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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

● 今日、2月19日(金)はJAL(9205)の上場廃止前の最終売買日でした。手続上は明日、20日に上場廃止となり、その後、100%減資で株券は紙屑となります(電子化されているので、実際には紙の株券すらない)。まぁ、この辺の話は誰もが知っていることですし、いまさらって感じもするので、ここは色々な意味で一時代の終了ってことで、単に記録として書き記しておきます。

JAL今日の値動き

JAL最後の板 ● 上記が今日の値動き(というか一本値)でした。JALは朝から大量の売り物が出ていたことで、結局、値が付いたのは最後の大引け比例配分だけ。それでも2762万4000株も取引が成立したのはご立派(^^;。最後の価格は、もちろん1円でした。

● 右側が最後の"板"状況です(出典:マネックス証券フル板ツール)。ここに来て、成行ではなく、1円で指値を出しているのも何だと思うのですが、もっと上の方の値段にまでかなりの指値売りが出ているのが分かります。まぁ、色々と事情があるのでしょうが(^^;、証券会社には注文件数スライドで取引所からフィーが掛かっている状況を考えると、「ちょっと・・・なぁ~」って感じもします(^^;。まぁ、最終投資家は約定しない限りコストは掛からないんですけどね。

● 何はともあれ、ナショナルフラッグ・キャリアーが経営破綻という事態に追い込まれ、多くの株主が損を被った事態は、マーケットとしては今日で終わり。あと、債務がどうだこうだとか、年金がどうだこうだとかは、マーケットから見る限りは関係のない話となります。個人的には、これを機会に「鶴丸」を復活させても良いと思うんだけどなぁ~(^^;。

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● 相場関連から話題が離れてしまうのですが、少し雑談。今朝の毎日新聞に『日航:米デルタと業務提携へ 「スカイチーム」に移籍』 との記事が出ています。もちろん、まだ正式発表ではないのですが、ここまで記事内容が詳細だと、日本独特の意図的なリークだと思います。

● デルタはスカイチーム。これまでは日本の航空会社が属していなかったアライアンスだけに馴染みが乏しいのですが、オフィシャルHPはこちらです。すでに完全に日本語化されていますね(^^;。

● そもそも、米航空会社の太平洋路線の権益は、主として旧パンナムと旧ノースウェストが持っていました。パンナムは破綻した後にユナイテッドになり、それが現在まで続いています。一方、旧ノースウェストはデルタと一緒になって現在に至っている状態です。JALが現在属しているワンワールドは、太平洋路線がそれほど強くなかった(JALがその分をある程度、担っていたと言えばそうだった)のも、この辺に理由というか背景があります。ワンワールドはアメリカン航空と英国航空(British Airlines)が主体だったので、アジアではキャセイパシフィックが主要キャリア。JALがスカイチームに入るとなると、その辺が手薄になる可能性はありますね。

● なんで今さらこんなことを書いているかというと、私が高校卒業したあと、米国に留学する際に、人生で最初の海外旅行としてニューヨークまで乗っていったのがパンナムだったのです(^^;。当時はロッキードのトライスターで、今から考えるとかなり長時間だった(確か16時間ぐらい?)のを覚えているのですが、それでも太平洋を一気に飛び越えることが出来たというのは、ある意味では感動モノでした(^^;。その頃からすると、パンナムはとっくの昔に消えてなくなってしまったし、移り変わりを見るだけでも、色々な意味で感慨深いのです…(^^;。

● 確かに「他人に頼らざるを得ない」というJALの破綻後を考慮すると、ワンワールドに居るよりも、スカイチームの方が筋に適っているのでしょうね。スカイチーム内には、設立当初から太平洋路線を担っている会社に大韓航空があり(スカイチームの創立メンバー)、ある程度の競合というか、ある意味ではアジアのハブを韓国・仁川国際空港に持って行かれることになるのは避けられそうにありません。JALがずっこけたのだから仕方ないのですが、個人的には、やはり複雑な心境です…。日本ジリ貧化の象徴になるかも知れませんね。

● 一方、最近、妙にシティバンクなどがワンワールド関連のキャンペーンを打っているようですが(日経に広告出まくり)、日本企業、特に電子マネー関連でどういった動きが出てくるかも、少しだけ注目しておきます(^^;。

● 皆さんもご存知の通り、今日(1月21日)の大引けは、JR東海(9022)の日経平均採用に伴う基準日でした。同株は明日から日経平均採用銘柄となります。JR東海の終値は 679,000円だったので、みなし額面換算で679円の銘柄ってことになります。出て行ったJALが最後は異常なほどの低位株だったのですが、資金フローの面からは、今日の大引けでは相場全体に対して、目立ったインパクトはありませんでした。まぁ、全体にはほぼ予想通りってところでしょうか。

