2010年04月01日(木) .... 本日(4月1日)時点での25日騰落レシオは149.55%、でも調整しない…(^^;。
● 名実ともに新年度入りの相場。市場の話題を集めた第一生命(8750)も、無事に売り出し価格を上回って上場。そして、本日(4月1日)終値時点での25日騰落レシオは、ついに149.55%まで上昇。一般的に過熱領域と言われる120%を超えてきてからしばらく経過するものの、まだ調整らしい調整局面はこないままです。「ふぅ~~」(^^;。本当におっかなびっくり相場です。
● グラフをご覧頂ければ分かりますが、25日騰落レシオのこの水準は、本当に久しぶりというか・・・。グラフには、2008年末あたりから描いているのですが、そのなかでは最高値水準です。正確に「いつ以来」は調べていませんが、何年かに1度の水準に来ているのは間違いありません。
● 前回、The Gartman Letter の "Rules of Trading" から引用したのが、『 Markets Can Remain Illogical Far Longer Than You or I Can Remain Solvent 』という相場格言。まさにそんな感じになって来ました。ちょっとしたチキンレース状態かもしれませんね(^^;。
● 付いていくだけ付いていって、最後は損切りすると心に決めてやる方法もあるでしょうし、参加しないことも投資戦略の一つと考えることもできます。ただ、フルインベストメントという決まりの中でやっている機関投資家のFM諸氏にとっては、かなり悩ましい状況になりつつあるのも確か。リスクを落としたくなるけど、落とすと付いていけない。でも付いていかないと、後で何を言われるか…。何度も繰り返されるシーンではあるのですけどね。
● 「ふぅ~~」(^^;。
2010年03月28日(日) .... 前週末時点での25日騰落レシオは131.94%、140%乗せも間近…かな?
● 先週末(3月26日)時点の25日騰落レシオは 131.94%まで上昇。ただ、直近での高値は24日の134.06%で、その意味では、目先的なピークを打った可能性はあります。
● もっとも、今週の展開を考えてみると、月曜日に750銘柄上昇/750銘柄下落のチャラ相場だったとしても、25日騰落レシオは141.24%まで上昇してしまう計算。月曜日に500↑/1000↓とかなり弱い相場だったとしても、25日騰落レシオは137.51%と、直近の高値を更新してしまう計算になるのです。
● なんでこんなことを気にするかと言えば、経験則として、騰落レシオのピークより1~2週間程度遅れて、実際の株価指数のピークが来ることが多いから。24日が目先のピークだったとしても、まだ超目先的には上値があってもおかしくないと言えばそうかもしれませんが、グラフをご覧頂けば分かるように、騰落レシオの120%超は、やはり「それなりに気をつけた方が良いゾーン」だし、130%超は「鬼門的な水準」ってことも確か。当面、おっかなびっくり相場が続くのかもしれません。
● いずれにしろ、テクニカル分析に「絶対」は有り得ません。この世の中に、「株式必勝投資法」なんて有り得ないのです(断言!)。その意味で、騰落レシオだけで投資判断を決めるのは、やっぱり無理なんです。ただ、これまでの経験から言っても、騰落レシオが示唆するシグナルを無視すると痛い目にあう、ってのも真実と考えています。ただ、個別銘柄のチャートを見ると、「まだまだ行けそう」ってのが多いのも判断を迷わせる大きな要因ですけどね(^^;。
● The Gartman Letter の "Rules of Trading" でも出ているのですが、『 Buy Markets that Show the Greatest Strength; Sell Markets that Show the Greatest Weakness 』というのは真実だと考えています。強い銘柄を買い、弱い銘柄を売ると…。つまり、Weakness を見付けたときには、主義主張をあっと言う間に引っ繰り返して、すぐに売り手に回るだけの心の準備が必要な局面だと考えています。その一方で、『 Markets Can Remain Illogical Far Longer Than You or I Can Remain Solvent 』とも言っています。要するに、ワケが分からん相場が意外に長続きする可能性も頭に入れておけ、ってことです(^^;。
● 「なら、どうしたらえぇんや?」ってことになるんですが(^^;、結局のところ、『 Do more of that which is working and less of that which is not 』だと考えています。儲かっている玉には足しても良いけど、負け玉は着実に減らしておく、ということ。そして、『 Never, ever, ever, under any circumstance, add to a losing position 』は誰もが頭では理解しているものの実行が極めて難しいコンセプト。要するに事前に予定の無かったナンピンは絶対に禁止ってこと。さらに、『 The Hard Trade is the Right Trade 』ってこと。日本語で言えば、「売りにくい相場は安い、売りやすい相場は高い(買いにくい相場は高い、買いやすい相場は安い)」とか、「株というものは高いときには最上に、安いときには最低にみえるものだ」になるでしょうか。
● 何はともあれ、気を抜かずに期末最後の週と新年度入りの週を楽しみましょう!
2010年01月23日(土) .... オバマ政権の金融業界敵視政策、妙な信用萎縮が起こらなければ良いけど…。
● 先週突如として出てきたオバマ政権の「新金融制度規制案」(日経では新金融規制案と記述、他にも銀行規制強化案との言い方もある)。正確に記すと、いずれ何らかの規制案は出てくるだろうというのは予想されていました。実際、英国では金融機関の高額ボーナスに対する特別課税が出たし、米国でも金融機関に対する特別課税という案が出ていたんです。ところが、今回出てきた規制案の内容は、ほぼ市場関係者全員の想定を超えるもの。グラス・スティーガル法の時代を知っている世代にとっては、その復活を意図したと感じ取っただろうし、大部分の人々が大衆迎合的と感じただろうし、モロ社会主義的に見えるし、その突然(に思える)の方向転換はかなり極端。見方によっては、投資銀行というビジネスモデルすら否定する格好になっています。
● ひとまず、現時点で出ている規制案について簡単に書いておくと、下記の点が伝えられています。
- 銀行(商業銀行)による自己勘定取引(プロップ・トレーディング)の制限
- 銀行(商業銀行)によるヘッジファンド、プライベートエクィティ兼営(投資)の禁止
- 規模拡大の制限(預金シェア10%上限)
● 実際にこれらのビジネスを知っている方々にとっては、本当にこの辺が実施されるとなると、どんなに大きな地殻変動になるかは、容易に想像できると思います。リーマン・ショックを受けて、米国のかつて"証券会社"と呼ばれた大会社は全部"銀行"になっちゃってます。ゴールドマン・サックスしかり、メリルリンチしかり…。そこが大きな影響を受けようとしているってこと。ストレートに解釈すると、積極的リスクテイクが出来なくなるってことだし、リスクテイク無しにはリターンは生まれません(当然の話)。そして、リスクテイクが出来なくなるってことは、ポジション縮小をせざるを得なくなる可能性が高く、それは信用収縮ってこと。信用が収縮するマーケットがどうなるかは、誰もが簡単に理解できると思います。リーマン・ショックでそれ経験したばかりなのに…。
● 今朝の日経には、日本の銀行はそれほど大きな影響はないなんて、実にの~~天気な声が掲載されていました。確かにヘッジファンド投資やプライベートエクィティなどに関してはそうでしょうけど、それは単に「周回遅れ」だから。選択してエクスポージャーが小さいのではないのです。さらに、忘れちゃあいけないのが、日本の株式市場は60%近くの売買が外国人投資家によってなされていること。そして、株価の上下に対して、日本の銀行はかなり脆弱な体質だってこと。その辺が見えてないのか、敢えて見ないようにしているのかは分かりませんが…。
● マーケットにとって何よりも最悪なのは、今回出てきた規制案の全体像が見えてこないこと。「詳細は今後詰める」というのは、想像次第でどこまでもワーストシナリオが膨らむ可能性があるってことで、マーケットも、少なくとも一時的には、それを織り込みに行かざるを得ないのです。こういった場合、往々にしてマーケットは行き過ぎます。ワーストを織り込みに掛かるんだから、それは当然のこと。さらに、信用収縮というのは、最初のきっかけは大したことが無かったとしても、一旦転がり出すと、転がり出した方向に一気に加速して転がる可能性があるってこと。リーマン・ショックでどれほどの規模で信用収縮が発生したかを思い出せば、これも誰にでも分かるハズです。
● もっとも、実際にこの規制法案が通るかどうかは何とも言えない状況にあることも確かで、このまま規制実施に突っ走るとは考え難い面があるのは事実。何と言っても、その場合に到来するであろうマーケットの混乱は、現時点での米政権にとっては、全く不必要なものだからです。それでも、上記したように、マーケットは何よりも不透明感を嫌がります。それが微妙なレベルであったとしても信用収縮を巻き起こし、それが昨年からずっと継続している相場の上昇基調を、あっさりと終わらせてしまうことだって有り得るんです。少なくとも、その匂いを感じ取ったからこそ、米国株はこれだけ2日間で下落したのでしょうしね。
● ずーっと昔にマーケットコメントで書いた覚えがあったのですが(検索したらこちらでした(^^;)、元英国首相、マーガレット・サッチャーさんの有名な言葉を贈りたいです。
"The poor will not become rich, even if the rich are made poor."
「お金持ちを貧乏にしても、貧乏な人はお金持ちになりません」
● 本当にその通りだと感じます。決して金持ちや高額ボーナスを礼賛するわけではないとしても、「金持ち批判」だけでは何も解決しない、ってこと。それよりも、金持ちにスッとお金を出させるように制度を整備した方が、お互いに良い思いをしつつ金が廻ると思うんですけど…。なお、私の見方は当然ながら、多少なりとも、金融業界側にバイアスしていると思いますので、その辺はあらかじめご了承を(^^;。
参考ニュース
- 「情報BOX:オバマ大統領が発表した新たな金融規制案」(ロイター)
- 「シナリオ:米政権が強硬姿勢堅持の場合、金融規制で想定される変化は」(ロイター)
- 「米大統領の金融規制案、考えられる金融機関への影響のシナリオ」(ロイター)
- 「米金融規制案警戒、日本株売り越しに転じる海外勢も」(ロイター)
- 「米金融規制案が市場直撃、リスクマネー収縮なら商品市場に影響も」(ロイター)
- 「オバマ規制案、ゴールドマンなど5行で影響1.2兆円か-JPモルガン」(Bloomberg)
- 「米金融界、新規制案に反発 収益力低下を懸念」(日経)
- 「米政権、金融機関と距離 金融新規制案」(日経)
- 「米銀のファンド投資禁止、米政府が新規制 負債規模に上限」(日経)
追記:参考になるサイト・ブログ
- 「ウォールストリートへの「宣戦布告」の衝撃」(ウォールストリート日記)
- 「リスクテイクに暗雲、金融制度変更、金融機関批判」(武者リサーチ)
2009年07月12日(日) .... 生き残ったJ_Coffeeさんのサイト、gotospace さん、ありがとう!
● 更新されなくなってからも、ちょくちょく訪れていたJ_Coffeeさんのサイトが先日からアクセスできなくなってしまい、「どうしたんだろう?」と考えていたところでした。また、「多少の手間があったとしても、全文、保存しておけばよかった…」と悔いが残ったところなんですが、HPにアクセスが出来なくなってしまってからそれを言っても、既に遅し。
● J_Coffeeさんのサイトは、infoseekの上だったので、更新してなければ、いずれどこかで消される可能性はあると想像していたものの、infoseek(楽天)の担当者は重要性を分かっているのだろう、と安易に考えていた点もあったのです。まぁ、無くなってしまってから「重み」に気付くというのは、この世の中、往々にしてあるもので…(^^;。私もHPのマーケットコメント用にinfoseekを使っていた時期があったのですが、ここは更新をやらないとあっさりと消されてしまうのです。無料のHPスペースを提供してくれているので、こちらが文句を言う筋合いではないのは分かっているんですが、それ以降はinfoseekは基本的に使わなくなったという経験があったもので…。
● そうこうしていたところ、gotospace さんの著名サイト、「考える株式投資」にてJ_Coffeeさんのミラーサイトが出来たとのお知らせ!
