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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

2006年05月23日(火) .... 大幅続落、TOPIXは約3ヶ月ぶりの安値

 TOPIX : 1579.26 (-36.60, -2.27%)    日経平均 : 15599.20 (-258.67, -1.63%)    円ドル : 111.30  

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び大幅な売り越し(5420万株売り/ 1810万株買い)。ここ数日、急にアジア新興市場(日本以外はどれも新興だけど・・・)の軟調さを指摘する記事やコメントが増えてきた感があり、日経や日経金融にも「アジア市場変調」などのヘッドライン。皆がすでに認識していることと思っていたのですが、そうではなかったんでしょうか(^^;。

● さらに三菱UFJの大型株式売り出し。最大5000億円規模の「銀行株売り出し」は考えるだけで頭が重たくなります。何はともあれ、寄付きからドスンと売られ、10時前に一応の底。所々で戻りそうになる局面はあったものの、水面上に顔を出すことはなく、行ったり来たりで、横ばいもみあい相場のまま。ところが、最後の最後に銀行株が売られてTOPIXは安値引け。TOPIXの1600ポイント割れは今年2月20日以来、約3ヶ月ぶりでした。

● 今日は日経平均とTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。ちょっと見難いかもしれませんが、TOPIXの大引け前の売られ方を見ていただければ、と・・・。この日中足貼り付けは、本当は恒例にはしたくないのですが(^^;、どうしてもポイント、ポイントに思えてしまうんですよね。将来、あとで相場を振り返った時に、「あぁ、あそこがポイントだった」と思い出す為にやっているのですが、ポイント(らしきもの)ばかりです(^^;。

● 一方、個別には、何と言っても、三菱UFJを筆頭に、メガバンク株が売られてボロボロ。このおかげで、Core30はかなり軟調だったし、こんなときに逃げ道的になるはずの新興銘柄も軟調でした。アジア関連銘柄も軒並み安(特に機械)。日経平均は、エーザイ、第一三共、塩野義などの薬品株やKDDIの頑張りがあったものの、TOPIXはモロに銀行株の下落を被った格好。TOPIX採用時価総額では、トヨタ自動車と三菱UFJがトップ争いを繰り広げている状態で、第3位はみずほFG、第4位は三井住友FG、第5位がキヤノン。次いで、ホンダ、武田、松下、NTT、ソニーと続きます。その上位が崩れてしまうと、やっぱりしんどいです。

● 一歩下がって考えてみれば、アジア新興市場の下落って、もしかしたら日本株に資金が廻ってきていた(いる?)可能性も否定出来ないはずなんです。つまり、「アジアに投資」していた向きからすると、新興市場から資金を引き上げただけで「アジアに投資」のウェイトを大きく変えないでおこうとすると、成熟市場の日本に資金を向けざるを得なくなるハズ。こう考えると、また色々な見方が出てきます。

● もし日本株が上昇に転じたら、「不安定なアジア新興市場から資金を引き上げた外国人投資家が、より成熟した日本株をアジア投資の一環として買っている」なんてのは、マスコミ受けするとても綺麗な説明です(^^;。一方、日本株が上がらず新興市場も駄目とすると、「新興市場だけでなく、日本株からも資金を引いている」かもしれません(現時点は、この言い方)。いずれにしろ、「外国人投資家が資金を引き揚げているのでは?」という疑心暗鬼が先行き透明感につながり、嫌気されている可能性は高いです。不透明感がある程度減少すれば、一気に空気は変わるのですけどねぇ~(^^;。

● ちなみに、今日はインド株式市場は、プラスになったりマイナスになったりの状態。少なくとも急落ではなかったし、日本の後場後半には、インドはマイナスからプラスに転換していました。でも、東京市場を見ていると、大きな影響はなかった感じ。昨日の東京市場の下落を、全てインドに押し付けるのは、ちょっと無理かも知れません(^^;。なお、インド株を投信経由で大量に買い漁ったのは日本人投資家。ずーっと昔に、香港株投信を買い漁ってえらい目にあった話なんて、もう誰も覚えてないんでしょうネ(^^;。

● そうそう、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向で、これほどの数字はあまり見ないなぁ、と思っていたら、某市場筋が調べてくれました(^^;。今日の差引3610万株の売り越しは、2000年7月25日に3930万株売り越しを記録して以来、なんと5年10ヶ月ぶりのこと。もっとも、当日の日経平均の値動きを見ると、7月24日終値16,547.12円に対して、寄付16,506.15円、高値16,573.59円、安値16,341.52円、終値16,573.59円。日中足のグラフがあるわけではないですが、想像するに前日よりも安く始まって、そして下へ突っ込んで、最後は前日比プラスで高値引けって感じでしょうか。ちょっとした心の支え的な考え方でした(^^;。なお、過去の日経平均四本値は、日経平均プロフィル(http://www3.nikkei.co.jp/nkave/data/index.cfm)で調べることが出来ます。

● こんな日は、早く試合を見よう!今日から、幕張で対千葉ロッテ戦。風が強いし雨も降りそうだし、とにかく先制して、サクッと勝って欲しいものです。ホンマ、頼みまっせ!

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