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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!
 TOPIX : 1755.68 (+21.93, +1.26%)    日経平均 : 17875.75 (+287.49, +1.63%)    円ドル : 121.65  

● 米国株高&シカゴ日経平均先物高(大証比125円高)を受けて、買い先行で始まるのは予想できたものの、寄付き後の一気の上昇はややサプライズ含み(^^;。この上げ基調が前場中盤まで続き、また上海株式市場がスタートする前にちょっとフラフラして、そして後場は巡航飛行のままジリ高歩調。最後はMSCI 絡みの取引もあったのか、日経平均は高値引けの「引けピン」。TOPIXも高値圏での大引けでした。

● TOPIXは終値での直近高値(1745.01、5月9日)を上抜き、チャート上で因縁の1750ポイント台。終値の水準としては、2月27日の1811.33ポイント以来の高値水準。実はこの翌日の2月28日に-58.59ポイント(-3.23%)もの急落があって、そこから1750ポイント台が大きな上値の壁になっていたのです。上抜けたと言い切るには「ダマシ」の可能性を排除しなくてはいけないのですが、日経平均よりもTOPIXの方が上値が抑えられていた状況だっただけに、変化となるか注目したいところ。

● 一方、日経平均は終値での直近高値(17748.12円、5月9日)を上抜いて終了。終値水準としては、TOPIXと同じ日の2月27日(18119.92円)以来の高値水準となります。2月28日には-515.80円(-2.85%)を記録していたので、それ以来となります。ちなみに、この2月28日は中国株急落がきっかけで円キャリー巻き戻しから急速に円高方向に振れ、世界同時株安懸念が高まったところ。朝からシカゴ日経平均先物が大証比585円安で帰ってきて「キャン」の1日でした。そういえば、TOPIX先物のサーキットブレーカー発動もありましたしね…。この2月28日に東証1部出来高は36億8639万株、売買代金4兆8282億円もあったのです(^^;。つまり、そういった歴史的な日をようやく3ヶ月経って埋めてきたのが今日だったことになります。

● 問題はここから先がどうなるか、ってこと。チャートに素直になると、「上抜けには、付いて行かなしゃぁ~ない」です(^^;。これまでは日経平均が緩やかな右肩上がりだった一方で、TOPIXが1750ポイント近辺で上値が抑え付けられていたことで、この「不一致」が今一つ信じきれない要因だったのです。ただ、今日は終値ベースでどちらも上抜け。1日限りのダマシかどうかは、明日の動きを見れば分かるはずです。週末でもあるし、ある程度の利食い売りは出てくるでしょうから、それをこなせるかどうかが注目点です。さらに、来週はSQ週。ここでどういった動きが出来るかも注目です。

● 話題変更。MSCI リバランス。個別にはあちこちでそれなりに上下動がありました。新規採用の八十二銀行(8359)、広島銀行(8379)、三菱UFJリース(8593)、トヨタ紡織(3116)などは、最後のワンティックでピョコンと飛んでいます。もっとも、その前にジリ貧だった銘柄も多く、前日比では逆方向に振れた銘柄もかなりありました。削除側では、アーク(7873)、東京スタイル(8112)、科研製薬(4521)など、最後のワンティックは下がっている銘柄が多いものの、前日比ベースでは値上がり銘柄が多かったです。SFCG(8597)は途中堅調で最後にどーん、って感じでしたけど…(^^;。事前に周知されていたこともあって、なかなか「計算」通りには行かないというのは、ここ最近のこの手のイベントです(昨日に日興CGもそうだったし…(^^;)。

● ご参考にいくつか"関連銘柄"の今日の日中足を付けておきます(全て出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

八十二銀行(8359)日中足
三菱UFJリース(8593)日中足

アーク(7873、JASDAQ)日中足
SFCG(8597)日中足

● なお、東証1部毎分売買代金で見ると、やはりMSCI リバランスの影響は出ており、前後場の売買代金分布は、前場が44.95%、後場が55.05%。普段よりも数%ほど後場に偏っていました。より顕著に出たのが、引け間際の売買代金集中度合い。大引け前5分間で今日1日の売買代金の14.1%が出来ており、最後の1分間で8.78%。普段は大引け間際5分間の売買代金は5.5%~6.5%程度なので、今日はかなり偏りがあったことが分かります。MSCI だけではなく、月末だったことの影響もあったでしょうけど…。いずれにしろ、VWAPトレーダーの皆さん、お疲れ様でした(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億3685万株増で21億5718万株、売買代金は同3647億円増の3兆1614億円と3兆円台乗せ。今朝のSQ値を計算すると、前日比139.01円高の17727.27円だったので、寄付きから上に飛んで、そこがほぼ1日の安値だったことが分かります。また、東証1部値上がりは1286銘柄、値下がりは324銘柄でした。さらに、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、株数ベースでは大幅な売り越し(4810万株売り/3770万株買い)。ただ、市場筋によると金額は小幅売り越しにとどまったとのこと。それと、フローも若干増加傾向にある雰囲気でした。

● せっかくの上げ相場にケチを付けるつもりはない(^^;のですが、大引後に公開された先物手口を見て、「やっぱり…」感はありました(^^;。日経平均先物で、CSが6840枚買い(売りは非開示)、次いでUBSが差引2084枚買い越し、SGが差引1511枚買い越し、GSが差引1450枚買い越し。売りは大きくても2000枚に届かない感じだったので、常連さんが楽しく買い上がったってことでしょう(^^;。TOPIX先物ではそれほど派手ではなかったものの、CSが差引2884枚買い越しの一方で、SGが差引2588枚売り越し、GSが差引2247枚売り越しなどがありました。

● 今日の相場だと、相場解説では「中国株下落懸念が薄らいだことを好感」って感じになるのでしょうけど、直接的には、この先物の押し上げがかなり今日の相場を支えた格好。もちろん、CS経由で先物を大量に買い越した顧客が、「中国株下落懸念が薄らいだから行ける!」と考えて日本の株価指数先物を大量に買った可能性は、ゼロではないでしょうけど、まぁ、ちょっと違うでしょうネ…(^^;。相場解説では、どうも目先の需給要因で相場の動きを説明することに忌避感が強いのか、違った「きれいな」説明をくっ付けている場合が多いように感じます。その方が理知的に見える、という思い込みもあるんでしょうけど…(^^;。

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 TOPIX : 1733.75 (-4.15, -0.24%)    日経平均 : 17588.26 (-84.30, -0.48%)    円ドル : 121.55  

● 寄付前に発表された4月の鉱工業生産速報は前月比-0.1%。事前のコンセンサスがBloombergで+0.5%、ロイターでも+0.5%だったので、これは失望数値。ただ、マーケット全体としては反応薄で、NY株高などと打ち消しあう格好でした。それよりも、「中国財政省、株式取引の印紙税率を0.3%に引き上げ」とのニュースがあったことで、前場寄付きの売り買いが一巡してからは中国株待ちで模様眺め。中国株がどうのこうのというのもソロソロ飽きてきたのですが、マーケットが反応するので注目せざるを得ません(^^;。

● 上海株式市場は、寄付初っ端から5.7%安(^^;。ただ、そこからは戻し歩調になったことで、前場後半は東京も一安心の雰囲気。ただ、これが直接的な日本株買いに繋がるハズもなく、東京が後場に入る時間帯に再び上海株式市場が下げ幅を拡大していたことでフニャフニャ。日本としては、もっと自律的な動きを期待したいところだったものの、東京株式市場の売買代金の6割程度を占める海外投資家が「Japan Passing」となって「アジア ex-Japan」で動いている中では、東京が主導的な立場になれないのは仕方ないのかも知れません。上海株式市場が昼休みに入って「下げ止まった」(^^;ことで、東京もジリジリと戻す展開。結局、心理的な重荷は否定できず、上値が重たいというか、自立できない情けなさを感じながら(^^;大引け。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 個別には、もう一つまとまりがない1日だったのですが、個人的に注目していたのは、TOPIX月末修正でウェイトが半減した(正確には明日からなので"する"です)日興CG。予想通りだったのは大引けに掛けてかなり出来高が膨らんだこと。少し予想外だったのは、引けに掛けてかなり上昇したこと。大引け後にもボコボコと恒例の立会外取引が入っていましたが、それはちょっと横において置いて(^^;、立会内取引だけで見て、ちょっと数字を抜き出しておきましょう(データはロイター)。本日の日興CGの出来高10,009,500株に対して見てみると、

時間帯時間出来高対全日出来高比
14:30:00-14:58:59277,0002.77%
14:59:00-14:59:59590,0005.89%
15:00:00(大引け)828,0008.27%

● 如何に大引けギリギリの数分に商いが集中しているかが分かります。14:55:00~大引けの5分間で1,659,000株の出来高があり、これは1日出来高の16.57%。VWAPトレーダーはザラ場引けリスクと戦いながら、最後の最後まで引っ張ってドキドキだったと思います。ちなみに、今日の日興CGの終値は前日比38円高(+2.33%)の1671円。最後のワンティックで1681円から1671円まで10円飛んでいましたが、ザラ場引けにはならずホッと一息でしょうか(^^;。もっとも、今日の出来高は想像していたほど伸びなかった印象もありました。前倒しで処理を進めていた方々も結構いらっしゃったのでしょう。日興コーディアル証券(8603)日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

日興コーディアル(8603)日中足

● 記録。東証1部出来高は前日比2億4128万株増で20億2033万株と20億株台を回復。売買代金は同5566億円増の2兆7966億円でした。今朝のSQ値を計算すると、前日比6.09円安の17666.47円。東証1部値上がりは706銘柄、値下がりは898銘柄でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(3760万株売り/3270万株買い)。ただ、市場筋によると金額は買い越しだったとのこと。

 TOPIX : 1737.90 (+13.52, +0.78%)    日経平均 : 17672.56 (+84.97, +0.48%)    円ドル : 121.35  

● 今晩は飲み会があったので更新が遅くなりました。実は、明日も飲み会があります。ご了承を(^^;。

● 多くの海外市場が休みだったこともあって、寄付きは昨日の反動でやや軟化。ただ、すぐに日経平均先物で頻繁に大口買いが入り、前場はほぼ一直線の上昇。後場は中盤までほぼ横ばいだったものの、最後の1時間ほどはジリ高歩調で大引け。特に目立った買い材料が無い中での上昇には、多少の意外感がありました。今朝のSQを計算すると、前日比60.32円安の17527.27円で、ほぼ今日の安値だった点からも、この辺の雰囲気が分かると思います。上昇を引っ張ったのは先物市場と銀行株との印象が強い1日。いずれもこれと言った材料がないなかでの動きで、一部の方々はお楽しみだったと思いますが、一方で、何となく身が入らなかった印象も残る1日でした。

● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。前場の右肩上がりの様子と、後場の小動きをご覧頂ければと…。

● 今日はかなり短いコメントですが、某球団のあまりの弱さ、情けなさで落ち込んでしまってコメントを書く気が起こりません。ご理解と了承を(^^;。

● 話題変更で指数ヲタク向け。明日はTOPIX月末修正基準日。今回は日興CGが色々な意味で焦点になると思いますが、前回のMSCI のウェイト半減時(5月9日)には、結果的には大騒ぎするほどの株価インパクトはありませんでした。今回はどうなるか、私はドキドキしながら観客席の上から高みの見物をします(^^;。幸いながら(不幸ながら?)リングで戦う方々は、ザラ場引けリスクには気をつけておきましょう(^^;。また、明後日はMSCI リバランスが実施されます。こちらもそれなりに注意が必要になるので、今後2日間は、銘柄次第では大引けで出来高が膨らんで荒れ模様になる可能性も頭に入れておいた方がよろしいかと。VWAPトレーダーにとっては、かなり厄介な2日間になると思います(^^;。

● そして、これら指数イベントが終われば、グッと6月SQが近付いて見えるでしょう。今回は6月1日が金曜日なのでSQは6月8日。月の日付としては最速パターンとなります(最遅だと1日が土曜日のパターンでSQ日は14日になる)。つまり、SQ日まであと1週間チョイ残っているだけです。既に限月間スプレッド市場では、チョロッと商い出来ているのですが、感覚的には「月が替わってから」でしょうネ(^^;。そして6月1日になって急に「おい!SQまであと1週間しかないやんけぇ!」ってムードになるんです(^^;。裁定買い残高の水準そのものは20億株台と低いものの、恒例行事として「裁定解消売り懸念」が市場解説に多用される時期になるので、その辺も含んでおいて頂ければと…(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比2億1034万株の増加で17億7905万株、売買代金は同1953億円増の2兆2401億円でした。昨日がひどかったので、多少はマシになりつつあります。ただ、まだ20億株割れですけど…。東証1部値上がりは1110銘柄、値下がりは484銘柄。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(2470万株売り/2380万株買い)。もっとも、市場筋観測によると「昨日できなかった注文の残り」が多かったそうで、あまり参考にならない数値でした(^^;。

2007年05月28日(月) .... 堅調、海外市場休みで小動き薄商い

 TOPIX : 1724.38 (+8.84, +0.52%)    日経平均 : 17587.59 (+106.38, +0.61%)    円ドル : 121.65  

