2006年06月30日(金) .... 大幅続伸、FOMC無事通過で元気モードの金曜日(^^;
TOPIX : 1586.96 (+39.21, +2.53%) | 日経平均 : 15505.18 (+384.03, +2.54%) | 円ドル : 114.70 |
● 久し振りの「快勝」試合を見ていたら、HPの更新が遅くなりました・・・(^^;。11点も取ったのは本当に久し振りです。
● 相場。四半期末・月末・週末が重なり合った1日。そして、TOPIXは浮動株化完了しての第1日(^^;。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、2日連続の買い越し(2850万株売り/3360万株買い)。市場筋によると金額は少しの買い越しにとどまった様子ですが、それでも買い越しは買い越し。
● そして、最大の材料だったFOMCは予想通りの25bps利上げ。詳細分析はエコノミスト諸氏に任せるとして、マーケットが一番心配していたのが米国株の反応。それが"素直"に上と出たことで、東京も「イケイケドンドン」ムード。シカゴ日経平均先物も高かったのですが、大証日経平均先物はその上でスタート。ただ、前場中は、そこから上を買い上がるには、どうも「大義名分」が不足気味だったようで(^^;、やや荷もたれ感もありました。
● 後場に入ってからは、金曜日の午後の割には堅調で、引けに掛けてジリジリと水準を切り上げる展開。少し意外感もあったものの、TOPIXは最後高値引け、日経平均も高値圏の引けとなりました。上昇率は両方の指数でほぼ同じだったし、東証33業種も全部値上がり。満遍なく上昇したことが分かります。今朝のSQを計算すると、前日比363.91円高の15485.06円でした。前場はそれをなかなか説得力を持って抜けなかったので、少し心配していたのですが、最後の最後に抜いて終了。テクニカル的にも、来週に向けてかなり明るい引け味。ただ、東証1部出来高は16億5115万株(前日比2億2241万株増)、売買代金は2兆5071億円(同4167億円増)と、昨日比では結構な増加だったものの、疑心暗鬼の気持ちは相変わらず多いようで、コレだけの上昇にしては全体としてみれば今一つ。相場心理がどう変化するか、来週の動きに注目したいところです。
● 日経平均の日中足を貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。Y軸の縮尺の関係で、ちょっと値動きが分かり辛いかもしれませんが、昼頃に伸び悩んだところからすると、大引けに掛けての上昇は、それなりのモノがありました。
● 話題変更。TOPIXの浮動株化が終了したことで、「TOPIXウェイト・ランキング」も風景が若干異なるようになりました。これまで、トヨタとMUFGがTOPIX時価総額トップを競っていたのですが、浮動株化終了でMUFGが文句なしにトップの座を獲得。昨日終値で計算すると、MUFGが4.5599%、トヨタが3.7207%のウェイトとなります。これまでは3.96%台で競っていたのですが、これだけ差が付いたんです。
● TOPIXウェイト上位10銘柄の面子に変化はないのですが、順位はかなり変化しています。さらに、上位100銘柄ほどを眺めると、ドコモ、日産自動車、KDDI以外でも、デンソーやヤフーはかなりランキングが落ちました。ヤフーは、第45位だったのが第87位です(^^;。ランキング上昇組は、三菱地所、T&D、りそなHD、住友信託、三井住友海上など。もっとも、この辺は事前に分かっていたことですので、どちらかというと復習です(^^;。
● ランキングに基づいて累計ウェイトを指数別に比較すると、以下の格好になります。それぞれのTOPIXウェイト上位の銘柄において、TOPIX全体のどこまでを占有するか、という数字です。
移行前日 | 移行当日 | |
上位5銘柄 | 14.2438% | 15.1913% |
上位10銘柄 | 20.8488% | 22.3456% |
上位50銘柄 | 44.6098% | 46.6400% |
上位100銘柄 | 59.2902% | 61.7266% |
● ご覧になって頂ければ分かりますが、若干ながら、完全FF化された後では、時価総額が上位に集まり気味になっています。ちなみに、TOPIX時価総額50%を確保するのには、旧株数だと第65位の東京ガスまでで50.1802%となるのに対して、完全FF化後だと、第59位の京セラまでで、50.3197%となります。いずれにしろ、60銘柄前後でTOPIX時価総額の50%に届くワケです。ちなみに、90%を確保するには第487位の日証金までで90.0034%。さらに、第1000位までの累計は97.3479%となります。いずれも、新指数採用株数に昨日(6月29日)終値を使って計算したものです。
● 蛇足的ですが、以下がTOPIXウェイト上位10銘柄です。日経などに掲載されるランキングとは、多少の違いがあることに注目しておいてください。TOPIXを語る時は、あの「時価総額ランキング」ではなく、こちらの「TOPIXウェイトランキング」となり、両者は、似て非なるものです。為念。上位3銘柄とその下に、少し段差があることにも要注意です。
コード | 銘柄名 | TOPIXウェイト% | |
1 | 8306 | 三菱UFJ FG | 4.5599% |
2 | 7203 | トヨタ自動車 | 3.7207% |
3 | 8411 | みずほFG | 3.1657% |
4 | 7751 | キヤノン | 1.9050% |
5 | 8316 | 三井住友FG | 1.8401% |
6 | 7267 | 本田技研工業 | 1.5876% |
7 | 4502 | 武田薬品工業 | 1.5063% |
8 | 6758 | ソニー | 1.4518% |
9 | 6752 | 松下電器産業 | 1.3179% |
10 | 9432 | 日本電信電話 | 1.2905% |
● 話題変更。昨日書いたエルピーダ(6665)の件について、某ベテランFM氏からメールを頂きました。この日、エルピーダは株主総会を開催。議案(http://www.elpida.com/ja/ir/pdf/shoushu07-4.pdf)の一つ、第3号議案(定款一部変更の件)で、発行可能株式総数の拡大が提案されており、これが可決されたことで、同氏は、「エクイティファイナンスやる気満々であると、市場がメッセージとして受け取ったことは間違いありません」と。正直に書くと、私は、そこまで見ていませんでした(^^;。そこまで気を配って注意してこそ、某氏の言う「プロ中のプロ」ってことです。反省 m(_._)m。
● もっとも、同FM氏いわく、「ただし、即日ファイナンスを発表するとは思いませんでした」とも(^^;。もしかしたら、発行可能株式総数の拡大が「企業防衛策」の一環としてなのか、それとも「エクイティファイナンスやる気満々」なのか、今からでも少し株式総会議案を読んで、少し気にしておいた方が良いのかも知れません。
● 関連して、今日大引後に発表されたJAL(9205)の大型ファイナンス。正直、「え~かげんにせぇよぉ!」って感じ。今日はザラ場で年初来安値を記録。そんな中で、ますます希薄化への道をまっしぐら。少なくとも、EPSがプラスになって、PERがまともに計算できるようになってからやって欲しいものです。「一株あたり"損失"の希薄化」なんて、ホンマ、しゃれにもなりません。当然の様に週明けに売られるのでしょうけど、この銘柄の厄介なところは、国策銘柄的に見られる面があるので、徹底的には叩き売られない傾向が強い点。これは難儀です。
● 週末はまた天気が悪くなりそうですが、気象庁HPによると、関東地方で7月20日頃(http://www.data.kishou.go.jp/yohou/kaisetu/baiu/sokuhou_baiu.html)とのこと。あと3週間ほどの我慢です。でも、なんで平日に晴れて、週末は雨なん?やっぱり強烈な雨男・雨女が居るんでしょう(^^;。良い週末を!
2006年06月29日(木) .... 大幅高、TOPIX浮動株化最終章・・・商い膨らむも波乱なし
TOPIX : 1547.75 (+20.24, +1.33%) | 日経平均 : 15121.15 (+235.04, +1.58%) | 円ドル : 116.60 |
● 寄付前に発表された5月鉱工業生産速報は前月比-1.0%。コンセンサスでは-0.1%程度だったので、株式市場にとってはネガティブ(のハズ)。ただ、相場の地合いが良いときは、この手の経済指標は「過去の数字」で片付けちゃえるし、地合いが悪い時は必要以上に重要視するもの。ある意味では、反応そのものが地合いを測定するツールにもなり得るのです。その点で、今日の株式市場の地合いは「意外に良かった」ってことでしょうか(^^;。
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、9日ぶりの買い越し(2800万株売り/2960万株買い)。ただ、量的にはかなり少なめなので、本当の意味での買い越しというよりも、「たまたま」そうなったとの感触の方が強かったかも。それでも、久しぶりに見る「買い越し」の文字は、それなりに心理的なサポート要因にはなったと考えています。とはいうものの、今日はTOPIX浮動株化最終ステージの基準日。今日の終値で移行が実施されることで、大引けにかけて何が起こるかやや不透明感があり、前場や後場前半は、やや様子見ムードも感じられました。
● 昼休み立会外バスケット。総額で久々に1163億円強もの巨額。市場筋の声をまとめると、「フリー・フロート一色(^^;」だったそうで、後場に入って、FFが順張りで一段と効いていた背景でしょうか。ただ、後場中頃には、NTTドコモには大量の引成の買いが入り、ソニーなどは大量の引成の売り。「逆やんけぇ!」(^^;という一見怪しげな状態のまま、大引前30分に突入。
● 結果的に、マーケット全体としては、フリーフロートはほぼ1日中、それなりに効いた格好になったものの、個別にはエキサイトするような銘柄の値動きはありませんでした。もちろん、1700銘柄全てを見ていたわけではありませんけど・・・。ドコモなんか、逆に上昇傾向が出て終わったりしたりと、「有名銘柄」は逆側の動きもありました。今日はTOPIXの日中足を貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。ご覧になって頂ければ分かりますが、大引けに掛けてでも、指数としても、大きな動きはほとんどなかったです。
● ちなみに、以下はTOPIX先物9月限の日中足(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。出来高グラフが入るので、もう少し大引けに掛けて、取引が盛り上がった動きを詳細に見ることが可能ですが、それでも、値段的には、大きな動きはありませんでした。
● なお、毎分の東証1部売買代金分布は、TOPIX先物のと良く似ていたのですが、TOPIX浮動株化を受けて後場、特に大引け間際に売買が集中。前場/後場では、前場が38.37%だったのに、後場は61.63%も(!)。大引け間際の10分間の売買代金占有率は13.9%もあり、最後の5分間でも11.6%。最後のワンティックでは6.29%もありました。VWAPトレーダーの皆さん、お疲れ様でした(^^;。
● ただ、ちょっとした心配材料。これだけTOPIX浮動株化で売買があったにも関わらず、東証1部出来高は前日比3788万株減の14億2874万株、売買代金は780億円増の2兆0904億円。後場最後の方は、明らかに普段よりも取引が増加していたので、それを上記から類推して15%程度あったとすると、今日は実質的に11~12億株台の出来高だったかも知れない、という想像も出来てしまうのです。いずれにしろ、FOMCの結果で米国株式がどう動くか、明日の朝、楽しみにしておきましょう。重しが取れたように、爆発的に商い出来る可能性もあるんですから・・・(^^;。
● 話題変更。最近、エクイティファイナンス発表前の誰もが材料を知らないはずの時間帯に、当該銘柄の商いがかなり膨らんで、しかも株価が動く(当然、下落)ことがあって、本当に眉を顰めてしまいます。一昨日のエルピーダ(6665)はその典型例。同日の牧野フライス(6135)もそうでした。この2銘柄を例に取ると、エルピーダは、一昨日の前場は32万株強の出来高だったのに、後場は118万株も出来て株価も一段安。牧野フライスも一昨日の相場では、前場33万株に対して、後場115万株。株価も20円高→26円安。不思議に思っていたところ、大引け後にファイナンス発表。昨日の新日鉱HDは、マーケット全体の下落があったので、それほど明確では無かったのですが・・・。
● こんなのを見ると、誰でも「インサイダー」という言葉が頭に浮かぶだろうし、状況的には、フェアでない取引が行われていた可能性を想像せざるを得ないのです。ところが、手口が非公開なので、衆人環視ではないし、一般の市場参加者には何も見えてきません。だから余計に疑心暗鬼になります。手口が少なくとも大引後にでも発表されていれば、「こいつら、おかしい」って事になるし、当局や取引所だけでなく、マーケット全体から監視されていると意識するだけで、抑止力としてはかなりのものがあるはず。さらに、監視する当局や取引所にしても、情報を集めやすいと思うのです。
● マーケットでは、ホンの少しでも疑いを持たれるような値動きがあるだけで、市場がフェアに運営されているとの信頼感が毀損してしまいます。そして、マーケット信頼感の毀損が、投資家はもちろん、通常の市場参加者や証券関係者にとってどれだけ迷惑なことか・・・。ホンマ、腹立たしい!当局及び取引所も、可能な限り、時間を置かずに対応して欲しいものです。1年経ってから告発しても、実感としては反応が遅すぎますから・・・。
● 大手証券をはじめ、フィデリティや野村アセットなどの投信会社の旗振りで手口が非公開になったのは、奇しくもちょうど3年前(2003年6月30日から非公開)でした。個人的には、今は手口非公開の弊害の方が目立つように感じているし、再考の時期は遠に過ぎ去ってしまった感触も持っています。当初の手口非公開のお題目は売買コスト抑制だったのですが、それについて、手口非公開で「改善」したのかどうか、誰か検証したんでしょうかねぇ?少なくとも、私は読んでいないです。
● 最近の動きを見るにつけ、当初のお題目以上の弊害を感じることがよくあるのです。そして、何も対策ができない無力感もあります。先物と同じように(先物は手口公開中)、大引後、例えば午後4時過ぎにその日の手口を公開するのだったら、システム的な対応も特に問題ないと思うし、何よりも、デメリットよりもメリットが上回ると考えています。真剣に考える時期が来たと心から感じています。
2006年06月28日(水) .... 大幅反落、全般はFOMC待ちで様子見
TOPIX : 1527.51 (-21.86, -1.41%) | 日経平均 : 14886.11 (-285.70, -1.88%) | 円ドル : 116.30 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、これで8日連続の売り越し(2950万株売り/2520万株買い)。量的には大した事はないものの、やはり「買い越し」という文字が遠ざかっている間は、相場全体に元気が出てこないのかもしれません。加えて、昨晩の米国株式相場は大幅安、シカゴ日経平均先物は14890円(大証比-240)だったことから、当然の様にスコンと下落。今朝のSQを計算すると、前日比232.36円安の14939.45円。この水準を保てるのかに注目していたし、前場中盤まではこの水準でもみあっていたものの、前引けに掛けて一段安。
● 後場に入ってから戻りかける局面もあったのですが、後場後半からは再びジリ貧。午後2時20分に武田薬品のリリース(移転価格税制で約570億円追徴課税)が流れた頃からは、スコン、スコンと階段状に下落してしまい、最後はバスケット買いが入ったものの、トータルでは鳴かず飛ばずのまま終了。ただ、逆説的になるかもしれませんが、大幅安だった割には東証1部出来高は前日比424万株減の14億6662万株、一方、売買代金は同1659億円増の2兆0124億円。あまり取引が盛り上がったという印象ではありませんでした。
