2006年01月31日(火) .... 堅調地合い継続、でも後場後半は2日連続で伸び悩み
TOPIX : 1710.77 (+6.49, +0.38%) | 日経平均 : 16649.82 (+98.59, +0.60%) | 円ドル : 117.55 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、風船が萎むように売り越し(3890万株売り/3680万株買い)。何かがあったというよりも、全体に少し警戒感があったのかもしれません。ただ、マーケットの方は朝から元気(^^;。昨日、午後2時からの1時間で日経平均にして200円ほど下落したものの、ほぼそれを"埋める"動き。ただ、そこから上に行くには躊躇した感じもあって、底堅いものの上値も重たい、という1日でした。
● どうも日経平均で16700~16800円あたりに壁を作りつつあるような印象があります(^^;。ご参考に、日経平均の日中足を添付しておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。何となく、16700円を越えて来ると重たくなる雰囲気が、分かっていただければと・・・。もちろん、ブレークしてしまえば、こんな事は気にならないのですけどネ。
● 東証1部出来高は前日比で7億株ほど減少して23億1301万株、売買代金は6500億円ほど減少して3兆1256億円でした。今朝のSQを計算すると、前日比94.99円高の16646.22円だったので、ほぼ終値水準。高値は前日比で167.56円高、安値は同10.08円高だったので、真ん中近辺で始まって、真ん中近辺で終わったという1日だったことになります。この辺からも、昨年来高値とは言いながら、上にも下にも躊躇する雰囲気を察することが出来ます。
● ヲタクっぽい話になるのですが、チャート上でも、先物ではTOPIX先物も日経平均先物も、今日は昨日の値幅内の値動き(TOPIX先物は0.5ポイントだけ足が出た)。酒田五法(懐かしいでしょ(^^;)で言う「はらみ線」で、「変化の前提なり」と。ただ、陰陽の組み合わせがちょっと違っているんですけどネ。はらみ線で、今日、もし寄り引け同値だったら「はらみ寄せ線」で、「すなわち天井と知るべし」になるところでした(^^;。厳密には寄り引け同値ではないので、完全には当てはまらないものの、一応、頭の片隅に入れておこうと考えています。ただ、時折書いているように、あまり考えすぎると、今度は手が出なくなって機会損失が大きくなるリスクもあるのです。この辺のバランスが難しいです。
● そうそう、今日はSMFG(8316)のコーポレートアクションがありました。TOPIX的には大きな動きは予想されていなかったのですが、伏兵がMSCI。こちらで株数増加とFIF(TOPIXで言うFFW、要は浮動株比率です)の上昇があって、かなりの買いニーズが予想されていました。もちろん、全てが大引けに集中するわけではないにしても、何となく緊張感のある相場展開。ただ、実際には、それほど大きな値動きはありませんでした。大引け前にズルズルと伸び悩んで、最後だけピョコンと上昇。結果的に、高値引けになったので、その点を考えると、それなりの影響はあったのでしょう(^^;。下記がSMFGの日中足です(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● がらりと話題変更。先週金曜日のThe Gartman Letterに掲載されていたのですが、Ford (F) やGM (GM) のチャートを見てはいかが?という"提言"がありました。実際にチャートを見てみると、日足ベースでは「ムムムッ」って感じです(^^;。でも、週足ベースでは、まだ何とも言えない状況。気付くのは昨年春先の急落のときと、年末から今年に掛けての急落・反発の出来高が凄いこと。
● Gartman氏のコメントでは、Fordが数々の悪いニュースにも関わらず安値を割り込まずに耐えている点には注意が必要と。チャート上は、「言われてみれば」って感じなので、皆様もご自分の眼でご確認を(^^;。ネット上だと、US系ポータル(例: http://finance.yahoo.com/)などだったら、どこでも米国株のチャートはご覧になれると思います(ティッカーは上記カッコ内)。
● 最後に久しぶりに阪神タイガースネタ(^^;。今朝のサンスポに、今年の打順構想として、「赤星、藤本、浜中、金本、今岡、鳥谷、シーツに矢野」と出ていました。フムゥ~(^^;。赤星・藤本の1・2番はよく理解できるし、この2人が走りまくればかなり面白いことになりそうです。一方、3番を濱中で行きたい気持ちはファンとしてあるものの、もし檜山やスペンサーを使うとしたら?そのときは、シーツと入れ替わるのかな?シーツの7番はもったいない気がするし、シーツ6番、鳥谷7番の方がしっくりくるようにも思うし・・・。いずれにしろ、ファンとしてはシーズンが待ち遠しいです・・・(^^;。
2006年01月30日(月) .... 堅調地合い続く、でも後場はかなり伸び悩み
TOPIX : 1704.28 (+13.96, +0.83%) | 日経平均 : 16551.23 (+90.55, +0.55%) | 円ドル : 117.35 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し爆発中(^^;(4220万株売り/7370万株買い)。金曜日のCME日経平均先物は16695円と、対大証比で225円も上昇。またまた「行かなしゃぁない!」状態でスタート。実際、目立って下落したのは消費者金融程度。もっとも、高く寄付いて買いが一巡してからは、基本的に高値圏でのもみあい商状。焦って売る理由はないとしても、上値を買い上がる理由にも欠けている感触でした。
● 後場に入ってから、一時、一段高となり高値を目指す展開。「おっ、行く気かぁ?」という雰囲気になったものの、午後2時頃を頂点にして、かなりはっきりとした右肩下がりのずっこけ。日経平均で見ると、今日の高値は午後1時56分に記録した前日比293.92円高の16754.60円。終値が前日比90.55円高に過ぎなかったことを考えると、最後の1時間で、200円強も高値から下がったことになります。特に「何が?」って材料はなかったのですが、何となく警戒感が高まったというか・・・。市場筋の間からも、「こんなに簡単に戻っていいの?」的な声が多かったし、懐疑心を押さえつけながらも、完全には拭い去ることが出来なかったというイメージかもしれません。なお、今日の東証1部出来高は1月18日以来の30億株超(30億2318万株)、売買代金は3兆7683億円と膨らみました。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 物色動向は、銀行、鉄鋼、商社などの銘柄群。一方、ひたすら安かったのは消費者金融。テクノロジーは、まちまち。細かく見ると、12月高値を越えて来た銘柄が意外にあることに気付きます。例えばJFE。このところ典型的な「お休み」銘柄だったのですが、今日は窓を空けての上昇であっさりと昨年来高値更新。他にも、三菱地所や三井不動産などもあっさりと高値更新したし、銀行株も終値では駄目だったとしても、ザラ場で昨年来高値を更新している銘柄が結構ありました。
● QUICK集計ベースで、今日の昨年来高値更新は232銘柄。指数が昨年来高値を更新しているのだから、当然と言えば当然かもしれませんけど、どんな銘柄群が高値を更新しているかは、チェックしておくべきかなと・・・。ちなみに、ネット上には便利なサイトもあり、Traders Webの http://www.traders.co.jp/stocks_data/data/new_price/new_price.asp?n_flg=0 などはとても便利です。
● 一歩下がってみても、ライブドア・ショックが本当に限定的なショックにとどまり(メディアは大騒ぎだったけど・・・)、逆に「良い押し目を提供した」と"評価"までされてしまう状態(^^;になりつつあります。この騒動で傷ついた方々にとっては、ひどい解釈だと感じるでしょうけど、相場とはそんなもの(^^;。あそこを押し目と認識することが出来て、買いを入れる勇気を持っていて、そして一番大事なことに、買いを実行するだけの財力があった参加者が、現在、それなりに楽しんでいるのでしょう。
● ただ、あまりにも短期の急激な戻りに戸惑いの声が増えているのも事実。市場心理で突っ走っている面もあるので、ちょっと石につまづいただけでも、場合によっては怪我をするリスクがあります。要するに、色々な隠れている悪影響が、一気に表面化するリスクを秘めたままってことです。ただ、運用担当者としては、相場にそれなりに付いていかなきゃあ仕方ない、って面も否定できません。リスクを認識し過ぎると、今度は手が出なくなって機会損失が大きくなるリスクもあるのです。難しいですけど、「これも相場」です(^^;。
● 話題変更。今日はTOPIXの月末修正基準日。ただ、最近は東証1部昇格にしろ、時間的な余裕がかなりあるので、それほど極端な値動きは出難くなっています。今回の月末修正で、市場関係者の注目は、三菱UFJFGと三菱自動車だったでしょうか。いずれも、優先株転換などでかなり発行済み株式数(流通株数)が増加しているので、買いインパクトが発生することは事前から予想されていました。ただ、三菱UFJは引けに掛けてジリ貧、三菱自動車はジリ高と、やっぱりあまり大きな動きになりませんでした。
● 明日は、某メガバンク株に指数絡みのコーポレートアクションがあります。妙にエキサイトする方が出てくると困るので、ここでは、詳細は書きません(最近は、本当にやり辛くなった・・・(^^;)。一応、その銘柄について、大引け近辺の値動きには注意しておきましょう。なお、何が起ころうとも、はたまた何も起こらなくても、私は一切責任を取ることが出来ません。為念(^^;。
● そうそう、四半期業績開示シーズンですし、例の日米主要企業決算発表ワークシートをアップデートしておきました。いつも通り、意図的に数日遅れのデータをアップしていますが、それほど腐ってはいないハズです。左側のフレームから、ダウンロードページにお進み下さい。
2006年01月27日(金) .... 大幅続伸、TOPIXも日経平均もあっさり昨年来高値更新
TOPIX : 1690.32 (+47.03, +2.86%) | 日経平均 : 16460.68 (+569.66, +3.58%) | 円ドル : 116.45 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの買い越し(4630万株売り/6950万株買い)。昨日のソニー四半期業績発表を受けて、オーバーナイトでソニーは多数のブローカーから格上げの嵐。株価そのものも、ロンドンのSEAQの気配、NYでのADR取引も、前日比で600~700円高。しかも円安となれば、こりゃあ、「行かなしゃあない!」状態(^^;。先物も朝から大量買い越しでスタートし、今朝のSQを計算すると前日比366.30円高の16257.32円。如何に寄付きで買いが集中したかが分かります。
● 日経平均の日中足(下記参照、出典:Yahoo! JAPAN Finance)をご覧になって頂ければ分かりますが、寄付き後、前場は基本的に横ばい推移だったのです。ところが、後場に入ってからはジリ高歩調となり、後場寄付き(午後1時)過ぎからは、日経平均先物市場で500枚単位の買いが何発か入り、裁定買いを交えて一段高。さらに、午後2時半過ぎからは、再び先物の大口買いに誘発される裁定買いが断続的に入り、アレヨアレヨという間に上昇加速。朝のSQが「幻のSQ値」になりそうだったのですが、後場の勢いで、それを完全に覆してしまいました。最後の30分間は「鯉の滝登り」。ポケ~っと見ている状態でした(^^;。
● 何だかんだで、TOPIXも日経平均も、あっさりと終値ベースの昨年来高値(TOPIXは1月5日記録、日経平均は1月13日記録)を更新。結果的に、ここまで考えれば、ライブドア・ショックは「絶好の買い場」だったことになります。もちろん、来週の今頃に、「あれは最後の売り場やったなぁ~」なんて言っている可能性は無きにしも非ずですけど、現時点では「押したところで勇気出して買わなあかんかったなぁ~」ってこと。そして、そこで買えるだけの勇気、決断力、そして財力があった向きが、今日の時点では、果実を手にしているってことになります。もっとも、ホンマに後からは何とでも言えますからねぇ~(^^;。
● こんなとき、運用担当者からするとカチンと来るのは、こうなってからエライさんがやってきて、「押し目、ちゃんと買っただろうな?」なんて聞くこと(^^;。それやったら、あの急落の真っ最中に、「今がチャンス、買えぇぇぇ~」と叫んでくれた方が、まだ慰めにもなります(^^;。まだまだ「シートベルト着用サイン」が点灯したままの相場展開が続きそうですが、運用担当者の皆様、頑張りましょうね!