● 海外は休みのところが多く(米国、英国など)、日本だけで走れる相場のハズ(^^;。シカゴ日経平均先物も大証比95円高だったし、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、株数ベースで売り越し(2740万株売り/2560万株買い)ながら、金額ベースでは買い越し観測。追い風を受けて堅調な足取りはその通り(東証1部値上がりは1125銘柄、値下がりは468銘柄)だったのですが、ザラ場を見ていても、買い一巡後はどうも今一つ乗り切れないというか…。海外市場が祝日の影響だったのでしょうけど、どうも自主独立精神に乏しいというか、何となく情けなさも感じてしまった1日でした。

● 今朝のSQを計算すると、前週末比60.91円高の17542.12円。日経平均のザラ場安値が9時01分の17544.98円(同63.46円高)だったので、ホンの少しだけ「幻のSQ値」状態でした。一方、ザラ場高値は12時31分の17630.37円(同149.16円高)。つまり1日通しの日経平均上下幅はなんと85.70円しかありませんでした。これを前後場に分けると、前場が83.26円、後場は74.57円。日中値幅としては、今年1月24日に記録した54.67円に次ぐ小ささ。

● また、東証1部出来高は前週末比で3億2872万株も減って15億6871万株、売買代金は同6680億円減の2兆0448億円しかありませんでした。手元の数字では、出来高は3月26日の15億2644万株以来の薄商い、売買代金では大発会(1月4日)の1兆4186億円以来の低水準。全日取引としては、その少し前の昨年12月28日に記録した1兆9260億円以来の低水準でした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 個別物色としては、「また戻ったの?」的な値動き。鉄鋼、非鉄、重工、商社などがリバウンド。自動車なんかも堅調だった一方で、内需系の小売りは駄目。銀行も今一つで、不動産も何となく盛り上がらない展開。鉄道なども軟調だったし、今一つ内需は乗り切らない雰囲気のままでした。これをファクター面から見ると、バリューはまぁまぁだった一方で、短期リバーサルは今一つ。最近は「バリュー+リバーサル」の両輪がうまく噛み合わずに、どちらかが良ければ片方が駄目、ということが多くなっています。それはそれで仕方ないとしても、この現象が比較的短期のものなのか、それとも長期的なトレンド変化なのかが見えてこないので、かなり迷うところ。長期的な変化と気付いた時には、もう相当の時間が経過しちゃっているでしょうし…。ホンマ、水晶玉が欲しいです(^^;。

● 先物手口から少しだけ。今日は全体に薄商いだったのですが、それでもCS君の買い手口が日経平均先物、TOPIX先物ともに目立つ展開。CS君は日経平均先物で3592枚買い(売り手口は20位以下で非公開)、TOPIX先物で3221枚買い(同)でした。他に買いがそれなりの規模あったのは、SG、UBSなど。ホンマ、いつもの面子でした(^^;。某市場筋から、「あいつら休みとちゃうねんなぁ~」とのんびりしたコメントがありましたが、それだけ儲けに貪欲で真剣だってこと。ある意味、見習わなくては…(^^;。

● また、今日の重大ニュースとして避けては通れない話題。「なんとか還元水」で妙に有名になってしまった松岡農水相が自殺との衝撃的なニュースが流れたのは後場寄付後。ニュースが流れた頃にずるずると下がるところもあったのですが、その後戻して相場としては中立。金融や経済政策の所轄ではないため、株式市場としては、基本的に明日以降も中立的な要因と考えています。ただ、安倍首相がこの事態をどう乗り切っていくか、どう危機管理するかは、市場にも影響を与える可能性があると考えています。さらに、国民感情が今回の件をどう捉えるかってこと。参議院選挙に何らかの影響を与えることは否定できないのですから…。色々と感じることもあるのですが、ここではあまり書かないでおきます。各自で考えてみてください。

● 最後に、指数ヲタク向けのリマインダー。もうすぐ、TOPIX月末修正だけではなく、今月はMSCI の5月リバランスがやってきます。既に"やるべきこと"は把握されていると思いますが、MSCI 外れ銘柄群が妙に堅調な今日このごろです。タイミング・リスクを狙う方はお楽しみください(^^;。

● 雑談。前々からロッテリアには絶対に行かないと心に誓っていたし、実際にこの10年ほど行ったこともないけど、昨日はその誓いを新たにした試合でした。当然、ロッテのガムも一切買わないし、お菓子もアイスクリームも何もかも買いません。大人気ないと言われようとも、これは譲れない線 (-_-;)。そう言えば、新生銀行も某監督をCMに使っているので、検討しなくてはいけません。色々と重宝する銀行なんですけど…。もっとも、弱いうちは何を言ってもキャンキャン喚いているようにしか聞こえません。強いと唸るだけで相手はビビるもんです。強くないと何も発言権がないのは、ビジネスの世界と全く同じです。

 TOPIX : 1715.54 (-22.57, -1.30%)    日経平均 : 17481.21 (-215.76, -1.22%)    円ドル : 121.35  

● 安いとは考えていたものの、予想以上に下落した印象が強い1日でした。シカゴ日経平均先物が大証比120円安だったので、多くの市場関係者はこの辺を頭に入れていたハズ。ところが、寄付き直後からグングン下げて、アレヨアレヨの大幅安。後場に入ってからは、外部環境(為替、中国株など)にそれほど目立った変化が無かったこともあって、多少は買戻し先行気味。ただ、週末を控えて買い気が盛り上がるハズもなく、安値圏でのもみ合い商状のまま大引け。米国株が連休(メモリアルデー)を控えて調整する懸念があることに加えて、何かと海外要因の不透明感は根強くて買いが引っ込んでしまった格好。さらに、大引け後の先物の手口を見て、「やっぱりなぁ~」って感じ(後述)でした。

● 日経平均が今日の安値をつけたのは10時18分、TOPIXが10時19分でした。日経平均は前日比326.79円安(-1.85%)まで突っ込み、TOPIXはより大きく同34.73ポイント安(-2.00%)まで入りました。今朝のSQ値を計算すると、前日比197.17円安の17499.80円だったので、寄付きからかなり売りが集中的に出たことが分かります。今日は、日経平均先物(6月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。ご覧頂ければ分かりますが、前場の方がかなり出来高が多かったことが分かります。後述する某社の売りも、前場中心だった可能性は考えられます。

● その大引後に開示された先物の手口。見た瞬間、「やっぱりなぁ~」と溜息(^^;。日経平均先物でCSが7155枚売り(買いは20位以下で非開示)、SGが差引4788枚売り越し、UBSが差引2666枚売り越し、カリヨンが差引2495枚売り越しでした。買い手はDBが差引2293枚買い越し、GSが3472枚買い(売りは非開示)となっていました。他にも1300~1500枚買い越しが数社あったので、皆でヘッジファンド/CTA系の売りを手分けして受けた、って感じでしょうか(^^;。買いの20位はひまわりの2202枚だったので、CSの買いは最大でも2201枚との計算になり、最大限で考えたとしても5000枚程度売り越したってことになります。

● 一方、TOPIX先物ではCSが差引5998枚売り越し、次いでJPMが3391枚売り越し、カリヨンが2343枚売り越し。買い手はSGが差引3418枚買い越し、GSが差引3283枚買い越し、BNPPが差引2288枚買い越し、野村が3123枚買い(売り非開示)などでした。どちらにしろ、CS君が先物市場で大忙しだったのは良く分かります。

● 昨日もチラッと書いたのですが、例のグリーンスパン氏の「劇的な収縮」懸念発言そのものかどうかは何とも言えないものの、先週18日の中国利上げの影響をより顕在化させる効果はあったようです。少なくとも心理的に余波は続いているようで、ヘッジファンドが商品相場で利食い売りを先行させているのか、銅やニッケルの先物相場が大幅に続落し、それがここまで先導役だった鉄鋼・非鉄銘柄の頭を重たくさせている格好。連想ゲームの世界ですけど、リスク収縮が円キャリー解消を呼ぶことになれば、それが円高へと繋がってしまうわけで、鉄鋼・非鉄などの資源系銘柄だけではなく、テクノロジー系銘柄にも心理的にプレッシャーを与える悪循環になりかねないのです。それが分かっているから、余計に皆横並びで手控えとなってしまいます。その逆をやる向きが、もう少し出てきても良いのでしょうけど、ヘッジファンド系の資金量を考えると、なかなか向えないのも事実です(^^;。

● 個人的に、今日の相場の動きは、今後を占う鍵になると考えていたのですが、今日を見る限りでは、ちょっとまだ楽観視は無理かなと…(^^;。もっとも、週末という点は割り引いて考える必要があるかもしれません。ただ、興味深かったのは、新興市場はどれも高く引けており、マザーズが+1.51%、ヘラクレスが+1.68%、JASDAQが+1.15%、東証2部が+0.10%でした。

● 市場筋の間では、匿名投資事業組合などに対する規制強化が控えていることで、これらのファンド解散に伴う売りがバカスカ出ていたことで新興市場がえらく売られていた、との見方が語られています。昨年6月に成立した金融取引法が今年7月に公布され、9月から施行予定なことに伴うものです。規制強化の意味は、投資事業組合などが事実上の免許制に移行することで、これが規制強化ということ。それもこれもライブドアや村上ファンドの"貢献"のおかげですが、おかげでその前にファンドを解消してしまおう、という売りが出ているとの見方が出ており、この売りに一巡感が出始めているとの観測です。この1週間ほどこのストーリーは良く聞くし、全く当てもない憶測ではないでしょうけど、これが新興市場下落の主因だったのかは、私には分かりません(^^;。為念。

● 記録。東証1部出来高は前日比198万株増の18億9743万株、売買代金は逆に同1142億円減の2兆7128億円。東証1部値上がりは241銘柄、値下がりは1413銘柄に達し、「ほぼ全面安」状態でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4営業日ぶりの売り越し(4110万株売り/3340万株買い)。市場筋によると銀行株や自動車株の買いが多かったとのことで、金額ベースでは買い越しだったとのことですが、あまりそれは感じませんでしたけど…(^^;。

● ようやく週末。天気はまぁまぁになりそうです。良い週末を!

 TOPIX : 1738.11 (-1.97, -0.11%)    日経平均 : 17696.97 (-8.15, -0.02%)    円ドル : 121.50  

● 米国株式下落などを受けて、朝から軟調な展開。特に前場中盤までは中国株に対するグリーンスパン氏の「劇的な収縮を懸念している」発言を受けて警戒感が強く、相場全体は手控えムード。前場後半から始まった中国株(上海株式市場)は、小幅安だったものの急落などの非常事態には至らず、ホッと一息状態。ただ、これだけで上値を買う材料にならないのは当然で、下値はそれなりに底堅い状態だったものの、上値もかなり重たい展開でした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 個別には、昨日賑わった銀行株がマチマチの動き。消費者金融は相変わらずの日替わりメニュー状態(^^;。損保は意外に売られた印象があった一方で、自動車株が堅調に推移し、原発関連の一角も堅調。全体としては、何となくまとまりに乏しい1日でした。銀行株を含めて、相場の方向性が出てくるかどうか(レンジ上限を抜けてくるかどうか)は、明日が一つの勝負の節目と考えています。銀行株にしても、今日の動きはある意味で理解の範疇。皆がある程度、乗れる/賛同できる動きに発展するかどうか、注目しておきたいです。駄目だったら、また鉄鋼・非鉄系に戻ることになるんでしょうしネ…(^^;。

● そうそう、あちこちで話題になっていたOHT(6726)がやっとザラ場で取引成立。「変」になる前の5月15日終値が104万円(当日すでにおかしかった面もあったので、その前日なら120万円)。で、本日の寄付が212,000円(終値は209,000円)。何があったのかは追々、明らかになってくると思いますが、こういう「事件」は転機を象徴しているのかも知れません。ビジネス的には全く関係ない銘柄ですけど、一応、片目で眺めておくというか…(^^;。J_Coffeeさんがサイト運営を継続していたら(現在更新停止中)、間違いなく「兜町事件簿」ネタだったでしょうね…(^^;。J_Coffeeさんのサイトは、更新はされていませんが、まだアクセスは出来ます。参考になる読み物もテンコ盛りです。URLは、 http://j_coffee.at.infoseek.co.jp/ です。

● 記録。東証1部出来高は前日比2億8751万株も減って18億9545万株、売買代金は同4844億円減の2兆8270億円でした。東証1部値上がりは573銘柄、値下がりは1024銘柄で、指数よりは下落銘柄数が多かった印象。今朝のSQを計算すると、前日比12.60円安の17692.52円。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4営業日ぶりの売り越し(3390万株売り/2920万株買い)。全体にフローも減少していました。

● さて、ここ数日ははソコソコの商いも出来たのですが、これで日本株に皆が戻ってくるかは何とも言えないところ。昼に弊社ヘッジファンド・セールスと立ち話をしたのですが、このマーケットでも彼はかなり忙しいそうで、「Everyone is making money in Asia, except for Japan」とのこと。さらに、「Everyone seems to forget that Japan even exists」ですって(^^;。きっついこと言うなぁ~とは思ったものの、私が変な顔をしたからなのか、「Seriously, it does feel like it」と。最前線で戦っている人間が言うことですから、多少の誇張を含んでいたとしても、そんな雰囲気なんでしょう。

● はっきり言ってしまえば、中国株が下がろうが、日本の景気や企業業績に「直接」の影響はそれほど大きくないはず。少なくとも短期的には大きくないハズです。それでも中国株の動向を気にするのは、上記したようにヘッジファンドの多くがかなりのエクスポージャーを持っていること。つまり、中国株が急落するようなことがあれば、リスク許容度が一気に低下する可能性が大きく、"おまけ"で持っていた日本株も一緒に売られてしまう可能性は大。何だかんだ言っても、アジアで一番大きなマーケットは日本だし、日本株はゼロには出来ないのです(おまけだとしても)。さらに、円キャリーで借金してレバレッジを掛けているのが解消に向かうとなると、かなり急激な円高シナリオも有り得るので、そこから「円高→日本株売り」と連想が広がってしまうリスクがあります。メディアなどでは、「中国景気過熱感」とか、「中国の景気が冷えると日本企業が…」という感じで、ちょっと違った言い方になるでしょうけどネ…(^^;。ファンダメンタルよりも、需給のつながりの方が、短期的には遥かに直接的だし強烈になる可能性が高いのです。

● 一方、日本株市場に眼を向けてみると、現状では、大損はしないにしても大儲け出来るような雰囲気は、残念ながらあまり出てきません。中国株のチャートなんか見ると、バブルと言われながらも(そしてグリーンスパン氏の言う通り、実際バブルだろうけど)、あのおっかなびっくり感というか、ドキドキ感が参加者を集めているのは分かります(^^;。国内でもREITなんて、かなり前から「チキンレース」と化していると思いながら、「バブルは最後の最後が美味しいねん!」という"ささやき"も聞こえてきます(^^;。現時点で通常の日本株にドキドキ感を求めるのは「違う」かもしれませんが、ならば他の魅力を提供できるようにならないと…。

● さぁ、今週もあと1日。頑張って行きましょう!