JR東海(9022)日中足 ● 後々のためにも、今日のJR東海の日中足を載せておきます(出所:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 昨日、日経平均採用のニュースが正式に発表されてから初めての相場では、寄付き後に高値をつけた後は、基本的にジリ貧。ただし、今日の大引の瞬間にはピョコンと戻して引けています。ここでの出来高の盛り上がりもご覧頂けると思いますが、この辺は、さすがインデックス銘柄ってところ(^^;。

● 問題は、今後のJR東海の値動きですが、将来は分かりません(きっぱり!)。指数ヲタクからすると、今日で指数イベントは終了したので、今後は普通の日経平均採用銘柄としての動きになってくるハズです。それ以外の要素については、予想しろって方が無理です(^^;。

● もっとも、ここで話を終わらせるのも何ですから、参考になりそうな話をいくつか。まず夕凪さんのブログで、『JALと似たケース: 三井化学』 と、『JR東海と三井化学』 のアップがあります。いずれもカネボウが破綻により日経平均から外れ、三井化学(4183)が新規採用されたという、今回と似たケースの動きです。さらに、JR東海絡みでしたら、ロイターに、『野村証が募集中の「JPM世界鉄道関連株投信」が高人気、一部の支店で募集停止に』 なんてニュースも流れていました(^^;。もちろん、信じるも信じないはもちろんのこと、どう考えるかも、全て最後は自己責任ですんでよろしく!

● JALの整理ポスト割当(会社更生法適用申請に伴う東証上場廃止決定)を受けて、日経平均の臨時銘柄入替えが発表されました。事前の大方の予想通り(『JAL問題の決着近付く、日経平均「臨時銘柄入替え」の可能性について』 をご参照)、JR東海(9022)がみなし額面5万円で補充されることになります。JALは20日に日経平均から除外され、JR東海の補充は2営業日後の22日から。指数連動ファンドは、1月21日(木)の大引けでJR東海を買うことになります(ルール上は)。

● 現状のJALが極端なほどの低位株で、現時点でのJR東海のみなし額面換算後の株価が682円ってことになるので、資金フローが多少は発生することになります。一応、ご注意を。

● 日経のリリースは、『日経平均、日航を除外しJR東海を補充』 と出ています。前回のアップで、通常の発表は午後4時半と書いたのですが、今回の発表は、日経ニュースサイトで18時45分(情報端末上では18時30分?)と、かなり遅かったです(^^;。これは想像するに、東証からの正式な上場廃止通知(『上場廃止等の決定について-(株)日本航空-』)が出てくるのを待っていたからだと思います。

● 今日は飲み会があり、ほろ酔い気分なので、短いですがこの辺で…(^^;。

JAL(9205) ● 右は本日のJAL(9205)の日中足(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。今週に入って初めてマトモにザラ場で取引されたのですが、その分だけ出来高も爆発。何と、1,042,599,000株も出来ました。10億株でっせ!ホンマ…(^^;。東証1部出来高は32億2679万株だったので、約3分の1がJALだったことになります。

● こういった株価の動きを見ると、どうしても、あしぎんFG(足利銀行)の壮大なマネーゲームを思い出してしまいます。振り返って見ると、これは2003年末(11月~12月)の出来事だったので、もう相当昔の話。今となっては当時のあしぎんFGのチャートも手元にないのですが、記憶にある限りでも、あの乱高下を思い出さざるを得ないのです(^^;。さらに、名古屋のテレビ塔から札(100円札と1ドル札)をばら撒いた輩が居て、それがあしぎんFGのマネーゲームで儲けた金だったってことで、年末の話題となったのも思い出します。自分の記憶プラスネット検索で、色々と見てみましょう。

● なお、このブログの読者の方々には蛇足で必要ないとは信じていますが、念のためにあらかじめ書いておきます。今回のJALが当時のあしぎんFGを同じ値動きをするかどうかは全く分かりませんし、そもそも、予想する気にもなりません。ましてや、JAL株にちょっかいを出すことを薦めているわけではありません(きっぱり!)。単に、回顧調に当時を振り返るってことですから、為念。

