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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

● 3月19日までの予定で進められていた三菱ケミカルホールディングス(4188)による三菱レイヨン(3404)に対する公開買付け(TOB)が終了。3月19日、20日に両社から結果が発表されています。どちらの会社のHPにもリリースが掲載されていますが、両社分のリリースが載っていて見易いと思えるのが三菱レイヨンのリリースなので、そちらをご紹介しておきます。『株式会社三菱ケミカルホールディングスによる当社株式に対する公開買付けの結果ならびに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ』です。何はともあれ、こちらをご確認ください。

● 要点とすれば、(1)三菱レイヨンの議決権数の 78.19%の買い付けが成立した、(2)今後、三菱ケミHDの株式との株式交換を実施して完全子会社化を目指す、(3)株式交換後は取引所規定に基づいて上場廃止となる、ってところです。(2)と(3)は既に発表されている方針通りで、変更はありません。

● なんで、このTOBを気にするかと言えば、私個人にとっては、ただ一点のみ(^^;。三菱レイヨンが日経平均採用銘柄で、上場廃止となった暁には、日経平均に新規に追加補充される銘柄が出てくるからです。実は、少し前にこのブログ上で、「日経平均銘柄入替え、今日の日新製鋼/日本電気硝子の値動きと今後」と書きました。ただ、ここには不正確な部分も含まれていたので(打ち消しラインを入れてあります)、その部分の訂正と今後の展開について「推理」してみたいと考えています。

● まず、TOBの結果を受けて上場廃止が決まったかと言えば、実は決まっていません。前回のアップで「75%の浮動株比率」云々と書いた部分は間違いでした。というか、古い基準だったのです。現在の流通株式比率に関する基準は、「5%未満」で上場廃止基準となってしまいます(東証HP、上場廃止基準(一部・二部))。「そう言われてみれば…」って感じです(^^;。変更があったのは、言われて思い出したってのが正直なところで、完全に抜け落ちていました。ホント、「そう言われてみれば…」だったのです。すみません。

● 今回発表されたTOBの結果により、議決権の 78.19%が固定されたことになるので、単純計算で残りは 21.81%。東証HP内に「流通株式数等(分布状況)基準」の定義があるのですが、「上場株式数の10%以上を所有する者」というのが一つの鍵になります。ただ、TOB前の三菱レイヨンの大株主リストを見ても、最大が日本マスタートラスト信託口の4.7%。つまり、その時点で10%以上を保有する投資家は居なかったし、TOB後に三菱ケミHD以外に、10%以上を保有する投資家が出たと考えるのも不自然なので、この可能性は排除して差し支えないと考えます。つまり、株式交換が終わるまでは、「5%未満」の上場廃止基準に抵触することはなさそうです。

● 指数銘柄入替えの観点からは、上場廃止でなくて二部降格(正確には"指定替え")でも該当するのですが、二部降格には浮動株比率の基準はなく、時価総額やら株主数とかの基準はあるものの、TOB後の三菱レイヨンでも、これらで該当するのはなさそうな雰囲気です。パッとみて分からなかったのが株主数だったのですが、リリースによると、昨年9月末時点の総株主の議決権の数は568,504個あり、その内、447,434個が今回のTOBで異動。残りは121,070個ってことになります。この議決権が何名の株主に保有されているかが問題ですが、「2,000人」未満だと二部降格基準該当になります。ただ、該当するとしても、猶予期間が1年あるので、すぐに二部降格となって指数から外れる、というシナリオの可能性はほぼゼロだと考えられます。

● つまり、上場廃止に向けては、「流通株式数等(分布状況)基準」で「5%未満」というのが鍵になります。東証HP内の記述を見ると、これは『「株式の分布状況表」及び「有価証券報告書」をもって審査を行います』と明記されています。さらに、『審査は各事業年度の末日の状況について行います』とも明記されています(東証HP「流通株式数等(分布状況)基準」)。有価証券報告書も株式の分布状況表も、事業年度の末日の状況について会社が報告するものです。つまり、3月末の状況を東証に報告する正式な書類をもって、東証が上場廃止の決定を下す可能性が大きいってことです。時期的には、大体ですが、5月~6月に掛けてになりそうですね(昨年は6月29日に決算公告、6月30日に三菱レイヨンのHPで有価証券報告書が公開されている)。

● ただ、今回のTOBだけでは流通株式比率は「5%未満」には達していません。計算上、まだ 21.81%もあるのです(^^;。株式交換が実施されるにしても、3月末を過ぎてからの話になるでしょうから、今年の有価証券報告書には間に合いそうにありません。東証が上場廃止を決定しないと(整理ポスト入りしないと)、日本経済新聞社は日経平均の銘柄入替えを出来ません。そのため、色々考えると、株式交換が成立して、その後、臨時で有価証券報告書/株式の分布状況表の提出があるかどうかですね。もし期末ではない臨時提出がないとなると、三菱レイヨンに関する日経平均の銘柄入替えは、丸々1年以上先ってことになってしまいます。

● それはそれで実はちょっとした問題があり、その期間中、かなり流通株式数が少ない状態で日経平均採用銘柄として存在し続けることになってしまいます。現在でも流通しているのは発行済み株式数の2割程度。この先、株式交換が完了すると、実質的には流通株式が無くなってしまうんです(^^;。これはさすがにマズイでしょうから、この辺の時期に何らかの動きがあると予想しています。

● 東証HP内に文章としては書かれていないのですが、画像部分に「分布状況表提出は任意(中間期)」との記述があります。つまり、可能性として考えておくとすると、株式交換が夏頃に実施され、その結果としての「分布状況表提出」が中間期(もしくは任意の日付)で実施され、東証はそれに基づいて上場廃止を決定する、というシナリオです。まぁ、これはあくまでも私の想像ですが…(^^;。いずれにしろ、現時点で考えられることは、まず、株式交換が実施されるところまで待つ、ってことでしょうか…。何か追加の話があれば、また書きます。

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● 改めて書くほどのことはないかもしれませんが、「誰か間違えるだろうなぁ~」と思っていたら、予想通り、間違えが発生したみたいなので(^^;、記録的にコメント。話はご存知の通り、「住友商事がKDDIに対抗してJCOM株をTOBする」というもの。このニュースの詳細をご存じない方は、Googleでニュース検索して内容をご覧下さい。ここでは、ニュースそのものではなく、関連して起こった「間違い」の話です(^^;。

● 今回の話でTOBのターゲットになっている銘柄は、正式には「ジュピターテレコム」のこと。銘柄コードは4817で、JASDAQ上場銘柄。銘柄略称は「JCOM」です(全角文字の記述が正解)。一方で、名前が似たような銘柄に「ジェイコムホールディングス」というのがあり、銘柄コードは2462。こちらはれっきとした東証1部上場銘柄で銘柄略称は「ジェイコム」。どちらも読みは「じぇいこむ」と同じですが、前者が通信業で"日本最大のケーブルテレビ局統括運営会社"の一方、後者はサービス業の"携帯電話販売中心の人材派遣が軸"ってことで、全くの別会社。もちろん、資本関係なども一切ありません。

JCOM(4817)日中足ジェイコム(2462)日中足
JCOM(4817)日中足 ジェイコム(2462)日中足
出典:Yahoo! JAPAN Finance

● 上記、日中足をご覧頂けると分かるのですが、JCOMはTOB価格にサヤ寄せする格好でストップ高のままでした。これは十分に納得できるところ。笑ってしまったのがジェイコム。買い気配から始まって、それなりの出来高を伴って高寄りしたものの、その後は急激に元の水準に戻して終わり。こちらは特に何も材料があったというのではなく、当然の結果と言えばその通り。「JCOM」と「ジェイコム」の勘違いがもたらした結果としか思えないのです(^^;。要するに銘柄間違いですね。

● 勘違いを助長した可能性があるのが、もちろん読み方の類似があるでしょうが、会社規模の"逆転"現象、株価の似たような水準ってあたりもその原因になりそうです。TOBターゲットになっているJCOMは、時価総額、会社規模など、ほとんど全ての点でジェイコムより大きな会社。にもかかわらず、JCOMがJASDAQ銘柄で、ジェイコムが東証1部。さらに、昨日終値を見ると、JCOMは90,000円、ジェイコムは87,000円と似たような水準。素人さんだったら間違える可能性大かもしれません…(^^;。

● とは言うものの、この手の間違いそうな銘柄名のパターンは、少しでもマーケットに参加している方々はあらかじめ認識していて当然の話。昔、人の手で注文をさばいていた時代には、間違いを避けるための独特の銘柄の呼び方がいっぱいありました。日本航空は「にっこう」と呼ばず「じゃる」と呼んでいたし、日工は「にちえこう」で、日本鉱業は「やまにっこう」って具合。これらの呼び方は主に立会い場で生まれ、そして証券会社各社に広がったものが多かったのです。お客さんの注文を間違えるなんて、プロとしては絶対にしてはならないこと。そのため、間違いが起こらないような予防措置的な手順が証券会社のなかには、あちこちにあったのです。時代の流れと共に、そういうカルチャーが薄れてきたのは事実でしょうし、ネット経由での取引が増加するに従って、証券会社の社員が顧客注文を直接的に扱う機会も激減しました。だからこの手の間違いは仕方ないんでしょうけど…(^^;。一度目はともかく、二度目は単なるアホですよ!

関連ニュース

 TOPIX : 910.70 (+43.58, +5.03%)    日経平均 : 9114.60 (+537.62, +6.27%)    円ドル : 98.90  

● CME日経平均先物は前週末比630円高の9080円。一見するとかなり派手に見えるものの、要するに金曜日最後の15分間ほどでズッこけた分を戻したのにプラスアルファ150円ほどってこと(^^;。後場中盤までは、先週木曜日終値(TOPIX = 899.37pt、日経平均 = 9029.76円)や金曜日のザラ場高値(TOPIX = 904.85pt、日経平均 = 9012.31円)近辺まで来ると止まってしまう、という流れが継続。午後2時前に先物主導でグィンと買いが入ってようやくこの水準を上抜け。そこからドンドン上にって感じではなかったものの、それなりに大幅高で終了。ただ、新たな方向性が見えるほどの勢いは感じられないままの1日でした。ある程度結果は見えているというものの、米大統領選挙というビッグイベントを控えて、米国株がどう反応するかを待ちたい、というムードも多分にあったし…。

● 3連休中に特にこれといった悪材料が無かったことで、相場全体の心理も、多少は明るい方向に向かいつつある印象。特にパナソニック(6752)が三洋電機(6764)を買収する方向と報じられ、三洋電機のストップ高はともかく、パナソニックも大幅高と「歓迎ムード」があったことも、相場全体を押し上げる要因になったイメージ。9月、10月に歴史的な出来事がドカン、ドカンと発生して、株価は「極端」を強烈に織り込む格好になっただけに、その「極端」が少し薄れるだけでも、自然に株価が戻ったというのが今日の相場。ただ、東証1部出来高は前週末比5億2393万株も減少して22億5843万株にとどまり、売買代金も同3921億円減の1兆9031億円だった点から分かるように、売り物薄のなかを値が跳ねた感も否定できず。まぁ、それでも値段関係なしに下値を叩いてくる向きが減っただけでも、「ピーク過ぎたんとちゃうか?」感に繋がるし、それなりにホッと一息って感じにはなったと思います。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 残りの記録。東証1部値上がりは1365銘柄、値下がりは278銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比409.53円高の8986.51円(15時00分確定、三洋電機とソフトバンクがS高)。初っ端からかなり飛ばして行ったものの、後場中盤まではSQ水準でのもみあいに終始し、上にも下にも抜けない状況でした。日経平均の日中値幅は442.52円(前場308.86円、後場199.91円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び売り越し(3900万株売り/2890万株買い)でした。

● 今日から11月。そういえば、与謝野馨経済財政担当相が 『リーマン破綻の影響、与謝野氏「ハチが刺した程度」』 と発言したのは9月17日のこと。そこから約1ヵ月半が経過し、「ハチが刺した程度」どころか、相場は複雑骨折の大怪我を負ってしまいました。今月中旬は年末から逆算して45日になるし、今月末は同30日。ヘッジファンドから出た暴力的で土石流的な解約売りは峠を越えたとは考えているものの、あれだけ大きな地震が発生しただけに、余震はあって当然。ただ、余震は本震を上回ることは無い、というのが自然界の経験則で、それが相場にも適用できることを願っています(^^;。

● 現状では、大地震による被害の後片付けをしながら、次の展開を目指すことになるでしょうが、傷が癒えるにはどうしても時間が必要。でも、これは次のステップへの準備段階でもあるのです。今日、Bloombergで話をした某HFのFM氏も、「年内は次の展開を考えることに時間を使う」と言っていましたが、彼のような生き残り派はマシなほう。でも、HFを運用している連中はそんなにヤワではないので、また儲けてやろうとの戦う心さえ失わなければ、チャンスはあると考えています。当面は、景気が悪いだの、企業業績が悪いだのと、ニュースフローはかなりネガティブになりそうですが、「不景気の株高」がどこで来るのか、ある意味で楽しみ。まぁ、そう考えていないとやってられませんしネ(^^;。

● 業務連絡。株券電子化に伴って、今年年末に売買停止になる銘柄が出てくるのですが、段々とその時期が迫ってきて、具体的な銘柄名も出始めています。今日の東証所報にもいくつか追加掲載されており、FM諸氏としても、一応、頭に入れておいた方が良いかなと…。ちょっとややこしいのは、全銘柄が売買停止になるのではなく、「株券電子化に伴う端株整理のための株式分割及び単元株制度採用に伴う期間売買停止」というのが、長い売買停止を要する銘柄となります。具体的には、12月24日(木)を権利付最終売買日として、翌12月25日(木)から売買停止。来年1月5日(月)の大発会に売買再開となるので、カレンダーで1週間半ほど売買停止になります。

● ここまでのところ、大きな銘柄では、日本製紙(3893)、電通(4324)、りそなHD(8308)、三井住友FG(8316)、みずほFG(8411)、JR東日本(9020)、NTT(9432)などがそれに該当しています。詳細は東証HPの 「株券電子化関連情報」 をどうぞ。しかし、外国人投資家に周知するのが厄介になりそうです(^^;。まぁ、クリスマスから新年に掛けての時期なので、あまり居ないってのはあるかも知らんけど…。

 TOPIX : 830.32 (+46.29, +5.90%)    日経平均 : 8211.90 (+589.98, +7.74%)    円ドル : 97.00  

● オーバーナイトの米国株が史上2番目の急上昇(NYダウが+889.35ドル、+10.88%)で、CME日経平均先物は大証比380円高の8110円まで上昇。円は対ドルで98円台、対ユーロで125円台と円安方向。これで寄付きから高くなる条件は整った状態(^^;。実際、最初の30分間ほどは買い気配ばかりで値が付かず、全体に寄付いたなと思えたのは9時40分頃。もっとも、そこがTOPIXのザラ場高値でした。後場寄付き後に急に伸び悩み、嫌ぁ~な雰囲気。しかし、午後2時20分頃からは、買いが先行してアレヨアレヨの上昇。全体に板薄のなかを、市場参加者の多くが短期でトレンドフォローに走っている印象で、「右往左往」という言葉がぴったりと来る1日でした。結局、TOPIXは高値圏、日経平均はモロ高値で大引け。TOPIXは9時41分にザラ場高値を付け、後場はこれを上回ることが出来ずに終わっています。日経平均は、モロ高値引けだったし、テクノロジー系を中心とする輸出関連の引っ張りが目立ったことを物語っています。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 「協調利下げへの期待感」と書くときれいのですが(^^;、銀行株がそんなにマーケットを引っ張った印象は無かったので、「まぁ、あったらあったで良いけど…」程度だったでしょうか。それよりも輸出関連などのブッ飛びの方が目立ったので、やはり円高一服の方が「効いた」感じを受けました。まぁ、日本が利下げすることによって、円高にならないように後押しする解釈もあるにはあるでしょうけど…。