『あの有益な内容がネット上から消失するのは社会的な損失だと思うので、J_Coffeeさん御本人に直接相談をして許可を頂きましたので、ミラーサイトを用意しました』
● そこまでの行動力がなかった自分をちょっと恥ずかしく感じてしまいました(^^;。それよりも何も、gotospace さん、ありがとうございました!この件については、gotospace さんのサイトのなか、「7/10 近況報告 / Twitter始めました」に出ています。もっとも、ヘッドラインにはJ_Coffeeさんのミラーサイトにして関しては一言も出ていないので、RSSなどでヘッドラインだけをチェックしていても分からないのですけどネ(^^;。というわけで、私の方から応援メッセージと共に宣伝を(^^;。URLは上記アップのなかに記載されていますので、そちらからどうぞ。
● ところで、そのJ_Coffeeさんのサイトの最後のアップは、「郵政民営化法案の否決と日経平均の値動き」(2005/8/8)。懐かしいというか…(^^;。あれほど劇的に政治イベントで相場の流れが変化したのは、私の経験では初めてでした。今日は東京都議会選挙。東京都民の皆さん、投票権を行使しましたか?もちろん、私は朝一番でやってきました。国民が政治に対して使える数少ない権利です。ちゃんと行使しましょうネ。
2009年01月03日(土) .... 明けましておめでとうございます
● 明けましておめでとうございます
● 旧年中は色々と皆様にお世話になり、ありがとうございました。突然の退社と毎日続けてきたHP/ブログの更新中止でしたけど、12月の残りは意外に自由の身を楽しんでいました(^^;。いつまでもそういうわけには行かないでしょうけど、久しぶりの「車検」って感じで、1月は身体のケアをする時間を取る予定でいます。その後のことは、それから後で考えようかなと…(^^;。
● 世界中のメディアが景気悪化を叫ぶので、必要以上に景気悪化を心理的に感じているなぁ、と感じています。もちろん、色々な経済指標の悪化度合いは半端ではないのですが、これにしても未体験というほどのことはないのです。ただ、普段だったら1年とかの時間を掛けて悪化するところを、わずか3ヶ月ほどで圧縮してやってしまった感がある点が違っています。それだけ行き過ぎも発生するだろうし、逆に考えれば、行き過ぎの反動もそれなりの規模になると考えています。
● 問題はタイミングなんですよね。ファンダメンタル材料などを見ているとお先真っ暗なのは当然でしょうけど、相場はその通りには動かないものです。そのタイミングを如何に掴むかが、今年のカギかなと考えています。ファンダメンタル材料の分析は専門家に任せておくとともに、後付けの確認材料としては役立つでしょうけど、未来を見るための指針にはなり辛いと考えておいた方が良さそうに感じているところです。早過ぎると本当に動かなくてはいけない時に、後ろ向き処理に没頭される羽目になるワケで、決してそれは良い事ではないのです。ただ、遅過ぎると反動で戻る分の上値しか望めないなかでは、高値掴みのリスクが大きくなるばかり。この辺のタイミングが見えない間は、無理をすることはないんでしょうね。それと、周りのノイズにあまり惑わされないことも大事になりそうです。
● The Gartman Letter の "Rules of Trading" でもいくつか私が頼りにしている「格言」があります。以下に少しだけ。
- Never, Ever, Ever, Under Any Circumstances, Add to a Losing Position
- Markets Can Remain Illogical Far Longer Than You or I Can Remain Solvent
- Buy Markets that Show the Greatest Strength; Sell Markets that Show the Greatest Weakness
- In Trading/Investing, an Understanding of Mass Psychology is Often More Important than an Understanding of Economics
- Do More of that is Working and Less of That is Not
- The Hard Trade is the Right Trade
- There is Never Just One Cockroach
● 敢えて無理やり和訳しないでおきますが、本来、トレーディング(インベスティングではなくて)が主体のGartman氏ならではの「格言」だと思います。そして、トレーディングの積み重ねがインベスティングだと考えれば、少しずつでも理解することによって、何かが違ってくるハズです。何はともあれ、楽しい、実りある1年にしたいと考えております。
2008年10月31日(金) .... 急反落、大引け間際に一段安。利下げには大きな反応なし
TOPIX : 867.12 (-32.25, -3.59%) | 日経平均 : 8576.98 (-452.78, -5.01%) | 円ドル : 97.95 |
● 昨日までの3日連続急上昇の反動もあって、朝から軟調なスタート。ただ、ドカンと売り込むような感じではなく、連休控えて、米大統領選を控えて、日銀アナウンスメントを控えて、ひとまず利食いできるものは外しておこう、という空気がいっぱい。12時30分にみずほFG(8411)から業績下方修正が発表されたものの、それを「好感」して(^^;、相場はグイッと戻し。ただ、それも板薄のなせるワザって感じで、プラス圏をバンバンと買いに行くほどでもなく、何となく模様眺め気分が強まるなかで、午後2時前後の日銀待ちの状態に。
● 13時58分に情報端末上に流れたヘッドラインは、「日銀、政策金利を0.30%に引き下げ」、「4賛成、4反対で議長決定」のヘッドライン。ヘッドラインが流れた2分後ぐらいから、為替が急速に円高方向に進み(反応がなぜか鈍かった)、これで株式市場は、スコーンと下落。ただ、為替がすぐに元の水準近くまで戻したことで、株式市場も比較的すぐに株式市場は落ち着きを取り戻してチャンチャン。もともと「利下げ」は実体経済への効果云々ではなく、アナウンスメント効果期待だったものの、それが今一つの効果だったのは否めない状況。業績発表シーズンが終わって下方修正が出尽くしてしまえば状況は変わるのでしょうが、今の株式市場にとって、一番恐いのは円高。日銀利下げが、その歯止め効果としては中途半端だったことで、まぁ、何とも煮え切らないイベントになってしまいました。
● その後は基本的に週末ムード。ここ数日は最後の1時間にズンズン上昇するのが恒例になっていたのですが、今日は完璧に逆に出てしまった格好。最後の10分間ほどは、現物市場での換金売りや、このところ続いていた「公的資金"の買い」に期待して買っていた向きの投げ売りに加え、先物にはヘッジ売りがかなり出たようで、断続的な裁定解消売りを引っ掛けてスコーン。心配材料が山積みのうえ、月末・月初に荒れる状態が続いているだけに、この辺の不安定感は止むを得なかった感じでした。ただ、安値引けするほど売られるとは考えていませんでしたが…。大引け直前にズッこけるのは、ある意味でNY市場に似てきた印象ですが、もちろん、あまり好ましい状態ではないです(-_-;)。
● 今日は日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。出来高が一緒に掲載されているので、午後2時のところや、大引け間際に商いが膨らんでいる様子がご覧頂けると思います。
● 記録。東証1部出来高は前日比2億5351万株減の27億8236万株、ただ売買代金はほぼ前日と同水準で、逆に同117億円増の2兆2952億円でした。東証1部値上がりは750銘柄、値下がりは892銘柄で、時間的な都合もあって最後は大型株中心に売られたことが見て取れます。新興市場はプラスでしたしね。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比217.05円安の8812.71円(15時00分確定)。ニコン(7731)とソフトバンク(9984)が最後まで寄付かなかったものの、多くは9時半までに寄付いていました。日経平均の日中値幅は435.33円(前場285.92円、後場435.33円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、2日連続の買い越し(4280万株売り/4340万株買い)でした。
● これで10月が終わったのですが、色々な意味で歴史的な1ヶ月でした。TOPIXは9月末 1087.41pt→10月末 867.12ptで -20.26%。日経平均は9月末 11259.86円→10月末 8576.98円で -23.83%。日経平均採用銘柄で、この期間中に上昇したのは、たったの6銘柄。上昇率順に上から行くと、東京電力、関西電力、信越化学、JAL、中部電力、積水ハウス。ちなみに下落率上位3銘柄はパイオニア、日立建機、太陽誘電で、いずれも半値以下になっています(T_T)。ユニバースをTOPIX500銘柄まで広げると、カブドットコム証券(8703)が栄光の値上がり率トップ(+27.31%)。下落率最悪はエルピーダ(6665)で-73.63%でした。はぁ~(^^;。なお、いずれもBloomberg ProfessionalのMRRを使って計算しています。
● 一歩下がって眺めてみると、サブプライム爆弾が爆発したのが昨年8月と考えると、これでようやく1年とちょっとが経過。「小回り三月、大回り三年」という相場格言を考えると、まだ半分以上残っていることになります(^^;。さらに足元の相場でズッコケが始まったのを、リーマン・ブラザーズ破綻と考えると、それも半分程度の経過率。相場格言が万能だって言うのではないにしても、これだけ相場が大きく動いてしまえば、人の心理が変わるのには時間が必要なのは真実です。この時間の枠のなかで、現在、何をどうすべきかを静かに考える時だとは分かっているものの、ただ、その答えはなかなか出てきません(^^;。
● 何はともあれ3連休。某市場筋氏によると、3連休明けは「荒れる」との経験則があるそうですが、まぁ、「心配してもしゃあない」ってことで、秋を楽しむことにしましょう(^o^)。そろそろ関東近辺も紅葉が迫ってきたのかな?良い週末・連休を!
2008年10月27日(月) .... 急落続く、後場一気に崩れて日経平均は26年ぶりの安値
TOPIX : 746.46 (-59.65, -7.40%) | 日経平均 : 7162.90 (-486.18, -6.36%) | 円ドル : 93.35 |
● 前場はプラスとマイナスを行ったり来たりの展開。先週末のイブニング取引で、日経平均先物は7100円というトンでもない値段を付けたものの、週末の米国株市場がそれほど懸念されたほどで酷くなかったことあんどから、前場はまぁまぁ落着いた動き(比較感の問題ですが(^^;)。もっとも、大型増資が伝えられたメガバンクは朝からかなり安かったことで、日経平均と比べると、TOPIXは水面下の動きの時間が圧倒的に長かったのですが…。
● 後場に入って最初の1時間は比較的静かな動き。ところが、午後1時半頃から雷雲が広がり始め、ズルズルと下落幅拡大。午後2時過ぎには、スコーンと下落してあっという間に大幅安。特にこれと言った売り材料は無かったものの、市場安定化策のニュースが流れたあたりから、相場が不安定化したなんて、ホンマ、しゃれにもなりません。為替介入がなかった点を嫌気したのかも知れないし、焦点ボケ対策に嫌気がさしたのかも知れません。GLOBEXの米株先物の軟調さも嫌気されたでしょう。いったん下がり始めると、もう心理的にも支えきれず、アレヨアレヨの下落。一度下がりだせば止まらない、というマーケットの脆弱性ばかりが目立つ1日になってしまいました。
● 結局、TOPIXも日経平均も2003年のバブル崩壊後安値をあっさりと下回ってしまい、TOPIXは1984年1月6日に739.87ptで引けて以来(だとと思う)の安値となり、日経平均は1982年10月7日に7114.64円で引けて以来、なんと26年ぶりの安値。まぁ、こんな記録調べても仕方ないのですが、それだけ酷い事態に陥ってしまったのです。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 市場安定化策が発表されたのですが、あまりマーケットでは話題になっていませんでした。「空売り」が相場下落の主要因ではないのは皆が分かっているし、さらに、多くが「これでは止まらない」と十分以上に理解しているからでしょう。ただ、話題になっていたのが「ネイキッド・ショート禁止」の件。その内容は 「空売り規制を強化、株の手当てなく売りつけることを禁止へ=金融庁」 (ロイター)あたりのニュース記事や、金融庁のリリース 「空売り規制の強化について」 をご参照下さい。
● 何が不思議かと言えば、日本でこの「ネイキッド・ショート」というのは、あらかじめ株券を手当て(借りてくる)しない空売り。圧倒的大多数の空売りは、制度信用や一般信用で売るので、これは「手当てしている空売り」になります。何がネイキッド・ショートになるかと言えば、空売りするための株券を借りれないのが分かっていて空売りする馬鹿のことで、意図的に受渡をフェールさせるような取引。この類の取引は、これまでもずーっとご法度だったし、改めて禁止されるようなものではない、というのが私の認識。法律で禁止されていなかったってこと?少なくとも、個人的に理解していたところだと、これまでも駄目だったハズなんですが…(^^;。それを明言したことで「規制強化」というのは、まぁ、何と言いますか…(^^;。
● また、「発行済株式総数の原則0.25%以上の空売りポジションの開示」は、誰が売っているのかが見えることで、心理的な沈静効果が考えられる一方で、もし口座を分散してやられたらどうなるか?ってところは不透明。あくまでも自己申告だし、違反がバレたらそれなりのペナルティを食らうんでしょうが、証券会社側は自分のところで取引されたものについては、ある程度把握できるとしても、顧客の取引全てを把握することは言うまでもなく不可能。まぁ、もともと空売りが主要因で下がっている相場ではないので、"規制強化"しながらも、大した実害は与えないという"微妙な味付け"を当局が配慮してくれた、と理解しておくことにします(^^;。
● さすがに「これでもかぁ!」というほど暴力的に見える相場下落を受けて、さすがにメディアでも「異常」という語句が増加してきた印象があります。確かに異常は異常なんでしょうけど、Gartman氏の"Rules of Trading"の一つに「Markets Can Remain Illogical Far Longer Than You Or I can Remain Solvent」ってのがあるように、常識的に考える以上に、こういった状態が長続きするリスクについては、頭のどこかに入れておきたいところです。これも当然の話で、"常識"が通用しないから"異常"と呼ぶんであって、それを"常識"で推し量ろうとするには無理があるのです(^^;。それを踏まえた上で、どう行動するかが大事なんですよね。行動しない、というのも選択肢の一つですが、全員がそれを出来るワケではないのが難点です。
● 記録。東証1部出来高は前週末比4億5898万株の増加で30億9554万株、売買代金は同1755億円増の2兆2324億円。売買代金はそれほど増加しなかったものの、出来高の30億株超は10月10日に32億7441万株を記録して以来。ただし、この日はミニSQだったので、SQ以外だと今年1月16日に30億2815万株を記録して以来と、かなり昔のことになります(^^;。さすがにパニック的な売りが出た可能性を感じさせます。
● 東証1部値上がりは126銘柄、値下がりは1556銘柄で、金曜日とほぼ同レベル。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前週末比23.13円安の7625.95円(9時44分確定)と静かで、少なくとも朝の寄付き段階では、これほどまでの下落を想定しなかったことがうかがえます。日経平均の日中値幅は737.70円(前場392.53円、後場595.35円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(3330万株売り/2160万株買い)でした。
● 最後に訂正を1件。金曜日、TOPIXのバブル崩壊後安値を「2003年4月28日の773.10pt」と書いたのですが、これは間違い。「2003年3月11日の770.62pt」が正解です。良くやるんですよ…(^^;。伝聞を盲信しないように(^^;。もっとも、今日の相場は、関係ないほど下げてしまいましたが…。
2008年10月02日(木) .... 朝高も最後は大幅安、閉塞感強まるなか買い手不足が深刻化
TOPIX : 1076.97 (-24.16, -2.19%) | 日経平均 : 11154.76 (-213.50, -1.88%) | 円ドル : 105.85 |
● 寄付きこそはCME日経平均先物が堅調だったことなどを受けてプラスで始まったものの、それは1時間も持たず、その後はマイナス転落してズルズルと下落幅を拡大する展開。時折、米国絡みのニュース("SEC空売り規制延長"とか"米上院で金融安定化法修正案可決"など)で戻る局面はあったものの、上値が重たいというか、買い手がおらんというか…。これほどネガティブな心理状態に陥ってしまうと、「いくら修正法案が可決しても、雇用統計でずっこけたら…」とか、「世界的な景気悪化懸念」など、出てくる話は下向きスパイラル状態の発想ばかり。後場最後の30分ほどは、ヘッジ売りか何かは知りませんが、先物が売られて断続的な裁定解消売りを引っ掛けて一段安。なまじ朝に高かっただけに、引け味は最悪。閉塞感が強まるなかで、買い手不足は深刻化しているのがモロに出てしまった相場でした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● かなり悲惨な空気の相場のなかでも、東証33業種別指数で見ると、値上がり業種は7業種あったのです。なかでも、情報通信、電力ガス、医薬品などは、それなりにプラス。一方で、鉄鋼、商社、機械(特にコマツや日立建機)、非鉄などはボロボロ。この辺は、業種別指数で5%超も下落したのです。日立建機(6305)は日経平均採用があってここまで堅調だった反動としても、コマツ(6301)なんてまた1割超も急落し、悲鳴すらも聞こえなくなってきた印象。自動車もそうだし、ソニーが6%近く売られるのも「何で?」って感じ。一方で、こんな相場でも高値を付ける銘柄もあり、東洋水産(2875)なんて上場来高値でっせ。他にも日清食品HD(2897)、山崎製パン(2212)、ABCマート(2670)が瞬間風速にしても年初来高値を付けていました。