● まず、何があったかを振り返っておきましょう。wikipediaの記述によると、足利銀行は色々な経営不振を受けて増資を繰り返したのち、あしぎんFGという持株会社に衣替え。ところが、これでも行き詰ってしまい、2003年11月29日に預金保険法第102条第1項第3号認定を受けて経営破綻。その後、2003年12月1日に特別危機管理開始決定により預金保険機構が足利銀行の総ての株式を強制取得し、あしぎんFGから足利銀行が外れ、その後、あしぎんFGは2003年12月25日に会社更生法の適用を申請。1ヵ月後の2004年1月26日に東証第一部を上場廃止となっています。

● この当時のニュース記事のクリップがいくつかネット上に存在します。もっとも、大元の新聞社の記事は多くが削除されてしまっているようですが、検索してみると、一部コピーがネット上に残っていました。これは著作権を侵害している可能性は大ですが、まぁ、その辺はちょっと横に置いておいて(^^;、リンクを張っておきます。ネットがなければ図書館で1日潰さないと見付からないような情報が、手元ですぐに見付かるんですから、便利な世の中になったものです。感謝 m(_._)m

● 記憶や記録を振り返ると、足利銀行の破綻が発表されてから、あしぎんFGは当然のようにストップ安の連続。そして株価1円で寄付いたところまでは、まぁ、皆が予想した通り。ある程度のマネーゲームは予想されていたものの、あしぎんFGには足利銀行(破綻と同時にFGから外れた)以外にも北関東リースなど4社が傘下にあったことから、「無価値ではないのではないか」との思惑が飛び交う状態になり、12月11日には、株価が24円まで上昇するというトンでもない事態となってしまったのです。出来高も爆発し、私が自分で書いていたマーケットコメントを遡ると、12月3日には東証1部出来高の15億0399万株に対してあしぎんFGの出来高が6億2467万株あまりと、これだけでなんと東証1部全体の41.5%もあったと書いていました(^^;。ひでぇ話だ…。

● この時点であしぎんFGは、監理ポストだったものの整理ポストではなかったので、まだ堂々とした東証1部銘柄だったのです(TOPIXに入ったまま)。この辺は今のJALと似ています。当時は、機関投資家のなかでもピュアにTOPIXパッシブのファンドなどは、「あしぎんFGを売りたいけど売れない」という悩ましい状況に陥っていたのです。これも一つの契機となって、機関投資家の間では、たとえTOPIX銘柄であっても、株価が極端な低位に崩落した場合などにはポートフォリオから外す、といった内規の設定が相次いだのを覚えています。

● そして、2003年クリスマス前に登場したのが、上記の記事にある「紙幣ばらまき男」。当時の記事には、「1円と5円の時に600万株ほど買い、15円ぐらいになった時に売った。7000万~8000万ぐらいのもうけになった」との記述があったので、それも話題になったのを覚えています。マネーゲームとしても、個人で手掛けるには凄い額だと…(^^;。それをテレビ塔からばら撒くというのも何ですが…(^^;。

● かの著名なJ_Coffeeさんのサイトにも(現在は考える株式投資のgotospace氏がミラーサイトを作ってくれています)、所々であしぎんFGの件が出てきます。なかでも、「J_Coffeeの徒然草(36巻)- 整理ポストと監理ポスト(あしぎんFG)」には、マネーゲームのなかで急上昇したあしぎんFGの日中足が掲載されていて、ちょっと懐かしいやら呆れるやら…(^^;。

● 繰り返しになりますが、今回、JALがそうなるかどうかは全く分かりません。というか、あまりえぇ~加減に考える筋を増やさないためにも、すっきりと株価1円(1円買い/2円ヤリ)で張り付いてくれる方が良いのですけどネ…。

● せっかくの祝日ですが、今日は妙に肌寒いこともあって巣ごもり(^^;。そこで、JAL(9205)の件について少し書いておきましょう。ただ、世間一般で出ている「株券紙くず化」等々の話については、日経その他の報道をご覧頂くとして(^^;、ここでは指数絡みの話に集中して行きます。

● まずイベント予定の把握。休み明けの1月12日には、JALのOBに対する「企業年金減額に関する意向確認」の投票期限を迎えます。とは言うものの、色々な報道などを見ていると、現段階ではこの結果がどうあれ、JALが法的整理に入ることは間違いなさそうです。JALの株主にとって、現時点でJAL株を売ったほうが良いかどうかは、まぁ何て言うか、墜落しつつある飛行機の中で旅行者傷害保険の申込み用紙を記入しているようなもので、時、既に遅し。一方で、指数ヲタクにとって気になるのは、JALの上場が維持されるかどうかの点です。

