2007年06月29日(金) .... 意外に上昇、月末・期末効果のおかげ?
TOPIX : 1774.88 (+23.76, +1.36%) | 日経平均 : 18138.36 (+206.09, +1.15%) | 円ドル : 123.35 |
● 上値が重たいと感じる1週間だったにしては、妙にスルスルと上昇した1日でした。今日は上げの特異日だそうですが、計らずともそれを実証した格好。日中足をご覧頂けると分かるのですが、ジリジリと継続的な上昇が特徴的。特に買い材料があったのではない(FOMC通過とかで不透明感は減少)中の上昇は、今日が月末、四半期末、さらに場合によっては半期末というのが影響した可能性はあります。さらに、先物に所々で大口買いが入って裁定買いを引っ掛けていたのも要因だった感じです。いずれにしろ、今日の上昇により、ざっくり5~7日で廻っている相場のリズムが続いている印象が継続。なら、来週中盤までは大丈夫かな?!?日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別の上がった下がったは相場解説記事に任せるとしましょう(とサボる(^^;)。昨日は東証1部の値上がり銘柄数が妙に多かった(値上がり1425銘柄/値下がり230銘柄)件について書いたのですが、今日は値上がり1218銘柄、値下がり383銘柄と、イメージとしては指数並の感じ。でも、昨日よりもかなり値上がり銘柄数が減ったのは事実。一方、今朝のSQ値を計算すると、前日比92.42円高の18024.69円で、終値までに113.67円上昇したことになります。多くは前場だったのですが、1日通してこの分を「フォロースルー」と考えるなら、久しぶりにザラ場での押し上げ買いが入ったことになります。
● そのフォロースルーはどこから来たかですが、大引後に公表された先物の手口を見ると、「やっぱりか…(^^;」状態。日経平均先物ではCS君が4920枚買い(売りは非開示)、TOPIX先物でCS君が差引4448枚買い越しと圧倒的でした。他にSG君が日経平均先物で差引2407枚買い越し、カリヨン君が差引1649枚買い越し、TOPIX先物ではドイツ君が差引1221枚買い越しだったので、如何にCS君の手口が圧倒的だったかがお分かり頂けるかと…。久しぶりに大きな手口でした。
● 残りの記録。東証1部出来高は前日比1億2678万株増ながら17億3879万株どまり。売買代金は同2089億円増の2兆5906億円。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ソコソコの買い越し(2890万株売り/3350万株買い)でした。
● 話題変更。今日の日経金融スクランブル欄、『アナリスト育たない市場、悲しき手数料自由化の帰結』はかなり重たい内容。でも、サプライズではないのです。外側から見ている方々にすれば、「えっ?そんなことが?」と感じるかもしれませんが、似たような傾向は数年前から強まっていたし、その前から、ある程度は予想できたトレンドなんです。プライマリー部門との情報隔壁の要求に加え(アナリストは一般的にセカンダリー部門)、昨今のアンバンドリングが加わって拍車が掛かっている状況。現在のアナリストの立場は基本的に「セールス」で、「研究者」ではないのです。もっとも、市場は「タダで入手できる」アナリスト情報に右往左往するのですから、皮肉と言えば皮肉。あまり書くと何かと弊害がありそうなのでこの辺で止めておきますが、一度転がりだしたモノはなかなか止まらないのも現実です。
● 週末なんで軽い話題で締め(^^;。今週は株主総会のピークでしたが、株主総会でいつも思い出すのが、個人的にかなり信望している映画「Wall Street」(1987年、邦題:ウォール街)の株主総会のシーン。Gordon Gekko(Michael Douglas)が乗り込んで、「Well, ladies and gentlemen, we're not here to indulge in fantasy, but in political and economic reality」とスピーチを始めるシーンです。この映画には、20年前の映画とは思えないほど、現在においても色々な深い意味を秘めた台詞がたくさんあります。中でも、今でもあちこちで引用される名スピーチ(本当にそう思う!)なのが、
The point is, ladies and gentlemen, that: Greed, for lack of a better word, is good. Greed is right; greed works. Greed clarifies, cuts through, and captures the essence of the evolutionary spirit. Greed, in all of its forms, greed for life, for money, for love, knowledge - has marked the upward surge of mankind and greed, you mark my words - will not only save Teldar Paper but that other malfunctioning corporation called the USA.
の部分。ちょっと語句が怪しいところがあったのですが、検索してみるとWikipediaのWall Street (film)にそっくり掲載されていたので、それを拝借しました(^^:。そのぐらい有名な台詞です。色々と検索していたら、そのスピーチ部分を載せているサイトもありました(著作権的に大丈夫なんだろうか?)。こちら です。字幕などはありませんが、モロにそのシーンです。
● この映画もAnacott Steelという鉄鋼会社の争奪戦が大きなテーマでした。ミタルが影も形も無かった時代の映画にしては、現社会でも妙にリアリティがあります。さらに、この株主総会はTeldar Paperという製紙会社。そういえば、王子製紙・北越製紙なんかもありました。リアリティがありますでしょ(^^;。
● それと、もう一つ印象的だったのは、BudとDarienの別れのシーンで、Darienが「 when you've had money and lost it, it's worse than never having had it at all 」という台詞。色々な意味で、凄い真実だと思います。ふと振り返ると、この映画が出てからもう20年も経過したんですネ。リアルタイムで映画館で見た私は、これを書いていて、思わず年月の経過を考えてしまいました(^^;。
● 関連してちょっとだけ広告を(^^;。上に書いた「ウォール街」はAmazonではこんな感じです。安い方 ウォール街(特別編) と高い方 ウォール街-特別編-
があるみたいです。差はよく分かりません(^^;が、発売時期がえらく違う(高い方は2001年)ので、回収済みを安く販売しているってことですかね?なんせ20年前の映画ということは、もうクラッシックですから…(^^;。下の画像は安い方です。
● それでは、良い週末を!
2007年06月28日(木) .... 小反発、東証1部値上がりは1425銘柄もあったけど…
TOPIX : 1751.12 (+10.04, +0.58%) | 日経平均 : 17932.27 (+82.99, +0.46%) | 円ドル : 123.05 |
● 相場のリズム的にも外部環境的にも今日は堅調になるべき1日。ただ、寄付前に発表された5月鉱工業生産速報が-0.4%と、事前コンセンサスの+0.9%(Bloomberg)や+0.8%(ロイター)を大きく外す結果で、生産動向の判断が「横ばい傾向」へ下方修正されたことも加わって、「しゃぁないなぁ~」と頭を抑えられてしまった格好。ただ、それなりに買いも入っていたので、下がる感じではありませんでした。結果的に、今日も慣れ親しんだ小動き相場(^^;。そんなことに慣れても仕方ないのですが、日経平均の日中値幅はわずかに66.85円どまり。前場が66.85円、後場は54.27円。さすがの先物トレーダー連中も、手持ち無沙汰だったことと推察します。なお、直近の小動き記録は6月14日の59.72円だったので、今日はまだマシでした(^^;。
● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別に物色動向がどうのこうのは相場解説記事にお任せするとして、ちょっと目に付いたのは、指数の上昇度合い以上に、東証1部値上がり銘柄が1425銘柄(値下がりは230銘柄)と多かったこと。これだけを見ると、枕詞は「全面高」になるのですけど、相場を見ていた印象では、「"全面高"って感じではないなぁ~」との感じ。大引けで小型株に買いバスケットが入っていたようなので、余計にこの印象が強まったのかもしれませんが、これが何を意味するか(何も意味しないか)は難しいところです。バスケットの影響もあって、今日はサイズがかなり小型側に振れて終わっているのですが、明日、単にこの修正が入るのか、それともトレンドとしてサイズが下がる方向に行くのかは、注意して見ておきたいところです。
● 話題変更。一歩下がって相場を見てみましょう。昔も今も変わらないと思うのですが、相場は何よりも「不透明感」を嫌がります。一番マシな嫌がり方は「見送り」。悪い嫌がり方は「ポジション解消」で、多くの場合、これは売りを意味します(買いの向きが圧倒的に多いので…)。現状を考えると、まだ嫌がり方はマシな方で、ドカンと売られる雰囲気は現時点ではあまり強くありません。ただ気をつけておくべきことは、不透明感が強い時の相場は、どうしても「横並び」になりがだってこと。NY株が大幅安したり、為替が急に円高になったりすると、「羊の群れ」が一斉に同方向に向かって走り出す可能性はあります。そうなれば、ちょっとしたスパイラル的な値動きになってしまうのです。
● この不透明感の解消には、何かのイベントがきっかけになって発生することもあれば、何となくジワジワと解消することもあります。イベント的なパターンの典型例は、あの小泉郵政解散。あの瞬間は下がりかけたものの、そこから長期に渡る上昇相場の転機になったのですから、あれは大きなイベントでした。ファンダメンタル的に理屈が通らない、とおっしゃる方々もいるでしょうけど、要はきっかけ。背中を押してくれるイベントがあって皆が動き出せば、相場も動くのです。相場が動き出せば、理屈が通るかどうかの議論をしている場合ではありませんから…(^^;。この辺を誤解している方が意外に多いんですよねぇ。一方のジワジワ型は、何か特定できるというよりも、例えば業績とか景気とかの好転から来る場合が多いです。
● いずれにしろ、これらの局面で一番難しいのは、そのタイミングを事前に察知すること。そもそも、私は事前に察知することは不可能だと考える一人で、参加者として、何かが起こった時に変化に敏速に対応する気持ちと体勢を持っておく、と心掛けるようにしています。そして素早く動くためには、身軽でないと駄目です。損失処理に手間を取られていると、次の展開に乗るなんて出来るわけがありません。だから余計に、今は見送り・模様眺めになってしまいます(^^;。正直、証券マンとしては、しんどい相場展開だったりします…(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比2億5808万株も減少して16億1201万株、売買代金は同3062億円減の2兆3816億円でした。手元の数字では、出来高は5月28日に記録した15億6871万株以来、約1ヶ月ぶりの低水準。売買代金だと、その1日前、5月25日の2兆2400億円以来の低水準でした。今朝のSQ値を計算すると、前日比71.22円高の17920.50円。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、6日連続での売り越し(4290万株売り/3060万株買い)でしたが、市場筋によると金額はほぼチャラだったとのこと。まだ全体にフローは多くないですネ。
● 業務連絡。予想通り、本日大引後に、オリエントコーポレーション(8585)の指定替え(東証2部への降格)が発表されました。8月1日付けでの実施です。東証のリリースは、「債務超過に係る市場第二部銘柄への指定替え -(株)オリエントコーポレーション-」 をご参照下さい。また、「債務超過の猶予期間入り-(株)オリエントコーポレーション、(株)シーフォーテクノロジー-」 との関連リリースも出ています。さらに、いつも通り 「一部指定・市場変更・指定替え会社一覧」 にも掲載されていますので、それぞれご確認を。
● 一方、オリコ側からもリリースが出ていて、「本日の当社普通株式に係る東京証券取引所ならびに大阪証券取引所のニュースリリースについて」 です。このなかで、「市場第一部への早期復帰を目指して」と決意を述べているので、再度東証1部昇格を目指す可能性は大きいと考えています。ただし、2007年3月末時点の有価証券報告書は使えない(そもそもこれが債務超過だったから降格した)ので、最速でも来年2008年3月末の有価証券報告書で審査になります。つまり、約1年先の話となります。為念。
● これで指数ベンチマーク系(ETF、パッシブファンドなど)は売ることになるのでしょうけど、この件は3月からずっと分かっていた話なので、慌てる向きはないと思います。アクティブ系はずっと前に処理済みでしょうし…。TOPIX算出要綱(http://www.tse.or.jp/market/topix/float/yoryo.pdf)のP.14に明記されているように、東証2部への指定替え(降格)の場合、TOPIXから除外されるのはその指定替え日(基準値はその前日終値)。つまり、今回だと7月31日の終値を基準にして、翌8月1日から除外となります。
● そうそう、指数ヲタク系の話をもう一つ。今日はTOPIX月末修正の基準日でした。みずほFG(8411)のウェイトがかなり減るのは分かっていたのですが、商いがある銘柄なので、そんなにインパクトないかな…と考えていたら、それなりにありました(^^;。ご参考に、みずほFGの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。最後のティックでかなり出来高を伴ってスコンと下落している様子をご覧頂ければ…。
2007年06月27日(水) .... 結構下がった印象、不透明要因多く売り先行/買い手控え
TOPIX : 1741.08 (-24.79, -1.40%) | 日経平均 : 17849.28 (-216.83, -1.20%) | 円ドル : 122.65 |
● 今日は暑かったですねぇ~。でも相場の方は冷え冷えとした展開。CME日経平均先物が大証比110円安だったことを考えると、皆が想像していたような展開でスタートして、ほぼ皆が想像したような展開で終始した格好。ただ、ここ最近は最近は小動きに慣れていたという相場環境があったので、今日は下げが大きかった気がしました。冷静に考えると、まぁ、納得の範囲内なんですけどネ…(^^;。なお、TOPIXの下落率(-1.40%)は、かなり遡って4月2日に-1.82%を記録して以来、約3ヶ月ぶりの下落率。日経平均の下落率(-1.20%)でみると、6月8日に-1.52%だった時以来。このときTOPIXは-1.32%でした。
