fc2ブログ
このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!
 TOPIX : 1711.31 (-13.75, -0.80%)    日経平均 : 16862.14 (-89.79, -0.53%)    円ドル : 111.25  

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4日ぶりの買い越し(3680万株売り/3300万株買い)。一見すると株数が少ないようですが、市場筋観測によると、値嵩株(含む銀行)が多かったようで、金額は「大幅売り越し」とのこと。ただ、不思議なことに、寄付後に指数はスルスルと上昇。昨日の後場寄付き後の急落も「???」状態でしたが、今日の寄付き後の上昇も「???」状態。どうも最近は、描いたシナリオ通りには物事が進みません(^^;。でも、その後は、絵に描いたようなジリ貧。朝方のプラスが何だったんだろうと恨めしげに眺める地合いのなか、ドカンとは下がらないものの、前日終値が妙に重たい上値の展開でした。

● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 終わってみれば、指数としては(特に日経平均)はあまり下落していないように見えるものの、東証1部値上がり377銘柄、値下がり1218銘柄。これを見ても分かるように、指数以上に下げ銘柄が多い印象があり、決して地合いは良くありませんでした。ここ何日かの日足チャートを見ると、見事に毎日、陰線になっています。VWAPよりも下で引ける日が多く、このトーンが明日の金曜日で変化するかには注目しておきたいところです。下げばかりだった週は金曜日に反発することが多いし、逆も良く見掛けるので・・・(^^;。

● 話題変更。日本時間で今朝、MSCIの定期銘柄入替えが発表されました。繰り返しになってしまいますが、5月のMSCI銘柄入替は、本当の銘柄入替でかなり動きます。それ以外の四半期(8月、11月、2月)は「調整」という感じなので、大きな新規上場銘柄が採用されたり、FIF/指数採用株数の変更が中心になっています。

● で、今回は、「新規採用21銘柄、削除7銘柄、FIF変更が98銘柄、指数採用株数変更が74銘柄」(Standard指数)でした。このうち、最初の新規採用銘柄/削除銘柄はHPで公開されるのですが、後半のFIF/採用株数変更は公開されません。MSCIにかなりの額のライセンスフィーを支払う必要があります。実際のところは、ライセンスフィーを支払っている証券各社からのレポートを見れば、基本的には必要な内容は分かるんですけどネ(^^;。

● 全体としては、日本株は若干のウェイト増加になる見込み。細かく行くと、対MSCI Worldでは若干のウェイト減ながら、対MSCI EAFEではウェイト増となり、差し引きでほんの微増となりそうです。もちろん、今後のマーケット次第でこれは変化するのですが、基本線としては、全体としてそれほど大きな資金移動はなさそう、というイメージです。

● 個別のウェイト増加については、新規採用銘柄が上位を占める状態。これは多くの場合そうなので、特にサプライズというほどの事はありません。今日の相場でも、一時はこれらの新規採用銘柄が高かったものの、結局、あまり差異が出ない状態になってしまいました。中には結構下落した銘柄もありました(例:ラウンドワン、日本製鋼所、東邦チタニウム、エディオンなど)。まだ時期的にちょっと早いのと、それ以上に相場全体の地合いの関係で、裸単騎でロングするのは無理、という感触があったのかもしれません。一方、削除銘柄は、結構、叩かれていました。

● ライセンスの関係で情報が伝わるのに時間が掛かるのが、FIF変更/指数採用株数変更。ウェイト増加の方では、FIF変更により新生銀行のウェイト増が目立つ程度で、それほど大きなのはありません。一方で、ウェイト減少の方は、実際の削除銘柄よりも、大型株のFIF変更/指数採用株数変更の影響の方が大きくて、キヤノン、松下電器産業、トヨタ自動車、イオン、みずほFGなどのウェイトがソコソコ下がります(とは言っても、ベーシスの単位です)。ただ、これらの銘柄は、流動性の面では全く心配要らない銘柄なので、インパクトの観点からは、それほど気にすることはなさそうです。

● もっと詳細を書きたい気持ちもあるのですが、色々な権利関係の縛りもあって、今日はこの辺で。なお、これらの銘柄入替は、5月31日終値を基準値としてリバランスが実施されます。そして、明日はミニSQです。

● サクッと切り上げて、野球観戦に戻ります(^^;。

スポンサーサイト