107円台真ん中。こうなれば安くなる以外の選択肢は無かった感じ(^^;でしたが、CME日経平均先物が大証比350円安だったことを考慮すれば、まだ被害は軽微だったのかもしれません。ただ、それでも前引け段階では、TOPIXは-31.21pt(-2.13%)、日経平均は320.34円安(-2.12%)まであり、その時点ではかなり悲壮感めいたものもあったのです。
● ところが昼休み中に、シティから「Citi to Sell $7.5 Billion of Equity Units to the Abu Dhabi Investment Authority」(米シティ、アブダビ投資庁に75億ドル相当の出資証券を売却→増資引き受け) との発表があり、これを受けて後場から「金融危機回避」との思惑、さらに今晩の米国株式上昇を織り込む格好で一気に大幅高。日経平均先物の前場終値と後場始値の比較では、14830円→15210円と何と380円もぶっ飛んでいました。日経平均の後場SQ値で比較しても、前場終値に対して何と321.33円も高い水準。これだけのギャップが昼休みを挟んで発生することは、非常に珍しいことです。
● もっとも、TOPIXで12時55分、日経平均で12時41分に今日の高値を付けてからは、ジリ貧気味に推移。午後1時半前には再びマイナス転落する局面はあったものの、大引けに掛けてそれなりに頑張り(先物がかなり引っ張った感じ)を見せ、最後はプラスで終了。さすがに今日は保存版です(^^;。日経平均と日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。ギャップの発生具合は日経平均先物の方が良く分かります。
● 日経平均の日中値幅は510.68円とかなり大きく、前場152.06円、後場291.92円でした。この510円超の値幅は、今年8月17日に800.49円というとんでもない値幅を付けて以来の高水準でした。今日の値動きを簡単に表にしておくと、以下となります。記念に(^^;。
高値 | 安値 | 終値 | ||||
TOPIX | +13.04pt | +0.89% | -33.68pt | -2.30% | +11.75pt | +0.80% |
日経平均 | +177.34円 | +1.17% | -333.34円 | -2.20% | +87.64円 | +0.58% |
● 記録。東証1部出来高は前日比1億8290万株増の23億3978万株、売買代金は同1904億円増の2兆9709億円東証1部値上がりは1084銘柄、値下がりが537銘柄。今朝のSQ値を計算すると、前日比281.73円安の14853.48円(9時19分確定)で、朝から相当な悲壮感がうかがえます。朝方はCore30がかなり売られていたものの、後場に一気に盛り返して37bpもの勝ち。Large70は49bpも負け、Mid400は6bp負けでほぼチャラ、Smallは10bp勝ちでした。
● また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、18日連続(記録更新中)の売り越し(4250万株売り/3620万株買い)。ただ、市場筋観測によると金額ベースでは若干の買い越しだったとのこと。「撤退売り」が終わったとの確証は無いとしても(実際に物色動向を見ていると、まだ出ている感じ)、そろそろ先が見えてきた感じもあります。問題は来週12月に入ってから。ここでも売りが続くようであれば、ヘッジファンドの解約どうのこうのというのではなく、もっともっと根が深い問題ってことになってしまいます。引き続き注視する必要がありそうです。
● 後日のために、アブダビ関連のニュースを付けておきます。日経では、 「米シティ、8000億円出資受け入れ・アブダビ投資庁から」。また、今日の日経夕刊には「アブダビ政府、対日投資へ調査団、最大級の政府系ファンドも」との記事があったとの話が市場筋間で流れていたものの、ネットでは発見できなかったし4版にも載っていませんでした。早版だけだったのかな?業績だの何だのがほとんど効かない相場環境のなかでは、この手のニュースに反応する地合いが継続するんですかねぇ~(^^;。
● 雑談。最近は特によく行く ぐっちーさんのブログ の11月27日付最新エントリー、 「飛ばし」 は読む価値十分以上にありです。メディアはあまりはっきりと書かないですけど、今回のサブプラ関連の処理スキームは、基本的に「飛ばして隔離、時間掛けて忘れた頃に処理」って感じでしょうか(^^;。何かと問題もあるでしょうから、書かないみたいですけど…。日本はこの辺のノウハウが山のように蓄積されている「先輩」のはずなので、もっと「恩を売る」ような政策を取っても良さそうに感じてしまいます(^^;。ところで、「飛ばし」って放送禁止用語なんですか???
2007年11月26日(月) .... 大幅高、SWFの買い思惑(^^;ってことで…
TOPIX : 1467.03 (+29.65, +2.06%) | 日経平均 : 15135.21 (+246.44, +1.66%) | 円ドル : 108.50 |
● 連休明け、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(3500万株売り/3330万株買い)だったものの、「大幅」という枕詞がなくなる状況。実はこれで17日連続の売り越しとなりこれは新記録とのこと。ただ、市場筋によると金額ベースでは買い越しだったとのことで、ホッと一息状態。心配されていた前週末の米国株式も堅調だったことで、朝からジリ高モードの推移。昼休み時間帯に、日経ニュースで「中国政府系ファンド、日本株に投資へ」と流れたことをきっかけに、後場に入って一段高。同時に円買いが入ってヒュンと円高に振れたものの、これは「中国が日本株を買うために円を買うからやぁ!」と前向き方向に解釈(^^;。
● もっとも、後場中盤に高値を付けた後はジリ貧気味に大引け。ワッショイワッショイも目先筋の「一抜けた」が出始めると冷めてしまうあたりは、今の地合いの限界なのかもしれません。結局、TOPIXも日経平均もソコソコ前日比では高かったものの、TOPIXのザラ場高値が+41.88pt、+2.91%まであり、日経平均が+406.44円、+2.73%まであったことを考えると、終値ではそれなりに伸び悩み感があったことも分かります。日中足のグラフをご覧頂いた方が良く分かると思うので、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 今日は、この前のG7あたりから世界的な話題になっている「SWF」(Sovereign Wealth Funds、政府系投資ファンド)が、ようやく日本でも話題になってきた感がある1日でした。SWFというのは「得体が知れない」、「資金量が大きい」、「耳に新しい」と、ネタになる要素を兼ね備えており、今後、相場解説において、「公的資金の買い」的に使われるようになる予感を感じてしまいました(^^;。そのうち、ワケが分からん上げは「SWFの買い」で、ワケの分からん下げは「ヘッジファンドの売り」と片付けられるようになるんでしょうね。
● 上記以外にも、今日のニュースとして、中国のSWF関連では、Bloombergに 「中国投資会社「中国投資公司」:日本株や北米株投資マネジャー募集開始」 なんてニュースも流れていたし、ソニーは ドバイ政府系投資会社のドバイ・インターナショナル・キャピタル(DIC)が「かなりの数のソニー株式を購入した」 と伝えられたことを材料視。なお、最初の日経の記事は午後5時になってようやく日経サイトに 「中国政府系ファンド、日本株に投資へ」 として掲載されています。何となく、急にSWF関連ニュースが一斉に湧き出してきた印象がありました。
● ネタかどうかはともかくとして、日本株を全く持っていない方々が日本株を買うとなると、当然、誰もが知っているブランド銘柄が中心になるとの連想が働きます。ということで、今日はCore30が90bpも勝ち、Large70は46bp負け、Mid400は46bp負け、Smallは82bp負けでした。東証1部以外はプラスだったもののTOPIXなどに対してはかなり負けていました。今日は東証33業種のうち32業種が上昇したのですが、下落したのはやや意外性の海運。PER10倍割れが出てきているのを見ると、マーケットは何を織り込みに行こうとしているのですかね?
● 記録。東証1部出来高は前週末比1億9235万株減の21億5688万株、売買代金は同1630億円減の2兆7805億円。決して少ないって事はないにしろ、指数の上昇幅と比較すると、意外に盛り上がりに欠けていた感もありました。東証1部値上がりは1282銘柄、値下がりが354銘柄。今朝のSQ値を計算すると、前週末比69.97円高の14958.74円(9時20分確定)。もっと興味深かったのは後場SQ値で、前引けに対して90.45円高の15174.56円。昼休みでこれだけギャップが発生したのです(^^;。日経平均の日中値幅は382.38円とかなり大きく、前場187.53円、後場160.00円と、前後場の二部構成的な展開でした。
● 私事で恐縮ですが、今日から新しいオフィスへ移転しました。かなりの規模の引越しだったので、今日はオフィス内もダンボールが山積み状態。1週間もしたら落ち着いてくると思います(^^;。個人的には、今度の場所はマクドが近くにあるので嬉しい!
2007年11月23日(金) .... 祝日(勤労感謝の日)のため休場
● 祝日(勤労感謝の日)のため休場
2007年11月22日(木) .... 朝安後に戻してほぼフラット、円高一服で株下落も一服
TOPIX : 1437.38 (-1.34, -0.09%) | 日経平均 : 14888.77 (+51.11, +0.34%) | 円ドル : 108.85 |
● 米国株の軟調さ、為替円高では気勢は上がらず、さらに今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅売り越し(4550万株売り/2730万株買い)。これで16日連続の売り越しとなり、市場筋によると、2007年7月23日~8月13日に同じく16日連続売り越しとのタイ記録とのこと。この辺も、「8月メルトダウン相場」との類似形を感じさせる状況で、当然のようにマーケットは軟調にスタート。TOPIXは10時32分に21.25pt安(-1.48%)まであり、日経平均は10時04分に167.81円安(-1.13%)までありました。ただ、その後、為替がジリジリとドル高方向(円安方向)に振れるに従って、株式市場も復活。後場寄付からピョコンと跳び上がって、日経平均は後場はプラス圏での推移。もっとも、上値もそれなりに重たかったし、TOPIXは後場もチョビ安の時間帯の方が長かったのですが、それでも戻したことは前向きに考えようかなと。
● 今日はTOPIXと日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。グラフの形はどちらもほぼ同じで、前場は水準的にもほぼ同一。しかし、後場は日経平均の方が前日比で見た水準が上になり、TOPIXの方がやや重たげに見えた印象。この辺は為替が多少円安方向に振れたことで、より"日経平均的"銘柄が買われていたことを示唆します。
● 今週だけで日経平均は300円超下がっていたし、先週15日以降で660円超も下落していたので、多少は買戻しや押し目買いが入るのも当然といえば当然だったのですけどネ。問題は連休明け、来週の動きです、ホンマ(^^;。外国人投資家の「撤退売り」が一巡してくる雰囲気になるのか、それとも12月に向けてまだ継続するのかで、東京市場の先行きシナリオはかなり変わりますから…。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億7705万株増の23億4923万株、売買代金は同1533億円増の2兆9435億円。東証1部値上がりは806銘柄、値下がりが802銘柄とチャラ。今朝のSQ値を計算すると、前日比130.01円安の14707.65円(9時23分確定)、日経平均VWAPは14825.65円でした。日経平均の日中値幅は330.33円とかなり大きく、前場178.51円、後場156.19円と、前後場の二部構成的な展開は昨日と似ていました。
● 今日は異常に更新が早いのですが(^^;、早帰りして、これからちょっとした旅行に行ってきます。なのでコメントも短めです(^^;。皆様も良い3連休を!