● 後日振り返ってみるときに役立つかは分からないのですが、今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。しかし、本当にザラ場で反発局面が無かったことが分かると思います。普通は、多少なりとも買い戻しが入るのですけど…。可能性としては、売りから入った向きが多かったのではなく、今日は現物売り(本当の意味での売り)が多かった可能性は十分にあります。
● 物色動向としては、やや円高方向に振れたことも手伝って、曲がりなりにもここ最近は堅調だったテクノロジーが一部を除いて軟調。資源系銘柄が総花的に売られ、海運も駄目。銀行は相変わらずの体たらく。高かったのは小売りの一角と、東芝、大日本印刷、凸版印刷などの材料があった銘柄程度。ただ、東証1部値上がりは347銘柄あって(値下がりは1274銘柄)、これだけを見ると、それほど強烈な全面安ではありませんでした。
● もっとも、円高を嫌気して売られたというよりも、チャート的にも上値がつかえていたし、売る理由を探していた感じの方が強かったと思います。うまくチャート上の三空を埋めてくれれば(TOPIXは埋めた)、次が仕切り易くなります。また、相場のリズムが、ここ最近は、ざっくり5~7日で廻っていることを考えると、今日が駄目押しで、そろそろ逆方向に向かってもおかしくないタイミングです。
● 一方、ファクター面から見ると、バリューは駄目駄目マークが点灯し、最近は良かったグロースも駄目。短期のリバーサルは久しぶりに好調だったものの、FM諸氏とお話をしていても、あまり機嫌の良い方はいらっしゃらなかった印象でした(^^;。そろそろ6月も終わりで、月末・四半期末のレポートの準備に入っている印象ですが、5~6月は、敢えて言えばバリューやアーニングス系がソコソコだったものの、「これ」といって効いたファクターが乏しくてアイディア不足に陥ってしまった格好。市場のボラティリティーが低下し続けていることもあって、大損はしないにしても、かなり儲かり難いマーケットになっています。参議院選挙が終わっても8月日銀政策決定会合での利上げ云々の話で見送り気分が強まる可能性もあって、夏休みムードが強まってしまうかもしれません(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億1378万株増だったものの、18億7009万株で目安の20億株割れ。売買代金は同2869億円増の2兆6878億円。セリング・クライマックスというよりも、買いが何となく手控えられているところに売り先行の展開になった、という雰囲気でした。今朝のSQ値を計算すると、前日比81.90円安の17984.21円で、ほぼ今日の高値。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日連続の売り越し(3360万株売り/2230万株買い)でした。フローは少なかったです。
2007年06月26日(火) .... まちまち、方向感乏しく商い細リ気味
TOPIX : 1765.87 (+1.00, +0.06%) | 日経平均 : 18066.11 (-21.37, -0.12%) | 円ドル : 123.40 |
● 寄付きの一瞬だけは何故かプラスだったものの、すぐにマイナス圏。大きく下がることは無かったものの、活気に乏しい展開が今日も継続。後場後半は戻り歩調になったのですが、それも小動きだった1日の中で指摘すれば、ってところ。全体としては方向感に乏しく商いも細リ気味でした。今日の日経平均日中値幅は93.29円と、また100円未満。前場が93.29円、後場が69.24円で、いずれにしろ小動きでした。東証1部出来高も前日比1億7162万株も減って17億5631万株、売買代金は同2427億円減の2兆4009億円。出来高は5月28日の15億6871万株以来、売買代金では前日の5月25日に記録した2兆2400億円以来の低水準でした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。今日は昨日の逆みたいな日中足です(^^;。
● 物色動向について書こうかと思ったのですが、あまり面白味がある相場ではなくネタ無し(^^;。各種メディアの相場解説記事を参照しながら、如何に面白味みのない相場でも字数を埋めなければいけない宿命の方々の苦労を想像し、「にたぁ~~」と笑いながら読んでみてください(^^;。そうやって読むと、また違った味が出ると思います。
● 今の相場がガタンと下落しないのは多くが考えているでしょうけど、逆に上値も重たい。なので、どうせ買うんだったら下がってから、と考えている向きが多過ぎる印象があります。まして、参議院選挙や8月には利上げがありそうだ、という空気になってくるとなおさらです。ただ、逆説的にはなるのですが、これだけボラティリティーが低下してくると、色々なポジションの潜在的リスクは高くなっている可能性があるので、いざ動き出すと、そのアンワインドが動きを加速する可能性は十分に考えられます。株式市場というよりも、為替市場でその雰囲気が強くなっているので、トレンド変化には注意しておきたいです。
● 記録。今朝のSQ値を計算すると、前日比1.45円高の18088.93円でした。妙に寄付きが高くて、その後、スルスルと下落したのは日中足からも分かります。もっとも、後場寄付直後と後場中盤以降にそれなりに戻したので、結果的にはSQ値はそんなに外れた感じではなかったです。東証1部値上がりは748銘柄、値下がりは834銘柄で、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4日連続での売り越し(3580万株売り/2430万株買い)。ただ、全体にフローは減少気味なようで、基本的には模様眺め気分の様子でした。サイズ的には、今日は新興市場の方がしんどかったですが、TOPIX Smallは対TOPIXでチャラでした。
● 話題変更。昨日、東証から日産ディーゼル(7210)の上場廃止が発表されました。でも、2月にボルボのTOBがあったのに、何でこんなに時間が掛かったの?って感じが否定できません。これは、東証が有価証券報告書を受理して、3月31日時点での株主分布から少数特定持株比率が90%超になり「即上場廃止」基準に引っ掛かったことを確認する必要があったからです。もっとも、上場期間が長引いたとしても、実際のポートフォリオ運用上では大きな影響はなかったでしょうけど…。
● 同じような手続きとして、この先、数日中にオリエントコーポ(8585)から有価証券報告書が提出され、3月末時点での債務超過が確認されて、オリコの東証2部落ちが発表される見込みです。既に多方面からの資金注入でオリコの債務超過状態は解消されているものの、有価証券報告書の区切りになる3月末の時点では、債務超過状態だったということです。多くの方々にとっては既知の件ですが、最近はオリコのニュースフローが無かったので市場が敏感に反応する可能性があります。一応、ご注意を。なお、この件については、オリコから3月28日付でリリースが公表されています。URLは http://www.orico.co.jp/company/news/2007/ir_0328_2.html ですのでリフレッシュしておいて下さい。
● そうそう、今朝、所報掲載されていたのですが、ETFの配当落ちが近付いてきました。今年は7月5日売買分(7月11日受渡分、T+4になる)が最終日です。気にする方々はいらっしゃるのかな?
● 大引後のニュース。金融庁からジャスダックに業務改善命令が発動されました。詳細は各種報道や金融庁、証券取引等監視委員会のHPをご参照していただくとして、愚痴を一つ。私達のような証券会社が業務改善命令を食らうと、改善報告書が受理されるまでの間は、顧客から「発注停止処分」などを食らうことになり、委託ビジネスがほぼ全面的に停止し、かなり厳しいダメージを食らうのです。ところが、ジャスダックが業務改善命令を食らっても、「客」である私達のような証券会社としては、発注停止にするワケには行きません。「何かなぁ~」って感じです(^^;。
● 雑談。某市場筋から廻ってきたメール。「"美しい国"を逆から読むと…」ってことで、これが「憎いし苦痛」(うつくしいくに→にくいしくつう)になるんですって…(^^;。まぁ、なんと言いますか、偶然にしては出来過ぎている(^^;。
2007年06月25日(月) .... 続落、久しぶりの月曜日安。上場廃止基準見直しについても…
TOPIX : 1764.87 (-13.12, -0.74%) | 日経平均 : 18087.48 (-101.15, -0.56%) | 円ドル : 123.90 |
● 前週末の米国株式市場が久しぶりに「金曜日安」となり、CME日経平均先物は大証比175円安。ただ、寄付き段階では安いのは当然としても、市場関係者の多くが"期待"したほどの下落にはなりませんでした。今朝のSQ値を計算すると、前週末比89.65円安の18098.98円。前場安値は18081.62円(同107.01円安、9時08分)だったので、CME水準からするとかなり下げ渋ったことが分かります。後場中盤には日経平均は一時前日比でプラス転換する局面があった(TOPIXはマイナスのままだった)ものの、その後は綺麗な右肩下がり。結局、安値圏での大引けとなり、やっぱりコメントに書いたら月曜高は途切れました(^^;。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。後場中盤にかけての戻しとその後のズッコケをご覧頂ければと…。
● 外部環境以外に特に悪材料と言うほどの材料はなく、全体感としては見送りムード。商社、不動産などの金利敏感系銘柄が売られ、本来なら金利上昇で儲かるハズの銀行株も腰砕け状態。相場リード役だった鉄・非鉄も軟調。円安を背景にテクノロジーの一角は堅調だったものの、自動車はまちまち。焦点ボケだった印象が強まるなかで、買い手控えムードになるのは止むを得ない格好。東証1部出来高は前週末比2038万株減の19億2793万株、売買代金は同2022億円減の2兆6436億円と今一つ。一方、東証1部値上がり325銘柄に対して値下がりは1323銘柄とかなり多く、指数以上に地合いが悪かった印象もありました。なお、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ソコソコの売り越し(3610万株売り/2280万株買い)でした。
● さて、本日の主題(^^;に行きましょう。土曜日の日経に、「東証が上場廃止基準の見直し方針を発表」の記事。現行制度では少数特定持ち株比率が75%超になると1年間の猶予期間付きで上場廃止、90%超になると即上場廃止。これを「流通株式比率(上場株式数に対する流通株式数の割合)が5%未満となった場合」に上場廃止に変更する方針に変更とのこと。実質上の緩和ですね。
● ところが、最初この方針が「発表」されたと新聞に出ていたので、東証HPの「新着情報」や「サイトアップデート」を探したのですが見付からず、「もしかしたら?」で「パブリック・コメント」を探したら見付かりました(^^;。こんなの分からんでぇ、ホンマ(^^;。たまたま、かつて似たようなパターンがあったのを思い出したから良かったものの、実際、オフィス内でも「どこにそんな発表あったん?」と聞いている向きが何人も居ましたから…。で、金曜日に公表、そして意見募集が始まった案件の一つがコレです。「上場制度総合整備プログラム2007に基づく上場制度の整備等について」のなかに掲載されています。PDFファイルへの直リンクは、http://www.tse.or.jp/rules/comment/070622-jojo1.pdf です。
● 中身について書いていきましょう。今回の方針は色々な流動性基準の見直しの一環とのことで、これまでの「少数特定持株比率」という考え方が「流通株式比率」に変更。資料に定義が載っているのですが、微妙な差はあるのですが、一見すると見た目はほとんど変わっていません(^^;。で、実際のところ、何がどう変わったのか、東証の上場部に直接電話して聞いてみました(通じるまで何度も電話しなくてはいけなかったけど…)。
● 大きな差は、これまでは「大株主上位10位」が少数特定としてカウントされていたのが、今度の流通株式定義になると「上場株式数の10%以上を所有する株主」と変わる点。つまり、株主Aが40%保有、株主Bが30%保有、株主Cが5%保有、株主Dが2%保有…という具合だったら、現在の定義なら株主Dも10位以内なのでカウントされるのですが、新基準だと株主CもDも10%以上の保有でないのでカウントされない、ってことです。つまりこの点が株主持株比率が一部に集中している場合にとっての「緩和」です。
● 読んでても分かりにくいので、例を使って表にしてみましょう。下記の場合、大株主上位10位まででそれぞれの比率を計算してみると想定します。
株主 | 持株比率 | 少数特定持株比率 (現方式・累計) | 流通株式比率 (新方式・累計) |
A (#1) | 40.0% | 40.0% | 40.0% |
B (#2) | 30.0% | 70.0% | 70.0% |
C (#3) | 5.0% | 75.0% | 70.0% |
D (#4) | 2.0% | 77.0% | 70.0% |
E (#5) | 1.0% | 78.0% | 70.0% |
F (#6) | 0.5% | 78.5% | 70.0% |
G (#7) | 0.4% | 78.9% | 70.0% |
H (#8) | 0.3% | 79.2% | 70.0% |
I (#9) | 0.2% | 79.4% | 70.0% |
J (#10) | 0.1% | 79.5% | 70.0% |
最終的な比率 | 79.5% | 70.0% |
● 違いがお分かりいただけますでしょうか?新方式では持株比率が10%以上の場合だけカウントされるので、第3位までカウントしたところで計算は終わりです(実際には取締役の分などが加わる)。ここが現方式との大きな違いになります。75%/90%基準から5%基準(同じ言い方をすれば95%基準)になった点も「緩和」なので、ダブルで緩和という具合です。ちょっと気をつけておく点は、この新基準では猶予期間が設定されていないので、もし流通株式比率などの基準に引っ掛かって上場廃止ってことになると、猶予期間なしであっさりと上場廃止実施(整理ポスト入りするので、時間はあるはず)になるはずです。