● というワケで本題。ご存知の通り、JALは日経平均採用銘柄です。ところが、JALが破綻となって上場廃止が決まれば、日経平均の「臨時銘柄入替え」が発生することになります。日経平均の銘柄入替え等々のルールは、「日経平均プロフィル」というオフィシャルサイトに詳細に出ていますが、そのなかで今回注目すべきは、「銘柄選定ルール」のところ(2ページあります)。上の方は年1回実施される(例年10月に実施)「定期見直し」に関連する話が中心ですが、今回のJALの場合は、下の方に記載してある「(5)臨時入れ替え」に該当。つまり、「採用銘柄の被合併や経営破たんよる上場廃止が発生した場合」と明記してあるケースに該当する(かもしれない)ってことになります。

● ここでは、JALが法的整理に伴って100%減資を実施し、上場廃止になると想定して書いていきましょう。銘柄入替えについて考察する際に、押さえておくべきポイントがいくつかあります。いずれも、日経平均プロフィルに明記してあることですが、特に以下は重要。

  • 除外は整理ポスト入りと同時に行う
  • 破たん銘柄の整理ポスト入り後、2日間程度の周知期間を置いた上で補充
  • 経営破たんよる上場廃止が発生した場合、「高流動性銘柄群」に含まれる銘柄の中から、当該除外銘柄と同一セクターに属する銘柄のうち、市場流動性順位が高い未採用の銘柄を補充することを原則
  • ただし、細かい例外規定もあり

● このルールから想像すると、JALの上場廃止が決まった時点でJALは整理ポストに割り当てられることになるので、その時点で日経平均から除外されることになります。いまさら後生大事にJAL株を抱えているファンドは多くはないと想像するのですが、それでもピュアな指数連動ファンドからは売りが出るでしょうネ。まぁ、これはそれほど大した話ではありません(空売り出来る訳ではないので)。そして、その日の大引後にでも、日経から新規採用銘柄(補充銘柄)が発表されることになるハズです。そこから2日間程度経過したあとで、めでたく日経平均に採用、という手順になります。これまでの経験からすると、大引後の発表は午後4時半です。もちろん、私がこう書けば日経が気まぐれを起こすかもしれませんが…(^^;。

● 一方、補充銘柄については、JALと同一セクターに属する銘柄ってことになっています。日経のセクター分類定義はこちらの中段付近に明記されていますが、JALは「運輸・公共」セクターに所属。これは、日経36業種に言い換えると「鉄道・バス、陸運、海運、空運、倉庫、電力、ガス」ってこと。この中で、日経平均に採用されていない銘柄で流動性ランクが上となると、まぁ、ドタ勘で想像したとしても、大体が同じような結果になると思います。敢えて伏字にするほどのことはないと思うので書いちゃいますが、JR東海(東海旅客鉄道、9022)が筆頭候補ですね(^^;。これまでも定期銘柄入替えの際に候補銘柄として何度も名前が出ているので、全くサプライズではないし、「運輸・公共」セクターとしては妥当なチョイスでしょうか。

● JR東海はかなり大きな銘柄なので、(1) JALの上場廃止が決まった、(2) 補充銘柄がJR東海と決まった、と2連発で予想を当てたとしても、どの程度の株価インパクトがあるかは不透明。市場関係者の間では、JALの経営不安が現実味を帯びて囁かれはじめた頃(もうかれこれ半年以上も前の話)から、日経平均の臨時銘柄入替えについては、頭にあったはず。当時は先回りする確信があったのではないにしろ、12月にJALが100円を割り込んで急落した時点では、相当数の市場関係者が意識したと想像します。その時点で、JR東海という名前は、かなりの方々の頭に浮かんでいたでしょうから…(^^;。

● なお、もしJALの減資が100%ではなくて上場維持となれば、現時点での臨時銘柄入替えは発生せず、上記の話は「無かったこと」になります(^^;。現在、話として出ているのは、「施行規則で定める再建計画の開示を行った場合には、当該再建計画を開示した日の翌日から起算して1か月間の時価総額が10億円以上」というのが条件になります。これは東証の有価証券上場規程第601条(7)に明記されています。もし興味のある方は、東証HPにPDFファイルがアップされていますので、ご参照ください(このPDFファイルの39ページ目)。この場合、何%の減資ならこの条件を満たせるかってことが焦点になります。