● この辺の上がった銘柄群と下がった銘柄群を見るだけで、思い浮かぶ言葉は一つ、「ディフェンシブ」。ちょうど月初のリバランス時期に差し掛かるのですが、この相場環境下でフルインベストメントのFM諸氏は、「とにかくβを落として、ポートのリスクを下げて」が合言葉状態…(T_T;)。株式を保有しながら、如何に「株なんて保有していないようなファンド」を構築するか、って感じになりつつあります(^^;。業績から見た割安感がどうのこうのというファンダメンタルズではないんですよネ、実際のところ。
● 流動性が落ちる中で、値段関係なしのアンワインドやら何やらが飛び交っている状況では、投資アイディアを掲げても空しくなってしまいます。ファクター分析しても、何も効いていないように見えるのも、逃げ出す資金だらけ、との状況を象徴しているように感じます。「陰の極かも知れない」と思いつつも、実際には、手も足も出ない「亀」状態に成らざるを得ません(^^;。Gartman氏の相場格言にも、「Market can remain illogical far longer than you or I can remain solvent」ってのがあるし、タイミングがなかなか見えてきません。タイミングさえ分かれば…です。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億9973万株増の21億3643万株、売買代金は同2037億円増の2兆2036億円。東証1部値上がりは283銘柄で、値下がりが1368銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比64.73円高の11432.99円(9時14分確定)。寄付き段階ではプラスだったのです(^^;。TOPIXのザラ場高値は9時23分(+6.55pt、+0.59%)で、日経平均の高値は9時29分(+84.13円、+0.74%)でした。ちなみにザラ場安値はTOPIXが14時45分(-27.36pt、-2.48%)、日経平均も14時45分(-224.47円、-1.97%)。つまり、ほぼ寄り天で安値圏の引けと、「持ち上げといて、叩き落す」という"痛い"パターン。日経平均の日中値幅は308.60円(前場215.13円、後場132.77円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び小幅ながら売り越し(3530万株売り/3160万株買い)でした。
● 考えると気持ちが重たくなるんですが、この惨状が実態経済に反映されて、世間一般が酷さに気付くのは半年後になるんでしょうね。つまり、来年の2月とか3月には、相当に酷い数字が並んでいることを覚悟する必要がありそうです。日本以外の世界は、それを痛切に感じているのですが、なぜか日本はガラパゴス状態というか…(^^;。取り付け騒ぎが発生していないのは、先進国では日本とフランスぐらいです、ホンマ…。もっとも、実際に数字が悪化してくる頃には、相場はもっと先を読みに掛かるでしょうから、「景気がこんなに悪いのに、何で株が上がるねん?」って状態になっているかもしれません。にわか識者(本当の識者はもっと賢い)はそこで、「おかしい」と言うでしょうが、その辺が本当のチャンスかもしれません。何はともあれ、今は生き残ること最優先って感じです。一歩、オフィスから外に出て眺める世間一般は、まだまだ余裕があるように見えますが…。
● ホンマ疲れる相場が続きます。明日はようやく週末。ただし、明日夜には米雇用統計があったりします…(^^;。
2008年09月26日(金) .... 続落、不透明感強く手控えムードでいっぱい
TOPIX : 1147.89 (-6.06, -0.53%) | 日経平均 : 11893.16 (-113.37, -0.94%) | 円ドル : 105.80 |
● 朝方の一瞬は米国株高などを好感してプラスで始まったものの、その後は米国での「救済法案(金融安定化法案)」協議の行方に不透明感が強く、寄付高以外は、ほぼマイナス圏での推移でした。ザラ場でも、誰かが協議案を拒否したとか、暫定合意したとか、WaMu(Washington Mutual)が飛んだとか、はたまたフォルティスの資金繰り悪化報道など、不透明感の解消には程遠いニュースばかり。
● もう少し広いところを見ても、バルチック・ドライが大幅安だとかで海運株はひたすら売られ、鉄鋼などもボロボロと、景気の先行きを不安視せざるを得ないようなネタばかり。銀行株にしても、実際に今後の見通しが立つような値動きではなかったし、週末を控えていることもあって、手控えムードでいっぱい。相場は寄付き段階でもあまり強いとは感じなかったものの、一方で、ドカンと売られなかった(一時、かなり売られたけど戻した)のは、買い方だけでなく、売り方にとっても動きづらい印象。どちらにしろ、新規にポジションを組むような雰囲気は皆無で、ポジション整理を「今」やるか、「先延ばし」するかが焦点って感じでした…。はぁ~(^^;。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 記録。東証1部出来高は前日比2億3139万株増の18億2372万株、売買代金は同2933億円増の2兆0180億円。昨日よりは増加したとは言え、活発とはお世辞にも言い難い状況。東証1部値上がりは341銘柄に留まった一方で、値下がりは1307銘柄もあり、指数から受ける印象よりも値下がり銘柄数が多い感じを受けました。今朝のSQ値を計算すると、前日比30.03円高の12036.56円(9時40分確定)。TOPIXは13時46分に-18.50pt(-1.60%)、日経平均は13時50分に217.80円安(-1.81%)まで突っ込んでいます。大引けまでには良く戻ったというべきでしょうか。一方、日経平均の日中値幅は293.91円(前場150.53円、後場155.51円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(3650万株売り/2510万株買い)でした。
● 一歩引いて考えれば考えるほど、この先、ヘッジファンド業界に津波のように襲い掛かってくる可能性が高い難局からは、どうやっても避けられないように思えてしまいます。暴力的な相場の上下は一巡したとしても、構造的に業界としての拡大に急ブレーキが掛かるのは避けられないだろうし、それによって世界中の色々なマーケットも、規模縮小や流動性の低下などの難題が降りかかってきそうな雰囲気。GS/MSというプライム・ブローカーの二大巨頭が銀行になることで、レバレッジが掛け辛くなる件については昨日も書いたのですが、それ以外にも副作用が何かと出てくるのは避けられません。
● 足元のマーケットでも、投資家がリスク忌避から投資エクスポージャーを減らそうと解約に走るとなると(実際にそれが起こっている)、運用側もポジションを縮小せざるを得なくなります。この状況下だと、突然、空売りの多い銘柄群が買戻しで急上昇したり、逆に買いポジションが多いと思われる銘柄群が叩き売られたりするのです。つまり、割安がより割安になり、割高がより割高になるという難儀な状況が出現し、影響はヘッジファンドだけに留まらず、ロングオンリーの投資家にも広がってしまいます。主に年金資金などを運用するロングオンリーのFM諸氏にとっても、この状況が非常に悩ましいのは同じで、対ベンチマークでオーバーウェイトになっている銘柄ほどアンダーパフォームするという状態に陥ってしまいます。対応策として最初にやることは、飛び出している部分を削ぐこと。つまり「割安がいずれ修正される(買われる)だろう」と信じてオーバーウェイトしていたポジションほど売り圧力が強い、ってことになってしまいます。もっと最悪なのは、周りの皆が似たような状況にあるってことです。
● さらに事態を悪化させるのが、金融株を中心に空売り規制が世界中で行われていること。ロング/ショートファンドなどは、ショートが自由に出来ない(やり辛い)状況では、ロングも出来ません。さらに、ファンディングレートが高過ぎて、裁定取引やスタットアーブのような薄利多売の取引も困難になってくることで、普段だったら割安を修正すべく入ってくる買いが入ってこなくなり、割安が割安のまま放置されてしまうのです。これが余計にファンドの収益を悪化させることになり、よりポジション解消を進めざるを得なくなるという悪循環。やはり傷が癒えるには、ある程度の時間が必要と考えざるを得ないです。まぁ、考えても仕方が無いとして、明るい方向を見る開き直りが必要なのかもしれませんけど…(^^;。
● The Gartman Letter の"Rules of Trading"の中から、いくつか以下に抜き出しておきます。どれもかなり重たいっす(^^;。
- Never, ever, ever, under any circumstance, add to a losing position.
- Market can remain illogical far longer than you or I can remain solvent.
- An understanding of mass psychology is often more important than an understanding of economics.
- There is never just one cockroach.
- Do more of that which is working and less of that which is not.
● 雑談。さて、祝日のおかげで短い週でしたが、それなりに気を遣う1週間でした。また月曜日早朝に何かあるのかもしれませんが、それまではすっぱり忘れて秋を楽しみましょう(^o^)。そうそう、 「阪神日本一!…なら、経済効果767億円ナリ」 (朝日新聞)との記事もありました(^^;。さぁ、プロ野球もシーズン終盤のスパートです。良い週末を!
2008年08月14日(木) .... 小幅続落、銀行・不動産・建設が軒並み安
TOPIX : 1238.93 (-7.55, -0.61%) | 日経平均 : 12956.80 (-66.25, -0.51%) | 円ドル : 109.45 |
● 朝方の30分間ほどは少しヒヤッとしたものの、売り一巡後には比較的素直に戻して一時プラス転換。ただ、それも比較的短時間で終わってしまい、その後は最近見慣れてきた「だらぁ~~」とした方向感に乏しい展開。今日は鉄鋼、商社、海運といった、この1ヶ月ほどでかなり売り込まれたセクターが堅調だった一方、アーバンコーポ(8868)の民事再生法申請・受理を受けて、銀行、不動産、建設株などが軒並み軟調。特に低位建設株、新興不動産株などは、かなり手酷く売り込まれた銘柄があちこちにありました。ある意味では分かり易い1日だったものの、今後の相場の方向性を感じられる1日ではありませんでした。ちなみに、マザーズ指数、ヘラクレス指数は算出来安値を更新しています。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別銘柄の値動きなどは他の市況解説をご覧頂くとして(とサボる(^^;)、ファクター面について少し。昨日、今日とバリューに多少の反発気運が出始めているような感じがあります。ただ、7月からバリューはかなり動きが悪かったし、7月最後の週あたりから8月にかけては、かなり酷い状況が続いていたので、単なるその反発に過ぎない可能性はあります。ただ、昨年8月とか11月などとグラフをあわせて描くと、日柄的に「そろそろ…かな?」という辺りには来ているのも事実。ここで頭に入れておくべきは、「まだはもうなり、もうはまだなり」という相場格言(^^;。「そろそろ」との気持ちと、「まだまだ」が交錯する厄介なところです。2週間ほど経過してみると、結果的にどちらだったのかは分かるんですが、現時点では「何とも言えない」が正直なところです(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億6825万株減の17億6319万株、売買代金は同1175億円減の1兆8956億円と低調。東証1部値上がりは482銘柄、値下がりは1113銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比69.40円安の12953.65円(9時16分確定)。TOPIXも日経平均もザラ場ではプラスに転じる局面があったものの、結果的にはこのSQ値近辺で大引け。日経平均の日中値幅は163.70円(前場163.70円、後場89.63円)と小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、今日もかなりの売り越し(3290万株売り/1790万株買い)でした。
● 大引け後に開示された先物の手口についても少し。日経平均先物では、LBが4614枚売り越しと目立った動きで、CSが1301枚9売り越し。買いはニューエッジが2224枚買い越し、JPMが1976枚買い越し。その他は静かでした。TOPIXではBNPPが1492枚買い越しだった以外は、売り買い共に差引で1000枚超の取引はなく、こちらも手口面では静かな1日でした。
● 話題変更。日本時間の早朝、MSCIから四半期銘柄入替が発表されています。5月には大きな銘柄入替が発生するし、11月も時にはそれなりになる場合があるものの、8月、2月は基本的には「微調整」リバランス。今回は日本株については、新規追加も削除もありません。FIF変更や株数変更があったものの、これは無料では公開されない有料ライセンス情報ですので、ここには書きません(MSCIのヒットマンに追い掛けられるのは嫌なので…(^^;)。なお、リバランスは8月29日(金)終値基準で実施されます。忘れないようにしないと…(^^;。詳細は MSCI Barraのホームページ 内の「Index Announcements」からどうぞ。
● 雑談。やっぱり主砲と呼ばれるだけのことはあります(^o^)。これで気分良く大阪に戻って、明日から"横浜銀行"との3連戦。と言ってたら、コロッとやられるので、気を抜かないで行かないと…。一方で、オリンピックは今晩は対台湾戦。明日は対オランダ、16日は対韓国戦と続きます。
2008年05月27日(火) .... 先物先行で急反発、売買代金は2ヶ月ぶりの低水準
TOPIX : 1368.25 (+24.07, +1.79%) | 日経平均 : 13893.31 (+203.12, +1.48%) | 円ドル : 103.65 |
● あまり期待感を持って居なかった向きが多かったと推察するのですが、実際に始まってみると、意外に底堅い展開。後場前半は一瞬ダレる局面があったものの、午後1時45分頃からは、アレヨアレヨの上値追い。日経平均先物(TOPIX先物にも)に断続的な大口買い爆弾が炸裂して、裁定買いを引っ掛けて、あっという間の上昇でした。債券先物は同じ午後1時45分頃にスコーンと下落しているので、またCTA筋が暴れた可能性は十分に考えられます。目先筋は逆らうよりも相乗りする方を選んだ格好(当然だけど)。円安方向に振れたという追い風があったにしろ、やや意外感があった上値追いでした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 今日は東証33業種が全て値上がりで、昨日とは逆パターン。東証1部値上がりは1222銘柄、値下がりは418銘柄で、全面高というにはやや物足りなさがあったものの、それでもなかなかの反発でした。もっとも、米国・英国が祝日だった影響はかなり顕著で、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(1370万株売り/930万株買い)と、フローはかなり少なかったです。また、東証1部出来高は前日比2億4997万株も減って15億6847万株、売買代金は同2496億円減の1兆7845億円と低調。手元の記録によると、出来高は4月14日の15億0777万株以来、約1ヵ月半ぶりの薄商い、今年2番目の低水準。売買代金ではもっと遡る必要があり、3月26日の1兆7815億円以来、ちょうど2ヶ月ぶりの低水準で、今年3番目の少なさでした。
● 残りの記録と先物手口行きましょう。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比49.78円高の13739.97円(9時09分確定)。日経平均の日中値幅は180.41円(前場125.35円、後場138.02円)でした。大引後に開示された先物の手口。日経平均先物の買い手は、CSが1811枚買い越し、LBが1458枚買い越し、カリヨンが1259枚買い越し、GSが1249枚買い越し、MLが売り手口不明の1465枚買い、日興シティが売り手口不明の1366枚買い。売り手は、ニューエッジが2058枚売り越し、ドイツが1627枚売り越し、大和SMBCが買い手口不明の2401枚売りなど。TOPIX先物では、カリヨンが3166枚買い越し、CSが2513枚買い越しなど。売りはGSが1414枚売り越し、JPMが1304枚売り越しなど。まぁ、色々とあったのでしょうね(^^;。
● 業務連絡。今日、東証から 「呼値の単位の一部見直しの実施予定日等について」 が出ています。ニュースでは既報ですが、実施が正式に7月22日(火)と決定。内容は「1株の値段が100,000円を超え300,000円以下の場合は100円(現行は1,000円)に、1,000,000円を超え3,000,000円以下の場合は1,000円(現行は10,000円)に変更」です。ビッドアスク・スプレッドがかなり縮小することになるので、NTT/KDDIやJRなどのVWAPトレードをやる時には、「列に並んで」が緩和されるでしょうから、結構、助かると思います(^o^)。