● 市場関係者としては、真っ先に日興CG株のことが頭に浮かびます。東証に聞いてみたところ、もちろん否定していたし、この議論そのものはもっと以前から行われていたと話していました。でも、市場関係者としては日興CGの場合、少数特定持株比率がかなり75%に接近していることは想像できるし、何よりもこの株は日経平均採用銘柄なので、何かと気になるところでした。ところが、この新方針ならば、当面は上場維持の見込みが強いってことになります。もちろん、シティが完全子会社化などを言い出せば、前提条件はガラリと変わってきますけど…。
● なお、東証が方針を出したものの、まだパブリック・コメントを通過していないので、手続き上はホンチャンではありません。でも、この辺の事がパブリック・コメントでひっくり返ることは考え難いので、「方針発表=その通り実施見込み」ってこと。なお、資料には今年10月実施予定と書いてあります。為念。
● 最後に雑談気味に…。朝方、時事通信から 『日本からの資金流出、利上げ根拠に=円安は「明らかに異常」-BIS』 とのニュース。日本はボーナスシーズンに差し掛かるところで、設定される投信の多くが何らかの格好で「円売り/外貨買い」になっています。各国の中央銀行の政策金利をBloombergで調べると、米国5.25%、ユーロ圏4.0%、英国5.5%、オーストラリア6.25%、ニュージランド8%、カナダ4.25%、といったところ。日本はいまだにたったの0.5%。韓国が4.5%、台湾が3.125%、シンガポール2.25%なので、地理的に近い各国と比較してもダントツの低さです。
● 金利の低いところから高いところに資金が流れるのは、ある意味で経済学の基本。無理矢理抑えようとしても無理があります。つまるところ、円安や円キャリーを抑えるには、世界各国に利下げをお願いするか、日本が利上げするかして、金利差を縮小させるしかありません。前者は到底無理だろうから、結局は日本が何らかの格好で金利を上げざるを得ないのです。まぁ、当たり前ですわな(^^;。という訳で、住宅ローンなどを考慮中の方は、ちょっと計画を急ぎましょう(^^;。
2007年06月22日(金) .... 反落、内需系銘柄に売り圧力で一休み
TOPIX : 1777.99 (-11.39, -0.64%) | 日経平均 : 18188.63 (-51.67, -0.28%) | 円ドル : 123.95 |
● 米国株は堅調だったものの、CME日経平均先物が大証比35円安。さらに、日経平均は昨日までで6連騰(TOPIXは2連騰)となれば、金曜日はその週の逆トレンドになることが多く、今日もそんな感じの1日でした。もっとも、慌てて売る向きは多くないし、それなりに押し目買い需要もあって、ズッこける雰囲気は感じませんでした。寄付きからのジリ貧歩調は後場中盤まで続いたものの、その後は逆にジリジリと戻す展開。今朝のSQ値を計算すると、前日比60.04円安の18180.26円で、日経平均のザラ場安値が前日比147.94円安(-0.81%)まであったことを考えると、出てきた利食い売りをちゃんと吸収したことが分かります。もっとも、東証1部出来高は前日比2億8518万株減の19億4831万株と20億株割れ、売買代金はほぼ前日同水準(前日比276億円増)の2兆8458億円だったので、薄商いではないにしても、盛り上がったとは言い難い1日でした。
● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。後場後半の戻りは、それなりにきれいな格好でした。
● 個別に目立ったのは、半導体関連が堅調な値動きだったた一方で、REITと不動産株の軟調さ。銀行株や通信も含めて「内需」系銘柄が重たい展開でした。もっとも、内需が駄目だった割には、小売りの一角がプラスだったりと、どうも一括りでは説明し難い相場展開が続きます。テクノロジーは半導体に引っ張られていたものの、松下などはかなり安かったし(この2日間で結構下がった)、同じような状況があちこちにありました。まぁ、無理矢理説明する必要もないんですけど、分かり難い相場になっていることは確か。しかし、銀行はいつになったら、まともに上がりだすのやら…(^^;。
● 残りの記録。東証1部値上がりは546銘柄、値下がりは1033銘柄。今日1日の日経平均値幅は107.75円と再び小動きモード。前場が96.77円、後場が96.27円とほぼ同水準で、前場~後場中盤は下落、後場後半は戻しの展開が、ほぼ同じ程度の幅でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、2日連続での売り越し(5140万株売り/4480万株買い)でした。ちょっとフローが増加した感じがあります(株数・金額ともに)。
● そうそう、今週までの日経平均は「月曜日10連勝」(一日だけ月曜日祝日で火曜日が混ざっているけど)を継続中。某市場筋氏によると、その背景には、「3月23日から6月15日まで"週末"としては"13連勝中"のニューヨークダウの存在がある」との指摘。確かにそうだ…(^^;。と言う訳で、今日の後場戻しの背景には、チョビッとだけ「月曜高」を期待する向きの押し目買いが入っていた可能性は考えられます(^^;。ただ、私がここに書いていること自体がそうですが、これだけ話題になってきたら外れる可能性も高くなります(^^;。それでも記録更新が出来るかどうか、楽しみにしておきます。まずは今晩のNYですね。
● 雑談。今日は夏至。「北半球では一年中で一番昼が長く夜が短い日」ですが、残念ながら東京は雨模様。例年、梅雨の時期にあたるので、実際に日中の長さを実感するのは、夏至の少し前のような気がします。実は、夏至は一年中で一番日中が長い日ですが、日の出が最も早いのとは一致しません。国立天文台の「こよみの計算」によると、今日(6月22日)の日の出は東京で午前4時26分ですが、6月6日~21日は午前4時25分と表示されています。秒単位で違うのでしょうけど、正確にどの日が一番早いのかは分かりません(^^;。ちなみに日の入りは本日が19時00分ですが、6月24日~7月5日が19時01分で最も遅いです。ところで、「日の入り」と「日暮(ひぐれ)」の違いって分かります?答えは、 http://www.nao.ac.jp/koyomi/faq/glossary.html へどうぞ!
● 「梅雨入り」宣言が出てから、初めての梅雨っぽい天気でした。次は「梅雨明け宣言」が出たら、梅雨らしくなるんでしょうね(^^;。週末はまぁまぁ晴れそうな予報です。良い週末を!
2007年06月21日(木) .... ジリ高継続、日経平均は6連騰、終値で7年ぶりの高値
TOPIX : 1789.38 (+5.66, +0.32%) | 日経平均 : 18240.30 (+28.62, +0.16%) | 円ドル : 123.65 |
● 米国株が軟調でCME日経平均先物は大証比150円安。当然のように朝方から軟調な展開が予想されていたものの、実際には日経平均で100円安程度に留まり「下がらんなぁ~」の印象。今朝のSQ値は前日比87.61円安の18124.07円だったので、心配されたほど売りが集まった状況ではなかったことが分かります。そして前場引間際に指数はプラス転換し、後場寄付き後にズイッと上昇した後は高度巡航状態。正直、「ちょっと、簡単に上げ過ぎ?!?」という印象も無くは無かったのですが、上がっている相場は認めるしかありません(^^;。日経平均は6連騰となり(TOPIXは2連騰)終値で年初来高値を更新し、2000年5月2日以来、約7年ぶりの高値。TOPIXはまだまだ届きませんけど…。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● もっとも、「何で今日は上がったの?」と真正面から聞かれると、ちょっと返答に困るというか…(^^;。米国景気への期待感、金利上昇一服とか円安傾向とかは綺麗に聞こえるシナリオだし、実際にそうやって説明している"相場解説"もあるのでしょうが、米国景気への期待感や円安を言うんだったら、その割に自動車や家電の一角が軟調だったし、今一つワケ分からん状態。
● 単に、朝方軟調な展開を予想して先物で売り込んだ向きが、踏まされただけかも知れませんが、そうだとしても、朝方「下がらんなぁ~」になったのは、誰かが買いを入れていたから。売り手が儲かるパターンに入らなかった(入れることが出来なかった)のは、やはり買いが入っていたという原因があったはず。この辺は堂々巡りの議論になってしまうし、理屈を付けるより儲ける方が先の世界ですから、ここまでにしておきましょう(^^;。
● さて、この先を考えるにあたって、迷う気持ちが山盛りになっている向きが多いと思います(含自分(^^;)。そこで、以前にもご紹介したことがあったと思いますが、春先の急落局面からの動きをグラフにしたのをアップデートしておきました。実は私はこれをほぼ毎日見ているのですが、最近のパターンは何となく2005年と似通ってきた雰囲気があります。楽観的な証券マンが言っている、と割り引いてご覧頂ければと思いますが、下にグラフを付けておきます。何となく上げ下げのタイミングまで似通ってきたような感じを受けませんか?!?さらに、この調子で行けば、ちょっとした調整局面があれば、それは絶好の買場ってことになります。もちろん、過去の値動きが将来のパフォーマンスを保証するワケはないので(投信のディスクレーマーみたい(^^;)、外れるリスクもあるとは思いますが…。
● 記録。東証1部出来高は前日比3953万株増の22億3349万株、売買代金は同32億円減(というかチャラ)の2兆8182億円。東証1部値上がりは954銘柄、値下がりは634銘柄。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日ぶりの売り越し(4890万株売り/4070万株買い)でした。
● 雑談。「最強の51歳」 Billy Blanks 氏が来日中ってこともあって(^^;、「ブートキャンプ」関連のネタが市場関係者の間を飛び交っていました。CS放送だけでなく、深夜や土・日曜日の朝なんかは、あの通販広告がガンガン流れていて、ついつい見てしまう自分は何だろうって…(^^;。実は、私が米国勤務だった頃(2000年頃)にも、あちらで大量に流れていました。TAEBOとかだったのですが、いずれにしろ、えらいヒット商品なのは確か。このおっちゃんもテコンドー黒帯7段で“World Karate”のチャンピオンに7回もなったとの事で、「最強の51歳」の看板もあながちウソではないみたいです。ちょっと驚いたのは、オフィスの中で話をすると、意外に「やっている」人が多いってこと(女性が圧倒的だけど…)。そりゃあ、楽天で売上げトップになるわなぁ~(^^;。
2007年06月20日(水) .... 堅調ながら伸び悩み、個別銘柄の物色は活発
TOPIX : 1783.72 (+3.23, +0.18%) | 日経平均 : 18211.68 (+48.07, +0.26%) | 円ドル : 123.20 |
● それなりに堅調な足取りが継続していたものの、ここ数日同様に、今一つ乗り切れない印象が残った1日。もっとも、ジリジリながらも上昇を続ける相場は、それなりに評価すべきなんでしょうし、円安傾向以外に特に目立った買い材料が無いなかでのジリ高は、ある意味では「ワケ分からん」上昇。こういう「ワケ分からん」上昇は、私の経験からしても、一番注意すべきところ。ただ、そうは言っても少なくとも指数的には、「何か盛り上がらんなぁ~(^^;」は否定できませんでした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。ちょっと「行って来い」っぽいですけど…(^^;。
● 個別には、例えば三菱重工の大商い&大幅高など、見るべきところが多々あり。TOPIX Core30では、キヤノンと任天堂が52週高値を更新し、Large70ではTDK、三菱重工、コマツ、住金、ファナック、京セラが同じく52週高値を更新。Mid400でもオリンパス、SUMCO、シマノ、イビデン、島津、マキタなど23銘柄が同高値更新。日本的な年初来高値/安値とは数字の取り方が違うのですが(QUICKが手元にないので分からない(^^;)、それでも雰囲気がお分かり頂けるかと。ただ、何となく感情移入し難かったのは、バリューが今一つ、グロースは堅調ながらリバーサルが逆噴射といった具合に、何となく取り合わせが悪かった印象があったから。どうも「鉄まみれ(含非鉄)」相場に慣れてしまったのか、商社も含めて、この辺の銘柄が動かないと盛り上がらないクセが付いてしまったのかもしれません。これは気をつけておかないと…(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比2億4498万株増の21億9396万株、売買代金は同3127億円増の2兆8213億円。東証1部値上がりは820銘柄、値下がりは743銘柄。今朝のSQ値は前日比18.63円高の18182.24円で、結果的には終値とそう変わらない水準でした。ザラ場中は「久しぶりに離れるかな?」とも感じたのですが…。なお、今日1日の日経平均値幅は155.05円と久しぶりに100円超(^^;。前場は112.39円、後場は85.32円でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4日連続での買い越し(3010万株売り/3270万株買い)でした。
● 業務連絡。今日は20日なのでTOPIX月末修正が一斉に所報掲載されています。今月はあまり大きなのはありませんが、一つだけ自社株消却で結構ウェイトが減る銘柄があります。ただし、かなり大きな銘柄なのでインパクトは殆どないと考えています。なお、先月も書いたのですが、東証HPがリニューアルされてから場所が変更になり、ちょっと分かり難いところに「隠れて」います(^^;。「HOME>上場会社情報>月末上場株式数>本年分」という場所で、URLでは、http://www.tse.or.jp/listing/companies/monthly.html です。今月分のPDFファイルへの直接リンクはこちらです。
● 話題変更。昨晩、「骨太の方針」が閣議決定されたのですが、ぱっと感じたのは、「なんや、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)やな…(^^;」と。まぁ、全体の話はそれとして、アジアに負けない金融センターを目指すというのが政府方針としてあったハズですが、それも年金問題に隠れてしまった格好で見えなくなってしまいました。「このままじゃあ、あかんでぇ」と感じていらっしゃる方々もあるでしょうが、声が届いていないのですかね…。
● 相当前になるのですが、日経夕刊のコラムでJPモルガン証券の方が「ヘッジファンドと共存する道を探れ」とのコラム記事を書かれていたのですが(切り抜きだけ手元にあるので、正確な日付不明(^^;)、本当におっしゃる通りの話ばかり。ヘッジファンドも最近では日本人の資金を日本人FMが運用するファンドが増えているものの、そのファンドの運用拠点は海外が圧倒的。元々、ファンドの国籍はケイマンなどのタックスヘイブンが多いのですが、運用拠点も海外(主にシンガポールや香港)が非常に多くなっています。日本人がわざわざ日本を離れて海外居住にしないとファンドの運営が事実上不可能、というのもまったく不合理な話。主に税制面などでリスクが大きいってことで、これは調べれば調べるほど「なんじゃ、こりゃ?」って印象になります。