● 使い古された言葉だと、FOMCが気になって様子見といったところ。FOMCで何が起こるかは予想が付いても、その後のNYマーケットの反応が予想出来ないのですよね・・・(^^;。また、チャート的には、せっかく20日移動平均線や25日移動平均線を上回りかけていたのに・・・という感じ。明日の相場にもよるのですが、このまま上がつかえてしまうと、少し重たい雰囲気が濃くなる可能性があります。一応、意識の片隅には置いておきたいです。
● 相場はあまり面白くないので、少し話題変更。ちょっとした問題提起です。昨日からメディアで報道されていますが、日産自動車のカルロス・ゴーン社長が27日に開催された同社株主総会で、事実上の国内販売台数の下方修正に言及したと複数のメディアで報じられています。如何にも通常のニュースのように見えるのですが、証券会社の人間からすると、これはゴーン社長の取る行動としてはコンプライアンス的な疑問点があります。何が「疑問」かというと、情報開示のやり方が疑問ってことです。
● 株主総会は、株主だけが出席できるクローズド・ミーティングです。最近はテレビなどで場外にも放映されているかもしれませんが、それでも広く開示されるやり方とは違って位置付けられるのです。こういったクローズド・ミーティングで、重要な企業情報を開示するというのは、英語で言う「Selective Disclosure」となり、日本の法律的用語では「法人情報」となってしまう可能性があります。そして、「法人情報」は証券会社の人間は基本的に使うことが出来ません。もし、例えばアナリストレポートに使えば、後々に非常に面倒な事態に巻き込まれるリスクがあります(数年前にすでに前例あり)。
● 株主総会の発言集を日産自動車側でTDNet(もしくはEDINET)に速やかに開示してくれれば、掲載された瞬間からパブリック・インフォメーションとなり、誰でも自由に使うことが出来ます。でも、日産自動車からは、ゴーン社長発言はTDNetに登録されていません。もちろん、今となっては、色々なメディアが記事にして、そこから十分な時間が経過しているので、私がここに書いてもOKなんですが、昨夕の段階でメディア記事の引用という形以外で書いていたとしたら、それはもしかしたら「ヤバイ」状況に陥ったかもしれないのです。
● 石橋を叩く意味もあって、上記の文章も、「言及した」と私は書いていません(^^;。「言及したと複数のメディアで報じられて・・・」という書き方(引用)です。この辺も、しょうもないようで、実は重要なことなんです。また、この辺の「境界線」は検査事例から見るしかない面もあって、コンプライアンスが厳しい昨今は、本当に細かいことに気を遣わざるを得ないのが実状となっています。
● ゴーン社長なら、「Selective Disclosure」の意味は分かっていると思うし、日産の法務部やIRも上場企業としての手順を分かっていると思うのですが、それならば、株主総会での発言だけではなく、少なくともその後にでも、TDNetに掲載するなどの手順を取って、ちゃんとした開示情報として取り扱って欲しかったと感じています。それがルールなんですから・・・。
● 最後に指数ヲタク系話題。TOPIX浮動株化最終章がいよいよやってきます。基準終値は明日(6月29日)終値。そして、指数は6月30日から完全浮動株化されることになります。今回はあまり話題にもならないし、実際にすでに対応してしまった機関投資家が多いと考えられるものの、一応、数字上は一番インパクトが大きな浮動株化になるので、それなりの注意を。数字上というのは、例えば1.00→0.40と浮動株比率が変わる場合、毎回0.20ずつ3段階の移行ととなります。一見、毎回の変化率が同じように見えるものの、直前のポジションという観点から考えると、1.00→0.80は20%減少、0.80→0.60は25%減少、0.60→0.40は33%減少という具合。数字のマジックです(^^;。
● ある程度のトラッキング・エラーを容認されているファンドは、遅くても6月SQで対応を終えた可能性が強く、今更慌てる雰囲気は全くありません。早かったところは、昨年の第1回目で全部終わらせているし、実際の売買量という点では、第1回目がやはり一番大きかったのかも知れません。しかし、量が少ないからインパクトが少ない、とは限らないのが相場の面白いところ(^^;。一応、指数ヲタクにとっては大きなイベントですので、明日は注目しておきましょう(^^;。
2006年06月27日(火) .... 小幅高、全般は様子見気分が蔓延・・・
TOPIX : 1549.37 (+0.40, +0.03%) | 日経平均 : 15171.81 (+19.41, +0.13%) | 円ドル : 116.15 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、これで7日連続の売り越し(4030万株売り/3750万株買い)。最近は、実際のマーケット動向に与える影響は小さくなっている感触があるものの、それでもこの主体が買い越しになってくれないと、需給面ではしんどくなります。ボーナス月の投信買いへの期待感はあるものの、需給面からは、「その後どうするの?」って疑問が残り続けます。根本的な需給の根幹として、もう少しはっきりとした「買い手」が見えてくると、相場全体としてもやり易くなるんですが・・・(^^;。と言う訳で、大方の予想通り、全体に方向感に乏しく、様子見気分が蔓延した1日でした。
● 日経平均の日中値幅はわずかに112.27円。鉄鋼株などがそれなりに賑わったにも関わらず、東証1部出来高は前日比3003万株減の14億7086万株、売買代金は同350億円減の1兆8465億円でした。まぁ、これらの数字からも様子見気分を見て取ることが出来ます。正直に告白すると、今日の後場は、顧客ミーティングなどでほとんど相場を見ていなかったのです。でも、後場寄付き直後の風景と大引けの風景にあまり差が無かったというのも・・・(^^;。最後にインデックス買いが入っていたようで、指数はピョコンと上昇したのですが、それが無ければ、前日比変わらずぐらいだった可能性も大でした。はぁ~(溜息)の相場(^^;。
● 相場ネタが乏しくなってきたので、「他人のふんどし」作戦(^^;。今日、市場筋の間でも流れていたのですが、「是金レポート」というサイトの「日本がエマージングマーケット並みに暴落した理由 (2006年06月23日)」というアップ。URLでは、http://www.irnet.co.jp/k-report/archives/2006/06/post_20.html です。主旨はノックイン債が今回の下落に一役買ったとのアップ。
● 書かれていること全てに同意するのではありません。ノックインする水準が例えば15000円割れなどだったら、通常の80%ノックイン程度だと、発行時は18750円程度の水準が必要になります。今年は高値圏を維持できたのは4月の1ヶ月弱で、このときは17000-17500円だったので、これではちょっと厳しいかと。17000円のときに90%ノックインだと15300円。これなら可能性はあるでしょうけど、そんなに90%ノックインが多かったのかどうか・・・。しかも、1ヶ月しかその水準になかったし・・・。この辺の事情を考慮すると、ちょっと、このアップにある金額推定が大き過ぎる印象もあります(^^;。
● とは言え、複雑な(・・・というほど複雑でもないけど(^^;)派生商品のデルタヘッジの現実を知るには、非常に興味深い読み物だと思うし、普段はあまり表に出てこない話です。一つの市場の仕組みとして、この辺のことを知っておいても損はありません。今回の急落中にも、デリバティブ関係筋の間では、これらの商品の話は出ていましたが、一般的には知られていないし意識すらされなかったのが現実だったでしょう。この手の話は、日経とかには、めったに出てこないストーリー。だって、用語説明だけでスペースを取ってしまって大変でしょうし・・・(^^;。
● さぁ、今日から対広島北陸戦。久保田投手に続いて今岡選手も長期離脱となってしまったのですが、それでも、スキッとした勝ちを期待しています(^o^)。
2006年06月26日(月) .... 朝安も後場に切り返す。全般は模様眺めムードの1日
TOPIX : 1548.97 (+3.40, +0.22%) | 日経平均 : 15152.40 (+28.36, +0.19%) | 円ドル : 116.40 |
● 先週末のNY株式は小幅続落、シカゴ日経平均先物は大証比25円安。さらに、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、また売り越し(2390万株売り/2050万株買い)。ただし量的にはかなり減少度合いが激しく、FOMC待ちは外国人投資家も同じ様子。前場中は小安い水準で方向感乏しいもみあい。
● ところが、後場寄付き直後にスルスルと上昇し始めた指数は、アレヨアレヨという間にプラス転換。「何があったの?」メールが飛び交ったものの、特にこれといった材料はなし。業種的には、不動産の上昇が目立ったのですが、それも何かの材料があって・・・という感じではありませんでした。日経平均の日中足を貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 結局、TOPIXも日経平均もプラスだったものの、相変わらず「今一つ乗り切れない」感触は否定できず。贅沢言い過ぎなのかもしれませんが、基本的には見送りムードの強い1日でした。東証1部出来高は前週末比5120万株減の15億0089万株、売買代金は同2229億円減の1兆8815億円と、やはり盛り上がりに欠けた状況。サイズ的にもチャラで、バリューはやっぱり駄目駄目状態。なかなか思うように行かないっす(^^;。
● 某FM氏がつぶやくようにおっしゃっていたのが印象に残っているのですが、「何だかんだ言っても、FOMCが終わって米国株が上昇するのを確認しないと、動きようがない。多分、外国人も同じ」と。テクノロジーにしろ自動車にしろ、割安なのは分かっていたとしても、自分の後を買ってくれる向きが居ることがある程度想像できないと、なかなかマーケットには入れません。多少、円安に振れたぐらいでは、それを乗り越えるだけの力は無かったということでしょう。FOMCの結果とマーケットの反応は、日本時間では6月30日朝には見えているでしょう。でも、そこまで様子見となると、今週はちょっと辛い週です。営業的にも・・・(^^;。
● FOMCについてもう少し。今後のFOMCは、6月29日のあとは、8月8日、9月20日と続きます。現地時間(米東部時間)の午後2時15分前後にアナウンスメントがあるので、FOMC明けの朝は、NYダウなりS&P500なりの日中足を見て、午後2時過ぎに段差が発生しているかどうかに注目です。ところで、FOMCって何の略かご存知ですか?"The Federal Open Market Committee"です(^^;。
● 何を書こうかと考えていたのですが、今日の相場だとネタ切れです(^^;。なので、この辺で。
2006年06月23日(金) .... 小幅反落、後場中盤以降に急速に戻す
TOPIX : 1545.57 (-3.55, -0.23%) | 日経平均 : 15124.04 (-11.65, -0.08%) | 円ドル : 116.00 |
● 何か後場の戻りは妙な感じでした。が、戻ったという事実を素直に認める心も大切かな・・・と(^^;。基本的には先物主導の戻りだったのですが、先物が先行しようが現物が先行しようが、いずれにしろ売り圧力以上に「買った向きが居た」から。それは、たとえメディアが好きな「仕掛け」だったとしても、「買った向きが居た」のは事実なんです。何はともあれ、指数的には、それなりに強気を感じさせる引け味。このところ、金曜日は高いことが多く(5週連続)、今日は結果的にマイナスだったものの、その雰囲気は感じました。
● 日経平均の日中足を貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日連続の売り越し(3140万株売り/2650万株買い)。まぁ、あまり量も多くないので、実際の影響というよりも、心理的な影響の方が大きいかもしれません。さらにNY株式が軟調だったし、昨日の日経平均約500円高も、何となく"今一つ感"があり、それやこれやで軟調な展開。昨日大幅高となった国際優良株、資源株、証券株なんかは、一斉に大幅反落。「やっぱり」という感想を持った向きも多かったと察します。昨日の急上昇は、乗れない感じがありましたから。ただ、売り込む感じではないのは皆が承知。焦って売るイメージはありませんでした。
● 後場中頃からは、なぜかスルスルと戻し。先物主導の雰囲気は濃厚だったし、出来高も伴っていなかったけど、それでも銀行株などが上昇するのに足並みを合わせて、指数は上昇。ほとんど前日比変わらずの水準まで戻して大引け。TOPIXはザラ場で-1.83%(28.36ポイント安)まであったし、日経平均は同じくザラ場で-1.78%(270.12円安)まであったことを考えると、後場最後の1時間半ほどの戻しは、それなりに印象的でした。
● ただ、東証1部値上がりは504銘柄にとどまり、値下がりは1076銘柄。力強いというところまでは行かなかったです。また、出来高。東証1部の出来高は前日比1億5393万株減の15億5209万株、売買代金は同1039億円減の2兆1043億円。ワールドカップ疲れ(^^;があったのかもしれませんが、少なくとも活況とは言い難い状況でした。
● 個別銘柄について雑談的に行きましょう。先日から話題のアドウェイズ(2489)がようやくザラ場で寄付き。出来高も1日通して9174株も出来たので、例の立花証券の誤発注分は、少なくとも相場としては、ほぼ終了したと考えて良いと思います。こちらも、日中足を貼りつけておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● まぁ、何にしろ、痛い誤発注だったってことです。こういうのを見ると、トレーディングシステムの改良に10億円掛かるとしても、その価値があるとの考え方になってしまいます。最近は、業務ミス絡みだけではなく、個人情報流出懸念やコンプライアンス・リスクなんかも業務コストを押し上げる要因。でも、そのコストをケチったら、いざという時にもっとひどい目にあうリスクがあるのです。ただ、これらのコストは直接的には収益を産まないもの。それだけに、マネージメントの選択肢というかバランス感覚は難しいですね。
● もう一つ雑談的な話。大引け後に某市場筋からメールをもらって「えっ?」。帝国データバンクの倒産情報に流れたニュースですが、「アイ・テイ・エイ・ヴイデオ・サ-ビス株式会社、民事再生法を申請、負債126億円」(http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/2122.html)というもの。「そんな会社、上場してへんやん!相場に関係あるの?」って事になるのですが、同社の代表は和田栄一氏で、これは知る人ぞ知る名前(^^;。
● 同社が民事再生法申請に至った経緯として、帝国データバンクのHPによると、「代表が個人および会社の名義で株式投資を手がけていたところ、株価の下落に伴って多額の含み損が発生。今後もさらなる株価下落が予想されるため、本業部分への影響を回避し、事業を再生することを目的として今回の措置に踏み切った」とのこと。
● 和田栄一氏の名前を、四季報CDROMなどで大株主サーチを掛けると分かりますが、あちこちの銘柄の大株主に名義が出てきます。四季報CDROMで検索すると5銘柄。三井松島産業(1518)、富士紡HD(3104)、ISID(電通国際情報サービス、4812)、池上通信機(6771)、井筒屋(8260)。Bloombergで検索すると、それ以外に岩崎通信機(6771)、東都水産(8038)も出てきますが、情報の鮮度については何とも言えません。いずれも最近、急落していたり、乱高下していたり、出来高急増が見て取れます。いずれにしろ、今回の下落相場の大口犠牲者として、具体的な名前が一つ出てきたってことでしょうか・・・(^^;。ソロソロかな?!?