2007年11月21日(水) .... 再度大幅安、円高+外国人売り+買い手不在
TOPIX : 1438.72 (-30.55, -2.08%) | 日経平均 : 14837.66 (-373.86, -2.45%) | 円ドル : 108.85 |
● 昨日後場の切り返しで「撤退売り」が終わったかなと思っていたら、どうやら早計だったようで…。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅売り越し(5330万株売り/2630万株買い)。これで15日連続の売り越し。米国株式は乱高下の末にプラスだったものの、CME日経平均先物は大証比25円安で為替も円高気味。後場中盤には1ドル=108円台に突っ込んだこともあって一段安。ただ、外部環境だけでは、日経平均にして一時400円超も下落する状況ではなかったはず。普通に考える以上に売られたのは明らかで、需給面からの売り圧力が、買い方の投げ売りを誘発する悪循環の1日に陥ってしまいました。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 市況欄などでは「先物に仕掛的な大口売り」と書くんでしょうけど、もし本当に仕掛けだったとしても、売った方が儲け易いと思わなければ誰も「売り仕掛け」なんてやりません。今のマーケットは、ホンのちょっとだけ蹴飛ばせば「あぁぁぁぁ~~~」って勝手に落ちていくというか、売りから入って儲け易い地合いにあります。これが買って儲かるようになれば、「仕掛的な大口買い」が入り、断続的な裁定買いを誘発するような事態にもなるんでしょうけど、今は逆方向に車輪が転がっている状態で、それを止めるにはかなりのエネルギーが必要です。今の相場は3分の2が外国人投資家の売買。そのご本尊が売りに廻っている状態だと、なかなか逆方向へのエネルギーが働き難いのです。
● 振り返ってみれば、昨日のように「焼け野原」状態に火が付くこともあるんですが、あれは台風の目に入った一瞬の晴れ間だったのかもしれません。昔、気象予報が発達していなかった頃には、台風の目を台風通過と誤解してしまい、一段と被害が拡大したことがあったそうですが、今日の相場は、呆然としながら、そんなことを考えさせられる状態でした。まだ終わってなかったのね…って感じで…。
● ファクター分析面でみると、今日も何もファクターがまともに効かない状態が再現し、それが1日中継続。バリューは相対比較感からはマシな方だったかもしれませんが、グロースもリバーサルも、テクニカル系の売買活況度やらβも駄目マーク。程度の差はあるにしろ、8月の「バリュー崩落」と似ている状況は継続していました。昨日午後は、一度、これが途切れたのですけど…。先日も某FM氏が皮肉っぽく「パッシブ・ファンドが一番成績良いんだよねぇ~」(当人はバリュー系クオンツファンドの運用担当者)とおっしゃっていましたが、今日もそんな感じだったと推察します。運用担当者の立場からすると、何かにティルトしているとやられる、というのは非常にしんどい状態。まだ自分の方針が間違っていて、あれをやれば儲かったがあった方が楽です。何をやっても駄目という八方塞り状態は、心理的に堪えるのです。
● 関連して、2~3日前から、複数の証券会社からクオンツ系ファンドの「8月メルトダウン相場の再現か?」といったレポートが出てくるようになりました。多くの場合、この手のレポートが出てくるようになると、そろそろ終盤局面かなとは考えています。ただ、バブルもそうなんですが、最後の2合ぐらいがおいしいし、逆に言えばしんどい(^^;ので、タイミングのホンの微妙な違いで、結果には大きな差が出てしまいます。感謝祭をまたいで相場が変化するかどうか、注意深く対応したいところです。
● 記録。東証1部出来高は前日比5億4879万株も減少して21億7218万株、売買代金は同4196億円も減少して2兆7902億円でした。昨日は出来高で8億0662万株増、売買代金で9256億円増だったので、その全てを失ったのではないにしろ、かなり減少したのは歴然。昨日との違いは、それなりに買い手が居たかどうか、という点。昨日は買い手が居たことで商いが膨らみ、最後はプラスで終われた一方、今日は買い手不在のおかげで最後まで売りに押されるままに終わってしまった格好。円キャリー解消も加わって加速する円高は大きな要因だったでしょうけど、あまりに弱い相場に買い手が気色悪くなってしまった可能性はあります(^^;。
● 今朝のSQ値を計算すると、前日比105.29円安の15106.23円(9時15分確定)。この時点で、CME日経平均先物の水準と比較して「ちょっと安いなぁ」とは考えていたものの…。日経平均のVWAPは14958.18円、日経平均の日中値幅は384.09円とかなり大きく、前場が154.53円、後場が225.19円と、後場のズッコケを見て取れます。東証1部値上がりは422銘柄、値下がりは1223銘柄。弱いのは弱いのですが、指数ほどは「下げ」っぽくありませんでした。小売り、電力・ガス、紙・パなど、実際はプラスの銘柄もソコソコあったからです。東証33業種でも、鉱業、紙パ、電力・ガス、小売りの各指数はプラスで終了しています。
● しかし、明日「以降」は、もうちょっと良い相場になることを祈りたいです。ホンマ…。そういえば、明日は「いい夫婦」(11月22日)の日だ(^^;。
2007年11月20日(火) .... 前場は悲壮感、後場一転して切り返してプラス
TOPIX : 1469.27 (+12.66, +0.87%) | 日経平均 : 15211.52 (+168.96, +1.12%) | 円ドル : 110.35 |
● 今日の相場は二部構成(^^;。午前中はかなりヒドイ状態でした。米国株安や円高方向に振れていたことに加え、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、14日連続の売り越しで、差引5000万株超(7030万株売り/2010万株買い)と、最近では記憶がないほどの大幅な売り越し。市場筋によると、売り株数の7000万株超は今年8月10日以来。そうなってくると、8月の「バリュー崩落」が嫌でも頭に意識される状況になってしまいます。実際、朝方の市場をファクター分析をすると、バリュー、グロース、リバーサルのどれもが効いていない状態で、8月にかなり類似する状況。もちろん、外部環境なども含めて8月との違いは色々とあるにしても、共通点は海外投資家の「撤退」がこの相場環境を引き起こしていること。非常に暗い雰囲気の前場でした。
● ところが後場に入ってから雰囲気が変化。ジリジリと戻り始めた相場が勢い付いたのは、これまで売り込まれていた商社などが目に見えてプラスに転じてきたこと。これで相場全体も勢い付き、指数もプラス転換。一度伸び悩み掛けたものの、最後大引けに向けてグイッと上向きになれたのは評価したいところ。後場はファクター面で見ても、バリューは今一つだったものの、ここ数日の酷い状態から少し抜け出しつつあったし、リバーサルも戻ってきて、ようやく正常な相場の道が見えてきた印象になりました。前場が相当に酷かったので、後場はまるで違う相場だったのが印象的でした。日経平均の日中値動きを見ても、前場は118.04円だったのが後場は446.18円も動いて1日で470.97円と、久しぶりに大きな値動きの1日でした。
● これはさすがに後で振り返るでしょうから、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● この戻りのきっかけについて、市場筋の間では、午後初めにFinaicial Times記事で 「Fed likely to give investors a surprise」 が流れ、為替が動き、次いで株が動いたとの見方が有力でした。GLOBEXの先物が高かったことを理由に挙げる声もあったようですが、これは結果だったのかもしれません。いずれにしろ、サブプラ問題で一喜一憂する地合いが続いているということです。ただ、日本市場は「枯れ野原」状態になっていただけに、ちょっと火が付くと一気に燃え広がる土壌はあったのです。そして今日の後場は、その火がうまく燃え広がった感がありました。川崎汽船やら三井物産のPERが一時10倍割れまで落ち込むのを見たら、「安いなぁ~」と感じる向きが居ただろうことは簡単に想像できます。この手のことに鈍感な私ですら、そう感じたのですから…(^^;。
● テクニカル面の数値から見ても、今日の相場が「転機」だった可能性を示唆するものがいくつかあります。まず、東証1部出来高は前日比8億0662万株も増加して一気に27億2097万株にも膨らみ、売買代金も同9256億円も増加して3兆2098億円だったこと。売買代金は前日比で42%増と、かなり大きく変動したことが分かります。つまり、売りが相当大量に出ていた一方で、買いもそれなりに入り、売り買い交錯状態になったということ。ここ最近、指数がそれなりに動いても出来高面の膨らみが見られない日々が続いていただけに、ちょっと「えっ?」という感じがありました。
● また、今朝のSQ値を計算すると、前日比303.51円安の14739.05円(9時21分確定)。日経平均のザラ場安値は前日比291.29円安の14751.27円(-1.94%、10時35分)だったので、今朝のSQ値は「幻のSQ値」だったことになります。これも迷信かもしれないけど、先物をやっている向きは意外に注意しているシグナルの一つです。なお、TOPIXの安値は9時18分(-36.04pt、-2.47%)だったので、日経平均とはかなり違いがありました。この辺の「ズレ」もちょっとだけ頭に入れておきたいところです。日経平均採用銘柄のVWAPを集計して計算した日経平均VWAPは14901.13円で、終値はかなりこの水準を上回って引けています。
● その他の記録も行きましょう。東証1部値上がりは734銘柄、値下がりは882銘柄で、指数の戻りに小型株系が付いていけなかった様子が分かります。TOPIXサブインデックスでは、Core30が12bp負け、Large70が54bp勝ち、Mid400が2bp負けのチャラ、そしてSmallが102bp負けでした。ヘラクレスはちょっとだけプラスで終わっていますが、マザーズやJASDAQ指数はチョビ安で終わっています。
● 問題は今日後場の動きが続くのかどうかということ。今日の外国人売りが感謝祭前の最後の撤退売りで、それが今日の前場で終わったのか、それとも休み明けの12月もこの状態が続くのか、その辺が非常に迷うし、判断が難しいところです。それによって、明日以降の相場の動向もがらりと変わってしまうでしょうから…。どうなんでしょう?誰か自信を持って言える方がいらっしゃったら、お聞きしたいところです(^^;。