● 今日話題だったソニーの決算内容についての詳細分析は、専門家に任せることにしましょう(といってサボる(^^;)。ソニーって、決算が良くても悪くても翌日は売られる、との経験則があったのですが、今回はそれが破られた格好。オーバーナイトで、証券各社から軒並み格付け引き上げが出ていましたが、これも複雑な心境。実際にアナリストの皆さんの仕事の現場が分かるので、これがやむを得ない面があるのは理解するのですが、心情的には、「会社発表があってから格上げするんやったら、オレでも出来るでぇ」と感じる市場参加者は多かったと推察します。イヤ、分かるんですけどネ・・・(^^;。
● 関連するんですが、この手のイベントではいつも感じるのが、ギャップでリターンの大半が失われてしまう、という点。昨日のソニー終値は5080円、Bloombergで計算すると昨日のVWAPは5117.23円でした。一方、今朝の寄付きは5780円。昨日VWAPとの対比でも662円ほどのギャップがあり、いくらソニーが前日比で値上がりしていても、リターンとしては前からの保有者以外には、ほとんど大した事はなくなってしまうのです。
● ソニーは、後場、一時的にストップ高近辺まで駆け上がったものの、終値は5800円。つまり、寄付きを買っていたら、この瞬間以外、あまり取れていなかったことになります。もちろん、3ヵ月後にはこれが気にならないほどのリターンがあるかもしれませんけど、逆に高値掴みになるリスクも大。至極、当たり前のことなんですけど、このギャップをどう克服するかは永遠のテーマで、スパッとした回答はありません。ソニーの日中足も付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)
● 一方、消費者金融はボロボロ。1月13日のみなし弁済についての最高裁判決がきっかけとなっているのですが、これについての各社レポートが流れ始めて、ようやく市場として深刻さを認識した、という感じかもしれません。「利用者毎の融資限度額設定」報道が出たからというのはあったとしても、何となく後付け説明っぽいというか・・・(^^;。
● 今日はこのその他金融業種の全体が全面安。日経平均に採用されている銘柄はそれほど多くないのですが、TOPIX的にはかなりの影響がありました。TOPIXマイナス寄与度ランキングの上位は、消費者金融銘柄がずらり。一方で、メガバンクがかなり強烈に上昇していたので、この辺の「金融株」の持ち方次第では、明暗がはっきりと出た1日だったかもしれません。メガバンクと言えば、三井住友FG。ファイナンスなんて関係ない状態ですネ(^^;。ちょっと前まではファイナスという材料は圧倒的に嫌気されたものの、SMFGは「上場来高値」です・・・(^^;。皆さん、あまり気にしなくなったってこと???
● さて、ようやく週末。熱は出ないものの(ということは、まだピークに到達していない)ノドがしんどい状態。共同通信のニュースで、「鳥インフルエンザが日本で人に感染して大流行した場合、最大で50万人が死亡し、2400万人が治療を必要とする可能性がある」と流れていましたが、もちろん、私はインフルエンザではありません(^^;。ちなみに、インフルエンザ感染状況は、国立感染症研究所のインフルエンザ流行マップ(http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-keiho/index.html)からどうぞ。まだ本番ではないっすね、これを見る限りでは・・・。
● そうそう、忘れるところでした。例の日米主要企業決算発表をアップデートしておきました。例によって、意図的に数日遅れのデータをアップしています。左側のフレームから、ダウンロードページにお進み下さい。単純なExcelファイルです。
● 本当に疲れた一週間でした。皆様も、良い週末を!
2006年01月26日(木) .... 大幅高、LD騒動収束に向かい押し目買い活発
TOPIX : 1643.29 (+24.83, +1.53%) | 日経平均 : 15891.02 (+240.02, +1.53%) | 円ドル : 115.70 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの買い越し(3140万株売り/5800万株買い)。ただ、市場筋観測だと、建設と鉄鋼の買いが多かったようで、株数ベースの数字はややインフレ気味(^^;。ただ、それでもマーケット全体の雰囲気を盛り上げるのには役立つ要素でした。
● ライブドア騒動にも先が見えてきて、マーケットとしては話題も収束してきた印象。私の仕事相手が機関投資家と外国人投資家が主ということもあるのですが、今日は、ライブドアは話題にもなりませんでした。つまり、ようやく「普段の生活」に戻りつつあるってこと。そして、「普段の生活」ならば、銘柄によっては、「えっ、安いやんけぇ!」と考える余裕も出てくるんです(^^;。この辺は典型的な市場心理だし、これほど予測が付かないというか、予想が難しいものはありません(^^;。でも、空気は変わってきましたね。
● 日経平均もTOPIXも、最後にピョコンと上昇。日経平均は文句なしの高値引け、TOPIXは高値圏での引けとなりました。先物も最後はかなり強く終わっているし、引け味も悪くありませんでした。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● ライブドア騒動収束の他にも、円安傾向がある程度、輸出関連を支えたのは確か。でも、それ以上に元気だったのが証券株。三菱UFJ証はストップ高比例配分だったし、このところの相場活況で各社ともに、それなりに良い数字が出てくることが想像できるだけに、あちこちで証券株が値を飛ばしていました。東証33業種で、証券・商品先物取引業は、全銘柄がプラスでしたから・・・(^^;。証券株も、市場心理にかなり左右されるセクターなので、この点からも、相場全体として「普通の生活」に戻りつつあることを感じさせました。三洋電機などは、かなり悲惨な売られ方をしていたものの、市場全体に響くようなフシは無かったですもんネ。強くなったもんです。
● さらに、今日驚いたのが、本日設定だった「ダイワ拡大成長株ファンド」。ロイターによると、692.55億円も募集・設定したそうです。募集上限が1500億円だったのですが、この「上限」はあまりあてにならないもの。でも、実際にこれだけの金額を集めたというのは、募集期間が1月12日~25日だったことを考慮すると凄いこと。もちろん、販売証券の営業力もあったでしょうけど、最近の投信は「営業力」だけでは売れません(きっぱり!)。募集期間直前の1月12日の日経平均終値が16445.19円。昨日終値が15651.00円。この下落の中での募集なだけに、エンド投資家(個人投資家)は、マスコミが大騒ぎするほど冷えていなかったという証左かもしれません(マスコミの大騒ぎは、いつもの事ですけど(^^;)。まっとうな銘柄にはちゃんと投資しよう、という考え方が個人投資家の底流にあるんだったら、それは心強いシグナルです。月末に掛けて、もっと投信設定があるのですが、その動向には注目しておきたいです。
● 一方、ライブドアについては、もうあまり詳細を書くことはないと思いますけど、記録の意味を込めて、ほんの少し書いておきましょう。今日から、午後2時~午後3時という、わずか60分間のトレーディング。しかも、新規信用は駄目で、買い代金即日徴収措置、さらに自己取引も駄目(例外あり)ってことで、実際問題、市場筋の間でもあまり話題にも上らなくなりました。寄付は135円、高値は137円、安値は105円、終値は113円。寄付いてからは、ほぼ継続的に右肩下がりの展開でした。
● 国内機関投資家でここでライブドアを買うような酔狂な向きは、限りなくゼロに近いので(ゼロと言い切っても良いほど)、参加者は主に足の速い個人投資家(投機家)と証券自己。その両輪のうち、証券自己が参加できないとなると、そりゃあ、興味も薄れてきます。そして、市場での興味が薄れてしまうと、流動性にも難が出てくるでしょうし、そうなれば自然に投機的な売り買いをする向きも減るでしょう。そのうち、誰も語らない銘柄になってしまうかもしれません。もっとも、私個人としては、それはそれで、結構なことだと考えています。
● 最後に記録。東証1部出来高は20億3784万株、売買代金は2兆4228億円でした。ちょっと物足らない印象はあるものの、贅沢は言ってられません(^^;。ガンガンの強気になりたいところですけど、そんなに物事は甘くない、との考えも色濃く残っているのが事実。ちょうど、四半期業績開示シーズンに差し掛かるところでもあるし、相場の焦点が少し変わる可能性には注意しておきたいです。
● 風邪を引きそうな雰囲気(自分で何となく分かる(^^;)なので、早めに帰宅しました。オフィスで隣の席のセールストレーダーが、この1週間ほど、ず~~っとゲホゲホしていたので、それが転移してきたのかもしれません(^^;。社会人になってから、予定外の病欠は1日もない記録を続けているので、多少のことでは休みません。でも、風邪でしんどいと、それだけでパワーが出ないっすもんネ(^^;。早寝します。
2006年01月25日(水) .... 前場右肩上がり、後場右肩下がり。ライブドア、ついにザラ場で寄付く
TOPIX : 1618.46 (+6.03, +0.37%) | 日経平均 : 15651.00 (+2.11, +0.01%) | 円ドル : 114.95 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、3日ぶりの買い越し(4640万株売り/ 5230万株買い)。この程度だと、事実上はチャラですね。相場は、エルピーダの赤字転落発表を"好感"して買い気配でスタートしたり、全体に雰囲気はかなりアップビートでスタート。後場に入って、短縮取引のライブドアが寄付き、市場の関心がそちらに行ってしまった感があったのですが、何はともあれ寄付いたことで、ライブドア・ショックも峠を越えたと多数が考えていること実証した格好。相場も、ようやく多少は普段のペースに戻りつつあることを感じた1日でした。
● 全体感とすると、前場は堅調で右肩上がりだったこともあり、ソコソコ地合いも良かったと感じたのですが、後場のズルズルと下落する右肩下がり、伸び悩みは、あまり雰囲気が良くなかったのは事実(下記、日中足ご参照。出典:Yahoo! JAPAN Finance)。もっとも、後場は、あれだけ注目されていたライブドアが、寄付きから上にほとんど行かなかった(後述)ことで、マーケット全体の雰囲気が落ち込んだ面もあったので、明日以降の相場で、もう一度地合いを確認する必要はあると考えています。
● ライブドアについて書くのは、そろそろ終わりにしたいのですが(^^;、なかなか状況がそうさせてくれません(^^;。昨日、東証が発表した取引短縮などの措置もあって、前場は基本的に忘れることができる銘柄でした。今日のストップ安でジュース一缶の値段になるってことで、板の状況は昨日までと相当に変化。朝10時頃には、まだ午後1時半まで取引が始まらないのに、4000万株近い買いが入っていました。午後1時15分過ぎには、ストップ安水準では買い長の状態に。午後1時半の"寄付き"直前では、127円前後で計算。実際に売り気配が出たところで130円近辺計算中。午後1時45分過ぎに、誰かが大量買いを入れて、計算気配は一気に145円程度まで上昇。
● 最終的には、午後1時53分に155円で初値を付けて、久しぶりのザラ場取引成立。その後、ザラ場で164円まであったものの(午後2時0分)、その後は階段状に下落。安値はストップ安の126円直前の128円まであって、結局は137円引け。出来高は4億2155万6083株でした。売買代金は633億円強。当然、東証マザーズ市場ではダントツのトップだったし、東証1部換算でも第5位。わずか1時間半の取引としては、相当のものでした。
● 今日はやはり歴史的な出来事の一つとして、ライブドアの日中足を残しておくしかありません。と言うわけで、いつも通り、出典はYahoo! JAPAN Financeです。取引時間が90分間しかなかったのですが、上記日経平均の日中足と見比べると、何となく連動性が感じられると思います。
● 東証システム不安もあるにはあったのですが、実際には、ライブドアがザラ場で取引されても、市場全体の途中中断などの最悪の事態には発展しませんでした。今日の東証件数を時系列に書くと以下の通り(出典:東証ホームページ)。
時間 | 注文件数 | 約定件数 | 前時差分 |
10時 | 230万 | 85万 | +85万 |
11時 | 340万 | 155万 | +70万 |
14時 | 480万 | 240万 | +85万 |
15時 | 580万 | 290万 | +50万 |
確定 | 582.9万 | 303.9万 | +63.9万 |
● 確かにライブドアが寄付く前後の1時間では、ある程度の約定件数増加が見受けられますが、それほど極端な数字ではありませんでした。もっとも、今日に関しては、市場関係者があまりにもライブドアに注目しすぎて、他のことをやっていなかった面があったかもしれません(^^;。
● なお、明日以降についても、東証からはライブドア株について、新たに色々な売買規制が発表されています。東証HPに、「投資者及び関係の皆様へ -ライブドア株式の売買に関する措置について-」(http://www.tse.or.jp/news/200601/060125_e.html)として掲載されているのですが、要約すると下記。
(2) ライブドア株の買付けについて、買付顧客から買付代金(現金)の即日徴収
(3) 自己計算による売付け及び買付けの禁止
(4) 信用取引による新規の売付け及び買付けの禁止
● 今日、同株がザラ場で寄付いたことで、明日以降、よりマネーゲーム化するリスクはかなり大きく、それへの対策という点はそれなりに理解できます。ただ、何度も書くのですが、取引所がほんの少しでも市場参加者から売買の機会を奪うというのはとても重たいこと、という点は認識しておいて欲しいものです。
● 結局、今日の話題はライブドアだけになってしまいました。反省しています・・・(^^;。2004年初頭(1月前半)の自分のコメントを読み返していると、エッジ(現ライブドア)が分割バブルで爆騰していた当時の事を、ありありと思い浮かべてしまいます。自分で書いた文章だから、余計にそうなんです。
● もちろん、あの頃に眉を顰めていたのは私だけではなく、色々なサイトに当時の件については、書かれていました。もう更新されなくなってしまったJ_Coffeeさんのサイトもその一つ。http://j_coffee.at.infoseek.co.jp/kabushikibunkatsu3.htm などは、その代表格ですし、今でも事件を理解するのに役立つと思います。もう一つ、夕凪さんの http://www.geocities.jp/yuunagi_dan/jissen/Jissen016.htm なども参考になると思います。当時から、「株式分割バブル」に警鐘を鳴らしていた方々は、いっぱい居たのです。
2006年01月24日(火) .... 急反発、"ホリエモン"逮捕で不透明感が一部解消
TOPIX : 1612.43 (+24.53, +1.54%) | 日経平均 : 15648.89 (+288.24, +1.88%) | 円ドル : 114.60 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し継続(4100万株株売り/3240万株買い)。ただ、市場の"寄付き前"話題は、やはりライブドア(4753)。昨晩の「堀江社長逮捕」のニュースは、号外も出たようですし、夜のニュースでも花盛り状態。ただ、市場にとっては、あれで「かなり終わった」ということだったのでしょう。ライブドアに投資・投機して失敗した方々は、自分の判断を責めるしかないわけですが、市場全体としては、不透明感が相当部分、取り除けた、と評価した格好の1日でした。もし「ホリエモン逮捕で株急落」なんて記事を予定していたメディアがあったとすれば、「えぇ気味」(^^;。そうは問屋が卸しませんでぇ!