● 雑談。なぜ野村監督の本が全面広告(日経6面)?(^^; (^^; 阪神タイガースファンとしては、野村監督は尊敬の念と共に複雑な感情も同時に持ち合わせてしまう方です(^^;。それはともかく、今日の相場は、野村流に行けば「上げに不思議の上げあり、下げに不思議の下げなし」って感じだったでしょうか(^^;。野村監督の言葉には、「戦いに勝つは易し、勝ちを守るは難し」なんてのがありますが、まさに相場でもその通り。瞬間、瞬間に利益を上げるのは誰でも可能でしょうが、継続的にプラスを保つのは難しいのは、やったことがある方なら誰もが知っています。損を出すのは避けられないだけに、如何に損失を限定するか、つまり損切りが上手くないと生き残れない世界です。これは個人もプロ運用者も同じなんです。
2008年05月20日(火) .... TOPIXは7日ぶりに反落、バリュー銘柄が引っ張る展開
TOPIX : 1399.84 (-4.41, -0.31%) | 日経平均 : 14160.09 (-109.52, -0.77%) | 円ドル : 104.00 |
● 指数は朝から方向感に乏しい動き。後場寄付き直後にスコーンと下落する局面はあったものの、それ以上は下げ幅を拡大することなく、マイナスながらも多少は戻して大引け。指数ベースで見る限りにおいては、強くも弱くも無い印象の1日でした。個別に見ると、鉄鋼、商社などのバリュー系銘柄がかなり元気で相場を引っ張った格好。半面で、バリューでネガティブな不動産などが大幅安で、多くのFM諸氏にとっては悪くない1日だったと推察します。短期リバーサルはちょっとお休みって感じでしたけど…。それやこれやで、TOPIXは7日ぶりに小幅反落。テクニカル的に何かを変化させるほどではなかったものの、先週末あたりから、相場全体にやや気迷い気分というか、次の展開が読めないといった空気を感じる1日でした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● まだ損保が残っているものの、決算シーズンもほぼ終了。期間中にもっと落ち込むかと心配したバリューが意外に堅調だった点が、いつもと少し違うと言えば違う状況。決算シーズンを抜け出しつつあるところで、この2~3日のようにバリューが引っ張る展開は、ざっくりベースの経験則からしても、パターンとしては当てはまります。ただ、ちょっと考えるのは、決算シーズン中もバリューがソコソコ頑張ったのは、3月に大きく売り込まれたところで、悪材料は相当程度織り込んでいたからと考えられる点。つまり、ざっくり経験則に照らし合わせると、この時点で既に少し違いがあったことになります。そうなると、今後の展開も「いつもと少し違う」のかどうかが焦点。ま、答えが分かっていれば苦労しないんですけど…(^^;。
● 昨日もチラっとコメントに書いたのですが、景気について、しばらく良くない数字が出てくることは多くが予想しているはず。コンサバ側お企業業績予想も景気減速という前提からすると、妥当に思えてしまうところ。この状況下で株価が下がらないとなると、計算上のPERは上昇することになります。株価がジワジワでも上昇を続けるのなら、余計にPERが上昇することになり、そうなってくるとバリューが効くかどうかは難しいところ。まぁ、楽な相場なんて無いのでしょうが、悩み所です。儲けることが出来る時に儲けておかないと、というのがある一方で、「プチッ」とくれば昨年8月の二の舞リスクもあるんです。運用担当者としては、「昨年あれだけ痛い目にあってて、何も学んどらんのか?」と言われるのは厳しいです。悩み所です(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億9182万株増の24億2337万株、売買代金は同33億円増(ほぼチャラ)の2兆4207億円。鉄鋼株などが賑わったおかげで株数ベースではかなり増加したものの、売買代金ベースではチャラでした。東証1部値上がりは681銘柄、値下がりは923銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比58.20円安の14211.41円(9時10分確定)で、日経平均の日中値幅は164.75円(前場81.04円、後場94.30円)と小動きでした。後場SQ値が前引値に対して47.51円安と結構なギャップが発生したものの(上記日中足参照)、ザラ場では前後場ともに100円未満の値動きでしたから…。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅な買い越し(2790万株売り/4530万株買い)でした。
● 指数ヲタク向け業務連絡。今日は20日なので、TOPIXの月末修正分が一斉に所報掲載されています。今月は比較的全体に小ぶり。某メガバンクが優先株転換でかなりウェイトが増加するのですが、対出来高で考えると微々たるところです(^^;。東証HP内の 「月末上場株式数」 に資料が掲載されていますので、ご参照下さい。最初はチンプンカンプンだとは思いますが、そのうちジワーっと見えてくると思います(^^;。
● 雑談。Bloombergにログオンすると、今日の一言みたいなのが最初に表示されます。本日は、"If you can find something everyone agrees on, it's wrong." 確かにそうだ(^^;。米国の政治家、Mo Udall 氏の言葉ですが、政治だけではなく、相場にも「モロ」に当てはまります。要するに皆が一方向だと考えれば、相場は天邪鬼なので逆方向に行くって事。ただし、超短期ではコンセンサスの方向に動くことも良くある話で、そんな時に意地を張ってもイカれるだけ。いずれその方向に行くと信じるのだったら、無闇に意地を張るのではなく、でも対処する心の準備はしておくって感じでしょうか。結局のところ、タイミングなんですよネ(^^;。それが一番難しいです。
2008年02月18日(月) .... 小反落、前場は意外に堅調も後場はジリ貧伸び悩み
TOPIX : 1332.99 (-1.90, -0.14%) | 日経平均 : 13635.40 (+12.84, +0.09%) | 円ドル : 107.85 |
● 先週末の米国株式市場軟調やCME日経平均先物が大証比35円安だったことなどから、寄付き前には軟調な展開を予想していた向きが大勢だったでしょう。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前週末比7.68円円安の13614.88円(9時10分確定)と静かなもの。ところが、その後は、ぐいぐいとプラス方向に一直線。「あれっ?強いやん?」って感じの最初の1時間でした。もっとも、一巡後は動きが止まってしまい高止まりで横ばい。午前9時半以降は日経平均で70円幅程度しか動かず方向感に乏しい展開のまま前場終了。
● 後場に入ると、今度は意外感の伸び悩み。せっかくキープしていたプラスをぶっ飛ばしてしまい、TOPIXは午後1時15分過ぎに一時マイナス転落。その後多少は戻る局面があったものの、結局、大引けでもTOPIXはマイナス転落で終了(日経平均はかろうじてプラス)。ザラ場高値がTOPIXで+16.98pt(+1.27%、10時40分)、日経平均は199.89円高(+1.47%、10時41分)まであったものの、最後の伸び悩み感はちょっと悩ましい感じでした。まぁ、当初から軟調な展開を覚悟していたことを考えると、それなりの粘り腰だったとも考えることが出来るのですが…。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 市場筋の間では例によって「誰が買ってるの?」との観測話が飛び交っていましたが、有力だったのが、欧州からの買い観測。欧州となると、いつも通り「オイルマネーの買い」へと連想が広がっていました。もちろん、これは本当かも知れないし、幻想かもしれない類のもので、最終的に確認が取れることはありません。ただ、今晩の米国市場はPresidents' Dayでお休みってこともあり、米系は少なかっただろうと想像できたこともあって、余計に「オイルマネー」論が強かった様子。何はともあれ、国内的には大した買い材料がないところで、これだけ底堅い相場が展開できたことは、それなりに評価しても良いのかもしれません。もちろん、これは希望と期待を込めてのバイアスした考え方ですけど…(^^;。
● 一方で、後場のジリ貧相場を見てしまうと、やはり市場に警戒感というか、先行き不透明感が色濃く残っているのを感じざるを得なかったのが正直なところ。TOPIX/日経平均先物ともに、かなり逆ザヤで引けてしまったのにも、この辺の心理が出ているような感じを受けました。一方、ファクター分析面からは、今日は久しぶりにリターン・リバーサルが効いた1日。ここしばらくは、リバーサルはかなり惨憺たる状態だったので、いくら相場が上を向いているように見えても信じ切れなかったのですが、少し変化の兆しかもしれません。この辺も少しだけ注意しておきたいところです。
● 『相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観とともに成熟し、幸福のうちに消えていく』という相場格言を考えると、今は第1ステージから第2ステージへ移行しつつあるところでしょうか。1月22日の突発的な急落を経て、そこを試すほど下がらないままこの水準まで戻っているものの、「懐疑」というからには、まだしばらくは「あかん (T_T)」と「行けるかも?」が交錯するのを覚悟しておいた方が良いのでしょうネ。
● 個別銘柄では、マツモトキヨシ(3088)が先週末の業績発表を受けて、朝からストップ安に張り付いたまま比例配分。あちこちのアナリストから格下げ爆弾が飛び交っていました。相場低迷のなかでしっかりの株価推移だっただけに、失望感をモロに食らってしまった格好。いよいよ小売りで買える銘柄が…(^^;。他、ドン・キホーテ(7532)やあいおい損保(8761)も大幅安。一方で、ダイエー(8263)が大幅続伸。個人的には東芝(6502)の株価がどうなるか注目していたのですが、+5.74%と大幅高。マーケットはHD-DVD撤退を好感した格好でした。せっかく市場がこうやって好意的に反応しているのだから、素早く正式発表した方が良いと思いますヨ、東芝さん!でないと、気変わりすると売り材料にされてしまう心配もあるんですから…。
● 記録。東証1部出来高は前週末比1億6950万株減の21億6535万株、売買代金は同1625億円減の2兆4143億円でした。金曜日に増えた分以上を失ってしまった格好で、まだ本調子でないことが良く分かります。東証1部値上がりは957銘柄、値下がりは681銘柄と堅調。これを見ても分かるように、今日は中小型がかなりアウトパフォームの1日で、Core30の27bp負け、Large70の2bp負け(チャラ)に対して、Mid400は16bp勝ち、Smallは71bp勝ちでした。新興市場も元気で、特にマザーズは+5.81%、ヘラクレスは+3.92%でした。日経平均の日中値幅は195.14円(前場195.14円、後場136.93円)と比較的小動き。上にも書いたように、朝の寄付きである程度動いてからは、ザラ場は小動きでした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅買い越し(1750万株売り/2630万株買い)でした。今晩の米国市場がお休みってこともあり、フローは株数・金額ともにかなり減っていました。
● ところで、大引後に東証から 「株式併合に際しての投資者保護上の留意事項について」 とのリリースが出ています。"あて先"は「上場会社代表者」となっていますが、最近、業績不振企業に良く見受けられる「株式併合+増資」という爆弾についての件で、直近ではYOZAN(6830)を暗黙的に示唆しているものと考えられます。ジャスダックからも同様の"警告"が出ています(こちら)。過去にも同様の「株式併合+増資」爆弾は、タスコシステム(2709)、アライヴ コミュニティ(1400)などの前例がありますが、いずれも少数株主の権利が大幅に毀損する羽目になっています。併合により端株化されることでそうなるのですが、これが大きな理由としても、実は、増資の方にも巨大な問題があるのです。たとえば今回のYOZANだと、既存のCB(転換社債型新株予約権付社債)について、「本社債は転換価額修正条項はありません」と書いてあるところが何とも言えないところ。あまり詳細に書くと誰かが夜道で待ち伏せしそうなので(^^;、ここにはこれ以上書きませんが、かなりエグイ背景があります。基本的に「株式併合+増資」爆弾には近寄らないことが肝要かと…。
● ついでに、ちょっと前の話ですが、株主以外には「笑える」ディスクロも一つ。銘柄はテンポスバスターズ(2751)。まぁ、平たく言えば、社長が自社株を担保に入れて信用取引していたものの、損をこいて担保処分されそうになり、それを避けるために会社が社長に融資した、というもの。会社側のリリースはこちらに掲載されています。もちろん、同社の株主にとっては笑い話どころではありません。そういえば、少し前にも井上工業(1878)が社長の投資失敗で担保処分され、株価が急落した例がありました。会社側のリリースはここからどうぞ。しっかし…(-_-;)。最近は社長の相場の腕も投資判断の要素になるんかいな?
2007年12月12日(水) .... 小反落、米国株大幅安受け安寄りも、後場急速に戻す
TOPIX : 1556.93 (-10.09, -0.64%) | 日経平均 : 15932.26 (-112.46, -0.70%) | 円ドル : 111.00 |
● FEDの25bps利下げは市場にとっては失望。「勝手に期待しておいて、勝手に失望している」(^^;というのはあるのですが、それでも米国株が大幅安で、シカゴ日経平均先物が対大証比で約500円安となれば、「下げなしゃ~ない」状態。ただ、シカゴのように500円安はない、という空気もあって、実際にそこまで叩かれる局面はありませんでした。今朝のSQ値を計算すると、前日比336.92円安の15707.80円(9時40分確定)。ここを基準に考えると、これ以上は大きく下げなかったことも分かるし、米国株安に対する失望感(利下げ25bpsに対する失望感ではなく)はあったにしろ、パニックとか絶望って感じは、全くありませんでした。
● 後場に入ってすぐに今日の安値をトライしてからは、かなり強い右肩上がりの展開。新興市場がいち早くプラスになり、それに誘われるかのように東証1部も急速な戻し。まさかプラスにまではとは思ったものの、それに近いところまで戻したのはご立派でした。TOPIXは9時11分に付けた-32.47pt(-2.07%)がザラ場安値で、後場はそこを割れずに最後は-10.09pt(-0.64%)。日経平均は12時47分にザラ場安値の-344.57円(-2.15%)を付けて最後は112.46円安(-0.70%)と、なかなかの戻り。日経平均採用銘柄で見ても、終値が始値を上回ったのが85.3%、終値がVWAP値を上回ったのが95.1%でしたから、寄付き慌てて売った方はご愁傷様(^^;の1日でした。
● 今日は日経平均とTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。同じようなものですが、安値を付けた時間、水準の違いに注目して頂ければと…。
● ファクター面からの話も少し書いておきましょう。昨日書いたように、直近のトレンドでは水曜日はバリューの鬼門日(^^;だったのですが、その割にはソコソコ頑張っていました。変化の兆しとなるかまでは分かりませんが、一応、それなりに注目しておきたいところです。一方、ここ最近、好調を維持していたリバーサルは一休み。こちらも、ある意味では日本のクオンツ系ファンド運用には欠かせない根幹のファクターです。SQも近いので、ミスリーディングな数値が出易い時期ですけど、年末から年始に掛けての相場を占ううえでも、少なくとも個人的にはかなり注目しています。
● 記録。東証1部出来高は前日比4億2954万株も増加して21億1813万株と、ようやく20億株超え。売買代金は同3740億円増の2兆5437億円で、まぁまぁの水準まで戻りました。今日はさすがに日中で指数がよく動いた1日で、日経平均日中値幅は263.28円(前場130.83円、後場263.28円)で、後場の値動きがそのまま1日の値動きでした。東証1部値上がりは753銘柄、値下がりが838銘柄。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(2490万株売り/1560万株買い)で、非常にフローが少ない1日。また、新興市場は軒並みプラスで終了しており、マザーズが+1.01%、ヘラクレスが+1.37%、JASDAQ指数が+1.11%でした。DeNA(2432)は相変わらずの大幅下落でしたけど…。
● 一方、ロールオーバーは今日も活況。今日のサプライズは、TOPIX先物の限月間スプレッドが+1.5ptビッドになったこと。つい数日前にはマイナスで取引されていたのを考えると、「よぉ動くなぁ~」って感じです。何でこんなに強いのかについては、「???」ですが、基本的に売りロールになるTOPIX型の裁定ポジションがあまりないのか、それともSQ決済で心が決まっているのか…(^^;。いずれにしろ、売り圧力の予想以上の少なさがスプレッドの強さを誘引している感じです。出来高のまとめは以下表の通り(立会内取引のみ、日経平均先物はイブニング取引除く)。
TOPIX先物 出来高 | 日経平均先物 出来高 | |
2007年12月限 | 38,206 | 98,495 |
2008年03月限 | 19,707 | 25,920 |
限月間SP取引 | 69,033 | 7,734 |
単位:枚、出典:東証、大証 立会内取引のみ、日経平均先物はイブニング取引を除く |
● TOPIX先物は単品取引以上に限月間スプレッド取引が賑わう状況なものの、日経平均先物は、ちょうどスプレッドの水準が取引所取引の気配(+20/+30円)の真ん中あたりにあり、取引所での取引が全く盛り上がらない状況になっています(業者間取引はそれなりに賑わっている)。TOPIXは何となく今日がピークっぽい印象だったのですが、日経平均先物は気持ち遅れ気味なので、明日がピークになりそうです。
● 雑談。証券「優遇」税制について色々な議論があるのですが、「金持ち批判」を壊れたレコーダーのように繰り返している方々に、元英国首相、マーガレット・サッチャーさんの有名な言葉を贈りたいです(下記)。
"The poor will not become rich, even if the rich are made poor."