● 運用だけではなく、ファンドに付随する色々な業務(プライムブローカー、アドミニ、監査)なども、当然、これらのファンドの近くに存在するので、香港やシンガポールがアジアの拠点。東京では「連絡事務所」的な機能になってしまい、これも寂しいやら情けない話。少し前に、日本橋から兜町にかけての地区を国際金融センターとして設定し国内外の有力金融機関の集積地にする、とのニュースがありましたが、ビルやマンションを建てるだけでビジネスが集まるってことはないのです。現時点では税制がかなり大きなネックになっていると思うけど、税制だけでなく、「後日、日を遡って適用」みたいなことを止めたうえで、色々な法整備・制度整備をしないと、この手の話は難しいです。そして、素早く出来ないと「Japan Passing」は続いてしまう可能性が高いんです。えらく堅い話になってしまいましたが、個人としてはかなり心配しています。
2007年06月19日(火) .... 今日も動かない相場、方向感乏しく寄付後は膠着商状
TOPIX : 1780.49 (-7.90, -0.44%) | 日経平均 : 18163.61 (+14.09, +0.08%) | 円ドル : 123.60 |
● まぁ、何と言いますか…(^^;。今日も全体としては動きに乏しい相場。個別には上がったり下がったりがあったものの、指数で見ると寄付きでどちらかに動いた後は横ばい膠着。今日は最後に日経平均型のバスケット買いが入って、日経平均は数字としてはプラスで高値引け。TOPIXは素直にマイナスだったし、東証1部値上がりが467銘柄、値下がりが1147銘柄もあったので、ちょっと弱めの相場だったとしておきます。高値引けしたとは言え、日経平均の1日値幅はわずかに60.05円。前場は58.87円で後場はわずかに40.79円。最後のバスケット買いが無ければ30円台だったのです。なお、日経平均の日中値幅はこれで4日連続100円未満になりました。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。グラフをパッと見ると、「何や、それなりに動いとるやんけ!」になるところですが、Y軸を参照していただければ、如何に動きが乏しいかお分かり頂けるかと…(^^;。
● 指数はそんな体たらくながら、個別はそれなりに上下動あり。ただ、ファクター面から見ると、この2日間ほどはバリューが今一つの状態で、「どうもなぁ~」といった感じの声がFM諸氏からは聞こえてきます。さらに、物色動向としても、昨日の相場で力強かった銘柄が早くも反落するのを繰り返していることで、何かをすれば継続的にリターンを取れるという印象が希薄。余計に手控えムードになってしまいます。
● ただ、有名な相場格言に、「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中に育つ。そして、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」というのがあります。現状を考えると、今は2番目の「懐疑の中に育つ」ですかね(^^;。米国景気がどうのこうの、金利がどうのこうの、選挙がどうのこうの…と言った具合に、どちらとも取れる材料があちこちに点在しており、なかなか相場の方向感が定まらない状態。まさに「懐疑の中」だし、そのなかでジリジリと水準を切り上げていることも確か。つまり「育っている」とも取れるのです。まぁ、反対意見は色々とあるでしょうけど、証券マンとしては、先行きが明るいと考えないとやってられませんからねぇ~(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比5235万株減の19億4898万株、売買代金は同1895億円減の2兆5087億円。今朝のSQ値を計算すると、前日比0.23円安の18149.29円で、またSQ値と終値水準が同じ近辺。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、3日連続での買い越し(4900万株売り/5060万株買い)でした。ただ、市場筋観測によると、某欧州系1社が株数でも金額でも半分以上のフローを占めていたとのこと。つまり、それ以外の今日の売り買いは2000万株台だったってことです(^^;。
● 雑談。今日の夕刊フジに、『「借名口座」が大ヤケド…大企業社員多数が決済不能』との記事。例のOHT絡みの件の話ですが、その中で「ある大手ゼネコン社員名義の口座が複数含まれている」との記述が…。これが借名口座ではないかとの観測記事ですが、本人了解の借名口座だった名義を貸した方がペナルティを食らうのは当然。でも、何らかの手段で名義が盗まれた(米国ではStolen identityとしてこの手の話が問題になっている)のだとしたら、それはかなりゾッしてしまいます。証券会社では本人確認書類がないと口座開設できない状態だし、下手すると銀行で口座開設する以上に本人確認書類に厳しいのが実状。もし他人名義で借名で口座開設していたのなら「犯罪」です。何となく深い闇がチラホラと見えてしまうような事件です。
2007年06月18日(月) .... 大幅続伸、これで月曜日10連勝、チャートは三空
TOPIX : 1788.39 (+15.45, +0.87%) | 日経平均 : 18149.52 (+178.03, +0.99%) | 円ドル : 123.55 |
● 先週末の米国株高などを受けて堅調な展開。ただ、ここ最近の傾向を引き継いで、一度ある程度の水準を決めてしまうと方向感に乏しいもみ合い。ただ、それでも後場後半に掛けてジリジリと上昇していったのは強さも感じました。もちろん相場全体も堅調だったし、日経平均が終値でしっかり1万8000円台を回復したし、日経平均では4ヶ月ぶりの高値圏。それなりに評価すべき点は多かったものの、今一つ盛り上がらなかった印象が残る1日でもありました。贅沢言っても仕方ないんですけどね…(^^;。なお、大引けではインデックス売りが出ていたので、最後にスコンと伸び悩みんでいます。そうそう、これで月曜日(週明け)は10週連続上昇(5月1日は火曜日)になりました(^^;。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。ポーンと高寄りした後、ザラ場ではあまり上下動が無かったことが分かります。今日の日経平均値幅は81.33円しかありませんでした。
● 日中足だけでなく、日足ベースでもチャートでちょっと興味深い型が形成されました。それは窓を空けてポンポンポンと飛ぶ「三空」の状態になったこと。酒田五法によると、「人気はいよいよ熱くなり、成行き買いと切羽詰った売り方の踏みあげが殺到する相場であろう」と。さらに、「二つ目の窓空けからは、買い方もあまり調子に乗らず、冷静な利食いが肝心」とも書いてあります。もちろん、酒田五法の場合は個別銘柄に向けてのメッセージだと思うので、指数とは少し違った印象になるのは仕方ないところ。ただ、日経平均先物を「超大型材料株」として見れば当てはまるのかもしれませんが…(^^;。
● 日経平均の日足チャートも付けておきます(出典:ケンミレ株式情報)。
● こうなってくると、次の一手が気になるところですが、酒田五法では、「カブセ、または寄せ線が出るのを待って行動開始とする」と書いています。カブセとは、前日終値よりも上で寄付いたものの、前日陽線に食い込む形でダレた陰線。寄せ線は十字架です。ただ、もう一歩下がって考えてみると、「三空」を空けるほど今の相場が過熱しているのだろうか?という点。実際に近くで見ていると、あまり過熱しているようには思えないのが実際のところです。騰落レシオも100%近辺をウロウロだし、RSIなどの指標も「過熱」は言い過ぎかなという雰囲気。この先、どちらの方向に向かうのか、それなりに注意して眺めておきたいところです。チャートヲタクの世界は、適度に入るのは良いと思うのですが、どっぷりと嵌り過ぎないように…(^^;。
● 今日はネタ切れ気味ですので(^^;、本日の記録に行きます。東証1部出来高は前週末比2980万株増の20億0133万株、売買代金は同230億円増の2兆6982億円。東証1部値上がりは1236銘柄、値下がりは361銘柄とソコソコの1日。今朝のSQ値を計算すると、前日比184.96円高の18156.45円で、実は今日の終値にかなり近い水準でした。ザラ場では、日経平均は222.77円高まであったのですけどネ…。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ソコソコの買い越し(2890万株売り/4730万株買い)でした。
2007年06月15日(金) .... 続伸、円安など受けて堅調だったけど…
TOPIX : 1772.94 (+16.30, +0.93%) | 日経平均 : 17971.49 (+129.20, +0.72%) | 円ドル : 123.05 |
● 円安や海外市場高を受けて堅調は堅調だったものの、方向感に欠け覇気に乏しい相場展開でした。前場の日経平均値幅はたったの32.39円と、記録的な小動き。これも前引けで高値引けしたので上にブレたので、それが無ければ20円台の値動きしかありませんでした。日経平均先物も前場は20円の値幅。途中、端末が壊れて更新していないのかと思いました(^^;。後場に入ってから、寄付き直後にピョコンと上に跳ねたものの、跳ねた水準で一巡してしまうとまた小動き。日経平均の1日の値幅は77.65円に留まり(後場だけだと58.00円)、後場、瞬間的に日経平均は1万8000円台を回復したものの、引けでバスケット売りを食らったようでちょっと届かずじまい。
● 本日も、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● ザラ場中は、さすがにトレーダー連中も暇をもてあましていたのか、相場と全く関係ないメールが飛び交っていました(^^;。後場に入るとそれも無くなる始末。ただ、相場そのものは高かったし、出来高もそれなりにあったので、動いているところでは動いていたってこと。日経平均先物も、前場は17980~18000円に一値1000枚超の売り指値がどっさり(買い指値もどっさりだった)。でも、この大量の売り物は、後場、ちゃんと商いして落としたのです。これを評価すべきか、それともそこで勢いが付いて上昇、というパターンに持ち込めなかった点を考えるべきか、中立的に相場を見るのが難しい局面と感じています。週末にゆっくり考えるとしましょう(^^;。
● 相場についてあまり書くこともないので、今日の記録。東証1部出来高は前日比1億1692万株増の19億7153万株、売買代金は同2556億円増の2兆6752億円。東証1部値上がりは1324銘柄、値下がりは296銘柄と、「全面高」までは行かないにしても、かなり値上がり銘柄が多い1日でした。一方、今朝のSQ値を計算すると、前日比118.48円高の17960.77円で、昨日に続いてほぼ今日の終値水準。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、6日ぶりの買い越し(3860万株売り/4510万株買い)でした。
● 話題変更。昨日発表された投資主体別売買動向に関連して、今朝の日経には「外国人買い越し/国内は売り鮮明」との記事。ただ、日経は現物だけを見て書いているので、先物も含めた全体像との観点からは、かなりミスリーディングになります。今回は特に6月4日~6月8日と、ビッグSQ(8日)を含んでいるのでなおさら。そこで、現物・先物両方の合計(ネット)で見てみましょう。
現物三市場 | 日経225先物 | 日経225mini | TOPIX先物 | 先物計 | 現物・先物計 | |
個人 | 203,779 | 125,288 | 56,461 | -832 | 180,917 | 384,696 |
外国人投資家 | 572,242 | -432,132 | -71,989 | 62,525 | -441,596 | 130,646 |
事業法人 | 20,502 | 20,669 | 908 | 467 | 22,043 | 42,545 |
生保・損保 | 2,716 | 256 | 0 | 22,186 | 22,442 | 25,158 |
その他法人等 | 7,145 | 4,359 | 102 | -211 | 4,250 | 11,395 |
その他金融機関 | -1,123 | 2,489 | 0 | 1,768 | 4,257 | 3,134 |
都銀・地銀 | 2,234 | 5,384 | 0 | -9,820 | -4,436 | -2,202 |
信託銀行 | -223,162 | 32,626 | 0 | 115,775 | 148,401 | -74,761 |
投資信託 | -210,192 | 26,548 | -40 | 33,467 | 59,975 | -150,217 |
自己取引 | -392,517 | 140,575 | 1,299 | -225,327 | -83,454 | -475,971 |
(単位:百万円、ネット) 出所:東京証券取引所、大阪証券取引所 |
● 外国人投資家の買い越しはその通りですが、現物だけだと5722億円買い越しだったのが、先物を一緒に見ると1306億円の買い越しだけになってしまいます。現物・先物両方とも買い越しだったのは圧倒的に個人投資家で、現物だけの2037億円買い越しに対して、先物もあわせると3847億円弱買い越しにまで膨らみます。ちょっと風景が違って見えますでしょ。「それがどうした?」って言われると困ってしまうのですけど…(^^;。なお、売り買い合計が微妙に1000億円ほどずれるのはご勘弁を(^^;。
● そうそう、四季報のCD-ROM版のAmazonのリンクは、「会社四季報CD-ROM2007年3集夏号」です。よろしく(発送まで時間が掛かるように表示されていますのでご注意を)。
● 雑談。日刊ゲンダイに「阪神次期監督に真弓明信氏」なる記事が出ていたようです。ゲンダイってのはあるにしても、まだ6月やのに…。スポーツ紙ですらまだこの「話題」は書いていなんです(-_-)。まぁ、最近の試合を見ていると、見ている方もストレスが溜まる展開ばかり。交流戦では全体にセ・リーグのチームが苦戦しているので、どちらのファンでもそれなりの不満は抱えているでしょうけど、タイガースファンにとっては、特にイライラが募る今シーズンです。ただ、そんな時にどうやって折り合いを付けて暮らしていくかという点については、長年のファンには十分以上のノウハウの蓄積があるんですけどネ…(^^;。
● 「梅雨入り宣言」が出たら晴れる、というパターンの週末みたいです。天気予報を見ると、週末だけでなく、来週もずっと晴れみたいですね(^^;。梅雨入り宣言って一体何やねん?って感じです。何はともあれ、良い週末を!