● 寄付きの買いが一巡した後、前場中盤にちょっとダレそうな局面もあったのですが、そこで日経平均先物に500枚買いの連発攻撃。これがきっかけとなり、裁定買いを交えて指数は一段高。その後、ずっこけそうになる度に先物市場が支えたり、現物市場が支えたりで、結局、大きな押し目がないまま大引け。大引け間際には、日計り族のポジション調整でやや伸び悩んだものの、昨日とは違って、かなり良い感じの引け味でした。
● ただ、ちょっと気になった面もあります。東証1部の出来高は15億8839万株、売買代金は2兆2753億円で、ここ最近のマーケットからすると、活況とは言い難い状況。売買単価は1432.49円とかなり高かったものの、それを含んで考えても、やや商い的には伸び悩み感があったのは事実です。ある意味では、今回のライブドア・ショックで、個人投資家の一角がやはり、相当に慎重になっている面を指し示しているのかもしれません。今後の相場展開への影響といった面では、頭に入れておきたい点です。
● さて、大引け後、東証から「投資者及び関係の皆様へ(今後のライブドア株式の売買の取扱いについて)」(http://www.tse.or.jp/news/200601/060124_g.html)なる文章がリリースされています。内容を簡単に書けば、
(2) ライブドア株の取引は午後1時半から午後3時に制限
(3) 始値成立後の売買動向により、売買停止措置もある
というもの。ライブドア一銘柄のおかげで、東証全体が売買停止に追い込まれるというのは、東証にとっても耐えられない出来事でしょうから(^^;、それを避けるための特別措置としては、仕方ない面があるとは思います。ただ、投資家からほんの少しでも売買の機会(たとえライブドアだとしても)を奪うという行為は、取引所としては非常に重たいものだ、という認識は持っておいて欲しいと考えています。
● 最後に雑談。昨日書いた「N響アワー」の話、みんな無視かと思ってたら、意外に反応がありました(^^;。調子に乗ってもう一つ。その「N響アワー」番組の締めは、「弦楽のためのアダージョ(バーバー)」でした。ただ、こう言われても、どういった曲なのか分からない方の方が圧倒的に多いと思います(私も含めて・・・(^^;)。実は、オリバー・ストーン監督の「プラトゥーン」のテーマに使われた曲(そう言われれば分かる?かな?)です。私も知らなかったのですが、昔からあった曲なんですね(^^;。てっきり、あの映画の為に書かれた曲だと思っていました。
● とても切ない旋律が印象的ですが、頭に浮かぶのは、チャーリー・シーンが最後にヘリで運ばれていく場面。音楽を聴いてすぐに場面を思い出すというのは、映像も音楽も両方ともにパワフルでないと成立しないもの。パワフルな映像と音楽があるからこそ、いつまでも記憶に残るんです。個人的には、ラップには付いて行けないですけど、この辺の音楽ならばネ・・・(^^;。
2006年01月23日(月) .... 急反落、NY株大幅安などで再び不透明感
TOPIX : 1587.90 (-36.49, -2.25%) | 日経平均 : 15360.65 (-336.04, -2.14%) | 円ドル : 114.80 |
● 金曜日のNYダウは213.32ドル安(1.96%安)、NASDAQ総合指数は54.11ポイント安(2.35%安)。CME日経平均先物は15255円と、前週末の大証比でなんと485円安。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、また売り越し(5240万株売り/4420万株買い)。こりゃあ、笑うしかありません(-_-;)。せっかく日本ではライブドア・ショックに多少なりとも行き先が見え掛けてきたところで、今度は海外初の振動。まだ落ち着きと言う点では、時間が掛かりそうな雰囲気。
● 今朝は寄付きでかなり売りが集中したものの、それが一巡した後は、比較的落ち着いた展開。パニック的な売りが市場を襲ったのは、初っ端の15~20分程度だけでした。今日の日経平均SQを計算すると、前日比344.34円安の15352.35円。日経平均のザラ場安値が前日比383.98円安の15312.71円(9時22分)だったので、「幻のSQ値」ではありませんでしたが、その後、かなり戻ったことは感じて頂けると思います。
● ところが、10時過ぎに買いが一巡した後は、再び右肩下がりのジリ貧。結局、日中安値ではなかったものの、安値圏での引けとなり、あまり引け味は良いとは言えない状況でした。後場は特に商いもどよぉ~んとした状態で、東証のリミットには遠く届かず、約定件数は291.8万件程度(http://www.tse.or.jp/news/200601/060123_f.html)。別に商い自粛があったとかではなく、要は儲からない相場では、参加する人が少なくなる、ってことです(^^;。
● 今日も日経平均日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。やっぱり、後日読み返した時に、日中足があるとないとでは、イメージの浮かび方が違いますから・・・(^^;。
● 一歩下がって相場を俯瞰して感じることは、当分は振られる展開が続きそうだってことを再確認した1日だったし、まだまだ「落ち着いた」なんて言える状況ではない、ってこと。ただ、このところの下げで、理屈抜きだった銘柄が理屈に従った値動きをして、まともな銘柄の方が下げ渋るので(当然と言えば当然)、機関投資家にとっては、足元は悪くない状況と推察します。多少はバリューもやる気が出てきた印象があるし、機関投資家的には、この1週間ほどは「勝てる相場」だと思います。なお、この「勝てる」というのは、「実現益が出る」と言う意味ではありません。対ベンチマークでアウトパフォームする、という意味です。為念。
● 一方、個人投資家の場合、懸念された追証発生は予想したほどではなかったとは言いながら、私がかなり参考にしている某個人投資家のブログでも、「これだけ多くのトレーダーが血を流したその後で、何事もなかったかのように再度上昇トレンドに戻れるほど、マーケットって鈍感ではないと思う」(http://blog.livedoor.jp/voltaire/、勝手リンク、ゴメンナサイ)とのコメント。本当にその通りだと思います。その一方で、騒乱のときにチャンスがあるのは、紛れもない事実。チャンスをチャンスと考えることが出来るかどうかは、その時々の状況(含損益(^^;)ですが、少なくとも、そうなる「努力」はしたいものです(^^;。
● ちなみに、上記ブログでも記述があったのですが、ライブドアが寄付くと東証の約定件数リミットがあっと言う間に使い果たされてしまうのではないか、という件。これは、あの売買停止の頃から、市場筋の間ではかなり語られています。当然、東証側も何らかの対策を考えていると推察します(でないと、本当に"取引できない取引所"になってしまう)。個人的にうがった見方をすると、以前、立会場で色々な銘柄が取引されていたとき、俗に言う「笛吹き」(取引中断)はかなり頻繁にあったし、その制度は残っているはず。なので、寄付いた瞬間に「取引集中」を理由にライブドアを取引中断にすることは、多分、制度上は可能だと思います(東証に確認したわけではないけど・・・)。また、大証でのプライムシステムのように、「板寄せ」のみの値付け方式も、やってやれないことはないでしょう。多分、後者はやらんでしょうけど・・・。
● 夕方、「ライブドア堀江社長逮捕」のニュース。ここで安易に先行き予想するのは、妙にエキサイトする方々が出てきそうなので、一応、止めておきます(^^;。ただ、言えるのは、相場というのは「不透明感」を一番嫌う、ってこと。この「ホリエモン逮捕」で、不透明感が強まったと受け取るか、不透明感の一つが解消したかと取るか、そのどちらが多いかで、明日の相場にも影響が出そうな気がしています。株式市場は"美人投票"ですから、自分がどう考えるかも大事ですが、それ以上に、市場参加者がどう考えるかがより重要。この点をお忘れなく!
● 相場もあまり良くないので、がらりと話題変更。爽やかな雑談に行きましょう(^^;。毎週日曜日夜に、NHK教育テレビで「N響アワー」という番組があるんですが、昨日は、初っ端から「映画スター・ウォーズのテーマ」でスタート。普段はかなり"お堅い"曲目が多いのですが、今回は「劇伴音楽」とのテーマで楽しめました。この曲は、もちろんジョン・ウィリアムズ作曲。現在クラッシックと呼ばれているものの多くは、言ってみれば、その当時の"ポピュラーミュージック"だったわけで、このスター・ウォーズや他のジョン・ウィリアムズの作品(ジョーズ、ETなど)も、堂々と後世に残っていくひとつだと思います。
● ジョン・ウィリアムズと言えば、映画音楽ではもちろん有名ですが、それ以上に有名なのは、彼が1980年代後半から90年代前半まで率いたボストン・ポップス。ボストン交響楽団(Boston Symphony Orchestra)が夏場に変身する楽団ですけど、これはお世辞抜きで滅茶苦茶お勧め(^o^)。もし夏場に米東海岸に行くチャンスがあれば、是非ともボストンまで足を伸ばして欲しいものです(チケットが手に入ればですが・・・)。NYCとボストンは、飛行機で約1時間弱(実際に飛んでいるのは35分間程度)。ちょうど、日本で言うと東京・大阪より近い距離で、シャトル便がバスのように相当数飛んでいます。なお、ボストン・ポップスは、8月はタングルウッド音楽祭に行ってしまうのでご注意を。そう言えば、かつてボストン交響楽団の音楽監督はかの小澤征爾氏でした。何かとつながりがあるでしょ!
● ボストン交響楽団のURLは、http://www.bso.org/ です。そこから、ボストン・ポップスには、http://www.bso.org/armsOfBSO.jhtml?catName=Pops&area=pop で飛べます。
2006年01月20日(金) .... ほぼフラット、朝高も後場は週末控えて伸び悩み
TOPIX : 1624.39 (+4.10, +0.25%) | 日経平均 : 15696.69 (+0.41, +0.00%) | 円ドル : 115.60 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、一転して買い越し(3890万株売り/4890万株買い)。ただ、ここ最近の個人パワーからすると、外国人投資家の動きは大したインパクトを感じません(^^;。今週の投資部門別売買動向が出てくるのは来週ですが、どんな個人投資家のシェアになっているのでしょうね?恐ろしくも興味津々です。
● 相場の方は、「寄り天」を心配していたのですが、その通り、絵に描いたような「寄り天(寄付き天井)」になってしまいました(^^;。チャートの上でもそうですが、実は今日のSQを計算すると、前日比215.58円高の15911.86円。ザラ場の日経平均高値が前日比179.11円高の15875.39円だったので、かなり上に乖離していることが分かります。このSQ値を基点にしてみると、より一層、「寄り天」度合いが分かっていただけるかと・・・。最後は多少戻ったものの、朝方の勢いからすると、あまり良い引け味ではありませんでした。週末だから、仕方ない面もあったのですけどね。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 時系列的に行くと、前場はまだ小高いまま推移したのですが、先物が始まってから東証の現物がスタートするまでの30分間に、先物がズルズルと売られてしまい、これで東証の現物も軟化。この30分間というのは、先物の動きに全く左右されてしまうので、かなり難儀な時間帯です。"仕掛け"とまでは言いませんが、先物市場の空気が後場寄付きの現物を支配する格好になってしまいます。上がるときもそうですが、今日のように下がるときもある、ってことです。上記グラフでも、雰囲気の変化は分かります。妙なリスクを抱え込まないためにも、早急に先物と現物のスタート時間を一致させることを願っています。
● また、ザラ場中(特に後場)の相場は、ソフトバンクの上下動に合わせるように上下(^^;。いまや、心理的にも日経平均的にも、ソフトバンクの動きがマーケット全体を揺り動かす感じすらあります。日経平均採用の最大ウェイト値嵩株として、上にも下にも日経平均を揺り動かす存在は、"みなし額面変更"対応のまずさを、より一層引き立たせてしまっています。今後、もし日経が対応方針を変えないのだったら(多分、変えないでしょう)、今後も似たような問題が日経平均に対して発生する可能性が残ります。
● 今日の東証1部出来高は20億9604万株(前日比3億6837万株減)、売買代金は2兆9952億円(前日比4019億円減)でした。一方、大引け時点での東証注文件数は656万件、約定件数が335万件程度と発表されています(http://www.tse.or.jp/news/200601/060120_d.html)。昨日は約定件数が400万ギリギリまで行った事を考えると、落ち着いたというか、醒めたというか・・・(^^;。
● 今朝の日経によると、NYSEの1日あたりの約定件数は最大2100万件。米国では、小口電子取引(SOES)が稼動して約定件数がかなり増加しました。さらに、ティックが1セントに変更された際にも、約定件数の増加を懸念する声があったのですが、当時NYにて勤務していた私でも、特にシステム的な負荷を感じたことはありませんでした。インフラの重要性への考え方の違いと言えばその通りかもしれませんが、こうなってしまうと東証の機能不全は"しんどい"出来事です。日本全体がそう言った目で見られてしまいますから・・・。今週末も東証"社員"の方々は出社だと思いますが、公共機関としての責任という面から、何とか一層の改善をお願いしたいところです。
● 話題変更。大引け後に、恒例の東証1部昇格銘柄が発表されました(http://www.tse.or.jp/listing/1section/1sec.html)。今回は、サンエー(2659)、CVSベイ(2687)、バンダイV(4325)、創建ホーム(8911)の4銘柄がご昇格。実施は2月1日です。事前に色々なレポートや何から予想されていたものと、あまり大きく変わらないので、極端なサプライズはありません。TOPIXへの算入方法が変更されてから、昇格イベントもぐっとおとなしくなった印象があります。ただ、基本的な需給の仕組みは変わっていないので、買わなきゃあいけない方は買うし、買う必要がない方は買いません(^^;。どういった時に「買わなきゃあいけない」状態になるかは、ちゃんと見ればそれなりに分かります。「No Pain, No Gain」ですから(^^;、頑張りましょう!
