2008年10月09日(木) .... TOPIXは6日ぶりに小反発、日経平均は6日続落。戻りは限定的
TOPIX : 905.11 (+6.10, +0.68%) | 日経平均 : 9157.49 (-45.83, -0.50%) | 円ドル : 100.80 |
● 寄付直後の1時間ほどは、かなり神経質な雰囲気。ただ、一度戻った後に伸び悩んでマイナスになっても、それほど大きな売りが出なかったことが、心理的に効いた感じでした。前場中盤以降は、戻りのトレンドが徐々に明らかになり、所々では裁定買いなども引っ掛けて上昇。もちろん、昨日の歴史的な下落と比較すると物足りなさは否定し出来ないものの、それでも6日ぶりのプラスには、ホッと一息状態。上がったからというよりも、多少なりとも考える時間を与えてくれた点で、朝方のプラスは有難かったというのが市場関係者の実感だったでしょうか(^^;。
● 後場も前半は上昇基調だったものの、午後2時前には息切れ状態。TOPIXはその時点では、そこそこのプラスだったものの、日経平均はスコーンと下落して、あっという間のマイナス転落。そのスピードの速かったこと(^^;。如何に板が薄くなっているかを思い知らされた格好でした。特に悪材料は無かったのですが、下がりだすと、また余計なことを考えてしまいます(^^;。もっとも、この2時過ぎのスコーンの後は、大きくマイナスに突っ込むことはなく、昨日終値近辺で行ったり来たり。TOPIXはずっとプラス圏推移だったものの、上値が限定的だったのは否定できない格好でした。残念ながら、「コツン」が聞こえた確信は持てないのが正直なところです。
● TOPIXはザラ場で+34.08pt(+3.79%、12時55分)まであり、日経平均は+240.13円(+2.61%、12時56分)までありました。これを書くと、如何に上値が重たかったかが良く分かるので、本当は書きたくなかったんですが…(^^;。明日はミニSQで、G7があって、連休前の週末です。シートベルト&防弾チョッキは手放さないように…(^^;。今日は、日経平均とTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。グラフの形は似たようなものですが、前日終値に対するレベル感の違いをご覧頂ければと…。
● 個別銘柄のどうのこうのは、各種"市場解説"を参照頂くとして(とサボる…(^^;)、ちょっと違う視点。今日の相場では、TOPIXサブインデックスで見てかなりの歪みが出ていたのが特徴的でした。各TOPIXサブインデックス、及び他の指数のパフォーマンスを抜き出すと以下の通り。
指数 | 前日比率 | 指数 | 前日比率 |
TOPIX | +0.68% | 日経平均 | -0.50% |
TPX Core 30 | +1.41% | 東証2部 | +0.62% |
TPX Large 70 | +0.53% | JASDAQ | -1.38% |
TPX Mid 400 | -0.29% | マザーズ | +6.05% |
TPX Small | +1.14% | ヘラクレス | +1.48% |
出所:Bloomberg |
● TOPIXサブインデックスの中で目立つのが、Core30が明らかな牽引役だったことと、Mid400が苦労したこと。あえて想像力を逞しくすると、各業種のトップ企業にはそれなりにリバウンド狙いの買いが入ったものの、二番手以下まで手が廻らなかったというか、エネルギーが足らなかった印象。引け間際に伸び悩んだのを見ても、マーケットが自信満々なハズもなく、戻り局面があるとしても、足元がフラフラしている状況が続く可能性が高いだろうし、落とし穴に落ちるリスクも高いと予想しているのが良く分かります。そうなると、どうしても「安心感」や「信頼感」から、トップ銘柄を中心に物色が向かうのは止むを得ない格好です。ただ、これだけだと「持たない」とは思います。もう少し物色の広がりが見えてこないと、相場全体に漂う不安を払拭するまでは行かないと考えています。
● 記録。東証1部出来高は前日比6113万株増の29億1898万株、売買代金は同532億円増の2兆4749億円。指数から見た相場は、結果的には昨日終値近辺だったけど、昨日と同水準の商いがあったということは、今日はそれなりにリバウンド狙いの買いがあったことを感じさせます。東証1部値上がりは980銘柄、値下がりは656銘柄で、TOPIXの方が実感にマッチしていた印象。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比45.61円安の9157.71円(9時35分確定)。また、「昼休みギャップ」も+71.08円とかなり大きい目でした。日経平均の日中値幅は342.52(前場203.18円、後場342.52円)と、後場の方が値動きがありました。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(2710万株売り/2680万株買い)でした。
● 最後になっちゃいましたが、今朝発表された8月機械受注は前月比-14.5%と急減。6月が-2.6%、7月が-3.9%だったので、これで3ヶ月連続の減少。事前予想はBloombergで前月比-2.8%、ロイターで同-3.5%だったので、大きなネガティブ・サプライズ。製造業が総崩れ状態に陥ったことで、実体経済への影響がいよいよ数字になってきたか、との印象でした。もともと機械受注はボラタイルな指標だけど、今後、こういった経済指標が相次ぐと覚悟しておいた方が良さそうです。利下げ余地の乏しい日本に何ができるか?バラマキ型の補正予算は勘弁して欲しいところですけど…。
● 雑談。ショック&失意で元気ありません…(T_T)。今晩は試合がなく、今週末、金土日の3連戦を対横浜、対横浜、対中日(ホーム)で日程終了。はぁ~(T_T)。どないなったんや?ホンマ…。
2008年02月08日(金) .... 反落、前場一時プラスもジリ貧。東証先物システム障害発生