「お金持ちを貧乏にしても、貧乏な人はお金持ちになりません」
● 本当にその通りだと感じます。決して金持ちを礼賛するわけではないですが、「金持ち批判」だけでは物事は解決しない、ってことです。それよりも、金持ちの方々に、スッとお金を出させるように、税金面や"叙勲"などの制度を整備した方が、お互いに良い思いをしつつ金が廻ると思うんですけど…。
2007年12月06日(木) .... 高寄り→横ばい→伸び悩み→先物主導で一段高
TOPIX : 1552.27 (+25.64, +1.68%) | 日経平均 : 15874.08 (+265.20, +1.70%) | 円ドル : 111.00 |
● 本日はちょっとしたパーティーがあり、更新が遅くなりました。かなり疲れたので、コメントも短いです(^^;。
● 米国株高/シカゴ日経平均先物高を受けて高寄りした後は、ほぼ横ばいのまま推移。前場は実質的には60円程度の値幅しかなく、方向感に乏しい展開でした。後場に入って安値トライをしたものの、フォロースルーの売りがなく、最後の30分間は日経平均先物で大口買い爆弾が断続的に炸裂し、裁定買いを誘引して急上昇といういつものパターン。それでも、引け味は悪くありませんでした。しかし、金融株がこういう動きをすると、正直、戸惑いもありますね…(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億6287万株減の19億0378万株と再び20億株割れ。売買代金は同222億円増の2兆7007億円と昨日とほぼ同水準。金融株やテクノロジーなど、比較的株価の高い銘柄が賑わったことが読み取れます。売買単価も前日比で122.53円も上昇して1418.60円でした。東証1部値上がりは1069銘柄、値下がりが506銘柄で、昨日と似た数字。
● 今朝のSQ値を計算すると、前日比237.39円高の15846.27円とかなり高く、寄付き後すぐにこの水準を下回って推移したので、ちょっと心配していました。日経平均VWAPは15829.41円で、大引け前30分間の戻しが効いています。日経平均の日中値幅は157.32円と小さめで、特に前場は100.33円しかありませんでした。後場は157.32円で、これが今日1日の値幅でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日ぶりの買い越し(2120万株売り/3260万株買い)。買いが増えたというよりも、売りが減ったことで、結果的に買い越しになった感じでした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● そうそう、昨日大引け後、DeNA(2432)のマザーズから東証1部への昇格が発表されています。昇格に際して売り出しなどはないので、マザーズ時代のFFWを引き継ぐとすると、FFW=0.50。昨日終値時点での時価総額で考えると、東証1部では、ざっくり275位ぐらいの銘柄になり、ソコソコのサイズです(^^;。もっとも、TOPIX算入は1月末なので、まぁ、年が明けてから考えましょう(^^;。ちなみに、マザーズ指数でのDeNAのウェイトは、なんと15%超もあります(^^;。これが抜けるとなると、マザーズ指数の動きも少し変わるかもしれませんね。
● 最後に雑談。毎朝、Bloombergにログオンすると、「今日の一言」が出てくるのですが、今朝は、かのVince Lombardi氏の言葉で、"Winning is not everything, but wanting to win is." 全くその通りです!今週もあと1日。頑張りましょう!
2007年11月19日(月) .... 後場マイナス転落。割安がより割安に…、8月にやや類似した展開
TOPIX : 1456.61 (-15.06, -1.02%) | 日経平均 : 15042.56 (-112.05, -0.74%) | 円ドル : 110.45 |
● 前場の高いところでもかなり上値の重たさは感じたし、前引けにかけてズルズルと下落するところなどは、溜息しか出ない雰囲気。今朝のSQ値を計算すると前週末比31.70円高の15186.31円(9時15分確定)で、寄付きの時点から買いに対する警戒感というか、やる気の乏しさが感じられた状態でした。一時的にはSQ値よりもそれなりに上値をトライしたものの、前引では結局その水準まで戻って行って来いでした。また、最近は昼休みをまたいでギャップが発生することが多く、今日も後場SQ値は前引に対して52.90円も安い状態。昼休みの立会外バスケット取引の影響もあるでしょうし、他のアジア市場の影響も受けているでしょう。いずれにしろ、これで後場のトーンが決まってしまい、結局は安値圏での引け。情けない週明けでした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● ファクター分析をして相場の中身を覗いてみると、今日もバリューがメタメタで、リバーサルもグロースも効かないという、結構ひどい1日(サイズはかなり大きい方に振れていた)。先週も何度か書いたのですが、8月の「バリュー崩落」局面と似てきている印象が日々強くなっています。あの時ほど短時間で暴力的な動きではなく、毎日、毎日、少しずつやられていく感じ。割安株がより割安になり、割高株が買われてしまう状況。そして、前者の方が後者よりも影響度が強い印象があるので、ロング/ショート系のアンワインドに加えて、ロングオンリーの売りも出ているのかな、と考えてしまうのです。何が起こっているのかの詳細は現時点では不明なものの、やはり日本株から資金が出て行っているのが、かなり影響していると考えています。銘柄の動きを見ても、ファンダメンタル的に資源系銘柄(鉄・非鉄・商社)などがこれだけボロカスに売られる理由は無かったでしょうし、海運の下げっぷりを見ても、持っているところが売られていた印象でした。
● テクニカル的には、かなり「陰の極」っぽい指標が増えています。ザラ場中から話題になっていた一つの「陰の極」が日経平均のサイコロ。今日マイナスだったので1勝11敗になってしまい、これは市場筋調べで1991年12月2日以来、なんと16年ぶりとのこと。このときは、11月28日、29日そして12月2日と3日連続で1勝11敗だったそうです。他にも騰落レシオなんかもかなり「陰の極」っぽいのです。
● ただ、問題はタイミング。全て現金で保有していたとするならば、こんなに素晴らしいエントリーポイントは滅多にありません(^^;。でも、ほとんどの運用担当者の方々は既にポジションを保有していて、当然ながら、何かを買うには何かを売る必要があります。そしてコストを掛けて売買する限りは、それを上回るメリットを「説明」出来なくてはいけません。現状では、この「説明」が難しいのです(^^;。よって、方向性が見えてくるまではじっと我慢する、というパターンに陥ってしまいます。
● ちなみに、上記の日経平均サイコロ1勝11敗から爆騰して戻ったとなると美しいストーリーになるのですが(^^;、1991年というとバブル崩壊の真っ只中。そこから1992年4月の14309円に向けて急降下(^^;。まぁ、あんまり参考にしないでおきましょう。「陰の極」に近くても「割安がより割安になる」という正常とは言い難い地合い(需給関係)においては、相場が理論通りには動かないことなんていくらでもあるのです。The Gartman Letter の相場格言にもある「Markets can remain illogical far longer than you or I can remain solvent」ということです(^^;。これが難儀です。ただし、誰かが鈴を付けてくれれば、一気に相場心理がひっくり返る可能性は秘めていると考えており、気を抜かないで行きたいところです。
● 記録。東証1部出来高は前週末比8447万株増の19億1435万株、売買代金は逆に同16億円減の2兆2842億円。先週末と変わらず商いは盛り上がりに欠ける状態でした。東証1部値上がりは356銘柄、値下がりは1287銘柄で、指数以上に軟調だった印象。日経平均採用銘柄のVWAPを集計して計算した日経平均VWAPは15156.22円、日経平均の日中値幅は262.66円(前場125.59円、後場160.01円)でした。TOPIXはザラ場で+1.10%まであってから-1.08%まで下落して最終的に-1.02%。日経平均は+0.98%→-0.76%→-0.74%でした。何と言うか、落ち込む展開でした…。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、13日連続の売り越し(3900万株売り/1870万株買い)でした。
● 雑談。某ベテラン市場筋氏が今日のコメントで、『SIV、CDO、CBO、ABS、RMBS(MBS)、ABCP、CMBS、ABX、M-LEC…この「暗号のようなローマ字用語」をあなたはどれだけ分かりますか?』と書かれていました。一応、半分以上は分かるけど…(^^;。しかし、これだけ羅列するとスゴイもんです(^^;。そして、これらをざっくりとでも理解しておかないと、今の市場を理解するのが難しいのが現実です。はぁ~、付いていくだけでも大変です(^^;。もっとも、それらも含めて株価は形成されてゆくので、株価だけを見ておけば良いというのも一理あるんですけどネ。ただ、そこまでピュアに割り切れるかどうかだと思います。中途半端に知ったかぶりが一番悪いんですよね(自戒も込めて)。
2007年07月09日(月) .... 日経平均7年2ヶ月ぶり高値、上下ガチガチでザラ場は小動き
TOPIX : 1792.23 (+12.56, +0.71%) | 日経平均 : 18261.98 (+121.04, +0.67%) | 円ドル : 123.65 |
● 買い優勢でスタートした相場は、堅調なままで大引け。寄付前に発表された機械受注はコンセンサスを上回ったものの、あまり話題にはなりませんでした。機械株にしても、堅調だったものの、ブッ飛んだ感じは無かったです。最近の相場では、なぜか18300円という猫の首に誰も鈴を付けに行かなない状態が継続。付けたとしても最後までキープできないので、チャートの上ヒゲが出てしまいます。今日も日経平均先物で、18280円あたりを真ん中にして、上値も下値も1000枚超の売り買い指値がびっしり(^^;。動く雰囲気はありませんでした。なお、今日の日経平均の日中値幅はわずかに68.56円。前場は48.27円、後場は61.53円で、かなりの小動きが継続しています。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● それでも、日経平均は6月21日に記録した終値ベースの年初来高値を更新し、2000年5月2日に18439.36円で引けて以来、7年2ヶ月ぶりの高値水準。TOPIXは今年2月26日の1816.97ポイントが年初来高値なので、まだ少し距離があります。テクニカル的には、日経平均だけだと、どうしても説得力が弱くなるので、TOPIXがこの水準を超えてナンボ、ってことになります。日経平均の18300円台とともに、今後数日の動きを注目しておきたいところです。
● 記録。東証1部出来高は前週末比1337万株増の16億9619万株、売買代金は同940億円減の2兆3788億円で、盛り上がりに欠ける状態が続いています。東証1部値上がりは1125銘柄、値下がりは462銘柄で、指数の動きと見比べると妥当な印象。今朝のSQ値を計算すると、前週末比96.63円高の18237.57円。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日連続の売り越し(3700万株売り/3260万株株買い)でした。なお、先物の手口からは、CS君の大量買いが目立ちました。
● さて、年初来高値更新といっても、「血沸き肉踊る」って相場では無かったので話題脱線(^^;。世の中には色々な相場格言があるし、なかには「格言」ではなくて、誰かの発言の引用もあります。見つけるとメモを取っているのですが、思わずウンウンと頷いたのをいくつか。
(1) | 「株価が変動する姿にのみ意識を集中させよ。変動の理由に気をとられるな」 |
(2) | 「株というものは高いときには最上に、安いときには最低にみえるものだ」 |
(3) | 「売りにくい相場は安い、売りやすい相場は高い(買いにくい相場は高い、買いやすい相場は安い)」 |
(4) | 「割高に売りなし、割安に買いなし」 |
(5) | 「売買の時期は、売買の銘柄より大切」 |
● 他にも色々とあるのですが、今日はこんなところで。基本的に私が気に入ったのを集めているので、内容はそれなりにバイアスしていると思います(^^;。
● (1) は、1920年代にNYを駆け抜けたジェシー・リバモアという相場師の言葉です。世紀の相場師とか、空売り王などと呼ばれた人ですが、これらの言葉はそれなりに真意を突いていると思います。もっとも、この人は4回も破産して最後はピストル自殺したそうですから、その意味では勝者とは言えないかもしれません(^^;。(2)~(5) は読み手分からずですが、個人的にはしっくりきます。(4) はバリューとかリターン・リバーサルの概念の逆のような格言ですが、個人的には「極端な」を加えて理解しています。ファクター別の10分位分析などをしていて、「第1分位」とか「第10分位」が悪さするのは良くあること。足元では、任天堂を見ていると「ショートはない」ってのは分かる気がします(^^;。
● (5) は、ファンダメンタル分析を信奉する方からすると、「こいつ、何をとんでもないこと書いてるねん?」と思われるでしょう。でも、ずっとマーケットと関わってきて感じるのが、タイミングの難しさと大切さ。タイミングが合っていれば、銘柄が多少ズレていても儲かるのですが、銘柄はドンピシャでも、タイミングを間違えると儲かりません。よく長期投資だからそういったノイズは関係ない、という主旨の説明がされると思うのですが、本当にそうでしょうか?究極的な答えは私にも分からないのですが、タイミングの大切さは常に意識しているつもりです。
● 最後に、「なぜ負けているか分からないトレーダーは、何が間違っているか分からない限り、救いようがない」(ウィリアム・エックハート)。おっしゃる通りだと思います(^^;。
● ちょっと広告(^^;。ジェシー・リバモアの本は、Amazon.co.jpで 「世紀の相場師ジェシー・リバモア」 です。ただ、ユーズドなのに55,000円とか、とんでもない値段が付いています(^^;。定価は2300円程度だったと思うのですが、こんなに値上がりするのだったら、自分で仕込んでおくのだった…(^^;。どこかの図書館にでもあれば良いのですが(私は昔に図書館で借りて読んだ)。発行元が角川出版なので、皆でメールでも出しましょうか? 一方、こちらは私は読んだことはないのですが、もう少しリーズナブルなお値段で出ています 「欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア」
。ただ、Amazonの評価は結構ケチョンケチョンです。原本の題は「Reminiscences of a Stock Operator」で、これでサーチすれば原書はいくつも出てきます(ハードカバーもペーパーバックも)。Amazon.co.jpでは、Reminiscences of a Stock Operator
からどうぞ。あと、J_Coffeeさんのサイトにも、ジェシー・リバモアについての相場師列伝コラムがあります。URLは http://members.at.infoseek.co.jp/J_Coffee/retsuden7.html です。
● ついでに、私が時々引用している「酒田五法」は、日本証券新聞社から出ている超ロングセラー本で、「酒田五法は風林火山―相場ケイ線道の極意」 が本家本元です。何度か改訂されたみたいですが、私がこの本を買ったのは、多分、18年ほど前の話かな???手元にあるのはかなりボロボロになっているので、そろそろ新しいのを買おうとは思いながら、そのボロボロ度合いを捨てられなくて、今に至っている次第です(^^;。以上、広告でした!