● また、今日は恒例のTOPIX月末修正も発表されています。東証のHPでは、「新株予約権の行使等に伴う上場株式数等の変更」(http://www.tse.or.jp/news/200601/060120_e.html)として資料が掲載されています。慣れないと分かり難い面がある資料ですが、必要な情報は網羅されているので、これも「No Pain, No Gain」で頑張って読み解きましょう!ヒントというほどではありませんが、2銘柄ほど、ちょっと気を付けた方が良いウェイト変化があります。ご注意を。
● 最後に一つ気になったこと。今朝の読売新聞に、「株大幅分割を制限、政府・与党が法規制検討」(http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5900/news/20060120i101.htm)とのヘッドライン。本当に、何も分かってないんですね・・・。今年1月から、保振預託分に関しては、新株が事実上即時交付になったので、もうそんなことは発生し得ないのです。敢えて言うのであれば、最低単位あたりの投資金額が下がることによって、買いが入りやすくなる効果はあるでしょうけど、それで「非現実的な急騰」はほぼ不可能。こんなこと、ちょっとマーケットに参加したら分かっているのに、堂々とこんなコメントする方もそうだし、それを記事にしてしまう方もそう。誰かちゃんと政府・与党にブリーフィングしてあげないとマズイっしょ。世界中に恥を晒すだけです。
● それ以上に、今回の件で、株式分割にネガティブな見方が広がるのを恐れていました。株式分割が悪いのではなく、かつて、新株の交付に時間が掛かるという制度面のスキというか「不備」があり、それを突かれたのが大きな原因。株式分割は、基本的に良いことなのは、皆が分かっていること。そして、その「不備」はほぼ解消されたのに、あたかも株式分割が悪いように「政府・与党」が検討するなんて、正常ではないですね。ホンマ・・・。
● 本当に忙しい週でした。東京は今週末は雪?!?皆様も良い週末を!
2006年01月19日(木) .... 大幅反発、押し目買いでほぼ全面高
TOPIX : 1620.29 (+45.62, +2.90%) | 日経平均 : 15696.28 (+355.10, +2.31%) | 円ドル : 115.15 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、2日連続でかなりの量で売り越し(7700万株売り/4880万株買い)。ただ、寄付き直前にソフトバンクが買い越しになるなど、今日は朝から買い先行。今朝のSQを計算すると、前日比79.23円高の15420.41円だったので、寄付きは若干おっかなびっくりだった雰囲気ですが、実際に上がり始めると、一斉に買いが入ったイメージ。なんていうか、方向性を確認して入ってきたって感じが強く(^^;、奈落の底に落ち込むような昨日の後場前半の動きからすると、随分と違った空気でした。なお、東証1部値上がり銘柄は1514銘柄に達し(値下がりは130銘柄)で、文句なしの「全面高」でした。
● 歴史的な相場が行われていることもあるので、連日ですが、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。あとで振り返るにしても、グラフがあった方がイメージがつかみやすいので・・・。
● 今日は東証1部33業種全てが上昇。落ち着いて考えてみれば、昨日はライブドアなどと何の関係もない銘柄までバカスカ売られていたし、当然のことながら、割安感を感じる銘柄も出てきた状態。実際、朝の外資系証券動向はかなりの売り越しだったものの、誰かは分からないのですが、前場の早い時間帯に、しっかりと主要銘柄を買っていた向きもあった感じ(多分、外国人投資家)。したたかですね(^^;。
● 今日の日経平均の高値は、前日比399.64円高の15740.82円。午後1時11分に記録しています。昨日のザラ場安値(15059.52円、746.43円安)からすると、681.30円も戻したことになります。ライブドア・ショックが始まる前日、1月16日の終値(16268.03円)からすると、昨日のザラ場安値まで1208.51円の下落で、今日のザラ場高値でその半分強を戻したことになります。ここからです、本当の戦いは・・・(^^;。
● 個別には、昨日一時ストップ安まで叩かれたソフトバンクが、最後はストップ高まで買われるなど、非常に個別銘柄のボラティリティーを感じる日々です(^^;。ただ、東証1部出来高は、前日比で8億1530万株の減少で24億6441万株、売買代金も前日比で5697億円減少の3兆3971億円でした。絶対水準としてはかなり多いものの、昨日比で減少していることは、余計に昨日の商いの多さを立証していることでもあります。つまり、昨日の下げ相場が一つの「セリング・クライマックス」だったことを感じさせる点の一つです。ただ、ここからは英語でいう「Sustainability(持続可能性)」が問題。これが証明出来れば、相場は元の上昇基調に戻る可能性が強くなるし、駄目だったら、もう一度下値トライをすることになります。私は水晶玉を扱えないので、良く分かりません(^^;。日々素直に相場を見るだけです。
● そうそう、今日も東証はおっかなびっくりの状態でしたが、後場が午後1時から始まったこともあって、今日は大引けまで取引ができました。ちゃんと比例配分も出来たし・・・(^^;。約定件数や注文件数については、東証HPの「新着情報」(http://www.tse.or.jp/news/index.shtml)に時系列的に掲載されています。ご参照を。>
● 少し話題変更。与謝野経済財政・金融担当相が、閣議後の会見で、「他の証券会社が追随しなかったのは賢明な判断=ライブドア担保掛け目」との発言。まぁ、これだけの市場インパクトを与えてしまったのだから、感情的なものもあって、マネックス証券が何かと叩かれるのも避けられないのでしょう。
● ただ、擁護するというわけではなく中立的に見ても、マネックス証券が実施した今回の件は、会社のリスク管理・与信管理としては当然のことをしたまで。証券会社に限らないでしょうけど、金融機関では、何かあったときにクレジットラインを絞るなんて日常茶飯事だし、リスク管理・与信管理としては当然の施策です。逆に、なんらかのリスクが発生したときに、ボケーっと何も対応しないでいるという方が、会社のポリシーとしては問題です。
● しかし、今回の件では、個人向けの商売で、法人取引の世界でのやり方をそのまま当てはめてしまった点について、実施方法に検討の余地はありそうです。マネックス証券にしても、これだけのインパクトを与える意図は無かったでしょう。でも、次回はより慎重にならざるを得ないと思います。附則的に、今回の相場急落で、信用取引のレバレッジの恐さを初めて分かった方々もいらっしゃったことでしょう。高い授業料だったかもしれませんが、中長期的には、この経験はそれなりのメリットがあると考えています。
● 実は、昼休みにマネックスから「ライブドアオート(7602)の代用有価証券掛目の引き上げについて」なる発表がありました。掛目を0%から80%に引き上げるというもの。同株は今日、寄付いたためだと考えられますが、これが心理的にマーケットにポジティブな効果はあったと思います。実際に同株を担保にしている向きは多くないと思いますが、マネックスの"方針" が「寄付けば担保余力が戻る」という方向で見えてきたという連想が起こるからです。
● もっとも、大引け後には、岩井証券がライブドア関連の担保掛目引き下げを決めた、とBloombergに流れていました。今朝の日経金融新聞には、各社の方針が出ていて、突然には担保掛目をいきなりゼロ、なんてしないような声が多かったのですが、これは各社のリスク管理方針ですから、一律的にというのもおかしな話。こういった施策の違いが「当たり前」と受け止められるようになるなら、これも中長期的に良いことだと考えています。
● そうそう、最近更新をサボっていましたが、そろそろ四半期業績開示の時期。例の日米企業決算発表予定ワークシートをアップデートしておきました。左側のフレームから、ダウンロードページにお進み下さい。なお、例によって、意図的に数日遅れのものをアップしています。そんなに錆付いていることはないと思いますが、ご了承を。
● 最後に雑談。某トレーダーが、「今回のライブドア・ショックで、一番得をしたのは、ヒューザーだ」って。本当にその通り(!)。もしライブドア・ショックが無ければ、ヒューザーが新聞の一面を飾っていたでしょうし、もっともっと厳しい追求になっていたと思います。隠れてしまいましたもんね(^^;。
● 今日も全くまとまりのない文章になってしまいました(^^;。読みにくくてスミマセン。
2006年01月18日(水) .... 今日は東証売買停止ショック、日経平均一時746円安
TOPIX : 1574.67 (-56.94, -3.49%) | 日経平均 : 15341.18 (-464.77, -2.94%) | 円ドル : 115.65 |
● 朝からインテル(INTC)、ヤフー(YHOO)がはっきり言ってボロボロ。さらに、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの量で売り越し(6040万株売り/ 3170万株買い)。ライブドア・ショックは、新聞紙上でも"粉飾決算"、"本体関与"などの文字が踊る中で、東証は同株を売買停止措置に。しかし、今日の市場でより大きな影響を与えたのが、東証の売買システム機能不全による売買停止。あまりにも注文・約定件数が増加してしまったので、取引所の売買システムとしてハンドルできなくなった、ってこと。後場の下落加速局面では、これがかなり響きました。昨日はマネックスの担保価値ゼロ決定、今日は東証システム機能不全。大きなイベントが相次いで起こるものです。
● とりあえず、今日の日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。Y軸の縮小の関係で、あまり動いていないように見えるかもしれませんが、今日1日通しての日経平均の日中値幅はなんと666.12円にも達し、かなりエグい乱高下状態にあったことが分かります。
● 時系列に行くと、午後1時前に東証から「約定件数が400万件超えると、株式全銘柄が売買停止」とのお知らせ(http://www.tse.or.jp/news/200601/060118_a.html)。リリースによると、前場で既に232万件あったとのことで、これが伝わった時には、後場の方が商いが多い印象があったので、これはヤバイとの連想が急拡大。それが、絶大なパニック売りを引き起こし相場全体はアレヨアレヨという間に急落。
● TOPIXは一時前日比92.76ポイント安(-5.69%)まであったし、日経平均は一時前日比746.43円安(4.72%)までありました。その渦中で、成行きでボコスカ売られる様子は、本当に久しぶりに見るものがありました。TOPIXの安値は13時20分、日経平均の安値は13時21分。ひどかったですね、悲惨な状況でした、このあたりは・・・。
● ところが、その辺で急いで売るニーズが一巡してしまったたのか、ここから日経平均は踊場を挟んで、なんと450円近くもバンジージャンプ。午後2時14分に後場高値を付けたあと、今度は180円ほど下落して大引け。さらに、今朝のSQを計算すると、前日比154.49円安の15651.46円。これだけ見ると、安いけどそんなに驚く数値ではありませんでした。そこからズルズルと下落して前引けを迎えたものの、後場寄付きでは、もう一度安値アタック。ソフトバンクが最初にストップ安をつけたのもこのときだったし、昼休みに相場をチェックした個人投資家が、慌てて売却に走った姿も想像できてしまいます。後場寄付きSQは、前引けに対して70.69円安。普段は10円もずれることがないので、かなり大きくぶれたかが分かります。
● そもそも、ザラ場中に、「いつ全面停止するか分かりまへんでぇ」なんて言われれば、機関投資家もトレーダーも、そして個人投資家も、「閉まる前に売らなきゃあ」となるのは当然。特に、投信などの解約が予想される局面においては、現金が必要な場合にはちゃんと現金を作る(保有株を売却する)しかないのです。実際に、セールス・トレーディングの現場では、「とにかく売りをやってくれ」といった指示が相次ぐ状態で、セールス・トレーダー連中は、誇張抜きにかなり顔色が変わっていた印象がありました。
● 一方、個人投資家にとっても、ライブドア株担保価値ゼロに加えて、これだけマーケットが下がると、たとえライブドアを担保に入れていなかったとしても、担保不足に陥る可能性は高くなります。ここでも、ポジション縮小が基本的な対処方法。この信用買い残高だったら、多くの場合、ポジション縮小が「売り」を意味することになります。「いつ全面停止になるか分からん」で、相当に急いで売ったことが想像できるのです。