● 株式市場からすると日銀がドル/ユーロの押し上げ介入をしてくれた方が、はるかにインパクトがあったように思います。下げ相場で介入しても効き目は薄いでしょうけど、今日みたいに反転局面だと、比較的少ない金額で効果が出たと思うのですが、なぜやらないのですかね?今日の上昇は、再び円高進行なんてことになると、あっさりと手放してしまう上昇だったかも知れないわけで、この辺の不透明感は色濃く残ったままでした。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億8467万株減の29億8113万株、売買代金は逆に同649億円増の2兆2366億円。東証1部値上がりは1406銘柄、値下がりは253銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比501.16円高の8123.08円(15時00分確定)と初っ端からブッ飛び状態。15時00分というのは、日産化学(4021)が最後まで寄付かなかったためで、それ以外は、9時50分までにほぼ寄付いています。日経平均の日中値幅は470.38円(前場464.52円、後場450.92円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(4680万株売り/4270万株買い)。売り買いともにかなりフローが増加した印象でした。

● 話題変更。日本株とは直接関係ないのですが、世界中の株式関係者の間で話題になっているのが、フォルクスワーゲン(Volkswagen AG、VOW)の爆騰。BloombergのティッカーではVOW:GRで、ロイターではVOW.DEです。チャートをご覧頂けると一目瞭然。というか、あまりに株価が急変してしまって、何が何やら良く分かりません(^^;。同社の株価は2日間で約5倍になり、ドイツ取引所は今日の日本時間早朝、DAX指数のVOWウェイトを強制的に10%に引き下げる措置(Bloombergによると計算上は27%強あった)を発表しています。こんな唐突にウェイトを半分以下にされたら、指数連動ファンドや指数系のデリバティブをやっている連中はどうするんでしょうか?それも逆にパニックです、ホンマ…。もっとも、即日実施ではないみたいですが…。

● VOWの急騰には、色々な背景があるのですが、業績がどうのこうのではありません(^^;。一番最初はリーマン破綻の影響を受け、第二幕の爆騰はポルシェが出資比率を引き上げる、と発表したことがきっかけ。最初のはリーマンの破綻を受けて貸し株が返って来なくなり、指数連動型ファンドなどが「買い直し」を強いられたのが背景。貸し出していた株券の代わりに担保に取っていた現金などがあったはずなので、損益的にはチャラ近辺か、世界的に株価が下がったので、プラスだった可能性もありました。ただ、ファンドとしては株券を持っておく必要があったので、買い直しになったのです。似たようなことは、VOWだけではなく、日本や他国でも発生していました。この結果、VOWはかなり割高になってしまい、あちこちのアナリストは売り推奨するし、ヘッジファンドはVOWを売ってポルシェを買う、なんてロング/ショートを組んでいたのです。これが次の破壊的爆発・修羅場の背景。

● 先日、ポルシェが出資拡大と今後も拡大すると発表したことを受けて、VOWは一気に強烈爆騰。「ショート・スクィーズ」の見本みたいなことになってしまいました。この過程で、かなりの数のヘッジファンドが致命的な大怪我を負ったと囁かれており、実際そう考えざるを得ない状況です。地相場が200ユーロとかの銘柄が、一気に1000ユーロ超までブッ飛んで行ったのですから…。政府・金融当局が株価対策などに右往左往している最中にです。ちなみにVOWは株価爆騰のおかげで、昨晩は瞬間風速で世界最大の時価総額にまでなったのです。そりゃあ「おかしい」と考える向きが多いだろうし、ショートしたくなりますわな…(^^;。他人事だから「(^^;」ですけど、歴史的な踏み上げ相場で踏み上げさせられた方々は…。VOWの昨晩までの日足チャート(軽いPDFファイル)を付けておきます(データはBloomberg、グラフ作成は虎年の獅子座)。さすがにDAXウェイト変更のおかげで、今日は急落しています(^^;。

● 最後に一言。景気対策と称してまたばら撒きをやるらしいですネ。無駄使いも、えぇ加減にして欲しいというか…(-_-;)。個人消費を引き上げるには、富裕層にどうやってお金を使い易くさせるかってことが本当の要点になるハズなのに、"エセ正義"のメディアを含めて、選挙絡みや世間からの反発が怖くて、それは誰も言い出しません。まして、税金払っていない層にまで"給付金"をばら撒くとは、何が平等で何が不平等なのかを本当に疑うばかり。生活保護などが本当に必要な方々には、きちんと手当てすべきだと考えていますが、それは景気対策としてやるべきものではないハズ。福祉としてやれば良いのです。それをどんぶり勘定にして、ドサクサ紛れに不平等をやろうというのだから呆れてしまいます。税金払っている層をどう考えているのか?まぁ、文句を言わない奴隷程度にしか考えていないのでしょう。期待値が低過ぎるので、あまり反論も出てこないのでしょうが、それにしても…。失望の溜息だけが出てきます…(-_-;)。

● 口直し。例の日米主要企業決算発表予定ワークシートをアップデートしてあります。これまでも時々、こっそりと(でもないか(^^;)アップデートしていたし、これからも時々アップしますのでよろしく。左側のメニューからダウンロードページに進めます。シンプルなExcelシートです。

 TOPIX : 1167.97 (-0.72, -0.06%)    日経平均 : 12115.03 (+24.44, +0.20%)    円ドル : 106.05  

● 今日のマーケットも、評価がかなり難しいように感じました。ザラ場で結構安いところがあった後に、最後は高値引け(日経平均はプラス引け)。これは評価に値すると思います。ただ、個別銘柄の値動きを見ると、かなりまだら模様が強かったし、全体の方向感を感じるところまでは行かなかった印象。総合すると、結局はオーバーナイトの米国株市場を見て、そしてまた反応するしかない、って感じでしょうか。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 「評価が難しい」と書いたのには、今一つ、何かの考え方があって動いたマーケットという印象が薄かったこと。今日は配当権利付きの最終売買日。多少は医薬品や電力株などの一角には配当狙いの買いが入っていた様子ながら、それ以上に配当利回りが高いJFEやトヨタなどが売られていたりと、あまり統一感が無かった印象。この辺も、化けの皮が剥がれるのかどうか、明日の値動きで分かると思います。また、セクター内でも値動きがバラけていた印象。例えば鉄鋼では、新日鉄、JFEがかなりのマイナスだった一方で、住金、神戸鋼がかなりのプラス。「アンワインド?」なんて考えてしまうところですが、本当にそうなのかは分かりません(^^;。ただ、不思議な印象が残りました。

● 記録。東証1部出来高は前日比1061万株減の20億3837万株、売買代金は同1024億円増の2兆3543億円。東証1部値上がりは867銘柄、値下がりは750銘柄で、この点からはチョビプラスの日経平均の方がマッチした印象。今朝のSQ値を計算すると、前日比139.05円安の11951.54円(9時30分確定)。TOPIXは10時24分に前日比-24.89pt(-2.13%)まであり、日経平均は10時23分に同185.99円安(-1.54%)まで突っ込み、その後は右肩上がりの戻り。結局、TOPIXも日経平均もザラ場高値の大引け。今日の日経平均の日中値幅は210.43円(前場127.38円、後場137.04円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの売り越し(4860万株売り/3710万株買い)でした。余談ですが、この集計は9月18日(木)から「外資系12社」と1社減になっています。

● 最後に雑談。休暇中に色々な大事件が次々に発生。「何っちゅう時に休んどるねん!」状態だったのですが(^^;、相場から一歩後ろに下がって眺めてみると、画面に張り付いてみているのとは違った世界が見える気がしました。なかでも「投資銀行」が消滅してしまったというのは、非常に印象的。今後の展開次第では、今後の世界中のマーケットに影響がジワジワと出てくるだろうな、と考えてしまいました。とにかく、「投資銀行」というビジネスモデルが、こんな短時間で独立を維持できなくなってしまったというのは、何よりも凄い話です。

● もちろん、投資銀行ビジネスが消えてなくなるのではなく、今後は「商業銀行」のなかの一部門として投資銀行業務が継続することになるのでしょう。でも、これまでとは違った世界になるでしょうネ。その変化の度合いが大きいか小さいかは、そして成功か失敗かは、実際のところ、やってみないと分かりません。野獣的なところ多分にある投資銀行が家畜的になってしまうのならば、中長期的にマーケットの性格に影響を与えざるを得ないのは、少し考えれば分かります。しかし逆に、そうならないなら今度は商業銀行の性格が変わるってことになります。

● 日本語では「投資銀行」(Investment Banking)というよりも「証券会社」と言った方がイメージが沸くのですが(^^;、日本でも銀行系ではなく独立の大手証券は、いまや野村證券だけ。その野村證券がリーマン・ブラザーズの米国以外のビジネスを買うというのは、ある意味で、象徴的です。せっかく買収するのだから、ちゃんとした人材をキープできるシステムを野村が素早く出せるかどうかがカギです。三菱UFJに関しては、うまくモルガン・スタンレーという猛獣系の会社をコントロールできるかどうか見もの。でも、ホンの数年前には、日本の金融機関が外資系金融機関に「請われて」出資するなんて、考えられませんでした。本当に先行きは分からないものです(^^;。

 TOPIX : 1192.38 (+0.79, +0.07%)    日経平均 : 12346.63 (-54.02, -0.44%)    円ドル : 107.35  

● オーバーナイトの米国株が大幅安(NYダウは-280.01ドル、-2.43%)とあって、寄付前から悲壮感が漂う展開。ただ、実際に寄り付いてみると、先物が意外に下げ渋り、裁定買いを引っ掛けて指数も下げ渋る展開。昨晩の米株式市場最大の話題になったリーマン・ブラザーズ(LEH)関連のニュースがマーケットを飛び交うなかで、銀行株を初めとする金融セクターや不動産、建設セクターが後場に強含みの展開に。これでTOPIXは午後2時半前にプラス転換。日経平均も瞬間にはプラスになったものの、大引けではマイナスのまま。日経に電子部品がどうのこうのと書かれて、京セラ、TDKなどの日経平均採用の値嵩株がマイナスだったのが響いた格好でした。

● 今日はTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。午後2時半にヒョンと上昇しているのは、昨晩から"交渉中断"伝えられていた韓国産業銀行(KDB)とリーマンの出資交渉について、あちこちのニュースで、 「韓国産業銀、リーマン経営権を6兆ウォンで取得することを模索=聯合」 とのニュースが突然流れたから。しかし、大引け後には、 「韓国産業銀とリーマン、合意に近づいてはいない=韓国政府当局者」 として、再度、交渉は中断ってことになっています。相当この辺の情報は錯綜していたし、それに目先筋が振り回された感はありました。なお、リーマンは日本時間の明日朝7時半に四半期決算発表と「Strategic Initiatives」の発表を予定しています。明日朝、何が出てくるか、情報端末を気にしておきましょう(^^;。

● 今日の銀行株、不動産株、建設株の上昇には意外感があり、何を示唆しているのか迷うところ。実際、前場は軟調推移だったのが、後場に切り返してきた点は、「あれっ?」って感じ。現実的なところで、ショートカバーや裁定買い以外に買い手が望み難い状況は皆が承知の上。それを考えた上で、ドカンと急落しなかったことに安堵感と意外感がありました。ただ、かといって希望が湧き出るというところまでは行かず、気迷いが強く残った印象。

● 結果的に、今日の上昇で、三菱UFJ FG(8306)などは、非常にきれいなアイランド・リバーサルを形成することになり、さらにはらみ線の次に抱き線というおまけ付き。はらみ線で「変化の前兆」となり、その次にかなり大きな陽線。ホンマ迷うところです(^^;。その他のメガバンク株にも似たような形が出来ているし、三菱地所(8802)や三井不動産(8801)なども似たような状態。過去の経験則からすると、ファンダメンタルズの要因を探すよりも、チャートに素直に付いた方が大体は結果が良好なのは分かっているものの、「それでも、ねぇ~」って印象は避けられません(^^;。一方で、指数を見ると(日経平均先物なども同様)、アイランド・リバーサルっぽい状態を埋めてしまった格好となり、こちらは個別銘柄群とは逆にも受け取れるシグナルを示唆。色々な点で迷います。

● 三菱UFJ FG(8306)の日足(3ヶ月)を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

三菱UFJ FG(8306)日足

● 一方、ファクター面から見ると、アセット系のバリューは良かったものの、フロー系のバリューが相変わらず酷い状態。銀行などの金融株、不動産株、建設株などといった利益面で割安じゃない銘柄が上昇し、商社、鉄鋼などの利益面で割安な銘柄がブチ売られる状況だと、FM諸氏にとっては「痛し痒し」の1日だったと推察します。実際のところ、現状で銀行株などをオーバーウェイトしている向きはほとんどいないでしょうし、不動産や建設株についても同様でしょう。ファクターの効きから相場を見ても、まだまだ不安定さが続きそうだし、方向感が出てくるには時間が掛かりそうなイメージでした。

● 記録。東証1部出来高は前日比4億8066万株も増加して22億6616万株、売買代金は同5085億円増の2兆5049億円と、ここ最近の水準としては活況。東証1部値上がりは919銘柄、値下がりは708銘柄と値上がり銘柄数の方が多く、TOPIXの印象によりマッチした感じでした。ちなみに、日経平均採用銘柄だけで見ると、値上がり95銘柄に対して値下がり123銘柄でした。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比246.19円安の12154.46円(9時16分確定)と、「かなり来た」状態でスタート。ただ、ここがほぼ1日の安値でした。日経平均の日中値幅は244.70円(前場141.39円、後場148.34円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日連続の売り越し、しかもソコソコサイズの売り越し(3530万株売り/2070万株買い)でした。

● 雑談。矢野選手が良くやってくれました(^o^)。ベテランに頼りすぎるきらいはあるものの、頼れるベテランほど貴重な存在はありません。シーズンがずっとスムーズに行くとは考えていなかったものの、オリンピック前からの展開はやっぱりしんどいっす(^^;。ところで、ルー・フォードってどうなったんだろうと思っていたところ、ニッカンスポーツでは「解雇」との記事。一方、デイリースポーツでは「今後も“戦力”」と…。どちらにしろ、崖っぷちみたいです(^^;。そういえば、「今岡」という名前もホンマに聞かなくなってしまった…。

 TOPIX : 1380.63 (+31.94, +2.37%)    日経平均 : 14124.47 (+415.03, +3.03%)    円ドル : 105.05  

● ある程度高いのは予想できたものの、予想以上の上昇に発展した1日でした。その原動力は、日経平均先物への断続的な大口買い爆弾(^^;。14000円手前でモタモタしていたところ、「500枚買い、500枚買い…」と断続的に大口買いが入り、先物が走って裁定買いを引っ掛ける毎度お馴染みのパターン。債券先物がかなりプレッシャーに押されていた様子だったので、例によってCTA筋が暴れていた可能性はあります。ただ、CTA筋がきっかけだったとしても、ちょうちん筋も集まれば倍化パワーを発揮するのは当然で、その影響力も大きかったように感じました。

● 今日は寄付き前から市場筋の間で、「先物の14100円超にかなりの売りがある」との観測があったのです。先物は何度かその水準を上抜けかけたし、最後はピョコンと上昇して高値圏での大引けだったものの、朝方の上昇後は、基本的に14100円近辺での高値もみあいでした。ここを抜けていれば、もっと凄いことになったかも知れませんが、まぁ、日経平均で400円超の上昇は立派です(^^;。