TOPIX : 1287.14 (-17.94, -1.37%) | 日経平均 : 13017.24 (-189.91, -1.44%) | 円ドル : 107.40 |
● 今日はミニSQ。大きな波乱も無かったので、サラリと行きましょう(^^;。Excel上の日経平均速算値は寄付き前から大幅安。8時45分に前日比1750円安、8時50分で1650円安、8時55分で1530円安といった具合。PC上の時計が9時ちょうどで940円安ほどで、そこから"お約束"買いバスケットが入ってチャンチャン。結局、今朝のSQ値は前日比117.17円安の13089.98円(9時36分確定)でした。CME日経平均先物が大証比60円高だったので、SQのイメージとしては150円ほど下押しした格好でしょうか。日経平均型で一銘柄あたり差引15万株弱ほど売り越しだった模様。なお、市場筋推計ではSQ関連売買は約1億6000万株、約2500億円程度とのことでした。
● 通常の相場。前場最初の1時間はSQが売り越しでマイナスになったところから、比較的速やかにプラスに転換。ただ、上値を買いに行く雰囲気ではなく、前場中盤以降はジリ貧。SQ後の脱力感(^^;に加えて、午後に多くなる業績発表への警戒感もあった様子。なんせ最近は地雷だらけですから…(^^;。そして、前引けになったところで「???」状態。TOPIX先物がザラ場引けに見えたのです。その時は「ふぅ~ん」だったものの、板を見ると「引ける板」だったのに引けていない状況。トレーダー連中も、「何で引けなかったんだろうねぇ?」とトレーダー席で買ってきた弁当などを食べていたところ、東証に電話して聞いた向きから、「なんかシステム障害らしいでぇ~」となり騒然。おまけに、「後場寄付きまでに直るか分からんらしい」と。結局、2008年3月限は後場終日売買停止(他限月は通常通りの取引)という「システム障害」状態になってしまいました。
● 「システム障害」と聞くと、市場筋は「売り」と連想してしまいます。あれはかれこれ2年前、2006年1月18日にライブドア事件の余波で東証売買停止ショックが襲い、当時の相場が急落したことを想い出してしまいます。もちろん、システム障害だけが相場急落の原因では無かったにしろ、これ以外でも取引所関連のシステム障害が発生して相場が上がったことはないのです(^^;。加えて、今日は3連休(とG7)を控えた週末。タダでさえ売りが先行し易い地合いにあっただろうから、今日のシステム障害も印象としてマイナスに働いた可能性はあります。経済的には、TOPIX先物の取引が一部とまった程度だと、それほどの影響は無かったハズですから、主に心理的な理由と考えています。なお、今回のシステムトラブルの直接的な影響としては、後場寄付きで後場SQ値が前引終値よりも46.58円下という「昼休みギャップ」があったので、この程度のインパクトはあったと考えています。蛇足ですが、TOPIX6月限が後場ソコソコできていたのは、微笑ましい風景でした(^^;。
● 何はともあれ、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● さらに、今日のTOPIX先物(3月限)の日中足も付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。約定時間が10時59分で止まっているところに注目して頂ければと…(^^;。
● なお、午後4時から東証で記者会見があったのですが、色々な報道によると「原因がまだ分かっていないので復旧のメドが立っていない」とのこと。幸いにして週末で、しかも3連休なので、システム関係者は週末返上でやるしかないですね。来週、もし売買停止が長引くようだとかなり問題です。 「東証、週明け売買の見通したたず―派生商品システム障害で」 (日経)などをご参照ください。また、東証HP内の 「売買停止情報(先物・オプション取引等)」 にも清算値などの詳細が掲載されています(いずれ"過去分"に移動されるかもしれません)。
● 一方、今日のマーケットを「指数の値動き以上にひどい」と感じた方々は意外に多かったかもしれません。セクターでは、鉄鋼・非鉄が相変わらずボロボロだったし、機械受注を受けて機械株を中心に酷い羽目。テクノロジー系でも突発的に安い銘柄が散見。一方で、消費者金融などが妙に高かったりと、違和感を感じた方は少なくなかったと思います。ある意味で、理屈が通りそうな割安株が売られ、「何でこんな銘柄が?」ってのが上がる相場展開。まさに資金が流出し続ける相場の悲哀で、皆が持っているような銘柄が、ファンド解約などの資金流出に伴って売られ、空売りされている銘柄は解約で買い戻される、って感じ。さらに後場はTOPIX先物が稼動していなかったことで、モロのバスケット売りが出ていた影響もあったと考えています。
● さらに、ファクター分析を見ている方は感じているでしょうけど、このところ、リバーサルが効かない相場が続いています。「平文」で書くと、伸びたゴムが戻らずに伸びきったまま、という状態が続いているのです。足元の相場は短期、中期、長期ともに、疑問の余地がほとんどど無い状態で下向き。そこでリバーサルが効きにくいという事は、下げトレンドに変化が見られないってこと。押し目買い(逆張り)が報われない相場、と考えることが出来るわけで、雰囲気が盛り上がらないのも当然かもしれません。変化の兆しがいつになるのか、そのタイミングがなかなか見えてきません。なお、私はマーケットに近い立場なので、短期は日中~3日間、中期は1ヶ月、長期は半年~1年って感じで見ていますので、為念(^^;。