● 最後に雑談。「久保田が骨折!」。今朝のスポーツ紙の見出しを見てびっくり。まぁ、ベンチを殴って骨折した奴も居たけど、ベビーカーから落ちそうになった自分の子供を助けようとしての事故だったので、これは久保田を責められません。となると、「JFK」から安藤が中継ぎに入って藤川が最後に廻ると、「JAF」ってこと?これも何となく「頼りになるお助け!」って感じでそれはそれで良いかもしれないです(^^;。能見や江草が中継ぎに入るとなると、「J」と「F」に加えて、「N」と「E」を使って何か良い語呂合わせを考えないと・・・(^^;。
● また、天候が良くない週末になりそうですが、ゆっくりとお休みください。良い週末を!
2006年06月22日(木) .... 急上昇、全面高で日経平均は1万5000円台を回復
TOPIX : 1549.12 (+43.61, +2.90%) | 日経平均 : 15135.69 (+491.43, +3.36%) | 円ドル : 114.90 |
● いやぁ~、こんなに上がるとは考えていませんでした。ただ、急上昇した割には、何となく実感が伴わなかった印象もあります。もちろん、これは私がそう感じただけかも知れませんが・・・(^^;。まず、日経平均の日中足を貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。Y軸の縮尺の関係で、今一つ、迫力が無いですけど・・・(^^;。
● 相場。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4日連続の売り越し(3060万株売り/2680万株買い)。ただ量的にはかなり少なく、実際の影響というよりも、心理的影響程度にとどまっている感触。一方、相場はNY株高などを受けて朝からダッシュ。直近高値(6月16日)水準(TOPIXで瞬間風速1539.08、日経平均で瞬間風速14976.67円)を意識する展開。前引け前に先物がスルスルと上昇して現物にも裁定買い。西村日銀審議委員の講演談話や日銀福井総裁のコメントが情報端末に流れたのですが、これが原因ってことはなかったと考えていますが、もしかしたら動き出すきっかけだったかも知れません。
● 昼休みの立会外バスケット取引買い越し観測が伝わったこともあって、後場に入ってから、一段高の様相。日経平均はザラ場で15000円台を回復し、指数そのものも大幅高。途中で伸び悩みそうになったりしたのですが、大引け前45分間でぐぃ~んと一段高。TOPIXは高値引け、日経平均もほぼ高値引けでした。よくこんな上昇をすると、「何で?」という理由を探したくなるのですが、実は、あまりはっきりとした理由が分からない1日だった印象です(^^;。
● その「何で?」について、時事通信は、「前日の米国株高を受けて買い安心感が広がり・・・」と書き、Bloombergは「前日の米国市場で、企業業績の好調確認を通じて景気の先行きに楽観的なムードが広がった影響を受けた」と。ロイターは「前日の米国株式市場が急伸したことを好感して、堅調に寄り付いた。その後は、先物主導で上値追いの展開となった。後場はアジア株式市場が上伸したことも支援材料となり・・・」と。QUICKは「前日の米国株高を好感して全面高となり、日経平均の上げ幅は今年2番目の大きさとなった」と「国内機関投資家の買い観測が出たことや、アジアの株式相場が全面高となったことが買い安心感につながった」と書いています。いずれも、「これ」といった材料を指摘していないし、要するに、「何かよぉ分からんけど、上値を買ってみたら意外にブッ飛んだ」ってことでしょう(^^;。まぁ、メディアではそうは書けないですけどね。
● ケチを付けるってことではないのですが、気に掛かる点が無かったワケではありません。例えば、今日の東証1部出来高は前日比1億7557万株増の17億0602万株、売買代金は同3100億円増の2兆2082億円。さすがに閑散だった前日よりは増加したものの、「日経平均で500円近く上昇した割には・・・」という印象が拭えませんでした。先物がかなり引っ張ったためもあるのでしょうけど、どうも参加し切れないもどかしさを感じてしまいました。私だけなんでしょうかねぇ~(^^;。
● 今日は、東証1部で値上がり1607銘柄、値下がり60銘柄と、歴史的な「全面高」商状。日経平均採用銘柄(225銘柄)のうち、224銘柄が前日比プラス。唯一の前日比マイナス銘柄は新生銀行でした(^^;。日経平均の寄与度上位10銘柄は、ファナック、アドバンテスト、東京エレクトロン、京セラ、TDK、ファーストリテイリング、キヤノン、KDDI、ソニー、ホンダ。良く顔を出すソフトバンク、CSKあたりが抜けていたものの、典型的な日経平均大幅高の1日って感じ。この10銘柄で日経平均を142円ほど押し上げていました。つまり、29.10%の寄与ってことになります。一方、TOPIXは寄与度上位10銘柄で8.868ポイントの押し上げ効果だったので、こちらは20.33%ほどの寄与。少し日経平均の方が歪な格好だった印象でしょうか。なお、計算は全てBloombergでやりました。
● 明日以降の展開ですか?どうも良く分かりません。上記したように、今一つ出来高を伴ってなかったことは引っ掛かるし、見ていて何となく乗りきれなかったのも否定できず。その一方で、私がどう感じようとも、日経平均が500円近く上昇したのは、紛れも無い事実。株価の動きそのものが材料になって、マーケットの雰囲気が変わる事は良くあります。なので、ここは心を広く持って、何事も受け入れる勇気と否定する勇気の両方を持っておきたいところ。でも、よぉ分かりません!
● 話題は変わるのですが、朝方の日銀総裁の談話のなかで、福井総裁は「世界的株価下落は日米欧中銀の政策方向性変化が主因」(ロイター)と。おぉ!自らが「株式市場を下落させたのは、日銀も含む中央銀行が悪い!」と認めたってこと?!?(^^; (^^; 日銀だって銀行から買い取った株式をたんまり保有しているのに・・・。日銀総裁の詳細な発言内容などは、各種メディアの報道をご覧ください。
● 雑談。皆さんは、今日は早帰りして仮眠を取って、朝の4時前に起きるってことですか?その時間帯なら、リアルタイムでNY株式の動きをネット観戦できるのですから、これも貴重な体験かもしれません(^^;。でも、試合後に「ちょっとだけ寝て・・・」なんてすると、起きたら午前9時半、なんて事になるかもしれませんのでご注意を(^^;。明日の相場は、一段と動きにくくなるかも知れませんね。金曜日だし。
2006年06月21日(水) .... 小幅続落、でも値下がり銘柄数は1200超
TOPIX : 1505.51 (-4.81, -0.32%) | 日経平均 : 14644.26 (-4.15, -0.03%) | 円ドル : 114.75 |
● 今日はちょっとした飲み会があり、更新が遅れました。酔っ払いモードなので短めです(^^;。
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、3日連続の売り越し(2470万株売り/2190万株買い)。ただ、売り買い共にかなり量が減っており、大きな傾向として「見送り」なのは、国内外共にあまり差はない模様。相場の方も、朝方は小高く寄付いたものの(SQ値は前日比74.61円高の14723.02円)、上値が重たいことは万人承知。その後、予想通りにジリ貧になったものの、ドカンと売られることも考え難い状況で、基本的には見送り姿勢の強い1日でした。
● 指数はそんなに安くなかったものの、東証1部値下がり銘柄は1205銘柄とかなりの数字。強かったとは言い難い相場展開でした。東証1部出来高は、前日比6038万株増の15億3045万株、売買代金は同349億円増の1兆8982億円と、引き続き「今一歩」。
● 何となく相場について書くネタも乏しいので、話題変更。TOPIX浮動株化最終章があと1週間という位置に来ました。ただ、FM諸氏とお話する限りでは、あまり話題にもならないのです(^^;。つまり、既に対応を終わっている方々がかなり多いのでしょうね。セルサイド側もその辺の空気は十分に承知しているようで、今回はレポートもパラリ、パラリという程度。中身も焼き直しがほとんど。多少はトラッキング・エラー(TE)の乖離がOKのファンドでは、遅くても6月SQのところで対応してしまったのでしょうし、第2回目あたりで全対応を終えたファンドもソコソコあった様子です。
● そんなこんなで、最終章まで残っているのは、TEがかなり厳しく制限されているファンド、つまりETFや厳密なパッシブファンドってところでしょうか。ただ、あまりに話題にならないので、かえって何かが起こるリスクはありますネ(^^;。この1週間ほど、フローフロートは「逆噴射」していることですし・・・。これが終わると、四半期レポートをサクサクとやって、そして夏休み入りのムードが強くなるかも知れません。懸念材料とか「○○を見極めたい」は結構あるのですが、盛り上がる材料が予想し辛くなってきた今日、このごろです(^^;。
● もう一回話題変更で阪神電鉄。ようやく、それらしく下落してきました(^^;。当然のことなので、サプライズ要素は全くないのですが、一昨日までの妙な値持ちの良さは何だったんでしょうネ?多少は19日受渡分のフェイルも出ていた様子ですが、最後までレンディングが機能していたようで、対顧客では、ひどいフェイルは無かった模様。ただ、フェイルカバーのバイインが入っていた可能性もあり、この辺が買いの主体だったかも知れません(ウラは取っていません。為念)。
● 今後については、まだ先の話ですが、阪急×1.4倍にゆるやかに収斂して行くと考えるのが普通。でも、すぐにはそうならない要素も考えられるので、少し注意が必要です。ここでは、詳しくは書きませんけど、あの「FFW=0.40」とマーケットウェイトを考えると、何となくご想像できるかと・・・(^^;。酔っ払いモードで書いているので、あまり信用しないで下さい(^^;。
2006年06月20日(火) .... 後場下げ足速める、誤発注ほか、相場以外の話題豊富(^^;
TOPIX : 1510.32 (-17.34, -1.14%) | 日経平均 : 14648.41 (-211.94, -1.43%) | 円ドル : 115.00 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(3080万株売り/2870万株買い)。ただ、売買量がこれだけ減少してしまうと、影響力も限定的になってしまいます。NY株安、シカゴ日経平均先物安(大証比135円安)などを受けて、当然のように軟調にスタートし、何となくジリ貧のまま後場下げ足を速めて、そのまま大引け。ただ、ドカンと売られるという感じではなく、相場底打ちに確信が持てずに買い手控え、って感じでした。相場用語的には、「買い手控えの中を小口売り」でよろしいかと(^^;。記録を書いておくと、東証1部出来高は前日比3252万株増の14億7007万株、売買代金は同1328億円増の1兆8634億円。昨日の閑散ぶりからあまり変化のない状況でした。
● えーっと、今日は直接的な相場以外に書くことが多いので、相場概況は、あちこちで専門家が書いているメディアレポートをご参照ください(^^;。相場そのものとしては、あまり見所のある1日ではなかったし・・・(^^;。
● というわけで、「本題」に行きましょう(^^;。今日の相場で(特に前場)、何よりも市場筋の注目を浴びたのが、新規上場銘柄での「誤発注」。銘柄は本日上場のアドウェイズ(2489)。どうやら、同じく本日新規上場のCDG(2487)に出すべき注文を、アドウェイズに間違えた様子。閑散相場のなかで市場関係者は騒然としていたのですが、午前9時47分に情報端末に東証からの発表として、「立花証券がアドウェイズ株式で誤発注」とのヘッドライン。さすがに今回は対応が非常に早かったですね。東証HPにも詳細が発表されています(http://www.tse.or.jp/news/200606/060620_a.html)。
● こりゃあ、記念に日中足を付けなければと・・・やったのですが、何も「写っていない」状況です(^^;。まぁ、せっかくですので貼りつけておきますが、要するに、誤発注が出た後、すぐに特別買い気配になってしまい、二度と商い出来なかったということです(^^;。当然、立花証券からの買戻し注文があったと思うし、誤発注に気付いた向きは、東証が発表するはるか以前から買いを入れていたので、ザラ場買い気配が寄付くような雰囲気は皆無でした。ちなみに、最後は167万円のストップ高買い気配。比例配分はありませんでした。
● その後の記者会見を待つまでもなく、14万円台の銘柄に、1670円で2600株売りを出してしまったようで、1482株が約定してしまったとのこと。CDGは1600円で公募だったので、こちらに出す売り注文だったのでしょう(立花証券の記者会見でその通りと認めた)。1670円で2600株なら金額で434万円の注文。ところが、銘柄間違いのおかげで、平均価格145.46万円で1482株を売ったので、総額で21.56億円。有り得ないサイズの注文ではないですが、さすがに大き過ぎるかなって感じです。
● この誤発注に伴う損害は、ざっくりベースで数億円とかになるでしょうから、この金額だと、立花証券の経営がどうかなるって金額ではありません。でも、これだけトレーディングシステムのミス防止対応がうるさく言われている中での事故ですから、立花証券にとっては、金額云々よりも大きなダメージと想像します。FSAや東証などから、キリキリと詰められるでしょうし、業界全体にとっても、また「トレーディングシステムの現状を報告せよ」みたいなのが来るかもしれません。この前、報告したばかりなのに・・・(^^;。
● 買戻しが出来るような状況ではなかったので、今日の取引については、大株主から借りてきて決済を付けるしかないと考えられます。ジェイコムのときは、発行済み株式数を大きく上回っていて決済が不可能だったのですが、今回のアドウェイズの上場時発行済み株式数は15,315株(会社概要参照)。2600株は発行済み株式数の16.98%になるので、数字の上ではそこまでひどくありません。想像ですが、多分、何とかなる量だとは考えています。あくまでも他人事の想像ですけど・・・。
● 皮肉だったのは、東証は4月24日から誤発注を防ぐ目的で「上場株式数の30%を超える注文を受け付けない」システムを稼動させたばかりだってこと。今回の「誤発注」は、その範囲内だったのですり抜けてしまったのです。さらに、東証は新規上場銘柄について、公募・売出価格の4倍、0.25倍でリミットを掛けようとしており、そのテストもやったばかり。ホンマに間が悪いというか・・・。
● ただし、今後、「それならば発行済(上場)株式数の5%にリミットを設定しよう」とかの、現実逃避的な議論に陥ることを、個人的には恐れています。リミット付ければミスがなくなるってものではありません(減るとは思うけど・・・)。仕事をしている限り、ミスは発生します。それを防ぐのは大切ですが、だからといって業務に障害が出るようなところまでやってしまうのは本末転倒。振り子が振れ過ぎないように、現実逃避ではない常識的な議論を願っています。
● 話題変更で阪神電鉄について・・・。ようやくTOBの結果(阪急HDのHP、http://holdings.hankyu.co.jp/ir/data/HD200606201N3.pdf)が発表され、株価もさすがに下落。ただ、TOBの結果が63.71%というのは、正直、予想よりも少なかった印象です。個人的には「80%超で上場廃止基準に引っ掛かるぐらい」と考えていたのです。ETFが応募しないのは予想していたのですが、大株主のいくつかが何らかの理由でTOBに応募しなかったのでしょうか・・・。