● 今日は日経平均がTOPIXをかなり大きくアウトパフォーム(66bpも日経平均が勝ち)。東証33業種は鉄鋼だけがマイナス。この辺が影響を与えたのは確かながら、先物主導での日経平均型の裁定買いの影響が、かなり大きかったことを物語っていました。ただ、今日の東証1部出来高は前日比9238万株減の19億4621万株、売買代金は逆に同468億円増の2兆3391億円と、ほぼ昨日と同水準。指数が日経平均で3%超も動いた割には、商いがそれほど盛り上がらなかった様子が分かります。超短期筋はともかく、それ以外は基本的見送り姿勢にあまり変化がないってことでしょう。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 記録。今日の東証1部値上がりは1497銘柄に達し、値下がりは173銘柄と、昨日の裏返しで「ほぼ全面高」の展開。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比157.04円高の13866.48円(9時15分確定)で、実際の相場はそこから大きく上に跳ねた点を見れば、かなり買いのフォロースルーがあったことを感じさせます。もっとも、先物主導だったんですけどネ(^^;。日経平均の日中値幅は315.24円(前場284.92円、後場103.46円)と、昨日とほぼ同水準。ただし、後場にあまり相場水準が動かなかったのが今日の特徴。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(2100万株売り/2670万株買い)でした。

● 大引後に開示された先物の手口についても少し。今日もいつもの「常連さん」がかなりの殴り合いを実施(^^;。日経平均先物では、カリヨンが6231枚買い越し、LBが2761枚買い越し、CSが2657枚買い越し、MSが1868枚買い越しなど。売り手はニューエッジが3346枚売り越し、ドイツが2342枚売り越し、野村が1455枚売り越し、MLが1360枚売り越しなど。TOPIX先物では、CSが5085枚買い越し、カリヨンが3319枚買い越しだった一方、JPMが2236枚売り越し、BNPPが2147枚売り越し、MSが2017枚売り越しなど。お疲れ様でした(^^;。日経平均先物は143,047枚(通常取引のみ)、TOPIX先物も63,436枚と両者ともにかなり大商いでした。

● 話題変更。明日はMSCIの5月リバランス基準日。このところ、MSCIリバランスのロング/ショートはそれなりに効いていた印象があったものの、明日の大引けに掛けて何が起こるかは分かりません(^^;。MSCIに限らず、指数のコーポレートアクションに先回りする戦略は、最終日に「順」に効いたり、「逆」に効いたりは、なかなか事前に予想が困難。ただ、昨年8月のサブプラ・メルトダウン以降は、「順」に効くことが多かった印象があり、ヘッジファンドが一時的にコーポレートアクション先回り戦略から、「そんなこと、やっている場合ではない」と手を引いていた可能性があります。先回りが少なくなったことで、実需筋の需給が素直に表面に出て、「順」の反応が多かったと考えることも可能。

● 今回は、各種ヘッジファンド指数の推移を見たり、FM諸氏とお話をした印象では、3月は結構しんどかったヘッジファンド筋も、4月、5月と成績も体力も回復してきているのは間違いありません。ということは、またコーポレートアクション系で攻めて来ている可能性があります。だから、ここ最近、「効いていた」のかなと…。先回りがあっても、実需以上の先回りでなければ「順」な反応になります。問題は実需以上に先回りが多くなってしまった場合で、その時は大引け間際に逆噴射状態に陥ることが多くなります。今回がどちらなのかは、明日の午後2時55分ぐらいには分かります(^^;。

● 最後に、今日のアデランス(8170)。株主総会で7人の取締役再任を求めたものの、スティール・パートナーズなどの反対で否決。株価は素直なもので、このニュースが伝わった後場に一時ストップ高まで買われ、終値でも前日比162円高(+8.72%)の2020円。12時45分に共同通信が速報を流し、Bloombergが12時47分、ロイターでは12時51分(QUICKは持ってないので不明(^^;)。英語記事は少し遅れて12時55分あたりから13時過ぎ。そしてアデランスからの正式なリリースがTDNetに掲載されたのは13時15分でした。日本のメディアはセンセーショナルに報道するかもしれませんが、海外のメディア、FTやWSJなどがどう報道するかも、ちょっとした見もの。楽しみにしておきます。

● 保存版(^^;として、アデランスの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

アデランス(8170)日中足
 TOPIX : 1353.10 (-11.42, -0.84%)    日経平均 : 13925.51 (-105.79, -0.75%)    円ドル : 106.25  

● 今一つ方向性が見えない1日だったものの、前場のどんよりムードからすると、新興市場は朝からずっとプラスだったし、後場もマイナスながら右肩上がりで、引け味は悪くなかった印象。前場に底抜けなかったところは、積極的に売り込むほどのエネルギーも乏しい、というのが見えた感。もっとも、上値をドンドン買うエネルギーも乏しいのは認めざるを得ませんけど…。東証1部出来高は前日比2億2292万株も減少して18億5995万株、売買代金は同1753億円減の2兆1221億円で、大発会を除いて今年最低でした。明日の「月末」に期待しましょう(^^;。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● チャート上は、TOPIXも日経平均も、一目均衡表の「雲」の下限に差し掛かかり、ボリンジャーバンドの上(+2σ)に突っ掛けているところでもあり、テクニカル的にはちょっとしたポイント。さらに、TOPIXも日経平均も千鳥足状態が継続。TOPIXは2月14日、15日と連騰して「○○●○●○●○●○●」。日経平均は2月18日、19日と連騰して「○○●○●○●○●」となっています。順番から言えば明日はプラスのハズ(^^;だし、月末のお化粧に期待感もあるかも知れません。過度な期待はともかくとして、今日のところは、まだはっきりとした方向感が示唆された感じではなかったので、明日以降の相場に期待したいところです。

● 個別銘柄云々については相場解説記事に任せるとして、記録に行きましょう。東証1部値上がりは685銘柄、値下がりは921銘柄。日経平均の日中値幅は167.59円(前場91.39円、後場126.40円)とかなり小動き商状。今朝のSQ値を計算すると、前日比180.90円安の13850.40円(9時15分)でした。今日は全体に中小型株が堅調で、東証1部でもCore30が35bp負けの一人負け。Large70は1bp負けとチャラ、Mid400は20bp勝ち、Smallは102bpも勝っていました。新興市場はプラスだらけで、マザーズは+2.62%、ヘラクレスは+1.50%などと堅調。また、詳細休止中の今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(2950万株売り/2400万株買い)でした。

● 話題を変更して、日経平均銘柄入替えについて。ポツポツと各社からレポートが出始めていますが、そろそろ伊勢丹(8238)と三越(2779)の経営統合(共同持株会社設立)に伴う日経平均銘柄入替を意識する時期になってきました。今回のプロセスでは、株式移転により三越伊勢丹ホールディングスが設立され、両社が上場廃止になるとともに、この新会社が新規上場されることになります。伊勢丹も三越も日経平均採用銘柄なので、新会社はそのまま日経平均銘柄になるとして、欠員1社に対して新規銘柄が1社入ってくることになります。

● まず事実関係の復習から。発表されている予定によると、両社は3月26日に上場廃止予定なので、最終売買日は前日の3月25日(火)の予定。一方、新会社の新規上場日は4月1日(火)予定です。株式移転比率は伊勢丹1株に対して新会社1株、三越1株に対して新会社0.34株が割り当てられることになります。詳細はリリース 「株式移転計画の作成及び経営統合の方向性と推進体制に関するお知らせ」 などでご確認下さい。つまり、時期的には上場廃止前に新しい銘柄が発表される可能性が強いと考えるのが自然です。

● で、実際にどの銘柄が候補になるのかですが(^^;、あまりここで詳細を書くとアレなので(^^;、個別銘柄名はぼやかしておきますが、何度も候補に挙がっている某小売電機店が筆頭人気の様子。ただ、「伝説の30銘柄入替」のトラウマなんでしょうか、日経の選定傾向はキャッシュフローを中立化する、という色合いが非常に濃くなっています。となると、当該銘柄はかなりの値嵩株なので、みなし額面を恣意的に調整しない限り、バランスが悪くなってしまいます。もちろん、みなし額面は50円とか500円でないと駄目と明記されているワケでもないので、みなし額面1000円なんてのも有り得ない話ではありません(^^;。この辺は日経が決めることなので、何とも言えないです。他に候補銘柄としては、ゴルフ場、コンビニ、この前マザーズから来た銘柄、シンクタンクなど(順不同)が、市場筋の間では候補銘柄に挙がっている様子です。

● それと発表タイミングも気を付けておきたいところ。今回の3月SQは、日取りの巡り合わせの関係で「最遅」の14日(金)です。銘柄入替の発表はSQ前だろうとは予想しているのですが、どの程度「前」なのかは分かりません(^^;。勝手にSQ週火曜日としておきます(ドタ勘です)。発表があれば、日経平均プロフィールのニュースページに掲載されます。もう少し時間があるのですが、心の準備はよろしく。

● 最後に一つ。大引後に東証から 「半休日の廃止に伴う年末年始の立会日程について」 とのお知らせが出ています。大発会、大納会も全日立会いになるってことです…(-_-;)。平日昼間の日光が照っている間に帰る快感がなくなるってこと。シュン…(T_T)。実施は来年末の大納会からですので、まだ相当先の話ですけど。

 TOPIX : 1497.71 (+42.98, +2.95%)    日経平均 : 15499.56 (+372.93, +2.47%)    円ドル : 111.15  

● NY株が急上昇し、シカゴ日経平均先物は大証比395円高の15435円。これで初っ端から大幅高は確定したようなものでした。問題は「NY株急上昇の翌日は寄り天」の経験則を打ち破れるかどうかってこと。今朝のSQ値を計算すると前日比291.65円高の15418.28円(9時25分確定)だったので、結果的に、この経験則は幸いにして当たらなかったことになります。TOPIXはザラ場高値がほぼ終値(ロイター画面では15時00分に高値、終値は15時01分)、日経平均は14時55分が高値と、いずれもほぼ高値引けでした。

● 東証1部値上がりは1526銘柄、値下がりは144銘柄と、一昨日のほぼ裏返しの「ほぼ全面高」。東証33業種では、鉱業だけがチョビマイナスだったほか、32業種が値上がり。ただ、これだけ前日比で跳ねた割には、東証1部出来高は前日比1億4851万株減の20億7086万株、売買代金は同1599億円減の2兆6472億円と、今一つ盛り上がりに欠けた格好。実際にザラ場の商いを見ていないので、どれだけ盛り上がりに欠けたかは良く分からないものの、数字はそう物語っている感じでした。日経平均の日中値幅は217.73円(前場177.49円、後場65.53円)で、特に後場は超小動きだった(模様)。日経平均VWAPは15449.73円でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 少し心配だったことは、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、10日連続の売り越しでしかも大幅な売り越し(4230万株売り/2470万株買い)だったこと。欧州時間の終わり頃からNY時間に掛けての時点で、日本株の反発は読めていたでしょうから、それにぶつけて売りが出てきた感じがしないでもありません。

● 関連して、この2日間参加していた某シンポジウムでの話を少しだけ。何よりも印象的だったのが、日本株への興味が悲しくなるほど薄れているのと、中国・インドなどへの興味が尽きないのを目の当たりにしたってこと。日本株から資金が流出しているのは、もう秘密でも何でもなく、それに関する質問すら飛び交わない状況。つまり、「そんなの知ってて当たり前」というか、「既に情報ですらない基礎知識」って印象でした(^^;。まぁ、あまり書くと「アレ」ですから(日本語は「アレ」で済む(^^;)、この辺で止めて置きます。

● なお、日程的には明日が11月15日。つまり、12月末から逆算して45日目ってことになります。不安を煽る気持ちは一切無いのですが、ヘッジファンドは解約の事前通知期限があるのが普通で、毎月解約可能なファンドでも45日とか30日の事前通知が多いのです。まぁ、ギリギリ当日に通告というのはそれほど多くないかもしれませんが、一応、頭に入れておきたい要点ではあります。"30 day notice"だったら月末近くってことになるので、今月一杯はどうしても神経質にならざるを得ないとは考えています。草野グローバルフロンティア(私の大先輩です)の コメントが掲載されているロイターニュース をご参考に。

● 最後に、今日午後5時に日興CGから「株式交換契約の変更に関するお知らせ」とのリリースが出ています。表題だけを見てドキッとしたのですが、内容を見てみると、あの「37ドル」と「26ドル」が廃止となり、新たに「22ドル」の水準が導入されています。詳細は日興CGのHPに 当該リリース が掲載されているので、そちらをご覧下さい。明日、日興CG株に何が起こるかは、想像付きますよネ。マーケットウェイトの方は、良かったですネ。チョビアンダーの方は、見て見ぬ振りをしておきましょう(^^;。ゼロにしちゃった方は、苦虫状態で眺めるしかないっす(-_-;)。

 TOPIX : 1494.35 (-22.59, -1.49%)    日経平均 : 15583.42 (-188.15, -1.19%)    円ドル : 112.55  

● 今日はミニSQ。寄付き前からExcel上の日経平均速算値は大幅安だったものの、これはいつものこと(^^;。最後にお約束の大口バスケットが飛び交って、結局SQ値は、前日比87.17円安の15684.40円。ほぼCME日経平均先物(大証比70円安)で説明できる範囲に収まり、いつも通りの「波乱なし」でした。DOWA HDが最後まで寄らなかったのですが、ストップ安の気配になった時点でSQ値としては計算上は確定。また、市場筋推計ではSQ関連売買は約1億8000万株、3000億円程度との推計でした。一方、前後場の売買代金分布は前場が49.03%、後場が50.97%と、あまりSQっぽい1日ではありませんでした(^^;。

● SQ後の相場。今日も「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(3460万株売り/2270万株買い)で、NY株安などもあって慎重なムードが蔓延。SQ売買が一巡してからは指数はプラス転換する局面もあるにはありました。特に何か理由があったというよりも、全体的に買戻しムードだったイメージで、先物が動いたのに追随した格好。ただ、プラス転換してもフォロースルーが乏しいというか踏ん張りが効かず、10時半前からはスルスルと下落して前場を終了。

● 昼休みの立会外バスケット取引が買い越し気味だったことなどから、後場に入って再びジリジリと戻し歩調となる局面もあったのです。ところが、今度は午後2時半頃に日経ニュースで(QUICKに流れた?) 「みずほ証券、サブプライム損失1000億円超・新光と合併延期へ」 と流れ、みずほFGを筆頭にメガバンクがスコーン。再度サブプラ疑心暗鬼に陥ってしまい、市場全体も安値圏で大引け。どうも何かあれば下落、という地合いは変わりませんでした。このニュースにしても、日経のサイトに掲載されたのは午後4時過ぎ。QUICKには午後2時半頃に流れたようです(私自身はQUICKを持ってないので詳細不明(^^;)。何となく、好材料に反応するのではなく、わざわざ悪いニュースを探して売りに行く地合いでした。

● 今日は日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。下がる過程で出来高が増加している様子がご覧頂けるかと…。

● これでTOPIXも日経平均も8月17日以来の安値水準。つまり9月安値を割り込んでしまい、あそこが「二番底」との認識をぶち壊してしまいました。1987年のブラックマンデーの時も、11月11日に厳しい下落がもう一度あって、さらに年末年始にドカンと下がってから復活歩調に戻ったのをよく覚えているのですが(当時、担当常務が若手社員を北新地に連れて行ってくれたのでよく覚えている(^^;)、今回も時間的なイメージを含めて、多少重なる感じがします。経済状況とかは全然違うのですけど…。それはともかくとして、今日の下落はテクニカル的にはその「二番底」をぶち壊してしまった点でインパクトがある格好になってしまいました。ちなみに、「以来」の安値を付けた8月17日は、TOPIXが前日比87.07pt安(-5.55%)、日経平均が前日比874.81円安(-5.42%)という、かなり壮絶な1日でした(^^;。

● 一歩下がって考えてみても、サブプラ問題に一応のケリが付くのは、主要銀行が決算発表を終えて「憶測」→「事実」になるのを待つしか無さそうな雰囲気です。Bloombergで見ると、国内メガバンクの決算発表予定日は、MUFGが11月21日、みずほFGが11月14日、SMFGが11月19日。来週は日経などに今日のような観測記事が増加する可能性があるでしょうから、この辺の銘柄群は神経質な展開が続くかもしれません。ただ、「事実」が出てしまえば、そこで相場が一番嫌う不透明感はある程度、払拭できるはず。それが「ある程度」でなくて、「根本的」に払拭できるようであれば、また展開も変わってくるはずです。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億3188万株減の23億2257万株、売買代金は逆に同974億円増の3兆1440億円。ただ、ミニSQだったことを考えると、あまり多くなかったことが分かります。売買単価は前日比112.41円高の1353.67円でしたが、これはSQ日の特徴的な傾向です。一方、東証1部値上がりは537銘柄、値下がりは1074銘柄で、それほど「全面安」という感じではなかったのが不思議といえば不思議。相場の雰囲気はもっと悪かったように感じました。日経平均採用銘柄のVWAPを集計して計算した日経平均VWAPは15694.96円、日経平均の日中値幅は268.85円(前場250.21円、後場194.49円)と、最近にしてはソコソコ動いた1日でした。

● あまり楽しくない1週間でしたが、ようやく週末。ゆっくりとお休み下さい。良い週末を!