2007年05月23日(水) .... 続伸、銀行・消費者金融株が爆騰

 TOPIX : 1740.08 (+8.54, +0.49%)    日経平均 : 17705.12 (+25.07, +0.14%)    円ドル : 121.70  

● 米国株式やシカゴ日経平均先物は今一つだったものの、それなりに堅調な展開が予想されたし、実際にその通りの1日。ただ、指数ベースでは上値の重たさもかなり感じた1日でした。個別には、銀行株や消費者金融株が爆騰して相場押し上げ。消費者金融は軒並みストップ高になるし、ORIXなどの一部銘柄を除いて、金融株の急上昇は見応え十分でした。ただ、鉄鋼・非鉄や海運は利食い売りに押される展開(除く神戸製鋼)になってしまい、こちらは今一つ盛り上がりに欠けた面も否定できず。さらに、なぜか日経平均が17800円あたりにくると上値が重たくなってしまう状態も継続。抜けてきたらそれなりの動きになりそうな一方、駄目だったらまた17400円とか17300円ですか…。なかなか動きが取れません(^^;。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。最後、何となくエネルギー切れって感じで引けたのをご覧頂ければと…。

● なぜ銀行株が爆騰し、消費者金融が軒並みストップ高になったかですが、そういうタイミングだったってことでしょう(こんな書き方すると、アホと思われそうだけど…(^^;)。「いつか来る」は大勢が考えていたでしょうし、昨日の動きを見て飛び乗ってみたら意外に値動きが軽くて調子に乗ってしまった、と理解しています。ファンダメンタル的には、決算発表内容をどうのこうので説明できるのかもしれませんが、これは上がっても下がっても、どちら方向にも言えること。それ以上に、決算発表というイベントがタイミングとしてうまく「はまった」と考えています。

● もちろんのこと、ここからの課題は、株価の勢いに中期的に持続力があるのか、それとも打ち上げ花火的に「ヒュ~~」と上がって「スコ~ン」とゴミが落ちてくるのか…(^^;。明日、明後日、特に金曜日の動きは来週に発展するか、一瞬の瞬きだったのかの示唆をしてくれそうと期待しています。

● 銀行株が爆発高したおかげで、副次的にCore30/Smallレシオが急上昇しています。ロイターの端末でかなりさかのぼって眺めてみたのですが、2004年5月頃以来の高水準。足元では昨年10月にスパイク的に上昇した後は、基本的にもみ合っていたのですが、また新たな動きかもしれません。なお、このCore30/Smallレシオが大転換したのは2006年1月。そうです。ライブドア事件で大反転したあの時です(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比4158万株増の21億8296万株、売買代金は同2365億円増の3兆3114億円と活況。東証1部値上がりは1053銘柄、値下がりは574銘柄。今朝のSQを計算すると、前日比71.43円高の17751.48円だったので、ちょっと上をトライしたものの止まってしまった感じが分かります。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、3日連続の買い越し(3640万株売り/4040万株買い)。市場筋によると、銀行株の買いが多かったとのことで、株数以上に買い越しになっていた可能性があるとのことでした。

● 半分雑談。最近、急に「何で日本株が上がらへんねん!」レポートが増えている印象があります。5月もそろそろ終わりが見えてきている時期なので、余計に「説明」を求める向きが増えているのかもしれません。多くのレポートで必ず出てくるのが、「日本株は米国株などと比較して出遅れている」というもの。以前も書いた覚えがありますが、この手の話はどこを基点にするかで印象がまるで違ってきます。短期のグラフはあちこちに掲載されているので、ちょっと長い目のグラフを作ってみました。短期的(例えば年初から)だと、確かに日本株が出遅れているように見えます。でも、2003年2月末(ITバブル崩壊後の安値あたり)を基点にした長期では、日本株が出遅れているどころか…って格好(^^;。非常に小さいPDFファイルを付けておきます。ご自分の眼で見てください。本当に基点をどこにするかで、印象はがらりと変わってしまうのが分かると思います。

● まだ水曜日なのに、今週はもう「長いなぁ~」と感じます。気持ちを切り替えて行かないと…(^^;。

2007年05月22日(火) .... 続伸、銀行株先導でTOPIXが強い1日

 TOPIX : 1731.54 (+20.87, +1.22%)    日経平均 : 17680.05 (+123.18, +0.70%)    円ドル : 121.30  

● 何はともあれ、堅調な相場展開でした。朝方寄付き直後には日経平均がマイナスに振れる局面があったり、後場寄付き後も、「またかぁ~」とジリ貧商状になる局面はあったものの、その後は先物市場の大口買いに支えられ、また銀行株や資源系銘柄が上昇してくると相場全体も元気復活。マザーズやヘラクレスも久しぶりに反発し、市場全体に安心感が出たのかもしれません。今日は大型株が先導しての上昇だったおかげで、日経平均よりも圧倒的にTOPIXの方が強い1日。パッと上昇率を見ただけで、その差が分かります。もっとも、TOPIXサブインデックスで見ると、Core30が9bps勝ち、Large70が7bps負け、Mid400が2bps負け、Smallが8bps負けと、TOPIX/日経平均で見るほどの差はありませんでした。実際、TOPIX最大ウェイトのトヨタは-1.09%でしたし…。

● 今日はTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。こちらの方が日中の上下動が分かり易い気がしたもので…。

● Bloombergで指数寄与度を計算させると、日経平均の足を引っ張った銘柄は、KDDI、トレンドマイクロ、デンソー、ホンダ、トヨタ、TDK、第一三共、ミツミ電機、テルモ、信越化学が上位10銘柄。何となく分かったような分からないような…(^^;。一方、TOPIXの寄与度上位は、SMFG、MUFG、みずほFGとメガバンクが上位3銘柄で、次いで、ソニー、野村HD、武田、住友信託、松下、JFE、コマツと続きます。まぁ、銀行が動けばこうなる、ってことですね(^^;。なお、ネット上にもTOPIX寄与度ランキングを出してくれるサイトがあります。QUICK Money Life 内のこちらです。日経平均の寄与度ランキングはExcelで簡単に計算できるのですが、TOPIXとなると…(^^;。せっかくですから活用しましょう。当日分しか出ないのが、ちょっともったいないですけど…。

● いずれにしろ、物色動向が継続できるかどうか、新興市場が本当に立ち直りのきっかけを掴めるのかどうかは、明日以降の相場に掛かっています。今日は今日でひとまずOKだったとしても、明日以降に継続できてナンボ。その意味で、明日、明後日あたりの相場がかなり重要になってきそうです。要注目。

● 記録。東証1部出来高は前日比2億1324万株も増加して21億4138万株、売買代金は同4983億円増の3兆0748億円と活況。東証1部値上がりは1239銘柄に達し、値下がりは386銘柄。今日は日経平均で見るよりもかなり値上がりが多かった1日でした。今朝のSQを計算すると、前日比27.55円高の17584.42円。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、2日連続での買い越し(3840万株売り/4210万株買い)でした。「雰囲気が変化する兆しかな?」と期待したくなる一方で、「いやいや、単なるノイズや…」と囁く自分もあったりして、なかなか見えてきません(^^;。

● 雑談。某市場筋氏が今日のメールで日銀が年初来高値を更新したとの話題を送ってくれました。日銀はJASDAQで売買されており、銘柄コードはご存知の通り、銀行の筆頭、8301です。正確には株券ではなく、確か「出資証券」との呼び方だったと思うのですが、株券に準じた格好で取引されています。日銀のホームページによると、日本銀行の資本金は1億円と日本銀行法により定められており、2005年3月末時点で政府出資は55.045%。それ以外が民間出資で、政府出資が55%を下回ってはならないと日本銀行法に定められているとのこと。

● で、Bloombergでチャートなどを見て、ふとHDSで保有者を見ると、そこには「Horizon Asset Management」と…(^^;。7600株保有と出ていました。データが間違っていないとすると「何を目的に?」とふと考えてしまうところ。もっとも、日銀HPによると、「日本銀行の出資者に対しては、経営参加権が認められていないほか、残余財産の分配請求権も払込資本金額等の範囲内に限定されています。また、剰余金の出資者への配当は払込出資金額に対して年5%以内に制限されています」とのこと。とりあえずM&Aに巻き込まれたり、増配要求で頭を悩ませることはなさそうです(^^;。

● ところで、「日本銀行」を読むとき、「にほんぎんこう」か「にっぽんぎんこう」かパッと出てきます?まぁ、お札を見ればすぐに分かるんですけどネ(^^;。

 TOPIX : 1710.67 (+14.98, +0.88%)    日経平均 : 17556.87 (+157.29, +0.90%)    円ドル : 121.25  

● 今日は堅調な相場になるだろうと大勢が予想していたでしょうし、実際に堅調な値動きだったものの、今一つ盛り上がりに欠ける展開。前週末の米国市場は高かったし、シカゴ日経平均先物は大証比100円高。さらに、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、7営業日ぶりの買い越し(3850万株売り/3940万株買い)。売りのフローが減少しただけで、買いのフローが増加したとは言い難いものの、それでも外部環境は追い風。後場に入ってからも、中国株が堅調だったことで一安心。ただ、それでも、ドカンと上昇できない相場を見ると、堅調さを評価するよりも、エネルギー不足というかやる気不足というか、そちらの方が何となく気になってしまった1日でした。ひねくれているのかなぁ~(^^;。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。これを見ただけで盛り上がったかどうかの判断は困難でしょうけど、トレンド性がもう一つ乏しかったことはご覧頂けるかと…。

● 個別には海運が業種別指数で+5.76%は超ご立派(^^;。さらに、ソニーが4%超も上昇したり、商社、非鉄金属、機械なども堅調。一方で、楽天が-6.54%と大幅下落し、ORIXの-4.74%やダイエーの-6.92%も「???」状態。また、東証マザーズは下げ幅は小さかったものの-0.76%で算出来安値更新となり、これで10日連続下落。大証ヘラクレスも-1.60%と7日連続下落。ジャスダックは少し上昇したものの、これは大半はヤフーのおかげ。ヤフーが無ければマイナスでした。新興市場が何らかの回復の手がかりを掴むには、まだ少し時間が掛かりそうな雰囲気。もっとも、いったん戻りだすと逆に売り物が消えてなくなるので、真空を駆け上がるのも良く見るパターン。ただ、それが「いつ」か見えてこない状況では亀(手も足も出ない)になるのも仕方ありません。

● 記録。東証1部出来高は前週末比3841万株減の19億2814万株、売買代金は逆に同737億円増の2兆5766億円。先週金曜日もあまり活況とは思えなかったのですが、今日も実際のところはその辺だったことが分かります。東証1部値上がりは1038銘柄、値下がりは571銘柄。今朝のSQ値を計算すると、前週末比50.53円高の17450.11円だったので、ザラ場で約100円分ほどのフォローはあったことになります。

● 何となく乗れない相場だったので、雑談シリーズに行っちゃいます(^^;。雑談①。週末のスポーツでは、何かと話題になる出来事がありました。15歳(高校1年生)最年少アマが男子プロツアーで優勝。初出場で初優勝ってのも凄いし、現在高校1年生ということは、ツイこの間まで中学生(^^;。1日で36ホール廻るという強行スケジュールだったことも、若さにとっては良かったのかもしれません。でも、アマなので優勝賞金2000万円は第2位のプロ選手にスライドだって…。これって、本人がプロになるまで協会か何かで「保管」しておくことって出来ないのでしょうかねぇ?プロになった暁に使えるようにするってことで。ある程度の期間(例えば5年とか)を経過した後に、結局、プロにならないことになれば、この賞金は「若手育成基金」みたいなものに転用するとか…。でないと、ちょっと可哀想かなとも感じてしまいました。