● 関連して、東証から阪神電鉄の浮動株比率変更も発表されています。東証HPの「浮動株」(http://www.tse.or.jp/topix/float/rate/index.html)というところの、「銘柄別浮動株比率の変更等(6月)」というPDFファイルに掲載されています。直リンクは、http://www.tse.or.jp/topix/float/rate/change-j.pdf です。かなり分かり難い面がある資料ですが、同PDFの最後のページに、阪神電鉄の新しいFFWが掲載されています。これを見ると、単に「0.40」と出ているだけなので、事前知識なしで見ると「ふぅ~ん」程度ですが、現在が「0.80」で、これまで発表されていた参考TOPIX用FFWも「0.80」だったことを書けば、分かる人には分かって頂けるかと・・・(^^;。
● 現状で8.5bps程度ある銘柄なので、FFW=0.4だと3.5bps前後ですか・・・。悩ましい水準ですね。色々と可能性について書こうかとも考えたのですが、後々のリスクを考えると、ここでは到底書けません(^^;。昔、読者が少ない頃なら、一気にズバズバと書いてしまっていたのですが、最近はそうも行かないのです。何かと気を使うご時世ですが、それが現実。アホみたいに反発しても仕方ないので、色々とヒントを書いてありますので、それなりに考えれば今後の展開の「可能性」については想像できるかもしれません。あくまでも「想像」で、「予想」は無理だと思いますけどね(能力や知識の問題ではなく、そういう状況ってことです)・・・(^^;。
● 最後に、20日なので東証1部昇格やTOPIX月末修正も発表されています。それぞれ、東証HPの発表をご覧下さい。昇格は、http://www.tse.or.jp/listing/1section/1sec.html、TOPIX月末修正は「新株予約権の行使等に伴う上場株式数等の変更」として ="http://www.tse.or.jp/news/200606/060620_c.html からどうぞ。毎度お馴染みの資料ですから、「No Pain, No Gain」の精神で読みほぐしてください。また「例」の銘柄が登場しています。ただ、今回はTOPIX浮動株化最終章があるので、この月末修正と合わせて考える必要があります。なので、この資料だけを見ても、卵の入っていない月見うどんみたいになるので(何やそれ?)、その辺を理解してご使用下さい。
● もう書き疲れた・・・(^^;。タイガース観戦に戻ります。幸いにしてというか、一応、勝っているので・・・(^^;。
2006年06月19日(月) .... 小安い、方向感乏しく見送り気分強い。薄商い
TOPIX : 1527.66 (-7.05, -0.46%) | 日経平均 : 14860.35 (-18.99, -0.13%) | 円ドル : 115.65 |
● 週末のNY株式はまぁまぁだと思ったのですが、シカゴ日経平均先物が軟調。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び小幅ながら売り越し(3920万株売り/3610万株買い)。市場筋の観測だと「金額は小幅買い越し」だったものの、先週金曜日のような大幅な買い越しではなく、何となくドヨ~~ンとしたムードでスタート。ただ、軟調に寄付いたものの、そこから下値を売る動きは乏しく、指数は行ったり来たりの展開で、方向感乏しく見送り気分が強いまま1日を終了。
● 今朝のSQを計算すると、前日比70.11円安の14809.23円。最終的に、ここからあまり大きく乖離することなく1日が終了したことが分かります。前場の日経平均値幅はわずか74.92円で、後場に入って多少拡大したものの、それでも全日通しで146.46円。東証1部出来高は前日比で6億8231万株も減少して14億3755万株、売買代金も同9816億円減の1兆7306億円。あまりの減少ぶりに、ワークシートが更新していないのかと思ってしまいました(^^;。サッカー観戦の疲れでしょうか?!?(まさかとは思うけど・・・(^^;)。
● サイズ的には、本日はまちまち。Core30が銀行株安などの影響で11bps負け、Large70は5bps勝ち、Mid400は14bps負け、Smallが57bps勝ちでした。TOPIX Smallや東証2部指数やマザーズ指数はプラスで終わっているので、どちらかと言えば、小型株優勢の1日だったでしょうか。フリーフロートで見ても、逆側噴射状態で、小型株がアウトパフォームしていたことが影響していた格好でした。
● 相場も今ひとつなので、ちょっと話題変更。このところ、最近の相場の動きが1987年頃の相場の動きに似ている、というコメントを良く聞くようになりました。どうも日本だけの話ではないようで、今朝、Bloombergでは「5月の株安は1987年に類似、救いは低金利と活発なM&A」なる記事も流れていました。この記事では、日本株市場のことを言っているのではなく、世界的なマーケットの動きについてシティグループのロバート・バックランド氏(誰?)という人が述べていることを記事にしたものです。本文は英語で和訳です(原題は"Citigroup's Buckland Says Parallels to 1987 Crash End With M&A"とのこと)。日本語記事をサーチしたのですが、Bloomberg日本のサイトでは見付かりませんでした(^^;。
● 話を戻して、チャートの形がそれとなく似通っているのは、かなりの方々が気付いていると思います。その一方で、当時と今では、ファンダメンタルズに違いがあるとの議論も増えてきています。どちらが正しいのかは、結局、振り返ってでしか分からないので、現時点では何とも言えません。でも、そういう議論があることは、知っておいて損はないかと・・・。
● 1987年の相場を知るには、その前の1985年プラザ合意前の相場から見ていないと、今回との違いや類似点について話はできないと思います。ところが、私は1987年は新入社員だったので、そんな深い話を意識する暇もなく日々の業務に追われていたし、当時、証券マンとして働き盛りだった35歳は、現在では55~56歳で定年を控えているか定年退職したばかりの年代。証券不況時代(山一證券が潰れた時もそうだったし、ホンの数年前もそうです)に早期退職しちゃった方々も多いだろうし、残ってうまく行ってれば、執行役員クラスになっているかもしれません。でも、そうならそうで、現在、相場に直接タッチしている可能性は非常に小さくなってしまいます。
● 証券業界ではなく、個人投資家として当時の相場を知っているならば、定年もないので現在も相場にタッチしている方が居るかも知れません。でも、少数派でしょうね。つまり、当時と今をチャート上で語ることは出来ても、実体験として語るには、ちょっと時間が空き過ぎている感じで、以前の経験を使うことが出来る向きは意外に少ないと感じています。特に、この1~2年で相場に参加した層だったら、20年前の話なんて実体験している年代だったとしても、相場として意識していなかった可能性の方が高いのです。
● 私も実体験として相場の話が出来るのは、多分、1987年のブラックマンデー後の戻り相場でしょうか。そして1989年に駆け上がった頃とその後の崩落相場は顧客相手にトレーダーなどをやっていたので分かるし覚えているのですが、1987年以前は分かりません(^^;。どう似ているかって?「夕凪」氏のHPにて、ちょうどこの話題についてグラフがありますので、そちらをご参照下さい。URLは、http://www.geocities.jp/yuunagi_dan/Day/current.htm です。6月18日分をご参照下さい。グラフの形は、似ていますよね、実際・・・(^^;。でも、数多くの方が似ていると認識すれば、それは相場に織り込まれてしまいます(^^;。どこまで織り込まれているかを見抜くのは、古今東西、重要であり最も難しいことの一つです(^^;。
● 月曜日だというのに、何かダルいので早帰り。まだ明るい内に帰宅です(^^;。東京は週末雨で平日晴れ。何か週末だけ登場する強力な雨男か雨女が居るんでしょうね(^^;。誰や?
2006年06月16日(金) .... 大幅続伸、NY株高・外資系動向大幅買い越しなど・・・
TOPIX : 1534.71 (+48.73, +3.28%) | 日経平均 : 14879.34 (+408.58, +2.82%) | 円ドル : 114.60 |
● 後場中盤はちょっと伸び悩み感も感じたものの、それでもTOPIX3.28%高、日経平均2.82%高はご立派。東証1部値上がりは1552銘柄、値下がりが120銘柄で、今日は「全面高」と書いても違和感がない1日でした。
● 最初から行きましょう。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な買い越し(3940万株売り/6100万株買い)。市場筋観測によると、金額も大幅買い越し。NY株高も加わって、朝からブッ飛びでのスタート。ただ、今朝のSQを計算すると、前日比422.80円高の14893.56円。前場中はこの水準を上抜くことが出来ずに「幻のSQ値」状態が継続。
● 余談ですが、今朝の寄付は「あれっ?今日はSQだっけ?」と感じたほど、寄付前の気配値が異常なほどの値動きでした(^^;。実況中継風に行くと、午前8時52分でExcel上の日経平均速算値は前日比580円高ほど。8時59分0秒で同600円高、8時59分45秒でも同620円高。画面上の時計が午前9時00分10秒ぐらいになって、サーっと速算値が下がって、前日比220円高程度。本当にSQみたいな寄付でした(^^;。SQみたいに誰かがバスケットを時間差で入れたのでしょうけど、普通の日にやるなよなぁ~(^^;、って感じ。
● 話を戻して、前場は高寄りしたものの「幻のSQ値」を抜けず、売買が落ち着いてからは、日経平均でわずかに60円程度の値幅。「しっかりしている」のは事実だったものの、「上値が重たい」のも同居している状況でした。ところが、後場寄付きの上伸で、「幻のSQ値」をあっさりとクリア。この時間帯は昼休み立会外バスケット取引の影響が考えられるのですが、市場筋推計では「デルタフラット」。でも、後場の値動きを見る限りでは、かなりの買いが入っていた可能性はあります。
● もっとも、後場も寄付き段階の売り買いが一巡してしまうと、膠着感のある展開。先物での大口買い指値に支えられる格好で、何度か日経平均の15000円をアタックしたものの、最後の一押しが足らないまま、午後1時半頃からは売り物がちに。そうこうしているうちに、ソフトバンクに100万株の売り指値(数十万株はその場で約定)で同株がマイナス転落してしまい、全体も引っ張られる状態。ただ、最後の30分間ほどは踏ん張りを見せて大引け。
● 日経平均の日中足を貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 東証1部出来高は前日比3億8753万株増の21億1986万株、売買代金は同3504億円増の2兆7122億円と、値動きに一致する格好でかなり商いが増加。今日は銀行株が好調だったこともあって、サイズは大型傾向。Core30が24bps勝ち、Large70が11bps勝ちだった一方、Mid400は17bps負け、Smallは47bps負け。
● それ以上に気付くのは、TOPIXと日経平均の上昇率の差。TOPIXが圧倒的に優位だったのですが、これは主に銀行株やトヨタなどの頑張りのおかげ。一方で、日経平均が出遅れたのは、ソフトバンク、クレディセゾン、CSK、コナミ、第一三共などがマイナスで推移してアンダーパフォームしたことが影響しています。いくらファナックやアドバンテストが頑張っても、それに続くウェイトの高い面々が鳴かず飛ばずだったら、こうなってしまいます(^^;。
● ここから話題変更。ちょっと長くなるのですが、週末ってこともあるので、指数ヲタク系の話を行きます(^^;。某米系証券の方に教えていただいたのが、Bloombergに流れた「TOPIX採用が8割超、多様化じわり-ラッセルがベンチマーク調査」なるニュース。早速、ラッセルのHPに飛んでいって、原本を見てみました。レポートのお題は、「2006年ラッセル国内株式ベンチマーク調査」というもの。同時に出ているニュースリリースの方は、「TOPIX以外に広がる国内株式ベンチマーク、パッシブ運用で大きくシェアを伸ばしたラッセル野村プライム」。ニュースリリースの方は、かなりラッセルの宣伝色が出ているのですが、まぁ、これはリリースだから仕方ありません(^^;。まだ詳細に読んだわけではないのですが、簡単な印象を。
● 本チャンのレポートでは、TOPIXが浮動株化の過程を延々とやっている間に、ベンチマーク見直しの動きが顕在化していると指摘、何がどう変化しているかをサーベイしています。レポートの冒頭にいくつかの発見点が列挙されているのですが、個人的にいくつかを抜粋すると、
(2) 採用が確認されたベンチマークは約30種と多様
(3) 規模別では小型・中型株ベンチマークの割合が市場平均より多い
(4) スタイル別ではバリュー・ベンチマークの割合が市場平均より高い
(5) パッシブ運用に限定すると、ベンチマークは14種
(6) パッシブ運用でTOPIXが23兆6957億円、RNプライムが2兆6698億円
ってところでしょうか。
● レポートを読んでいて、意外に多いなと感じたのがTOPIX 1000 Float。ただ、この指数は、TOPIXが浮動株対応していなかった頃にはそれなりのニーズを集めていたと思うのですが、TOPIXがフル・フリーフロートになってしまえば、かなり存在意義が薄れてしまうように思います。なので、この資金がどこかに移動するかは、ちょっとした注目です。
● 他にパッと気付いたのは、今回の調査対象が「日本の機関投資家向けに運用を行っている日本株式について」だったことで、MSCIなどは、全体の構成比からするとかなり低く出ている点には注意が必要ってことです。MSCIは、主として海外投資家がベンチマーク採用している(FTSEもある程度まで同じ)ので、それが今回の調査対象に含まれていない点は、考慮して数字を読む必要があります。また、パッシブ運用の部分から、公募投信とETFは除いてある点も含んでおく必要があろうかと思います。それでも、回答数で国内58社、海外11社の合計70社近いサーベイですから、それなりの示唆も含んでいると考えています。梅雨時の週末の読み物にどうぞ(^^;。
● URLを一斉に付けておきます。まず該当するラッセルのHPは、http://www.russell.com/jp/default.asp です。さらに、ニュースリリースの直リンクは、http://www.russell.com/JP/PDF/PressRelease/2006/pr060614_BMSurvey.pdf から。レポート本編の日本語版は、 http://www.russell.com/jp/pdf/reports/2006_Russell_JE_Benchmark_Survey(J).pdf です。英語版は、http://www.russell.com/jp/pdf/reports/2006_Russell_JE_Benchmark_Survey(E).pdf です。なお、私はラッセルの宣伝員ではございません(きっぱり!(^^;)。
● えっ?阪神電鉄の件?もし追加を書くとしても、19日のTOBが終わってからにします。結果が出るのは、多分20日だから、それが終わってからかな?
● さすがに梅雨時だけあって、スカッとした晴れにはなりそうにないのですが、皆様も良い週末を!