2007年06月14日(木) .... 米株高受け堅調、でも見送り気分蔓延で日中は超小動き
TOPIX : 1756.64 (+10.72, +0.61%) | 日経平均 : 17842.29 (+109.52, +0.62%) | 円ドル : 122.80 |
● 米国株高を受けて堅調に寄付いたあとも、堅調に推移する地合い。ドカンと売られることは無いだろうという安心感はあるものの、急いで買わなければ乗り遅れるという感じでもなし。話題に乏しいというか、動意に乏しいというか、方向感が定まらないというか、盛り上がりに欠ける展開が継続してしまいました。今日の日経平均日中値幅はなんとたったの59.72円。前後場で分けると、前場が48.71円、後場が59.72円と、この値幅は「良く動いた(^^;」後場の値幅が1日の値幅でした。手元の資料では、これは今年1月24日に54.67円という値幅を記録して以来の小動き。週末に掛けての「イベント待ち」の様相がかなり強く出た1日でした。
● ある意味では記録的な1日だったので(^^;、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 物色動向は昨日の反対。円安側に振れるというフォローの風が吹いていた割には、テクノロジーや自動車は堅調だったものの、相場のリード役という感じではありませんでした。昨日えらい下げを演じた非鉄などの資源系銘柄が一斉に反発したものの、安定感があるかどうかはまだ分かりません。化学が妙に高かった一方で、不動産は軟化傾向が続き、金利上昇に強いハズの保険、銀行も今一つ。一方で楽天が急上昇したりと、何か良く分からない動き。
● ファクターで見ると、バリューが反発したものの、リバーサルはなんかなぁ~って感じ。グロースがそれなりに強かったのが違いと言えば違いながら、最近は3日間と安定して効いているファクターがなく日替わりメニュー状態(^^;。また、サイズ別にバリューを見ると、効いているのは大型バリューで、例えばMid400のバリューはかなりずっこけ状態。グロースも効いているのは大型グロースで、今日はともかく、サイズ効果も結構な影響を与えているのが分かります。いずれにしろ、この状況だと「一喜一憂してもしゃあない」と感じ向きが多いでしょうし、もう少し方向性というかトレンドが見えてこないと、なかなか腰を据えて動く気にならないのも仕方ない感じです。
● 一方、デリバティブ(エキゾチック・オプション)のトレーダーと話をしたのですが、最近は廊下などで顔をあわせた時の挨拶が「ボラが、ねぇ~」となってきました(^^;。ボラティリティーが下がってくると、VaRでリスクを計測しているとリスク量が落ちてきます。動かない相場は基本的に儲からないし、リスク枠が拡大したように見えることもあって、良くあるパターンがポジションの拡大。ところが、そういう状況下で「何か」が起こると、一気にポジションを手仕舞う羽目になります。昔だったら、「ポジション手仕舞い=売り」と考えても良かったでしょうけど、デリバティブが浸透している現在では、手仕舞いは「売り」にも「買い」にもなります。膠着状態だった相場が急激に動きだすと、リスク量が急激に増えたように見えるので、ヘッジファンドはもとより、プロップ系のトレーディング部署などはとても忙しくなります(^^;。パッと考えても、いつかどこかで、そんな状態になるのは予想出来るのですが、問題は「いつなのか?」です。それが分かりません(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比2億6470万株も減って18億5461万株、売買代金は同4084億円減の2兆4196億円。東証1部値上がりは1217銘柄、値下がりは372銘柄と、指数の割りには値上がり銘柄が多い1日。今朝のSQ値を計算すると、前日比115.29円高の17848.06円で、これはほぼ今日の終値。つまり、寄付から動かなかったってことです。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日連続の売り越し(3720万株売り/3380万株買い)でした。
● さて、明日は東洋経済の四季報と日経の会社情報の発売日です。色々なデータはオンラインでこの1週間ほど流れているし、東洋経済の雑誌などではプレビュー特集も掲載されています。また、最近は「本」として使うよりも、CD-ROMの形で検索したりする方が手軽だし、探している情報に行き着きやすいので、私はもっぱらCD-ROMを活用しているクチです。CD-ROMを使うと、業界で言う「テキスト・マイニング」がやり易いのです。良くあるパターンは、「最高益」や「絶好調」などの語句で銘柄を抽出すること。実際にやってみると、自分が全く意識していなかった銘柄が見付かったりするので、ナカナカのものです。この件に関しては、先日、ダントツ投資研究所の夕凪ダン氏が、「会社四季報の影響力を確かめる」として興味深い研究をHPに掲載されています。明日の四季報/会社情報発売を控えて、チェックしておいて損はしないと思います。
● 宣伝を少し(^^;。Amazonでは、会社四季報 2007年3集夏[CD-ROM] (2007)(追記:リンク外しました)です。日経会社情報のCD-ROMは、Amazonではまだ掲載されていないようなのですが(そして上記も「現在お取扱いできません」などと出る…(^^;)、明日になればちゃんとなるのでしょう。
● がらりと変わって雑談。"消えた年金記録5000万件"で毎日大騒ぎになっていますが、今日の夕刊フジに、『徳光アナ「死んでいた」…年金記録で「死亡扱い」、夫人が申請に行ったら「遺族年金ですか?」と窓口』との記事。個人的にウラを取った話ではないので報道を真に受けるしかないのですが、それにしてもひどい話というか…。ちょっと落ち着いた頃に、自分の記録も調べてもらわねば、とは思いますね。もともと国の管轄する年金は税金みたいなもの、と努めて考えるようにはしていたものの、それにしても…です。
2007年06月13日(水) .... 小幅続落、安寄り後に戻すも、方向感乏しいまま
TOPIX : 1745.92 (-5.70, -0.33%) | 日経平均 : 17732.77 (-28.14, -0.16%) | 円ドル : 122.15 |
● 米国株大幅安を受け、寄付きから軟調な展開は誰もが予想したことでしょう。シカゴ日経平均先物(大証比120円安)に足並みを合わせる格好で寄付いて、一巡してしまうと「シィ~ン」(^^;。ただ、今日は前場終盤からジリジリと戻し歩調になり、後場寄付き後も戻り歩調継続。14時07分頃に日経平均は一時的に前日比プラス転換(TOPIXはプラスにはならず)。前場に日経平均で一時-0.95%、TOPIXで-1.15%まであったことを考えれば、前場終盤から良く戻したものです。ただ、相場の賑わいと言う点では、なんか「今一つ」感が拭えない状況が継続。バリューがかなりボロボロだったことが影響していただけかも知れませんが(^^;、何となく盛り上がらない印象が残った1日でした。方向感が見えないんですよね、ここ数日間は…。
● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 後場から円安方向に振れたこともあって、テクノロジーの一角や自動車などが戻りを牽引。ほか、小売りもリバーサルの買いが入っていたのか、意外に堅調でした。消費者金融も高かったのですが、このセクターは日替わりメニューなので分かりません(^^;。一方、金利上昇でネガティブな不動産や電鉄、電力・ガスは総じて軟調。つい数日前は金利上昇を「好感」して爆騰した保険は、今日も今一つの値動き。この辺を見るだけでも、方向感が乏しいというか、日替わりメニュー過ぎて、FM諸氏も「一喜一憂しても、しゃあない」的な感じで、一歩距離を置いている感じがします。これは国内だけでなく、海外投資家でもそんな感じを受けるのです。
● そこで、ちょっと一歩下がって眺めてみましょう。「世界的な金利上昇懸念」と言うときれいに聞こえるんですが、マーケットの近くから見ている立場だと、マーケットは何らかの売るきっかけが欲しかったように感じるのです。もちろん、日本株ではなくて、上昇を続けていた欧米各国の株式市場という意味です。「降りたいけど、降りると機会損失が大きい」という心配を山ほど抱えていた投資家からすれば、今回の売り理由は誰もが納得できるというか、ある意味で妙な安心感があるというか…(^^;。チキンレースから脱出できたような妙な安心感が収まれば、また元気に参戦してくる可能性が大きいと考えています。
● ただ、いつも書くように、そのタイミングが分からないのです。数日なのか、1週間なのか、数ヶ月なのか…。これがはっきりと見えるのなら、今頃はこんなしんどい仕事なんかしていませんって…(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億3445万株増の21億1931万株、売買代金は同1408億円増の2兆8280億円で、東証1部値上がりは640銘柄、値下がりは942銘柄。今朝のSQ値を計算すると、前日比137.08円安の17623.83円。寄付きでちょっとまとまった売りが出たものの、そこからザラ場で下値を売る向きは多くなかったことが分かります。日経平均の今日1日の値幅は189.48円。前場が75.87円、後場が131.61円と、久しぶりに後場の方が動いた日でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4日連続での売り越し(4080万株売り/3360万株買い)でした。
● 話題変更。OHT(6726)の件、昨日の夕刊フジに続いて、今日は日経金融「スクランブル」欄にもデカデカとコラム掲載。もちろん、日経金融なのでヘッドラインも「証券、OHT株急落で損失 与信管理の確立不可欠」という風になります(^^;。ただ、一言で与信管理と言っても仕手筋の与信なんて本当に管理できるのやら。証券会社同士の横のつながりがないと情報交換はできないし、でも、それを安易にやってしまえば顧客情報漏洩になり、今度は証券会社がお縄になります。公的に(顧客情報漏洩を心配しなくて良い)その手の情報を交換する場でもあれば良いのですが、簡単に実現しそうにはありません。記者さんが「与信管理の確立不可欠」と書くのは絶対的に正しいのですが、「じゃあ、具体的にどうすんねん?」になれば、あっという間に障害だらけになってしまうのです。「危うきに近寄らず」は一つの手段でしょうけど、これをやり過ぎるとビジネスとしては疑問符も出てくるし…。バランス感覚が難しいです。
● 雑談。相場が暇だったのか、今日は市場筋の間を替え歌が飛び交っていました。題は「もらえまセンの風」というらしく、あの「千の風」の替え歌だそうです。最初のフレーズからして「社会保険事務所の前で 泣かないでください」だって…。2ちゃんねる発のネタみたいですが、全文はネットでそこら中に掲載されているようですので、この最初のフレーズでググッてみてください。しかし、あんな美しい歌に、こんな悲しい替え歌くっつけるなよなぁ~、ホンマ。
2007年06月12日(火) .... 軟調、方向感に乏しく手詰まり感が強まる
TOPIX : 1751.62 (-9.56, -0.54%) | 日経平均 : 17760.91 (-73.57, -0.41%) | 円ドル : 121.70 |
● 寄付きこそ米国株高やシカゴ日経平均先物高を受けて、瞬間的には小高く寄付いたものの、その後はジリ貧の展開。相場の柱も定まらないし、昨日上昇した保険株が早くも大幅反落するなど、安定感が乏しいというか方向感に欠けると言うか、手詰まり感を感じざるを得ない1日でした。特に後場その傾向が強く、今日1日の日経平均値幅127.43円も小さめだったのですが、後場の値幅はわずかに45.19円。先物も後場は上下50円しかなく「お手上げ」状態(^^;。最近、どうも後場に腐る相場展開を良く見掛けます。また、東証1部値上がり357銘柄に対して値下がりは1280銘柄にも達し、指数で見るよりも、かなり値下がり銘柄数が多かった印象でした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。後場の「腐り方」をご覧頂ければと…(^^;。
● 相場そのものが今一つだったこともあって、市場関係者の間で話題になっていたのが、シティグループが日興コーディアル株の保有比率を68.69%に引き上げた件。大量保有報告で明らかになったのですが、TOB時に61.08%の保有比率だったものが、その後、少しずつ増加していたものが一気に上昇し、ついに保有比率が3分の2超の68.69%まで上昇。これで経営権を完全に支配する格好になりました。
● 普通はそこまでかもしれませんが、どうやって取得したのかなどへの興味が沸いてきたので、EDINET (https://info.edinet.go.jp/login.do)に行って調べてみました。このシステムは決して使い易いものではないのですが、まぁ、お役人さん主導で作ると得てしてこうなります(^^;。それはともかく、当該の大量保有報告を見付けてきて調べると、報告義務発生日は6月6日。内容を詳細に見ると、同日に市場内取引で取得したのが 31,882,500株と大きく、単価は1699円。実はこの日、日興CG株は東証で 37,380,000株もの突出した出来高があり、四本値は始値1666円、高値1706円、安値1666円、終値1694円。Bloombergで当日のVWAPを調べると1699.2378円。確かに、あの日はおかしかったです…(^^;。
● この大量保有報告には、日興アセットの保有している0.24%も一緒に共同保有分に含まれているのですが、これは「運用」としての保有なので、実際には68.69%から0.24%を引いた分が「経営権」という意味での保有になります。まぁ、大差はありませんけど…(^^;。この辺の詳細は、EDINETに掲載されているPDFファイルの21ページ目以降に全て載っています。各自でご確認を。
● EDINETよりもはるかに便利なのが、いつもお世話になっている「考える株式投資」(http://g2s.livedoor.biz/)。こちらのサイトでもいずれアップデートされると思います(これを書いている時点ではまだです)。サイト内で日興CGの大量保有報告へのリンクは http://g2s.biz/tool/fiverule/8603.html です。このサイトには他にも「タワー」の件など、興味深いネタがあります(^^;。
● 話を戻して、議決権の保有比率についても少し書いておきましょう。議決権は1単元から存在するのですが、保有比率が1%を超えると株主総会での議案の提案が可能になり、3分の1超で特別決議に対する拒否権が発生、過半数で取締役選任など普通決議の可決が可能になるなど、段階的に権利が決まっているのは承知の通り。3分の2以上保有しているということは、特別決議を自分で可決することが出来ることで、拒否権を行使して「邪魔」をする株主が居ないことになります。その点から、経営権の完全掌握とみなされるのです。ところで、3分の2超の保有と100%保有の違いは何かあるのでしょうか?実はこれについては意識したことも無かったのですが、どなたかご存知の方はいらっしゃいます?