2007年11月19日(月) .... 後場マイナス転落。割安がより割安に…、8月にやや類似した展開
TOPIX : 1456.61 (-15.06, -1.02%) | 日経平均 : 15042.56 (-112.05, -0.74%) | 円ドル : 110.45 |
● 前場の高いところでもかなり上値の重たさは感じたし、前引けにかけてズルズルと下落するところなどは、溜息しか出ない雰囲気。今朝のSQ値を計算すると前週末比31.70円高の15186.31円(9時15分確定)で、寄付きの時点から買いに対する警戒感というか、やる気の乏しさが感じられた状態でした。一時的にはSQ値よりもそれなりに上値をトライしたものの、前引では結局その水準まで戻って行って来いでした。また、最近は昼休みをまたいでギャップが発生することが多く、今日も後場SQ値は前引に対して52.90円も安い状態。昼休みの立会外バスケット取引の影響もあるでしょうし、他のアジア市場の影響も受けているでしょう。いずれにしろ、これで後場のトーンが決まってしまい、結局は安値圏での引け。情けない週明けでした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● ファクター分析をして相場の中身を覗いてみると、今日もバリューがメタメタで、リバーサルもグロースも効かないという、結構ひどい1日(サイズはかなり大きい方に振れていた)。先週も何度か書いたのですが、8月の「バリュー崩落」局面と似てきている印象が日々強くなっています。あの時ほど短時間で暴力的な動きではなく、毎日、毎日、少しずつやられていく感じ。割安株がより割安になり、割高株が買われてしまう状況。そして、前者の方が後者よりも影響度が強い印象があるので、ロング/ショート系のアンワインドに加えて、ロングオンリーの売りも出ているのかな、と考えてしまうのです。何が起こっているのかの詳細は現時点では不明なものの、やはり日本株から資金が出て行っているのが、かなり影響していると考えています。銘柄の動きを見ても、ファンダメンタル的に資源系銘柄(鉄・非鉄・商社)などがこれだけボロカスに売られる理由は無かったでしょうし、海運の下げっぷりを見ても、持っているところが売られていた印象でした。
● テクニカル的には、かなり「陰の極」っぽい指標が増えています。ザラ場中から話題になっていた一つの「陰の極」が日経平均のサイコロ。今日マイナスだったので1勝11敗になってしまい、これは市場筋調べで1991年12月2日以来、なんと16年ぶりとのこと。このときは、11月28日、29日そして12月2日と3日連続で1勝11敗だったそうです。他にも騰落レシオなんかもかなり「陰の極」っぽいのです。
● ただ、問題はタイミング。全て現金で保有していたとするならば、こんなに素晴らしいエントリーポイントは滅多にありません(^^;。でも、ほとんどの運用担当者の方々は既にポジションを保有していて、当然ながら、何かを買うには何かを売る必要があります。そしてコストを掛けて売買する限りは、それを上回るメリットを「説明」出来なくてはいけません。現状では、この「説明」が難しいのです(^^;。よって、方向性が見えてくるまではじっと我慢する、というパターンに陥ってしまいます。
● ちなみに、上記の日経平均サイコロ1勝11敗から爆騰して戻ったとなると美しいストーリーになるのですが(^^;、1991年というとバブル崩壊の真っ只中。そこから1992年4月の14309円に向けて急降下(^^;。まぁ、あんまり参考にしないでおきましょう。「陰の極」に近くても「割安がより割安になる」という正常とは言い難い地合い(需給関係)においては、相場が理論通りには動かないことなんていくらでもあるのです。The Gartman Letter の相場格言にもある「Markets can remain illogical far longer than you or I can remain solvent」ということです(^^;。これが難儀です。ただし、誰かが鈴を付けてくれれば、一気に相場心理がひっくり返る可能性は秘めていると考えており、気を抜かないで行きたいところです。
● 記録。東証1部出来高は前週末比8447万株増の19億1435万株、売買代金は逆に同16億円減の2兆2842億円。先週末と変わらず商いは盛り上がりに欠ける状態でした。東証1部値上がりは356銘柄、値下がりは1287銘柄で、指数以上に軟調だった印象。日経平均採用銘柄のVWAPを集計して計算した日経平均VWAPは15156.22円、日経平均の日中値幅は262.66円(前場125.59円、後場160.01円)でした。TOPIXはザラ場で+1.10%まであってから-1.08%まで下落して最終的に-1.02%。日経平均は+0.98%→-0.76%→-0.74%でした。何と言うか、落ち込む展開でした…。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、13日連続の売り越し(3900万株売り/1870万株買い)でした。
● 雑談。某ベテラン市場筋氏が今日のコメントで、『SIV、CDO、CBO、ABS、RMBS(MBS)、ABCP、CMBS、ABX、M-LEC…この「暗号のようなローマ字用語」をあなたはどれだけ分かりますか?』と書かれていました。一応、半分以上は分かるけど…(^^;。しかし、これだけ羅列するとスゴイもんです(^^;。そして、これらをざっくりとでも理解しておかないと、今の市場を理解するのが難しいのが現実です。はぁ~、付いていくだけでも大変です(^^;。もっとも、それらも含めて株価は形成されてゆくので、株価だけを見ておけば良いというのも一理あるんですけどネ。ただ、そこまでピュアに割り切れるかどうかだと思います。中途半端に知ったかぶりが一番悪いんですよね(自戒も込めて)。
2007年11月16日(金) .... 再度大きく反落、出来高薄く手控え気分強い
TOPIX : 1471.67 (-27.19, -1.81%) | 日経平均 : 15154.61 (-241.69, -1.57%) | 円ドル : 110.25 |
● 今日も飲み会があって更新が遅くなりました(^^;。今週はこれで3日連続の飲み会でした(^^;。
● 朝から米国株安、CME日経平均先物安(大証比205円安)を受けて軟調な展開。寄付き後に、CME水準よりも下までスルスルと売られたところを見て、相場全体に「どよぉ~~ん」の雰囲気に陥ってしまいました。昨日の相場で後場ズッコケになったこともあって、積極的に買う雰囲気はほぼゼロ。所々で上昇する銘柄はあったものの、全体としては萎縮感の漂う1日になってしまいました。残念ながら、これも見慣れた風景になりつつあります。
● 後場寄付き後に売られた後、大引けに掛けてある程度は戻したものの、結局、TOPIXは反落、日経平均は続落でした。今朝のSQ値を計算すると、前日比210.37円安の15185.93円(9時19分確定)。結局、この水準がザラ場でも上値になってしまった印象は少なからずあり(前場9時半以降の高値も後場高値も15180円台)、寄付きの売りだけではないフォロースルーの売りがあったことを感じさせました。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● もっと心配させるのは、今日の出来高。東証1部出来高は前日比1億0016万株減の18億2988万株、売買代金は同2244億円減の2兆2858億円と、金曜日だったことを考えてもかなり薄商い。つまり、買い手控えムードのなかを売り物に押されたというのと共に、売り手側もあまり思ったようには売れなかっただろう、ということ。どの程度の売りが出てくるのかを予想するのは無理でしょうけど、大商いして「これは来たでぇ~」という雰囲気になるには、やはりもうちょっと商いが膨らむ必要があります。それまでは、ここ2週間のようにジリ貧歩調になる可能性があり、実際問題、これはかなりイライラするというか辛いかもしれません。
● この2~3週間ほどの相場は、かなり8月の「バリュー崩落」局面に似てきている印象がより強まってきました。8月はほんの3日ほどの短期間に一気に相場が歪み(その際、指数は小幅高だった)、そしてその後に、指数の急落が襲ったのです。実際に指数が大きく下落したのは8月17日でしたが、相場の異変はその前からかなり顕著に出ていて、自分のこのコメントを読み返しても、7月最終週(7月30日)あたりからおかしいとなり、8月8日にバリューが大崩落。しかし、当日はTOPIXも日経平均も0.5%ほどプラスでした。今回は指数がジリ貧なのと同時に、ファクター分析の面から見ても、「割安株がより割安になる」、「割安が株価に評価されない」という状況は似ています。ただ、それが8月とは違って、指数の動きにもそれが出ていることと、比較的時間を掛けてそうなっている、ということです。結果的に、誰かがアンワインドしているからこうなっている、とは考えていますが…。
● その他の記録。日経平均採用銘柄のVWAP集計は15124.67円、東証1部値上がりは253銘柄、値下がりは1409銘柄で、ほぼ全面安状態。日経平均の日中値幅は208.71円(前場129.20円、後場151.04円)。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、12日連続の売り越し(4310万株売り/1950万株買い)で、量的にもかなりの売り越し。売りの山場は通過していなかったみたいです(-_-;)。なお、東証マザーズは+0.35%、大証ヘラクレスは-0.28%と、かなりTOPIXなどをアウトパフォームしていました。リターンに貢献しているのは、限られた銘柄群だけなんですけどネ…。
● 雑談。前々から噂にはなっていたものの、昨日の日経金融新聞で同紙の休刊発表。来年1月末で終わりになります。一応「衣替え」ということですが、実質上は「廃刊+新刊」ってことでしょうか。日経金融は部数もあまり伸びていなかったようだし、栄枯盛衰は仕方ありません。自費で日経金融新聞をずっと取っていた向きとしては、やや寂しいところもあるのですが、この2年ほどは「あまり読むところが無い」状態になっていたのも確か。週刊で内容が充実するのだったら、その方が良いのかもしれません。めざせBarron'sってところですか…(^^;。
● さぁ、週末。皆様も良い週末を!