● そして、最終的には「売買取引の全面停止について」のお知らせが午後2時半頃に流れて(http://www.tse.or.jp/news/200601/060118_c.html)、今日は午後2時40分までで立会い終了。「終了」というのは、ある意味では正しい表記ではなく、午後2時40分に売買停止になって、そのまま「引け」がなく終わりました。なので、テクニカル的には、全銘柄ザラ場引け。本来ならば引ける銘柄も、大量にザラ場引けとなりました。ライブドアのストップ安比例配分も行われなかったし、「不成」なども執行できないまま終了。何かと異例な状況ばかりの1日だった締めって感じでした。
● セリング・クライマックスとの言葉が頭を過るのは事実ですが、問題は、それを考えるだけの「クール・ヘッド」が残っているか。明日には、もう少し見えてくると思いますが、これを書いている時点では、何とも言えません。押し目買いのチャンスと言われればそうかもしれませんが、チャート的に、かなり崩れてしまったのも事実。チャンスはありそうですが、難しい局面です。ちなみに、本日の東証1部出来高は32億7971万株、売買代金は3兆9668億円とかなり活況でした。
● 夕方、東証から明日の取引に関して、「東証、後場の立会い開始時間を当分の間、午後1時からにする」という発表(http://www.tse.or.jp/news/200601/060118_g.html)。ただ、現時点では大証やJASDAQについては、何の変更も出ていないので、東証現物以外は午後12時半スタートってことになりそうです。つまり、昼休みが増えるわけではないし、セールストレーダーとしては、自動執行プログラムなどの修正を加える必要が出てくるなど、かなり厄介な事態になりそうです。一方、TOPIX関連の先物・オプションについては、通常通りの売買を実施する旨、東証から発表されています(http://www.tse.or.jp/news/200601/060118_h.html)。
● えーっと、それ以外の銘柄は・・・。あまりにもドタバタで、注意して見ていることが出来ませんでした。ライブドアについては、色々とご質問を受けるのですが、この場所で同株に限定して書く事は、何かとリスクがあると考えています。なので、ライブドアに限定するのではない、という前提で、過去の例を見てみましょう。
● 社長が覚醒剤でつかまったり、暴行などで捕まったりした例は過去にもあったのですが、あくまでも個人の犯罪。銘柄としては、そのまま取引が実行されるケースが多いようです。逆に、カネボウは会社ぐるみの犯罪として受け止められ、上場廃止の憂き目にあいました。この辺が参照可能な過去の事件例ですが、どちらがライブドアに当てはまるかどうかは、全く不透明。私も全く分かりません(^^;。捜査の進展などを待つほか無いですし、この時点で断定するのは無理です。もっとも、不透明感というのは相場が一番嫌がることなので、それがネガティブ効果を発揮するのは、仕方ないとは考えています。
● 話題がバラバラで恐縮ですけど(^^;、今日のドタバタのなかで、感じた事を一つ。ちょっとカチンと来たのが、ロイターに流れていた大証社長の「システム容量に今のところ全く問題ない、通常通り取引を継続」というコメント。約定が返ってくるのに20分間も掛かる状態が「通常」ってこと?容量が足りていて、約定返送に10分も20分も掛かるのが普通ってこと?大証の約定案内のトロサに普段苦労しているだけに、さすがにカチンと来ました。ちょっと、コメントの仕方には気をつけて欲しいところです。
● 最後に、今日も誤発注があったみたいですね。銘柄はアデランス(8170)。誰か間違えて成行き買いを入れてしまった様子ですが(日中足ご参照)、これで高値を付けた13時37分は、相場全体がパニックになっていた時期。なので、ザラ場中は話題にもならなかったし、ほとんどの方は気付かなかったのでしょう(^^;。私も、大引け後に某氏からの電話で知りました(^^;。ご参考に日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● えらく長く、しかも文脈がバラバラのコメントでスミマセン(^^;。
2006年01月17日(火) .... 「ライブドア・ショック」?!?代用掛目ゼロで後場売り加速
TOPIX : 1631.61 (-38.54, -2.31%) | 日経平均 : 15805.95 (-462.08, -2.84%) | 円ドル : 114.75 |
● 米国はMartin L. King Dayの祝日でお休み。ところが、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの量で買い越し(4290万株売り/ 5440万株買い)。ただ、今日の市場関係者の話題は、当然のようにライブドア(4753)でした(^^;。この銘柄を中心にコメントを書くなんて、ちょっとおどろおどろしい感じがあるのですが、避けては通れません。でも、機関投資家的に見れば、今日の相場はそんなに悪くなかったと推察します。ライブドアに似たような銘柄が一斉に崩落したことで、バリューが効いた相場になりましたし・・・(^^;。
● 指数的には、午前中から安い事は安かったのですが、寄り後は右肩上がりの戻り歩調。そのライブドアは、もちろんストップ安。ただ、類似銘柄として筆頭候補のソフトバンクが、安寄りしたものの比較的安定感があったこと、銀行株が戻りに転じた事などから、前引け前にはプラス転換。このときは、「やっぱり買い意欲は強いねぇ~」という声も結構多かったのです。ところが、午後1時過ぎからは再び下落が始まり、午後2時頃からは下落にも加速感。アレヨアレヨというまに下げ幅を拡大し、指数で見る限り、久しぶりの派手な調整となりました。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● そのライブドア。ストップ安は当然としても、805,786株も比例配分したことの方が、ちょっとしたサプライズだったかもしれません(かなり多いと感じた)。単位株が1株なので、安めのコンビニ弁当程度(596円)で買えることで、リスクを取る人々がいらっしゃったのでしょうか。同株は寄付き前から2億株超という規模での圧倒的な売り越し。昨晩からライブドアの件で、メディアは大騒ぎだったし、なんせビジブルな銘柄なだけに、ワイドショーなんかでも大騒ぎだったことでしょう(私は当然見てないのですけど・・・(^^;)。
● ライブドアの材料そのものは、各種報道をご参照していただくとして、後場になって相場全体の下落が加速したのは、マネックス証券から出た、「ライブドア株式等の代用有価証券の掛目の引き下げについて」という文章。これが同社HPに掲載された(http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new/news601h.htm)のは昼頃だったらしいのですが、マーケットで話題になったのが午後1時半~午後2時前。掛目の引き下げなんて甘いものではなく、ライブドアと関連銘柄の計5銘柄について、代用有価証券の掛目を0%にしてしまいました。実施は本日、1月17日の引け後の評価から。
● これがどういう意味を持つかは、信用取引をしたことがある方は、十分以上に分かると思います。乱暴ながら簡単に言ってしまうと、ライブドア(や関連銘柄)を担保に差し入れて信用取引をやっていると、その担保価値がゼロになるので、下手すると、担保不足が発生してしまうのです。建てることが出来るポジションは、その分(その分×レバレッジ分)だけ減少することになるし、追証が発生する可能性もあります。
● そういった向きにすると、当然の対応策として、ポジションを縮小せざるを得ないことになります。実は、マネックス証券だけがこれをやるのだったら、影響は限定的かもしれませんが、当然のように、市場関係者の連想はマネックスだけに留まらない方向に広がります。他証券で信用取引をやっている方まで、「やばい!」とポジション縮小(現状ではほぼ売却)に走ることになるし、現物で取引をしている向きにとっても、「信用の投げが来るぞ・・・。信用買い残もえらい高水準やし・・・」と我先に売りに回ります。この連想が、後場の異常なほどの下げ加速の大きな要因だったと考えています。
● ライブドアは東証マザーズ上場銘柄ですが、東証1部の毎分売買代金分布を見ても、今日は前場が41.87%、後場が58.13%と、非常に後場の商いが活発だったことが分かります。データを見ると、午後2時頃からかなり取引が増加しているのが見て取れるので、この頃には、かなりの市場関係者が反応していた様子。直接ライブドアとは関係なかったとしても、かなり広範囲に売りが広がった様子が伺えます。
● 「ライブドア・ショック」が明日以降どうなるかは、実際、よく分かりません。一般的に、一度転がりだした車輪を止めるのは、それなりのエネルギーが必要なのも相場。今回は、上がるときもその様相が強かったし、下げ相場でも同じようなことが発生する可能性を考えざるを得ません。現在のマーケットは、需給関係が大きな要因を占めているのですが、その需給関係は心理という脆い面の上に立っているもの。なので、心理の変化は需給の変化に直結します。
● いずれにしろ、ライブドアは、昔も今も本当にお騒がせな銘柄です(^^;。機関投資家的には、東証1部でなくて良かったってことと、これで類似銘柄が理屈抜きに爆騰するような事態に、ある程度の歯止めが掛かる点は、素直に喜ぶ事にしましょう。一方で、最近、個人投資家の間で流行りになっていたモメンタム(スィング)投資という手法は、再考の時期を迎えつつあるのかもしれません。皆が同じことをやり始めると、リスク/リターンの関係が崩れるのは、古今東西、どんな相場でも同じ。一つの転機の可能性を感じる1日でした。
● そういえば、1月限SQ値(16535.94円)は、ますます「幻のSQ値」として記録に残りそうな雰囲気になってきました。経験則でライブドア・ショックは予想できなかったのは当然ですが、結果的に「幻のSQ値」になるところは、一概に論理的ではない、と突き跳ねられない感じがあります。明日を楽しみにしておきます(^^;。
2006年01月16日(月) .... 軟調、外国人売り越し・テクノロジー安
TOPIX : 1670.15 (-11.54, -0.69%) | 日経平均 : 16268.03 (-186.92, -1.14%) | 円ドル : 114.40 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、また売り越し(4300万株売り/3720万株買い)。少し流れが変わりつつあるのか、それともほんの一時的なものかは分かりませんが、昨年圧倒的に買い越した主体だけに、動向は気になります。寄付き前から市場筋の間では、かなりのサイズのバスケット売り観測も流れており、それがあったのかどうか、寄付き後はスコーンと下落。日経平均は一時前日比233.36円安(1.42%安)まであり、TOPIXも20.05ポイント安(-1.19%安)までありました。ただ、嵐のような売りは約15分間で一巡。前場はその後は戻り歩調。
● 後場に入ってからも、全体はどよぉ~~んとした感じだったものの、午後1時半過ぎに、先物市場が上昇し始めると共に(TOPIX先物に大口買いが相次いで入り、そして日経平均先物でもワンショット1000枚とか)、現物市場でも裁定買いが指数押し上げる展開。裁定買いに押し出されるように東証1部も、建設、銀行などの内需系銘柄が先行。ところが、買い一巡後は。再びジリ貧で下値模索。結局、あまり引け味が良いとは言えない状態での大引けになってしまいました。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 先週金曜日のSQは16535.94円だったのですが、金曜日は「幻のSQ値」状態でした。そして、今日もそれを回復するような感触はなし。あと2日間程度に、この水準へと回復できないようだと、経験則からは16500円絡みが、かなり重たくなってしまうかも知れません。科学的根拠は何もないのですが、市場では、大多数がそう信じるのならば、本当にそうなりますからネ・・・。
● 今日の相場で特徴的だったのは、東証マザーズ指数やJASDAQなどが強かったこと。東証マザーズ指数は、前日比+3.38%も上昇(明日はどうなるか分からんけど・・・)。東証2部は1.61%高、JASDAQ指数は+2.03%高でした。JASDAQ指数って17連騰ですって(^^;。東証マザーズは2004年7月2日の高値を抜いて、統計を取り始めて以来の高値更新。ホンマに一方通行になりますね、この手の銘柄群は・・・(^^;。東証によると、東証マザーズ指数は2003年9月21日終値が基準値で1000です。笑い話を一つ。東証マザーズのHPは、http://www.tse.or.jp/topix/mothers/index.html ですが、ここから「過去データ(Excel)」に行くと、なぜかREIT指数のヒストリカルデータにたどり着きます(^^;。