● 一方、マーケット的には、少数特定者持株数で75%と90%のラインに上場維持基準があるので、この辺がちょっとした注目点になります。上場維持の観点からは、3分の2を超えてもあまり75%に近くない方が良いことになります。これは上場廃止リスクを考慮すれば、ってこと。ただし、非上場化するつもりだったら、全く別の考え方になります。この辺も含めて、シティの次の一手があるかどうかに注目しておきたいです。しかし、日興CGは日経平均採用銘柄なのに、段々と品薄株になってきました…(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比9183万株減の19億8486万株、売買代金は同358億円減の2兆6872億円。決して薄商いってことはないのですが、今一つ盛り上がりに欠けたのは事実。今朝のSQ値を計算すると、前日比12.75円高の17847.23円。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、3日連続での売り越し(3940万株売り/2930万株買い)でした。
● 昨日書いたアイザワ証券から「信用取引における立替金の発生に関するお知らせ」とのリリースが出たとの話。今日の夕刊フジにもデカデカと関連記事が掲載されています。ヘッドラインは、「証券10社“鉄砲被害”…仕手戦で決済しないで失踪 優良企業の株価を人為的に操作」なるもの。URLは http://www.zakzak.co.jp/top/2007_06/t2007061218.html です。全体としてうまく事態を描けていると思いますが、上記のアイザワ証券の件などは、会社側が発表しているリリースだし、TDNetにも掲載されている公式文書なんだから、記事に盛り込めば良かったのに…。このHP/ブログをお読みではないんでしょうね…(^^;。何はともあれ、各自で記事をご確認下さい。
● 雑談。例の社会保険庁の「ねんきんダイアル」ですが、某市場筋から廻ってきたメールによると、「電話口に出て必死に謝っているのが時給1050~1100円で掻き集められた派遣のパートさん」とのこと。ホンマかな?と思ってたら、実際に募集広告(http://townwork.net/h/r/Fh30010s.jsp?lac=01&jmc=00302&rid=04189511&axc=03)まで出てるんです。広告には「ねんきんダイヤルの受電対応をして頂きます」と書かれており、一気に150名の大量募集。書き出すとキリが無いのでこの辺で止めておきますが、正直言って、かなり複雑な心境になります。だって、電話口で文句言おうとしても、派遣の方々に言っても可哀想というか、仕方ないというか…。ちょっと憤慨する気持ちにもなります。
2007年06月11日(月) .... 堅調ながら伸び悩み、物色動向が一気に変化
TOPIX : 1761.15 (+4.99, +0.28%) | 日経平均 : 17834.48 (+55.39, +0.31%) | 円ドル : 121.60 |
● 指数は1日中プラスで推移したものの、「高い相場」って気がしなかったのは私だけでしょうか…(^^;。これまで賑わっていて、ある意味では「これで行く」って感じのコンセンサスが出来ていた銘柄群が一斉安となり、それ以外の銘柄が堅調だったことが影響していたと考えています。鉄鋼、非鉄、商社、海運などが軟調。特に非鉄はかなり大きく下がった印象が残りました。問題はこれが「押し目」なのか「終わった」のか…。それが分かれば苦労しないんですけどねぇ(^^;。
● 今朝のSQ値を計算すると、前日比139.69円高の17918.78円。今日のザラ場高値は9時49分の17932.10円だったので、先週金曜日のビッグSQ値(17912.59円)を無事にカバーして「幻のSQ値」は解消。ただ、曲がりなりにも上に行きそうな雰囲気があったのは、朝最初の1時間程度のみ。前場後半は右肩下がりの展開で、後場は指数はプラスながら横ばいでした。後場の日経平均値幅はわずか52.06円しかありませんでしたし…。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 物色動向としては、総じて時価総額の大きな銘柄が買われた一方で、新興市場をはじめとする中小型株は軟調。Core30が21bpsも勝っていた一方で、Large70は7bps負け、Mid400は10bps負け、Smallは40bps負けと、サイズが小さくなるに従って駄目だったことが分かります。TOPIX Smallも前日比でマイナスでしたが、新興市場もマイナスばかり。この辺も盛り上がらない要因の一つだったのかもしれません。さらに、物色対象の銘柄群も何となく乗り切れない印象のものばかりでした(^^;。まぁ、あまり美しい銘柄ばかりもナニですが、業種別指数の値上がり率トップが水産・農林となってしまうと、いくらウェイトが小さくてポートへの影響はたいした事ないとしても、「なんかなぁ~」って感じになります(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前週末比13億6962万株減の20億7669万株、売買代金は同2兆4096億円減の2兆7229億円。先週金曜日がビッグSQだったので分かり難いので、先週のSQ以外4日間の平均は、出来高で25億5705万株、売買代金で3兆0694億円でした。この点から見ると、やはり出来高で5億株ほど、売買代金で3500億円ほど少なかった勘定になります。まぁ、月曜日ですしね…(^^;。東証1部値上がりは897銘柄、値下がりは691銘柄、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(4210万株売り/3340万株買い)でした。
● そうそう、土曜日の日経にも出ていたのですが、アイザワ証券から「信用取引における立替金の発生に関するお知らせ」とのリリースが金曜日付けで公表されています。「信用取引において一部の銘柄の急激な下落に伴い損金未入金が発生」とのこと。リリースには具体的な銘柄名は掲載されていないものの、日経にはOHT(6726)と載っていました。もし載っていなかったとしても、市場関係者ならすぐに分かったと察します。当初から市場筋の間では同社が「食らった」との観測は出ていたのですが、それがオフィシャルな形で公表されたってことです。1社だけではなかったとの声があるだけに、今後、他社からも似たような発表があるかもしれません。いずれにしろ、この辺の話が「ささやき→公表」になってきたということは、この件については終幕近しでしょう。J_Coffeeさんがサイト更新されていたら、まさに「兜町事件簿」ネタでした…。
● 雑談。昨日のサヨナラホームラン。林威助(リン・ウェイツゥ)選手って、本当に凄いヤツだと思います。高校から単身で日本にやってきて(台湾出身)、そして大学、プロの道を歩んだなんて、なかなか出来ることではありません。そして、今や押しも押されもしないレギュラーでクリーンアップの一角の大役を務めて、セ・リーグの打率第3位。ホンマ凄いやっちゃ。旬の選手は見ていても気持ち良いし、林選手は日本の若者が失ってしまったようなモノを持っているようにも感じさせられます。あの打球の速さも凄いですしね。蛇足ながら、セ・リーグの現在打率第1位、2位は共にヤクルトの青木選手とラミレス選手。でもチームとしてのヤクルトはリーグ最下位(^^;。これも不思議です。
2007年06月08日(金) .... ほぼ全面安、米国株大幅続落・金利上昇懸念などで。売買代金5兆円超!
TOPIX : 1756.16 (-23.56, -1.32%) | 日経平均 : 17779.09 (-274.29, -1.52%) | 円ドル : 121.15 |
● 今日はビッグSQ。外部環境としては、米国株式市場が大幅続落となり、シカゴ日経平均先物も大証比350円ほど下。そういったなか、例によってSQ実況中継で行きましょう(^^;。東証注文受付が始まってしばらく経った午前8時25分頃には、Excel上の日経平均速算値は既に前日比2240円安(^^;。8時40分前には同2600円安ほどになり、実はこれが8時55分頃まで継続。「最後に買いバスケットが入る」と信じていながらも、「もしかしたら?」の気持ちも否定できない状況(^^;。8時58分には同2400円安、8時59分で2300円安、8時59分30秒でも2300円安。時計が9時丁度になるかならないかでも2280円安ほど。そして、最後の最後にお約束の買いバスケットが入り、一気に戻ってチャンチャン。
● SQ値は前日比140.79円安の17912.59円。シカゴ日経平均先物の水準などを考えると、200円近く「上」だった印象でした。SQ値確定は9時15分。クレディセゾンが最後まで売り気配でした。9時15分時点での東証1部出来高が11億8232万株、売買代金が2兆0712億円。ちなみに売買単価は1751.78円で、これは前日比で619.46円高。SQ日に特徴的な跳ね方です。市場筋推計では、日経平均型で一銘柄あたり差引14~15万株程度の買い越し、加重型でも買い越しだったとのこと。毎分の東証1部売買代金推移も書いておくと、やはりビッグSQでは数字がかなり歪み、9時00分~9時05分の5分間で35.8%の売買代金が集中。やっぱり「えいやぁ!」が必要でした(^^;。前後場では、前場が66.37%、後場が33.63%の分布で、普段と比較するとかなり過激に歪みが出ていました。
● その後は、SQが比較的高かったことから、それを修正する格好でジリジリと下げ幅を拡大。前場中盤にザラ場安値を付けたあとは、指数は低空飛行だけど横ばい。個別には、世界的な金利上昇気運を受けて、さらにREITの下落もあって、不動産が軟調。電力・ガス、建設なども軟調だった一方で保険が上昇し、銀行もそれなりに堅調。東証33業種ではこの二つだけがプラスだったし、教科書通りの値動きでした。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。あまり見応えのある日中足ではありませんけど…(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比6億5920万株増の34億4631万株、売買代金は同1兆9767億円増の5兆1326億円と大活況。もちろんビッグSQという特殊要因があったのですが、それでも売買代金の5兆1326億円は過去最高とのこと。ロイターにはこれまでの最高が2007年2月28日の5兆0394億円と出ていたのですが、手元の数字では当日は4兆8282億円。どうしてなんだろう?まぁ、いずれにしろ「5兆円超」なんて見たことが無いので、凄い記録って事は間違いありません(^^;。
● また1日終わっての売買単価は前日比356.98円高の1489.29円。前日比ではかなり高いのですが、上記した9時15分の1751.78円からは、それなりに下落しています。SQ日の特徴的な動きですネ。一方、東証1部値上がりは289銘柄、値下がりは1372銘柄で、かなり「全面安」に近い水準。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な売り越し(5710万株売り/3990万株買い)。
● 今日の先物手口についても少し。SQって事もあったのですが、かなり大きなモノが出ていました。とりわけ、かのCS君。日経平均先物で6302枚売り(買いは非開示)、TOPIX先物で4994枚売り(買いは非開示)とダントツ。次いでリーマン君が日経平均先物で差引3437枚売り越し、TOPIX先物で差引2001枚売り越しでした。
● そうそう、寄付き前には4月機械受注の発表もありました。事前コンセンサスが+4.5%(Bloomberg/ロイター)だったのに対して、結果は+2.2%とやや失望。もっとも、今日の相場では、それほど大きな影響はありませんでした。TOPIXの-1.32%に対して機械株指数は-2.31%。対TOPIXでアンダーパフォームしているのは事実なので、機械株が売られたと書きたいところですが(^^;、指数下落率ランキングで機械株は33業種中の第7位。それほど大騒ぎするほどの影響はなかったと考えています。
● 何はともあれ、今週もお疲れ様でした。あまり天気は良くない週末みたいですが、良い週末を!