2007年11月15日(木) .... 後場伸び悩み、最後の1時間で日経平均はマイナス転落
TOPIX : 1498.86 (+1.15, +0.08%) | 日経平均 : 15396.30 (-103.26, -0.67%) | 円ドル : 111.30 |
● 飲み会があって更新が遅くなりました(^^;。
● 朝方と日中のかなりの部分は、米国株が軟調だった割には「しっかりしてるやん!」って感じだったのに、後場に入って雲行きがおかしくなって伸び悩み。TOPIXはかろうじてプラスを維持したものの、日経平均はマイナス転落で安値引けでした。あの続落局面で失ったものを考慮すると、戻りが鈍い印象は拭えない状態です。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 戻りの鈍さは、今日の出来高でも分かります。東証1部出来高は前日比1億4082万株減の19億3004万株、売買代金は同1370億円減の2兆5102億円と、お世辞にも活況とは言えない状況。つまりプラスだった局面でも買いに来たという雰囲気ではなく、一時的に売り物が引いたところを戻った、という状況に思えてしまうのです。市場関係者が慎重になるのは良く分かるのですが…(^^;。
● あまり面白い相場ではなかったので、さっさと記録に行きましょう。今朝のSQ値を計算すると、前日比67.38円高の15566.94円(9時16分確定)と、ほぼ今日の高値水準でした。日経平均採用銘柄のVWAPを集計すると、15510.33円。また、東証1部値上がりは939銘柄、値下がりは691銘柄だったので、どちらかというとTOPIXのようにチョビ高の印象。日経平均の日中値幅は191.01円(前場95.90円、後場178.09円)で、前場は堅調ながら小動き、後場はズッこけた分だけ値幅が大きくなった印象。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、11日連続の売り越し(2810万株売り/2800万株買い)。フローはかなり減ってしまったし、市場筋によると金額は小幅買い越しだったとのことで、もしかしたら売りの山場は通過したのかも知れません(^^;。
● 話題変更。某米系証券から「好材料は本当にないのか」という刺激的というか皮肉的なレポートが出ていましたが、実際にそうでも言いたくなる状況が今です。決算も決して悪くない、などの声は聞くものの、実際にマーケットが反応しないとなると、声は小さくならざるを得ないのです。先日参加したシンポジウムの立ち話でも良く耳にした言葉が「日本株はエキサイティングに思えない」というもの。相場に付き物のドキドキやワクワク感が得られないというか、弾力性が無くなってしまって伸びきったゴムみたいになってしまったってことでしょう。「地元」の私達ですらそう感じるのですから、日本以外の他国に資金を廻す選択肢がある方々にとっては、「なぜ、今、日本株に…」という疑問点を解消出来るまでは、なかなか目が向いてこないようです。仕方ないですけどね。
● 不満の矛先が「建築基準法改正」や「金融商品取引法」の導入などのタイミングと手順の悪さに向かっているのが現状で、基本的には八つ当たりの様相だとは思うものの、これらも好影響を与えているとは到底言えないのが事実なので仕方ないです。もう少し官僚や政府にしても「広報」のやり方に工夫があっても良いかなと…(^^;。もともと施行時にもっと思慮工夫があっても良かったのでしょうけど、それが十分でなくて「ハードランディング」させてしまったのだから、現時点で出来ることは、もっと市場や民間経済と「対話」することだと考えています。ホンマ、よろしゅうに頼みますよ!外国人投資家に向けて言い訳するのも、結構辛いものがあるんですから…(^^;。
● 一方で、これだけ日本株が嫌われものになると、天邪鬼でなくても逆を考えたくなります(^^;。あるヘッジファンドのFM氏の言葉が頭に残っているのですが、「Many are so comfortable shorting Japan」ということ。この方も、現時点で積極的に日本株に投資する理由が見付からないとしながらも、あまりにも日本株を嫌がる向きが多くなっている事実には、逆に警戒したくなるとの口調でした。ホント、その通りだと思います。
● 世界中の中央銀行が、サブプラ問題の波及を防ぐべく、じゃぶじゃぶに流動性を供給しているなかで、溢れ出た資金が商品や新興国市場に向かっているのは周知の通り。バブルへの警戒感が強くなっているのは当然ですが、逆に皆がバブルを警戒している分だけ、バブル破裂までは行かないかなとは考えています。とは言え、最後は嫌々にしろ日本株ぐらいしかもって行き場所が無くなる状態もあり得ると考えています。問題はそのタイミングが分からないこと。年内なのか、来年前半なのか、3年後なのか…。誰か教えてくれませんかねぇ~(^^;。一旦その方向に転がり始めたら、今は誰もが口にしない好材料が一気に噴出する状態になると予想しています。そうなると、「えっ、日本株って凄いの?」って雰囲気になる可能性もあるのです。ただ問題は、それが「いつ」になるのか分からないこと。結局、この先が見えない状況が、まさしく相場の嫌がる「不透明感」なんでしょうね。
● 何はともあれ、今週もあと1日です。頑張りましょう!
2007年11月14日(水) .... 大幅反発、「NY株高+円高一服」で9日ぶりの上昇
TOPIX : 1497.71 (+42.98, +2.95%) | 日経平均 : 15499.56 (+372.93, +2.47%) | 円ドル : 111.15 |
● NY株が急上昇し、シカゴ日経平均先物は大証比395円高の15435円。これで初っ端から大幅高は確定したようなものでした。問題は「NY株急上昇の翌日は寄り天」の経験則を打ち破れるかどうかってこと。今朝のSQ値を計算すると前日比291.65円高の15418.28円(9時25分確定)だったので、結果的に、この経験則は幸いにして当たらなかったことになります。TOPIXはザラ場高値がほぼ終値(ロイター画面では15時00分に高値、終値は15時01分)、日経平均は14時55分が高値と、いずれもほぼ高値引けでした。
● 東証1部値上がりは1526銘柄、値下がりは144銘柄と、一昨日のほぼ裏返しの「ほぼ全面高」。東証33業種では、鉱業だけがチョビマイナスだったほか、32業種が値上がり。ただ、これだけ前日比で跳ねた割には、東証1部出来高は前日比1億4851万株減の20億7086万株、売買代金は同1599億円減の2兆6472億円と、今一つ盛り上がりに欠けた格好。実際にザラ場の商いを見ていないので、どれだけ盛り上がりに欠けたかは良く分からないものの、数字はそう物語っている感じでした。日経平均の日中値幅は217.73円(前場177.49円、後場65.53円)で、特に後場は超小動きだった(模様)。日経平均VWAPは15449.73円でした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 少し心配だったことは、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、10日連続の売り越しでしかも大幅な売り越し(4230万株売り/2470万株買い)だったこと。欧州時間の終わり頃からNY時間に掛けての時点で、日本株の反発は読めていたでしょうから、それにぶつけて売りが出てきた感じがしないでもありません。
● 関連して、この2日間参加していた某シンポジウムでの話を少しだけ。何よりも印象的だったのが、日本株への興味が悲しくなるほど薄れているのと、中国・インドなどへの興味が尽きないのを目の当たりにしたってこと。日本株から資金が流出しているのは、もう秘密でも何でもなく、それに関する質問すら飛び交わない状況。つまり、「そんなの知ってて当たり前」というか、「既に情報ですらない基礎知識」って印象でした(^^;。まぁ、あまり書くと「アレ」ですから(日本語は「アレ」で済む(^^;)、この辺で止めて置きます。
● なお、日程的には明日が11月15日。つまり、12月末から逆算して45日目ってことになります。不安を煽る気持ちは一切無いのですが、ヘッジファンドは解約の事前通知期限があるのが普通で、毎月解約可能なファンドでも45日とか30日の事前通知が多いのです。まぁ、ギリギリ当日に通告というのはそれほど多くないかもしれませんが、一応、頭に入れておきたい要点ではあります。"30 day notice"だったら月末近くってことになるので、今月一杯はどうしても神経質にならざるを得ないとは考えています。草野グローバルフロンティア(私の大先輩です)の コメントが掲載されているロイターニュース をご参考に。
● 最後に、今日午後5時に日興CGから「株式交換契約の変更に関するお知らせ」とのリリースが出ています。表題だけを見てドキッとしたのですが、内容を見てみると、あの「37ドル」と「26ドル」が廃止となり、新たに「22ドル」の水準が導入されています。詳細は日興CGのHPに 当該リリース が掲載されているので、そちらをご覧下さい。明日、日興CG株に何が起こるかは、想像付きますよネ。マーケットウェイトの方は、良かったですネ。チョビアンダーの方は、見て見ぬ振りをしておきましょう(^^;。ゼロにしちゃった方は、苦虫状態で眺めるしかないっす(-_-;)。
2007年11月13日(火) .... これで8日続落、でも下落幅は小幅
TOPIX : 1454.73 (-1.67, -0.11%) | 日経平均 : 15126.63 (-70.46, -0.46%) | 円ドル : 110.10 |
● 今日は某シンポジウムに出席していたため、ザラ場で相場を見ていませんでした。ので、基本的に結果だけです。
● 東証1部出来高は前日比1億2453万株減の22億1937万株、売買代金は同2450億円減の2兆8071億円。今朝のSQ値を計算すると、前日比64.30円安の15132.79円。この辺でスタートしたものの、後場前半に日中安値を付けたところでは、TOPIXは前日比14.43pt安(-0.99%)、日経平均は同208.32円安(-1.37%)だったので、それなりに売りのフォロースルーがあったことが分かります。もっとも、前場も後場もチョコッとプラスになる局面もあったので、それほど心配することは無いのかもしれませんけど…(ザラ場を見ていないので雰囲気が良く分からない…(^^;)。
● 補足する意味も込めて、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。プラス水準になりそうで押し戻された、って感じでしょうか。
● 日経平均の日中値幅は246.79円(前場182.20円、後場230.29円)と比較的大きい目。東証1部値上がりは718銘柄、値下がりは897銘柄でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、9日連続の売り越し(2910万株売り/2190万株買い)でしたが、フローは減少気味。なお、今日も東証マザーズはプラス(+1.55%)で、大証ヘラクレスもプラス(+1.62%)で引けています。ちなみに、マザーズやヘラクレスは一部銘柄の頑張りでこうなっているのですが、ジャスダック総合指数はこれで11日連続下落。一概に「新興市場」と言えないところがあります。
● 某ベテラン市場筋氏によると、第二次世界大戦後の日経平均の続落記録では、「10日以上の続落は、わずかに5回。9日続落が7回。8日続落が12回」とのこと。つまり今日の続落で「8日続落は13回」になったってこと。こういう記録を書くようになると、大体、止まるんですけどねぇ~(^^;。