2007年06月19日(火) .... 今日も動かない相場、方向感乏しく寄付後は膠着商状
TOPIX : 1780.49 (-7.90, -0.44%) | 日経平均 : 18163.61 (+14.09, +0.08%) | 円ドル : 123.60 |
● まぁ、何と言いますか…(^^;。今日も全体としては動きに乏しい相場。個別には上がったり下がったりがあったものの、指数で見ると寄付きでどちらかに動いた後は横ばい膠着。今日は最後に日経平均型のバスケット買いが入って、日経平均は数字としてはプラスで高値引け。TOPIXは素直にマイナスだったし、東証1部値上がりが467銘柄、値下がりが1147銘柄もあったので、ちょっと弱めの相場だったとしておきます。高値引けしたとは言え、日経平均の1日値幅はわずかに60.05円。前場は58.87円で後場はわずかに40.79円。最後のバスケット買いが無ければ30円台だったのです。なお、日経平均の日中値幅はこれで4日連続100円未満になりました。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。グラフをパッと見ると、「何や、それなりに動いとるやんけ!」になるところですが、Y軸を参照していただければ、如何に動きが乏しいかお分かり頂けるかと…(^^;。
● 指数はそんな体たらくながら、個別はそれなりに上下動あり。ただ、ファクター面から見ると、この2日間ほどはバリューが今一つの状態で、「どうもなぁ~」といった感じの声がFM諸氏からは聞こえてきます。さらに、物色動向としても、昨日の相場で力強かった銘柄が早くも反落するのを繰り返していることで、何かをすれば継続的にリターンを取れるという印象が希薄。余計に手控えムードになってしまいます。
● ただ、有名な相場格言に、「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中に育つ。そして、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」というのがあります。現状を考えると、今は2番目の「懐疑の中に育つ」ですかね(^^;。米国景気がどうのこうの、金利がどうのこうの、選挙がどうのこうの…と言った具合に、どちらとも取れる材料があちこちに点在しており、なかなか相場の方向感が定まらない状態。まさに「懐疑の中」だし、そのなかでジリジリと水準を切り上げていることも確か。つまり「育っている」とも取れるのです。まぁ、反対意見は色々とあるでしょうけど、証券マンとしては、先行きが明るいと考えないとやってられませんからねぇ~(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比5235万株減の19億4898万株、売買代金は同1895億円減の2兆5087億円。今朝のSQ値を計算すると、前日比0.23円安の18149.29円で、またSQ値と終値水準が同じ近辺。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、3日連続での買い越し(4900万株売り/5060万株買い)でした。ただ、市場筋観測によると、某欧州系1社が株数でも金額でも半分以上のフローを占めていたとのこと。つまり、それ以外の今日の売り買いは2000万株台だったってことです(^^;。
● 雑談。今日の夕刊フジに、『「借名口座」が大ヤケド…大企業社員多数が決済不能』との記事。例のOHT絡みの件の話ですが、その中で「ある大手ゼネコン社員名義の口座が複数含まれている」との記述が…。これが借名口座ではないかとの観測記事ですが、本人了解の借名口座だった名義を貸した方がペナルティを食らうのは当然。でも、何らかの手段で名義が盗まれた(米国ではStolen identityとしてこの手の話が問題になっている)のだとしたら、それはかなりゾッしてしまいます。証券会社では本人確認書類がないと口座開設できない状態だし、下手すると銀行で口座開設する以上に本人確認書類に厳しいのが実状。もし他人名義で借名で口座開設していたのなら「犯罪」です。何となく深い闇がチラホラと見えてしまうような事件です。
2007年06月05日(火) .... これで4日続伸、日経平均は終値で約3ヶ月ぶりに18000円台回復
TOPIX : 1776.56 (+3.72, +0.21%) | 日経平均 : 18053.81 (+80.39, +0.45%) | 円ドル : 121.90 |
● 寄付きはそれなりに堅調だったものの、その後ジリ貧でマイナス転落。「あかんか…」と思っていたら、「あれっ?海運株プラスになっとるやんけぇ!」って感じで盛り返し(^^;。ただ、全体感としては日経平均18000円近辺でのもみあいに終始し、方向感に乏しい展開でした。多少は「中国株離れ」した様子があるものの、上海株式が軟調に推移していたので何となく動きづらい雰囲気でした。前場は多少は上下動があったものの、後場はほぼ膠着商状。ただ、それでも下値をガンガン売る感じではなく、結局、日経平均終値で18000円台を回復して終了(2月27日以来)。日経平均の日中値幅は121.27円だったのですが、これはそっくり前場の値幅。後場はわずかに60.85円しかありませんでした。最後は上海株式もプラス転換していましたしね。
● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別銘柄の話などは"相場解説記事"にお任せするとして、ロールオーバーの話で行きましょう。今日のように小動きの相場展開は、ある意味では「ロールオーバー日和」(^^;。昨日からかなり盛り上がりがあったのですが、今日も業者間取引を中心にかなり出来高が膨らんでいた様子。
● 取引所取引の限月間スプレッド市場では、日経平均先物もTOPIX先物も相場水準がビッド/アスクの真ん中ほどにあることで、上にも下にも行きづらく、やや睨めっこ状態。ただ、それでも日経平均先物では500~1000枚単位の買いが時折入っていたし(+30円を買っていた)、TOPIX先物では13時57~58分に掛けて「2000枚買い×2発+2645枚買い(いずれも+2.0ポイントを買っていた)」がありました。
● 一方、業者間取引の限月間スプレッド市場は、今日も一段と商いが盛り上がっていた様子。ただ、スプレッドの水準そのものは昨日と大きな変化はなく、ここでは具体的な数字は書きませんが(最近、奥歯に一杯モノが詰まっています(^^;)、取引所取引のビッド/アスクの半ばの水準で推移。Bloombergでデフォルト状態で計算したフェア・スプレッドからすると、日経平均先物がプレミアム、TOPIX先物が若干のディスカウントなものの、普段よりは多少上振れしている印象。明日ぐらいがロールのピークになると考えていますが、もしかしたら今日がピークだったかも知れません。スプレッドそのものは、ちょっと強含むような印象はあるのですが、かと言って日経平均先物で30円がビッドになるほどでもないところをイメージしています。
● また、ロールオーバー時期にある出来高の異常なほどの分布も、記録として残しておきましょう。ちょっと見難いかも知れませんが、表にしてみました。それぞれ日経平均先物とTOPIX先物の立会内取引、取引所での限月間スプレッド取引、そして業者間取引に多用される立会外取引の出来高です。
立会内取引 | 限月間SP取引 | 立会外取引 | |
日経平均先物 6月限 | 85,563枚 | 8,091枚 | 64,338枚 |
9月限 | 15,081枚 | --- | 62,985枚 |
合計 | 100,644枚 | 8,091枚 | 127,323枚 |
TOPIX先物 6月限 | 32,131枚 | 41,715枚 | 192,938枚 |
9月限 | 6,995枚 | --- | 182,983枚 |
合計 | 39,126枚 | 41,715枚 | 375,921枚 |
● ロールオーバーは2枚1組なのでダブルカウント気味にはなるのですが、それでもかなりの量が立会外取引、つまり業者間取引でロールされているのが分かります。特にTOPIX先物でこの傾向が顕著で、種玉としての建玉残高がある割に、日々の商いには出てこない部分がロールの時に一斉に顔を出す、って感じです(^^;。逆に日経平均先物は種玉というよりも、日々の回転が高いので、ロールの時の出来高の増加具合は、TOPIX先物ほど顕著ではありません。興味深いところです。
● 記録。東証1部出来高は前日比2億5213万株も減って22億9979万株、売買代金も同4549億円減の2兆8143億円。今日は鉄鋼、非鉄などが一休みだったので、この辺が商いの面で影響した格好です。東証1部値上がりは907銘柄、値下がりは693銘柄で昨日とほぼ同じ。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(5490万株売り/6430万株買い)。かなりフローが増えているようにも見えたのですが、市場筋によると、一社が株数・金額ともにズバ抜けて多かったとのこと。それ以外は基本的にチャラだったってことでしょう。
● 雑談。例の「トレーダー川柳」ですが、複数の市場関係者の方々から"情報提供"を頂きまして「やっぱり…」でした(^^;。同業他社さんのセールストレーダーの方が「主催者」とのことです。個人的にお会いしたことはないし、同業他社だったら競争相手になるのですが、密かに応援しつつ、第二回を楽しみにしております(^o^)。
2007年06月04日(月) .... 続伸…だけど、寄り天でほぼ安値引け
TOPIX : 1772.84 (+4.96, +0.28%) | 日経平均 : 17973.42 (+14.54, +0.08%) | 円ドル : 122.05 |
● 全体に堅調な値動きは十分以上に」予想できたものの、今日は典型的な「寄り天」の1日になってしまいました。18000円超では利食い売りが出てくる水準なことに加えて、前場中盤からは上海株式市場が軟調に推移したことも相場の重石になったイメージ。いつまでも中国株の動向に振り回されるのは嫌なんですが、「ジャパン・パッシング」のなかでは、日本市場は従属的な市場ってことなんでしょうか…(-_-;)。日本市場が引けた後ですが、上海株式市場は一段安になってしまい最後は8.26%安。現時点では他市場には大きく波及していないようですが、明日朝がちょっと心配です。
● 何はともあれ、今朝のSQ値を計算すると、前日比141.45円高の18100.33円(9時15分確定)。ザラ場の日経平均高値が18071.80円(112.92円高、9時24分)だったので、幻のSQ値状態で、完璧な寄り天。日経平均は完璧な安値引けだったし、TOPIXも14時46分にザラ場安値をつけて少し戻したところでの大引け。ただ全体には小動きが継続しており、今日の日経平均日中値幅は98.38円と、100円に満たない状況でした。まぁ、今日は月曜日だから仕方ない、と考えることも出来るのですが、明日以降も日経平均18000円界隈で上値が抑えられてしまうと、ちょっとモゾモゾ感が出てくるかも知れません。注意しておきたいところです。
● ちょっと「寄り天」が分かり難いかも知れませんが、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別物色についても少し書いておきましょう。海運株は「そんなに買ってえぇんかぇ?」って感じ。特に大手ではなく、二番手、三番手系銘柄の爆騰ぶりが目立ち、乾汽船(+16.0%)、第一中央汽船(+17.4%)、新和海運(+10.5%、ストップ高)、明治海運(+17.2%、ストップ高)、共栄タンカー(+19.9%、ストップ高)、太平洋海運(+32.8%、ストップ高)など。飯野海運を含めて、過去5日間で軒並み3~4割の株価上昇がゴロゴロ。いくら業績的にある程度の裏づけがあるとは言え、もう一度、「そんなに買ってえぇんかぇ?」って感じ。「踊る阿呆に踊らぬ阿呆、同じアホなら踊らな損々」ってムードでしょうか(^^;。入り時も難しいけど、抜け時はもっと難しそうです。
● 他は鉄鋼、非鉄金属、そして多少商社、多少不動産、多少保険ってところ。相変わらずテクノロジーや銀行の方向には部分的にしか行かない状態が継続でした。個人的には、他人資産を運用しているのでなければ、こういう相場は結構好きなんですけどねぇ~(^^;。あまり物事を複雑に考えずに、素直に相場の声を聞いていれば乗れるのです。声が聞こえないときは、聞こえるまで待てば良いのです。で、聞こえてきたら素直に参加。複雑に考えると、かえって声が聞こえなくなる相場だと考えています。
● 記録。東証1部出来高は前週末比5801万株増の25億5192万株、売買代金は逆に同414億円減の3兆2693億円。引き続きそれなりの活況が続いています。東証1部値上がりは913銘柄、値下がりは673銘柄、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(4280万株売り/3840万株買い)。市場筋によると1社の売りが多かったとのことで、実質的にはチャラと見て良いかと…。チャラというよりも、やや「ジャパン・パッシング」気味の動きが続いていると言った方が正しいか も…(-_-;)。
● ちょっと一言。6月7日に東証マザーズに上場するのがNTTデータ・イントラマート(3850)。名前から見て分かるようにNTTデータの子会社。ということは、孫会社上場ってこと。親子会社上場について議論になっているところで孫会社の上場とは、まぁ、何と言いますか…。
● 雑談。今朝、市場筋から「第一回マーケット雑感主催、トレーダー川柳」の集計結果発表が回覧されてきました(^^;。上位三作品は以下の通りと。
第一位 | アルゴより 俺のリズムで どこ悪い |
第二位 | ふざけんな てめえが自分で やってみろ |
第三位 | デイトレの 足元及ばぬ プロばかり |
● ちょっと私の感触とは違う面もあったのですが(^^;、結果は結果です。さらに「入選作」もいっちゃいましょう。順番はないみたいですが、廻ってきたメールに記載されていた順番で番号を振っています。
1. | 外資系 同じことして この格差 |
2. | くれてやる 頭と尻尾が でかすぎる |
3. | 社名変え なんの会社か もうわからん |
4. | おかしいな? それはお前の 相場観 |
5. | バイサイド 死んでも治らぬ 勘違い |
6. | オタッキー アルゴのおかげで 大出世 |
7. | 買い推奨 出した本人 売り準備 |
8. | 35 過ぎても夢は 玉の輿 |
9. | ギャランティ 私の立場も 保証して |
10. | 板を見ろ! 言った上司は 後場熟睡 |
11. | キコクなら どんなバカでも ペラペラだ |
12. | はしたない 祖母が評した 我が仕事 (解説、句の作者は女性ファンドマネージャー) |
13. | IS法 こだわりすぎて GTC |
14. | レーティング 上げた途端に 工場が! |
15. | 成果主義 すり胡麻量を はかるだけ |
● 前々から不思議に思っていたのですが、そう感じていた方が多かったのか、「問い合わせが多かったのは、川柳作者のバイセル比率。バイサイドが9割です」とのこと。これはやや意外感。でも、バイサイド作の多くがセルサイドの気持ちを代弁しているようにも感じるので、ある意味、安心したというか、立場は違えども分かり合える余地はいっぱいある、とも感じてしまいました(^^;。でも、この集計をやっているのは誰なんだろう?単なる個人ではないのは明らかだし、証券会社(たぶん外資系証券)で機関投資家向けのセールスかセールストレーディングをやっている方々でしょうね(セールストレーディングっぽい感じはする)。バイがこれほど加わっているのならプロップは有り得ないし、前回も感じたのですが、セールストレーディング系の業務をやっていないと分からないディープな川柳もいくつかあったので…(^^;。なお、既に「第二回」の募集が始まったそうです(^^;。
● 最後にお断りというかお願いというか…。今回も「引用」という形で使わせていただきましたが、著作権の件は気にしています。でも、面白過ぎてパスできませんでした(^^:。著作権者の方、事前了承なしで引用してスミマセン。でも、ググっても全然見付からないんですよね?ネット上にはないのかな?