2007年06月07日(木) .... 軟調スタートも後場切り返し、TOPIXはこれで6日続伸
TOPIX : 1779.72 (+1.22, +0.07%) | 日経平均 : 18053.38 (+12.45, +0.07%) | 円ドル : 121.30 |
● 米国株式市場やシカゴ日経平均先物(大証比250円安)を見て、軟調スタートは皆が予想していたでしょう。ところが、寄付きから「下がらなかった」印象の強い1日でした。今朝のSQを計算すると、前日比166.94円安の17873.99円。前日比ではかなり安かったのですが、シカゴ日経平均先物の250円安からすると、100円近くも「上値」だったことになります。そして、後場からの戻りは銀行株などの内需系銘柄+商社などの銘柄群が先導。前場後半からバリューが強くなっていたので、誰かバスケット買いでも入れんでしょうかね?ビッグSQ前日ということを考えると、何となくわざとらしさも感じるところですが、その辺の真相は不明です(^^;。
● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。後場寄付きから相場の雰囲気が一変したことがご覧頂けるかと…。
● 実は、今朝シカゴ日経平均先物の水準を見たときに、昨日書いた「アイランド・リバーサル」が頭を過りました(^^;。で、今日の相場でどうなったかと言えば、日経平均は窓埋めになった(17875.75~17943.68円まで窓が空いていた。今日の安値は17866.52円)ので、ひとまずアイランド・リバーサルは消えた格好。一方で、TOPIXは日経平均と若干チャートの形が違っていて、1757.09~1763.92ポイントの窓が空いていたところ、今日のザラ場安値は1762.92だったので、窓にホンの少しだけ差し掛かったものの、ほとんど埋めていない状態。あまりチャートだけに没頭するのは賢い選択肢だとは思わないのですが、一応、頭に入れておこうかなと…。
● 今日は日経平均とTOPIXの日足チャート(プラス加工)を付けておきます(データはBloomberg Professional。「虎年の獅子座」加工)。単純にBloombergから四本値を落としてきて、普通のExcelで描いています(^^;。
● 一方、今日が6月限先物・オプションの最終取引日。せっかく集計してきたので、今日もそれぞれの先物の出来高をまとめておきましょう。全体的に商いは相当減り(特にTOPIX先物)、ロールは昨日までで山場を越えたことが分かります。
立会内取引 | 限月間SP取引 | 立会外取引 | |
日経平均先物 6月限 | 60,152枚 | 8,195枚 | 84,259枚 |
9月限 | 45,402枚 | --- | 81,664枚 |
合計 | 105,554枚 | 8,195枚 | 165,923枚 |
TOPIX先物 6月限 | 19,247枚 | 14,504枚 | 34,197枚 |
9月限 | 24,892枚 | --- | 29,445枚 |
合計 | 44,139枚 | 14,504枚 | 63,642枚 |
● 明日はビッグSQ。3ヶ月に1回のお祭りです(^^;。今回のロールでは、TOPIX先物が1.0ポイントまで下落したのがイベントと言えばイベント。ショート側からすると、ちょっとコストが高いロールだったかも知れません(タイミング次第だった)。そのため、明日のSQでは、普段よりも多い目の裁定残が解消される可能性はあります。ただ、そうなったとしても逆側のミスプライス狙いの買いも大量に入ってくるので、10年とか15年前のような波乱は無いのですけどネ…(^^;。コメント的には、不安を呼ぶような書き方するほうが受けるとは思うし、実際に「ロールバックされた!」なんて劇的な書き方をするサイトもあるでしょう。でも、実際のところは、大騒ぎするほどのことはないと考えています。事前予想は当たったためしがないので、「コンセンサスの逆」ってことにしておきます(^^;。
● それよりも、売買代金の集中度について書いておきましょう。手元の毎分売買代金分布データでみると、ビッグSQの時は平均すると40%程度(多ければ50%超)の売買代金が寄付~9時05分の間に集中します。普段はこの数字が7%台なので、如何にビッグSQが大きな歪みをもたらすかが分かります。VWAPと競争する宿命にあるトレーダーの皆さん、特に商いが薄い銘柄は「えいやぁ~」と行かないと、あとで対VWAPで取り返すのがほぼ不可能になります(^^;。ラッキーする場合もあるのですが、往々にして逆目に出ますから…(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億9773万株増の27億8711万株、売買代金は同1174億円増の3兆1559億円と活況。東証1部値上がりは899銘柄、値下がりは702銘柄だったので、指数のプラス引けとも印象が合致します。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(3050万株売り/3460万株買い)。見た目ではフローが減ったように見えますが、各社ともにフローが減っているうえ、この2日間ほど大量のフローを出していたところが無くなった、って事みたいです(^^;。
● 最後に一つ。市場筋の間では、モルガン・スタンレーの「トリプル売りシグナル」が話題になっていました。日本株ではなく欧州株(MSCI Europe)の話ですが、要するにテクニカル指標で過熱シグナルが相次いでいるとの指摘。なんでもITバブル崩壊以来のシグナル点灯とのことで、「‘full house’ sell signal」状態と(^^;。日本株ばかりを見ていると、実感が沸かないというか、「過熱感をちょっとぐらい分けて欲しい」感じ(^^;。大きな余波を食らうことはないとは考えていますが、海外市場が下落するなら、そんな時はしっかり日本株も連動することが有り得るでしょうから、一応、為念。デイリー・テレグラフ紙が発端みたいです。記事は、「Morgan Stanley issues triple sell warning on equities」 からどうぞ(英文です)。
2007年06月06日(水) .... TOPIXは5日続伸、日経平均は小反落。方向感乏しい1日
TOPIX : 1778.50 (+1.94, +0.11%) | 日経平均 : 18040.93 (-12.88, -0.07%) | 円ドル : 121.40 |
● 寄付き段階では米国株安、シカゴ日経平均先物安を受けて軟調にスタートしたものの、ドカンと下値を売る向きは乏しく、前日終値近辺まで戻して横ばい推移で前場を終了。後場に入ってから一度は上値トライしに行ったものの不発で、結局は前日終値近辺でのもみあいに終始。今日の日経平均の1日値幅はわずかに81.86円。前場が64.33円で、後場が58.98円でした。如何に値動きが乏しかったかが良く分かります。日経平均はマイナス引けになったことで、「4連騰で終わり」と「SQ週の水曜日は弱い」を達成(^^;。ただ、TOPIXは5日続伸でした。今日の東証1部値上がりは685銘柄、値下がりは929銘柄だったことを考えると、小反落が印象としては合っていたのかもしれません。でも、商社、鉄鋼、非鉄あたりに"集中"してらっしゃった方々は、それなりに面白い1日だった察します(^^;。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 相場全体に方向感が乏しくなってくると、上記したように物色が集中する面が強くなるほか、材料株の出番到来って感も強くなります(^^;。今日の東証1部値上がり率上位は、上から順番に、大東紡織、チタン工業、富士興産、佐伯建設、丸栄、太平洋海運、共栄タンカー、ニチイ学館、ジャックス、日本農薬。ニチイ学館はグッドウィルの自爆(コムスンの自爆)を受けてでしょうが、それ以外は"相場解説"的には背景不明ばかり。もっとも、だから面白いと言えば面白いんですけどネ(^^;。
● 改めてチャートを見るまでもなく、ピョコンと窓を空けて上に飛んだあと、その水準でぐじゃぐじゃともみあい商状が続いています。ここから、もし何らかの理由で下に窓を空けて下がるようだったら、綺麗なアイランド・リバーサルが完成してしまいます。今回の上昇局面では、前回、2月末の中国発世界同時株安の時に形成したアイランド・リバーサルを埋めるかどうかの水準まで戻ったのですが、先行している日経平均でも「埋めそう」までは行っているものの、「埋める」までは届かない状態。TOPIXでは、まだ「埋めそう」までも届いていないのです。ビッグSQというイベントも接近していることだし、一応、頭に入れておこうかなと…(^^;。ご参考にTOPIXの日足チャート(プラス加工)を付けておきます(データはBloomberg Professional。「虎年の獅子座」加工)。
● さて、ロールオーバー状況についても少し書いておきましょう。今日はTOPIX先物の限月間スプレッド取引(取引所)で、1.50ポイントのビッドが12時49分に売られてしまい、結局、1.0/1.5ポイントで大引け。1.5ポイントのオファーはそれほど膨らまなかったものの、ドカンと売られた後に1.5ポイントビッドにならなかったところは、ちょっと心理的にも効いた印象。一方、日経平均先物の方は業者間取引も取引所取引も、スプレッド水準にそれほど大きな変化はなく、業者間取引では26.50円近辺での取引が多かった様子。昨日と同様に出来高のまとめもやっておきましょう。
立会内取引 | 限月間SP取引 | 立会外取引 | |
日経平均先物 6月限 | 62,362枚 | 17,433枚 | 90,935枚 |
9月限 | 16,034枚 | --- | 88,473枚 |
合計 | 78,396枚 | 17,433枚 | 179,408枚 |
TOPIX先物 6月限 | 33,063枚 | 70,118枚 | 147,362枚 |
9月限 | 11,873枚 | --- | 142,931枚 |
合計 | 44,936枚 | 70,118枚 | 290,293枚 |
● ちょっと乱暴ながら、全部合計しての出来高で見ると、日経平均先物は、昨日の236,058枚から今日は275,237枚。TOPIX先物は昨日の456,762枚から今日は405,347枚。昨日がピークだったのか、今日がピークだったのかは「どっちもどっち」ですが、山場を越えたのは間違いないと思います。建玉残を見てもそんな感じですし…。しかし、ロールの時のTOPIX先物の出来高は凄いです(^^;。
● なお、本日大引け後にBloombergでデフォルト状態で計算したフェア・スプレッドは、日経平均先物が+19.95円、TOPIX先物が+1.96ポイントでした。日経平均先物が約10円プレミアム、TOPIX先物は約0.5ポイント弱のディスカウントで、ほぼ普段通りの状態でした。
● 記録。東証1部出来高は前日比2億8959万株も増加して25億8938万株、売買代金も同2241億円増の3兆0385億円と、再び3兆円乗せ。今朝のSQ値を計算すると、前日比54.80円安の17999.01円。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの買い越し(3610万株売り/4630万株買い)。市場筋によると、株数だけでなく金額ベースでもフローが膨らんでいたとのこと。
2007年06月05日(火) .... これで4日続伸、日経平均は終値で約3ヶ月ぶりに18000円台回復
TOPIX : 1776.56 (+3.72, +0.21%) | 日経平均 : 18053.81 (+80.39, +0.45%) | 円ドル : 121.90 |
● 寄付きはそれなりに堅調だったものの、その後ジリ貧でマイナス転落。「あかんか…」と思っていたら、「あれっ?海運株プラスになっとるやんけぇ!」って感じで盛り返し(^^;。ただ、全体感としては日経平均18000円近辺でのもみあいに終始し、方向感に乏しい展開でした。多少は「中国株離れ」した様子があるものの、上海株式が軟調に推移していたので何となく動きづらい雰囲気でした。前場は多少は上下動があったものの、後場はほぼ膠着商状。ただ、それでも下値をガンガン売る感じではなく、結局、日経平均終値で18000円台を回復して終了(2月27日以来)。日経平均の日中値幅は121.27円だったのですが、これはそっくり前場の値幅。後場はわずかに60.85円しかありませんでした。最後は上海株式もプラス転換していましたしね。
● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別銘柄の話などは"相場解説記事"にお任せするとして、ロールオーバーの話で行きましょう。今日のように小動きの相場展開は、ある意味では「ロールオーバー日和」(^^;。昨日からかなり盛り上がりがあったのですが、今日も業者間取引を中心にかなり出来高が膨らんでいた様子。
● 取引所取引の限月間スプレッド市場では、日経平均先物もTOPIX先物も相場水準がビッド/アスクの真ん中ほどにあることで、上にも下にも行きづらく、やや睨めっこ状態。ただ、それでも日経平均先物では500~1000枚単位の買いが時折入っていたし(+30円を買っていた)、TOPIX先物では13時57~58分に掛けて「2000枚買い×2発+2645枚買い(いずれも+2.0ポイントを買っていた)」がありました。
● 一方、業者間取引の限月間スプレッド市場は、今日も一段と商いが盛り上がっていた様子。ただ、スプレッドの水準そのものは昨日と大きな変化はなく、ここでは具体的な数字は書きませんが(最近、奥歯に一杯モノが詰まっています(^^;)、取引所取引のビッド/アスクの半ばの水準で推移。Bloombergでデフォルト状態で計算したフェア・スプレッドからすると、日経平均先物がプレミアム、TOPIX先物が若干のディスカウントなものの、普段よりは多少上振れしている印象。明日ぐらいがロールのピークになると考えていますが、もしかしたら今日がピークだったかも知れません。スプレッドそのものは、ちょっと強含むような印象はあるのですが、かと言って日経平均先物で30円がビッドになるほどでもないところをイメージしています。