2006年06月15日(木) .... 戻り歩調継続、でも上値追いには慎重ムードも
TOPIX : 1485.98 (+19.84, +1.35%) | 日経平均 : 14470.76 (+161.20, +1.13%) | 円ドル : 114.95 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、16日ぶりの買い越し(4600万株売り/4740万株買い)。もっとも株数差は「誤差」の範囲内程度だったし、市場筋観測によると金額はフラット。ただ、売り越しが止まったということは、心理的にはそれなりの効果があった様子。余談ですが、これまで通称「外資系12社」だったのは、今日から米系が1社加わったとのことで、「外資系13社」になりました(^^;。もっとも、担当者が休みだったりして、時々、12社が11社になったりしているんですけどね(^^;。
● 相場。朝方から外部要因の追い風に支えられ、昨日からの売り飽き気分も手伝って、初っ端から堅調なスタート。今朝のSQを計算すると、前日比219.04円高の14528.60円。かなり寄付きで買いが集まったことが想像できます。さらに、今日はこれが「幻のSQ値」にならず、その後も上値があったことは、一応の評価。ただ、全体として上値を買いあがる雰囲気に成り切れなかったのも事実で、今朝のSQ値を上回る局面も、朝方のホンの一瞬でしたから・・・。幻のSQ値ではなかったものの、結果的に、それに近い格好だったので、上値追いには、相当な慎重姿勢があったことをうかがわせる格好。まだやっぱり信じ切れない気持ちが残ります。
● また、今日の東証1部出来高は前日比4億5506万株も減って17億3233万株、売買代金は3795億円減の2兆3618億円。株数が大きく減ったのは、低位株から銀行株などに商いが移行したからだと考えられますが、売買代金も結構減っているところから察すると、この点からも慎重姿勢が見えてきます。東証1部値上がりは1431銘柄にも達したので、「全面高」と書きたいところですが、どうもその言葉を使うのに少し躊躇するイメージの1日でした。
● サイズ的には、今日も中小型株の方がパフォーマンスが好調で、Core30は55bps負け、Large70が25bps勝ち、Mid400が25bps勝ち、Smallは46bps勝ち。バリューは今日も鳴かず飛ばず(というか、ネガティブ)で、この辺も乗り切れない雰囲気。タイミング的には、「音」がしても良いところですけど、本当に最近は耳が遠くなって・・・(^^;。
● ちょっと話題が逸れるのですが、今日、一部市場関係者の間で話題になっていたのが、昨日の日経平均終値14309.56円。私も、何となく妙な deja vu (フランス語だ!日本語では"既視感"かな)を感じていたのですが、その原因をピンポイントするには至りませんでした。ところが、某ベテラン証券マンの今日のコメントで納得。これって、バブル崩壊後当時の大底値、14309.41円(1992年8月18日終値)だったのです(^^;。その後、日経平均は2万1000円辺りまで戻ったものの、そこで何度も頭を打って、そして2003年に向けて一段安というのは、皆さんもご存知の通り。でも、偶然とは言え、歴史的な数字であることは確かです。38915.87円を deja vu するのは、いつになるのやら・・・(^^;。この手のデータは、日経平均プロフィル(http://www3.nikkei.co.jp/nkave/data/index.cfm)で確認できます。
● 話題変更。先日、某社のレポートを見て「やられた」と思わず頷いてしまったのが、このところ、バリュー的に割安な銘柄のベータ値が意外に高い、ってこと。通常は割高銘柄の方がベータ値が高いことが多いので、バリューなどにティルトしているファンドは、往々にしてベータ値は低い目に出る傾向があるのですが、今は逆。ホンの少し前までは、業績回復期待のはるか先を買っていた状態(つまり、割高になっていた)だったのが、直近の「投売り」であっという間に株価が急降下してしまい、逆に今となっては割安と評価される水準にまで行ってしまった、ってことでしょうか。
● これが如何に異常な事態かは、ちょっと考えてみれば分かります。異常事態の逆を出来るのが、目先にとらわれない年金系のファンド(のはず)。ただ、この状況下でベータ値を高めるような手段は、理論的には取り辛いのもその通り(^^;。まぁ、異常値は異常値として理解し、その逆をやる勇気が必要なのかも知れません。どうも難しいっすネ(^^;。
● 最後に雑談。あの試合はなんじゃ?勝ったからとは言いながら19残塁。最近は、どうもイライラが募る試合が多いです。今日ぐらいは、スパッと20安打15得点ぐらいで、うさ晴らしして欲しいものです(^^;。でも、これを書いている時点では、やっぱり重苦しい試合している・・・(-_-;)。結果がどうなろうとも、この試合の後で、昨年の対広島戦21得点の自家製DVDを見て、口直ししなくては・・・(^^;。
● そうそう、カウンターが700万を超えました。重複もあるし、正確ではないとは自覚していますが、それでも100万単位の通過は感慨深いものがあります。ご愛顧、ありがとうございます!
2006年06月14日(水) .... 朝安後に反発、さすがに売り飽き気分・・・
TOPIX : 1466.14 (+7.84, +0.54%) | 日経平均 : 14309.56 (+90.96, +0.64%) | 円ドル : 115.05 |
● 今日はさすがに売り飽き気分が広がったのでしょうか、朝安後の反発でした。ただ、これで中長期的な「音」がしたのかどうかは、ちょっと結論先送りって感じでしょうか。リズムとしては、悪くないんですけど・・・(^^;。今日も日経平均の日中足を貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 相場。NY株式やNASDAQは下げ止まらず、シカゴ日経平均先物は14100円と対大証比170円安。ドル高/円安はあったものの、その理由が悪い(レパトリを連想)ってことで、強い支援材料とは考え難い状況。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、15日連続の売り越し(5440万株売り/3960万株買い)。慣れっこになったとは言え、背中を押してくれる材料ではなし。
● ただ、朝刊の株価欄を眺めて気付くのは、「色が薄い」ってこと(^^;。年初来安値(高値もだけど)を更新した銘柄は、株価が色反転してあるので黒く見えるのですが、それが以前よりもかなり少なかったということ。実際、昨日の新安値銘柄は152銘柄。前回の急落局面では、特に6月8日は958銘柄も新安値銘柄があったので、それと比較すると、「色が薄いなぁ」って印象でした。この辺は、少し変化の兆しの可能性を感じてしまいました。
● 初っ端こそNY株安などを反映して軟調だったものの、さすがに売り飽き気分からか、寄付いた後は戻り歩調。午前10時頃には指数がプラス転換し、先物のショートカバーから裁定買いを誘発。10時半前には、ソフトバンクに50万株買いが入り、「うぉ~~~」って感じにも・・・(^^;。さらに昼休み立会外バスケットが買い越しとの観測が伝わると、後場寄付き後に一段高。もっとも、今日の上値はその時点(TOPIXは13時17分に高値、日経平均は13時30分)で、そこから後は基本的に横ばいでのもみあいでした。
● 今朝のSQを計算すると、前日比179.92円安の14038.68円。結果的に、これは「幻のSQ値」となりました。また、後場SQを計算すると(ヲタクっぽいでしょ(^^;)、前場終値比85.33円高の14344.93円。あの魔の30分間があった頃は、後場SQがブレることは良くあったのですが、最近では珍しいブレ方。日経平均では、下は前日比173.07円安、上は同240.22円高で、日中値幅は413.29円もあり、神経質な値動きが続いていたことを示唆しています。東証1部出来高は前日比2億2082万株増の21億8739万株、売買代金は同3747億円増の2兆7413億円と、昨日よりもかなり増加。ただ、「これでどうか?」と聞かれると、「うぅ~~ん」っ感じでしょうか(^^;。
● 細かく見ると、Core30が銀行株軟調などを受けて32bps負けの一人負け。Large70が17bps勝ち、Mid400が16bps勝ち、Smallが13bps勝ちと、サイズはやはり少し小さい方向。マザーズ指数は朝からずっとプラス推移でした。また、今日もバリューは今ひとつだったし、サイズとあわせて、中身の変化には気をつけておきたいところです。「何がどうなる?」が良く分からないところが難点ですけど・・・(^^;。
● 話題変更。今朝の日経には、「阪神株Q&A TOB価格をなぜ下回るのか」とのコラム記事。決して間違いではないのですが、スポッと抜け落ちている大きなポイントもあります。ただ、まだTOBが終わっていないので、ここでは書きません(後で厄介なことになるのは避けたいので)。でも、今回の場合は、TOB価格を下回って推移したことも、納得できてしまうのです。
● 昨日もチラッと書いたのですが、その原因は主に「受渡リスク」(フェールリスク)と考えています。TOB申し込みを忘れるとかの、そんな単純なリスクではありませんよ(^^;。実は、この背景は、あまり見て欲しくない部分をさらけ出すことにもなりかねないので、本音では、避けたい話です。でも、現実がそれを許してくれません。あまりはっきりとは書きませんが、業界の人々には分かるはず。TOBを仕切っている幹事証券は、このリスクをあらかじめ認識していて、なおかつ対処方法も考えてあることを祈るばかりです。明日以降、阪神株は阪急株×1.4倍に収斂していく可能性は大きいのですから・・・。
● 関連して、指数ヲタク系にとっては大切なお知らせ。東証から、「TOPIXの算出に使用する浮動株比率(公開買付期間中の銘柄)」なるお知らせが出ています。、東証HPのこちら(http://www.tse.or.jp/news/200606/060614_a.html)に掲載されています。ポイントは、「修正日は、TOPIXへの浮動株比率最終回反映にあわせて6月30日(金)とします」ってところでしょうか。通常のパターンで行くと、今回の阪神電鉄分は7月末調整に入るスケジュールの可能性が高いのですが、そうすると、6月末のTOPIX最終回浮動株化に際して買って、その後、整理ポスト割当などで売る、みたいなパターンに陥る可能性がありました。なので、6月末にFFW変更の対応で売り買いが発生しないような形にしてくれるのであれば歓迎。また、阪神電鉄分のウェイトをどこに持って行くかでお悩みの方々(^^;にとっては、全てが綺麗に解決したのではないにしても、ある程度、スケジュールもやり方も想像できるようになった、ってことです。
● 最後に話題変更。次回の四季報は明日6月15日発売。既にオンラインニュースやデータフィードでは、新四季報関連の業績データが更新され始めているし、発売と同時にドッと更新が来ることでしょう。業績上方修正の「匂い」があるかどうかに、注目しておきます。もしあれば、この先、会社側からも上方修正される可能性を連想することが出来るし、逆にないとすれば、超コンサバだと考えていたのは市場関係者の先走りに過ぎず、あまり景気は良くないかもしれない、というネガティブな連想につながる可能性があります。四季報を境に相場が変わるとは思えないものの、可能性はゼロではないですから・・・(^^;。
● ところで、四季報のHPに、「竹田和平さんインタビュー&2005年売買記録、日本一の個人大株主、竹田和平さんが語る四季報活用術」なる"宣伝記事"も掲載されています(^^;。6月12日アップなので新鮮。興味ある方は、http://shikiho.toyokeizai.co.jp/special/kima02/index.html へどうぞ。
2006年06月13日(火) .... 再度、崩落状態、後場に下げ足速める
TOPIX : 1458.30 (-52.59, -3.48%) | 日経平均 : 14218.60 (-614.41, -4.14%) | 円ドル : 114.65 |
● 初っ端から、日経平均の日中足を貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。Y軸の縮尺があってあまり大きな値動きに見えないかもしれませんが、後場にズルズルと崩れていった形、それも午後2時半頃に加速したのがご覧頂けるかと・・・。
● 前回の大幅安(6月8日)は「ついに来たか・・・」って感じだったのですが、今日はある程度まで安いとは予想していたものの、ここまでの急落は想定外。日経平均の下落がTOPIXよりもかなり大きく、裁定解消売りの影響を連想させてしまいます。ただ、午後2時頃までは、実は裁定解消売りはあまり出ていなかったのです。これはSQ後の傾向としてここ数日出ていたのですが、要するに、SQで解消しちゃったので裁定の在庫が少ない状況にあったため。それでも、最後の1時間ほど、特に午後2時半頃に先物がスコンと大口売りで売られてからは、さすがに裁定解消売りがかなり出たようで、下げを加速したのは事実。妙に「下げ渋っていた」値嵩株が一斉に下落したことで、順番としては、ほぼ一回りしたことになるのですが・・・(^^;。
● 最初から順番に行きましょう。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、14日連続の売り越し(6380万株売り/3400万株買い)。今日は金額も売り越しだったそうで、もうこうなったら、どこまで行くかトコトンお付き合いしましょう、って感じです(^^;。今朝はそれ以上にNY株式が大幅下落で、あちらのチャートもかなり酷い状況。東京も、寄付きから売りに押される展開となってしまいました。
● 今朝のSQを計算すると、前日比243.67円安の14589.34円。この水準からどちらの方向に放れるかに注目していたのですが、後場寄付き直後の下げで「勝負あった」状態・・・(-_-;)。まさか、「日銀総裁村上ファンドに1000万円」が原因だとは思わないし、昼休み立会外バスケットも市場筋推計だとチャラだったので、なんで後場寄付き直後に売られたのかが判然としない状況。後場だけではなく、朝の軟調さ以外、正直、何が原因でこれだけの幅の下げになったのかは分かりませんでした。他の相場解説で何を書いているのかは良く見ていませんが、理由を探るのも大事だけど、どう行動するかも大事ですから、そちらを優先したい気持ちです。
● 何はともあれ、日経平均はドカンと下がって安値引け、TOPIXも同様に安値引け。東証1部値下がり銘柄は1500を超え、かなり悲惨な状況になってしまいました。ただ、先日の下落とは少し違った面があったのも事実。一つはサイズです。TOPIXサブインデックスで書くと、Core30は2bps勝ちでチャラ、Large70は39bps負け、Mid400は6bps負け、Smallが89bps勝ちと、かなり小さい方向にサイズが振れていたこと。東証2部指数なども一斉に下落したものの、TOPIXの3.48%安と比較すると、随分、傷が浅かったというか・・・。今日の大幅安のなかで、違った動きが出始めているのかを注意してみておきたいです。
● 関連して、ここ数日の傾向ですが、下げ相場に関わらずバリューがネガティブに推移しています。通常、これだけの下げ相場になると、サイズが大型に振れて、バリューが効いてくるというのがパターンですが、どうも足元の相場は違っている様子。特にバリューが効かないというのは、機関投資家的にも厄介な現象で、FM諸氏との会話でもこの話題が良く出てくるようになりました。グロースは元々ボロボロだし、バリューも効かないとなると、「一体、何が効いとるねん?」って事。短期のリバーサルは効いているものの、中長期は今ひとつ。どうも分かりづらい相場です。先が見えるようになってくると、それなりに動けるのですが、どうもファクターなどでも不透明感の強い状況なので、余計に手が止まってしまう感じを受けています。