● 記録。東証1部出来高はSQだったにも関わらず、前日比2155万株減の23億5225万株、売買代金は逆に同531億円増の2兆7728億円でした。上記した市場筋推計の約1億6000万株/約2500億円をSQ関連として差し引くと、余計に今日の相場がかなり閑散だったことが分かります。前後場の売買代金分布は前場52.0%、後場48.0%と、さすがに多少は前場に振れたものの、それほど極端ではありませんでした。寄付きから5分間の売買代金は15.3%でした。東証1部値上がりは543銘柄、値下がりは1071銘柄。日経平均の日中値幅は281.64円(前場191.70円、後場166.09円)と比較的小さい1日。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅な売り越し(3900万株売り/2630万株買い)でした。これで8日連続の売り越しです。
● 指数ヲタクへの業務連絡。今日、IHI(7013)と三洋電機(6764)の「監理銘柄(審査中)指定の解除」が東証から発表されています。廊下に立たされていた銘柄が、ようやく教室内に戻ることを許されたってことです(^^;。ただし、反省文(改善報告書)を書かされたり、特別の座席に座らされたり(特設注意市場銘柄に指定)がありますが、まぁ、これでひとまず一件落着です。東証HP内、 「監理・整理銘柄指定状況」 の下の方、「監理指定解除・上場廃止銘柄(直近)」に掲載されていますので、ご確認ください。さらに、日経からは 「IHIと三洋電機、日経平均採用を継続」 とのリリースも出ています。分かっていたことなので、いまさら…って感じもしますが(^^;。
● 今日はえらく長文になってしまって申し訳ありませんが、最後にこれは書かなくちゃあいけない話。朝日新聞に 「経産次官「デイトレーダーはバカで無責任」 講演で発言」 との記事。ちょっと前に日経の前田編集委員が書いていた件(その時は名前などはぼかしてあった)と同じ講演会の話でしょう。ニュースの内容を読んでいただければ分かるのですが、日本経済をリードすべき経済産業省の事務次官の公的な発言がこれ。飲み屋でこっそり話をするのならともかく、公的な講演でこの手の発言をする神経は到底理解できません。彼らは自らが正しいと確信して発言しているのでしょうし、私的会話よりは抑え目に発言してコレなんでしょう。つまり、本音というか深層心理は、もっともっと酷いと簡単に想像出来てしまいます。事務次官は官僚、事務方のトップ。経済/産業をリードするべき官僚のトップがこの程度の認識となると、外国人投資家でなくても嫌気するのは当たり前。もちろん、これで相場が下がったなどとナイーブなことを言うつもりはないのですが、プラスでないことは明白です。
● 某FM氏もおっしゃっていましたが、倖田来未の不適切発言などよりも、この事務次官発言の方が、はるかに直接的な経済的損失を招きかねないのです。そして、今日の閣議後会見でも大臣などからは言い訳の嵐で、事態を全く理解していないというか、認識していないように聞こえてなりませんでした。厳しい書き方をすれば、「"バカで無責任"なのはどっちやねん」って感じです。そもそも、期待する方が間違っているのでしょうけどね。なお、夕刊フジにも関連して 「ジェイコム男「またか」と冷やや…経産省次官が失言で」 との記事がありました。引用されているB・N・F氏のコメントの方が、はるかにまともです(当たり前だけど…)。
● 今日は超長文スミマセンでした。何はともあれ3連休。東京はまた雪が降る予報が出ていますが、良い連休を!
2007年12月10日(月) .... 小幅反落。日興CG株の指数ヲタク的先行き見通しについて
TOPIX : 1558.51 (-3.25, -0.21%) | 日経平均 : 15924.39 (-31.98, -0.20%) | 円ドル : 111.60 |
● ちょっと飲み会があって更新が遅くなりました。実は明日も飲み会の予定です(^^;。
● 朝方の一瞬こそは、寄付き前に発表された機械受注が良かったことや、前週末のCME日経平均先物が堅調だったことなどから高寄りしたものの、それは20分間も持たず。その後、スコーンとマイナスになってからは、マイナス圏で横ばい推移。好調な機械受注を嫌気して機械株が売られたり(冗談ですよ!)、メガバンクが堅調だったものの資源系が安く、何となく面白みの乏しい相場展開でした。指数面を見ても方向感に乏しく、月曜日ムードが満点の1日。大引け間際に1ドル=111円台に急激に駆け上がり、先物がヒョんと上昇して多少なりとも下げ渋っての大引けでした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● さっさと記録に行きます。東証1部出来高は前週末比3億5952万株減少の18億2467万株で、これは10月29日に17億9904万株を記録して以来の低水準。売買代金は同4985億円減の2兆3373億円で、こちらは11月19日の2兆2842億円以来の低水準。驚くほどの薄商いではなかったにしろ、月曜日ムードでいっぱいだったことは分かります(^^;。今朝のSQ値を計算すると、前日比72.27円高の16028.64円。ザラ場の日経平均高値が16017.14円(9時03分)だったことから、「幻のSQ値」でした。日経平均VWAPは15903.54円で、日経平均の日中値幅は190.89円(前場190.89円、後場96.51円)でした。東証1部値上がりは696銘柄、値下がりが929銘柄。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(2580万株売り/2160万株買い)でした。市場筋によると金額ベースでは小幅買い越しだったとのこと。いずれにしろ、全体にフローが急減した感はありました(^^;。
● 本日の本題(^^;となる指数系の話題に変更。日興CG(8603)の件です。ちょっと長くなってしまって恐縮ですが、この辺のことに興味がない方は、あっさり読み飛ばして頂いてOKです。
● 先週後半から日興CGの指数絡みの件についていくつかご質問を頂くようになり、今朝、東証及び日興CGに直接電話して、しっかりと確かめました。色々なところを行ったり来たりになったのですが(^^;、最終的な答えとしては、現状では「上場廃止までに整理ポスト割当はない」ということで、TOPIXから外れるのは上場廃止日(効力発生日1月29日の4日前、つまり1月23日)となり、基準終値はその前日(最終売買日)終値、つまり1月22日(火)終値になる可能性が大きいということです。