● そうそう、訂正が1件。昨日NY株式が祝日と書いたのですが、債券は祝日で株式は通常取引でした。スミマセンでした。この本当ではない祝日扱いは、いつも惑わされます(^^;。読者の方々におきましても、「間違いはある!」と考えて置いて頂ければ幸いです。一番良いのは自分の目で確かめること。基本的に株式はNYSEのスケジュールなので(債券や為替は違う)、NYSEの 「NYSE Euronext Holidays & Hours」 をご覧頂ければ明記してあります。このページの存在は知っていたのですが、ちょっとチェックするのをサボったというか…(^^;。
● えっ?シンポジウムの話ですか?明日もあるし、あまり詳細を書くと「アレ」なので…(^^;。
2007年11月12日(月) .... 米株安+円高のダブルパンチで大幅安、年初来安値更新(7日続落)
TOPIX : 1456.40 (-37.95, -2.54%) | 日経平均 : 15197.09 (-386.33, -2.48%) | 円ドル : 110.20 |
● 前週末の米国株が大幅安でシカゴ日経平均先物は対大証比で約300円安。為替も110円台となると、ある程度の「覚悟」はあったと思います。皆が語り始めた8月安値(8月17日、瞬間風速で15262.10円、終値で15273.68円)があったものの、寄付き後すぐにこの水準を割り込み、午前10時前には一段安。ただ、そこからはさすがに多少は戻り歩調。ところが後場に入る前から為替が109円台突入の雰囲気になってくると(実際に12時40分頃に突入)、もう耐え切れなかった格好。アレヨアレヨという間に日経平均の下げ幅は500円を上回り、アレヨアレヨという間に1万5000円割れまで突っ込んでしまいました(ホンの一瞬だったけど)。一巡後はジリジリと戻し歩調になったとは言え、腰が入った感じの買いではありませんでした。
● TOPIXのザラ場安値は前週末比54.06pt安(-3.62%、12時46分)で、日経平均のザラ場安値は同584.91円安(-3.75%、12時47分)でした。つまり、後場初っ端にかなりの安値を付けた後に、それなりに戻ったことも分かります。ただし、今朝のSQ値を計算すると同334.38円安の15249.04円(9時30分確定)だったので、その後、かなりのフォロースルーの売りが出ていたことも分かります。結局、あっさりと8月安値を割り込んで年初来安値を更新となってしまいました。水準的には「えぇところ」まで来たのはチャートを見れば分かります。ただ、水準的なこと以上に考慮する必要があるのはタイミング。今が逆張りのタイミングかどうかは、かなり悩ましいところです(^^;。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。実は見てもあまり迫力のある日中足ではないのですが、後々に振り返ることもありそうですから…。
● TOPIXも日経平均もこれで7日続落。某ベテラン市場筋氏によると、最高記録(最悪記録かな?)は「15日続落」で、1954年4月28日~5月18日で期間中の下落率は-7.89%だったとのこと。つまり、7日続落程度だったら、まだ記録帳に掲載されるほどではないようですが、それでも厳しいことは厳しいです。今晩はNY市場は休み(Veterans' Day)なので、海外市場をそれほど気にせずに出来る地合いになっても良かったのでしょうが、そんな雰囲気ではありませんでした。
● 今日の下落の原因追求はストラテジスト諸氏に任せるとして、マーケットを見ていて感じるのは、「去っていく方々」が多いこと。これは今日だけの話ではなくて、8月のバリュー崩落の頃からの風景ですが、足元の2週間ほどで加速している印象があります。どうしてそう感じるかと言えば、反発するべきところでの反発力が弱い一方、売り材料が出た時の売られ方が普段以上に厳しいこと。日本株市場には、もともとこの傾向があったのですが、最近はファクター分析をしていても、それを良く感じるようになってきています。さらに、外国人投資家(主にFM連中)と話をしても、日本株への興味の薄れ方は半端ではありません。バッシングする興味すら感じないという風情すらあるのは、背筋に寒いものを感じるほどです。単に今の季節だからだと良いのですが、もっと長期的なものの可能性が十分にあるだけに、個人的にはかなり心配しています。
● 記録。東証1部出来高は前週末比2133万株増の23億4390万株、売買代金は逆に同919億円減の3兆0521億円と、指数がかなりブレた割には、あまり出来高が盛り上がったって感じではありませんでした。東証1部値上がりは112銘柄、値下がりは1579銘柄で、文句なしに「全面安」。東証1部33業種指数も全て値下がりで、この点からも「全面安」でした。日経平均VWAPは15139.62円、日経平均の日中値幅は388.29円と大きく、前場が247.54円、後場が198.58円でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し継続(3810万株売り/3450万株買い)と比較的少なめ。今晩の米国が祝日というのが影響したのかもしれません。そうそう、東証マザーズ指数は前週末比+0.36pt(+0.04%)とホンの少しながらプラスで終わっています。
● 話題変更で、指数ヲタク向けの業務連絡。大引後にヤマトインターナショナル(8127)の東証1部昇格が発表されています。東証1部指定日は11月19日、TOPIX算入は12月末です。東証HPの 「一部指定・市場変更・指定替え会社一覧」 にてご確認ください。
● もう一つ話題変更。市場筋の間でも話題になっていたのですが、昨晩のNHKスペシャル、 「ヤクザマネー~社会を蝕(むしば)む闇の資金~」 は、土地絡みの融資の話かと思っていたところ、意外に株絡みの話で興味深い内容でした。私は証券業界の人間なので市場のことはそれなりに知っているし、出てきた話が全てではないと理解できるのですが、何も知らない方が見たら「新興市場って、いったいどんなとこや?」なんて考えてしまいそうな面もありました(^^;。また、「金に色はない」というのと、反社会的勢力が市場に入ってくるのをどう防ぐのかのせめぎ合いは、難しい色々な問題をはらんでいるのも、改めて認識。今晩、再放送があります。火曜日早朝午前1時05分~54分ですから、見逃した方はビデオ/HDD/DVDのご用意を(^^;。
● ご連絡。明日、明後日と某シンポジウムに参加するため、場中はオフィスに居ません。早朝と夕方以降はオフィスに戻っているのですが、場を見ないで書くのも変なので、このコメントもお休みさせて頂きます(記録だけは書くかも)。あらかじめご了承ください。
2007年11月09日(金) .... 大幅続落、サブプラ疑心暗鬼で8月17日以来の安値
TOPIX : 1494.35 (-22.59, -1.49%) | 日経平均 : 15583.42 (-188.15, -1.19%) | 円ドル : 112.55 |
● 今日はミニSQ。寄付き前からExcel上の日経平均速算値は大幅安だったものの、これはいつものこと(^^;。最後にお約束の大口バスケットが飛び交って、結局SQ値は、前日比87.17円安の15684.40円。ほぼCME日経平均先物(大証比70円安)で説明できる範囲に収まり、いつも通りの「波乱なし」でした。DOWA HDが最後まで寄らなかったのですが、ストップ安の気配になった時点でSQ値としては計算上は確定。また、市場筋推計ではSQ関連売買は約1億8000万株、3000億円程度との推計でした。一方、前後場の売買代金分布は前場が49.03%、後場が50.97%と、あまりSQっぽい1日ではありませんでした(^^;。
● SQ後の相場。今日も「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(3460万株売り/2270万株買い)で、NY株安などもあって慎重なムードが蔓延。SQ売買が一巡してからは指数はプラス転換する局面もあるにはありました。特に何か理由があったというよりも、全体的に買戻しムードだったイメージで、先物が動いたのに追随した格好。ただ、プラス転換してもフォロースルーが乏しいというか踏ん張りが効かず、10時半前からはスルスルと下落して前場を終了。
● 昼休みの立会外バスケット取引が買い越し気味だったことなどから、後場に入って再びジリジリと戻し歩調となる局面もあったのです。ところが、今度は午後2時半頃に日経ニュースで(QUICKに流れた?) 「みずほ証券、サブプライム損失1000億円超・新光と合併延期へ」 と流れ、みずほFGを筆頭にメガバンクがスコーン。再度サブプラ疑心暗鬼に陥ってしまい、市場全体も安値圏で大引け。どうも何かあれば下落、という地合いは変わりませんでした。このニュースにしても、日経のサイトに掲載されたのは午後4時過ぎ。QUICKには午後2時半頃に流れたようです(私自身はQUICKを持ってないので詳細不明(^^;)。何となく、好材料に反応するのではなく、わざわざ悪いニュースを探して売りに行く地合いでした。
● 今日は日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。下がる過程で出来高が増加している様子がご覧頂けるかと…。
● これでTOPIXも日経平均も8月17日以来の安値水準。つまり9月安値を割り込んでしまい、あそこが「二番底」との認識をぶち壊してしまいました。1987年のブラックマンデーの時も、11月11日に厳しい下落がもう一度あって、さらに年末年始にドカンと下がってから復活歩調に戻ったのをよく覚えているのですが(当時、担当常務が若手社員を北新地に連れて行ってくれたのでよく覚えている(^^;)、今回も時間的なイメージを含めて、多少重なる感じがします。経済状況とかは全然違うのですけど…。それはともかくとして、今日の下落はテクニカル的にはその「二番底」をぶち壊してしまった点でインパクトがある格好になってしまいました。ちなみに、「以来」の安値を付けた8月17日は、TOPIXが前日比87.07pt安(-5.55%)、日経平均が前日比874.81円安(-5.42%)という、かなり壮絶な1日でした(^^;。
● 一歩下がって考えてみても、サブプラ問題に一応のケリが付くのは、主要銀行が決算発表を終えて「憶測」→「事実」になるのを待つしか無さそうな雰囲気です。Bloombergで見ると、国内メガバンクの決算発表予定日は、MUFGが11月21日、みずほFGが11月14日、SMFGが11月19日。来週は日経などに今日のような観測記事が増加する可能性があるでしょうから、この辺の銘柄群は神経質な展開が続くかもしれません。ただ、「事実」が出てしまえば、そこで相場が一番嫌う不透明感はある程度、払拭できるはず。それが「ある程度」でなくて、「根本的」に払拭できるようであれば、また展開も変わってくるはずです。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億3188万株減の23億2257万株、売買代金は逆に同974億円増の3兆1440億円。ただ、ミニSQだったことを考えると、あまり多くなかったことが分かります。売買単価は前日比112.41円高の1353.67円でしたが、これはSQ日の特徴的な傾向です。一方、東証1部値上がりは537銘柄、値下がりは1074銘柄で、それほど「全面安」という感じではなかったのが不思議といえば不思議。相場の雰囲気はもっと悪かったように感じました。日経平均採用銘柄のVWAPを集計して計算した日経平均VWAPは15694.96円、日経平均の日中値幅は268.85円(前場250.21円、後場194.49円)と、最近にしてはソコソコ動いた1日でした。
● あまり楽しくない1週間でしたが、ようやく週末。ゆっくりとお休み下さい。良い週末を!