● 雑談②。もう一つのスポーツ関連は、早稲田の王子様(^^;。投球内容などはニュース記事をご覧頂くとして、びっくりは観客数。各紙は3万人と報じているのですが、実数発表はしないのですかね?でも、前売りは全部売り切れだったそうだから、満員に近い状態だったのでしょう。早慶戦以外で3万人超は1989年秋以来、18年ぶりだそうです(日経平均が最高値に駆け上がる局面(^^;)。比較のために、プロ野球の昨日の観客動員を拾ってみると、甲子園(阪神x横浜)=48,499人、ナゴヤ(中日x巨人)=38,255人、広島(広島xヤクルト)=17,047人、ヤフー(ソフバンx日ハム)=33,833人、東京ド(西武xオリックス)=24,280人、フル宮城(ロッテx楽天)=17,592人。この数字を見ると3万人の大きさが分かります。ヤクルトが神宮球場で試合しても、阪神戦以外ではなかなか3万人を越えないんだし…(^^;。

● 雑談③。毎朝、Bloombergにログインすると、「今日の一句」が出てきます。私は英語表示にしているのですが(外国人投資家とメールをやり取りする都合上)、今朝の一句は、"Everything is funny as long as it's happening to somebody else."(Will Rogers - humorist)と。言えてるなぁ~と思わず感心(^^;。自分の身に降りかかった瞬間から、「no longer funny」になるんでしょうけど…(^^;。

2007年05月18日(金) .... 続落、指数以上に下げた印象

 TOPIX : 1695.69 (-11.58, -0.68%)    日経平均 : 17399.58 (-99.02, -0.57%)    円ドル : 121.25  

● 飲み会があったので更新が遅くなりました。ほろ酔いモードで行きましょう(^^;。

● あまりパッとしない相場展開だろうとは考えていたものの、これだけ円安に振れたら、もう少し「行ける」かなと予想していました。先物で大口の売りが相次いだこともあったのですが、それ以上に買い意欲が乏しい相場の成せる業だったイメージ。本当に強い相場だったら、多少の売りは吸収して返り討ちにしてしまうのでしょうけど、今の地合いだと「やっぱりあかん…」との気持ちが広がってしまう方が先に来てしまいます。今朝のSQ値を計算すると、前日比65.77円高の17564.37円。ザラ場の日経平均高値が9時01分の17563.53円だったので、「寄り天」+「幻のSQ値」状態でした(-_-;)。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 今日は資源系銘柄や、鉄鋼、非鉄金属など、これまで相場を引っ張ってきた銘柄群が一斉に売りに押される展開。週末なので、ある程度は予想できたものの、厳しい値動きになった銘柄もありました。普段ならリバーサルは両方向に行くのですが、SANKYOなどの急反発はあったものの、全体としては何となく焦点ボケ。日本テレビや楽天のように、決算絡みで急落する地雷銘柄は相変わらずで、腰をすえて足を踏み込むには、まだ時期尚早かな、という感触が残りました。

● 指数は0.6%程度の下落に留まったものの、東証1部値上がりは304銘柄、値下がりは1352銘柄に達し、指数以上に下落した印象がありました。これはここ数日ずっとです。今日も値下がり銘柄数がかなり多かったせいもあって、25日騰落レシオは本日終値時点で74.58%まで低下。この先3日間ほどは、移動平均から抜ける数値が値上がり500/値下がり1000程度なので、騰落レシオが急落することはなさそうですが、それでもどよよぉぉ~ん状態が分かります。逆に値上がり銘柄数が多くなれば、騰落レシオはビュンと戻るはずです。

● 一方、新興市場では下げ止まりの気配すら感じ難い状況が継続し、「下がるから売る、売るから下がる」の悪循環。市場筋の間で話題になっていたのがOHT(6726)というマザーズ銘柄。発行済み株式数の50%ほどの売りが出る異常事態で、もちろんストップ安。比例配分すら出来ない状況でした。会社側からのリリースも何も出ていないので状況は不明ですが、これだけの異常事態になると、「事故」か「事件」の可能性を考えざるを得なくなってしまいます。市場筋の間では、信用買い残と同じ規模の売りが出ていることから、当然のように「受け渡し不能説」やら「追証払えない説」などが流れておりました。時間の経過とともに詳細は明らかになってくると思います。

● なお同株は、来週から「制限値幅の拡大」が実施されます。東証発表はこちらに掲載されています。しかし、こういう事態が発生し、何ら情報公開がないと、市場全体が「触らぬ神に祟り無し」の心理状態に陥ってしまいます。そういえば、昨日の山水電気(6793)も変だったし…。まぁ、どちらにしろ、住む世界の違う銘柄ですけど…。

● 記録。東証1部出来高は前日比6841万株減の19億6655万株、売買代金は同1877億円減の2兆5029億円。手元の集計では、東証1部出来高20億株割れは、5月2日の17億0812万株以来。GW谷間の2日間は17億株台(売買代金は2兆4000~5000億円台)だったのですが、その辺までエネルギーが落ちていることになります。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(4290万株売り/3550万株買い)でした。さて、この数日間、TOPIX先物が妙に弱いのが少し気になっています。今日も恒常的に逆ザヤ状態で、折に触れて裁定解消売りを引っ掛けていたようでした。大引後に公表された手口を見る限りでは、TOPIX先物でCS君が差引1905枚売り越し、日経平均先物で最大4000枚超の売り(4039枚売り/買いは未公開)でした。他、UBS君がTOPIXで1084枚売り越し、日経平均で1551枚売り越しなどが目立った手口。毎度おなじみの面子でした。

● 指数ヲタク系向けの業務連絡。大引後にスズデン(7480)の東証1部昇格が発表されました。「旧基準」の昇格で6月1日から東証1部に来るのですが、TOPIX算入はほぼ2ヵ月後の7月末になります。東証HP内、「一部指定・市場変更・指定替え会社一覧」にてご確認ください(「旧基準」の方に掲載されています)。

● もう一つ、指数ヲタク系向けの業務連絡。本日はTOPIX月末修正分が一斉に発表されています。東証HP内での開示場所が若干変更になり、「HOME>上場会社情報>月末上場株式数>本年分」という場所にあります。URLでは、http://www.tse.or.jp/listing/companies/monthly.html です。今月もPDFファイルの資料は57ページもあるのですが、「No pain, no gain!」の精神で読みほぐして下さい。手元の集計だと、これまでに発表されていた分も含めて、今月のTOPIX月末修正は142件。普段の月よりも若干少なめの印象です。最大のウェイト変更は日興CGで、これ以外にあまり大きなのはありません。もっとも、今月末はMSCI もあるので、気が抜けないですけどネ…(^^;。

● 週末。何はともあれ東京はそれなりに天気が良さそうなので、楽しみにしています(^o^)。良い週末を!

 TOPIX : 1707.27 (-4.62, -0.27%)    日経平均 : 17498.60 (-30.40, -0.17%)    円ドル : 120.90  

● 「GDPが…」と言っていた割には、「材料視しようがない数字」(某FM氏)が出てノーサプライズ。米国株式市場は大幅高だったし、CME日経平均先物も大証比115円高だったことに加えて、円安方向だったので、寄付が高いのは9割方の参加者が予想していたでしょうけど、後場はひたすらジリ貧商状に陥ってしまい、「NY大幅高の翌日はアカン」を絵に描いたような1日になってしまいました。ちなみに今朝のSQ値を計算すると、前日比57.87円高の17586.87円だったので、多少は上値があったものの、寄り天っぽかったのは確か。せっかく決算ピークも通過しつつあるのに、何となく乗り切れない相場が継続しています。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。かなり「きれい」にジリ貧になった様子がご覧頂ければと…(-_-;)。

● 指数は結局チョビ安だったものの、東証1部値上がりは653銘柄、値下がりが926銘柄と、昨日同様に指数が表示するよりも値下がり銘柄数が多い印象。騰落レシオもジリジリと低下しており、25日騰落レシオは本日大引け段階で76.60%までガタンと下落。25日騰落レシオが80%割れになるのは昨年11月30日以来。76.60%という水準そのものは、その前日、11月29日に75.46%をつけて以来、ほぼ半年振り。一方、ここしばらく100%超を見ていないと思って手元のデータを見ると、4月12日に105.15%を付けたのが最後でした。この数字を見ても、煮え切らないというか、乗り切れないというか、フラストレーションが溜まるような相場展開がずっと継続していることが分かります。

● チャート上も、「上抜けるかな」と思ったTOPIXの1750近辺は、結果的に跳ね返された格好。チャートの形だけでは、日経平均の方が良い雰囲気なものの、TOPIXがちゃんと付いてこれないところは、何となく不透明感というか、納得し切れない雰囲気を作っているようにも感じてしまいます。市場参加者の多くが同じように感じているからこそ、「乗り切れない」雰囲気になっているんでしょう。新興市場の下落も止まらないし、色々な意味で「タイミング待ち」なのは多くが意識していることでしょう(含私)。ただ、人より先に行こうとするあまり、早く動き過ぎて「ハシゴを外される」羽目に陥るのも良く見る風景。この辺のタイミングを読むのが一番難しいのです(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億5061万株減の20億3496万株、売買代金は同1334億円減の2兆6905億円。山水電気(6793)が寄付きでなぜか5000万株もの成行き売りで大商いになり(株価も率では急落(^^;)、出来高ではこの銘柄だけで1億8627万株もあったことを考えると、実質的には、東証1部全体で前日比で3億株程度の出来高減だったことが推測できます。ここからも、「乗り切れない」というのがご理解頂けるかと…。なお、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(4610万株売り/3770万株買い)でした。

● 雑談。乗り切れないのは相場だけではありません(-_-;)。阪神タイガースは、広島カープにまた連敗。フラストレーションが溜まるのも相場と同じ。仕事とプライベートの両方でフラストレーションが溜まる状況は、なかなか厳しいモノがあります。ホンマ…。

 TOPIX : 1711.89 (-0.66, -0.04%)    日経平均 : 17529.00 (+16.02, +0.09%)    円ドル : 120.25  

● いくらNYダウが最高値更新と言っても、S&P500やNASDAQはマイナス。CME日経平均先物もパッとしない状態では、こちらがドンドン上値を買う状況になるのは困難。そんなに気にしているとは思えないけど、GDPなどを控えているという絶好の言い訳もあって、結局、どよぉ~んのまま1日が終わってしまいました。ただ、東証1部値上がりは553銘柄で値下がりは1067銘柄と、指数で見るよりも値下がりが多い印象。また、日経平均の日中値幅はわずかに109.25円だったのですが、前後場に分けると、前場が90.64円、後場が90.71円ともっと小動きでした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。パッと見では動いているように見えるかもしれませんが、Y軸の目盛りを読んでいただければ、動いていない度合いがお分かりいただけるかと…(^^;。

● 指数はこんな状態でも、個別銘柄ベースではそれなりに上下動があったのは、この数日と同じ傾向。決算絡みやレーティング絡みの動きが目に付いたと同時に、「何でやねん?」もそれなりに見受けられました(^^;。決算発表もあと大きな数銘柄と銀行を除いて終わり。決算発表後の相場展開がどうなるか、皆さんも頭を悩ましているところだと推察します。資源系銘柄をこれからも引っ張るか、それともテクノロジーや銀行などに行くか…。決算で好材料出尽くし感が広がるのか、それとも、他に行くところもないことから、好業績を評価する動きが継続するのか、判断が難しいところです。

● ファクター面からしても、短期リバーサルがこれだけ長期間に渡って駄目駄目状態なのは珍しく、自然と「どこかで反転するのではないか?」という気持ちが残ります。イケイケ銘柄群からリバーサル的銘柄群へ変化するとなると、相場としても見た目が大きく変わってくる可能性があります。また、サイズについても同じで、マザーズの崩落状態を見ると、「いつかどこかで反転する」と狙っている向きは少なくないはず。

● 問題は「いつ」が分からないこと(^^;。タイミングをホンの1週間でも間違えると、例えばマザーズなんかだったら指数ベースでも10%ほど水準が違っていてもおかしくありません(1日2%の上下は見慣れた風景)。FM諸氏は「タイミングリスクを取るな」と教えられるそうですが(証券自己の世界では、タイミングが全てと教えられることもある(^^:)、実際問題、タイミングでリターンに大きな差が出る可能性があるとなると、無視できません。ファンダメンタルリサーチも経済調査も、タイミングについては十分に示唆をくれません。だから難しいのです(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比2537万株増の21億8557万株、売買代金は逆に同1309億円減の2兆8240億円。今朝のSQ値を計算すると、前日比13.26円高の17526.24円でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き相当量の売り越し(5690万株売り/3180万株買い)で、市場筋によると金額ベースでも大幅売り越しだったとのこと。

● 雑談。有名人を立候補させれば浮動票を集めることができる、と各政党は考えているんでしょうかねぇ~。有権者としては舐められた話だし、逆説的に言えば、誰がやっても同じという程度の期待感しかないから、有権者はそう行動しているのでしょうか。著名人が全て駄目だとステレオタイプ化するのは間違っているとは思うけど、それにしても…って感じを受けるのを否定できません。決算発表も一巡してくるので、そろそろ、マーケットも皆が政治評論家と化す時期がやってくるんでしょうネ(^^;。