● 周知の通り、日興CGの臨時株主総会が12月19日(水)に予定されており、ここで決議されないと色々なことが正式発表になりません。しかし、現場はそうも言ってられないので、現時点では私の仮定・想定が混ざっています。また、日興CGが現状で考えられる以上の特別な施策をしない、つまり新たに上場廃止基準に抵触するようなことをしない、という前提の話になっています。為念。
● 東証上場部によると、日興CGが11月2日に監理ポスト指定から解除された(リリースは こちら)時点で、日興CGの株式交換の対価となる株券が、「国内上場株」であるシティグループ(8710)と決まったことにより、最終的な株式交換以外には、上場廃止基準に該当しなくなったとの認識です。最終的な株式交換前に上場廃止の恐れがなくなったことで、整理ポストに割り当てる理由が無くなり、単なる国内上場株が国内上場株に交換される、というだけになったためです。
● シティグループはTOPIXには入っていないものの、東証1部銘柄です(旧外国部)。上場部としてはTOPIXに入っているかどうかについては、当然ながら「それは関係ありません」とのことで、シティグループはあくまでも国内上場株との認識。そのため、日興CG株はこのまま進むと、「整理ポストに入ることなく上場廃止になる」(東証上場部)となります。普通の銘柄が株式交換により、○△ホールディングスになるパターンと同類ってことです。
● つまり、指数的に見れば、整理ポスト割当などのイベントが発生しないことになます。指数を計算する立場としては、イベントが発生しなければ、TOPIX銘柄としてのステータスを変更する必要もなく、日興CGは臨時株主総会後もTOPIX銘柄として存在し続けることになります。そして、1月終わりになって、 「TOPIX算出要領」 の14ページ目にある上場廃止に該当することになり、指数修正日は「上場廃止日」で基準値はその前日終値。つまり、現時点の予定では最終売買日となるであろう1月22日の終値が基準値に該当する可能性が高いという格好になります。
● TOPIX的には、素直に考えれば基準日、つまり最終売買日1月22日の終値で売ることになります。一般的なファンドにとっては、TOPIX銘柄ではないシティグループ株を貰っても有難迷惑な話(^^;。しかし、最終売買日の大引けで大量に売ろうとするのも、リスクの高い取引です。午後2時半からずっと特別気配になって取引成立せず、なんて事態もあり得るからです。そのため、証券会社が「決め」る商いも多くなるでしょうが、東京市場におけるシティグループ株の流動性は現時点では微々たるもので(当該時期には膨らむだろうけど)、「決め」のプライスがかなり高くなるのも予想できます。証券会社側にしても、米国のシティ(C)株を使ってヘッジします???「そこまでやるの?」ってところで、現状では、不透明要因ばかりです。
● 株式交換比率が決まるのは、1月15日~17日(米国時間)。日本時間では18日(金)午前中には結果が伝わると思います。多くの投資家は、この交換比率決定を見てから行動になりそうですが、日興CGの最終売買日を1月22日と仮定するのならば、1月18日(金)、21日(月)、22日(火)の3日間で同株を処分することになります。かなり時間的にきつそうです。日興CGのHP内に FAQ が掲載されており、日程のまとめもここにあります。現時点では上場廃止日などは「1月下旬」とだけ表記されていますが、日興CGの「株式交換専用デスク」(0120-737-696)に電話して聞いたところ、臨時株主総会の決議が得られた時点で更新されるとのことでした。
● 一方、TOPIXだけでなく、今回は日経平均も銘柄入替の可能性が大です。「可能性」と書いているのも、日経平均プロフィルの 銘柄選定ルール には、「東証1部上場銘柄」とは書いてありますが、東証1部の日本企業とは書いてありません。旧外国部銘柄は東証1部扱いなので、これだけでは何とも言えないことになります。もっとも、流動性基準でシティグループは確実に落ちるでしょうけどね。つまり、日興CGから何らかの銘柄に入れ替わる可能性が考えられることになります。
● 問題はタイミング。素直に考えるとTOPIXと同じタイミングになる可能性が一番大きいのでしょうが、同じタイミングではないかもしれないのです。これらは日経が決めることですので、東証と基準が違う可能性はあります。現時点で日興CGが整理ポスト入りする可能性がほとんどないなかでは、日経が「勝手に」日興CGを日経平均から排除するには「相応の理由」が必要でしょう。臨時株主総会決議が「相応の理由」に該当するかどうかは日経の判断次第となります。10月2日の日経リリース 「日興コーデ株、日経平均に当面維持」 では、「今後のシティグループとの株式交換の状況を見て対応を決める」と書いてありますが、これだけでは何とも言えません(^^;。個人的には、日経平均銘柄入替えについても、1月中旬頃の発表で入替えはTOPIXと同じタイミングと考えていますが、そうでない可能性も少し頭に入れておきたいと考えています。いずれにしろ、忙しくなりそうです(^^;。
● 急いで書いたので脈略の乏しい文章になってしまいました(^^;。スミマセン。
2007年08月08日(水) .... 指数は堅調、バリューが酷い状態に…(-_-;)
TOPIX : 1669.04 (+8.88, +0.53%) | 日経平均 : 17029.28 (+107.51, +0.64%) | 円ドル : 119.00 |
● 指数は堅調にスタートして堅調に終了。でも、東証1部値上がり銘柄は672銘柄で、値下がりは964銘柄と、値下がり銘柄数の方が多い状態でしたけど。一般的な相場内容については相場解説記事などをご覧頂くとして、少し違った角度から書いて行きます。