 TOPIX : 1600.17 (-35.61, -2.18%)    日経平均 : 16517.48 (-352.92, -2.09%)    円ドル : 114.45  

● 朝起きてニュースを見た時点で、今日は初っ端から300~400円安は多くの方が覚悟したでしょうから、その点はノーサプライズ。問題は、朝方安くなってから、切り返すことが出来るかどうかでした。その結果は、「うぅ~~ん」って感じ(^^;。寄付の売りが一巡してからドカンと下に行かなかったのは確かだったものの、戻りというには寂しい程度。しかも、戻りのピークは昼過ぎで、その後はジリ貧で大引け。今朝のSQ値は前日比359.84円安の16510.56円、日経平均VWAPは16541.95円と、途中の戻しはあったものの、結局は寄付きドカンと売られた水準まで押されて引けてしまったのが分かります。まぁ、米雇用統計などが気になりだすと、仕方ないと言えば仕方ないのですけど…(^^;。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● さすがにNY株安のネタがネタだっただけに、銀行株の売られ方はかなりエグイものがありました。また、この数日間、パフォーマンスが良かった自動車もメロメロで、不動産も駄目マーク。一方で食品(主にビール)、電力・ガスなどはディフェンシブ性を存分に発揮。ネット系企業も堅調で、東証1部ではヤフーが+3.48%。実は、マザーズ指数も今日はプラス(+0.53%)で終わっています。この辺は、解釈の仕方が難しいところです。

● 一方、日興CG(8603)の話。というか、シティ(C)の話。昨晩のNY株式市場で、シティは-8.09%と大幅安したのは承知の通り。株価は38.51ドル(前日比3.39ドル安)まで下落。ザラ場では38.13ドルまでありました。何でこんなことを書くのかと言えば、言うまでも無く、日興CGとの株式交換条件にある「37ドル」に近付いてきたから。これまでは「大丈夫やろ…」とノホホンと考えていたとしても、昨晩の下落で一気にこの水準が真実味を帯びてきたというか…(^^;。今日、日興CG株が久しぶりにスコンと下落したのも、この辺の心理・認識の変化の結果でしょうね。

● もしこの37ドルを下回っても、37ドルとして計算されて日興CG株とシティ株が交換されてしまうので、これを日興CG株主の立場からすると、安くしか交換してもらえないことになります。当初は「1700円相当」という言葉が一人歩きしたので、1700円のTOBと勘違いしている方もいらっしゃったかも知れません(^^;が、これが違うんですよねぇ~。運用担当者としては、ウェイトがソコソコある銘柄(TOPIXで19bp程度)なだけに、ニュートラルでベタベタにしておくしか対応策が無い感じ。なお、「37ドル」の下は「26ドル」で、シティの株価がここを下回ってしまうと株式交換契約が解除になる可能性が出てきます。為念。この辺のことは、全て日興CGのニュースリリース(http://www.nikko.jp/GRP/news/bn_grp/index.html)に掲載されています。ご確認下さい。

● ご参考にCitigroup(C)の日足(3ヶ月)を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

Citigroup(C)日足(3ヶ月)

● 記録。東証1部出来高は前日比1155万株増の20億8831万株、売買代金は同1354億円増の3兆0445億円で、若干増えたもののほぼ昨日と同水準。東証1部値上がりは239銘柄、値下がりは1423銘柄で「ほぼ全面安」。日経平均の日中値幅は170.19円(前場が170.19円、後場が132.72円)と、前日比で大きく動いた割にザラ場は小動きでした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの売り越し(5630万株売り/4810万株買い)でした。

● 何となく疲れた1週間も終了。グッと肌寒くなってくるとのことで、いよいよ紅葉の季節。せっかくのドライブの季節なのに、昨晩、自宅近くのガソリンスタンドでは、レギュラー148円、ハイオク158円でした(10月31日には140/150円だった)。でも、ニュースなどを見ると、これでも「マシ」なんですネ(^^;。良い週末を!

 TOPIX : 1606.49 (+32.52, +2.07%)    日経平均 : 16698.08 (+192.45, +1.17%)    円ドル : 114.20  

● 朝からNY株高やCME日経平均先物高(大証比175円高)を反映する格好で買い先行。CME終値で頭打ちするかなと思っていたものの、現物の買いに押し上げられる格好でジリ高歩調。もっとも、後場寄付きでピョコンと上に跳んでからは、高値でもみあう状態。前週末比ではかなり高い水準を維持した相場展開だったものの、ザラ場での指数の動きはそれほど大きくなく、日経平均の日中値幅は160.83円どまり。前後場に分けると、前場が93.83円、後場が81.54円と、いずれも100円未満の値動きでした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 個別銘柄では、日産自動車(7201)がアナリストからも「サプライズ」という声が出て大幅高。ただ、14時15分頃にはもっと勢いがあったものの、その後、大引けに掛けてはジリジリと利食い売りに押される展開。どうもデイトレーダーが多かったのですかネ(^^;。それでも、ソニー、ホンダに続いて好決算に素直に反応する地合いは、市場にある程度の安心感と期待感を持たせたようです。逆にアドバンテスト(6857)などは、業績下方修正という悪材料があったうえ、この所の下落でそれを織り込んでいたかと思えば、あちこちから格下げ爆弾が飛んできて大幅安。弱みを見せれば、かなり叩かれてしまう地合いに変化はありません。

● 一方、今日は銀行株も元気モリモリ。ただ、銀行株全体にはまだ疑心暗鬼の空気が濃いことは否定できず、11月中旬以降と決算発表時期が遅いだけに、それまでプラスやマイナスに振れることは想像できます。銀行株が年末までの運用の一つの鍵になるのは、多くの方々が意識しているハズ。アンダーウェイトするにしても、オーバーウェイトするにしても、成功すればソコソコ大きい稼ぎが期待できる一方で、失敗すると立ち直れなくなるほどやられるリスクも(^^;。多くのFM諸氏はニュートラル近辺を保持していると想像しますが、それじゃあ「No Risk, No Gain」状態なのも事実。迷うし先読みが難しいところです。

● ファクター面からは、バリューが今一つ、リバーサルも今一つで、今一つ焦点が絞れない状態が継続。ここ最近は、継続的に効いているファクターが見つけ難い状況が続いているため、あちこちのFM諸氏からも愚痴(^^;が漏れてきます。私も、色々なスタイルでシミュレーション・ファンドを毎朝寄付前にリバランスして作っているのですが、今日はバリュー特化型ファンドのPLはまぁまぁ。リバーサルはマイナスで、イケイケモメンタム型がかなりプラス。ただ、そのバリュー特化ファンドを要因分解してPLの中身を見ると、バリューそのものでは若干マイナスで、スペシフィックが勝ってのプラス。何と言うか、儲かっても、儲かっている気がしない、という雰囲気がお分かり頂けるかと…(^^;。

● 記録。銀行株や自動車株が飛んだおかげもあって、今日はサイズは大きい方に振れた1日。Core30が112bpも勝つ一人勝ち状態。Large70が63bp負け、Mid400が52bp負け、Smallが105bp負けでした。ただ、マザーズは+3.70%とTOPIXを163bpも上回る上昇を記録。まだ元気みたいです。ヘラクレスは対TOPIXで52bp負け、JASDAQ指数は9bp勝ちとチャラでした。東証1部出来高は前週末比1億3398万株増の17億9904万株、売買代金は同2694億円増の2兆7288億円。もう少し盛り上がったかと思ったものの、あまり伸びなかった印象です。東証1部値上がりは1242銘柄、値下がりは402銘柄で、「かなり」全面高に近い状態。今朝のSQ値は前日比123.96円高の16629.59円、日経平均採用銘柄のVWAPを集計した日経平均VWAPは16711.72円。

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、6日ぶりの買い越し(2690万株売り/2860万株買い)。株数ベースでは大したようには見えなかったものの、市場筋によると金額はかなり大幅な買い越しだったとのこと。電機、自動車を中心に買いが入っていたとのことでした。何か期待しちゃいそうですね(^^。

● 業務連絡。午後からペンタックス(7750)が一時売買停止になっていましたが、HOYAによる買収が正式に発表があったためです。PENTAXのHPに 「合併契約締結に関するお知らせ」 が掲載されています。これに伴って、ペンタックスは明日10月30日から整理ポスト割当になり、11月30日(金)に上場廃止になります。 TOPIX算出要領 によると、整理ポスト割当によるTOPIXからの除外は、「整理ポスト割当日の翌々営業日」と決まっているので、11月1日から指数から外れることになります。基準終値はその前日、10月31日終値です。もっとも、この辺の話は既報だし、FFWは既に0.10まで下げられているので、特に何もやることが無い方々が多いと思います。東証の 上場廃止に関するリリース も確認しておいて下さい。

 TOPIX : 1669.04 (+8.88, +0.53%)    日経平均 : 17029.28 (+107.51, +0.64%)    円ドル : 119.00  

● 指数は堅調にスタートして堅調に終了。でも、東証1部値上がり銘柄は672銘柄で、値下がりは964銘柄と、値下がり銘柄数の方が多い状態でしたけど。一般的な相場内容については相場解説記事などをご覧頂くとして、少し違った角度から書いて行きます。

● 今日は本当に酷い1日でした(-_-;)。普通にマーケットを見ていた方々からすると、指数は総じてプラスだったし、気付いたとしても物色動向の変化程度でしょうし、「ヒドイ」という雰囲気は全く感じなかったでしょう。しかし、少しでも「運用」に関係している方々からすると、今日は理解不能な動きが充満していた1日。バリューが全く効かないどころか、強烈に逆噴射。多分、1日の逆噴射度合いとしては、この1年ほどで最悪の1日だったと思います。-3σ なんてあっさりとブッちぎっており、なんと-5σ 近くと、確率的には"有り得ない"状態。これがどれだけ凄いことかは、ちょっとでも確率論をかじったことのある方だったら、実感として理解頂けると思います。加えて、グロースも駄目だったし、リバーサルは効いていたものの、バリュー崩落に追い付かない状態。

● これをセクターで見れば、鉄・非鉄、商社、海運などが一斉に売られる一方で、銀行、証券、消費者金融、保険、さらに駄目だった小売りや建設が一斉に急上昇。普通の相場解説では、「循環物色の流れ」が変化した程度にしか見えないでしょう。でも、ファクター分析でみると、全く違う世界というか、説明が見えてくるのです。多くのFM諸氏にとっては、かなりエグイ風景だったと察します。

● では、何が原因?ってことになるのですが、現時点では良く分かりません。ただ、結果から類推する限りにおいては、何らかのバリューにベットしたファンドの解約、しかもロングオンリーファンドではなく、ロング/ショートファンドの解約を想像してしまいます。あまりにも狙い撃ち的にバリュー銘柄が売られていたし、逆バリュー銘柄が買い上げられていたこと、日中を通して継続的な値動きだったことから、VWAP型のトレーディングが行われていた可能性が高いこと、さらに価格面を気にするよりも「やってしまう」を優先していたようなフシが感じられたこと、などです。

● もちろん、これが間違っている可能性は十分以上にあるのですが、逆バリューファンドの設定買いなんて有り得ないでしょうし、やっぱりバリュー系ファンドの解約と考えた方が筋道が通るような気がします。NY Timesの記事(http://dealbook.blogs.nytimes.com/2007/08/06/goldman-hedge-fund-said-to-extend-its-losses/)が発端になって、NY時間から、ゴールドマン・サックスの基幹ヘッジファンド「グローバル・アルファ」解約売りの噂が流れていたようです(GSAMはコメントを控えた)。日本円にして約1兆円超の残高ですから、日本株には1000億円程度あっても全く不思議ではありません。もちろん、これが本当かどうかは分からないし、関連した商いが今日出ていたのかどうかも分かりません。でも、可能性は否定できない状況でした。

● 問題は、いつまで続くかってこと。今日で終わりならば、明日は反対側に振れる動きが予想できます。でも、この動きがもっと大きなものであれば、数日にまたがる可能性はあります。さらに、スタートが今日だったとは限らず、今週月曜日の相場も「理解不能」だったのですが、その辺から始まったものかも知れないです。元々、8月15日頃からは神経質な展開を予想はしていました。9月末にヘッジファンドを解約するには、約1ヶ月~1ヵ月半の事前通知が必要だからです。それが8月半ばからってことです。たとえ運用成績の良いファンドであっても、サブ・プライムローン絡みで「あわせ切り」の対象になりかねない状況は想像できるので、ちょっとだけ頭に入れておきたいところです。しかし、何はともあれ、今日はヒドイ1日でした…(-_-;)。

● 記録。東証1部出来高は、前日比5億0668万株も増加して25億4314万株、売買代金も同5173億円増の3兆5733億円と活況でした。指数の動きからするとかなり出来高が多かった印象があり、その点からも、何らかの特別な商いがあったことを想像させます。銀行などが大幅高したおかげで、今日はCore30が一人勝ち(53bps勝ち)。Large70は21bps負け、Mid400は7bps負け、Smallは128bpsも負けていました(マイナス引け)。東証2部以下、新興市場はヘラクレスがチョビ高だった以外は軒並み安。

● 今朝のSQ値を計算すると、前日比36.03円高の16957.80円。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、13日連続の売り越し(4200万株売り/3450万株買い)でした。そうそう、寄付前には6月機械受注統計の発表があり、事前予想の-1.1%(Bloomberg)に対して、出てきた数字は-10.4%とかなり悪い数字。でも 相場には影響なかったです。

● 今日は更新が遅くなったうえ、長くなってスミマセン。最後に日経BPに 「本当に負けたのは誰なのか、ブルドックの株主が得たものとは」 なるコラム記事が出ていました。おっしゃる通り。負けたのは「株主」です。どれだけの方々がこれを認識しているかは分かりませんが…。

 TOPIX : 1776.17 (+8.17, +0.46%)    日経平均 : 18157.93 (+41.36, +0.23%)    円ドル : 122.20  

● 指数で見れば堅調にスタートして堅調に引けた1日だったのですが、東証1部値上がりは667銘柄で値下がりが936銘柄。要は、賑わって上昇基調にある銘柄を外してしまうと儲からない相場なんでしょう(^^;。ファクター分析をしてみても、今週は結局、リバーサルがまともに効いた日は無かったし、この傾向を裏付けている格好。芯を外せばボテボテの内野ゴロ。それでもイチローのように足が速ければ内野安打になるけど、そうでなければ疲労感だけが残る、って感じです(^^;。何となく雰囲気を感じて頂けます?選挙前だし、決算発表が本格化する直前なので、どうしても安心感のある銘柄に取引が集中するのでしょうが、今年はそれがずっと春先から続いている印象があります。その点で単純と言えば単純かもしれませんが、運用の観点からは難しい相場です。