● 話題変更。ちょっと重要(かも)知れない話を、少しだけ書いておきます。阪神電鉄の話です。議題は、「なぜ阪神電鉄の株価が、TOB価格をかなり割り込んで引けてしまったのか?」ということ。周知されているように、明日が阪神電鉄にとって、TOB締め切りに間に合う最終売買日です。ところが、TOB価格の930円に対して、今日の終値は921円。最後の瞬間だけというのだったら例外かもしれませんが、今日はほぼ1日中、TOB価格を割り込んだ水準で推移しました。四本値は、始値925円、高値928円、安値915円、終値921円です。出来高は2,516,000株でした。
● これは、一見、非常に美味しそうな話に見えるのですが、何よりもまず、株式市場にそんな美味しい話が放置されることは、絶対に有り得ません(断言!)。つまり、美味しそうに見えるということは、自分が気付いていないリスクがあり、そのリスクを加味したプライスなのに、それを認識できないから美味しそうに見えるだけ、ってことです。本当なら、それについてズバリと書きたいこともあるのですが、憶測で話を書くとまずいので、この場所では、この辺にしておきます。一言だけ。受渡リスクについては、十分に考慮されることを祈っています。全てが終わってから、もしかしたら書くかもしれませんが、後ろから襲われるのも嫌なので、書かないかもしれません・・・(^^;。
● 最後に記録。東証1部出来高は前日比729万株増の19億6657万株、売買代金は同1796億円増の2兆3665億円で、値幅の割にはそれほど増えなかった印象でした。明日も勝負ですね、気持ちの上では・・・(^^;。話題がバラバラでスミマセン。
● 雑談。しかし、楽天に追いつかれるかぁ~?!?ホンマ、苛々が募る試合です・・・。
2006年06月12日(月) .... 続伸、中小型株が堅調だったけど・・・
TOPIX : 1510.89 (+12.21, +0.81%) | 日経平均 : 14833.01 (+82.17, +0.56%) | 円ドル : 114.15 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、13日連続の売り越し(5540万株売り/3510万株買い)。ただし、市場筋観測によると金額ではチャラだったそうで、低位株系統の売りに対して値嵩株の買いが入っていたことを想像させます。ただ、今日の相場そのものを見た印象だと、動きは何となく逆でしたけどネ(^^;。
● 実は、先週発表された投資部門別売買動向で5月第5週(5月29日~6月2日)の外国人投資家が買い越しだったことで、市場筋の間ではサプライズの空気が広がりました。寄付前外資系動向で見る限りでは、ずっと売り越しでしたから・・・。この辺は、敢えて「非公式」と書いているように、これはあくまでも市場筋の推計。集計が市場筋の中を流れるのも、大体8時15分~30分なので、それ以前の情報しか含まれていませんし、ザラ場の分も全く勘案されていません。でも、考え方によったら、その辺を深読みする事も可能だし、ある意味では、深読みして使うことが前提の数字だと考えています。
● 本題の相場。マイナスでスタート(今朝のSQ値は前日比71.90円安の14678.94円)した相場は、寄付後約30分間でプラス近辺まで戻し。その後、指数は前週末終値近辺でウロウロ。この傾向は最後まで変わらなかったものの、東証1部値上がり銘柄数が後場には1300銘柄超にまで拡大し、最終的に東証1部では1321銘柄が値上がり(値下がりは326銘柄)。これを見るだけでも分かるのですが、サイズは小さい方向に振れ、中小型株が堅調な値動きだった一方で、大型株は今一つ。感覚的には、値上がり1300銘柄超だと、日経平均で200~250円高程度あっても良い感じですけど、そうならなかったというのは、かなり物色が片寄っていたことも物語っています。なお、TOPIXのサブインデックスでは、Core30は29bps負け、Large70は48bps負け、Mid400は31bps勝ち、Smallは110bps勝ちでした。
● 戻りの力強さについては、「雰囲気はあったけど・・・」というどっち付かずの印象。例えば、東証1部出来高は前日比12億0927万株減の19億5928万株、売買代金は同2兆0140億円減の2兆1870億円。金曜日がビッグSQだったので、前日比の数字にかなり歪みが出ることを勘案して、先週月曜日~木曜日までの売買代金平均と比較しても、先週のSQ日以外の平均は2兆5000億円強。5月の平均が2兆6000億円強なので、これらから見ても、今日の商いがかなり少なかったことが分かります。正直言って、結論は明日以降って感じでしょうか・・・(^^;。ただ、ソフトバンクの株価があまり動かなかった割に、東証1部売買代金トップ(しかもダントツ)だったことは、個人的には少し注目しておきたい要素です。
● ちょっと話題変更。このところ、年初来や高値(5月8日)からの下落率についての言及が多くなっている感じを受けます。確かに下落に少し一服感があるところなので、引用したくなる気持ちもよく理解できます。ただ、この手の数字は、どこを基点に取るかで大きく変わってくるもの(^^;。
● よく引用されているのは、日経平均が終値高値を付けた5月8日を基準とするもの。そして、ライブドア事件/東証売買途中打切りの今年1月18日基準、さらに昨年8月8日(郵政法案否決)を基準にしてみました。おまけで、恣意的に2004年10月29日というのも選んであります。それぞれの基点を100として、今日(6月12日)の終値までを計算すると、以下のようになります(計算は全てBloombergによる)。
2006/05/08 | 2006/01/18 | 2005/08/08 | 2004/10/29 | |
TOPIX | 86.09 | 95.95 | 126.76 | 136.78 |
TPX Core30 | 86.15 | 97.94 | 126.62 | 132.83 |
TPX Large70 | 86.55 | 98.22 | 131.25 | 133.89 |
TPX Mid400 | 86.01 | 94.23 | 125.47 | 139.54 |
TPX Small | 85.26 | 90.78 | 121.55 | 145.85 |
日経平均 | 85.78 | 96.69 | 125.93 | 130.72 |
東証2部 | 84.87 | 85.91 | 115.87 | 150.14 |
マザーズ | 78.74 | 63.41 | 75.99 | 135.41 |
JASDAQ | 83.14 | 78.82 | 101.58 | 130.65 |
RNプライム | 86.13 | 96.44 | 128.20 | 137.75 |
それぞれの日付終値を100として本日(6月12日)終値を指数化 |
● ここから何を読み取るかは人それぞれだと思いますが、足元ではマザーズが圧倒的に悪い状況にあることが一目瞭然。ただし、恣意的に基点を取った2004年10月29日終値基準だと、マザーズはTOPIX並、Core30やLarge70などを上回るパフォーマンスを記録していることになります。もちろん、恣意的にやったのでこんな結果になったのですが、この手の報道やレポートでは、どこを基点にしているかを把握しておかないと、かなりミスリーディングになるってことです。分かっていらっしゃる方々には、かなり蛇足的なコメントになってスミマセン(^^;。
● いずれにしろ、昨年夏から相場に参加していた方々は、ざっくりベースで、主力どころ中心だったら、まだ25%ほどは含み益ってことです。もちろん、今年になって参加した方は、やっぱりタイミングが悪かったってこと。常々感じるのですが、銘柄選択は大事だけど、投資にはタイミングが何よりも大事。いくら良い銘柄を選択しても、タイミングが悪ければリターンは得られないし、逆にボロボロの選択肢だったとしても、タイミングが良ければ結果オーライもあるのです。このタイミングリスクについては、意外に認識していない向きが多いんですよね、不思議な事に・・・。
● もう一つ蛇足。これをやっていて、ちょっと意外だったのは、RNプライムが意外にしっかりってこと。全期間において、TOPIXをアウトパフォームしています。他市場銘柄が入っていることと、フル・フリーフロートって点が違うのですが、他市場は不利にこそなれ、有利にはならないはず。やっぱりフリーフロートってこと?誰か詳細に分析して欲しいものです (^^; (^^;。
● 最後に雑談。今朝の日経金融新聞「複眼独眼」コラムは面白かったです。タイトルは「冗舌になった経済学者」というもので、"時は今"氏の執筆。"時は今"氏が誰かは知りませんが、書き難いことをズバリと書いていて、興味深いコラムでした。ぜひご一読を。
2006年06月09日(金) .... SQ安→プラス転換→奈落の底→買戻し→機械受注→堅調引け
TOPIX : 1498.68 (+16.46, +1.11%) | 日経平均 : 14750.84 (+117.81, +0.81%) | 円ドル : 114.05 |
● さすがに反発の1日。しかし、日中はかなり神経質な値動きでした。今日の日経平均の日中値幅は436.17円とかなり大きく、下は243.72円安(-1.67%)から、上は192.45円高(+1.32%)まで。如何に動きが荒かったかが分かります。日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● ビッグSQ。昨日の崩落マーケットを受けて、世間一般には不安感があったようですが、SQそのものが爆騰したり暴落したりってことは、10年前ならともかく、ここ最近はほとんどありません。結論から書くと、SQは前日比で178.14円安、14454.89円。マイナスだったし、14500円というオプションをやっている方々にとっては気になる水準を下回ったし、最近のSQとしては「動いた方」だったのですが、「暴」を付ける必要はない程度でした。
● 例によって実況中継。午前8時45分頃のExcel上の日経平均速算は前日比1300円高ほど(^^;。これは毎度の事なので、特にサプライズってことはありません。午前8時55分で1260円高、8時57分で1430円高、8時58分で1320円高、8時59分で1180円高、8時59分45秒で970円高。そして、画面上の時計が実際には9時を過ぎてからデータが入ってきて、予想通りにスコーンと速算値が下落。普段だったら前日比でせいぜいプラス/マイナス100円程度の値動きになるはずが、今日は売りがかなり多かった模様でスルスルと下落し続け、最終的には前日比で178.14円安。午前9時20分に日経平均採用銘柄が全て寄付き、SQ値はExcel上では確定。
● 市場筋推計によると、日経平均型が209万株売り/146万株買い程度。最後の最後に、多分、いつも通りの某欧州系証券と推察されますが、そこが1000バスケット(日経平均採用銘柄あたり100万株ずつ)の売りを出したことが響いた格好。TOPIX型は少し売り越しに見えたのですが、大引け後の東証発表では、前日比0.52ポイント高の1482.74ポイントとほぼチャラ。SQ関連出来高は、推計で6億株強、売買代金で1兆円程度との推計。なお、9時15分時点での東証1部出来高は9億3553万株、売買代金は1兆3994億円でした。
● ただ今日に関しては、SQよりもSQ後のマーケット心理の揺れ動きが印象に残った1日でした。SQ安だったもののすぐに切り返し。でも、せっかくの上昇局面も、前場中頃からは上値の重たさを意識する展開。前引けにかけてジリ貧となり、日経平均は前場マイナス引け。そして、昼休み立会外バスケット取引が売り越しとの観測が広がると、後場に入って一段安。今日のSQ値、14454.89円が「幻のSQ値」となれば、「音」が聞こえるかもしれないとの期待感はあったのですが、後場寄付き直後にSQ値を下回ってしまい、それはアウト。かなり失望感が漂う下値模索局面となってしまいました。
● この時点では悲壮感があったものの、そこからは買戻し先行。そして、SQ日の午後2時といえば機械受注。事前予想(Bloombergで+3.5%、Reutersで+3.3%)に対して、出てきた数字はなんと+10.8%。「なんじゃそりゃあ?」って感じ(^^;。メディアは「機械受注の予想外の伸びを受けて・・・」なんて書くかもしれませんが、実は、発表の10分ほど前から先物はかなり上昇していたのです。まぁ、先回り買いした向きを裏切らなかった数値が出たのは確かで、それが最後まで堅調さを保った要因だったのでしょう。この数字で、その後売られていたら、本当に相場の地合いが悲惨ってことになったのでしょうが、その後、売られることなく大引けまで堅調に推移。これが本物かどうか、来週前半の値動きに注目です。
● なお、毎回の事ですが、機械受注はあくまでもSQ日午後の「イベント」(^^;として、マーケットで受け止められているし、目先筋としてはそこに価値を見出しているのです。詳細な数値分析などはエコノミスト諸氏にお任せですが、発表の瞬間には内容を吟味しているヒマはないし、内容を吟味している向きも、ほとんど存在しないと思います(^^;。(1) 出てきた数字が事前予想に対して上か下か、(2) その瞬間の相場の動きがどちら向きか、が重要なんです。こんなこと、エコノミスト諸氏が読めばお怒りになるかもしれませんが、マーケットの近くで見ている人間としては、それが本音です(^^;。終わってしまえば、内容は明日の新聞で読めば良いか、って感じになるんですよね。なので、内容についてはメディア報道をご覧頂ければ幸いです(とサボる)。実際、なんでこんな突拍子もない数字が出たかは、全然知りません(^^;。
● ところで、今日のマーケットで目立ったのはTOPIX先物のベーシス。大引けだけはかなりのプレミアムで終わっていますが、ザラ場では、9月限で-3.0ポイントやそれ以上(以下?)にまでディスカウントが進行する局面が多々ありました。心理的には弱気材料なんですが、見ていると裁定解消売りはほとんど出ませんでした。「なんで裁定解消売りが出ぇへんねん?」ってことになるんですが、単純に書いてしまえば、要は在庫がなくなってしまったから(^^;。つまり、裁定業者の多くがかなりの在庫(裁定取引用の在庫のことで、ポジション用の在庫ではありません。為念)をSQで解消してしまい、結果として、カラに近い状態になってしまったと・・・(^^;。
● 昨日のTOPIX先物限月間スプレッド市場は、最後は瞬間風速で-1.5ポイントまで軟化し、あまりにもフェアからディスカウントになってしまったことで、ロールする意味が失せてしまったのです。当然の選択肢として、今朝のSQ決済を選んだところが多かった様子ですが、SQが終わってみたらこのディスカウント。「ちょっと無理してロールしておけば良かった」と感じた裁定業者もあったでしょうネ(^^;。ただ、この在庫不足状態は、それほど長続きはしないと考えています。業者間ではTOPIXバスケットのレンディングも可能だし、そこそこ取引があるようなので、比較的短時間に再び"入庫"すると考えています(つまり、裁定"解消"売りが可能になる)。短期間の鬼の居ぬ間にかもしれませんので、為念。
● 最後に記録を書いておきます。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、これで12日連続での大幅売り越し(7460万株売り/4100万株買い)。今日の東証1部出来高は、ビッグSQのおかげもあって、前日比5億1610万株増の31億6855万株、売買代金は同7709億円増の4兆2010億円でした。売買単価は前日比で32.67円高の1325.85円と、SQ日にしては上がらなかった印象でしょうか。
● さて、ワールドカップに世間が染まる時期がきましたが、私達のオフィスのあるビルの前には、でかいスクリーンが運び込まれています。パブリック・ビューイングをやるっぽいのですが、阪神タイガースの試合ではないことは確かなようです(^^;。その阪神タイガースは、今日から甲子園で対西武3連戦。HPによると前売り券完売だそうで、ワールドカップでもあまり影響はないようです(^^;。さすが!
● 今日は長文でスミマセン。皆様も良い週末を!