 TOPIX : 1712.55 (-18.44, -1.07%)    日経平均 : 17512.98 (-164.96, -0.93%)    円ドル : 120.35  

● 米国株式が今一つの展開でCME日経平均先物も大証比20円安。加えて寄付前に発表された3月機械受注はコンセンサス(Bloombergが+1.5%、ロイターが+1.3%)をかなり下回る-4.5%(前月比)。機械受注がボラティリティの高い経済指標で単品評価が出来ないモノだと言えども、好材料ではないことは確かで、この時点でどよぉ~んとした空気が確約されてしまった格好。加えて、今日が会社数ベースで決算発表ピークだったし、決算絡みの地雷が相次いでいる状況下では、敢えて何かを急いでするような空気にならなかったのは当然かもしれません。

● ここ数日の相場で気になるのは、決算発表というイベントで売られると、それこそ「そこまで売るか?」ってほど売り込まれるケースが増えていること。実際に控え目の業績予想で「期待感」を裏切る状態になっているので、売られ過ぎと感じても、なかなか「火中の栗」を拾いに行かない(行けない)状況が、拍車を掛けている印象です。年金資金などの機関投資家は、急激に売り込まれたところを静かに買うのが特徴だったのですが、最近では「説明責任」という四文字熟語を背負って金縛り状態に陥るケースが増えています(本当の"説明責任"は違う意味のハズだけど…)。

● その一方で、イベント・ドリブン系のヘッジファンドやデイトレーダーなどの連中が、この傾向をチャンスとみなしてハマっているのでしょうね。状況が落ち着けば変わってくるかもしれないのですが、曲がりなりにマーケットの牽引役だった重工系銘柄、鉄鋼株、資源株が、この辺の売りを浴びせられる格好でほぼ全面安になってしまうと、相場全体としても元気がなくなってしまいます。

● 結局、終わってみれば、東証1部値下がり銘柄数は1448銘柄にも達し(値上がりは224銘柄)、指数以上に下げを感じる展開だった「よう」です(^^;。この「よう」というのは、実は、今日は後場後半からMSCI Barra のセミナーに出席していたので、後場後半の相場を見ていませんでした(^^;。なので、今日の記録に飛びます(^^;。東証1部出来高は前日比2億1350万株も減って21億6020万株、売買代金は出来高ほどの減少ではなかったものの、同1837億円減の2兆9548億円。今朝のSQ値を計算すると、前日比103.44円安の17574.50円。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(3710万株売り/2870万株買い)でした。

● 話題変更。そのMSCI Barra のセミナーは、「MSCI スタンダード・小型株インデックスのエンハンスメント最終構築法及び移行スケジュール」なるもの。新算出基準の話だったのですが、やっぱりというか、目新しい材料はありませんでした(この辺の情報管理はさすがです)。ただ、Methodology(指数算出要綱)は英文でしかも81ページもあります(^^;。当然、面白くも何とも無い資料ですし、かなり面倒だったのでセミナーに参加したというワケ。興味がある方は、 MSCI Barra のHP内、こちら に資料が掲載されています。「No pain, no gain!」の精神で読み解いてください(^^;。せっかくセミナーに参加したし、いくつか頭に入れておくポイントがあったので、短く書いておきましょう。いずれも新規の話ではなく公表済です。

● インデックス構築方法についての詳細は「面白くも何とも無い英文資料」を読んでいただくとして(^^;、今回の大きな変更点は既知の通り、産業別だった85%カバレッジが全産業での85%カバレッジに変わる点と、流動性基準の採用。いずれもグローバルな基準としてMSCI 関連指数全体に適用されるものです。この点については、今日のセミナーでも繰り返し説明していました。日本株部分でこの影響について書くと(再掲ですね)、これまで巨大銘柄の存在でセクター内であっという間に85%が埋まってしまい採用に至らなかった中型株が、新算出基準ではかなりの数、新たに入ってきます。これは自動車セクターでかなり顕著な影響が出ます。一方で、セクターの時価総額が分散しているおかげで、かなり小さな銘柄まで採用されていたセクターで、削除銘柄が結構な数が出てきます。これは小売りや資本財のセクターで顕著です。これらの銘柄もMSCI から公表されています(まだ暫定指数ベースだけど)ので、各自でご確認を。

● また、銘柄選択/入れ替えのプロセスにおいて、バッファーゾーンの考え方が採用されることにより、かなり回転が抑えられる点も強調していました。バッファーゾーンとは、平たく言えば、一時的な株価下落や上昇により、ボーダーライン上に位置する銘柄が、時価総額基準などから削除になったり新規採用になったりを繰り返すのを防ぐ意図で、ある程度の「幅」を設定する、という考え方です。最近の指数では、この考え方が主流になっており、MSCI の一部指数でもこの考え方が採用されていましたが、それがもっとはっきりと全面的に採用されることになります。

● このバッファーゾーンの採用、さらに「企業数の変更は1回のリバランスで通常5%以下」となるので、全体として銘柄入れ替えに伴う売買回転率は落ちることになりそうです。MSCI の資料によると、バッファーゾーンが無い場合のMSCI Japan の回転率(年次、一方向)は3.8%と試算されるところが、バッファーゾーンの採用で、これが1.5%まで落ちる見込みとのことでした。浮動株基準採用のときの移行では約10%程度の回転率があったことを考えると、相当に低くなる印象です。

● もう一つの変更は、リバランスの位置付け。これまでは(現状は)、5月の年次リバランスが「見直し」として大きくて、それ以外の四半期リバランスは「調整」だったのが、新方式では5月と11月が「見直し」で、2月と8月はこれまでの四半期「調整」という位置付けになります。また、個人的に気になっていたのは Early Inclusion について。IPO銘柄は3ヶ月経過しないと採用候補にならないものの、巨大銘柄については Early Inclusion が発生し得ます。この基準は、浮動株調整前の時価総額でサイズで最小銘柄の1.8倍、さらに浮動株調整後の時価総額でその半分が必要で、ちょっとハードルが高そうです(^^;。

● MSCI に関しては、もうすぐ Provisional 指数の公表も開始される(6月5日から)のですが、今年11月末、来年5月末というMSCI の2段階スケジュール通りに移行する向きと、一気に前倒しでやっちゃう向きと、どの程度の比率になるのかは興味深々です。まぁ、その前に5月末のリバランスもありますけど、現時点では新算出基準はあくまでも「暫定」なので、まだ冒険してくる向きは少ないとは考えています。でも、どのタイミングかは興味津々(^^;。それぞれの移行プロセスで、確定情報はリバランス実施の4週間以上前には公表するそうですから、11月初めをひとまず注目ということになりそうです。

● もう一つ、指数ヲタク向け業務連絡。山下医科器械(3022)の東証1部昇格が発表されています(新基準2銘柄目)。東証HPの「一部指定・市場変更・指定替え会社一覧」にてご確認を。東証1部昇格は5月22日ですが、TOPIX算入は6月末修正です。

 TOPIX : 1730.99 (+7.90, +0.46%)    日経平均 : 17677.94 (+124.22, +0.71%)    円ドル : 120.30  

● 前週末の海外株高を受けて堅調にスタートし、最後まで堅調。ただ、寄付いた水準はかなり上だったもののザラ場での値動きは乏しく、何となく煮え切らない雰囲気も濃厚な1日でした。日経平均の日中値幅はわずかに112.79円。これは丸々後場の値幅で、前場はわずかに84.24円。さらに、今朝のSQ値を計算すると、前週末比164.04円高の17717.76円。ここを基準に考えると、ザラ場では下に43.90円、上に68.89円しか動かなかったことになります。つまり、ザラ場ではフォロースルーがほとんど入らなかったことを示唆しており、前日比では高かったとしても、あまり覇気のある相場ではなかったことが分かります。前日比での上昇で堅調だった点に注目するか、フォロースルーの欠如に注目するかで先行きが大きく違うのですが、現時点では「何とも言えない」状況。だから煮え切らない感が残るんです(^^;。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 指数はこんな状態だったものの、個別にはあちこちで決算絡みの上下動があり、レーティング変更にもかなり反応する地合い。業績関連ではセガサミーが朝からストップ安に張り付いて結局、ストップ安比例配分。パチンコ関連はあかん、と知らなかったワケではないだろうのに…。同業のSANKYOも連れて大幅安。石川島播磨も決算発表を受けて一気に売られ、クボタも「実質未達」が嫌気されドカーンと大幅安。また、野村が格下げしたNTTは、後場に入ってジリ貧度合いが加速し、一時-8.75%も下落。千代田化工は前場引けに52週高値を更新したものの、昼休み中の決算発表の結果、後場はドカ~ンと売られて-6.55%。いすゞも前場は堅調だったのに、同じく決算発表後にドカ~ンの-6.70%。

● 一方で、大平洋金属(「太平洋」ではなく、「大平洋」なのはご存知ですよね!)が+15.67%と爆騰(^^;。明治海運や乾汽船などの二番手海運株もぶっ飛びで、物色が広がったと言えば綺麗ですが、食い散らかしている感が無きにしも非ず(^^;。そうやこうやで、あちこちで「スペシフィックの嵐」が吹いておりました。

● 記録。東証1部出来高は前週末比5807万株増の23億7370万株、売買代金は逆に同138億円減の3兆1386億円と、指数の値動きが今一つだった割には商い活況。東証1部値上がりは819銘柄、値下がりは791銘柄でした。サイズは明確に大型方向に振れていて、Core30とLarge70が勝って(+38bps、+20bps)、Mid400とSmallが負け(-44bps、-69bps)。新興市場も枚9ナスばかりで、特にマザーズ/ヘラクレスは3%前後の大幅安でした。「母の日」を通過してもマザーズはあきまへん(^^;。なお、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(3250万株売り/2550万株買い)。フローは少な目でした。

● 今日はバリューもリバーサルも駄目駄目で、どうもやる気が起きない1日だったのでこの辺で…。ホントはそれじゃあ駄目なんですけどネ(^^;。

● 今日は週末特別のアップです。先日マーケットコメントで市場筋の間を「回覧」されていた「第一回マーケット雑感主催、トレーダー川柳」ですが、かなりの反響を頂きました。なかでも「全部読みたい」がいくつもあったのです(^^;。マーケットコメント内に使う際にも、著作権のことが頭にちらついたりしたので、全文掲載とはせずに抜粋を掲載したんです。でも、逆の立場(読者側)からすれば、やっぱり全部読みたいですよね(^^;。と言う訳で、無謀にも全文掲載してしまいましょう。なお、それでもやっぱり著作権は気になります。もし何か問題がありましたら、 こちら よりご連絡をよろしく。すぐに対処いたします。