● 個別に賑わったのは、鉄鋼、非鉄、商社、機械など。三菱重工は+7.55%、川重は+6.19%、別子は+6.69%、新日鉄が+3.92%、JFEが+3.87%、任天堂が+4.55%など。これだけ大きな銘柄がこんな値動きですから恐ろしいことです。一方で、消費者金融が軒並み売り気配で始まったのはちょっと笑ってしまいました(^^;。アナリスト諸氏のご意見はほぼ全てがネガティブか良くて「懐疑的」ってところ。前向き統合では無くて、業界の構造変化による仕方なし統合だし、そもそも本当に統合が達成されるかも不透明。よって、昨日上昇分のかなりが剥げ落ちる展開でした。

● KDDI(9433)は「いきなり半額」の発表で株価は「いきなり急落」(^^;。まぁ、株価は「半額」にはならんだろうけど…。HOYA(7741)は四半期業績が期待外れで一時急落。このところ、悪いニュースを予感させるような値動きだったのですが、これで出尽くしになるかどうかは来週の相場次第。今日はHOYAの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

HOYA(7741)日中足

● 何となく今週は疲れたので、早々に今日の記録。東証1部出来高は、比較的低位の銘柄が賑わったこともあって、前日比4億5733万株も増加して25億7023万株、売買代金も同5521億円増の3兆3286億円と、金曜日にしては活況でした。今朝のSQ値を計算すると、前日比17.93円高の18134.50円。もっとお、日経平均の日中値幅は1日通しで98.30円と再び100円に届かない状態で、前後場に分けると、前場が89.95円、後場が46.03円と、また後場に風船が萎んでしまう状態でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、8日連続の買い越し(5070万株売り/6180万株買い)。株数ベースではかなりの買い越しだったものの、市場筋によると金額ベースではチャラだったとのこと。

● なお、大引後に開示された先物の手口では、CSが日経平均先物で4710枚買い(売りは非開示)、TOPIX先物で差引 2395枚買い越しでした。日経平均先物はそれ以外の手口は比較的バラ家禎太のですが、TOPIXでGSが差引 4919枚売り越し、カリヨンが2398枚買い(売りは非開示)というのもちょっと目立っていました。いつも通り、意図は全くわかりませんし、想像するのは楽しいにしても、想像だけで突っ走るような恐ろしいことをする気もありません…(^^;。

● 業務連絡。今日は20日なので、TOPIX月末修正が一斉に所報掲載されています。もっとも、今月は月初に出たFFW変更が大きくて、本日発表された分はそれほどでもありません。2銘柄ほど大きいのがありますが、それ以外は比較的小粒です(敢えてここでは詳細は書きませんが…)。東証HPがリニューアルされてから、どうも場所が分かり難くなったような気がするのですが(^^;、当該資料は 「月末上場株式数」 という場所にあります。「>HOME>上場会社情報>月末上場株式数>月末上場株式数」とメニューを進んでください。また、浮動株関連の資料は 「浮動株比率」 にあります。いつも通り「No pain, no gain」の精神で読み解いてください(^^;。

● 雑談。某市場筋氏が 『決定版!「東京地裁」が教える?スティール・パートナーズ撃退法』 なる冗談っぽい(でもシリアスな意味を含む)メールを送ってくれました。昨日の村上インサイダー裁判の東京地裁判決を「応用」したモノで、好ましくない大株主が登場したら、「とにかく真っ先にあいさつに行く。そして、相手が聞いていようがいまいが、むりやり囁いてしまう」と。何を囁くかと言えば、上方修正の可能性があるとか、自社株買いをやるかもしれんとか…。これらは全て「重要会社情報」なので、「聞いちゃったんですよねぇ~」となったあとで、その銘柄を売り買いすれば立派なインサイダー取引と。う~~ん、鋭いかも(^^;。裁判官の皆さん、弁護士の皆さん、SESC検査官の皆さん、これってワークするんですかねぇ?インサイダー情報をしゃべりまくるのが会社防衛策って…(^^;。なお、実際にこの通りのことをして何らかの損害を受けたとしても、私は一切の責任を負えませんので、為念。

● 台風やら地震があって何かと騒がしい週でした。今週末は選挙1週間前ってことで、もっと騒がしくなるのでしょう(^^;。1日少なかった割には、個人的には妙に疲れました(^^;。良い週末を!

 TOPIX : 1768.00 (+9.35, +0.53%)    日経平均 : 18116.57 (+100.99, +0.56%)    円ドル : 121.95  

● 米国株高などを受けて堅調は堅調だったものの、前場は「寄り天→ジリ貧」パターン。平たく言えば、溜息ばかりが漏れるような展開が後場中盤まで続きました。午後2時前になってさすがに飽きてきたのか、ジリジリと戻す展開。そして、午後2時半に「プロミスと三洋信販が合併を検討」のニュースが市場に流れ、消費者金融がぶっ飛び(^^;。これらの銘柄は日経平均採用銘柄ではないので、指数的にはそれほど大きな影響は無かった(TOPIX銘柄ではある)ものの、それでも再編ニュースはマーケット全体として歓迎ムード。後場後半の戻り歩調を押し上げた印象でした。

● ただ、それを含んでも、相場の強さはそれほど感じられ無かったのも否定しがたい印象。新興市場は軒並みマイナス推移だったし、鉄鋼、海運、非鉄、化学、任天堂(^^;などが強かった一方で、電力・ガスは引き続き大幅安。東京電力は今日も-5.56%も下落し、テクノロジーも高安の傾向が良く見えない状態。少しは違った展開を期待したい気持ちもあるのですが、相場はなかなかこちらの期待通りには動いてくれません(^^;。日足のチャートを見ても、昨日は下値支持線のところで止まって、今日はホンの少し上。まだ結論が何も出ていない状態です。下値が緩やかながら切りあがっているのは誰が見ても分かるものの、盛り上がりという点では、どうも「何とかせぇやぁ!」といった日々が続きます(^^;。

● ファクター面から見ても、今日の消費者金融株の急上昇は痛し痒し。そもそも、これらの銘柄をオーバーウェイトにしている機関投資家はほとんど居ないでしょうから、ベンチマーク以上に上昇することそのものが嫌になるし、正直、シラケます(^^;。ファクターリターンをグラフにして日中もモニターしているのですが、今日は午後2時半のところで、ファクター面から見た相場も一変しているのが良く分かります。バリューやグロースがスコーンと下がって、短期リバーサルがスコーンと上昇。明日は週末ですから、来週の相場を占ううえでも注目したいところです。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億0885万株減の21億1290万株、売買代金も同2268億円減で2兆7765億円。東証1部では値上がりが1092銘柄、値下がりが517銘柄でした。また、今朝のSQ値を計算すると、前日比81.57円高の18097.15円。日中足は「V」字でした。ただ、日経平均の日中値幅は1日通しで93.79円と100円に届かない状態で、前場が88.62円、後場が85.64円と、前後場でほぼ同じ値幅。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、7日連続の買い越し(3450万株売り/3550万株買い)だったものの、市場筋によると金額ベースでは売り越しで、某1社が大幅買い越しだった影響で全体の数字も買い越しになったとのこと。一方、大引後に開示された手口では、CSが日経平均先物で差引 3218枚買い越し、TOPIX先物で差引 3449枚買い越しでした。彼らが何をやっているかは分かりません(^^;。

● 上記した消費者金融銘柄の個別の値動きも書いておくと、当事者のプロミス(8574)は+5.87%、三洋信販(8573)は+12.15%。両銘柄ともに14時31分から売買停止になり、そのまま大引けとなりました。他、武富士(8564)が+7.73%、アコム(8572)が+11.52%、アイフル(8515)が+11.18%。多くがニュースが出るまで小動きだったことを考えると、凄いぶっ飛び方でした(^^;。

● ちなみに、プロミスからは 「本日の一部報道について」 とのリリースが出ており、「決定した事実はございません」と否定しています。まぁ、「ひとまず否定」が広報の仕事みたいなものですけどネ(^^;。TDNetには14時55分にリリースが流れていますが、ザラ場中の売買解除はなかったです(発表から30分後で解除だから)。ToSTNeTは15時41分から再開となっていますが、一通り見た限りでは、ほとんどがVWAPか最後に付いた3790円かで、あまり妙な値段は付いていませんでした。1件だけ、4040円で48,800株(グロス取引)ってのが市場外取引でありましたけど…(^^;。

● 最後に、プロミス、三洋信販と他の消費者金融で一番上がったアコムの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。ニュースが出る前のタラタラと、その後の商いをご覧頂ければと…(^^;。また、大元のニュース記事(共同通信)は 「三洋信販と統合交渉 プロミス、再編で経営合理化」 からどうぞ。

プロミス(8574)日中足
三洋信販(8573)日中足
アコム(8572)日中足
 TOPIX : 1779.67 (-8.49, -0.47%)    日経平均 : 18140.94 (-80.54, -0.44%)    円ドル : 123.25  

● 寄付きは小幅安で普通のスタートだったものの、9時30分前後に大型売り爆弾が複数炸裂(^^;。これで裁定解消売りを引っ掛けて、あっという間に下げ拡大。元々、今日は「上げ週の週末」だったので、利食い売りは仕方ないところ。しかも昨日のチャートはかなり上ヒゲが長くて、加えて5~7日のリズムからしても、「循環的にちょっと下げかな?」の雰囲気がありました。それに先物大口爆弾が炸裂して背中を押された格好。もっとも、ファンダメンタルズ面でそれなりの裏付けがある相場環境なので、下値も大したことはなく、特に後場は完全な膠着商状。前日比ではマイナスだったものの、上げ週の週末にしては、まぁまぁ、しっかりの展開でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。後場の小動きさを特にご覧頂ければと…(^^;。今日の日経平均日中値幅は98.63円と、また100円割れ。実は、これは前場の値幅で、後場はたったの45.13円しかありませんでした。大引前にバスケット買いが入っていたのか、後場は高値引けだったのですが、それを除けば40円未満の値幅。金曜日の午後だとは言えねぇ…(^^;。

● ボラティリティーの低下は今に始まったことではないのですが、20日ヒストリカルボラティリティーで、足元ではついに10%割れになってきました。3月末の頃は波乱もあって20日HVは24%ほどあったのですが、そこからジリジリと低下して、いまや一桁。せめて15%ぐらいは欲しいところです(^^;。

● 一方、ファクター面から相場を見ると、この2~3ヶ月ほどはリバーサルが完全に腐った状態が継続。もちろん、1日や2日はピョコンと効くこともあるのですが、全体としては駄目駄目マーク点灯中。最近は後場になって相場が腐る(^^;ので、一斉にチャートを眺めてみました。任天堂のように誰もが意識している銘柄以外にも、結構、高値更新銘柄の勢いが衰えない銘柄が存在するのを改めて確認。ファンド運用をしていると、普通のロングオンリーでもアンダーウェイトしていたら「取り損なう」となってしまうし、システム運用系のロング/ショート戦略だと、この手の銘柄は往々にしてショートになるので、「股裂き」状態になってモロに損失発生になって苦しむ羽目になってしまいます。

● 個人的にちょくちょく見ているのが、「できる銘柄選び!チャートフォリオ」(http://yahoo-chartfolio.searchina.ne.jp/)というサイト。チャートの「形」を検索できるサイトで、この中には簡便なトレンド検索と、より条件を指定できるトレンド検索Proがあります。どちらも無料で使えます。

● 下記リンクは、東証1部・大証1部銘柄、大型/中型株指数銘柄、株価が100円以上、貸借銘柄、単元換算出来高が100以上(1000株単位の銘柄で出来高10万株以上)、PBR≦3.0、PER≦40.0、日足の3ヶ月分を使って検索したもの。今日時点で500銘柄ちょっと出てくるので、チェックするにもお手頃サイズかと。チャートも一緒に出るので見やすいです。上記設定は こちら からどうぞ。これをクリックすると、上記条件でのスクリーニングが出来るようになっています。

● これで出てくる「上昇」、「まだ上昇」とか「急上昇」の銘柄群については、少なくともマーケット全体でリバーサルがもう少し効き出すまでは、あまりショートしない方が良いのでしょうね…(^^;。というか、リバーサルの定義からすると、この辺の銘柄の勢いが衰えてこないと、リバーサルが効かないってことかもしれません。もう少し市場全体のボラティリティーが上昇してくると、展開は変わってくると考えているのですが、それが、いつになることやら…(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比1761万株増の16億8282万株、売買代金は同1761億円増の2兆4728億円。まだまだ盛り上がりに欠ける状態が続いています。東証1部値上がりは390銘柄、値下がりは1203銘柄で、これだけ見るとかなり下落銘柄が多い印象。指数はそれほど下がらなかったですけどネ。今朝のSQ値を計算すると、前日比23.05円安の18198.43円で、これはザラ場高値より上の「幻」状態でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4日連続での売り越し(3990万株売り/3380万株買い)だったのですが、市場筋観測によると、金額では小幅買い越しだったとのこと。

● 大引後公表の先物手口。あまり動かなかった相場の割には、外資系同士の「仁義無き戦い」があったのかも(^^;。日経平均先物の売り手は、CS君が6250枚売り(買いは非公開)、UBS君が差引3031枚売り越し。買い手はかなりバラけていた印象ですが、HSBCが2558枚買い(売りは未公開)など。一方、TOPIX先物では、CS君がドカーンと差引6017枚売り越し、カリヨン君が2151枚売り(買いは非公開)。買い方はSG君が差引4200枚買い越し。どうやって儲けているのかは、私にも分かりません(^^;。

● そうそう、例のブルドッグソース(2804)は、今日はストップ安売り気配で値が付かず。比例配分すら出来ませんでした。参加するのだったら、完全に事態を把握していて参加するべき銘柄だと思うし、伝聞などに基づいて参加して高値掴みになっている方々は、「そりゃあ、しゃあない」です。自分が恥ずかしい行動をしたと噛み締めるしかありません。自己責任とはそんなものです。もっとも、今後、下げるか上がるかは判決次第の面もあるのは事実。もっとも、東証2部銘柄なので、個人的には95%は他人事です(^^;。その5%は何かと言えば、もしこのパターンの「防衛策」が確立されるようになると、日本のマーケット全体にとってネガティブと考えている分です。

● 良い週末を!