2007年05月12日(土) .... 引用~「第一回マーケット雑感主催、トレーダー川柳」 (出典不明だけど笑える!)
● 今日は週末特別のアップです。先日マーケットコメントで市場筋の間を「回覧」されていた「第一回マーケット雑感主催、トレーダー川柳」ですが、かなりの反響を頂きました。なかでも「全部読みたい」がいくつもあったのです(^^;。マーケットコメント内に使う際にも、著作権のことが頭にちらついたりしたので、全文掲載とはせずに抜粋を掲載したんです。でも、逆の立場(読者側)からすれば、やっぱり全部読みたいですよね(^^;。と言う訳で、無謀にも全文掲載してしまいましょう。なお、それでもやっぱり著作権は気になります。もし何か問題がありましたら、 こちら よりご連絡をよろしく。すぐに対処いたします。
● 本家HPでは日記帳に掲載してあります。 こちら より日記帳にアクセスを。それでは行きましょう。今回は特に解説コメントは「なし」です。
1 | セルサイド グレーも黒も 白の内 |
2 | 板を見ろ! 言った上司は 後場熟睡 |
3 | デイトレの 足元及ばぬ プロばかり |
4 | 夢に見た 儲け話は 夢のまま |
5 | バイサイド 死んでも治らぬ 勘違い |
6 | 若い頃 できないことでも 歳のせい |
7 | キコクなら どんなバカでも ペラペラだ |
8 | まだいける 思っているのは 自分だけ |
9 | 上っ面 仲良くしながら あら探し |
10 | 35 過ぎても夢は 玉の輿 |
11 | プロなのに ファンマネなのに この結果? ( 自嘲の意味もこめて…。本人談) |
12 | 文句だけ 一人前の バイサイド |
13 | 空振りで 認識すべし 決断力 |
14 | 指値して 出来ちゃったの?と 不安がり |
15 | 売り注文 売らないうちに 買いコスト |
16 | 買わなきゃ 買い判断も 無駄になり |
17 | アルゴより 俺のリズムで どこ悪い |
18 | 先物で 全て説明 現物株 |
19 | 箱ばかり 最良執行 口ばかり |
20 | 高配当 みんなで買ったら 低配当 |
21 | アルゴより 上司にほしい ストラテジー |
22 | 相場観 逃げ道作る 評論家 |
23 | 社名変え なんの会社か もうわからん |
24 | 均衡表 雲の上でも 暴風雨 |
25 | 死んでくれ ああ死んでくれ 死んでくれ |
26 | ここはどこ ミステリーワールド 河童天国 (会社は恐いところ!) |
27 | もう辞めて(止めて) アナログ時代の 相場観 |
28 | IS法 こだわりすぎて GTC |
29 | 先物を へたな約定 言い訳に |
30 | おかしいな? それはお前の 相場観 |
31 | 流動性 無ければあなた 動いたら |
32 | 引け前の 指値訂正 2文下 |
33 | IS法 威張ってみても VWAPER |
34 | 止めてくれ 無駄な指値と 訂正・取り消し |
35 | システムを 信頼出来ずに 置いてけぼり |
36 | アルゴより 細い計らい 止めてくれ |
37 | 押し目買い どこが押し目か わかりません |
38 | 昨日まで 推奨銘柄 今日は売り |
39 | 修正 修正 また修正 (アナリストも大変) |
40 | 経験則 あたらないのも 経験則 |
41 | 川柳を 作るの上手いが 株は下手… |
42 | ロスカット 投げた翌日 大暴騰 |
43 | PLと 上司の機嫌が 高相関 |
44 | 大暴落 ショートで儲けて ほくそえむ |
45 | 日系人 自国戻れば マイノリティー |
46 | ブ男も 日本にいれば モテモテだ |
47 | 「外資系」 強調するほど しゃべれない |
48 | ふざけんな てめえが自分で やってみろ |
49 | 高い服 顔も買えれば いいのにね |
50 | 辞めるのも けっこう厳しい ドメ社会 |
51 | ショートセル 市場外なら ロングセル |
52 | バイサイド ああバイサイド バイサイド |
53 | ぼくはくぼ みぎからよんでも ぼくはくぼ (???) |
54 | 暇すぎる あー暇すぎる 暇すぎる |
55 | トレーダー いつになっても こまずかい |
56 | 相場観 あるはずないよ 素人よ (自分のこと?作者はプロ) |
57 | オタッキー アルゴのおかげで 大出世 |
58 | 醜くて さえないやつほど 子沢山 |
59 | 親バカが でき損ないに 金をかけ |
60 | 企業規模 大きくなるほど カスばかり |
61 | 外資系 同じことして この格差 |
62 | ザラバ中 相場支えに? ベンチプレス (後場寄り、ジムから戻らないトレーダー) |
63 | 日経の 観測記事に 右往左往 |
64 | リコメンド 外れたのを機に 休暇取り |
65 | レーティング 上げた途端に 工場が! |
66 | IR フェアを求めど うちにだけ |
67 | 月次聞き 一喜一憂 自暴自棄 |
68 | アナリスト 資格取れども 役立たず |
69 | 決算の 内容よりも ADR |
70 | 四季報は 嫌いだけれど 無視できず |
71 | プレゼンの ネタを作りに 六本木 |
72 | 山積に されたレポート どこに行く |
73 | エイベックス 買ったつもりが エイペックス |
74 | 吹き値売り 吹くわ吹くわで テンバガー |
75 | 始まりも 終わりも全て SIMEX |
76 | ナンピンす 上場廃止 ナンセンス |
77 | 割安も 気づいてみたら 額面割 |
78 | ヤフオクも 通販サイトも 情報源 |
79 | クオンツも 化粧はがせば テクニカル |
80 | できるなら 自分の逆バリ してみたい |
81 | 趣味特技 高値掴みと 底値売り |
82 | お局が 相手選んで 八つ当たり |
83 | 親切を 装い聞き出す 情報通 |
84 | 50超え さらに居座る バイサイド |
85 | 後がない ドツボカップル 長続き |
86 | 見渡せば ファンマネ休暇か 鼻提灯 |
87 | 売停中 出来ちゃいます OTCなら (機械上は出来るが、やったら証券事故!) |
88 | 亥の年は 1949以来 全勝だ |
89 | セブンアイ ローソンのつぎ サークルk (CV業界順位) |
90 | くれてやる 頭と尻尾が でかすぎる |
91 | もうはまだ まだはまだまだ もうやめて |
92 | 傷口を なめあう場所の 掲示板 |
93 | 円キャリー できぬ私は 損キャリー |
94 | ナンピンが さらに傷口 でかくした |
95 | 高いとこ 飛びつく能力 かえる並み |
96 | 放置の株 倍と思えば 減資でした |
97 | VWAP 買った負けたは まるで意味なし |
98 | ファンマネに 聞いてきますは 子供の使い |
99 | 難しい 待っても取れない 女と板よ |
100 | 難しい 取ったら天井 女と板よ |
101 | 飛びつき買 ところでここは 何の会社 |
102 | 配当金 狙って買ったら 無配転落 |
103 | 売りたいが 今日の安値 躊躇する |
104 | 買いたいが 今日の高値 躊躇する |
105 | ギャランティ 私の立場も 保証して |
106 | 日本株 下げる時だけ 連動する |
107 | 売れという 板がないのよ わかってる? |
108 | なんでかな 私がやる株 逆相関 |
109 | 成行は 板がすかすか やらないで |
110 | 三角合併 カタカナ名を 増やすだけ |
111 | ファンマネの 一喜一憂 見苦しい |
112 | アナリスト 昨日の売りは 今日の買い |
113 | 穴二つ ならばも一人 呪ったる |
114 | 買い推奨 出した本人 売り準備 |
115 | はしたない 祖母が評した 我が仕事 |
116 | 百円パン ペコちゃん騙して 銀座進出 |
117 | ばかやろう! 行ったり来たり 喉仏 |
118 | 成果主義 すり胡麻量を はかるだけ |
119 | 説明会 数字を読むだけ 経営陣 |
120 | 無意識に 銘柄変換 ナンバープレート |
● 疲れた(^^;。かなり過激なのもあるのですが、全文掲載です。マーケットコメントでも書いたのですが、中にはかなり専門的なのもあって、業務をやっている方はすぐに分かるのですが、たとえ証券会社に所属していても、ほんの少し部署が違うだけで分からないネタもかなりあります。意味が分からないとしても、何となく雰囲気を味わっていただければと…(^^;。
2007年05月09日(水) .... 指数は堅調、資源関連銘柄が軒並み大幅高
TOPIX : 1745.01 (+12.38, +0.71%) | 日経平均 : 17748.12 (+91.28, +0.52%) | 円ドル : 119.80 |
● 前場は眠気を覚えるような相場展開。ところが、川崎汽船(9107)の決算発表(午前11時)で雰囲気が変化。海運株全体が後場から連鎖反応的に一気に上昇。さらに、オーストラリアの超有名鉱山会社の BHP Billiton (BHP AU) と Rio Tinto(RIO AU) の合併観測で、日本時間の昼休み中に両株が急上昇。これで非鉄金属株(特に別子)が軒並み高となり、商社株も一斉高。相変わらず資源系銘柄ばかりという点はあったものの、それでも動く銘柄に付いていく相場展開。その一方で、敬遠される銘柄は完全に放置状態の鳴かず飛ばず。新興市場は東証2部以外はマイナスでした。指数はプラスとマイナスが適度に打ち消しあうことで動きが鈍かったものの、個別銘柄ベースでは、見ている銘柄によって悲喜こもごもの1日だったと察します。
● 日経平均の日中足と、川崎汽船(9107)、別子(住友金属鉱山、5713)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。川崎汽船は後場寄付きからブッ飛んだのですが、実際に日経平均との連動性が見えるのは別子の方。それだけ別子が相場全体に影響を与えているってことです。
● 今日は「SQ週の水曜日」だったので、経験則的にはちょっとヤバイ1日。それでも無事にクリアしたこと、さらにTOPIXが因縁の1750ポイント弱の水準まで這い上がってきたことで、特に買い材料は無いとしても、期待感が膨らむ状況になってきました。ただ、逆説的に言えば胸突き八丁の水準まで来たとも言えるワケで、この先数日間の相場が重要になってきそうです。一応、オプションSQもありますしネ(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比2億4246万株増の24億4497万株、売買代金同2771億円増の3兆2265億円。指数は比較的小動きの1日だったのですが、上記したように資源系銘柄を中心に個別に賑わったことで、相場全体としてもかなり活況でした。東証1部値上がりは874銘柄、値下がりは710銘柄、今朝のSQ値は前日比39.18円安の17617.66円でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ほぼチャラ(3710万株売り/3650万株買い)でした。
● そうそう、今日はMSCIにおいて日興CGのFIFが0.85→0.40への引き下げがありました。大引け間際に大商いだったのはそれが理由です。最後の15分間ほどで、どったんばったんと商いが膨らむなか上下しているのが分かります。日中足をご参照のうえ「ほぉ~~」(^^;と感動して眺めてください(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。ある意味では、今月末のTOPIXで起こるのと同じ仕組みですから。ただ、この情報はWebなどに掲載されないMSCI の「契約者向け」情報だったので、知らない方も多かったとは思います。
● 雑談。こちらの方が今日の本題っぽい量(^^;ですが、某市場筋から回覧されてきたのが「第一回マーケット雑感主催、トレーダー川柳」なるもの。どこかのサイトからの引用だと思いますが、この表題でググッても出てこないので出典は不明(^^;。でも、業界内でもホールセール系に属していないと到底分からないようなのがたくさんありました。ホンの少し引用。
● 多くはセールス・トレーダー作っぽいもので、実際、自分でも共感できるものを中心に行きます(全部で100超あった)。何と言うか、やはりバイサイドに対する不満ネタが多かったのですが、その中でも個人的に笑えた(苦笑い)のが、
「指値して 出来ちゃったの?と 不安がり」
「売れという 板がないのよ わかってる?」
あたり。良く見掛ける風景なので思わず苦笑いです(^^;。同じくセールス・トレーダーものだと思いますが、最近流行のアルゴリズム・トレードに関連したのも多くて、
「アルゴより 俺のリズムで どこ悪い」
「 IS法 こだわりすぎて GTC」
「 IS法 威張ってみても VWAPER」
「システムを 信頼出来ずに 置いてけぼり」
「アルゴより 細い計らい 止めてくれ」
「オタッキー アルゴのおかげで 大出世」
分かる方は分かって頂けると思います(^^;。
● こちらはバスケットやVWAPギャランティーなどを受けている方々だと思いますが、
「ギャランティ 私の立場も 保証して」
「コンペあと インプルーブは?と けちなヤツ」
…なんかは笑うに笑えません。そして、次の2本はとても"深い"です(^^;。
「ショートセル 市場外なら ロングセル」
「売停中 出来ちゃいます OTCなら (機械上は出来るが、やったら証券事故!)」
これなどは、実際にこの辺の業務をやっている方々は「ウン、ウン」と頷いているでしょうけど、ちょっと離れるともう意味が通じないと思います。あまり書くとアレなのでこの辺で止めておきます(^^;。
● 他にも、ありげな風景としては、「決算の 内容よりも ADR」、「高いとこ 飛びつく能力 かえる並み」。笑えないのは、「エイベックス 買ったつもりが エイペックス」とか「飛びつき買 ところでここは 何の会社」(^^;。さらに、「社名変え なんの会社か もうわからん」も良くある風景。「説明会 数字を読むだけ経営陣」はアナリストでしょうか。「月次聞き 一喜一憂 自暴自棄」はスポンサーかFoFマネージャー?「プロなのに ファンマネなのに この結果? (自嘲の意味もこめて…。本人談)」は何と言いますか…(^^;。
● 「先物で 全て説明 現物株」なんかも笑えてしまいました。相場解説を書いているメディアの方々に、ぜひ、噛み締めて欲しい一句です(^^;。
2007年02月06日(火) .... 反発、指数は小動きも、電力株は爆騰相場(^^;
TOPIX : 1732.42 (+16.14, +0.94%) | 日経平均 : 17406.86 (+62.06, +0.36%) | 円ドル : 120.35 |
● シカゴ日経平均先物高(大証比35円高)などに加え、昨日急落の自律反発も含めて、売り買い交錯ながら堅調な展開で推移。全体としては小動きの1日だったものの、今日も日経平均先物では大型爆弾(空から降ってくるのと、空に吹き上げるもの)があちこちで爆発し、やや神経質な地合いでした。ただ、全体としてはTOPIX先物の方が堅調に推移した印象がありました。まぁ、何はともあれ、ミニSQを金曜日に控えて、堅調に終わったことを良しとすべきなんでしょう(^^;。