● 本家HPでは日記帳に掲載してあります。 こちら より日記帳にアクセスを。それでは行きましょう。今回は特に解説コメントは「なし」です。

1セルサイド グレーも黒も 白の内
2板を見ろ! 言った上司は 後場熟睡
3デイトレの 足元及ばぬ プロばかり
4夢に見た 儲け話は 夢のまま
5バイサイド 死んでも治らぬ 勘違い
6若い頃 できないことでも 歳のせい
7キコクなら どんなバカでも ペラペラだ
8まだいける 思っているのは 自分だけ
9上っ面 仲良くしながら あら探し
1035 過ぎても夢は 玉の輿
11プロなのに ファンマネなのに この結果? ( 自嘲の意味もこめて…。本人談)
12文句だけ 一人前の バイサイド
13空振りで 認識すべし 決断力
14指値して 出来ちゃったの?と 不安がり
15売り注文 売らないうちに 買いコスト
16買わなきゃ 買い判断も 無駄になり
17アルゴより 俺のリズムで どこ悪い
18先物で 全て説明 現物株
19箱ばかり 最良執行 口ばかり
20高配当 みんなで買ったら 低配当
21アルゴより 上司にほしい ストラテジー
22相場観 逃げ道作る 評論家
23社名変え なんの会社か もうわからん
24均衡表 雲の上でも 暴風雨
25死んでくれ ああ死んでくれ 死んでくれ
26ここはどこ ミステリーワールド 河童天国 (会社は恐いところ!)
27もう辞めて(止めて) アナログ時代の 相場観
28IS法 こだわりすぎて GTC
29先物を へたな約定 言い訳に
30おかしいな? それはお前の 相場観
31流動性 無ければあなた 動いたら
32引け前の 指値訂正 2文下
33IS法 威張ってみても VWAPER
34止めてくれ 無駄な指値と 訂正・取り消し
35システムを 信頼出来ずに 置いてけぼり
36アルゴより 細い計らい 止めてくれ
37押し目買い どこが押し目か わかりません
38昨日まで 推奨銘柄 今日は売り
39修正 修正 また修正 (アナリストも大変)
40経験則 あたらないのも 経験則
41川柳を 作るの上手いが 株は下手…
42ロスカット 投げた翌日 大暴騰
43PLと 上司の機嫌が 高相関
44大暴落 ショートで儲けて ほくそえむ
45日系人 自国戻れば マイノリティー
46ブ男も 日本にいれば モテモテだ
47「外資系」 強調するほど しゃべれない
48ふざけんな てめえが自分で やってみろ
49高い服 顔も買えれば いいのにね
50辞めるのも けっこう厳しい ドメ社会
51ショートセル 市場外なら ロングセル
52バイサイド ああバイサイド バイサイド
53ぼくはくぼ みぎからよんでも ぼくはくぼ  (???)
54暇すぎる あー暇すぎる 暇すぎる
55トレーダー いつになっても こまずかい
56相場観 あるはずないよ 素人よ (自分のこと?作者はプロ)
57オタッキー アルゴのおかげで 大出世
58醜くて さえないやつほど 子沢山
59親バカが でき損ないに 金をかけ
60企業規模 大きくなるほど カスばかり
61外資系 同じことして この格差
62ザラバ中 相場支えに? ベンチプレス (後場寄り、ジムから戻らないトレーダー)
63日経の 観測記事に 右往左往
64リコメンド 外れたのを機に 休暇取り
65レーティング 上げた途端に 工場が!
66IR フェアを求めど うちにだけ
67月次聞き 一喜一憂 自暴自棄
68アナリスト 資格取れども 役立たず
69決算の 内容よりも ADR
70四季報は 嫌いだけれど 無視できず
71プレゼンの ネタを作りに 六本木
72山積に されたレポート どこに行く
73エイベックス 買ったつもりが エイペックス
74吹き値売り 吹くわ吹くわで テンバガー
75始まりも 終わりも全て SIMEX
76ナンピンす 上場廃止 ナンセンス
77割安も 気づいてみたら 額面割
78ヤフオクも 通販サイトも 情報源
79クオンツも 化粧はがせば テクニカル
80できるなら 自分の逆バリ してみたい
81趣味特技 高値掴みと 底値売り
82お局が 相手選んで 八つ当たり
83親切を 装い聞き出す 情報通
8450超え さらに居座る バイサイド
85後がない ドツボカップル 長続き
86見渡せば ファンマネ休暇か 鼻提灯
87売停中 出来ちゃいます OTCなら (機械上は出来るが、やったら証券事故!)
88亥の年は 1949以来 全勝だ
89セブンアイ ローソンのつぎ サークルk (CV業界順位)
90くれてやる 頭と尻尾が でかすぎる
91もうはまだ まだはまだまだ もうやめて
92傷口を なめあう場所の 掲示板
93円キャリー できぬ私は 損キャリー
94ナンピンが さらに傷口 でかくした
95高いとこ 飛びつく能力 かえる並み
96放置の株 倍と思えば 減資でした
97VWAP 買った負けたは まるで意味なし
98ファンマネに 聞いてきますは 子供の使い
99難しい 待っても取れない 女と板よ
100難しい 取ったら天井 女と板よ
101飛びつき買 ところでここは 何の会社
102配当金 狙って買ったら 無配転落
103売りたいが 今日の安値 躊躇する
104買いたいが 今日の高値 躊躇する
105ギャランティ 私の立場も 保証して
106日本株 下げる時だけ 連動する
107売れという 板がないのよ わかってる?
108なんでかな 私がやる株 逆相関
109成行は 板がすかすか やらないで
110三角合併 カタカナ名を 増やすだけ
111ファンマネの 一喜一憂 見苦しい
112アナリスト 昨日の売りは 今日の買い
113穴二つ ならばも一人 呪ったる
114買い推奨 出した本人 売り準備
115はしたない 祖母が評した 我が仕事
116百円パン ペコちゃん騙して 銀座進出
117ばかやろう! 行ったり来たり 喉仏
118成果主義 すり胡麻量を はかるだけ
119説明会 数字を読むだけ 経営陣
120無意識に 銘柄変換 ナンバープレート

● 疲れた(^^;。かなり過激なのもあるのですが、全文掲載です。マーケットコメントでも書いたのですが、中にはかなり専門的なのもあって、業務をやっている方はすぐに分かるのですが、たとえ証券会社に所属していても、ほんの少し部署が違うだけで分からないネタもかなりあります。意味が分からないとしても、何となく雰囲気を味わっていただければと…(^^;。

2007年05月11日(金) .... 米国株安受け続落、決算に一喜一憂

 TOPIX : 1723.09 (-13.90, -0.80%)    日経平均 : 17553.72 (-183.24, -1.03%)    円ドル : 119.85  

● 今日は5月限オプションSQ。結果から書けば、堅調なSQでした。オーバーナイトの米国株式市場がかなり安く、シカゴ日経平均先物ベースで200~240円安(対現物、対大証先物)だったことを考慮すると、SQ値が17611.74円、前日比125.22円安で収まったことは、実質的にはSQは100円高程度だったってことになります。

● 例によって実況中継風に行きましょう。8時45分の段階でExcel上の速算値は前日比400~500円高程度。8時50分で100円高、8時55分で50円高、8時57分頃にマイナスになり、8時59分で40円安ほど。最後の某証券からバスケット売りが出るはずだったものの、あまり大きな規模ではなかった様子で、結局、SQ値は125.22円安。なお、横河電機がストップ安で寄付かなかったものの、気配がストップ安になったところで、実質上のSQ値計算は終わり。ただ、この銘柄が売れないことで、裁定取引トレーダーの皆さんは、ちょっと神経質だったかもしれません(^^;。

● 市場筋推計によると、日経平均型が一銘柄あたり11万株ほどの買い越し。ただ、現値水準やその下にかなりまとまった指値の売りが出ていて、この影響があったと。この辺は、「SQで買いに来るやつが居れば売ってやろう」のカウンター指値って感じです。駄目モトでミスプライスを取りに行くには、寄限の指値でやれば良いのですから…。なお、同じく市場筋推計のSQ関連商いは、出来高で7600万株程度、売買代金で1500億円程度だったとのこと。なお、東証発表の9時15分時点での出来高が3億6390万株、売買代金が5233億円でした。

● また、毎分の東証1部売買代金分布を見ると、前場が53.3%、後場が46.7%。あまり大した商いではなかったものの、それでもSQ日って感じでした。また、寄付5分間で11.7%、10分間で14.6%の売買代金がありました。ただ、SQ日だったとは言え、東証1部出来高は前日比1億7059万株減の23億1563万株、売買代金は同2739億円減の3兆1524億円。決して薄商いではなかったものの、後日、グラフなどを見てもSQ日だったとは気付かないでしょうネ(^^;。何となく盛り上がりに欠ける展開だったことが分かります。

● SQ以外の相場は、米国株安をストレートに受けた以外は、安かったものの急落の雰囲気ではなく、何となく掴み所がないというか、決算動向に一喜一憂した銘柄があちこちにあった以外は、何となく盛り上がりに欠けた印象でした。決算関連で急落した銘柄に目が行ってしまうのですが、横河電機(-15.77%)、カシオ計算機(-16.49%)、船井電機(-10.70%、大証)はいずれもストップ安。乾汽船(+12.02%)のように決算関連で急騰した銘柄もあるにはあったものの、ネガティブの方がはるかに影響力が強かった印象。

● ただ、トヨタが切り返したことや、多少ワザとらしさはあった(^^;ものの、別子がプラスで高値引けしたことなどは、ちょっと希望をつないだ印象も受けました。来週は、TOPIXでまたケチを付けた格好になってしまった1750ポイント絡みをどうこなして行くかが、テクニカル的には焦点になりそうです。

● 残りの記録。東証1部値上がりは326銘柄、値下がりは1298銘柄で、かなり「全面安」に近い感じでした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、相当量の売り越し(4540万株売り/2550万株買い)でした。そうそう、大引後に開示された先物の手口を見ると、今日もCS君がかなり暴れていた様子(^^;。SQ日なので売り買いが多くなる傾向があるのですが、日経平均先物で最大5695枚売り(買いは非開示)、TOPIX先物で2820枚の売り越しでした。他、日経平均先物ではUBSが2773枚売り越し、SGが1576枚売り越し、買いも1000枚単位があちこちにあったのですが、やっぱりCS君が目立ったのは事実(^^;。

● それでは皆様も良い週末を!

 TOPIX : 1736.99 (-8.02, -0.46%)    日経平均 : 17736.96 (-11.16, -0.06%)    円ドル : 120.05  

● 米国株高やシカゴ日経平均先物高を受けて堅調な展開。ただ、この上を買うには今一つ材料不足感もあって、堅調ながら上値が止まってしまう展開。前場引け間際からはTOPIXも日経平均もマイナス転落してしまい、後場は基本的に横ばい。日経平均の日中値幅は、1日通しでも114.59円しかなかったのですが、前後場に分けると、前場が90.50円、後場は60.06円しかありませんでした。さらに今朝のSQを計算すると、前日比78.82円高の17826.94円。これはほぼザラ場高値と同水準で、「寄り天」だったことが分かります。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。グラフ上は動いているようにも見えますが、Y軸の関係です(^^;。

● ただ、ここ数日間と同じで、指数ベースでは動きが乏しくても、個別は上にも下にもそれなりに動きがあり、決算発表で一喜一憂、レーティングで一喜一憂の状態は継続。個別に「あれが上がった、これが下がった」は、一般的なマーケットレポートをご参照頂くとしましょう(とサボる(^^;)。ファクター的には、昨日まで絶好調だったフロー系のバリューが今日は急ブレーキ。

● 一方、テクニカル的に見ると、今日のチャートはちょっと微妙な感じです。特にTOPIXはザラ場では因縁の1750ポイント近辺を上抜けたものの、最後はエネルギー切れで安値引け。朝方は「上抜けか?」という雰囲気も感じられたのですが、最終的に日足チャートを見ると、上から被せた陰線とあまり雰囲気は良くありません。日経平均も似たり寄ったりで、ザラ場では直近高値を上回ったものの状態。明日はミニSQだし、上値の重たさを抜けることが出来るか、試金石の1日になりそうです。

● 記録。東証1部出来高は前日比4125万株増の24億8622万株、売買代金は同1998億円増の3兆4263億円と活況。東証1部値上がりは625銘柄、値下がりは955銘柄。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、3日ぶりの買い越し(4560万株売り/5230万株買い)。フローもソコソコでした。そうそう、明日はミニSQ。オプション単独のSQですが、先物が深く関わるのはいつも通り。ただ、今日はCS君など常連さんの手口は非常に静かで、「嵐の前の静けさ」なのか、単に「やることがない」だったのかは不明(^^;。今回も事前予想はいつも通りありません。買い物で始まって、最後にバスケット売りが出て、チャンチャンかなと…(^^;。

● 雑談①。今晩から私達のオフィスがある東京サンケイビル前で、キリン主催の大々的な焼き鳥パーティーが開催中(タダではないらしいけど…)。プレハブを持ち込んで数日間工事をしていたのですが、たった2日間の為に…(^^;。詳細はホームページまであるので、http://www.kirin.co.jp/brands/IS/information/yakitorimatsuri/index.html をご参照ください。しかし、プロモーションも金が掛かりますねぇ~。テレビでCM流すよりは安いんだろうけど…。帰り際にちょっと覗いてきたら、既に大量の人で埋まっており、焼き鳥の煙モクモク状態。あまりに混み合っていたので寄り道は中止(^^;。しかし、大手町のド真中が「新橋」と化していたのは、ちょっと見ものでした(^^;。

● 雑談②。えっと、これで何連敗だっけ?よりによって球児がやられるとは…(-_-;)。しばらくデイリースポーツも買ってない状態です。勝ったり負けたりは楽しめるけど、こうなると、これだけの連敗はファンも辛いです。まぁ、どんな人生でもこういう時はあるもの。そして、最悪の時に何をするかによって、流れが変わった時の結果が大きく違ってくるのは経験上分かっています。頑張るしかないんですよね。流れはどこかで変わるんだから…。おっと、今日は金本選手の2ランで始まったの?よしよし…(^^。と思ったら、また福原が…。あまり気負わずに観戦することにします。負けが込むようだと、ドンドンこのコメントが短くなりそうですし…(^^;。

 TOPIX : 1745.01 (+12.38, +0.71%)    日経平均 : 17748.12 (+91.28, +0.52%)    円ドル : 119.80  

● 前場は眠気を覚えるような相場展開。ところが、川崎汽船(9107)の決算発表(午前11時)で雰囲気が変化。海運株全体が後場から連鎖反応的に一気に上昇。さらに、オーストラリアの超有名鉱山会社の BHP Billiton (BHP AU) と Rio Tinto(RIO AU) の合併観測で、日本時間の昼休み中に両株が急上昇。これで非鉄金属株(特に別子)が軒並み高となり、商社株も一斉高。相変わらず資源系銘柄ばかりという点はあったものの、それでも動く銘柄に付いていく相場展開。その一方で、敬遠される銘柄は完全に放置状態の鳴かず飛ばず。新興市場は東証2部以外はマイナスでした。指数はプラスとマイナスが適度に打ち消しあうことで動きが鈍かったものの、個別銘柄ベースでは、見ている銘柄によって悲喜こもごもの1日だったと察します。

● 日経平均の日中足と、川崎汽船(9107)、別子(住友金属鉱山、5713)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。川崎汽船は後場寄付きからブッ飛んだのですが、実際に日経平均との連動性が見えるのは別子の方。それだけ別子が相場全体に影響を与えているってことです。