● 今日は本当に酷い1日でした(-_-;)。普通にマーケットを見ていた方々からすると、指数は総じてプラスだったし、気付いたとしても物色動向の変化程度でしょうし、「ヒドイ」という雰囲気は全く感じなかったでしょう。しかし、少しでも「運用」に関係している方々からすると、今日は理解不能な動きが充満していた1日。バリューが全く効かないどころか、強烈に逆噴射。多分、1日の逆噴射度合いとしては、この1年ほどで最悪の1日だったと思います。-3σ なんてあっさりとブッちぎっており、なんと-5σ 近くと、確率的には"有り得ない"状態。これがどれだけ凄いことかは、ちょっとでも確率論をかじったことのある方だったら、実感として理解頂けると思います。加えて、グロースも駄目だったし、リバーサルは効いていたものの、バリュー崩落に追い付かない状態。
● これをセクターで見れば、鉄・非鉄、商社、海運などが一斉に売られる一方で、銀行、証券、消費者金融、保険、さらに駄目だった小売りや建設が一斉に急上昇。普通の相場解説では、「循環物色の流れ」が変化した程度にしか見えないでしょう。でも、ファクター分析でみると、全く違う世界というか、説明が見えてくるのです。多くのFM諸氏にとっては、かなりエグイ風景だったと察します。
● では、何が原因?ってことになるのですが、現時点では良く分かりません。ただ、結果から類推する限りにおいては、何らかのバリューにベットしたファンドの解約、しかもロングオンリーファンドではなく、ロング/ショートファンドの解約を想像してしまいます。あまりにも狙い撃ち的にバリュー銘柄が売られていたし、逆バリュー銘柄が買い上げられていたこと、日中を通して継続的な値動きだったことから、VWAP型のトレーディングが行われていた可能性が高いこと、さらに価格面を気にするよりも「やってしまう」を優先していたようなフシが感じられたこと、などです。
● もちろん、これが間違っている可能性は十分以上にあるのですが、逆バリューファンドの設定買いなんて有り得ないでしょうし、やっぱりバリュー系ファンドの解約と考えた方が筋道が通るような気がします。NY Timesの記事(http://dealbook.blogs.nytimes.com/2007/08/06/goldman-hedge-fund-said-to-extend-its-losses/)が発端になって、NY時間から、ゴールドマン・サックスの基幹ヘッジファンド「グローバル・アルファ」解約売りの噂が流れていたようです(GSAMはコメントを控えた)。日本円にして約1兆円超の残高ですから、日本株には1000億円程度あっても全く不思議ではありません。もちろん、これが本当かどうかは分からないし、関連した商いが今日出ていたのかどうかも分かりません。でも、可能性は否定できない状況でした。
● 問題は、いつまで続くかってこと。今日で終わりならば、明日は反対側に振れる動きが予想できます。でも、この動きがもっと大きなものであれば、数日にまたがる可能性はあります。さらに、スタートが今日だったとは限らず、今週月曜日の相場も「理解不能」だったのですが、その辺から始まったものかも知れないです。元々、8月15日頃からは神経質な展開を予想はしていました。9月末にヘッジファンドを解約するには、約1ヶ月~1ヵ月半の事前通知が必要だからです。それが8月半ばからってことです。たとえ運用成績の良いファンドであっても、サブ・プライムローン絡みで「あわせ切り」の対象になりかねない状況は想像できるので、ちょっとだけ頭に入れておきたいところです。しかし、何はともあれ、今日はヒドイ1日でした…(-_-;)。
● 記録。東証1部出来高は、前日比5億0668万株も増加して25億4314万株、売買代金も同5173億円増の3兆5733億円と活況でした。指数の動きからするとかなり出来高が多かった印象があり、その点からも、何らかの特別な商いがあったことを想像させます。銀行などが大幅高したおかげで、今日はCore30が一人勝ち(53bps勝ち)。Large70は21bps負け、Mid400は7bps負け、Smallは128bpsも負けていました(マイナス引け)。東証2部以下、新興市場はヘラクレスがチョビ高だった以外は軒並み安。
● 今朝のSQ値を計算すると、前日比36.03円高の16957.80円。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、13日連続の売り越し(4200万株売り/3450万株買い)でした。そうそう、寄付前には6月機械受注統計の発表があり、事前予想の-1.1%(Bloomberg)に対して、出てきた数字は-10.4%とかなり悪い数字。でも 相場には影響なかったです。
● 今日は更新が遅くなったうえ、長くなってスミマセン。最後に日経BPに 「本当に負けたのは誰なのか、ブルドックの株主が得たものとは」 なるコラム記事が出ていました。おっしゃる通り。負けたのは「株主」です。どれだけの方々がこれを認識しているかは分かりませんが…。
2007年07月09日(月) .... 日経平均7年2ヶ月ぶり高値、上下ガチガチでザラ場は小動き
TOPIX : 1792.23 (+12.56, +0.71%) | 日経平均 : 18261.98 (+121.04, +0.67%) | 円ドル : 123.65 |