● 日経平均の日中値幅はわずかに88.17円。1月24日には54.67円という究極の小動きがあったので、それと比較すると大したことは無いかもしれませんが、今年に入って昨日まで(含大発会)の平均値幅が182円強なので、普段の半分以下だったことになります。ちなみに前場は52.25円、後場は88.17円でした。昼休みの立会外バスケット取引はかなりの量があり、それが売り越しと伝わって後場寄付き後にフラッと下がったのですが、その瞬間以外は、後場も前場と似たり寄ったりの値動き。もっとも、その割に東証1部出来高は前日比6438万株増の23億2351万株、売買代金は同751億円減の3兆0094億円と活況だったので、狭い値幅ながら、売り買いが交錯したことも分かります。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別には、何と言っても電力株の爆騰が目に付きました(^^;。こんなに派手な値動きをする銘柄ではないハズですが、関西電力なんて7.54%も爆騰。溜息が出てきます(^^;。特に何も材料はなかったし、材料で動いている相場でないのは明らか。このセクターは、これまで徐々にウェイトを落としてきた機関投資家が多いでしょうし、場合によってはアンダーウェイトになっていると思います。この2~3日は月初リバランス期間ですが、ここに来て、ちょっとウェイトを落とし過ぎたと感じているのか、電力株のウェイトを戻している向きがあったのは十分に考えられること。その張り返しで買われていた可能性は考えられます。しかし、東京電力なんて、あの不祥事が結果的には絶好の買場でしたもんネ(^^;。恐ろしいことです。
● ここ数日、各社の色々なレポートでは、電力株や配当利回りに関する話題が急に増加している印象があります。先週末に加えて、この所の電力株の爆騰ぶりは、それだけ印象的だってことでしょう。基本的に配当利回りで説明されることが多いのですが、最近はその範疇を超えており、どちらかと言えば「含み資産株」的な側面の方が強い印象があります。もっとも、アナリスト諸氏のレポートではそうは書いていないし、多分、今後もそうは書かないでしょう。でも、場の近くで見ていると、そう感じるのです。
● ただ、こういった動きは、相場を「やり尽くした」後に来ることも多く、本当に長続きするテーマになり得るかどうか、神経質に見守っておきたいです。チキンレースと化している感もあるのですが、このバブルっぽい動きを、頭ごなしに否定することも出来ないのは、かのGartman氏の格言にもあるように、「Markets can remain illogical far longer than you or I can remain solvent.」だからです(^^;。
● 話題変更で今日の先物手口。今日のCS(クレディ・スイス)はぐっと静かでした(^^;。ざっくり大きなところだけ抜き出しておくと、日経平均先物(3月限)だと、大和SMBCが1529枚売り越し、みずほ証券が最大で約1823枚売り越し(買い手口は20位以下で不明)、野村が同じく最大で約1473枚売り越し、BNPパリバが2209枚買い越し、メリルが最大で約1663枚買い越し(売り手口不明)ってところでした。CSは1525枚売り/2445枚買いで差引920枚の買い越し。これでもソコソコ大きいのですが、昨日と比較するとゴマ粒状態に見えてしまいます(^^;。一方、TOPIX先物(3月限)の方は、GSが3921枚売り越し、BNPパリバが最大で約2619枚売り越し(買い手口不明)、買いはUBSが4265枚買い越し、CSが1675枚買い越し。GS売り/UBS買いの構図でした。
● もっとも手口情報ってモノは、継続的にずっと眺めている向きにとっては有用な情報ですが、流行の時(今ですね(^^;)だけ、チラッと眺めても、背景なんて想像できるものではありません。それだけで有効活用なんて無理だし、場合によっては、惑わされるだけ有害な情報かもしれないのです。継続的にウォッチしてナンボってことで、まぁ、この話題も比較的、短期間の流行になるとは考えています(^^;。
● 記録。出来高と売買代金は上に書いたので、東証1部値上がりは1124銘柄、値下がりは473銘柄。なお、今朝のSQを計算すると、前日比51.05円高の17395.85円。動かなかったですねぇ、そこから…(^^;。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、株数ベースでは買い越し(4230万株売り/4710万株買い)となったものの、市場筋観測では金額は売り越し。寄付き前から「銀行株を売りに来ているらしい」との観測が流れていたのですが、結果的に、メガバンク株は全面安だったし、当たっていたのでしょう。
2007年01月30日(火) .... 小幅反落、重量株が後場下落に転じる
TOPIX : 1731.60 (-1.99, -0.11%) | 日経平均 : 17490.19 (+19.73, +0.11%) | 円ドル : 121.85 |
● 今一つ味が薄かったというか(^^;、何となく乗り切れない空気を感じた1日でした。鉄鋼・重工に商いが集中したのはこれまでと同じ。ただ、朝方はかなり強かったこれらの重量株が後場にマイナス転落となり、相場全体も、どんよりムードになってしまった感じです。そうやこうやで、日経平均はチョビプラスだったものの、TOPIXはマイナス。そうそう、寄付き前に発表された鉱工業生産指数がコンセンサスの+0.4%に対して+0.7%と、多少は好感材料。ただ、話題にはならなかったですけどネ(^^;。日経平均よりも、TOPIXの方が今日の地合いを良く表現していたと感じたので、今日はTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別には、良くも悪くも鉄鋼・重工が中心。石川島播磨あたりが下がり始めるのが早かったと思うのですが、トドメは新日鉄の「通期業績予想変更なし」。これで失望売りが出てしまい、周りの銘柄も巻き込んでマイナス転落。相場全体も引っ張った格好。ファンダメンタル要因がきっかけになったとは言え、心理要因が効く状態にあるだけに、一度、下げ始めると速度が付きます。これまでの"鉄まみれ相場"でチキンレースをやっていた感もあっただけに、一方通行的な面もありました。某FM氏は、「いつも新日鉄は3月上旬にならないと業績予想修正しないのに…。今回も、いつも通りのスケジュールじゃあないの?」とおっしゃっていましたが、相場は走ってしまうとなかなか止まれません(^^;。
● テクノロジーは相変わらず全体に鳴かず飛ばず状態。半導体関連に安いものが目立ちました。やや意外だったのは紙・パでかなりの上昇。後付けでは何とでも説明できるのですが、事前の雰囲気からしたら「あれっ?そうなの?」って感じ。最近、妙に強かったソニーも軟調でした。ファクター面からみると、当然のように、かなりリバーサルが効いた1日。ただし、バリューは駄目でした。つまり、この数日とは逆パターンだったものの、結果的に利益も損失も適度に打ち消しあう結果となり、悩ましい状態には変化なし。もうすぐ2月だしリバランスを考える時期に差し掛かっていると推察するのですが、FM諸氏はどうするんでしょうか?かなり興味があるところです(^^;。
● 記録。今日の東証1部出来高は前日比1億0633万株増の23億2683万株、売買代金は同1220億円増の2兆9779億円と活況。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、12日連続の買い越し(2610万株売り/4740万株買い)。株数ベースでは派手な買い越しに見えたのですが、市場筋によると「金額は小幅買い越し」とのこと。低位株中心の買いだったってことでしょうネ。
● なお、この外資系寄付前売買動向が12日買い越しになったのは、昨年春3~4月に掛けて(3月20日~4月10日)以来とのこと。ちなみに昨年の日経平均終値高値は4月7日でした(^^;。また、日経平均の水準そのものも17500円強。先日の裁定買い残推移のタイミングに続いて、また妙なタイミングの話です(^^;。
● 関連して雑談。そろそろ節分がやってきます(2月3日)。節分とはWikipediaによると、「各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のこと。特に、立春の前日(2月3日ごろ)のことを指す場合が多い」とのこと。株式市場では「節分天井、彼岸底」という恐ろしい格言(^^;があり、この時期になると意識せざるを得なくなります。一般的には、新春を迎えて1月は強いものの、節分あたりを天井にして3月期末だの何だので調整局面になる、と理解されています。ところが、現在はかのJ_Coffeeさんのサイト(更新停止中)では、この格言は株式市場のモノではなく、米相場のモノではないかと考察しておられます。少しその部分を引用すると、
お彼岸は、年に2回。春分の日と秋分の日の前後7日間。彼岸底となるのは、たぶん秋の方でしょう。
新米が出回る直前、貯蔵されていた古米は、急いで売りに出されます。価格は暴落し、年間を通じて最安値になるのです。
やがて、安い古米は底をつきます。残るは、高い新米ばかり。
冬は、食べ物が少なく、保存食の米の値段は徐々に値上がりします。
そのピークが、冬の終わりの節分というわけです
● これが正しいかどうかの判断出来るだけのネタも能力もないのですが、何となくそう思えなくもありません(^^;。J_Coffeeさんのサイトの当該部分は、http://members.at.infoseek.co.jp/J_Coffee/tsure38.html#setsubun です。今週残りの相場が「天井形成」となるのか、それとも「上昇相場の通過点」なのか、注目しておきたいところです。
● そうそう、例の日米主要企業決算発表予定ワークシートをアップデートしておきました。左側のメニューからダウンロードページにお進み下さい。例によって意図的に数日遅れのデータですが、先週末(1月26日)の分なので、まだまだ賞味期限内だと思います。お楽しみ下さい。
2006年12月28日(木) .... 朝高も寄り天、年末ポジション調整の1日
TOPIX : 1678.91 (+1.96, +0.12%) | 日経平均 : 17224.81 (+1.66, +0.01%) | 円ドル : 118.70 |
● 米国株大幅高を受けて堅調にスタート。ただ、「米国株大幅高」と「寄り天」は妙に相性が良いというか…(^^;。今朝のSQを計算すると、前日比76.51円高の17299.66円。今日の日経平均高値が前日比78.54円高の17301.69円だったので、見事に寄り天だったことが分かります。寄付後はズルズルと下落し、10時過ぎにはTOPIXも日経平均もマイナス転落。11月後半からのラリーを考慮すると、利食い売りが出てくるのは当然と言えば当然だし、その後はドカンと売られることもなかったので、基本的には年末ポジション調整って感じの1日でした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● そうそう、今日、新日鉄の出来高は4億1664万株と4億株台到達(!)。某市場筋氏調べによると、新日鉄の出来高が4億株台に乗せるのは、なんと「19年2ヶ月ぶり10回目」だったそう。ちなみにこれ以外の4億株台は1987年に記録したものばかり(ブラックマンデーの年)。この勢いを尊重するか、過熱と受け取るか、難しいところです(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億0392万株増の17億6881万株、売買代金は同1568億円増の1兆9260億円。水準としては、なかなか頑張った方だと思います。鉄鋼株が賑わったものの、メガバンクもそれなりに商いしていたので、売買単価は前日比26.23円高とほぼ同水準の1088.87円でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きほぼチャラ(2190万株売り/2390万株買い)。
● さて、今日の「本題」(^^;。The Gartman Letter の "Rules of Trading" を行きましょう。これは、毎年ThanksgivingのときにGartman氏が書いているもので、実は、今年も11月25日に届いていました。ただ、書きそびれてしまったのです(^^;。相場が暇なときに書こうかなとは考えていたのですが、それなりに毎日何か書くことがあって…。というワケで、年末特典として行きましょう。昨年は20項目あったのですが、今年は16項目に"厳選"されています。そのなかで、私が気に入っているものを7項目抜き出してみました。私はこれを印刷して見えるところに張っているのですが、これらのルールを守るのは難しいっす(^^;。
- Markets can remain illogical far longer than you or I can remain solvent.
- Buy markets that show the greatest strength; Sell markets that show the greatest weakness.
- In trading/investing, an understanding of mass psychology is often more important than an understanding of economics.
- There is never just one cockroach.
- Be patient with winning trades; Be enormously impatient with losing trades.
- Do more of that which is working and less of that which is not.
● Gartman氏のスタイルは「トレーディング」です。なので、中長期の資産運用手法などにおいては、当てはまらないこともあると思います。でも、「Markets can remain illogical.....」 とか、「In trading/investing, an understanding of mass psychology....」 などは、状況がどうであれ、真実だといつも感じています。「この相場はおかしい」と考える自分に気付いたときは、相場がおかしいのではなく、自分が相場を理解していないだけです(^^;。
● 出来そうで出来ないのが、「Be patient with winning trades....」 や 「Do more of that which is working....」。往々にして、「利食い素早く、損切り遅く」 になってしまいます。分かってはいるんですけどねぇ~(^^;。また、「There is never just one cockroach」 は、投資の世界だけの話ではありません。社会全般的に真実だと思います。最近、はやっている汚職やら談合など、実際に出てくるのは基本的に氷山の一角ってこと。ゴキブリを一匹見付けて、それで終わりってことはあり得ないのですから…。
● 全文引用するのはちょっと著作権的にはアレですし、どうしようかと考えてググッてみると、なんとこんなサイトに全文掲載されていました(^^;。いつもってコトではなく、たまたまみたいですけど、これならば私が訴えられることもなかろうかと…(^^;。URLは、http://timetotrade.eu/blog/2006/11/27/dennis-gartmans-not-so-simple-but-materially-fewer-rules-of-trading/ です。内容については、ちゃんと合致しています。もちろん全文英語ですが、分かり易いと思います。
● さぁ、明日は大納会で半日立会。明日休みを取っていらっしゃる方々もいらっしゃると思いますが、一足早く「良いお年を!」。私は明日も通常通りです。あと半日、頑張りましょう!