2007年11月08日(木) .... 大幅続落、米国株安+円高+サブプラ懸念など…
TOPIX : 1516.94 (-39.75, -2.55%) | 日経平均 : 15771.57 (-325.11, -2.02%) | 円ドル : 112.70 |
● 朝からNYと為替を見てどよ~ん。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅な売り越し(5810万株売り/2740万株買い)で一段とどよぉ~~ん。寄付き前からExcel上の日経平均速算値は前日比600円超安で推移。CME日経平均先物の水準を見る限りでは、「そこまでないやろぉ」と考えながらも、大幅安は避けられない状況でした。今朝のSQ値を計算すると、前日比320.69円安の15775.99円(9時41分確定)。朝方の売り一巡後に、この水準を上回れるかどうかに注目していたのですが、瞬間的に上回った局面はあったものの、基本的にはここを上回れないまま推移。逆に一時的にしろ、朝方の「そこまでないやろぉ」の水準近辺まで下落する羽目に陥ってしまいました。「米国株大幅安+円高+サブプラ疑心暗鬼」の三点セットにはかないません、ホンマ。
● TOPIXの日中安値は前日比52.72pt安(-3.39%、13時21分)まであり、日経平均は同470.62円安(-2.92%安、13時22分)までありました。東証1部の出来高/売買代金を見る限りでは、まだ前日比で20%程度の増加にとどまったことで、商いが殺到しているというよりも、買い手控えのなかで売られている印象でした。どちらかというと諦めの気持ちもあったと思います。これだけ下落すると保存しておく必要がありそう(^^;なので、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 普段はこういうときに買いに行く年金資金にしても、バリューが今一つ効かない状況だと、積極的に安値を拾う雰囲気になるのも難しい状況。ただ、安値が付くのは古今東西、「八方ふさがり」で「絶望感」に満たされている時。今がそれかどうかは分からないとしても、下がればそれなりにリバウンドのチャンスも広がるかと…(^^;。こういう時こそ楽観的に考えないと!
● 記録。東証1部出来高は前日比4億0810万株増加の24億5445万株、売買代金は同3032億円増の3兆0466億円。東証1部値上がりは128銘柄、値下がりは1565銘柄で、今日は文句無く「ほぼ全面安」状態。TOPIX500銘柄のなかで52週高値を付けた銘柄はさすがに無かったものの、52週安値銘柄は85銘柄と、それほど多くはありませんでした。安値銘柄は、アドバンテスト、東京エレクトロン、NTTデータ、あちこちの銀行株、ヤマトHD、オリックス、信越化学、積水ハウス、大和ハウス、村田製作所、リコーってなところ。システム運用系だと、見覚えがあるような銘柄ばかりだと思います(^^;。日経平均の日中値幅は265.17円(前場が191.94円、後場が158.14円)、日経平均VWAPは15731.95円でした。
● 今日は東証1部がメタメタだったのに対して、東証マザーズが+3.42%、大証ヘラクレスが+1.54%、JASDAQ指数は-0.26%と、新興市場が軒並み東証1部を大きくアウトパフォーム。このところ、新興市場が東証1部系と逆の動きをすることが度々あります。単に資金を「東証1部→新興市場」と動かしているのか、もっと大きな潮流が流れているのか、注意しておきたいところです。
● 話題変更。サブプライム問題がくすぶり続けるなか、欧米金融当局は引き続き流動性の供給を続けています。いわばジャブジャブの資金があることで、それが株式に向かわず、商品に向かってしまっているのは明確。原油高などは、ある意味で各国が容認するという「暗黙の了解」があるのかも、とうがった見方をしてしまいます。地球温暖化への対応として、京都議定書で議論するよりも、原油が上がってしまって化石燃料の消費が落ちることで、自然と二酸化炭素削減という副作用が発生することになります。良い例がトヨタのプリウス。発売当初は割高感を指摘する声もあったのを覚えていますが、今となってはタクシー会社が採用する時代。もちろん量産効果もあったでしょうが、それ以上に原油高に伴う燃料費高騰が背中を押したのは間違いないんです。他にも電気自動車や燃料電池などの開発も、化石燃料の高騰があってこそペイします。こう考えてしまうと、短期的なトレンドではない可能性も頭に入れておかなくては…なんてふと考えてしまうのです。
● 最後に、こんな日ですから、指数ヲタク向け情報番外編。香港ハンセン指数の銘柄入替が昨日発表されています。 リリースのPDFはこちら です。ほぉ~って感じで眺めておきましょう(^^;。PetroChinaですか…。
2007年11月07日(水) .... 前場堅調も後場腰砕け、指数以上に下げた印象
TOPIX : 1556.69 (-17.90, -1.14%) | 日経平均 : 16096.68 (-152.95, -0.94%) | 円ドル : 114.00 |
● 今日は飲み会があったので更新が遅くなりました(^^;。
● 朝方は堅調に推移したものの、後場に入って雰囲気が変化。さらに為替が円高方向に進みだすと、もうジリ貧を押し止める要素が無かった感じ。東証1部値上がり銘柄226に対して値下がりは1420銘柄にも達して「ほぼ全面安」状態。指数以上に下落した雰囲気があった1日でもありました。もっとも、見ている銘柄群によって印象が異なったでしょうけど…。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 最近は後場に入って相場が変わる日が多いように感じます。欧州勢でしょうかね?朝の外資系寄付前売買動向でも、最近は欧州系証券経由の売りが目立つとのコメントが付いている日が多く、先週からこの傾向が続いています。本当に「欧州年金」の売りかどうかは分かりませんが、最近のバリューの「儲からなさ」をあわせて考えると、日本株から去っていく方々が増えているような気がしてなりません。
● 今日も、商社や海運、非鉄など、一見するとバリュー銘柄がまぉまぁだったにもかかわらず、リスクモデルで見るとバリューは冴えない展開でした。某信託FM氏がボソリと、「先月はパッシブファンドが一番成績が良く、エンハンストもアクティブも負けている。どうなってるんでしょうかねぇ~」とおっしゃっていたのですが、似たような状況はあちこちで発生しているようで、難しい相場です。
● 記録。東証1部出来高は前日比7531万株増の20億4635万株、売買代金は同919億円増の2兆7434億円。今朝のSQ値を計算すると、前日比96.95円高の16346.58円で、これはザラ場の指数高値16326.58円を20円ほど上回る「幻のSQ値」状態。ここからケチが付いたって感じでした(^^;。日経平均VWAPは16225.30円、日経平均の日中値幅は245.55円(前場57.58円と超小動き、後場は183.11円)でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(3500万株売り/2240万株買い)でした。
● 相場も面白くないので雑談。 「新井がFA権行使へ…阪神入り?」 (デイリースポーツ)、 「広島・新井、FA権行使へ 8日に会見 阪神移籍が有力」 (サンケイスポーツ)とのこと。よっしゃ!これで打てない打線から少しは変わるのでしょう。広島からばかり人を採ってる印象が避けられない(^^;んですが、阪神は日本ハムともニーズが合うというか、よくトレードを行っています。やっぱり相性があるんでしょうね。広島も黒田投手と新井選手が抜けるとなると大変だろうけど、逆に言えば若手にとってはかなりのチャンス。うまく生かす若手選手が出て来ると、阪神ファンとしても多少は罪悪感が薄れるというか…(^^;。その意味で、密かに広島を応援していたりします(^^;。
2007年11月06日(火) .... 売り買い交錯でほぼフラット。MSCI 定期四半期リバランス発表
TOPIX : 1574.59 (-0.54, -0.03%) | 日経平均 : 16249.63 (-19.29, -0.12%) | 円ドル : 114.60 |
● 米国株式が神経質に軟調だったなか、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な売り越し(6250万株売り/2720万株買い)。株数ベースで差引3000万株超の売り越しは2007年2月28日(6020万株/2190万株で3330万株売り越し)以来とのことと伝わり、市場には緊張感が漂う状態で寄付き。しかし、実際にはスコンと安かったあとは戻り歩調になり、前引け間際から明確にプラス転換。後場に入ってからもプラス領域の推移だったものの、引けに掛けてジリ貧で再びマイナス転落。
● ただ、東証1部値上がりは1016銘柄で値下がりは588銘柄と、これだけを見ると日経平均で100円高程度でもおかしくない状況でした。ソフトバンク(9984)だけで日経平均を21.6円ほど押し下げていた(TOPIXを0.55ポイント押し下げ)のを考えると、ソフトバンクが無ければチャラだったかも…(^^;。その一方で、この2日間でTOPIXが50ポイント、日経平均にして600円強下落したことを考えると、上値の重たさというか、反発力の乏しさも意識せざるを得なかったのも事実でした。感触的に、最低でも3分の1程度は戻しても良いところだと思うのですけどネ。今日の日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別銘柄だと、ここ数日間、「何でそこまで売らなあかんねん?」状態だった鉄鋼、商社、海運などが戻し歩調。ただし、全面高ではなく、鉄鋼ではJFEがマイナスだったし、非鉄は途中はプラスだったのに、終わってみれば軒並み2.5%超の下落。商社でも三菱商事はマイナスだったし、今一つ勢いに乏しい展開でした。皆が不安感を抱いている銀行株についても、全体には落ち着いてきたと言えばそうかもしれないけど、上値が重たいというか慎重なムードは変わらず、決して手放しで喜べるような状況ではありませんでした。シティ(C)のチャートを見れば、やっぱり不安になりますよねぇ(^^:。一方、お騒がせセクターの消費者金融は一部銘柄をGSがアグレッシブ格上げしたことで堅調。ただ、こちらも上昇率にはかなりの差があり、これまでとは少し雰囲気が違っていた印象でした。まぁ、「明日は明日の風が吹く」がテーマみたいな相場が続いているので、あまりこだわっても仕方ないのかも知れませんけど…(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比3452万株減の19億7104万株、売買代金は同98億円減の2兆6515億円と、ほぼ昨日と同水準。今朝のSQ値を計算すると、前日比131.05円安の16137.87円、日経平均の日中値幅は209.53円(前場が209.53円、後場が100.89円)でした。また、日経平均VWAPは16265.34円でした。今日目立ったのは、新興市場の下落だったでしょうか。東証マザーズ指数は-6.62%、大証ヘラクレス指数は-2.96%、JASDAQ総合指数は-1.37%と、軒並み東証1部と比較すると大きな下落でした。マザーズのチャートには少し注目しておきたいところです。あまり雰囲気が良くない状態で終わっていますから…。