● 買い優勢でスタートした相場は、堅調なままで大引け。寄付前に発表された機械受注はコンセンサスを上回ったものの、あまり話題にはなりませんでした。機械株にしても、堅調だったものの、ブッ飛んだ感じは無かったです。最近の相場では、なぜか18300円という猫の首に誰も鈴を付けに行かなない状態が継続。付けたとしても最後までキープできないので、チャートの上ヒゲが出てしまいます。今日も日経平均先物で、18280円あたりを真ん中にして、上値も下値も1000枚超の売り買い指値がびっしり(^^;。動く雰囲気はありませんでした。なお、今日の日経平均の日中値幅はわずかに68.56円。前場は48.27円、後場は61.53円で、かなりの小動きが継続しています。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● それでも、日経平均は6月21日に記録した終値ベースの年初来高値を更新し、2000年5月2日に18439.36円で引けて以来、7年2ヶ月ぶりの高値水準。TOPIXは今年2月26日の1816.97ポイントが年初来高値なので、まだ少し距離があります。テクニカル的には、日経平均だけだと、どうしても説得力が弱くなるので、TOPIXがこの水準を超えてナンボ、ってことになります。日経平均の18300円台とともに、今後数日の動きを注目しておきたいところです。
● 記録。東証1部出来高は前週末比1337万株増の16億9619万株、売買代金は同940億円減の2兆3788億円で、盛り上がりに欠ける状態が続いています。東証1部値上がりは1125銘柄、値下がりは462銘柄で、指数の動きと見比べると妥当な印象。今朝のSQ値を計算すると、前週末比96.63円高の18237.57円。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日連続の売り越し(3700万株売り/3260万株株買い)でした。なお、先物の手口からは、CS君の大量買いが目立ちました。
● さて、年初来高値更新といっても、「血沸き肉踊る」って相場では無かったので話題脱線(^^;。世の中には色々な相場格言があるし、なかには「格言」ではなくて、誰かの発言の引用もあります。見つけるとメモを取っているのですが、思わずウンウンと頷いたのをいくつか。
(1) | 「株価が変動する姿にのみ意識を集中させよ。変動の理由に気をとられるな」 |
(2) | 「株というものは高いときには最上に、安いときには最低にみえるものだ」 |
(3) | 「売りにくい相場は安い、売りやすい相場は高い(買いにくい相場は高い、買いやすい相場は安い)」 |
(4) | 「割高に売りなし、割安に買いなし」 |
(5) | 「売買の時期は、売買の銘柄より大切」 |
● 他にも色々とあるのですが、今日はこんなところで。基本的に私が気に入ったのを集めているので、内容はそれなりにバイアスしていると思います(^^;。
● (1) は、1920年代にNYを駆け抜けたジェシー・リバモアという相場師の言葉です。世紀の相場師とか、空売り王などと呼ばれた人ですが、これらの言葉はそれなりに真意を突いていると思います。もっとも、この人は4回も破産して最後はピストル自殺したそうですから、その意味では勝者とは言えないかもしれません(^^;。(2)~(5) は読み手分からずですが、個人的にはしっくりきます。(4) はバリューとかリターン・リバーサルの概念の逆のような格言ですが、個人的には「極端な」を加えて理解しています。ファクター別の10分位分析などをしていて、「第1分位」とか「第10分位」が悪さするのは良くあること。足元では、任天堂を見ていると「ショートはない」ってのは分かる気がします(^^;。
● (5) は、ファンダメンタル分析を信奉する方からすると、「こいつ、何をとんでもないこと書いてるねん?」と思われるでしょう。でも、ずっとマーケットと関わってきて感じるのが、タイミングの難しさと大切さ。タイミングが合っていれば、銘柄が多少ズレていても儲かるのですが、銘柄はドンピシャでも、タイミングを間違えると儲かりません。よく長期投資だからそういったノイズは関係ない、という主旨の説明がされると思うのですが、本当にそうでしょうか?究極的な答えは私にも分からないのですが、タイミングの大切さは常に意識しているつもりです。
● 最後に、「なぜ負けているか分からないトレーダーは、何が間違っているか分からない限り、救いようがない」(ウィリアム・エックハート)。おっしゃる通りだと思います(^^;。
● ちょっと広告(^^;。ジェシー・リバモアの本は、Amazon.co.jpで 「世紀の相場師ジェシー・リバモア」 です。ただ、ユーズドなのに55,000円とか、とんでもない値段が付いています(^^;。定価は2300円程度だったと思うのですが、こんなに値上がりするのだったら、自分で仕込んでおくのだった…(^^;。どこかの図書館にでもあれば良いのですが(私は昔に図書館で借りて読んだ)。発行元が角川出版なので、皆でメールでも出しましょうか? 一方、こちらは私は読んだことはないのですが、もう少しリーズナブルなお値段で出ています 「欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア」
。ただ、Amazonの評価は結構ケチョンケチョンです。原本の題は「Reminiscences of a Stock Operator」で、これでサーチすれば原書はいくつも出てきます(ハードカバーもペーパーバックも)。Amazon.co.jpでは、Reminiscences of a Stock Operator
からどうぞ。あと、J_Coffeeさんのサイトにも、ジェシー・リバモアについての相場師列伝コラムがあります。URLは http://members.at.infoseek.co.jp/J_Coffee/retsuden7.html です。
● ついでに、私が時々引用している「酒田五法」は、日本証券新聞社から出ている超ロングセラー本で、「酒田五法は風林火山―相場ケイ線道の極意」 が本家本元です。何度か改訂されたみたいですが、私がこの本を買ったのは、多分、18年ほど前の話かな???手元にあるのはかなりボロボロになっているので、そろそろ新しいのを買おうとは思いながら、そのボロボロ度合いを捨てられなくて、今に至っている次第です(^^;。以上、広告でした!
2007年06月08日(金) .... ほぼ全面安、米国株大幅続落・金利上昇懸念などで。売買代金5兆円超!