● ちょっと話題変更。今日は、信越化学(4063)の四半期業績発表がザラ場中(午後1時)にありました。大きな銘柄だと、この信越化学がスタート。来週はもっと大きな銘柄の四半期業績発表が相次ぎ、26日(木曜日)には、ソニーの四半期業績発表が控えています。実は、信越化学の数字も数字だけど、マーケットの反応にはちょっと注目していました。尊敬すべき数字が出てくるのはある程度分かっていたし、マーケットがその数字を素直に好感するのか、それとも材料出尽くしと受け取るか、について注目していたのです。結果的に、今日の引け方を見る限りでは、「材料出尽くし」という格好。下記に日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。個人的には、ちょっと残念ですけど、「これも相場」。究極的には、マーケットが正しいのですから・・・。
● この手のイベントでは、全く同じ数字だったとしても、市場センチメントによってその瞬間の解釈には違いが出ます。信越化学が、主要優良株系としては先頭バッターだっただけに、この流れが定着してしまうかどうかってことに注意しておきたいです。相場的には、悪材料が出てきても売られず、逆に出尽くしになって上昇するのが、一番楽しいのです。好材料が出尽くしで売られるというのは、実は、あまり嬉しい兆候ではありません。信越化学だけのことなのか、そして今日だけのことだったのかは、結構、真剣に見ておきたいところです。
● なんで業績そのものではなく、市場センチメントに注目するかですが・・・。これだけディスクロージャーが進んでいる時代では、信越化学クラスの大きな銘柄になると、極端なサプライズは発生し得ません。業績面での大きなサプライズは、事前に業績予想修正として発表することが義務付けられているし、アナリストが会社訪問した際に、会社側が「スルッ」と口が滑って未公開情報をしゃべってしまった、というようなことも信越化学レベルの銘柄では発生しません。
● つまり、市場参加者の持っている情報に大きな差がないなかでは、私個人は、市場センチメントの差が株価を動かすの考え方。もっと書けば、逆に株価の動きが、その銘柄の業績に対する"説明・解釈"を決定付けることもあるのです。この先、どんどんと四半期業績開示が進むのですが、そんな点から、引き続き「市場センチメント」の観点から見ておきます。業績の観点からは、アナリスト諸氏におまかせするとしましょう(^^;。
● 最後に、「さぁ、客先に・・・」と思って用意していた時に、Bloombergには、「東京地検特捜部、ライブドア本社を家宅捜索 - NHK」のヘッドライン。もうマーケットも閉まっているし、明日までには新聞が詳細に報道してくれるでしょうから、ここで敢えて何も書きません。ライブドアと言えば、フジテレビあたりが何かと"ハッスル"して報道するかもしれないし、今晩のニュースを見てから、何がどうなるかを明日までに考えることにしましょう(^^;。
2006年01月13日(金) .... まちまち、SQ高も全般は横ばい。また大型の誤発注・・・
TOPIX : 1681.69 (-2.65, -0.16%) | 日経平均 : 16454.95 (+9.76, +0.06%) | 円ドル : 114.50 |
● 今日はミニSQ。事前のデルタ計算では多少の売り越し予想だったと思いますが、実際に終わってみれば、若干の買い越し。例によって実況でいきましょう。Excel上の日経平均速算値は、8時40分頃までは前日比100円高程度と小動きだったものの、8時50分には1320円高(^^;。もちろん、これが本当だと信じる方もいないでしょうけど、8時55分に1080円高、8時57分に640円高、8時59分に610円高、8時59分30秒に430円高、そして実際には時計が9時を回ってから(9時00分15秒頃)になって、やっとお約束の売りバスケットがデータとして入って、速算値は小高い程度に。結局、SQは前日比90.75円高の16535.94円でした。まぁ、これでも165コールはイン・ザ・マネーになっちゃったってことです。
● 実は、今日のザラ場日経平均高値は前日比45.08円高の16490.27円でSQ値までは届かず、「幻のSQ値」となってしまいました。先物関係者の間では、「幻のSQ値」は、上値抵抗になったり下値支持になったりするし、転機のきっかけになると言われています。特に論理的な根拠があるわけではないのですが、実際、今日は目立つ「幻のSQ値」になってしまったので、少し注目をしておきます。
● SQのおかげで、当然のように東証1部の売買代金分布はかなり歪み、寄付きの1分間で今日1日の12.0%、寄付5分間で16.1%、10分間で18.5%の分布。前場が53.9%、後場が46.1%だったので、普段よりも5%弱は前場に触れたイメージです。毎回のことですが、興味深いのは、午後2時の機械受注。今日も、ここでピョコンと柱が立って、約1%の売買代金がこの瞬間に出来ていました。大引けが1.8%だったので、ザラ場の1分間としてはナカナカの規模。機械受注のイベントとしては、いまだにそれなりの存在感があります(^^;。一方、今日1日の東証1部出来高は22億9981万株、売買代金は3兆2060億円。市場筋推計でSQ関連出来高・売買代金は1億4000万株程度、2200億円程度とのことで、SQがあった割には、大した規模には膨らみませんでした・・・(^^;。
● 少し話題が外れるのですが、今日も取引所(特に大証)のシステム遅延がかなりひどく、結構、イライラとさせられました。朝の寄付きは、SQなのである程度覚悟はしていたものの、ザラ場でも例えば午後2時の機械受注発表後。特に日経平均先物は遅延が目立ち、発注してから約定が戻ってくるのに4分程度も掛かっていました。トレーディングルーム内での、「どないなっとんねん!約定返ってけぇ~へん!」の怒号が飛び交う風景も、今では見慣れたもの(-_-;)。15分もすれば落ち着くのですが、皆が取引したい時にまともに取引できない、というのはやはり困りモノ。
● 現物も大証はひどかったです。毎度のことながら、午後2時半過ぎから遅延がひどくなり、午後2時45分頃になれば、5分程度も結果が返ってこないのは「当然」って状況。ヘラクレスなどは、約定結果が返ってくるのに15分近くも掛かっていました。活況なのは分かるし、ヘラクレスはもうすぐ新システムに移行する予定があるのも分かるけど、結果が戻るのに15分も掛かるのだったら、本当にシャレになりません。
● 最近は、顧客とも大証銘柄は事前に相談して「早めに切り上げる」が普通になってきました。大引けの15時10分までやっていたら、結果が戻ってくるのが15時30分過ぎになってしまい、色々な約定処理業務に障害が出てくる状況に陥ります。また、取引だけを考えても、14時45分過ぎからは、反応が鈍くなりすぎて危ないので、委託取引ではリスクを避けるために、大引け近辺での取引を諦めて"14時45分締め"なんてことをせざるを得なくなっています。ホンマ、頼んまっせ!
● もう一つの話題は、また発生した「大口」誤発注。銘柄は三井住友FG(8316)。大和SMBCが銘柄間違いで2万5000株を寄付きで売りに行ってしまい、半分ほどの取り消しはできたものの、半分ほどが約定してしまったとのこと。前場中にほとんどの買戻しを完了した(損失約5億円だそうで)と発表しました。同株の日中足を添付しておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 実は、SQのときにSMFGが妙に安かったので、目には入っていたのですが、誰かが売り出しに関連して流動性の高くなるSQを狙って売ったのかな、なんて考えていました。誤発注の規模としてはかなり大きい(300億円弱)ので、ちゃんと発注金額で制限が掛かっていたら、銘柄間違いでも、止まったはずなんですけどねぇ。「OK」の二度押しだったんでしょうか?三井住友海上と間違えたんだろうと想像しますが、本当にそうだとすると、ちょっとお粗末・・・。電話発注で「三井住友」と言われて、そうなってしまったんでしょうか?!?
● 今回の件も、何かと要因が重なっているのは、傍で見ていて分かります。発注ロットはかなり大きかったのですが、今日がミニSQという特殊事情の寄付きでは、この大きさの注文も、傍から見ていると、「決してありえないロットではない」って面があります。さらに、上記したように三井住友FGが公募・売出を控えていることで、何か関連のある商いがあったのか、という連想も起こります。
● 株式市場には、昔からミスを防ぐために、独特の銘柄愛称があります。有名なところでは、「別子」が住友金属鉱山で、住友金属工業は「住金」ってところ。「別子」と「住金」って言われると、違う銘柄なんてことは誰でも分かります。でも、フルネームで「住友金属鉱山」なんて言われると、かえって「住金」と間違える人が出てくるでしょうネ。かつての証券界では、先輩からこの辺は叩き込まれたものだし、独特の銘柄略称をちゃんと言えることが、一人前の証券マンという空気も強かったのです。でも、バブル大量採用とバブル崩壊の頃から、これは何となく当てはまらなくなってしまったのです。立会場閉鎖も、かなり影響していたと考えています。
● 一方、最近は、新しい銘柄が大量に出てきて、愛称が追いつきません(^^;。私達のところでは、三井住友FGのことを、「SMFG」と英語的に言っていますが、これが業界標準とは思っていません。定着するには、やはり時間が必要なんです。その時間が経過する前に、合併やら何やらで銘柄名そのものがコロコロと変わるので、追いつかないんです(^^;。銀行業界だけでも、せっかく「とうみつ」(東京三菱)って呼び名が定着しつつあったと思えば、三菱UFJ FGなんですから・・・(^^;。
● 話を戻すと、最近は、相次いで誤発注が表面化することもあって、各社ともに発注を取り扱う部署はピリピリしていると思います。それだけピリピリしているにも関わらず、これだけの規模の誤発注が起こってしまうのは、単にトレーディングシステムの問題だけではないんです。株式は千差万別で、システム対応するにしても、画一的にどこかで線を引けるようなものではありません。条件をいっぱい付けて縛るならば、送信を押してから発注が出て行くまで、1分間も掛かるようなシステムになってしまうでしょうし・・・(^^;。また、単位株がバラバラになり過ぎて、ミスを見付け難くなっているという制度面の問題も見逃せません。
● 結局は、ちゃんと人間の眼で見て、頭で考えてスクリーニングするしかないのですよね。瞬時に「この注文はおかしい!」と気付くだけの能力がないと、やはりこの手のミスは止まらないのです。発注担当者だけではなく、営業マンもアシスタントも含めて、です。
● えらい長い文章になってしまって申し訳ありません。良い週末を
2006年01月12日(木) .... 上がって下がって、結局は堅調な引け
TOPIX : 1684.34 (+11.90, +0.71%) | 日経平均 : 16445.19 (+81.60, +0.50%) | 円ドル : 114.00 |
● NY株式は堅調、CME日経平均先物は高値引けの16430円(対大証比70円高)とこちらも堅調。「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び買い越しに復帰(4160万株売り/ 5530万株買い)。こうなれば、昨日後場の地合いを引き継いで・・・と考えたくなるところ。最近は、逆方向に行くことが多かったのですが、今日は大体、想定通りの相場展開でした。ただ、ザラ場中に日経平均で-0.32%、TOPIXで-0.17%まであったので、一時的には違った方向に流れたのは事実。最後は堅調な引けでした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 物色はテクノロジー中心。個別銘柄の詳細は他のニュースサービスのお任せするとして(えぇ加減でスミマセン(^^;)、びっくりは田辺製薬とエーザイ。後場後半になって両方ともぶっ飛び(一時ストップ高、下記日中足参照。出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● なんでも、1月10日21時28分に、田辺製薬のヤフ板(Yahoo!の掲示板のことです(^^;)に、「E社との合併」なるアップがあり、それが発端だとのこと。今日は12日やで・・・ホンマに(^^;。某トレーダーがボヤイていましたが、「新興銘柄だったら誰も信じないのに、ちょっと東証1部銘柄やから・・・」と。
● 背景としてはヤフ板があったとしても、これで株価が動いたと言うのなら、なぜ1月11日に動かなかったのか、との点が疑問。実際には、田辺製薬に大口買いが入ったことがきっかけで株価が大きく動き、それが「何?」になって、たまたまヤフ板をチェックした奴が、そういう掲示があるってことを見付けて、それが広がった格好でしょう。両社はBloombergニュースによると、合併観測を否定しています。もっとも、この株価の反応を見て、両社が「その気」になったりして・・・(^^;。いや、冗談ですよ!あとでインサイダーなんて言われるのは堪りませんから!