MSCI 指数 四半期定期見直し
● 指数ヲタク系の話題。日本時間の早朝にMSCI BarraからMSCI指数の四半期定期見直しが発表されました。詳細は MSCI BarraのHP を参照して頂くとして、ざっくりと大枠(Standard指数の話です)を書いておきましょう。今回は新指数計算方法への移行第一段階なので、ピュアな新規採用/削除と、移行段階としてウェイトの50%分が新規採用に採用されたり、逆に削除されたりが混ざっています。前者のピュアな新規採用は4銘柄、削除は5銘柄(下記参照)。
新規 | コスモ石油(5007)、大和工業(5444)、アーバンコーポ(8868)、スクウェア・エニックス(9684) |
削除 | 東洋紡(3101)、住友ベークライト(4203)、パーク24(4666)、大日本スクリーン(7735)、日立キャピタル(8586) |
● さらに、新計算方式への移行に伴う50%ウェイト分の新規採用が17銘柄あり、50%ウェイト分の削除が44銘柄あります(これはいちいち抜き出しません(^^;)。また、FIF変更や指数採用株数の変更などが細々とあって(これは非公開情報)、なんやかんやで11月末は楽しくなりそうな雰囲気です(11月30日終値基準で入替え実施)。なお、全部をひっくるめて計算すると、日本株は資金流出になる予定です(それほど巨大な額ではなさそうだけど…)。
● 新指数計算方法への移行については、前々から予想されていたように、業種の中規模銘柄のウェイト変化がかなり発生します。この辺は、各社からレポートが出て来ると思うし、そのうちネットでも入手できるようになるでしょうから、それらを参考にして頂ければ幸いです(と私はサボる(^^;)。今日も関連銘柄が動いていたのですが、まだ約4週間弱も先の話ですから、参加するにしてもタイミングがキーになります。いくら考え方が正しくて銘柄もばっちりだったとしても、タイミングが悪ければ儲かりませんから。個人的には、ウェイト変化の上位銘柄、下位銘柄でロング/ショートバスケットを組んでウォッチしておこうと考えています。
● 復習ですけど、今回の新計算方式への移行は二段階で実施され、今回の11月末分が第一段階、そして第二段階が来年5月末に実施されます。来年5月分は5月初めに内容が発表される予定ですが、もともと、5月リバランスは調整リバランスではなくて本格的なリバランスであるうえに、ちょうど5月のゴールデンウィークのところに発表がぶつかる可能性が高いので、頭の片隅に入れておきたい事柄です。もっとも、今回の第一段階での動きが参考になるでしょうし、TOPIXの浮動株基準化のときもそうだったように、50%ずつ実施とは言いながら、実際には初回のインパクトが大きく出る傾向があるので、今回もとても重要になります。指数ヲタク系にすると、何かとワクワクの1ヶ月です(迷惑だと考えている方々もいらっしゃるでしょうけど…(^^;)。
2007年11月05日(月) .... 大幅続落、不透明感が次から次に押し寄せ…
TOPIX : 1575.13 (-25.04, -1.56%) | 日経平均 : 16268.92 (-248.56, -1.50%) | 円ドル : 114.75 |
● ある程度軟調なのは予想していたものの、後場初っ端の下げ方にはやや悲壮感もありました。鉄鋼・非鉄・商社・海運など、これまで曲りなりに相場を引っ張ってきたセクターが売られる一方で、小売り・電鉄などの足を引っ張っていたセクターが堅調。多くの投資家にとって股裂き状態に陥ってしまい、TOPIXや日経平均で見るよりも厳しい1日だったと推察します。今朝のSQ値を計算すると、前週末比66.70円安の16450.78円。実際のマーケットも、前場はこの水準よりも少し安いところで推移していたのです。ところが、後場寄付きにスコンと売られてしまい、アレヨアレヨの大幅安。TOPIXは-29.26ポイント(-1.83%、13時20分)、日経平均は305.69円安(-1.85%、13時09分)までありました。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 背景として、サブプライム問題の拡大とかの言い方が多かったし、実際、それは間違いではないのでしょう。でも、今日の相場内容を見ると、もっと直接的には日本株から去っていく方々がいらっしゃるような風景にも見えました。業績面で安心感があると考えられていたセクターは、言葉を換えて言うと、多くの皆さんがロングしているセクター。そこが下げを先導するような状態は、相場の方向性というよりも、投資家が相場から出て行く(資金が逃げていく)様子を連想させてしまいます。
● 市場筋の間では、後場に「欧州年金売り」との観測も流れていたのですが、それが本当かどうかは分からなくても、空売りではなくて、誰か「持っている人が売った」との雰囲気は濃厚。同じ時間帯に日経平均先物で大口売り爆弾が断続的に爆発したものの、それが単純に裁定解消売りを引っ掛けたのだったら、もっと総花的に売られるはず。そうでなかったということは、大口の売りを受けた向きがヘッジで先物を売ったように見えました。まぁ、市況解説だと「仕掛け的な売り」と書くでしょうけどネ…。
● 他には、午後はアジア株の下落が嫌気、なんて見方もあったようですが、それ以上に日本国内の状況が深刻に感じざるを得ない1日だった印象。海外から見たら「日本の政治リーダーシップはどないなっとるねん?」と思うのも無理ないところかも知れません。もう一つ八つ当たりとして、朝日新聞に掲載された 「日銀、銀行保有株売却を開始 10月は488億円分」 の記事も悪役にしておきましょう(^^;。日銀が売るのは既知だとしても、今のマーケットにおいて、需給的に良いニュースのはずがありません。もっとも、この下げ相場でバカスカ売っているとは全然考えていませんけど、まぁ、スケープゴートとしてはタイミング良しって感じです(^^;。
● ちょっと気になったので、直近で高値を付けた11月1日の終値から今日の終値までで、TOPIXへの指数寄与度ランキングを出してみました(Bloomberg ProfessionalのHMOVで計算)。この期間中、TOPIXは-44.94ポイント、-2.77%です。
プラス寄与 | マイナス寄与 | ||
松下電産 | +1.156 | 三菱東京FG | -5.415 |
第一三共 | +0.928 | 三井住友FG | -2.781 |
NTTドコモ | +0.695 | みずほFG | -2.515 |
東京電力 | +0.488 | 三井物産 | -1.621 |
関西電力 | +0.454 | 任天堂 | -1.461 |
中部電力 | +0.432 | トヨタ自動車 | -1.458 |
アサヒビール | +0.386 | 三菱重工 | -1.181 |
コニカミノルタ | +0.374 | 新日鉄 | -1.054 |
JR東日本 | +0.361 | 伊藤忠 | -0.949 |
キヤノン | +0.337 | コマツ | -0.900 |
計算期間:2007年11月1日終値~5日終値 単位:ポイント 計算はBloomberg Professionalを使用 |
● 改めて言われるまでもなく、メガバンクがヒドイ状態です。3銘柄で-10.711ptも寄与しています。ただ、その下は三井物産、任天堂、三菱重工、新日鉄、伊藤忠、コマツなどは、ちょっと前は相場を引っ張っていた側。それが足を引っ張る側になってしまっているのが、この2日間の相場です。相場全体にもう少しエネルギーがあれば、「押し目買いチャンス」と言えるのでしょうけど、資金が抜けていくマーケットでは反発力がどうしても控えめになるきらいがあり、その点が心配。また、それが分かっているから、買いが入り難い状況になっているんでしょう。ただ、そうは言っても、どこかで反転するはず。問題はそのタイミング。それが難しいのですよネ(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前週末比7775万株減の20億0556万株、売買代金は同3831億円減の2兆6614億円。東証1部値上がりは270銘柄、値下がりは1376銘柄で、金曜日よりは多少マシになったものの、引き続き「ほぼ全面安」状態。日経平均の日中値幅は246.35円だったものの、前後場に分けると、前場が105.71円、後場が90.63円と、昼休みギャップが発生したことが分かるし、ギャップ以外は比較的小動きだったことも分かります。日経平均VWAPは16316.49円、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(4230万株売り/4130万株買い)、市場筋によると金額では小幅買い越しだった模様。
● 話題変更。今日、シティグループ(8710)が東証1部に上場しました。昔だったら「外国部」という言い方をしたのでしょうけど、今は外国株も東証1部です。ただし、これらはTOPIXには採用されない東証1部銘柄です。以前、東証に問い合わせたのですが、TOPIXに入るかどうかの線引きは上場の区分。TOPIXに入るのは「第一部」の銘柄で、「第一部(外国部)」は入らないと決まっており、「(外国部)」扱いになるかどうかは、「主体会社の根拠法を基に判断している」とのことでした。ということで、シティグループ株はTOPIXには入りません。まだ先の話ですが、もし最後の最後まで日興CG株を持っていてシティ株に交換されたとしても、多くの日本株ファンドにとっては、運用上は「不要」ってことです(^^;。