TOPIX : 1756.16 (-23.56, -1.32%) | 日経平均 : 17779.09 (-274.29, -1.52%) | 円ドル : 121.15 |
● 今日はビッグSQ。外部環境としては、米国株式市場が大幅続落となり、シカゴ日経平均先物も大証比350円ほど下。そういったなか、例によってSQ実況中継で行きましょう(^^;。東証注文受付が始まってしばらく経った午前8時25分頃には、Excel上の日経平均速算値は既に前日比2240円安(^^;。8時40分前には同2600円安ほどになり、実はこれが8時55分頃まで継続。「最後に買いバスケットが入る」と信じていながらも、「もしかしたら?」の気持ちも否定できない状況(^^;。8時58分には同2400円安、8時59分で2300円安、8時59分30秒でも2300円安。時計が9時丁度になるかならないかでも2280円安ほど。そして、最後の最後にお約束の買いバスケットが入り、一気に戻ってチャンチャン。
● SQ値は前日比140.79円安の17912.59円。シカゴ日経平均先物の水準などを考えると、200円近く「上」だった印象でした。SQ値確定は9時15分。クレディセゾンが最後まで売り気配でした。9時15分時点での東証1部出来高が11億8232万株、売買代金が2兆0712億円。ちなみに売買単価は1751.78円で、これは前日比で619.46円高。SQ日に特徴的な跳ね方です。市場筋推計では、日経平均型で一銘柄あたり差引14~15万株程度の買い越し、加重型でも買い越しだったとのこと。毎分の東証1部売買代金推移も書いておくと、やはりビッグSQでは数字がかなり歪み、9時00分~9時05分の5分間で35.8%の売買代金が集中。やっぱり「えいやぁ!」が必要でした(^^;。前後場では、前場が66.37%、後場が33.63%の分布で、普段と比較するとかなり過激に歪みが出ていました。
● その後は、SQが比較的高かったことから、それを修正する格好でジリジリと下げ幅を拡大。前場中盤にザラ場安値を付けたあとは、指数は低空飛行だけど横ばい。個別には、世界的な金利上昇気運を受けて、さらにREITの下落もあって、不動産が軟調。電力・ガス、建設なども軟調だった一方で保険が上昇し、銀行もそれなりに堅調。東証33業種ではこの二つだけがプラスだったし、教科書通りの値動きでした。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。あまり見応えのある日中足ではありませんけど…(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比6億5920万株増の34億4631万株、売買代金は同1兆9767億円増の5兆1326億円と大活況。もちろんビッグSQという特殊要因があったのですが、それでも売買代金の5兆1326億円は過去最高とのこと。ロイターにはこれまでの最高が2007年2月28日の5兆0394億円と出ていたのですが、手元の数字では当日は4兆8282億円。どうしてなんだろう?まぁ、いずれにしろ「5兆円超」なんて見たことが無いので、凄い記録って事は間違いありません(^^;。
● また1日終わっての売買単価は前日比356.98円高の1489.29円。前日比ではかなり高いのですが、上記した9時15分の1751.78円からは、それなりに下落しています。SQ日の特徴的な動きですネ。一方、東証1部値上がりは289銘柄、値下がりは1372銘柄で、かなり「全面安」に近い水準。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な売り越し(5710万株売り/3990万株買い)。
● 今日の先物手口についても少し。SQって事もあったのですが、かなり大きなモノが出ていました。とりわけ、かのCS君。日経平均先物で6302枚売り(買いは非開示)、TOPIX先物で4994枚売り(買いは非開示)とダントツ。次いでリーマン君が日経平均先物で差引3437枚売り越し、TOPIX先物で差引2001枚売り越しでした。
● そうそう、寄付き前には4月機械受注の発表もありました。事前コンセンサスが+4.5%(Bloomberg/ロイター)だったのに対して、結果は+2.2%とやや失望。もっとも、今日の相場では、それほど大きな影響はありませんでした。TOPIXの-1.32%に対して機械株指数は-2.31%。対TOPIXでアンダーパフォームしているのは事実なので、機械株が売られたと書きたいところですが(^^;、指数下落率ランキングで機械株は33業種中の第7位。それほど大騒ぎするほどの影響はなかったと考えています。
● 何はともあれ、今週もお疲れ様でした。あまり天気は良くない週末みたいですが、良い週末を!
2007年05月15日(火) .... 反落、機械・鉄鋼・資源株軟調で元気ない展開
TOPIX : 1712.55 (-18.44, -1.07%) | 日経平均 : 17512.98 (-164.96, -0.93%) | 円ドル : 120.35 |
● 米国株式が今一つの展開でCME日経平均先物も大証比20円安。加えて寄付前に発表された3月機械受注はコンセンサス(Bloombergが+1.5%、ロイターが+1.3%)をかなり下回る-4.5%(前月比)。機械受注がボラティリティの高い経済指標で単品評価が出来ないモノだと言えども、好材料ではないことは確かで、この時点でどよぉ~んとした空気が確約されてしまった格好。加えて、今日が会社数ベースで決算発表ピークだったし、決算絡みの地雷が相次いでいる状況下では、敢えて何かを急いでするような空気にならなかったのは当然かもしれません。
● ここ数日の相場で気になるのは、決算発表というイベントで売られると、それこそ「そこまで売るか?」ってほど売り込まれるケースが増えていること。実際に控え目の業績予想で「期待感」を裏切る状態になっているので、売られ過ぎと感じても、なかなか「火中の栗」を拾いに行かない(行けない)状況が、拍車を掛けている印象です。年金資金などの機関投資家は、急激に売り込まれたところを静かに買うのが特徴だったのですが、最近では「説明責任」という四文字熟語を背負って金縛り状態に陥るケースが増えています(本当の"説明責任"は違う意味のハズだけど…)。
● その一方で、イベント・ドリブン系のヘッジファンドやデイトレーダーなどの連中が、この傾向をチャンスとみなしてハマっているのでしょうね。状況が落ち着けば変わってくるかもしれないのですが、曲がりなりにマーケットの牽引役だった重工系銘柄、鉄鋼株、資源株が、この辺の売りを浴びせられる格好でほぼ全面安になってしまうと、相場全体としても元気がなくなってしまいます。