● 話題変更で雑談(よりもちょっとシリアスな話だけど・・・(^^;)。バリューが効かない状況が継続していることで、FM諸氏は苦労が絶えないと推察します(^^;。最近では、チラホラと「バリューファンドと言いながら、中身がグロースになっている」といった話を聞くようになってきたし、実際に運用成果という面からだけを考えると、そうせざるを得ない状況があります。これを書くと、ITバブルの頃を思い出してしまうのですが、難しい選択肢だと思います。結果が全てとは言いながら、その過程では何かと葛藤があるでしょうし、プレッシャーもあるし、胃に穴が開く方もいらっしゃるかもしれません。当初戦略を守ることも大事ですし、でもスポンサーは基本的に儲けることが最終目的。自分だったらどうするか?多分、流されるでしょうね(^^;。
● 実は、ここの掲示板で某氏から教えていただいたのですが、エン・ジャパン(4849)というサイトに、野村アセットの手塚氏の記事が掲載されています。多分、ITバブル中のことだと思いますが、手塚氏が「銘柄選定委員会」委員長として、「IT企業の一社であるA社」を買ってはならないとの決断を下し、その銘柄が爆騰し、その後、同株が暴落した件が掲載されています。これは、エン・ジャパンが書いた記事ですが、それなりの取材に基づいて書いているんでしょう。ちょっと格好良く書き過ぎかな、という気はするのですが(^^;、読み物として、こういったのが実名(写真入り)で出ているのは、それなりに珍しいと思います。なお、エン・ジャパンや野村アセットを宣伝する意図は一切ありません。為念。当該記事のURLは、http://gakusei.enjapan.com/2007/pro_view.php?NEXT_x=1&company_id=00040064&research_id=40015 です。
● 話題が飛び飛びですけど(^^;、明日の1月限オプションSQを控えて、再び、少しタイコム証券の建玉に注目せざるを得ない状況があります。タイコムのポジションは、公表されている手口・建玉から推測計算すると、現時点ではほぼデルタニュートラルと想像できます。ただ、1月限のオプションがExpireした後で、ヘッジ買いしていた先物をどうするのか、2月限、3月限にロールするのかなど、まだ不透明な部分が残ります(今日のオプション手口を見損ねた(^^;)。1月6日時点の同社日経平均先物3月限の建玉残高(大証発表)は、日経平均先物を8741枚ロング。半端な数ではありません(^^;。もっとも、昨年ほど話題になることはないと考えていますが、一応、頭のスミには入れておいた方が良さそうです。13日の金曜日ですしね、今回のSQは・・・(^^;。
2006年01月11日(水) .... 寄付堅調→マイナス転落→後場戻す→高値引け(^^;
TOPIX : 1672.44 (+13.41, +0.81%) | 日経平均 : 16363.59 (+239.24, +1.48%) | 円ドル : 114.85 |
● 今日は、何よりも日経平均なりTOPIXなりの日中足をご覧頂きたいです(^^;。かなり乱高下状態でした。某FM氏いわく、「船酔いしそう・・・」ってことでしたが、本当にそんな感じで、壊れたエレベーターみたいな上下動。結局、高値引けになったのですが、それまでにも結構ストーリーがあった1日。ただ、日経平均が妙にインフレした1日だったことも確かです。というわけで、下記に日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 最初から行きましょう。昨日の地合いを引き継いだのか、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、一転してかなりの売り越し(4660万株売り/3360万株買い)。今年に入ってから、集計上は初めての売り越しで、「今日はどう見てもマイナスやな・・・」の雰囲気。ところが、寄付いてみると実はプラス(^^;。「えっ、なんでや?」という空気。Excel上の計算では、今日のSQは前日比54.59円高の16178.94円だったので、かなり堅調だった寄付きが分かります。
● その後、9時半頃までは上値を取りにいく動き。ただ、これが一巡した後は、先物が売られてしまって現物もズルズルと下落。「ひぇ~」という感じもあったのですが、日経平均先物は16000円の大台アタック。ただ、ここで割れずに踏ん張ったことで、多少の戻し。その後、前場終盤にもう一度16000円アタックがあったのですが、それが割れなかったことで戻り歩調になって前場終了。
● 意外感はこれでは終わりません(^^;。その後、後場は一転して上値追い。相当に日経平均が先行した印象があり、ソフトバンク、ファーストリテ、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソニーなど、特に日経平均に影響多大な銘柄が一斉に大幅高。これらの銘柄が上昇して日経平均が上がったのか、先物先行で裁定買いが入ったからこれらの銘柄が上がったのかはともかく、日経平均イケイケドンドン型の後場でした(^^;。結局、終わってみれば高値引け(^^;。
● TOPIXも日経平均も高値引けだったものの、上昇率にはかなりの差が出ました。日経平均上昇寄与度上位5銘柄合計で、日経平均は100.6円も押し上げられ、上位10銘柄で142.1円も押し上げられる状態。この10銘柄がなかったとすると(^^;、日経平均は97円高程度。率にすると0.6%程度になるので、こちらの方がTOPIXに近く見えます。東証1部値上がり銘柄が867、値下がりが713銘柄だったので、実際はこの辺が妥当なところだったのでしょう。
● ちなみに、東証1部出来高は24億0107万株、売買代金は3兆2818億円と、昨日よりも若干減少したものの、かなりの活況です。目に付いたのは売買単価で、前日比で126.98円も上昇して1366.83円。大納会に1450円台があったのですが、これが昨年来最高。某市場筋(お世話になっております!)によると、これを越えると、ITバブル時代までなく、2000年10月27日に記録した1458円が次の水準。そして、その少し前の10月20日に1535円があるそうです。当時の日経平均は1万5200円程度。あの時は、日経平均に関係ない値嵩株が爆騰したのですが、今は日経平均採用の値嵩株が動いている差がある感じですね。
● 今後どうなるかですか?正直に書くと「分かりません」(^^;。私はトレーダーっぽい考え方をする方なので、流れには逆らわないように心掛けています。でも、トレンドフォローをやっていたら、最後にやられることも自覚しています。基本は、やられを小さく、儲けを大きくです。相場を予想することが目的ではない点は、書くときも読むときも注意しているつもりです。もちろん、簡単に出来る事ではないんですけどね・・・(^^;。
● 話題変更。今日は TradeWave(ロイター)が前場中、全面的にダウンしていて(昼休みに復旧)、一部の機関投資家から証券会社への注文ルートが遮断される状況に陥りました(-_-;)。チョッと長くなるのですが、ご存知ない方にご説明。TradeWaveやTradeNetX(QUICK)というのは、機関投資家と証券会社をつなぐ発注システムのことです。機関投資家は大量の注文をさばく必要があり、さらにセキュリティの観点からも、こういったクローズド・システムを使って多くが発注しています。基本的にはネット証券などのシステムと同じですが、直接市場に流れる注文(DMA-Direct Market Access-という)と、証券会社のセールストレーダーがいったん受けとって、それで執行を計らうやり方があります。
● 今日は、その基幹的システムのひとつがダウンしたと言うわけ。最近は、多くの機関投資家は、TradeWaveやTradeNetXを使って発注、約定連絡、セトルメントの流れが出来上がっているので、そのどこかが遮断されてしまうと、かなり厄介な状況に陥ってしまいます。もちろん、昔の「電話発注」というやり方はいつでも使えるものの、これをやると、一つの電子的な流れになっているフローが使えないので、事務的に面倒になるのです。証券会社側がずっこけたのであれば、「他証券に出せば良い」という状況もありえるのですが、今回のように発注元の根元が遮断されてしまうと、どうしようもありません。これも「システム障害」ですね。
● どこまでコンティンジェンシーを考えるかは、結局は、コストとの相談。100%の保証なんてあり得ないとしても、90%台の水準を保証・維持するには、膨大なコストが掛かります。実際問題、イメージ的に80%台後半までシステム的に対応して、あとは随時対応って感じ(^^;が現実的かと・・・。今回の件で、TradeWaveが使えなかった顧客が、「じゃあ、TradeNetXも併用しよう」なんて考えるかと聞かれれば、コスト面で実現しないでしょう。厄介ですけど、「手作業の余地を残す」という選択肢がある方が、いざと言うときに対応しやすいと思います(^^;。冗談ではなく、本当にそう感じるこの頃です・・・。
2006年01月10日(火) .... 朝高も結局は急落で終了、大証引け後にSGXは一段安
TOPIX : 1659.03 (-25.87, -1.54%) | 日経平均 : 16124.35 (-303.86, -1.85%) | 円ドル : 114.55 |
● 昨年はフラットだったNYダウは、2001年6月以来の11000ドル越え。そして、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの買い越し(3840万株売り/ 5310万株買い)。またまた「行かなぁ、しゃぁ~ない」状態(^^;。ただ、実際に小高く始まってみると、そこが高値。その後は先物主導でスルスルと下落し、午前10時頃までは「えっ?なんでやぁ」ってほどの下落歩調。全体に、やや高値波乱っぽい雰囲気が出てきましたね、先週末から・・・。最後は、先物主導での投げ投げ状態に陥ったこともあって、指数は安値圏での引け(日経平均は安値引け)。よくよく考えてみると、日経平均は今年初めての下落(TOPIXは違う)だったのですね(^^;。今朝のSQをExcelで計算すると、前日比79.20円高の16507.41円。幻のSQでした(^^;。
● 興味深かったのが、「増資」発表の三井住友FG。朝の寄付きは、実は前日比変わらず。やや「???」だったものの、それがかえって目先筋が買う原因を作ってしまい、その後のジリ貧で、投げさせられた可能性は考えられます。相場全般も小高く寄付いたして、「三井住友FGがこれだけ強いんやったら・・・」と他の銘柄を買いに行ったら、見事に返り討ちにあってしまったというか・・・(^^;。個人投資家やディーラー筋の「柱」的銘柄、ソフトバンクも前場中頃からは大幅安。日経平均先物も前引けに掛けて一段安。寄付き前には、市場筋の間では「250億円のバスケット買い」なんて憶測もあったのですけどねぇ。
● 後場に入ってから、フラフラと戻りそうになる局面はあったものの、基本的に水面下での動き。最後は、先物主導の投げ投げ状態でした。実は、大証が引けた後のSGXで、日経平均先物は16040円まで売り込まれました(大証終値は16180円)。その後、多少は戻ったものの16070円ほど。だからと言ってパニックになることはないと考えていますが、一度は、スーッと水が引くような状況が発生するかもしれません。そのときにどう動くかは、今晩中に考えておいた方が良さそうです。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 今日の東証1部出来高は27億6831万株、売買代金は3兆4323億円と活況。売買単価も100円超上昇して1239.85円。下げ相場の中でも出来高が出来ているというのは、良い面と悪い面がありますけど、今は「利食い売りが出ているけど、押し目買いも入っている」を強調しておきます(^^;。ただ、雰囲気の悪化は否定できませんネ、何を書こうとも・・・。
● 指数としてみれば、銀行株の軟調さからCore30がしんどい状況だったものの、これでもドコモが堅調だっただけマシ。それが無ければ、もっとひどい羽目に陥っていたかもしれません。やや意外感があったのが東証2部指数で、これがプラスだったのです。もちろん、いくつかの銘柄が引っ張っていた(プリヴェとか)面はあったものの、それを含んでもご立派でした。
● 雑談。東証HPにて、「東証ホームページに関するアンケート」なるものが実施されています。日頃、何かと「あ~したらえぇ、こ~したらえぇ」がある方は、これがチャンス。私はもちろん東証社員ではないのですけど(^^;、皆の使う市場を良くする話につながるならばと、宣伝をしておきましょう。URLはこちら、http://www.tse.or.jp/enquete/index.html です。締め切りは今週金曜日(1月13日)なので、それまでに!せっかくですから、言いたいことを伝えておきましょう。
2006年01月09日(月) .... 祝日(成人の日)のため休場
● 祝日(成人の日)のため休場
2006年01月06日(金) .... ほぼフラット、全般は方向感定まらない1日
TOPIX : 1684.90 (-0.25, -0.01%) | 日経平均 : 16428.21 (+2.84, +0.02%) | 円ドル : 116.10 |
● どうも、今ひとつ方向感が定まらない相場でした。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き買い越し(2960万株売り/ 4810万株買い)。ただ、昨日もそうだったのですが、全般にやや警戒感が出始めているのは否定できない状況。でも、かといって、バカスカ売ってくる向きも多くないという綱引き状態の1日でした。東証1部出来高は28億8607万株、売買代金は3兆2764億円もあったので、売り買いがかなり交錯した状態が想像できます。売り圧力が強くなってきたと取るか、押し目買いはまだまだ強いと取るか、迷うところですね・・・(^^;。
● 個別銘柄では、実際に売り買いするかどうかは別にして、やはり注目はソフトバンク。今朝も何となくまずい雰囲気だったにも関わらず、前日比変わらずでスタート。「ほな、行くン?」と思った瞬間から急落。「安いんやったら、それはそれでバリューが・・・」と見ていたら、今度はアレヨアレヨと言う間に急上昇してプラス転換。「えっ、やっぱり行くん?」と思うと、後場はきれいな右肩下がりのジリ貧(^^;。ファンダメンタルズよりも、市場参加者の心理が大きく響く銘柄だし、この銘柄の動きが他に与える影響も小さくありません。まぁ、「それも相場」なんですけどネ(^^;。ソフトバンクの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● また、爆騰したのがエルピーダ。特に何かの材料があったと言う訳ではないでしょうが、アレヨアレヨと言う間に上昇して、最後はストップ高買い気配。確かに、他の似たような銘柄(例:アドバンテスト)と比較すると、かなり出遅れていたのは事実ですが、それでストップ高とはねぇ~(^^;。"相場解説"記事も苦労していたようで、一番多かったパターンが米SOXの上昇をネタにしたもの。そして、Macquarie(マッコーリー)という証券会社がアウトパフォームで新規格付けしたから、というもの。まぁ、それだけじゃあ、ストップ高までは説明できませんわな・・・(^^;。
● 他にもガラス株が急上昇した一方で、銀行や不動産は軟調。全体に見て、この内需系銘柄の下落が指数の足を引っ張った印象が強い1日でした。出遅れ循環物色と言えばそうだし、先駆した銘柄の上昇エネルギーが衰えてきた、と言えばそう。迷うところです。
● 一歩下がって眺めると、最近、「株高を"きれい"に説明する」レポートが増えてきているような気がします。ドメドメ相場観(^^;で理屈付けしてあるのであれば、最初から半値八掛けで聞くのであまり気にならないのでしょうけど、最近は、"識者"系のレポートが増加しているようで、私個人としては、かなり気になり始めています。もともと天邪鬼だから、ってことだけかも知れませんが、「この先数年で、日経平均2万円越え」などと聞こえ始めると、私個人としては、何となく落ち着かなくなるというか・・・(^^;。しかも、それが"識者"系で、きれいに論理立てて理屈が付いていたら余計です。
● もちろん、現在の相場がそれだけ強くて、誰も逆らえない状況になっている、という裏返しって面はあります。一方で、これまで足元に株高を説明する数字が無かったことで発言できなかった向きが、足元に株高を説明できそうな数字が実際に出始めたことで、数字を駆使して理論的に説明できるような状況になってきた、とも理解できるのです。これは複雑な心境になります。
● 株式市場では、「理想買い、現実買い」という言い方があるのですが、足元で数字が存在しない中での上昇は「理想買い」。ここは懐疑の心が強く支配するなかでの、「ワケ分からん」上昇になりがち。そして、現実に数字を確認して買うのが「現実買い」。ここでは、実際に説明の付く状況にあるので、全員参加型になるパターンが発生するのです。
● ただ、経験則としては、「理想買い」から「現実買い」に移行するところに、時間的なギャップがある場合が多く、その罠にハマると、次に買わなければいけないときに腹一杯で買えなくなってしまいます。もちろん、現在がその位置にあるかどうかの判断は困難で、私は全く自信がありません(キッパリ!)。でも、過渡期かどうか、ちゃんと見る眼と考える頭を持ち続けておきたい、とも考えています。良い週末を!