日経平均・日中足
川崎汽船(9107)日中足
住友金属鉱山(5713)日中足

● 今日は「SQ週の水曜日」だったので、経験則的にはちょっとヤバイ1日。それでも無事にクリアしたこと、さらにTOPIXが因縁の1750ポイント弱の水準まで這い上がってきたことで、特に買い材料は無いとしても、期待感が膨らむ状況になってきました。ただ、逆説的に言えば胸突き八丁の水準まで来たとも言えるワケで、この先数日間の相場が重要になってきそうです。一応、オプションSQもありますしネ(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比2億4246万株増の24億4497万株、売買代金同2771億円増の3兆2265億円。指数は比較的小動きの1日だったのですが、上記したように資源系銘柄を中心に個別に賑わったことで、相場全体としてもかなり活況でした。東証1部値上がりは874銘柄、値下がりは710銘柄、今朝のSQ値は前日比39.18円安の17617.66円でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ほぼチャラ(3710万株売り/3650万株買い)でした。

● そうそう、今日はMSCIにおいて日興CGのFIFが0.85→0.40への引き下げがありました。大引け間際に大商いだったのはそれが理由です。最後の15分間ほどで、どったんばったんと商いが膨らむなか上下しているのが分かります。日中足をご参照のうえ「ほぉ~~」(^^;と感動して眺めてください(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。ある意味では、今月末のTOPIXで起こるのと同じ仕組みですから。ただ、この情報はWebなどに掲載されないMSCI の「契約者向け」情報だったので、知らない方も多かったとは思います。

日興CG(8603)日中足

● 雑談。こちらの方が今日の本題っぽい量(^^;ですが、某市場筋から回覧されてきたのが「第一回マーケット雑感主催、トレーダー川柳」なるもの。どこかのサイトからの引用だと思いますが、この表題でググッても出てこないので出典は不明(^^;。でも、業界内でもホールセール系に属していないと到底分からないようなのがたくさんありました。ホンの少し引用。

● 多くはセールス・トレーダー作っぽいもので、実際、自分でも共感できるものを中心に行きます(全部で100超あった)。何と言うか、やはりバイサイドに対する不満ネタが多かったのですが、その中でも個人的に笑えた(苦笑い)のが、

「指値して 出来ちゃったの?と 不安がり」
「売れという 板がないのよ わかってる?」

あたり。良く見掛ける風景なので思わず苦笑いです(^^;。同じくセールス・トレーダーものだと思いますが、最近流行のアルゴリズム・トレードに関連したのも多くて、

「アルゴより 俺のリズムで どこ悪い」
「 IS法 こだわりすぎて GTC」
「 IS法 威張ってみても VWAPER」
「システムを 信頼出来ずに 置いてけぼり」
「アルゴより 細い計らい 止めてくれ」
「オタッキー アルゴのおかげで 大出世」

分かる方は分かって頂けると思います(^^;。

● こちらはバスケットやVWAPギャランティーなどを受けている方々だと思いますが、

「ギャランティ 私の立場も 保証して」
「コンペあと インプルーブは?と けちなヤツ」

…なんかは笑うに笑えません。そして、次の2本はとても"深い"です(^^;。

「ショートセル 市場外なら ロングセル」
「売停中 出来ちゃいます OTCなら (機械上は出来るが、やったら証券事故!)」

これなどは、実際にこの辺の業務をやっている方々は「ウン、ウン」と頷いているでしょうけど、ちょっと離れるともう意味が通じないと思います。あまり書くとアレなのでこの辺で止めておきます(^^;。

● 他にも、ありげな風景としては、「決算の 内容よりも ADR」、「高いとこ 飛びつく能力 かえる並み」。笑えないのは、「エイベックス 買ったつもりが エイペックス」とか「飛びつき買 ところでここは 何の会社」(^^;。さらに、「社名変え なんの会社か もうわからん」も良くある風景。「説明会 数字を読むだけ経営陣」はアナリストでしょうか。「月次聞き 一喜一憂 自暴自棄」はスポンサーかFoFマネージャー?「プロなのに ファンマネなのに この結果? (自嘲の意味もこめて…。本人談)」は何と言いますか…(^^;。

● 「先物で 全て説明 現物株」なんかも笑えてしまいました。相場解説を書いているメディアの方々に、ぜひ、噛み締めて欲しい一句です(^^;。

 TOPIX : 1732.63 (-0.40, -0.02%)    日経平均 : 17656.84 (-12.99, -0.07%)    円ドル : 119.90  

● NYダウが連日の高値を更新していると言っても、「そろそろヤバイんとちゃう?」という気持ちは否定できないだけに、シカゴ日経平均先物がどこで終わっているかの方が心理的に影響を与えた感じの1日でした。今朝のSQ値を計算すると、前日比22.12円安の17647.71円で、この水準からは上下にチョビッと動いただけ(上に63.96円、下に59.79円)。日経平均の日中値幅は123.75円とかなり小さい値幅だったものの、前後場で分けると、前場が83.03円、後場が91.71円の小動き。「何が」ってことはないにしろ、どうも乗り気になれない環境でした。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 個別には、珍しく(^^;メガバンクが軒並み高。この影響もあって、今日はCore30が一人勝ちでした(34bps勝ち)。ただ、メガバンク以上に勢いを感じたのが別子(住友金属鉱山、5713)。これが高所恐怖症になりながらも上昇を続けています(^^;。某ベテラン市場筋氏がコメントで、「バブル崩壊以降、「こんな会社はオールドエコノミーでだめだ!」といわれた重厚長大企業がようやくバブルの後始末が終わり復活。新興国で大活躍して業績も急拡大。そのような意味では、やはり今の相場は歴史的なことが起きているのでしょうね」と書いていらっしゃったのですが、IT関連などの軽薄短小が鳴かず飛ばずで、重厚長大がもてはやされるのが今の相場。もっとも、時代は繰り返すので、全く逆のパターンもどこかで起こるのでしょうけどネ(^^;。超目先的には、高所恐怖症と戦いながら別子をどこまでロング保持できるかが勝負だったりします(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比402万株増の22億0251万株、売買代金は逆に同940億円減の2兆9494億円。指数がこれだけ小動きだった割には、結構、活況な1日でした。東証1部値上がりは656銘柄、値下がりは917銘柄。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向はまた売り越し(4010万株売り/3280万株買い)でした。

● 話題変更。最近、クオンツ系FM諸氏から「スペシフィックでのブレが大きい」とのコメントが良く聞こえてくるようになってきました。モデルが違えば出てくる数値にも違いがあるので一概には言えないハズですが、お話をしている限りでは、かなり満遍なくこの手のコメントが出てくる印象です。決算発表シーズン中は個別銘柄の上下が強くなる時期で、前々からこういった傾向はあるのですが、今回はそれがより強く出ているようです。

● スペシフィックは平たく書いてしまえば、モデルが要因分解できなくてお手上げになった部分の集合体です。専門的には残渣(ざんさ)というのですが、これで勝ち負けの大きな部分が出てくると、何で勝っているのか、何で負けているのかが分からなくなります。普段だったら、バリューで勝ったとか負けたというところが、スペシフィックと言われてしまうともう「???」状態。もっとも勝っていたら「結果オーライ」で済むかも知れませんが、負けると原因追求が難しいだけに苦労は絶えません。でも、根本的な解決方法ってあまり無いんですよね…。モデルを変えるなんて、かなり時間を使うことですし…。こうなったら、開き直って野生の勘で頑張りましょう(^^;。まぁ、実際にはそうは行かんのですけど、少なくとも気持ちだけでも(^^;。

● 雑談。あの阪神タイガースからNYヤンキースに行った井川投手がマイナー落ち。で、そのニュースのなかで、NYY監督コメントで「実戦で投げるのは、トレントンかスクラントンになる」と。これで思わず「おぉぉぉ!」と感じてしまいました。このスクラントンというのは、私が大学と大学院を過ごした忘れもしない(忘れるワケがない!)ペンシルバニアの田舎町(^^;。そこにヤンキースのAAAチーム(Scranton/Wilkes-Barre Yankees)があるのです。チラッと検索してみると、HPがありました(http://web.minorleaguebaseball.com/index.jsp?sid=t531)。

● もっとも、私が居た頃にはまだチームはなかったし(誘致する話は盛んに議論されていた)、「PNC Stadium」なんて無かったのです。「これって何?」と思ってHPの地図を見て納得。ScrantonとWilkes-Barreの間にあるMontage Mountainというスキー場などがあるところに新装されたのですね(^^;。井川投手が登板するとなると、日本のメディアも多少はあの地域に行くのでしょうね。NYCからは車で2時間ってところ、マイルにして120-130マイルぐらいだと思うので、200キロちょっとでしょうか。あの頃は、スクラントンの街(人口約10万人程度)で、日本人は確か私以外に1~2人しか居なかったのですが、今はどうなっているか知りたいところでもあります(^^;。

● もう一つ雑談。今日、某トレーダーから廻ってきたのが、YouTube にアップされていた「【B・N・F】ネット社会の20年 16分で20億稼いだ男 (2007.04.30)」なる画像。音が出るので会社では見れないので、家に帰ってから見ました。先日、某局で放送されていたモノですネ。このアップされている方は、BNF氏を集めているようで、他にも色々な映像がアップされています。ただ、かなり著作権的にはアレなので、あまりアクセスが増えると消されちゃうリスクがあると思います(^^;。為念。

 TOPIX : 1733.03 (+28.81, +1.69%)    日経平均 : 17669.83 (+274.91, +1.58%)    円ドル : 119.95  

● GW連休中に海外市場が上昇していたことや、円安方向に振れていたことなどを受け、堅調に推移するとは大方が予想していたでしょう。ただ、上昇幅は少し予想以上だったかもしれません。もっとも、ザラ場を見ている限りでは、日経平均が300円近くも上昇した雰囲気はあまりなく、「高いことは高いけど…」といった空気。円安が心理的な追い風になったのは確かでしょうけど、その割に目立ったのは、鉄鋼・非鉄金属・不動産などの業種。自動車は指数としてはプラスだったものの、今一つの値動きだったし、電機もキヤノンや東芝なんかは凄かったものの、今一つ乗りが悪かったというか…。そう感じたのは私だけだったのかもしれませんが、無意識にTOPIXが1750ポイントあたりを越えてこない限り、チャート上は「レンジ内のもみあい」ってことを考えていたのかも知れません。

● 休み明けの先物市場では、CS君が元気に大量買い越し(^^;。日経平均先物で4239枚買い/売りは未公開、TOPIX先物で差引4189枚買い越し。日経平均先物では他に巨大な買い手はなく、1000枚程度の買い越しが分散。TOPIX先物では、MSが2218枚買い越した一方で、GSが2539枚売り越し。どちらにしろCS君の動きがかなり他を圧倒していました。また、今朝のSQを計算すると前週比238.04円高の17632.96円。寄付き段階でかなり高くなってしまい、そこからザラ場の上値は約100円程度しかありませんでした(日経平均は瞬間風速321.07円高まであった)。この辺の要素も、下がらないとしても「何となく乗り切れない」雰囲気を与えてしまったのかもしれません。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 今日はMSCI 関連の話を書くので、マーケットについてはこの辺で。本日の記録。東証1部出来高は前週比4億9037万株も増えて21億9849万株、売買代金は同6417億円増の3兆0434億円と休み明けにしては活況。東証1部値上がりは1352銘柄、値下がりは289銘柄と、かなり全面高に近い状態。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向はチャラ(4140万株売り/4160万株買い)。市場筋によると、金額はソコソコ買い越しだったとのこと。

● 話題変更。日本が連休で休んでいる間に、MSCI Barra から5月定期銘柄入替えと今年から来年に掛けて採用される新指数算出基準に伴う暫定銘柄の発表がありました。日本時間で5月4日の朝だったので、全く「速報」ではないのですが(^^;、カバーしておきましょう。オフィシャルなリリースは、MSCI Barra のサイト内、http://www.mscibarra.com/products/indices/ir.jsp にリリース一覧があります。

● 今回の発表は内容が二種類あるのですが、まず定期銘柄入替えから。パッとHPで確認できる新規採用銘柄と削除銘柄は、採用が9銘柄、削除も9銘柄。採用の方では、石油資源開発、出光興産、野村不HDなどがあり、この辺に関しては特に意外感はありません。削除銘柄も「こんなものかな…」といったところです。せっかくなので、新規採用銘柄と削除銘柄を簡単に書いておきます。これは全てMSCI Barra のHPに掲載されている公開情報です(銘柄コードは付け加えました)。なお、この話題は全てMSCI Standard Index(MSCI Japan)に関するものです。Small とか Kokunai などの指数は基本的に"無視"しています(^^;のでご了承を。

新規採用銘柄
石油資源開発(1662)、トヨタ紡織(3116)、野村不HD(3231)、ジュピターテレコム(4817)、出光興産(5019)、八十二銀行(8359)、広島銀行(8379)、三菱UFJリース(8593)、イオンモール(8905)
削除銘柄
加ト吉(2873)、科研薬(4521)、インデックスHD(4835)、アマノ(6436)、ユニデン(6815)、ネットワン(7518)、アーク(7873)、東京スタイル(8112)、SFCG(8597)
出典:MSCI Barra

● さらに、今回はFIF(Foreign Inclusion Factor、MSCIの浮動株比率の呼び方)変更も大量にあって、引き上げも引き下げもそれぞれ50銘柄以上あり(合計100銘柄超)。株数変更によるウェイト変更も70銘柄ほど加わって、かなりの銘柄にウェイト変化が発生します。この部分については、MSCI Barra と契約していないと見れない情報なので、ここでは詳細には書きません(MSCI の著作権ヒットマンに追い掛けられるのは個人的に嫌なので…(^^;)。でも、「さすが5月の見直し」って感じの規模です。なお、これらの銘柄入替えは、5月31日終値基準で実施されます。