 TOPIX : 1786.16 (+5.72, +0.32%)    日経平均 : 18221.48 (+52.76, +0.29%)    円ドル : 122.80  

● 米国が祝日で休みだった影響で、商いはそれほど盛り上がらなかったものの、朝から意外にも堅調な展開。朝方は先物に引っ張られた感で、後場は逆にジリ貧。日経平均で18300円近辺に近付くと、何となく尻込みする雰囲気が濃厚だったものの、下値を売り込む感じはなし。ただ、今一つ覇気に乏しい相場でした。TOPIXも日経平均も6連騰。もっとも、某オプショントレーダーが、「これだけ動きが鈍かったら、夏休み取ろうかなぁ」とボヤいていましたが、そんな感じの1日でした(なんじゃそりゃ?(^^;)。

● 物色はそれなりに広がりを見せ、テクノロジー系(半導体)や海運が元気。もっとも、先物が堅調だったからという印象も拭えなかったのですが、大引後に公開された手口を見ると、それほど派手なのはありませんでした。日経平均先物でCS君が差引1378枚買い越し、UBS君が差引1366枚買い越し。TOPIXではCS君が差引2960枚買い越し。売りはTOPIXでSG君が差引2755枚売り越し、GS君が差引2121枚売り越しでした。爆発的に大きな手口は無かったので、「先物主導」という印象も、「他に理由の持って行き場所が無かったから」なのだけかも知れません(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億4148万株増の16億6521万株、売買代金は同2019億円増の2兆2967億円。さすがに昨日よりは増加したものの、まだ盛り上がったという感じではなし。東証1部値上がりは976銘柄、値下がりは592銘柄とまぁ、順当なところ。今朝のSQ値を計算すると、前日比18.35円高の18187.07円。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(3230万株売り/3030万株買い)でした。

● ちょっと長くなるのですが話題変更。東証2部銘柄だし、直接的にはタッチしない銘柄ですが、ブルドックソース(2804)について書いておきましょう。今日は凄い値動きでしたし…(^^;。まず、今日がどんな日だったかの復習。本日は買収防衛策の一環として割り当てられる新株予約権の権利落ち日。スティール・パートナーズ以外の株主に対して、無償で1株につき3個の権利が割り当てられるので、事実上、1対4の株式分割があった感じになります。

● このところ、東証よりいくつものブルドッグソース関連リリースが出ていたのですが(下記リンクご参照)、(4)のリリースで基準値(1479円)が決まり、そして制限値幅は特例措置でこの4分の1(369.75円)を基準にして、ここから80円幅で290円がストップ安に決まったのです(上限は通常通りの1679円)。つまり、下は290円、上は1679円というとてつもない値幅を持って、今日の相場に入ったワケ。ご参考に、東証から直近で出ているリリースをまとめておきました。

東証リリースURL(別窓で開きます)
(1)ブルドックソース(株)の新株予約権無償割当てに係る権利落ち日の売買の取扱いについて http://www.tse.or.jp/news/200706/070626_a.html
(2)ブルドックソース(株)の東証第二部株価指数算出上の取扱いについて http://www.tse.or.jp/news/200707/070702_a.html
(3)ブルドックソース(株)の新株予約権無償割当てが取りやめられた場合における売買及び決済の取扱いについて http://www.tse.or.jp/news/200707/070703_a.html
(4)明日のブルドックソース(株)株式の呼値の制限値幅等について http://www.tse.or.jp/news/200707/070704_c.html
(5)ブルドックソース(株)株式に係る権利落ち後の売買についてのご留意事項について http://www.tse.or.jp/news/200707/070704_d.html
(6)7月6日以降のブルドックソース(株)株式の呼値の制限値幅等について http://www.tse.or.jp/news/200707/070705_b.html

● 実際に相場がスタートしてみると、寄付きは500円(9:00)、高値は1370円(14:46)、安値は499円(9:02)、最後は14時46分に1365円が付いた後に特別売り気配になり、1325円ヤリで終了。途中、ザラ場でも買い気配になって寄付かなかったし、日中足は凄い格好。こんなことは、余程の出来事が起こらない限り発生しないでしょうから、ちょっとした記念品的価値ありです(^^;。なので、保存版としてブルドッグソースの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

ブルドックソース(2804)日中足

● もともとスティール・パートナーズは、5月18日に1584円でTOBを開始して、6月15日にTOB価格を1700円に引き上げています。今回の新株予約権は、「現時点では」1対4の株式分割と考えることができるので、TOB価格を換算すると、1700円 ÷ 4 = 425円。ということは、実質上のTOB価格よりも、今日の終値(特別気配で1325円)がはるか上ってこと(って考えて良いのですよね?!?)。

● 今回の件は元々かなり複雑ですが、話をややこしくしているのが、この新株予約権の行使がいつ可能かってこと。6月29日に同社から出たリリース、「新株予約権無償割当てに関する手続きについてのお知らせ」 を見ると、今日の権利落ちから、「最長で行使可能となるまでに約2ヵ月弱の期間を要することになります」と明記してあります。

● これって、どこかで見たことのあるパターン。つまり、大幅な株式分割で株券が流通せずに需給要因が効いて株価乱高下、という今は起こらなくなってしまった現象です。東証も当然、それを分かっていて、(5)のリリース内で、「新株券が交付されるまでの間については、売付可能な株式数が増加しないことから、権利落ち前に比して需給状況が大幅に変化し、短期間のうちに株価が大きく変動する可能性があります」と注意喚起。実際にそれが今日のマーケットで発生した、ということでしょう。

● もっとややこしいのは、スティール・パートナーズ側は、「新株予約権発行差止仮処分」が東京地裁で却下されたあと、東京高裁に抗告している点。この仮処分がもしOKとなれば、新株予約権は発行されなくなる…んですよね???事態の激変の可能性もあるってことです(^^;。東証2部銘柄なので、個人的にはどうしても他人事(^^;になってしまうのですが、同様のことが東証1部銘柄に起こることも有り得る話。買収防衛策として確立されるような事態に発展すれば、真似をする企業が出てくる可能性もある訳で、今回のケースはテストケースとして注目しています。なお、今のところ、トレーディング的には「買い手大勝利」状態です。でも、いつまでその状態が続くかは知りません。為念(^^;。

● 蛇足になりますが、これらは全て公開情報です。なので、事前に公開情報を丹念に見ておけば、今日の事態もある程度は予想できたはずです。もっとも、裁判の行方は分からないですけどネ(^^;。

● なお、本日の東証2部指数は、前日比60.39ポイント高(+1.43%)の4279.15。Bloombergでブルドッグの寄与度を調べようとしたのですが、どうやらBloombergも処理を間違っているようで、滅茶苦茶な数字が出ており、良く分かりませんでした(^^;。

 TOPIX : 1774.88 (+23.76, +1.36%)    日経平均 : 18138.36 (+206.09, +1.15%)    円ドル : 123.35  

● 上値が重たいと感じる1週間だったにしては、妙にスルスルと上昇した1日でした。今日は上げの特異日だそうですが、計らずともそれを実証した格好。日中足をご覧頂けると分かるのですが、ジリジリと継続的な上昇が特徴的。特に買い材料があったのではない(FOMC通過とかで不透明感は減少)中の上昇は、今日が月末、四半期末、さらに場合によっては半期末というのが影響した可能性はあります。さらに、先物に所々で大口買いが入って裁定買いを引っ掛けていたのも要因だった感じです。いずれにしろ、今日の上昇により、ざっくり5~7日で廻っている相場のリズムが続いている印象が継続。なら、来週中盤までは大丈夫かな?!?日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 個別の上がった下がったは相場解説記事に任せるとしましょう(とサボる(^^;)。昨日は東証1部の値上がり銘柄数が妙に多かった(値上がり1425銘柄/値下がり230銘柄)件について書いたのですが、今日は値上がり1218銘柄、値下がり383銘柄と、イメージとしては指数並の感じ。でも、昨日よりもかなり値上がり銘柄数が減ったのは事実。一方、今朝のSQ値を計算すると、前日比92.42円高の18024.69円で、終値までに113.67円上昇したことになります。多くは前場だったのですが、1日通してこの分を「フォロースルー」と考えるなら、久しぶりにザラ場での押し上げ買いが入ったことになります。

● そのフォロースルーはどこから来たかですが、大引後に公表された先物の手口を見ると、「やっぱりか…(^^;」状態。日経平均先物ではCS君が4920枚買い(売りは非開示)、TOPIX先物でCS君が差引4448枚買い越しと圧倒的でした。他にSG君が日経平均先物で差引2407枚買い越し、カリヨン君が差引1649枚買い越し、TOPIX先物ではドイツ君が差引1221枚買い越しだったので、如何にCS君の手口が圧倒的だったかがお分かり頂けるかと…。久しぶりに大きな手口でした。

● 残りの記録。東証1部出来高は前日比1億2678万株増ながら17億3879万株どまり。売買代金は同2089億円増の2兆5906億円。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ソコソコの買い越し(2890万株売り/3350万株買い)でした。

● 話題変更。今日の日経金融スクランブル欄、『アナリスト育たない市場、悲しき手数料自由化の帰結』はかなり重たい内容。でも、サプライズではないのです。外側から見ている方々にすれば、「えっ?そんなことが?」と感じるかもしれませんが、似たような傾向は数年前から強まっていたし、その前から、ある程度は予想できたトレンドなんです。プライマリー部門との情報隔壁の要求に加え(アナリストは一般的にセカンダリー部門)、昨今のアンバンドリングが加わって拍車が掛かっている状況。現在のアナリストの立場は基本的に「セールス」で、「研究者」ではないのです。もっとも、市場は「タダで入手できる」アナリスト情報に右往左往するのですから、皮肉と言えば皮肉。あまり書くと何かと弊害がありそうなのでこの辺で止めておきますが、一度転がりだしたモノはなかなか止まらないのも現実です。

● 週末なんで軽い話題で締め(^^;。今週は株主総会のピークでしたが、株主総会でいつも思い出すのが、個人的にかなり信望している映画「Wall Street」(1987年、邦題:ウォール街)の株主総会のシーン。Gordon Gekko(Michael Douglas)が乗り込んで、「Well, ladies and gentlemen, we're not here to indulge in fantasy, but in political and economic reality」とスピーチを始めるシーンです。この映画には、20年前の映画とは思えないほど、現在においても色々な深い意味を秘めた台詞がたくさんあります。中でも、今でもあちこちで引用される名スピーチ(本当にそう思う!)なのが、

The point is, ladies and gentlemen, that: Greed, for lack of a better word, is good. Greed is right; greed works. Greed clarifies, cuts through, and captures the essence of the evolutionary spirit. Greed, in all of its forms, greed for life, for money, for love, knowledge - has marked the upward surge of mankind and greed, you mark my words - will not only save Teldar Paper but that other malfunctioning corporation called the USA.

の部分。ちょっと語句が怪しいところがあったのですが、検索してみるとWikipediaのWall Street (film)にそっくり掲載されていたので、それを拝借しました(^^:。そのぐらい有名な台詞です。色々と検索していたら、そのスピーチ部分を載せているサイトもありました(著作権的に大丈夫なんだろうか?)。こちら です。字幕などはありませんが、モロにそのシーンです。

● この映画もAnacott Steelという鉄鋼会社の争奪戦が大きなテーマでした。ミタルが影も形も無かった時代の映画にしては、現社会でも妙にリアリティがあります。さらに、この株主総会はTeldar Paperという製紙会社。そういえば、王子製紙・北越製紙なんかもありました。リアリティがありますでしょ(^^;。

● それと、もう一つ印象的だったのは、BudとDarienの別れのシーンで、Darienが「 when you've had money and lost it, it's worse than never having had it at all 」という台詞。色々な意味で、凄い真実だと思います。ふと振り返ると、この映画が出てからもう20年も経過したんですネ。リアルタイムで映画館で見た私は、これを書いていて、思わず年月の経過を考えてしまいました(^^;。

● 関連してちょっとだけ広告を(^^;。上に書いた「ウォール街」はAmazonではこんな感じです。安い方 ウォール街(特別編) と高い方 ウォール街-特別編- があるみたいです。差はよく分かりません(^^;が、発売時期がえらく違う(高い方は2001年)ので、回収済みを安く販売しているってことですかね?なんせ20年前の映画ということは、もうクラッシックですから…(^^;。下の画像は安い方です。

● それでは、良い週末を!

 TOPIX : 1751.62 (-9.56, -0.54%)    日経平均 : 17760.91 (-73.57, -0.41%)    円ドル : 121.70  

● 寄付きこそ米国株高やシカゴ日経平均先物高を受けて、瞬間的には小高く寄付いたものの、その後はジリ貧の展開。相場の柱も定まらないし、昨日上昇した保険株が早くも大幅反落するなど、安定感が乏しいというか方向感に欠けると言うか、手詰まり感を感じざるを得ない1日でした。特に後場その傾向が強く、今日1日の日経平均値幅127.43円も小さめだったのですが、後場の値幅はわずかに45.19円。先物も後場は上下50円しかなく「お手上げ」状態(^^;。最近、どうも後場に腐る相場展開を良く見掛けます。また、東証1部値上がり357銘柄に対して値下がりは1280銘柄にも達し、指数で見るよりも、かなり値下がり銘柄数が多かった印象でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。後場の「腐り方」をご覧頂ければと…(^^;。

● 相場そのものが今一つだったこともあって、市場関係者の間で話題になっていたのが、シティグループが日興コーディアル株の保有比率を68.69%に引き上げた件。大量保有報告で明らかになったのですが、TOB時に61.08%の保有比率だったものが、その後、少しずつ増加していたものが一気に上昇し、ついに保有比率が3分の2超の68.69%まで上昇。これで経営権を完全に支配する格好になりました。

● 普通はそこまでかもしれませんが、どうやって取得したのかなどへの興味が沸いてきたので、EDINET (https://info.edinet.go.jp/login.do)に行って調べてみました。このシステムは決して使い易いものではないのですが、まぁ、お役人さん主導で作ると得てしてこうなります(^^;。それはともかく、当該の大量保有報告を見付けてきて調べると、報告義務発生日は6月6日。内容を詳細に見ると、同日に市場内取引で取得したのが 31,882,500株と大きく、単価は1699円。実はこの日、日興CG株は東証で 37,380,000株もの突出した出来高があり、四本値は始値1666円、高値1706円、安値1666円、終値1694円。Bloombergで当日のVWAPを調べると1699.2378円。確かに、あの日はおかしかったです…(^^;。

● この大量保有報告には、日興アセットの保有している0.24%も一緒に共同保有分に含まれているのですが、これは「運用」としての保有なので、実際には68.69%から0.24%を引いた分が「経営権」という意味での保有になります。まぁ、大差はありませんけど…(^^;。この辺の詳細は、EDINETに掲載されているPDFファイルの21ページ目以降に全て載っています。各自でご確認を。

● EDINETよりもはるかに便利なのが、いつもお世話になっている「考える株式投資」(http://g2s.livedoor.biz/)。こちらのサイトでもいずれアップデートされると思います(これを書いている時点ではまだです)。サイト内で日興CGの大量保有報告へのリンクは http://g2s.biz/tool/fiverule/8603.html です。このサイトには他にも「タワー」の件など、興味深いネタがあります(^^;。

● 話を戻して、議決権の保有比率についても少し書いておきましょう。議決権は1単元から存在するのですが、保有比率が1%を超えると株主総会での議案の提案が可能になり、3分の1超で特別決議に対する拒否権が発生、過半数で取締役選任など普通決議の可決が可能になるなど、段階的に権利が決まっているのは承知の通り。3分の2以上保有しているということは、特別決議を自分で可決することが出来ることで、拒否権を行使して「邪魔」をする株主が居ないことになります。その点から、経営権の完全掌握とみなされるのです。ところで、3分の2超の保有と100%保有の違いは何かあるのでしょうか?実はこれについては意識したことも無かったのですが、どなたかご存知の方はいらっしゃいます?