2006年06月08日(木) .... 崩落状態、不安感・不透明感から投げ売り相次ぐ
TOPIX : 1482.22 (-51.32, -3.35%) | 日経平均 : 14633.03 (-462.98, -3.07%) | 円ドル : 113.70 |
● 「ついに来たか・・・」って感じの1日でした。今日の下落はさすがに凄みがあり、久しぶりに見た感じ。日経平均の15000円割れなんて話題が飛んでしまうほどの崩落でした。マザーズならともかく、東証1部に関連する指数が3%超も下落するのは、非常に珍しい現象。ちなみにザラ場では、TOPIXは61.78ポイント安(-4.03%)、日経平均は599.05円安(-3.97%)までありました。これで出尽くしかどうかは何とも言えないところですが、何はともあれ、「ついに来たか・・・」は感じました。
● 今日の下落が転機になるかどうかは不透明ですが、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。ただ、日中は戻り局面らしきものがあまりなくて(敢えて言えば大引け直前だけ)、継続的な下げだったので、日中足としてはあまり迫力がありません(^^;。あまりにも値動きがあったので、Y軸の関係もありますし・・・。
● 順番に行きましょう。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、11日連続での売り越し(4290万株売り/2730万株買い)。慣れっこになってきたとは言え、明るい雰囲気にさせてくれる要因ではありません。いつの日か、この数字が買い越しになった時の寄付きは面白いかもしれません。NY株安も加わり、何よりもセンチメントの悪化は避けようがない状況。相場下落に伴う追証発生も相当数出ていると伝わり、不安感や不透明感が強まるなか、買いが手控えられる状況下で、売りが売りを呼ぶ展開。現物が下がることで先物に売り圧力が掛かり、それが裁定解消売りを呼んで余計に現物が下がるという、まさに下落スパイラル。この「スパイラル」という言葉も、使うのは本当に久しぶりです。
● 実は、今朝のSQ値を計算すると、前日比144.28円安の14951.73円と、それほど悲惨ではなかったのです。ところが、寄付き後も全く下げ止まらない相場を見て、より多くの売りが出てくる始末。これでもう「勝負あった」状態でした。昼休みの立会外バスケット取引は買い越し観測が有力だったのですが、それを上回る売り圧力(後場に入ってすぐに前場安値を更新)。これを見てしまうと、もう買い材料を探す気力もなくなってしまった印象。後場は特に大名行列状態に陥り、打つ手なしの状況でした。大引け間際にフラッと戻したのですが、これは明日に期待というよりも、日計り族のショートカバー(買戻し)に過ぎなかった感じでした。まぁ、相場の詳細は、あちこちのメディアで面白おかしく報道されるでしょうから、顔を顰めつつご覧頂ければと・・・(-_-;)。
● 今日は色々と記録的でした。東証1部値上がりはわずかに40銘柄。下落は圧倒的な1648銘柄。現在は、1698銘柄が東証1部上場銘柄なので、なんと97.06%もの銘柄が下落したことになります。東証1部出来高は前日比6億9207万株も増加して26億5245万株、売買代金は同9189億円増の3兆4301億円。この点からは、それなりの量のパニック売りというか投げ売りが出たことをうかがわせます。
● 問題は「音」が聞こえたかどうか・・・。クラッシュの音は聞こえたのですが、耳が遠くなったのか、個人的には、まだホンチャンの「音」については確信が持てない状況です。「はっきりせぇよぉ!」との声が聞こえてきそうですが(^^;、正直、よく分からないのです。先週金曜日の相場で、市場関係者の「音」が聞こえたとのコメントはかなり多かったのですが、今日を振り返るまでもなく、それは結果的に幻聴。今回の下げがかなり速いので、信用買い残が減ったとは言っても、かなり上値でしこりが残ったことは推測できます。信用買い残の減少は大部分が損切りでしょうから、リカバリーに多少の時間が掛かるのも想像できます。この辺を考え合わせると、余計に分からなくなってしまいます。煮え切らないでスミマセン(^^;。
● ただ言えるのは、ある意味でこういった下落は、相場のプロセスとして必要なこと。自分が血を流す方になってしまえば、そんなに悠長なコトは言ってられないのですが、それでもいつかどこかでこのプロセスは必要なんです。あとは、これで十分かどうかの判断。現時点で「落ちてくるナイフを素手で掴もうとする」かどうかは、状況判断と自分の技術への信頼によるんでしょう。ナイフはかなり高いところから落ちてきているので、スピードも相当出ています。それを素手で怪我せずに(!)掴めるのなら、千載一遇のチャンスかも知れません。でも、失敗すれば大きな怪我をするだけ。リスクとリターンを天秤に掛けて判断するのは、何も今回だけではないのですが、特に重要な瞬間かもしれないことは念頭に置いておきたいです。
● 一方、機関投資家的には、サイズが多少はプラスに振れていたことや、グロース系はボロボロでも、バリューはまぁまぁだったので、今日はそれほど悪い相場ではなかったと推察します。ただ、某FM氏がボヤいていたのですが、「誰も持っていない銘柄、例えば水産だとかフイルムだとかがそれなりに堅調で、皆が持っていた銘柄がボロボロ」と。確かにその通りの状況で、その意味では、「思ったように行かんなぁ~」と感じた方々も多かったと察します。
● ところで、MUFGって明日以降の株価、どうなるんでしょうか?公に認められた安定操作(売出しに関する開示は http://www.mufg.jp/data/current/pressrelease-20060522-006.pdf 及び http://www.mufg.jp/data/current/pressrelease-20060605-001.pdf)だからでしょうが、周辺がこれだけ崩落してしまうと、この数日間の株価は、異常なほどのアウトパフォーム状況となっています。TOPIXウェイトも巨大な銘柄なので、明日以降、さらに来週以降の動向が妙に気になります。頭に少しだけ入れておきましょう。
● 最後に、明日はビッグSQ。事前予想は当たったためしもないので(^^;、予想はしないことにしています。敢えて言うと、市場で予想されている逆としておきましょう(^^;。こんな相場なだけに、やせ我慢だとしても、楽しめるようにしたいです。
2006年06月07日(水) .... 大幅続落、前場瞬間風速でプラスも後場はほぼ全面安
TOPIX : 1533.54 (-33.76, -2.15%) | 日経平均 : 15096.01 (-288.85, -1.88%) | 円ドル : 113.30 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ついに10日連続での売り越し(4990万株売り/2530万株買い)。もっとも、最近はこの「外国人売り」も慣れっこになりつつあるのですが、少なくとも彼らが売り越していることは、需給面から背中を後押ししてくれる材料ではないことは確か。
● 予想通りに安く始まったものの、前場中頃には、マザーズ指数がプラスになったことなどを受けて、日経平均も一時的にプラス。ただ、その後、TOPIX先物が大口売りをきっかけに売られたことをきっかけに、市場全体もスコーン。さらに、昼休みの立会外バスケットがやや売り越しだった模様で、後場に入ってからもひたすら下値模索の状況。先物市場関係者の間では、現物指数の200日移動平均線近辺(TOPIXで1560ポイント近辺、日経平均で15205円近辺)に、かなり大きなストップロスがあるとの観測は早くから流れており、実際、その近辺では売り圧力が強まった印象もありました。
● 結局、終わってみれば東証1部値下がり銘柄は1442銘柄にまで膨らみ、今日もほぼ全面安の展開。そんな中で水産株が妙に人気(^^;だったのですが、これは如何にも手詰まり感という印象があって、逆に相場の地合いとしては悪い方に引っ張っている印象がありました。日経平均の日中足を貼っておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。前場に一瞬プラス転換したものの、後場の下げ方を見ていると、それが余計に悪い方(失望感)につながってしまった印象すらありました。
● 指数で見ると、東証2部指数は昨日の大幅安から一転してプラスで終了。ただ、マザーズやJASDAQ指数はTOPIX並みの下げだったので、決して「マシだった」というほどではありませんでした。指数ベースでは、やや意外感があったのですが、Core30が33bps勝ち、Large70が34bps負け、Mid400が12bps負け、Smallはチャラ(2bps負け)でした。Core30銘柄では、武田、富士フイルムがプラスだったので、この辺が支え役になったということでしょうか。MUFGが変わらずだったのも、周辺がこれだけ崩落していると、「よく頑張った」って効果を発揮します。これも痛し痒しです(^^;。
● 話題変更で限月間スプレッド取引。市場取引の方はビッド/アスクともに昨日と同水準だったのですが、業者間取引では少し動きがありました。TOPIX先物のスプレッドがジリ貧状態となる一方で、日経平均先物のスプレッドは堅調に推移。フェア・スプレッドからすると、TOPIX先物は約0.5-0.7ポイント近いディスカウント、日経平均先物はホンの少しプレミアムという状態で推移。全体の印象としては、日経平均先物のロールがちょっと遅めな雰囲気ですが、全体としてロール状況が問題になると言うほどではないと考えられます。興味深いのは、TOPIX先物と日経平均先物とでは、取引所内の限月間スプレッド取引の活況さにかなり差があること。数字的には下記のようになっています。
6月限+9月限 | 合計出来高 | スプレッド取引 | SP取引割合 | |
日経平均先物 | 116,678+21,404 | 138,082 | 12,758 | 1 : 0.0924 |
TOPIX先物 | 36,350+22,699 | 59,049 | 45,113 | 1 : 0.7640 |
● 「SP取引割合」とは、単品取引出来高1に対して、どれだけのスプレッド取引が出来たかを表しています。実は、スプレッド取引の1単位出来高は、6月限1単位と9月限1単位になるので、出来高としては合計で2単位となるので、ある意味ではこの2倍がより正確な値かもしれません。となると、TOPIX先物では、個別のザラ場取引よりもスプレッド取引の方が多いことになるのです。つまり、スプレッド取引が相場動向に影響を与えるのは、「当たり前」とも言えるワケで、それだけスプレッド取引に注目する価値があるってことです。
● なぜ日経平均先物のスプレッド取引が盛り上がらないかですが、主にティックの大きさが原因だと思います。TOPIX先物が0.5ポイントティックなのに、日経平均先物は10円ティックだから・・・。もっとも、もうすぐするとミニ日経平均先物(現行の10分の1のロット)が登場するので、流動性次第では、こちらでかなりのニーズを代用することが出来るはずです。
● 最後に記録。本日の東証1部出来高は、前日比4億1884万株増の19億6038万株、売買代金は同4370億円増の2兆5112億円でした。予想以上に増加した印象がありました。TOPIXも日経平均も終値ベースでの年初来安値を更新し、TOPIXも日経平均も昨年11月30日終値(TOPIXは1536.21、日経平均は14872.15円)以来の安値水準となりました。日経平均は1万5000円の大台も危なくなってきましたネ。
● この局面だと、多少はやせ我慢してでも、これをチャンス到来と考える余裕を持ちたいものです。いや、別に今日明日ってことではないし、買いを薦めているワケでもありません(別に売りも薦めていないけど)。でも、1万7500円近辺を「買わされる」ところだったことを考えると、お安く買えるってことは、冷静に頭に入れておきたいものです・・・(^^;。
● そうそう、良く「投資相談」ぽいメールを頂くのですが、基本的にはお答えしないことにしています。法律的にはこれは投資顧問登録をした業者にだけ許された行為ってことが一つ、自分は相場が下手だと自覚していることが一つ、そしてもう一つは、当たっても外れても感謝される事がない行為、と考えているからです。結局、自分の行動を決めるのは自分。参考にする情報はあったとしても、最終的には、自己責任原則ですからね!
2006年06月06日(火) .... 全面安、不透明感強まるなかジリ貧商状続く
TOPIX : 1567.30 (-27.62, -1.73%) | 日経平均 : 15384.86 (-283.45, -1.81%) | 円ドル : 112.30 |
● バーナンキ・ショックと言うほどではないにしろ、不透明感が強まったことは一つの要因だったのでしょう。不透明感は不安感につながり、買いの手を控えさせ、売りを積極的にさせてしまいます。今回はFRB議長の発言がきっかけだったってことで、債券も軟調。もっとも、バーナンキ発言を理由にするのは、八つ当たり的な面もあったのは確かで、信用買い残の問題、SQ接近などで、足元でも不透明感があったところにコレが来て、余計に市場心理がマイナスに振れた感じ。
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、9日連続での売り越し(3450万株売り/2580万株買い)。全体の量は減ってきた印象があるものの、市場筋観測によると、相変わらず欧州系からの売りが多いとのこと。NY株式があれだけ安ければ、東京としても少なくとも寄付きは「キャン」と言わざるを得ない状況。さらに、後場寄付き後に相場は一段安。結局、終わってみればかなりの下落となってしまいました。どうも「音」が聞こえないままです。
● 今日の東証1部出来高は前日比2258万株増の15億4154万株、売買代金は同494億円減の2兆0742億円と、2兆円割れが見えてきた感じ。どうもジクジク感が残っています。東証1部値下がりは1459銘柄にも達して、ほぼ全面安。マザーズは前場中に一時プラスだったのに、終わってみれば-2.77%。東証2部が今日は結構きつくて-3.70%でした。
● 機関投資家の月次リバランスは、月曜日頃から始まった雰囲気ですが、今月末のTOPIXフリーフロート化最終回を控えて、関連した動きも多少感じています。既に東証からは浮動株比率も発表されているし、基本的に月1回のリバランスでやっている方々にとっては、業績関連データを5月末で取り込んで、それをあわせて浮動株化対応のリバランスを実施する、というのがとても筋が通る話。今週末のSQを使えば、かなりのロットも売り買いできるでしょうから、そこに向けてファンドを調整する可能性は考えられます。余資分を先物で買い建てているのだったら、ロールせずに同時にEFPというのも手です。FM諸氏もセールストレーダー諸氏も、そして裁定取引トレーダー諸氏も、忙しい週になっています(^^;。
● その一方で、FM諸氏の間では、打ち合わせやミーティングがとても多くなっている印象も受けます。株主総会案件への対応を一斉にやっているから、とのこと。某FM氏によると、「特に今年の株主総会は、普段と違って防衛策などの提案がかなり多くて、個別に色々と調査して判断する必要がある」とのことで、非常に検討や調査に時間が掛かるとのこと。また、「最近は委託者からの問い合わせなどもあるので、即応できるようにキチンとシステムなどを整える必要がある」との面もあり、かなり忙しい状況だそうです。ただ、マーケットは今日もかなり下落したものの、ファクターで言えばバリューが堅調だったし、サイズもやや大型系。FM諸氏にとっては、放置していたとしても、悪くない1日だったはずです。
● ロールオーバー。さすがに業者間取引ではかなりの数量が出来るようになってきました。ざっくりイメージでは、日経平均が少しプレミアム、TOPIXはいつも通りのディスカウント。繰り返しになるのですが、金利や予想配当をどうするかによって、フェアバリューに違いが出てくるので、一概には言えないのですが、ざっくりそんな感じです。某米系証券がどうロールするかが建玉残高から見た焦点ですが、こればかりは直接聞いていただくしかありません(^^;。もっとも、ペラペラしゃべるとも思えないので、聞いても何も答えは出てこないと思うけど・・・(^^;。ただ、まだ神経質な地合いが継続しそうなのは確かです。