● そして新指数算出基準の暫定銘柄。すでに3月末に大半が発表されていたので、目立つほどのサプライズはありません。新指数算出基準への移行は、今年11月末、来年5月末の2回に分けて実施される予定。すぐには影響が出ないとしても、今後、外れる銘柄(主に中小型株)は頭に入れておく方が良さそうです。MSCI 関連の検証に詳しい夕凪氏のダントツ投資研究所に、「MSCI を攻略する-2007年度版」とのコラムが掲載されています。同氏の検証によると、積極的にイベント投資として「取りに行く」のは困難さが伴うようですが、それでも出来る限り地雷を踏まないようにするためにも、この辺の仕組みを知っておいて損はありません。ぜひご参考にどうぞ。

● 復習になるのですが、ぜひ頭に入れておいて欲しいことをもう一度書いておきましょう。今回のMSCI 算出基準変更でで大きく変わるのは、これまではGICS(MSCI Global Industry Classification Standard)ごとに浮動株基準時価総額の85%を組み入れるようにしていたのが、新基準では業種セクター関係なしに浮動株基準時価総額の85%になること。そして流動性基準が明記されること。これにより、自動車セクターなどでは、中位クラスの銘柄がドドッと新規採用される一方で、食品、小売り、資本財などでは細かい銘柄がかなり弾かれます。これまでが矛盾だったので、正しい方向に向かっているのですが、落とし穴リスクがあることは頭の隅に入れておいが方がよろしいかと…。まだちょっと先の話ですけどね。

● さて、連休で中断していた決算発表も今週後半から再度本格化します。例の「日米主要企業決算発表予定ワークシート」を昨日アップデートしておきました。左側のメニューからダウンロードページにお進みください。いつも通り、意図的に数日遅れのデータをアップしていますが、今回は5月2日夕方のデータなので、まだまだ賞味期限有効だと思います(^^;。お楽しみ下さい。

● 最後に雑談。しかし、散々なゴールデン・ウィークでした。いや、個人的な生活のことではなく阪神タイガースの話。星野監督就任1年目(2002年)以来の7連敗。しかも、「稼ぎ時」のGWを全て負けるとは…(-_-;)。外出していることが多かったので録画しての観戦がほとんどだったものの、観戦していてもイライラが溜まるばかり。もちろん、まだ諦めたワケではないんですが、なにぶん余暇で見ているものなので、観戦してストレスが溜まるようだと逆効果。ホンマに頼むでぇ!

2007年05月04日(金) .... 祝日(みどりの日)のため休場

祝日(みどりの日)のため休場。

2007年05月03日(木) .... 祝日(憲法記念日)のため休場

祝日(憲法記念日)のため休場。

2007年05月02日(水) .... 堅調、後場先物先導で切り返し

 TOPIX : 1704.22 (+10.97, +0.65%)    日経平均 : 17394.92 (+119.94, +0.69%)    円ドル : 119.85  

● 米国株式上昇やCME日経平均先物上昇(大証比50円高)を受けて堅調なスタート。ただ、そんなに上値がないのは皆が承知(^^;。前場は指数ベースでは前日終値を挟んで上に行ったり下に行ったりの千鳥足相場で、「円安やのになぁ~」とのボヤキが聞こえる前場でした。事態が変化したのは後場寄付き直後。比較的スッと寄付いたと思ったら、日経平均先物に700枚買い、そして300枚買いの断続攻撃。これであっという間に火が点いて、アレヨアレヨと言う間に上昇。30分間ほどで収まったものの、円が120円台に突っ掛けていたこともあって、うまく提灯筋が付ける状況だったのでしょう。その後は高値圏でもみあい、連休谷間の2日間を無事に終了。指数的にはTOPIXが若干プラス、日経平均がホンの少しマイナスでチャラでした(^^;。

● 今日は日経平均先物(6月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。後場寄付直後の値動きと出来高増加がご覧頂ければ幸いです。

● 一方、個別では何と言っても別子(住友金属鉱山、5713)。今日、1989年12月の高値(2460円、分割修正なしの株価)をクリアして上場来高値を更新(終値2485円)。かなり歴史的な出来事だと思うのですが、残念ながらその頃の相場を覚えている向きも今や少数派の雰囲気。証券業界でも不況時に早期退職制度をやったりした結果、現年齢で40歳台半ば以上は層が薄くなっている状況です。某ベテラン証券マン氏も、「以前は、別子が上場来高値を更新でもしようものなら、ディーリングルームは盛り上がっていたのですが、最近ではまったくです。時代は変わったものです」と今日のコメントでポツリ(^^;。歳食ったことを変なことで認識させられたというか、何となく「感動」の度合いにズレを感じる日でもありました(^^;。

● 記念に別子の超長期のチャート(週足、1985年1月~直近)を掲載しておきます。実は、色々とWebを探したのですが、さすがにこれだけの長期のチャートはありませんでした。そこで、Bloomberg Professional から週足のデータを落としてきて、Excelでグラフを書いてあります。ただ、残念ながらというか、修正株価しかなかったので、そのグラフになっています。実際ご覧頂くと分かるのですが、修正株価ベースでは既に高値を超えていたんです(^^;。PDFファイルは こちらから アクセスしてください。

● その他では、鉄鋼が約1ヶ月のリフレッシュ休暇を経て上昇し、商社もそんな感じ。一方で、重工関連はアナリストから「待ってました!」の格下げなどが相次ぎ、こちらは雰囲気的にリフレッシュ休暇入りって感じ。どこで休暇明けになるのかは神のみぞ知るってところでしょうけど…(^^;。消費者金融のぶっ飛びは悪材料出尽くし感からでしょうけど、「ホンマに出尽くし?」ってのもあるので微妙なところ。日興CGはやっとマイナスながら、まだ1700円よりは上。まぁ、連休の谷間で出来高がある程度減ったものの、それなりに相場としては動きのある1日でした。

● 記録。東証1部出来高は前日比7990万株減の17億0812万株、売買代金は同1167億円減の2兆4017億円。東証1部値上がりは1001銘柄、値下がりは593銘柄。今朝のSQを計算すると、前日比44.23円高の17319.21円と、寄付きの瞬間はソコソコ堅調でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、全体のフローは少なめなものの、かなりの売り越し(3300万株売り/2260万株買い)。市場筋によると、今日は米系/欧州系証券ともに売り越しとのことでした。

● 最後に再掲。MSCIから欧州時間の5月3日(日本時間で5月4日早朝)に、定期銘柄入れ替え及びMSCI新指数算出方法の暫定構成銘柄などの発表が予定されています。例年5月のMSCIリバランスは「年1回」の完全見直しなのでかなりの規模になるし、今回は先日発表された新たな指数計算方法での暫定構成銘柄が公表される予定。連休中はともかく、連休明けまでには内容を把握してGW明けの相場に備えておきましょう(^^;。

● 明日から4連休。月次レポートなどを担当している方々にとっては、休み明けには即、「えっ、もう上旬終わり?」って感じになってしまうんです(^^;が、何はともあれ、休みは大事。逆に疲れてしまうお父さんも居るかも知れませんが、可能な限りの休養を!ドライブに行かれる方は、渋滞ご苦労様です(^^;。ガソリン価格が昨日からかなり引き上げられた(http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/gasoline/)ようですが、ネットには便利なガソリン価格比較サイトもいくつかあります。興味ある方は こちら こちら などでチェックを。それでは、良いGW後半戦を!

2007年05月01日(火) .... 軟調、連休谷間で全般は薄商い

 TOPIX : 1693.25 (-7.75, -0.46%)    日経平均 : 17274.98 (-125.43, -0.72%)    円ドル : 119.60  

● スケジュール的にも何となく気合が乗らない2日間ですが、朝方の地下鉄の様子などを見る限りでは、それなりに混み合っていたような…(^^;。相場。米国株軟化、シカゴCME日経平均先物の軟調さに加えて、GW連休の谷間とあって、あまり多くを期待しなかった方が多かったでしょう。実際、あまり多くを期待できない1日となりました(^^;。特に東証1部銘柄は何となく盛り上がらないまま。日経平均の日中値幅は193.27円あったものの、これは丸々前場の値幅。後場は63.30円しか動きませんでした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 東証1部出来高は前週末比4億6972万株も減って17億8802万株、売買代金も同6548億円減の2兆5184億円。東証1部値上がりは634銘柄、値下がりは966銘柄。今朝のSQを計算すると、前週末比10.92円高の17411.33円と意外に高く、寄付きでバスケット買いが入っていた様子でした。サイズ的には、東証1部はマイナス推移だったものの、新興市場はプラス。特に何かを見出したってことではないのですが、一応、テークノートです。個別にはあちこちの値動きがあったのですが、まぁ、全体の個別銘柄動向については"プロ"の相場解説にお任せしましょう(^^;。

● こちらは楽天(4755)の話題に行きます。大引け間際のマーケットがざわめいたのが楽天の値動き。14時57分からあっという間に500円強も急落してザラ場引け。前週末比1550円安(-3.20%)の46950円でザラ場引けでした。誰が見ても大口の売り注文が出たのは分かりますが、その背景が不明でざわめき。市場筋の間では誤発注説が根強かったものの、掲示板などはちょっとした「お祭り」状態(^^;。あるような無いような憶測が飛び交っていました。まずは楽天の日中足をご覧頂きましょう(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

楽天(4755)日中足

● 大引け後の市場筋の間ではお問い合わせメールが飛び交っていたものの、何となく落ち着いたのが、「約40銘柄に成行き2万株の売りが大引けで出ていて、そのうちの一銘柄だったのではないか」との説が有力。もっとも、これでも旧額面の考え方だったら20株売りになるはずで、株数相違の可能性があるとの見方が出ていました。この点では、誤発注とも言えます。もっとも、誰かが「ウチがやりました」とでも言わない限り、分からない話ですけどね。連休の谷間という微妙な時期でもあり、突然の大口注文だったこともあって、何かと話題になりました。

● ちょっとこの件に関連して話題を脱線させちゃいます(^^;。昔は注文伝票に株数を書く場合、「1.0」と書けば1000株を表していたものです。1万株の注文だったら「10.0」です。伝票の隅っこには「000」表記があり、このゼロ三つを省略して書くのが当然でした。当時、100株単位の銘柄は電力株だけだったので、その場合は500株なら「0.5」と書いていたものでした。NTTが上場して話がややこしくなったものの、当時はまだNTTだけを例外扱いすれば良かったし、単位株が1000株でない方が珍しかったので、現場ではそれほど処理に困らなかったのです。

● ただ、NTT1株を「1」とだけ書くと、1000株と間違う可能性もあったので、現場では「1K」とか、100株だったら「100K」と書いていました。この「K」は非常に日本的に「KABU」の略(^^;だったものの、その頃は日本人ばかりだったし、この辺の表現の慣習は、証券会社それぞれに特徴があったものの、転社(転職ではなく、会社を替わる転社)がそれほどなかった時代は、自社(仲間内)で通用する慣習に合わればそれで良かったのです。

● ところが、外資系証券が参入し、人が会社をまたぐように行き来する時代がくると、各社独自の慣習がちょっとしたリスクに変貌(^^;。個人的にかなり戸惑いを感じたのが、この「K」でした。世界的に「K」は「1000」を表現します。距離の1キロや、重量の1キロという格好です。なので、外国人のセールスやトレーダーは、「1K」と書くと「1000株」の意味だったりして、段々と話がややこしくなってきたのです。さらに、株式の世界では、世界的には100株単位が多いので、省略するにしても千の位で省略するのではなく、百の位で省略する人間が混在し、間違いのモトがあちこちに存在する状態になったのです。その後、紙の伝票が廃れてオンラインが主流になったことで、この辺のリスクはかなり減少したものの、一時期は気を遣った覚えがあります。

● 今回の楽天がそうだとは限らないのですが、額面というか単元の概念も似たようなリスクをはらんでいて、間違いが起こりやすい要素を山のように抱えています。前々から指摘されているのですが、早くこの辺の交通整理は必要です。世界的にみて望ましいのは、全部100株単位になり、単元ベースで日本円で100万円程度以下で取引できる状態でしょうか。まだ時間は掛かりそうですけど…。

● もう一度話題変更。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、10営業日ぶりの買い越し(3040万株売り/4040万株買い)。市場筋によると、今日も欧州系証券の売り越しが多かったとのこと。この件に関して「日興CGの大量売り注文(1900円に毎日出ている)が数字を歪めているのではないか?」との疑問が囁かれていたようですが、実際に東証の板を見ると、1900円で1億株以上の指値売りがあります。つまり、これが全て集計に入っていたとすると、こんな数字にはならないのです。ただ、一部紛れ込んでいる可能性はゼロではありません。先週も書いたように、この非公式集計数値と東証・財務省の数字との差異は、どうも原因不明です。どなたかアイディアあります?

● 指数ヲタク向け業務連絡。今日大引け後、クリエイトエス・ディー(2794)の東証1部昇格が発表になっています。新基準の"突然"発表です。東証HPの 「一部指定・市場変更・指定替え会社一覧」 にてご確認ください。同株の1部指定は5月8日ですが、TOPIX算入は6月末です。為念。