● 日興CG株の今後の予定についても復習。日興CGは先週末に東証の監理ポスト割当が解除され、普通の銘柄になっています(東証発表文章はこちら)。このリリースに上場廃止予定日は2008年1月23日と明記されています。一方、今年12月19日に予定されている日興CGの臨時株主総会で株式交換が決議されたときに株式交換が確定し、整理ポスト割当になってTOPIXから抜けると想像できます。臨時株主総会の翌日、12月20日から整理ポスト割当と想定すると、TOPIXからの除外日は「整理ポスト割当日の翌々営業日」と決まっているので、翌日12月21日(金)終値が基準値となり、週明けの12月25日(火)にTOPIXから抜ける格好になりそうです。これで整理ポストで1ヶ月売買して来年1月23日から上場廃止というのは、スケジュール的にぴったりです。念押しですが、上記はまだ東証から何も発表がない状態ですので、確定した事項ではありません。為念。
● もう一つ指数ヲタク向け業務連絡。日本時間で明日早朝、MSCIの四半期リバランスが発表されます。特に大きな動きはないと予想していますが、一応、頭に入れておいてください。リリースは MSCI BarraのHP へどうぞ。
2007年11月02日(金) .... 大幅反落、米国株急落に"素直"に反応
TOPIX : 1600.17 (-35.61, -2.18%) | 日経平均 : 16517.48 (-352.92, -2.09%) | 円ドル : 114.45 |
● 朝起きてニュースを見た時点で、今日は初っ端から300~400円安は多くの方が覚悟したでしょうから、その点はノーサプライズ。問題は、朝方安くなってから、切り返すことが出来るかどうかでした。その結果は、「うぅ~~ん」って感じ(^^;。寄付の売りが一巡してからドカンと下に行かなかったのは確かだったものの、戻りというには寂しい程度。しかも、戻りのピークは昼過ぎで、その後はジリ貧で大引け。今朝のSQ値は前日比359.84円安の16510.56円、日経平均VWAPは16541.95円と、途中の戻しはあったものの、結局は寄付きドカンと売られた水準まで押されて引けてしまったのが分かります。まぁ、米雇用統計などが気になりだすと、仕方ないと言えば仕方ないのですけど…(^^;。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● さすがにNY株安のネタがネタだっただけに、銀行株の売られ方はかなりエグイものがありました。また、この数日間、パフォーマンスが良かった自動車もメロメロで、不動産も駄目マーク。一方で食品(主にビール)、電力・ガスなどはディフェンシブ性を存分に発揮。ネット系企業も堅調で、東証1部ではヤフーが+3.48%。実は、マザーズ指数も今日はプラス(+0.53%)で終わっています。この辺は、解釈の仕方が難しいところです。
● 一方、日興CG(8603)の話。というか、シティ(C)の話。昨晩のNY株式市場で、シティは-8.09%と大幅安したのは承知の通り。株価は38.51ドル(前日比3.39ドル安)まで下落。ザラ場では38.13ドルまでありました。何でこんなことを書くのかと言えば、言うまでも無く、日興CGとの株式交換条件にある「37ドル」に近付いてきたから。これまでは「大丈夫やろ…」とノホホンと考えていたとしても、昨晩の下落で一気にこの水準が真実味を帯びてきたというか…(^^;。今日、日興CG株が久しぶりにスコンと下落したのも、この辺の心理・認識の変化の結果でしょうね。
● もしこの37ドルを下回っても、37ドルとして計算されて日興CG株とシティ株が交換されてしまうので、これを日興CG株主の立場からすると、安くしか交換してもらえないことになります。当初は「1700円相当」という言葉が一人歩きしたので、1700円のTOBと勘違いしている方もいらっしゃったかも知れません(^^;が、これが違うんですよねぇ~。運用担当者としては、ウェイトがソコソコある銘柄(TOPIXで19bp程度)なだけに、ニュートラルでベタベタにしておくしか対応策が無い感じ。なお、「37ドル」の下は「26ドル」で、シティの株価がここを下回ってしまうと株式交換契約が解除になる可能性が出てきます。為念。この辺のことは、全て日興CGのニュースリリース(http://www.nikko.jp/GRP/news/bn_grp/index.html)に掲載されています。ご確認下さい。
● ご参考にCitigroup(C)の日足(3ヶ月)を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 記録。東証1部出来高は前日比1155万株増の20億8831万株、売買代金は同1354億円増の3兆0445億円で、若干増えたもののほぼ昨日と同水準。東証1部値上がりは239銘柄、値下がりは1423銘柄で「ほぼ全面安」。日経平均の日中値幅は170.19円(前場が170.19円、後場が132.72円)と、前日比で大きく動いた割にザラ場は小動きでした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの売り越し(5630万株売り/4810万株買い)でした。
● 何となく疲れた1週間も終了。グッと肌寒くなってくるとのことで、いよいよ紅葉の季節。せっかくのドライブの季節なのに、昨晩、自宅近くのガソリンスタンドでは、レギュラー148円、ハイオク158円でした(10月31日には140/150円だった)。でも、ニュースなどを見ると、これでも「マシ」なんですネ(^^;。良い週末を!
2007年11月01日(木) .... 堅調、利下げ受けた米国株高を素直に反映
TOPIX : 1635.78 (+15.71, +0.97%) | 日経平均 : 16870.40 (+132.77, +0.79%) | 円ドル : 115.35 |
● FEDは事前予想通りの利下げ。米国株が堅調だったことを素直に好感する格好で、東京も日中通して堅調な展開でした。上値はちょっと抜け切れなかった感があったものの、昨日の揺れ戻しでバリューやグロースがソコソコ堅調だったこともあり、雰囲気は悪くありませんでした。ただ、何となく方向感が定まらない印象は拭えなかったですけど、これはズッとそうですから…(^^;。今日の日経平均の日中値幅は91.49円(前場が62.34円、後場が91.49円)にとどまり、10月2日に86.29円だった以来の100円割れでした。今日は日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。特に前場は膠着していた様子がご覧頂けるかと…。
● 決算発表が本格化してきたこともあり、指数は動かなくても、個別銘柄ベースではドカンと上がったり、下がったりが忙しい展開(^^;。横河電機(6841)がストップ安(-13.86%)になったり、オルガノ(6368)がザラ場中の下方修正を受けて急落したり(-12.57%)…。一方で、日本精工(6471)は昨日午後からの動きを引き継いで大幅続伸(+11.57%)になったり、アイシン精機(7259)もズイッと上昇。これで7200番台全体に活気付いた感もありました。ただ、海運が「あれだけの決算」を出してから全く駄目で、今日も大幅安。商社や鉄・非鉄はまぁまぁだったので、余計に海運の下落が目立つ展開でした。
● ファクター面から見れば、昨日の歪みの揺れ戻しが出ていた1日。ただ、その度合いは昨日を100とすると、今日の戻しは50~60程度のイメージ。全てを取り返せなかった点を考えると、やはり何らかのポジション解消があった、と考える方が筋が通ります。月末で解消するのは、ヘッジファンドなどで「解約通告」が1ヶ月なり1ヵ月半前にあった場合、それなりに発生する事象です。解約通告があった時点で速やかに解消売りしてしまう場合も多いのですが、結果的に解約に使われるNAV(基準価格)は月末値の場合が多いので、最後まで引っ張ってそこで解約することもあり得るのです。今回の場合は、前者だとすると1ヶ月前通告による解消売りだったのか、それとも10月末NAVでの解消売りだったのかは分かりませんが、11月も一応注意が必要です。
● 日本株からジリジリと資金が逃げているのは、毎日のマーケットを見ていれば分かりますが、象徴的な話を一つ。ヘッジファンドの業界誌にAsiaHedgeというのがあるのですが、今月号の特集記事によると、新設ファンドの日本株への資金の流れは微々たるものに陥っていることが残酷なほど明らかに出ています。株式関係を抜き出してみましょう。いずれも数字は HedgeFund Intelligence(AsiaHedge誌の発行元)調べです。
ファンドタイプ | 新設件数 | 6月末残高 |
Global Equity | 49 | 4006 |
US Equity | 28 | 3184 |
European Equity | 46 | 2503 |
Emerging Equity | 26 | 2572 |
Asia ex-Japan | 24 | 2402 |
Asia inc-Japan | 10 | 898 |
Japanese Equity | 13 | 187 |
(単位:件、百万ドル) |
● これを見ると、何となくどよよぉぉぉん~~としてきませんか?(^^; (^^; 特にAsia ex-Japanがこれだけの資金を集めているのに、日本株が混じるとガタンと人気が落ちてしまっているのが分かります。また、日本株だけに限定すると、桁が一つ少ない印象。色々と理由が考えられるのでしょうが、何よりも日本株の期待リターンが低過ぎるというか、要は「儲からない」マーケットとして認知されてしまった、という感じです。ヘッジファンドは何かと嫌われる存在かも知れませんが、その人気というか需要の出方は、日本株にとって残酷なまでに明確です。
● 記録。東証1部出来高は前日比5142万株減の20億7176万株、売買代金は同106億円減の2兆9090億円で、ほぼ昨日と同水準。東証1部値上がりは1046銘柄、値下がりは581銘柄と、ほぼ指数並みの展開。今朝のSQ値は前日比84.88円高の16822.51円で、日経平均VWAPは16851.29円と似たような水準で、全体としてはあまり動かなかった様子が分かります。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(3820万株売り/3490万株買い)。ただ、市場筋によると、金額ベースでは小幅買い越しだった模様。
● 業務連絡。今日は月の第1営業日なので、浮動株比率関係の発表が出ています。ソニーFH(8729)のFFWも0.30と発表されていますので、東証HP内の 「浮動株比率」 にてご確認を。TOPIXに加わるのは今月末です。8 bp程度ですね、とりあえず。