● 一方、マーケット的には、少数特定者持株数で75%と90%のラインに上場維持基準があるので、この辺がちょっとした注目点になります。上場維持の観点からは、3分の2を超えてもあまり75%に近くない方が良いことになります。これは上場廃止リスクを考慮すれば、ってこと。ただし、非上場化するつもりだったら、全く別の考え方になります。この辺も含めて、シティの次の一手があるかどうかに注目しておきたいです。しかし、日興CGは日経平均採用銘柄なのに、段々と品薄株になってきました…(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比9183万株減の19億8486万株、売買代金は同358億円減の2兆6872億円。決して薄商いってことはないのですが、今一つ盛り上がりに欠けたのは事実。今朝のSQ値を計算すると、前日比12.75円高の17847.23円。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、3日連続での売り越し(3940万株売り/2930万株買い)でした。

● 昨日書いたアイザワ証券から「信用取引における立替金の発生に関するお知らせ」とのリリースが出たとの話。今日の夕刊フジにもデカデカと関連記事が掲載されています。ヘッドラインは、「証券10社“鉄砲被害”…仕手戦で決済しないで失踪 優良企業の株価を人為的に操作」なるもの。URLは http://www.zakzak.co.jp/top/2007_06/t2007061218.html です。全体としてうまく事態を描けていると思いますが、上記のアイザワ証券の件などは、会社側が発表しているリリースだし、TDNetにも掲載されている公式文書なんだから、記事に盛り込めば良かったのに…。このHP/ブログをお読みではないんでしょうね…(^^;。何はともあれ、各自で記事をご確認下さい。

● 雑談。例の社会保険庁の「ねんきんダイアル」ですが、某市場筋から廻ってきたメールによると、「電話口に出て必死に謝っているのが時給1050~1100円で掻き集められた派遣のパートさん」とのこと。ホンマかな?と思ってたら、実際に募集広告(http://townwork.net/h/r/Fh30010s.jsp?lac=01&jmc=00302&rid=04189511&axc=03)まで出てるんです。広告には「ねんきんダイヤルの受電対応をして頂きます」と書かれており、一気に150名の大量募集。書き出すとキリが無いのでこの辺で止めておきますが、正直言って、かなり複雑な心境になります。だって、電話口で文句言おうとしても、派遣の方々に言っても可哀想というか、仕方ないというか…。ちょっと憤慨する気持ちにもなります。

 TOPIX : 1701.00 (-2.41, -0.14%)    日経平均 : 17400.41 (-28.76, -0.17%)    円ドル : 119.65  

● 米国株高を素直に反映するかと思えば、朝は逆にスコンとマイナス。鉱工業生産指数やら消費者物価指数がややネガティブな感じでしたが、それよりも、外国人売りが寄付きで出ていたから、という方が正解だったのかもしれません。一巡後はあっという間にプラス転換し、「そうそう、これで正しいねん」と思いきや、前引けに掛けてズルズルと下落して見事な「逆バンジー」状態(^^;。ところが昼休みの立会外バスケット取引が買い越しとの観測が広がると、後場寄付き直後にスルスルと戻し。ところが、そこで出くわしたのが日経平均先物での500枚単位の売り爆弾(^^;。これで頭を押さえ付けられる格好になってしまい、その後はジリ貧。そして今日の最終章は週末控えの買い戻し(^^;。結局、前日終値よりチョビ安で大引け。振り回される1日でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 個別には決算絡みで上下した銘柄は結構あったのですが、今日は他に書くことが多いので(^^;、詳細は他のメディアなどの相場解説をご参照頂くことにしましょう(^^;。そして、市場筋の間で注目を集めたのが日興コーディアル(8603)。今朝午前8時にシティによる日興CGのTOBに関しては成立が発表されました。今日の大引後発表かと考えていたのですが、米国時間との絡みもあったのでしょうね。寄付きこそTOB価格の1700円だったものの、その後、強烈な買いが入りアレヨアレヨの1780円(9時11分)。「何や?どうした?」と市場がざわめく急上昇ぶりでした。ここが今日の高値だったものの、その後も1700円を上回る水準で推移し、引けは1738円(前日比47円高、+2.78%)、VWAPは1742.4901円でした。日興CG(8603)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

日興コーディアルグループ(8603)日中足

● 「なぜTOB価格の上まで買われたのか?」については、色々な思惑が中心となっていた印象。もちろん、「シティ傘下入りで経営が…」は、聞こえはきれいだし賢く聞こえるでしょう(だから多くの相場解説ではそう書くと思うけど)、どちらかと言えば、この説明は二次的な理由だったと解釈しています。具体的にどういった思惑があるかについては、あまりダラダラとここで書くと、妙にエキサイトする方々が出てきそうな感じがするので、現時点では書かないでおきます。でも、普通に考えると、多分、8割方の方々が考え付くことです。もう一つは、ベンチマーク運用をしている機関投資家からの、ちょっと"情けない"買い需要もあったと考えられます。これも多くは書きませんが…(^^;。

● ここでは指数ヲタク系の話に行きます(^^;。もう一度、事実関係をおさらいしておくと、今回のTOBで買い集めた分(56.15%)と、前々からシティが保有していた4.9%を合わせて61.08%がシティの保有比率(異動日は5月9日予定)。色々なファンド筋が保有したままでこの数字だったのか、それとも彼らがTOBに応募してこの数字になったのかは明らかになっていないものの、各種報道では、「応募していない状態」の様子。この辺は追々明らかになってくると思います。もしファンド筋のいくつかが保有したままだったとすると、日興CG株は「少数特定者持株数」の75%規定に引っ掛かって上場廃止になる可能性が考えられ、それについて、市場ではざわめきがあるようです。しかし、これは発生したとしても相当先の話です。その点について、ちょっとご説明。

● 東証の上場廃止基準は有価証券報告書を判断基準としています。そのため、今回の場合、上場廃止を判断するための有報は、2007年3月末のものではなく、来年2008年3月末の有報になるのです。この有報で「少数特定者持株数」が75%超となっていたとしても、実際の上場廃止まではそこから猶予期間が1年間あるので、ほぼ丸々2年間は上場維持となります。90%超の猶予期間なしの上場廃止基準に引っ掛かったとしても、現時点からは約1年も先の話と、どちらにしても相当な時間が掛かる話なんです。ただ、ここで注意すべき点は、今後、株式交換などによって日興CGがシティの完全子会社になるなどの事態があれば、「少数特定者持株数」の基準ではなく、他の理由で上場廃止(猶予期間なく周知期間だけ)になる可能性はあります。この東証の上場廃止基準は こちら をご参照下さい。

● 一方、運用担当者にとって、より重要なのはFFW(浮動株比率)の見直し。「公開買付報告書」に基づいて審査されるのでもっと素早く、本日大引け後に発表がありました。日興CGのFFWは「0.80→0.40」へと変更。実施は5月末のTOPIX修正です。事前のコンセンサスはウェイトが半分程度までは落ちる、という感じだったので、特にサプライズはありません。これでFFWを基準にして、ファンドでの必要保有量を計算することが出来るので、FM諸氏も色々な「対応」が可能になると思います(^^;。浮動株比率については こちら にてご確認を。

● もう一つ指数ヲタク向け業務連絡。MSCIから5月3日(日本時間5月4日早朝)に、定期銘柄入れ替え及びMSCI新指数算出方法の暫定構成銘柄などの発表があります(http://www.msci.com/pressreleases/archive/20070426_pr.pdf)。例年5月のMSCIリバランスは大きいし、今回はそれに加えて、先日発表された新たな指数計算方法での構成銘柄などが公表されます。連休中はともかく、連休明けまでには内容を把握しておきましょう(^^;。日興CGの扱いも気になりますしね。

● 記録。東証1部出来高は前日比2億2898万株増の22億5774万株、売買代金は同3236億円増の3兆1732億円と、3月16日に3兆3683億円を記録して以来の大商い。東証1部値上がりは936銘柄、値下がりは669銘柄と、指数とは逆に値上がり銘柄数の方がかなり多い状態。また、今朝のSQを計算すると、前日比61.83円安の17367.34円でした。さらに、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの量の売り越し(5550万株売り/3670万株買い)。これで9日連続の売り越しで、市場筋によると、今日も欧州系証券の売り越しが多かったとのこと。月が替わって変化が出てくるかどうかに注目しておきたいところです。

● さぁ、ゴールデンウィーク。とは言うものの、私はどこにも行かずにカレンダー通りの予定です。とはいうものの、前半は天気が良さそうなので、混み合うところを避けつつも、あちこちに走りに行こうとは思っていますけど…。今日は長文スミマセン。皆様も良い週末を!

 TOPIX : 1705.63 (-4.44, -0.26%)    日経平均 : 17455.37 (+2.75, +0.02%)    円ドル : 118.35  

● 朝方こそ先週末のNY株高などを素直に好感して上昇して始まったものの、後場に入って一気にズッコケ状態。昼休み立会外バスケット取引が売り越しと伝わっていたこと、昼休み後にスコンと円高方向に振れたことなどから、警戒感が強まった感じはありました。さらに、HOYA(7741)の業績予想が「控え目」で株価がネガティブに反応したことも心理的に全体に響いた格好。いずれにしろ、根拠なき経験則の「NY株大幅高の翌日はあかん」が今日も実証された格好となってしまいました(^^;。

● 今日はTOPIXの日中足とHOYA(7741)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。相場解説記事ではHOYAをスケープゴートにするかもしれませんが、実際にTOPIX(日経平均も)は後場寄付き直後から下落しており、HOYAの決算発表(13時ちょうど)で余計に買い手控えを起こさせた可能性はあるものの、HOYAが直接的な原因ではなかったのが見て取れると思います。

TOPIX日中足
HOYA(7741)日中足

● 一方、ザラ場中には、「またCSの先物売り?」との声もあったのですが、大引け後に公表された手口をみると、CS君はいたって静か(日経平均先物で904枚買い越し、TOPIX先物で579枚売り越し(^^;)。大きな売り手としては、日経平均先物でMS君が873枚売り越し、TOPIX先物でJPM君が1244枚売り越しで、今日は全体に売り買いともにかなり静かだったことが分かります。と言うことは、今日のずっこけは現物主導だった可能性が強いってこと。誰が売ったかって?それは分かりません。でも、朝方高かっただけに嫌な売られ方だったのは確かです。また、今日は新興市場が朝方から一斉にマイナスの展開。この辺も相変わらず雰囲気が盛り上がらない要因でした。

● 記録。東証1部出来高は前週末比1億0829万株増の18億9848万株、売買代金は同2972億円増の2兆5708億円。東証1部値上がりは525銘柄だった一方で、値下がりは1093銘柄に達していたので、前日比でみてもTOPIXの方が実態に即していた感じ。なお、今朝のSQを計算すると、前週末比155.68円高の17608.30円だったので、今日の寄付き近辺で買った方々は、かなり「つかまった」印象が残ったと想像します(^^;。

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きソコソコの量で売り越し(4240万株売り/3670万株買い)。ただし、市場筋によると、金額は逆にかなりの買い越しだったとのこと。相変わらず欧州系証券の売り越しが目立っているとのコメントがありました。心配のネタはネタだけど、それは相場が急落するなりの激変があってから考えることにしましょう(^^;。

● 話題変更で久しぶりに日興CGの話。ご存知の通り、シティによる日興CGのTOB締め切りが今週木曜日(26日)に迫ってきました。場で買ってそれをTOBに出すのであれば、今日が最終売買日。TOB結果についてあれこれ想像するのは他の方々にお任せするとして、指数ベンチマーク運用のFM諸氏にとっては、いろいろな可能性を考えて対応する必要があります。いくつかの焦点として、まずTOBが成立するかどうかが一つ、さらにTOBが成立したとして浮動株比率がどの辺になるかがもう一つ。TOBが不成立になった場合、当然、日興CGは上場し続けるのですが、もしかしたら「もう一度TOB実施」の可能性が考えられなくもありません。その場合は、新たに考え直すことになるので、現時点ではあまりやることはありません。

● 一方、TOBが成立した場合に、どの程度の株式を集めて成立するかが焦点になります。東証のHPに掲載されている 上場廃止基準 を勘案すると、TOB後に「少数特定者持株数」が上場株式数の75%超になるか90%超になるかで扱いが変わってきます。75%超になれば、猶予期間1年間付きで上場廃止になるのですが、90%超だと猶予期間なしでの上場廃止。現状を考えると、指数連動型ファンドなどの持ち株が一桁%後半はありそうなので、90%超はなさそうで75%が一つの焦点になります。ただ、それでも上場廃止まで1年間の猶予期間があり、その間は日興CGの値動きが指数に反映されることになるので、完全に持ち株ゼロを1年間続けるのは難しいかも知れません。

● もし75%まで届かないとしても、シティがTOBで過半数の株式を集めることができてTOBが成立すれば、日興CGのFFWは現在の0.80から相当に下がることは簡単に予想出来ます。そうなると、TOPIXウェイトもそれに従って下がることになるので、保有株数も調整しておく必要があることになります。ただ、これもTOBが終わってから東証がFFWを発表するまでは確定しません。日経平均型ファンドでは上場廃止にならない限り基本的に何も変わらないので、TOBが成功すると単に流通株数が大幅に減少するだけの効果をもたらすだけで頭の痛いところです。TOBの結果公表は27日の予定。一応、色々と考えておきましょうネ。

● そうそう、いよいよ決算発表が本格的にスタートします。というワケで、例の日米主要企業決算発表予定ワークシートをアップしておきました。意図的に数日遅れのデータにしてありますが、今回のは先週金曜日(20日)の分なので、まだまだ十分以上に賞味期限内です。左側のメニューからダウンロードページにお進み下さい。普通のExcelシートです。

● 雑談。狩野選手の頑張りがボロボロの試合の一つの清涼水。しかし、JFK以外の中継ぎ投手陣が信頼感に欠け、打線は繋がらないとなると、見ていてもストレスが多い試合ばかりになってしまいます。そりゃあ、確かにあの延長12回の攻防は凄かったです。でも、もっと前に何点か取るチャンスもあったし…。まぁ、逆説的に見れば、これでも勝率5割近辺でウロウロしているのは上出来。不平不満は言っていても、「勝っても負けても虎命」の精神です(^^;。

2007年04月06日(金) .... 小幅続落、後場は閑散で超小動き

 TOPIX : 1717.08 (-3.64, -0.21%)    日経平均 : 17484.78 (-6.64, -0.04%)    円ドル : 118.80  

● 朝方こそプラスで始まったものの、前場はそこからきれいな右肩下がり。ところが後場寄付き直後にピョコンと上昇して前日終値近辺まで戻すと、そこからは眠気を誘う展開(^^;。結局、ホンの少しながら続落して終了。東証1部値上がりが551銘柄、値下がりが1007銘柄だったので、指数で見るよりも地合いは悪かった印象。ただ、どちらにしろ、「話題の少ない日に敢えて探せば…」という程度でしたけど。TOPIXは日経平均よりも弱かった印象があり、新興市場は特にマザーズが軟調でした。

● 今日の日経平均の日中値幅は137.75円。これも比較的小さい方ですが、前場後場に分けると、前場が137.75円と日中値幅を全てカバーし、後場はなんとたったの40.74円しか値幅がありませんでした。日中足をご覧頂くと分かるのですが、まるでカタカナの「イ」を横にしたような日中足(^^;。また、日経平均の高値は前日比で68.88円高、安値は同68.87円安と、鏡にでも映したような珍しい状況。記念(^^;に日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● FM諸氏も年次レポーティング真っ最中との声がいくつもあったし、毎度ながら、この時期はあまり相場を見ている時間がない様子。それでもお話をしていると感じるのですが、公的年金だけでなく企業年金側からも、日本株を増やすとの意向はあまり聞こえてきません。今日の日経金融スクランブル欄には、全国市町村職員共済組合連合会が株式運用をする件が載っていたのですが、これまで株式運用をあまりやっていなかったところはともかく、既に日本株運用をやっていたところにとっては、あまり積極的に日本株を増加させる理由がないのが現状。結局のところ、投信と外国人投資家の買いに期待するしかない状態は続きそうです。

● 個別銘柄では、日経夕刊(4版)がすっぱ抜いたのが、「HOYA、ペンタックスにTOB」のニュース。大引け間際(14時54分)だったのですが、ヘッドラインが流れてあっという間に急上昇。この時間帯だと、VWAPターゲットのトレーディングはもう「締め」の時間帯だっただろうし、買いなら「ラッキー」と喜んだでしょうが、売りだったら「ぎょぇぇぇ~~」ってところ(^^;。14時58分には特別買い気配になってしまい、結局、大引けの商いは出来ず。自己ならば諦めれば済む話かも知れませんが、委託取引だったらやりきるのが鉄則。難儀な時間帯の難儀な材料でした(^^;。ペンタックス(7750)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。HOYA(7741)の方には、ほとんど目立った値動きはありませんでした(当然と言えば当然…)。

ペンタックス(7750) 日中足

● 他には、任天堂が各社アナリストの見方が分かれていた割には堅調な値動き。銀行も堅調だった一方、鉄鋼株、重工株はまちまち。不動産株は軟調でテクノロジーは高安マチマチ(高い方が多かったかな?)。相場の流れの変化のような気もするし、単なる一休みだけのような気もするし…(^^;。来週、外国人投資家が戻ってきてから、もう一度考え直しになりそうです。

● 記録。東証1部出来高は前日比3億6324万株も減って17億7774万株、売買代金は同5011億円減の2兆0938億円。外国人投資家がイースター休暇を控えて見送りとなれば、こんなものなのかもしれません。今朝のSQ値を計算すると、前日比10.39円高の17501.81円、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(2660万株売り/2410万株買い)でした。

● ようやく週末。東京の桜はピークを過ぎた印象が強いですが、全国的にはピークを迎えているところがたくさんあるはず。可能であれば、ちょっと足を伸ばしてって感じでミニ旅行なんてしてみたい気分です(^^;。良い週末を!