● また、ロールオーバー時期にある出来高の異常なほどの分布も、記録として残しておきましょう。ちょっと見難いかも知れませんが、表にしてみました。それぞれ日経平均先物とTOPIX先物の立会内取引、取引所での限月間スプレッド取引、そして業者間取引に多用される立会外取引の出来高です。
立会内取引 | 限月間SP取引 | 立会外取引 | |
日経平均先物 6月限 | 85,563枚 | 8,091枚 | 64,338枚 |
9月限 | 15,081枚 | --- | 62,985枚 |
合計 | 100,644枚 | 8,091枚 | 127,323枚 |
TOPIX先物 6月限 | 32,131枚 | 41,715枚 | 192,938枚 |
9月限 | 6,995枚 | --- | 182,983枚 |
合計 | 39,126枚 | 41,715枚 | 375,921枚 |
● ロールオーバーは2枚1組なのでダブルカウント気味にはなるのですが、それでもかなりの量が立会外取引、つまり業者間取引でロールされているのが分かります。特にTOPIX先物でこの傾向が顕著で、種玉としての建玉残高がある割に、日々の商いには出てこない部分がロールの時に一斉に顔を出す、って感じです(^^;。逆に日経平均先物は種玉というよりも、日々の回転が高いので、ロールの時の出来高の増加具合は、TOPIX先物ほど顕著ではありません。興味深いところです。
● 記録。東証1部出来高は前日比2億5213万株も減って22億9979万株、売買代金も同4549億円減の2兆8143億円。今日は鉄鋼、非鉄などが一休みだったので、この辺が商いの面で影響した格好です。東証1部値上がりは907銘柄、値下がりは693銘柄で昨日とほぼ同じ。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(5490万株売り/6430万株買い)。かなりフローが増えているようにも見えたのですが、市場筋によると、一社が株数・金額ともにズバ抜けて多かったとのこと。それ以外は基本的にチャラだったってことでしょう。
● 雑談。例の「トレーダー川柳」ですが、複数の市場関係者の方々から"情報提供"を頂きまして「やっぱり…」でした(^^;。同業他社さんのセールストレーダーの方が「主催者」とのことです。個人的にお会いしたことはないし、同業他社だったら競争相手になるのですが、密かに応援しつつ、第二回を楽しみにしております(^o^)。
2007年06月04日(月) .... 続伸…だけど、寄り天でほぼ安値引け
TOPIX : 1772.84 (+4.96, +0.28%) | 日経平均 : 17973.42 (+14.54, +0.08%) | 円ドル : 122.05 |
● 全体に堅調な値動きは十分以上に」予想できたものの、今日は典型的な「寄り天」の1日になってしまいました。18000円超では利食い売りが出てくる水準なことに加えて、前場中盤からは上海株式市場が軟調に推移したことも相場の重石になったイメージ。いつまでも中国株の動向に振り回されるのは嫌なんですが、「ジャパン・パッシング」のなかでは、日本市場は従属的な市場ってことなんでしょうか…(-_-;)。日本市場が引けた後ですが、上海株式市場は一段安になってしまい最後は8.26%安。現時点では他市場には大きく波及していないようですが、明日朝がちょっと心配です。
● 何はともあれ、今朝のSQ値を計算すると、前日比141.45円高の18100.33円(9時15分確定)。ザラ場の日経平均高値が18071.80円(112.92円高、9時24分)だったので、幻のSQ値状態で、完璧な寄り天。日経平均は完璧な安値引けだったし、TOPIXも14時46分にザラ場安値をつけて少し戻したところでの大引け。ただ全体には小動きが継続しており、今日の日経平均日中値幅は98.38円と、100円に満たない状況でした。まぁ、今日は月曜日だから仕方ない、と考えることも出来るのですが、明日以降も日経平均18000円界隈で上値が抑えられてしまうと、ちょっとモゾモゾ感が出てくるかも知れません。注意しておきたいところです。
● ちょっと「寄り天」が分かり難いかも知れませんが、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別物色についても少し書いておきましょう。海運株は「そんなに買ってえぇんかぇ?」って感じ。特に大手ではなく、二番手、三番手系銘柄の爆騰ぶりが目立ち、乾汽船(+16.0%)、第一中央汽船(+17.4%)、新和海運(+10.5%、ストップ高)、明治海運(+17.2%、ストップ高)、共栄タンカー(+19.9%、ストップ高)、太平洋海運(+32.8%、ストップ高)など。飯野海運を含めて、過去5日間で軒並み3~4割の株価上昇がゴロゴロ。いくら業績的にある程度の裏づけがあるとは言え、もう一度、「そんなに買ってえぇんかぇ?」って感じ。「踊る阿呆に踊らぬ阿呆、同じアホなら踊らな損々」ってムードでしょうか(^^;。入り時も難しいけど、抜け時はもっと難しそうです。
● 他は鉄鋼、非鉄金属、そして多少商社、多少不動産、多少保険ってところ。相変わらずテクノロジーや銀行の方向には部分的にしか行かない状態が継続でした。個人的には、他人資産を運用しているのでなければ、こういう相場は結構好きなんですけどねぇ~(^^;。あまり物事を複雑に考えずに、素直に相場の声を聞いていれば乗れるのです。声が聞こえないときは、聞こえるまで待てば良いのです。で、聞こえてきたら素直に参加。複雑に考えると、かえって声が聞こえなくなる相場だと考えています。
● 記録。東証1部出来高は前週末比5801万株増の25億5192万株、売買代金は逆に同414億円減の3兆2693億円。引き続きそれなりの活況が続いています。東証1部値上がりは913銘柄、値下がりは673銘柄、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(4280万株売り/3840万株買い)。市場筋によると1社の売りが多かったとのことで、実質的にはチャラと見て良いかと…。チャラというよりも、やや「ジャパン・パッシング」気味の動きが続いていると言った方が正しいか も…(-_-;)。
● ちょっと一言。6月7日に東証マザーズに上場するのがNTTデータ・イントラマート(3850)。名前から見て分かるようにNTTデータの子会社。ということは、孫会社上場ってこと。親子会社上場について議論になっているところで孫会社の上場とは、まぁ、何と言いますか…。
● 雑談。今朝、市場筋から「第一回マーケット雑感主催、トレーダー川柳」の集計結果発表が回覧されてきました(^^;。上位三作品は以下の通りと。
第一位 | アルゴより 俺のリズムで どこ悪い |
第二位 | ふざけんな てめえが自分で やってみろ |
第三位 | デイトレの 足元及ばぬ プロばかり |
● ちょっと私の感触とは違う面もあったのですが(^^;、結果は結果です。さらに「入選作」もいっちゃいましょう。順番はないみたいですが、廻ってきたメールに記載されていた順番で番号を振っています。
1. | 外資系 同じことして この格差 |
2. | くれてやる 頭と尻尾が でかすぎる |
3. | 社名変え なんの会社か もうわからん |
4. | おかしいな? それはお前の 相場観 |
5. | バイサイド 死んでも治らぬ 勘違い |
6. | オタッキー アルゴのおかげで 大出世 |
7. | 買い推奨 出した本人 売り準備 |
8. | 35 過ぎても夢は 玉の輿 |
9. | ギャランティ 私の立場も 保証して |
10. | 板を見ろ! 言った上司は 後場熟睡 |
11. | キコクなら どんなバカでも ペラペラだ |
12. | はしたない 祖母が評した 我が仕事 (解説、句の作者は女性ファンドマネージャー) |
13. | IS法 こだわりすぎて GTC |
14. | レーティング 上げた途端に 工場が! |
15. | 成果主義 すり胡麻量を はかるだけ |
● 前々から不思議に思っていたのですが、そう感じていた方が多かったのか、「問い合わせが多かったのは、川柳作者のバイセル比率。バイサイドが9割です」とのこと。これはやや意外感。でも、バイサイド作の多くがセルサイドの気持ちを代弁しているようにも感じるので、ある意味、安心したというか、立場は違えども分かり合える余地はいっぱいある、とも感じてしまいました(^^;。でも、この集計をやっているのは誰なんだろう?単なる個人ではないのは明らかだし、証券会社(たぶん外資系証券)で機関投資家向けのセールスかセールストレーディングをやっている方々でしょうね(セールストレーディングっぽい感じはする)。バイがこれほど加わっているのならプロップは有り得ないし、前回も感じたのですが、セールストレーディング系の業務をやっていないと分からないディープな川柳もいくつかあったので…(^^;。なお、既に「第二回」の募集が始まったそうです(^^;。
● 最後にお断りというかお願いというか…。今回も「引用」という形で使わせていただきましたが、著作権の件は気にしています。でも、面白過ぎてパスできませんでした(^^:。著作権者の方、事前了承なしで引用してスミマセン。でも、ググっても全然見付からないんですよね?ネット上にはないのかな?
2007年06月01日(金) .... 一時日経平均は18000円台を回復、でもザラ場は小動き
TOPIX : 1767.88 (+12.20, +0.69%) | 日経平均 : 17958.88 (+83.13, +0.47%) | 円ドル : 121.90 |
● 昨日からの好地合いを引き継いでいるうえに、シカゴ日経平均先物が大証比100円高。ややおっかなびっくり感があるものの、相場は利食い売りをこなしながら堅調に推移。ザラ場で日経平均18000円超まで言ったものの、後場後半は週末を控え、そして米国の重要経済指標などを控えてポジション整理の動きもあって、多少、伸び悩み感も感じる展開。実は、今日は指数ベースで見るとかなり小動きの1日で、日経平均の日中値幅はわずかに74.05円、前後場に分けると、前場64.33円で、後場はわずかに58.85円でした。上抜けを考えているものの、疑心暗鬼の気持ちが打ち消せないというか、尻込みしている雰囲気が良く分かります。
● テクニカル面から見ると、今日の東証1部出来高が前日比3億3673万株も増加して24億9391万株で、売買代金は同1493億円増の3兆3106億円と出来高を伴っていたことで、レンジの上抜けをよりサポートする材料と考えることが出来ます。一方、ピュアにチャートを見ると、今日は窓を空けて上に飛んだものの、日経平均ではほぼ「同事線」になっており、先物もかなり上ヒゲが長い線。これで「終わる」のなら非常に情けない一方で、相場の勢いがホンモノだったら、もう一度、窓を空けて上に飛ぶ可能性も十分に考えられるところ。来週初め値動きに注目となりそうです。SQ週ですしね。今日は日経平均の日足(90日)を付けておきます(出典:Infoseek Money)。
● 一方、個別の物色動向としては、今日の相場を引っ張ったのは、「どこかで見たことがある」銘柄群(^^;。鉄鋼、非鉄金属、商社、重工、海運、保険など。結局のところ、テクノロジーなどは部分、部分では動きがあるとしても、全体として相場を引っ張る状況にはなりません。銀行も今日は静かだったし、消費者金融は再び脱線状態。一方で、小型海運株って何があったのでしょうね(^^;。朝方、爆騰していた明治海運(9115)はさすがに後場は伸び悩んだものの、太平洋海運(9123)が…(^^;。まぁ、基本的に参加出来ないし、参加する必要性もあまり感じないところですが、動向はちょっとだけ気にしておくつもりです。
● 話題変更。ビッグSQは来週の金曜日。つまりあと1週間しかありません(^^;。で、月も替わったことだし、限月間スプレッド市場についても少し書いておきましょう。既に業者間取引ではスプレッドが活発に商いされている様子。取引所取引でも指値はかなり分厚く出ているものの、刻み値と実際のマーケットが「合っていない」状態で、指値が睨めっこの状態。水準を書いておくと、TOPIX先物は+1.5/+2.0ポイント、日経平均先物は+20/+30円で、ミニ日経平均先物は+25/+30円での推移でした。一方の業者間取引では、当然ながら取引所取引の気配の範囲内での推移でした(具体的な水準は書かないでおきます(^^;)。
● Bloombergで何も手を加えないでフェア限月間スプレッドを計算させると、TOPIX先物で+1.94ポイント、日経平均先物で+16.88円となります。TOPIXが若干ディスカウント気味で、日経平均はプレミアム状態なのは、いつもと同じ。このフェアスプレッドは、金利水準をどう取るか、配当をどう見込むかで数値は簡単に違ってくるので、あくまでも目安程度にしかなりません。でも、目安がある方がやり易いのは間違いありませんから…(^^;。
● 記録。本日の売買単価は前日比138.03円も低下して1327.48円。鉄鋼、海運、重工、低位商社株が賑わうとこうなります(^^;。今朝のSQ値を計算すると、前日比60.58円高の17936.33円。また、東証1部値上がりは1021銘柄、値下がりは572銘柄で、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅買い越し(3810万株売り/3890万株買い)でした。
● 最後にちょっとだけ。朝から一部市場筋の間ではタイコム証券のホームページにアップされた「証券の業務一部停止等について」(http://www.taicom.co.jp/info/files/070529.html)のリリースが話題になり、若干ざわついていました。普通、このような通知は金融庁などからのアクションがあってから、というパターンが多いのですが、突然の発表に色々な憶測も出ていました。あまり書くと、また妙にエキサイトする方々が出てくるので止めておきますが、5月18日、24日にコメントを書いた件とつながりがあるのではないか、というのが市場筋の憶測でした。タイコムと言えば、かつては日経平均オプション市場で、良くも悪くも旋風を巻き起こした証券会社だったのに…。
● ようやく週末。皆さん、お疲れ様でした。来週はビッグSQ。ゆっくりお休みください。良い週末を!
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