● 最後に、村上ファンド事件についても、ホンの少しだけ書いておきましょう。事件そのものは、メディアの"熱狂的報道"(そこまでやるか?ってほど)により、必要以上に周知されていると思います。実際に何があったかは、裁判の過程で明らかになるでしょうが、一つ私が注目したのは村上氏のプレゼン能力。昨日の1時間超もの記者会見は、一人だけ罪人扱いされて吊るし上げを食らうのですから、それなりにプレッシャーもあったと思います。でも、それをやり切ってしまうところ、テレビに写っていることを十分に意識しているところなど、良かれ悪しかれ、それなりに学ぶところは多かったかなと(^^;。あの調子でプレゼンされると、押されてしまう出資者はかなりいただろうから、ファンド運営者としても、それなりの営業能力ってことにもなるんでしょう。いろんな意味で恐ろしい人です(^^;。
2006年06月05日(月) .... 軟調推移、お疲れムード(?)か商い細る
TOPIX : 1594.92 (-11.19, -0.70%) | 日経平均 : 15668.31 (-121.00, -0.77%) | 円ドル : 111.65 |
● 朝から市場の(そして世間の)話題は村上ファンドの村上世彰氏逮捕との報道。ただし、直接的な影響は予想通り限定的でした(詳細後述)。前週末のNY株式は堅調、シカゴ日経平均先物もまぁまぁだったものの、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、これで8日連続での売り越し(2760万株売り/2490万株買い)。量的にはかなり減少している印象があったものの、相場はマイナスでスタート。そして結局、マイナスのまま行ったり来たりで終了した1日でした。ただ、ドカンと売るだけのネタがあった訳ではなく、マザーズなどがプラス推移していたこともあって、大崩する感じはなし。でも、出来高も今ひとつだったし、大引けに掛けては、何となくお疲れムードだったのか、ジリ貧商状でした。
● 東証1部の出来高は前日比8億8507万株も減少して15億1896万株、売買代金も同9408億円減の2兆1235億円。これだけを見ると、もし前週末に「音」がしていたにしては、あまりにも寂しい数字です。マザーズ市場とかは継続的に見ていない(^^;ので、出来高や売買代金が多かったのかどうか感覚が掴めないのですが、指数は+3.36%と好パフォーマンスでした。東証2部は+0.57%、JASDAQ総合指数は+0.82%とプラスで終了。
● 村上ファンドの件は、社会的ネタとしてのインパクトは相当に大きかったし、今後も、ある程度大きいと考えています(社会的なネタとして)。一方で、マーケットとしては、既に山場を通過した感。ファンドの行方(解約状況など)に若干の不透明感はあるものの、それはかなり将来の話(今年年末近く)だし、影響もそれまでには想像できるだろうから、相場的な要因としては過去のものになりつつあります。当該銘柄は先週はかなり厳しく売られていたものの、今日に関しては、TBS、阪神電鉄、松坂屋、ホシデンなどの有名どころはプラスで推移と、先週のショック的な動きはなし。阪神電鉄以外は、今後に関しては、売られるリスクもあるのですけどネ。
● ちょっと視点を変えると、この一連の動きが、ファンドへの締め付けや、株主としての権利の拡大に制限が掛かるような風潮が強くなってきたと受け取られるのであれば、外国人から見るとややネガティブかもしれません。最近は、一部の外国人投資家の間では、当局からの色々なペナルティが増加している印象もあるようで、問い合わせもちょくちょく飛んできます。小泉首相には、「改革・開放」のイメージが強かっただけに(実際はともかく)、その小泉首相の任期切れと相まって、やや不透明感が出てきているのは否定できません。足元では、直接的な行動を起こすほどではないでしょうけど、センチメントの変化には敏感になっておきたいところです。
● 一方、某顧客と話をしていても話題になったのが、デビデンド・スワップ(Dividend Swap)というデリバティブ取引に影響があるかどうかってこと。つまり、村上氏のような方法がしんどくなると、企業側に与える増配圧力が低減するのではないか、という発想(^^;。ただ、今日のところは、プライシングをしているトレーダーに聞いてみても、「特にプライスに影響はないなぁ~」と言っていました。日本だけではなく、世界的にデビデンド・スワップは少し先のほうが最近は値下がり傾向にあったということで、「村上さん逮捕、って影響ではないと思うよ」がトレーダーの言葉でした(^^;。
● 話題がバラバラですが(^^;、限月間スプレッドの推移についても少し。全体にフェアバリューからすると、ややディスカウント状態のまま。ただ、フェアバリューそのものが、今回は金利変動期ってことで、今一つ定まらないこともあって、全体に神経質な雰囲気がプンプンしています。単純化してしまえば、9月限に使う金利の上昇は、限月間スプレッドを拡大する要因。一方で、増配はスプレッドを縮小させる要因。ちょっと前までは、金利も配当利回りも動かないのが当たり前みたいでしたが、今は金利も配当利回りも動くので、気疲れするロールです(^^;。
● 最後に、日経平均のコーポレート・アクションに関するニュース。既に日経平均プロフィル(http://www.nikkei.co.jp/nkave/news/20060605c2d0500g05.html)にて公表されています。内容としては、ホンダ、キヤノン、ミレアの株式分割に「みなし額面対応」するとのことで、これまでの例からしても、特にサプライズはありません。しかし、キヤノンの場合、「3分の2」なんで、また新しい小数点パターンが出現することになります(^^;。もう日経平均という指数(正確には指数ではなく"平均株価")は、そろそろ全面的模様替えをしないと、自己矛盾的な領域に入りつつあるような・・・(^^;。
2006年06月02日(金) .... あっと驚きの切り返し、指数は軒並み高値引け
TOPIX : 1606.11 (+21.55, +1.36%) | 日経平均 : 15789.31 (+285.57, +1.84%) | 円ドル : 112.75 |
● いやぁ~、何が起こったんでしょうかねぇ~(^^;。前場は新興市場が崩落状態に陥り、どこまで行くのかとヒヤヒヤしていたら、後場に入って一転切り返し。実は、前引け間際に「誰か中小型買った?!?」って感じの動きはあったのですが、それがここまで行くとは思いませんでした(^^;。まず最初に、日経平均の日中足を貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、これで7日連続での売り越し(7210万株売り/4890万株買い)。しかもかなり量が多く見えます。ここ数日の傾向としては、市場筋観測で米系よりも欧州系証券の大幅な売り越しが目立つとのこと。欧州系と聞くとどうしても「オイル」を連想してしまいますが、本当のところは分かりません(^^;。ただ、外国人投資家の売り越しが続いていたとしても、それだけではマーケットは影響を受け難くなっている面も感じます。その背景が何かは良く見えてこないのですが、結果的にはそんな感じです。
● 一方、相場は朝方の主要指数は堅調に推移したものの、新興市場がボロボロ崩落状態。さらに、午前10時過ぎで、東証1部値下がり銘柄数が1232銘柄もあったのに、日経平均はなぜかプラス60円超。「何じゃこりゃあ?」って感じだったら、その後、主要指数も"ようやく"下落に。午前10時半過ぎには、軒並み今日の安値。TOPIXは前日比28.03ポイント安(1.77%安)まであり、日経平均は前日比286.77円安(1.53%安)まであったのです。マザーズは10時38分に前日比129.36ポイント安(9.82%安!)まで下落。本当に「崩落」という感じでした。
● ところが、前引けに掛けてスルスルと戻し、「あれっ、誰か中小型株買った?!?」って雰囲気。市場の空気は半信半疑の色合いが濃かったものの、後場に入ってからは、新興市場とソフトバンクが心理的に引っ張る格好で、一段と上昇加速。終わってみれば、TOPIXは高値引け、日経平均も高値引け、マザーズもほぼ高値引け(14時58分が高値)でした。日経平均の1日の値幅は522.34円にもなり、久しぶりに「えらい動いたなぁ~」という1日でした。東証1部出来高は前日比7億0924万株増の24億0403万株、売買代金は同7564億円増の3兆0643億円でした。さすがに、これだけ動けば増加します(^^;。
● 問題は「音」が聞こえたかどうかってこと。最近、どうも耳が遠くなったのか、空耳が多くなったのか・・・(^^;、正直、よく分かりません。下げ週の週末には、方向性が反転するのは良くある話。そう考えると、今日の下ヒゲの長さや「陽の丸坊主」も価値がどうかと考えてしまいます。その一方で、この反発を過小評価して絶好の買い場を逃すのもしゃくな話。
● 迷った時は酒田五法と行くと、「下放れタスキ」か準「三手打ち」ですかね?となると、「相場の方向は以後加速されるという」(今回のケースでは下げ加速)とか、「戻り売りには絶好の急所」なんて書いてあります(^^;。まぁ、「相場の型、人の顔同じものなし」とも書いていて、罫線カブレを戒めて「型に囚われず、勢力だけを判断する」とも。結果、よぉ、分からん!ってことです。来週、また考えることにしましょう(^^;。
● 話題変更。今日は、「村上ファンド」についても書かざるを得ません(^^;。実は、この憶測は、市場筋の間ではGW明けぐらいから観測としては流れていたものの、実際にデカデカと新聞一面に出てくると、やはりマーケットは反応してしまいます。ただ、これは相場にとっては、あくまでも局地的。社会的な話題としてはでかいし、現に村上ファンドが保有している銘柄へのインパクトはでかいものの、マーケット全体としてみれば影響は局地的でした。でも、村上銘柄リストなどが市場筋の間を駆け巡り、当該銘柄には安いものが続発。あまり規模が大きい銘柄ではないものの、TBS(-4.4%)、住友倉庫(-7.0%)、松坂屋(-11.8%)、サークルKサンクス(-5.7%)、ホシデン(-6.9%)などは、かなり厳しい下落でした。
● ちょっと振り返ってみると、今日の記事は、各紙一斉にほぼ同様の内容。スクープとは言い辛いほど幅広く報じられたものの、正確には「発表」ではありません。でも、これだけ各紙が一斉に同じような内容の記事を掲載したということは、公式発表に近い「リーク」は間違いないです。そして、各紙が一斉に同時に「受信」したリークでないと、記事はここまで揃わないと考えられます。この辺の意図はどうなんでしょう?何らかの検察側の「メッセージ」だとは思うのですが、予告なのか警告なのか、考え出したらキリがありません。ホリエモン、村上ファンドと、六本木ヒルズ関連の方々が多いですネ(^^;。偶然でしょうか???
● 関連して、今朝の日経13版は「少子化」がトップ記事だったそうですね(^^;。14版はもちろん「村上ファンド」。都内は14版なので、こんなときに、どこに住んでいるのか分かったりします(^^;。たま~にこんなことがあるんです(^^;。
● 良い週末を!
2006年06月01日(木) .... 朝高でスタート、でも"予想通り"にジリ貧。新興銘柄群下げ止まらず
TOPIX : 1584.56 (+4.62, +0.29%) | 日経平均 : 15503.74 (+36.41, +0.24%) | 円ドル : 112.65 |
● 朝方の天気予報では、今日は最高気温が30℃だとか・・・。気象庁のサイトによると、実際の最高気温は東京(大手町)では28.7度、14時54分記録だったそうです。風もあったので、そんなに暑かった印象はなかったし、昼休みは気持ち良かったです。今日から6月。心なしか、路上駐車車両が少ないような・・・(^^;。
● 大引けでは指数はプラスだったものの、何か狐のダマシに合ったような感じ(^^;。今日も日経平均の日中足を貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● オーバーナイトのNY株式市場が堅調だったことなどから、寄付きが高いことぐらいは、誰もが予想していたことでしょう。そして、「高ければ売ってやろう」も、かなりの方々が考えていたことと推察します。感覚的には、多分70~80%程度の参加者が、そう考えていたのではないかと思います。
● 一方で、ホンの一部は、「皆が高いと思って寄付き売ってくるから、逆に買ってやろう」なんて考えたかも知れません。そういった向きが報われる相場ならば、意外性があって面白くなるもの。昨年後半はそんな感じでした。ところが、今日は全く意外性に乏しいというか、想定通りに高く寄付いて、大部分が予想したようにジリ貧。ドカンと売ってくるような感じはなかったものの、ジリ貧のまま終了。午後2時半過ぎからは、またまたズッコケ状態となり、指数は一時マイナス転落。
● ただ、最後の最後では、誰かフリーフロート対応のバスケット買いを入れたみたいです。Excelでウォッチしていたのがピョコンと跳ねましたから。ただ、それを除いて考えると、今日は安値引けの可能性が高かった印象。実際、日経平均は今日の安値を14時54分に付けています。今日のSQが前日比178.38円高の15645.71円だったことを考えると、そこからのマイナス転落は、ある程度予想していた向きが多かったでしょうから、サプライズではなかったにしろ、失望は隠せない状況だったし、かなり厳しい状況だったことが分かります。また、通常、相場は皆が考えた逆に行くのが普通。皆が想定している通りになるというのは、「やっぱりアカン」という感触が残るだけ。最近は後場ズッコケが見慣れた風景になってしまったのですが、こんな相場だとなかなか「音」は聞こえてきません・・・(-_-;)。
● なお、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、6日連続での売り越し(4350万株売り/3000万株買い)でした。東証1部出来高は前日比2億5131万株減の16億9479万株、売買代金は同2940億円減の2兆3080億円。ちょっと少ない印象です。今日はサイズが大型に振れて、Core30が67bps勝ち、Large70が15bps勝ち、Mid400が58bps負け、Smallが78bps負け。
● 新興市場はもう少し被害が大きくて、東証マザーズ指数は-3.86%の大幅安で年初来安値を連日更新。ほぼ安値引け。JASDAQ指数も-2.13%と軟調で、こちらも年初来安値更新。東証2部指数は-1.42%と多少マシだったものの、同じく年初来安値更新。新興市場銘柄は、全体に近寄り難い雰囲気が強くなってきました。実際に場中見ていると、ソフトバンクの値動きが心理的に与える影響の大きさを感じてしまいます。ソフトバンクは、決して中小型株ではないのですが、新興銘柄の象徴的存在であることは確かです。これが信用買い残の重荷にしろ何にしろ、これだけ貧相な値動きをしていると、心理的にも重苦しい状況を抜け出せないようです。
● 話題変更。大引け後、東証から指数ヲタク(^^;にとっては、重要なリリースが出ています。「TOPIXの算出に使用する浮動株比率(6月末)について」というもので、URLは http://www.tse.or.jp/news/200606/060601_c.html です。まだざっくりとしか見ていないのですが、最後のTOPIXの浮動株化に伴うものなので、TOPIXのほとんどの銘柄のFFWが変更になります(ざっと見で1636銘柄?)。詳細は、今日は何か気力が抜けてしまったので、調べていません(^^;。
● 一方、まだちょっと早いのですが、限月間スプレッド取引について。ここ数日書いているのですが、金利をどう取るかで特に9月限のフェア価格が変化してくるのですが、それがかなり影響力を持ちつつある印象。短期金利が定まらないことで、フェアの限月間スプレッド水準は何かと見難いのですが、業者間の限月間スプレッド取引では、少しずつ気配が出始めています。多分、ロールオーバーは、来週火~水曜日がピークになるでしょうが、本格的なのは来週に入ってからになりそうです。ちょっと今回は、気分的にロールが遅れるかもしれません。特に根拠というほどのことはないのですが、雰囲気です。
● 相場のタイミングとしても、もうソロソロ「音」がしても良いリズム(^^;。ただ、本当に「音」が聞こえるかどうかは、やってみないと分かりません(^^;。明日ってことはないにしても、ロールオーバーやらフリーフロート対応などで手がいっぱいになっている時に、「音」を聞き逃さないようにしないと・・・。
● 雑談。書かずには居られません。昨日は、本当に悲惨な試合でした。あれほどまでに久保田が崩れるのは、本当に久し振り。可哀想になるぐらいだったけど、何か妙な将来を暗示していないことを祈るばかり。えっ?!?今日も負けとるんかいなぁ~。苛々がつのります。ホンマ。