● ちなみにJALの株価は休み明けに急落(率で言えばの話)すると予想されるのですが、JAL株だけを考えれば、日経平均への直接的な影響は非常に限定的です。JALの金曜日終値は67円ですが、この価格帯での制限値幅は30円。ストップ安するとしても前日比では30円下落するだけ。日経平均は基本が単純平均株価なので、構成銘柄の一つが30円安したとしても、全体からすれば、ホンの微々たるもの。むしろ、ファーストリテイリング(9983)がチョロッと動いた方が、はるかに日経平均に対してはインパクトが大きくなります。

● 総合的に見れば、債権放棄を迫られるメガバンクの株価にも、ある程度のプレッシャーが掛かる可能性があるでしょうから、波及効果としてはJAL単体の下落よりも大きなインパクトになる可能性があります。でも、はっきり言って、JALの経営破綻はサプライズでも何でもありません(^^;。もう何ヶ月も前から分かっていたことだし、現在は手続の最終局面ってこと。それよりも、為替の水準がどうのこうのだとか、米国の株価がどう動いたかの方が、はるかにインパクトがあるでしょうね。

● 最後に蛇足的に少し。この先、日経平均はあと2銘柄の臨時入替えがあることが、ほぼ決まっています。一つは、新日本石油(5001)と新日鉱HD(5016)の経営統合で、これは今年3月末の話。もう一つは、三菱ケミカルHD(4188)による三菱レイヨン(3404)のTOB・完全子会社化に伴うもの。現時点では時期は未確定ながら、春先ってのは違いなさそうです。指数ヲタクにとっては、昨年秋の定期銘柄入替えが無かっただけに、ちょっと心躍る春先になりそうです(^o^)。

NT倍率 ● 1月SQも目立った波乱なく通過し、日本は成人の日を含めた3連休。年末から年初の日本株相場は、それなりに世界的な出遅れ感を解消する相場展開でした。

● もっとも、外資系証券を中心とするトレーダー仲間と話をすると、ちょっとやそっとの上昇相場では追いつかないほど、日本株に対する世界的な興味は薄らいでいる印象があります。まぁ、日本国内でも、その辺に出ている投資関連の雑誌などを見ると、あっちでもこっちでも日本株よりも新興国へ如何に投資するかを競うような企画ばかり。まぁ、天邪鬼な私としては(^^;、これだけあっちでもこっちでも新興国と叫んでいることそのものが、ソロソロ、逆が起こるタイミングなのかもしれないなと敢えて考えるようにしています。かなりやせ我慢ですけど…(^^;。

● せっかくの休みですし、NT倍率と騰落レシオについて現状把握。右上グラフはNT倍率の推移です。先週は、年明けのリターン・リバーサルが効いた感じでNT倍率がジリ貧だったものの、全体として、NT倍率の上昇傾向に大きな変化はありません。年が替わってリターン・リバーサルが効くのは、January Effect(1月効果)と同じで「良くある話」。これが続くのかどうかは、実際のところ、あと2週間ほど経過観察しないと分かりません。ただ、個人的には、リターン・リバーサルは基本的に「割安が割安でなくなったら終わる」ので、物色の流れが変化していないのであれば、これは一巡してしまえば終わりになると考えています。

● 一方で、本気で物色の流れが変化しているとなると、そのシグナルの一つとして、これだけ長期的な上昇トレンドが続いているNT倍率に変化が発生する、ということだと認識してもいるんです。NT倍率そのもので売り買いするワケではないけど、シグナルの一つとして、この先も注意して眺めておきます。

騰落レシオとTOPIX ● 次のグラフは、25日騰落レシオとTOPIXの推移。1月6日時点で 127.64% まで上昇し、「そろそろ、えぇところ」近辺まで来ているのは事実。

● この先、12月頭の頃の数字が計算から落ちていく格好になるので、騰落レシオとしては、ここからの急上昇は考え難い状態になってきています。相場上昇が継続したとしても、騰落レシオは115~120%近辺で高止まりする可能性が高く、750銘柄ずつの上昇/下落が続けば、騰落レシオはしばらく115%近辺での高止まり。一方、抜ける数字との相対比較から、もし足元の相場が数日下落すると(↑500、↓1000なら)、騰落レシオは今週中にも100%割れの水準まで下落することになります。まぁ、どちらにしろ、騰落レシオだけで売買するのは無理があるので、頭に入れておきながら、他のテクニカルなシグナルを加味して考えることになりそうです。

● もうひとつの大きな話題、JAL(9205)の件については、何か書くか考えておきます(^^;。それにしても、Yahoo!知恵袋などを見る限りでは、如何にJAL株を優待券狙いで保有していた個人投資家が多いかが分かります(^^;。バカ高い優待券になりそうですネ(完璧に他人事…(^^;)。