2006年01月05日(木) .... 続伸、でも多少は警戒感も・・・
TOPIX : 1685.15 (+12.08, +0.72%) | 日経平均 : 16425.37 (+63.83, +0.39%) | 円ドル : 116.20 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き買い越し(2870万株売り/3850万株買い)。このところの地合いの良さもあって、初っ端から買いでスタート。ただ、全体としてはやや警戒感が感じられたのも事実で、このところの「相場の柱」銘柄のソフトバンクも軟調。ソフトバンクには、「分割株二重割当事件」なんかもあったようですが、それ以上に、警戒感という心理面が影響していたと考えています。
● ただ、それがあったとしても、これだけ底堅い相場はご立派。東証1部出来高は28億3986万株に膨らみ、売買代金も3兆2102億円と活況。売買単価は若干下落したものの、まだ1130.41円と高水準でした。ただ、「柱」がナヨっていたせいもあって、東証マザーズはマイナス推移と、ここでも多少は警戒感を感じる展開でした。
● ちょっと話題は逸れるのですが、今日の日経平均は、ソフトバンクが一銘柄で44.7円も足を引っ張ったことがかなり響きました。「たられば」ですが、ソフトバンクが前日比チャラだったら、今日の日経平均は100円高だったんです。もちろん、先日は逆にソフトバンク爆騰で日経平均がえらく引っ張り上げられていたので、その揺れ戻しに過ぎないとも言えるのですが、如何に、日経平均においてソフトバンクの影響力が大きくなったかが分かります。今日のソフトバンクのTOPIXへの影響度は、マイナス寄与度トップだったものの-1.20ポイントで、まぁ、でかいのですが、仕方ないと納得できる程度でした。
● ソフトバンクの直近の株式3分割のときに、これは十分に予想されていたことなので、そんなにサプライズというほどではありません。ただ、「改めて見るとすごいなぁ~」(^^;って感じでしょうか。あの時、みなし額面の変更で対応したおかげで、株式分割の際に売られる心配はありませんでした。もしみなし額面変更ではなかったとしたら、3分割「余る」2株が売られることになっていたのですから。ただ、みなし額面で対応したおかげで、ソフトバンクは、日経平均の中で最大のウェイト(影響力)を持つ銘柄になってしまったのです。
● 現在、ソフトバンクのみなし額面は50円÷3=16.666667円なので、50円額面換算では3倍の株価。つまり、今日の終値で見ても、50円額面換算すると1万4000円弱の銘柄ってことになり、アドバンテストの1万2390円を軽く抜いてしまうのです。みなし額面変更で売られるのを回避したおかげで、ソフトバンクはより厄介な銘柄へと脱皮した格好。はぁ~~(^^;。
● 現在の日経平均採用値嵩株(みなし額面換算後)ランキングは、第1位がソフトバンク、第2位がアドバンテスト、第3位がファーストリテイリング、第4位がファナック、第5位が京セラ。この辺の銘柄が大幅分割(2倍以上かな?)するのであれば、ここ最近の日経の対応方法から勘案すると、みなし額面変更で対応される可能性が強いと考えられます。つまり、日経平均という「商品」の中で、影響力を大幅に増加させることが出来ることになります。それが発行会社にとって何のメリットがあるかどうかは別(^^;にして、株価単純平均型の指数のクセは、知っておいて損はありません。
● 話題変更。年初の休みのおかげもあって、昨日昼頃にはBarraのデータも届いたみたいですから、そろそろリバランス時期。ただ、某FM氏は、「データはパッと見る限りではあまり変わっていないし、今は何をやっても儲からんから今月のリバランスはパス!」と早々に宣言していらっしゃいました(^^;。もう少しバリューが生き返らないと、ベンチマーク運用はしんどいです。絶対的な損益で勝負する個人投資家からすると、「今は何を買っても儲かる」状態かもしれませんが、ベンチマーク運用をしていると、これだけ指数がぶっ飛ぶと、それに付いて行くのは楽ではありません。ましてや、「何でやねん?!?」銘柄が指数を押し上げる状況にあると、余計に徒労感が増すんです(^^;。
● 私が好きな The Gartman Letter の相場格言には、"Markets can remain illogical far longer than we can remain solvent." というのがあります。とっても深い言葉で、この格言を考えるたびに、あのITバブルの頃の光通信を思い出すし、現在のソフトバンクを考えてしまいます。噛み締めれば噛み締めるほど、深い言葉でしょ(^^;。
● どなたか、どうやってバリューと株価モメンタムを両立させるか、教えていただけませんでしょうか?!?
2006年01月04日(水) .... 大発会、「行かなしゃ~ない」状態(^^;で大幅高。
TOPIX : 1673.07 (+23.31, +1.41%) | 日経平均 : 16361.54 (+250.11, +1.55%) | 円ドル : 115.80 |
● 大発会
● オーバーナイトのNYSE株式が高く、CME日経平均は大納会大証終値比で340円高(^^;の16390円。さらに、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大量の買い越し(2780万株売り/4560万株買い)。「外国人投資家も年初からぶっ飛ばしとるやんけぇ~」と、「行かなしゃぁ~ない」状態(^^;。ただ、今日のSQを計算すると、前日比291.18円高の16402.61円。今日の日経平均高値が16361.54円だったので、「幻のSQ」状態(^^;。大引けにインデックス買いが入ったおかげで、日経平均は高値引け(TOPIXは高値圏での引け)だったものの、そこまでは届かなかったんです。少しだけ頭に入れておきたいです。
● 大納会と同様に、今日も半日なのに大商い。東証1部出来高は15億1653万株、売買代金は1兆8248億円もありました。売買単価は前日比252.30円下落して1203.29円。個別にはソフトバンク(9984)が1546億円強とブッチ切りの売買代金で、東証1部全体の約8.5%。さすがに大納会の半分程度に下がったものの、それでもやっぱり「柱」的存在。恐ろしいことです(^^;。
● 関連してコーポレートアクションを一つ。大引け後に東証から「TOPIX Core30等株価指数の構成銘柄の定期選定について」の発表がありました。独断と偏見でハイライトを抜き出すと、
の3点でしょうか。直接的にCore30などの連動資金はそれほど大きくないと思いますが、これらの区分を使って運用ポリシーを設定している方々もあるってことは、少しだけ頭に入れておいた方が良いかと考えています。もちろん、ここではあまり詳細は書かないでおきますけど・・・。Core30は結果的には為替感応度の大きそうな銘柄が抜けて、内需系銘柄ばかりになってきた感がありますネ(^^;。なお、リバランス実施は1月31日付けなので、基準終値は1月30日(月)終値です。東証HPにリストが掲載されていますのでご確認を。URLは、 http://www.tse.or.jp/news/200601/060104_c.htmlです。
● さて、年初話題へと変更。恒例の日経金融「この銘柄に期待」シリーズ。上場銘柄ランキング(新興銘柄はパス)では、① トヨタ、次いで、② 三菱商事、② 三菱UFJ(同率)、④ 住友金属、④ デンソー、④ JR東日本(同率)。昨年、自分で書いたコメントを読むと、昨年(2005年)の上場上位5銘柄は、「① トヨタ、② 三菱東京FG、③日東電工、③ 三菱商事、⑤新日鉄」だったので、まぁ、それほど大きく変わったわけではありません。今年との差としては、新日鉄と住金が入れ替わっているのと、日東電工が抜けてテクノロジー系銘柄が無くなったあたりが、今の相場を物語っている格好。
● 当然と言えば当然かもしれませんが、ソフトバンクなどは少数派(^^;。日経金融のサーベイでは、日本アジア証券の黒川氏、ポーラスター投資顧問の野中氏の2名だけが、ソフトバンクを挙げていました。ほか、SBIを第一勧業アセットの柏原氏、ヤフーを東海東京調査センターの中井氏が挙げていたのがちょっと目に付きました。ちなみに、ソニーは明治安田生命の駒田氏だけ。やや意外だったのが、松下やキヤノンがほとんど出てこなかったことでしょうか(^^;。
● 一方、相場の高低時期については、ほぼ100%の方々が、基本的には「年初安、年後半高」とせざるを得ません(^^;。もちろん、本当にそう考えているかどうかは、全くの別物です。運用機関としては、そう書かないと資金も入ってこないし、証券会社としても、「今年はずっと右肩下がりでっせ」とは書けません(^^;。ので、毎年、「年初安、年後半高」になるし、その意味では、時期に関しては、逆指標としてすらも、あまり参考になりません・・・(^^;。為念。
● 最後に雑談。今回の年末年始休み中に色々と考えていたのですけど、今年も「すごい年」になるかもしれないという気持ちと、それに乗り遅れないようにしなきゃあ、という気持ちがある半面、2年前には、個人的にもかなり「買いたい」と思った銘柄がゴロゴロしていたのに、現在はあまりそう考えることが出来ない状況にもなりつつある面も否定できません。典型的な安値覚えなのかもしれませんが、「こんなんでえぇんやろか?」って気持ちもかなりあります。
● 結局、相場に対して素直になること、経験は重視しつつも柔軟な頭を持ち続けること、そして、変化を恐れないこと、ってところを肝に銘じて行くしかないって感じでしょうか・・・(^^;。一番難しいのは、「変化を恐れないこと」かもしれません。英語(語源はラテン語)でも"Status Quo"という言葉があり、比較的、ネガティブな使い方をされるのですが、それ自体、万国共通の難題だからかもしれません(^^;。
2006年01月01日(日) .... あけましておめでとうございます。
あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
● 予想以上の活況に沸いた昨年後半、意外感があったのは皆さんと同じだと思いますが、そこで「乗れた」方と、「乗れなかった」方に分かれたのも事実。いずれどこかで調整局面が来ると考えていますが、これは英語で言う「Not the question of "If," rather that of "When"」だと考えています。どこかで来るんです。そのときに、どういう対応・行動をすべきかは、頭が冷静な今のうちに考えておいた方が良いと考えています。実際にそのシチュエーションに直面すると、どうせ、頭に血が上ってしまうでしょうから・・・(^^;。
● そのときに、上記した「乗れなかった」方が、どういった行動に出るかを考えるのも、一つの方法だと思います。私がこの長い証券マン人生のなかで、最初にディーラー業務(外資系的に言うと、プロップです)を始めた時、大先輩から繰り返し言われたのが、「何かが起こったときには、負けている向きが何を考えるか想像しろ」ってこと。要するに、負けている向きは余裕がないので、どうしても慌てて浅はかに動いてしまい、"間違った"行動に出易い、ということ。そして、その逆をやれば、大体は儲かる、ってことです。真実だと思います。さらに、我が身が餌食にならないようにしましょうネ(これも大切(^^;)。
● 話題変更。昨年末に、市場トレーダー連中は結構ヒマだったのか(私はかなり多忙だったけど)、色々な年末恒例メールが廻っていました。そのなかから一つ。「初詣情報―相場師の開運スポット、全国の相場師ゆかりの神社仏閣」ってものです。ここに掲載するには、ちょっと長いので、「日記帳」の方に掲載しておきました。こちらから日記帳の方に飛んで下さい。