 TOPIX : 1713.61 (+2.93, +0.17%)    日経平均 : 17287.65 (+23.71, +0.14%)    円ドル : 117.75  

● 堅調は堅調だったものの、何となく「乗りが悪かった」というか…(^^;。TOPIXはモロ安値引けだったし、日経平均も安値圏での引け。本邦機関投資家や企業にとっては期末だし、海外投資家にとっても四半期末、月末で、あまり何かをするような雰囲気ではありませんでした。寄付き前に発表された鉱工業生産指数も一応コンセンサスを上回り、悪い話ではなかったのは確かですが、マーケットで話題になることは無かったです。週明け(4月2日)には日銀短観が予定されており、あまり良い数字が出ないであろうことは周知。周知されていて織り込み済みなのか、それとも周知されていても嫌気されるリスクがあるのか不透明感が残り、「何もしたくない」ムードに拍車を掛けた印象。「お化粧買い(桶紹介と出た(^^;)」への期待感はそれなりにあったものの、他力本願だけではねぇ~(^^;。

● 本日の記録。東証1部出来高は前日比3億9548万株も減って19億4297万株と20億株割れ、売買代金は3948億円減2兆2969億円。東証1部値上がりは1045銘柄、値下がりは548銘柄と、意外に値上がり銘柄の多い1日でした。また、今朝のSQ値を計算すると、前日比52.29円高の17316.23円で、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(3460万株売り/4080万株買い)。多少は「お化粧買い」でもあったんでしょうかね?

● さて、これで日本では期末。単純に3月末の株価だけを昨年と比較すると、TOPIXは昨年3月末が1728.16ポイントだったので、若干届かず。ただ、銀行株の軟調さでほぼ説明できる程度の「未達」です。日経平均は昨年3月末が17059.66円だったので、ちょっとだけプラス。まぁ、両者ともに誤差の範囲内程度で「この1年間は何もなかった」ってこと(^^;になってしまいます。それではあまりにも悲しいので、Bloombergで指数貢献度プラス銘柄上位とマイナス上位を計算させてみました。いずれも2006年3月末から2007年3月末(今日)の数値で、数値は指数ポイントに換算しての貢献度を表示しています。計算は Bloomberg Professionalを使いました。

TOPIX 上昇寄与度上位銘柄 TOPIX 下落寄与度上位銘柄
17203トヨタ自動車+10.654 pt 18306三菱UFJ FG-18.644 pt
25401新日本製鉄+8.597 pt 28306みずほFG-9.685 pt
37974任天堂+7.119 pt 38306三井住友FG-7.293 pt
47751キヤノン+5.943 pt 48306セブン&アイHD-3.770 pt
58802三菱地所+5.926 pt 58306日東電工-2.897 pt
69501東京電力+5.383 pt 68306ヤフー-2.459 pt
75411JFE HD+4.776 pt 78306松下電器産業-2.162 pt
89433KDDI+4.033 pt 88306りそなHD-1.947 pt
99432NTT+3.800 pt 98306三井トラストHD-1.706 pt
102914日本たばこ産業+3.229 pt 108306日産自動車-1.706 pt
Data source: Bloomberg Professional

● やっぱりメガバンクでTOPIXの「未達」は完璧に説明できちゃいます(^^;。ちょっと長くなるのですが、日経平均でも同様のランキングを作ったので載せておきます。計算は同じく Bloomberg Professional です。やや意外感もあるのですが、「はぁ~~、ほぉ~~~」と感心して頂ければ幸いです(^^;。

日経平均 上昇寄与度上位銘柄 日経平均 下落寄与度上位銘柄
19433KDDI+126.784 円 16857アドバンテスト-145.704 円
26767ミツミ電機+96.904 円 28253クレディセゾン-105.379 円
37751キヤノン+70.206 円 39983ファーストリテイリング-97.105 円
46762TDK+56.846 円 43382セブン&アイHD-42.391 円
58830住友不動産+53.533 円 59984ソフトバンク-41.942 円
68802三菱地所+45.903 円 64324電通-41.166 円
77203トヨタ自動車+44.459 円 79737CSK HD-37.866 円
84502武田薬品工業+39.931 円 88252丸井-36.843 円
94568第一三共+39.533 円 94704トレンドマイクロ-36.625 円
104901富士フイルムHD+35.816 円 108583UFJニコス-35.367 円
Data source: Bloomberg Professional

● ちょっと興味深かったのは、TOPIXではこの期間中に値上がりが459銘柄、値下がりが1296銘柄だったこと。日経平均は値上がりが111銘柄、値下がり116銘柄とほぼチャラだったことを考えると、この点からも中小型株の苦戦を見て取ることができます。

● 話題変更で久しぶりに年金の話。今日、年金積立金監理運用独立行政法人(長い名前(^^;)から、「平成19年度移行ポートフォリオについて及び平成19年度寄託予定額の配分内訳等について」 とのリリースが出ています。基本的には、特にサプライズは無く、市場配分の11.8兆円のほとんどは債券運用に向かうと考えられ、今年も通常のリバランスはあったとしても、公的年金資金が日本株を買い越すことはなさそうです。

● これは、日本株式市場のパフォーマンスがソコソコだったことで、既にGPIFのポートフォリオにおいて、日本株がオーバーウェイトになっているため。今回の発表で2007年度分の国内株式は17.9%で乖離許容幅は-6%(上限なし)と出ているのですが、2006年12月末で既に22.72%。当時よりも相場水準が上昇していることも考慮すると、新たに日本株を買い増す必要性は全くありません。ただ、上限がないので「相場上昇で勝手にウェイトが上昇する」のは容認で、わざわざ売ることもないってことです。

● もちろん、国内株式がドカンと急落してウェイトが下がれば、その場合にはウェイトを保つような形で資金が配分されてくるはずなので、この点からは「下がれば買う」という構造に変化ありません。ちなみに、これがよく"PKO"と誤解されるモトです(最近はこの言葉も聞かなくなった…(^^;)。一方、国内債券は素直に組み入れ比率が引き上げられる方向です。この年金積立金監理運用独立行政法人のHPには、他にも興味深い色々な資料が掲載されています。URLは実は昔と変わらず、http://www.gpif.go.jp/ です。

● 指数系の業務連絡。先日、オリエントコーポが東証2部降格の恐れの件を書いたのですが、今日、東証から 「株主数不足に係る市場第二部銘柄への指定替え -サンテレホン(株)-」 と「降格」が発表されました。実務上、あまり関係ない銘柄でしょうけど、一応ご連絡。でも、この銘柄って、TOBでJIP-I という会社の完全子会社になった(なる?)ので、上場廃止が先にくると思っていました。予定では、4月24日に整理ポスト割当で、5月24日に上場廃止予定だったのに、ホンの1ヶ月弱だけ東証2部に行くの??? 不思議だったので、東証に直接電話して聞いてみました。東証の担当者氏いわく、上場廃止は決まっているものの「制度上、2部に指定替えしない方がおかしいことになるので…」とのこと。ホンのチョイのタイミングなのに…(^^;。「降格」なんてホントに久しく無かったし、オリコが久しぶりの「降格」かとエキサイトしていたら、ヒョコっと全く意識していなかった銘柄に餌(記録)をパクられた心境です(^^;。

● ようやく週末。今日は1日妙な天気で夕方はえらい強風。まだ桜が散ってしまうほど咲いていないとは思いますが、今週末は皆さん、あちこちの名所に行かれるのでしょうね。長文スミマセンでした。

● 良い週末を!

2007年03月22日(木) .... 大幅続伸、後場は伸び悩み感も残る

 TOPIX : 1731.80 (+23.51, +1.38%)    日経平均 : 17419.20 (+256.00, +1.49%)    円ドル : 117.45  

● 日本が春を楽しんで休んでいる間に、NYダウは221.35ドル高(+1.81%)、シカゴ日経平均先物は大証比325円高。FOMC後の為替もソコソコ落ち着いていたし、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ホンの少しながら、8日ぶりの買い越し(3270万株売り/3660万株買い)。外部環境としては、「行かなしゃぁない」状態に(^^;。当然のように買いを集めてスタートした相場は初っ端から大幅高で、その後も堅調に推移。ただ、今朝のSQ値は前日比290.10円高の17453.30円で、ザラ場ではその上にはほとんど行かず、上値がつかえていた印象。また、午後2時以降はかなり伸び悩み感もありました。もっとも、それでも前日比1.5%近い上昇はご立派ですけどネ。

● 今日は日中の値動きもかなり狭くて、日経平均の日中値幅は109.79円。前場は98.14円、後場は93.56円でした。後場は最後にダレたところで値幅が広がったので、あのダレダレが無ければ50円未満の値動き。前日比で高くても、ザラ場でフォロースルーが無かったのは、テクニカル的にはちょっと気に掛かるところ。もちろん、健康を損なうような感じではなく、喉に刺さった小骨って感じですけどネ(^^;。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。ザラ場の小動き状態がご覧頂けると思います。

● 東証1部33業種は全部が値上がり、東証1部値上がりは1453銘柄(値下がりは206銘柄)にも達し、「ほぼ全面高」でした。また、東証1部出来高は前日比2億6476万株も増加して21億6576万株、売買代金は同2034億円増の2兆8691億円でした。また、全業種がプラスだったし、個別に値動きを探すのも難しいので、"解説"はメディア記事に任せるとしましょう(^^;。大引け後に発表された公示地価については、ニュースや新聞を読むとしましょう。不動産株が明日どう動くかは、楽しみでもあり恐くもあります(^^;。

● 日興CGについても少し。ここ数日、「なぜ軟調なのか?」が市場関係者の間でちょっとした話題になっています。今日は反発したとは言え、1700円のTOB価格からすると、かなり安い水準での推移で、終値は1682円。TOBが掛かっているので株価があまり動かないのは当然としても、TOB価格から1%超安いというのは、気にし出すと気になるんです(^^;。日興CGは午後5時に今四半期配当を2円にすると発表したので、昨年比で減った印象もあって、その点では妥当なのかもしれません。その一方で、市場ではTOB不成立リスクを指摘する声がしつこく残り続けているのも事実で、今日もBloombergニュースで 「日興筆頭株主ハリス:シティのTOBに拒否方針を表明-7.5%保有」 と出ていました。まだまだ、ファンド筋との駆け引きは続きそうです。

● 50%雑談。休み中のニュースの一つは、中外製薬(ロシュ)のタミフルに関するニュース。中外製薬HPには 「緊急安全性情報 タミフル服用後の異常行動について」 と掲載されています。私はこの4~5年ほど、インフルエンザはもちろんのこと、医者に行くような風邪とは全く縁が無いのですが(逆説的に言えばそれだけ高リスクかも)、自分が小中学生の頃にインフルエンザに罹っても、Tamifluなんてものはなく、基本的に自分の体力で直すしかなかった、というのが実情だったように思います。それでもこうやって一応まともな大人(^^;になったことを考えると、あの頃と今とでは、医学的・疫病学的に何か大きな変化があったのでしょうか?高熱を出せば苦しいし、だからこそ、普段からの予防知識(手洗いとかうがいなど)が子供ながらに身に付いたとも感じます。薬はいざと言う時には便利でしょうけど、頼り過ぎはそれでネガティブもあると感じる今日この頃です。

● 100%雑談。久しぶりに阪神タイガース。オープン戦も最初の頃はどうなるかと思ったけど、主力どころが出てくるようになって、今日も勝って8連勝!抑えても期待感は盛り上がります(^o^)。4月になったら、早速、スカパーのJ-Sportsパックの申し込み(再開)をしなきゃ!

2007年03月15日(木) .... 大幅反発、後場は上値重たい印象

 TOPIX : 1694.18 (+19.24, +1.15%)    日経平均 : 16860.39 (+183.50, +1.10%)    円ドル : 117.25  

● 朝から米国株式の上昇や為替が多少なりとも円安方向に振れたことなどを受け、堅調なスタート。その後、10時前からは先物主導で一段高。もっとも、午後に入ってからは何となく上値の重たさも感じる展開で、日経平均の後場の値動きはわずかに95.55円(1日通しでは181.63円)。まだまだ警戒感の強い状態を見た格好。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● テクニカル的にも、TOPIXの1800ポイントより上、日経平均の18000円より上に「島」が取り残されたアイランドリバーサル状態はまだ続いており、さらに先週末からの3日間(3月9~13日)もかなりアイランドリバーサルっぽい状態になってきました。外部環境(特に米国株と為替)に左右されやすい展開なので、テクニカルだけを見る訳には行かないでしょうけど、やはり気にはなります。この先数日間で、この辺のギャップ(窓)を埋めれるかどうか、注目しておきたいところです。日経平均の日足(60日分)を付けておきます(出典:Infoseek Money)。

● 個別には、三菱重工を筆頭に日立なども含めて「原子力関連銘柄」が堅調で相場全体を牽引。ただ、メガバンクなどは相変わらずの軟調さで、あっち立てればこっち立たず。この点からも、今一つ腰の入らない印象が残りました。話題の日興CGは、今日はさすがに落ち着いた値動きで、TOB価格の1700円は一度も付かず。ザラ場高値は1699円で、これは朝の早い時間帯。後場はズルズルと下落して安値の1685円引け。VWAPは1694.5254円でした。板の状況を見ても、明らかに1350円の時とも違うし、まだ予断は許さないにしても、やっと「普通」のTOBが掛かった銘柄っぽくなってきました(^^;。

● ところで、大引後に三菱UFJ証券から誤発注の公表。銘柄はバッファロー(3352)。日中足を見るとかなり明確に出ていますね(^^;。しかし、この瞬間風速安値(115,000円)って上場来安値を更新(これまでは2006年11月20日の125,000円)。発表によると、銘柄コード間違いで300株売りに行って76株売れてしまったそうですが、気をつけましょう。明日は我が身です(^^;。でも、まだこんなことが起こるんですね。ちょっとゲテモノ趣味で気が引けるのですが(^^;、同株の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 記録。東証1部出来高は前日比9344万株減の23億0562万株、売買代金は同1756億円減の3兆0230億円。東証1部値上がりは1335銘柄、値下がりは302銘柄でした。また、今日のSQを計算すると、前日比137.77円高の16814.66円、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(3660万株売り/1770万株買い)で、買いがかなり少ない印象でした。

● 最後に業務連絡。日経から「日経平均、スカパーJを4月3日から採用」 とのリリースが出ています。スカイパーフェクト(4795)とJSAT(9442)の経営統合に伴うもので、技術的な変更です。「スカパーJのみなし額面は5万円」と明記されており、スカパーはスカパーJになっても、相変わらず日経平均の世界においては「超低位株」のままで、必要以上に気にすることはないと考えています。

● ちなみに、パッとBloombergでみると、日経平均的に最も低位なのは双日、次いでスカパー、ヤフー、クラリオン、ユニチカの順。一番値嵩株(ウェイトが大きい)のアドバンテストが30円動けば、みなし額面換算で60円動いたことになるので、ほぼスカパーの株価全部になっちゃいます(^^;。この辺の「日経平均的超低位銘柄」は完璧に無視して、アドバンテスト、ファナック、京セラ、そしてソフトバンクなど、みなし額面で換算した値嵩株の動きが、日経平均の超目先的な値動き(1分とか)にとって、はるかに影響があるのです。妙な印象を受けるかもしれませんが、これが日経平均という"指数"です(^^;。