● 結局、終わってみれば、東証1部値下がり銘柄数は1448銘柄にも達し(値上がりは224銘柄)、指数以上に下げを感じる展開だった「よう」です(^^;。この「よう」というのは、実は、今日は後場後半からMSCI Barra のセミナーに出席していたので、後場後半の相場を見ていませんでした(^^;。なので、今日の記録に飛びます(^^;。東証1部出来高は前日比2億1350万株も減って21億6020万株、売買代金は出来高ほどの減少ではなかったものの、同1837億円減の2兆9548億円。今朝のSQ値を計算すると、前日比103.44円安の17574.50円。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(3710万株売り/2870万株買い)でした。
● 話題変更。そのMSCI Barra のセミナーは、「MSCI スタンダード・小型株インデックスのエンハンスメント最終構築法及び移行スケジュール」なるもの。新算出基準の話だったのですが、やっぱりというか、目新しい材料はありませんでした(この辺の情報管理はさすがです)。ただ、Methodology(指数算出要綱)は英文でしかも81ページもあります(^^;。当然、面白くも何とも無い資料ですし、かなり面倒だったのでセミナーに参加したというワケ。興味がある方は、 MSCI Barra のHP内、こちら に資料が掲載されています。「No pain, no gain!」の精神で読み解いてください(^^;。せっかくセミナーに参加したし、いくつか頭に入れておくポイントがあったので、短く書いておきましょう。いずれも新規の話ではなく公表済です。
● インデックス構築方法についての詳細は「面白くも何とも無い英文資料」を読んでいただくとして(^^;、今回の大きな変更点は既知の通り、産業別だった85%カバレッジが全産業での85%カバレッジに変わる点と、流動性基準の採用。いずれもグローバルな基準としてMSCI 関連指数全体に適用されるものです。この点については、今日のセミナーでも繰り返し説明していました。日本株部分でこの影響について書くと(再掲ですね)、これまで巨大銘柄の存在でセクター内であっという間に85%が埋まってしまい採用に至らなかった中型株が、新算出基準ではかなりの数、新たに入ってきます。これは自動車セクターでかなり顕著な影響が出ます。一方で、セクターの時価総額が分散しているおかげで、かなり小さな銘柄まで採用されていたセクターで、削除銘柄が結構な数が出てきます。これは小売りや資本財のセクターで顕著です。これらの銘柄もMSCI から公表されています(まだ暫定指数ベースだけど)ので、各自でご確認を。
● また、銘柄選択/入れ替えのプロセスにおいて、バッファーゾーンの考え方が採用されることにより、かなり回転が抑えられる点も強調していました。バッファーゾーンとは、平たく言えば、一時的な株価下落や上昇により、ボーダーライン上に位置する銘柄が、時価総額基準などから削除になったり新規採用になったりを繰り返すのを防ぐ意図で、ある程度の「幅」を設定する、という考え方です。最近の指数では、この考え方が主流になっており、MSCI の一部指数でもこの考え方が採用されていましたが、それがもっとはっきりと全面的に採用されることになります。
● このバッファーゾーンの採用、さらに「企業数の変更は1回のリバランスで通常5%以下」となるので、全体として銘柄入れ替えに伴う売買回転率は落ちることになりそうです。MSCI の資料によると、バッファーゾーンが無い場合のMSCI Japan の回転率(年次、一方向)は3.8%と試算されるところが、バッファーゾーンの採用で、これが1.5%まで落ちる見込みとのことでした。浮動株基準採用のときの移行では約10%程度の回転率があったことを考えると、相当に低くなる印象です。
● もう一つの変更は、リバランスの位置付け。これまでは(現状は)、5月の年次リバランスが「見直し」として大きくて、それ以外の四半期リバランスは「調整」だったのが、新方式では5月と11月が「見直し」で、2月と8月はこれまでの四半期「調整」という位置付けになります。また、個人的に気になっていたのは Early Inclusion について。IPO銘柄は3ヶ月経過しないと採用候補にならないものの、巨大銘柄については Early Inclusion が発生し得ます。この基準は、浮動株調整前の時価総額でサイズで最小銘柄の1.8倍、さらに浮動株調整後の時価総額でその半分が必要で、ちょっとハードルが高そうです(^^;。
● MSCI に関しては、もうすぐ Provisional 指数の公表も開始される(6月5日から)のですが、今年11月末、来年5月末というMSCI の2段階スケジュール通りに移行する向きと、一気に前倒しでやっちゃう向きと、どの程度の比率になるのかは興味深々です。まぁ、その前に5月末のリバランスもありますけど、現時点では新算出基準はあくまでも「暫定」なので、まだ冒険してくる向きは少ないとは考えています。でも、どのタイミングかは興味津々(^^;。それぞれの移行プロセスで、確定情報はリバランス実施の4週間以上前には公表するそうですから、11月初めをひとまず注目ということになりそうです。
● もう一つ、指数ヲタク向け業務連絡。山下医科器械(3022)の東証1部昇格が発表されています(新基準2銘柄目)。東証HPの「一部指定・市場変更・指定替え会社一覧」にてご確認を。東証1部昇格は5月22日ですが、TOPIX算入は6月末修正です。
2007年04月11日(水) .... ほぼフラット、方向感に欠ける展開続く
TOPIX : 1739.01 (+3.32, +0.19%) | 日経平均 : 17670.07 (+5.38, +0.03%) | 円ドル : 119.20 |
● 今日も方向感に欠ける1日でした。「SQ週の魔の水曜日」だったこともあって、全体には模様眺め気分の強い展開が継続。寄付きこそプラスだったものの、午前10時前には一時マイナス転落。昼休みの立会外バスケット取引が売り越しと伝わり、後場からはジリ貧度合いが強まる局面もあったのですが、結局のところ、売り切るエネルギーもなく、指数はTOPIXも日経平均もチョビ高。ただし、東証1部値上がりが639銘柄で値下がりが934銘柄だったことでも分かるように、大型株がしっかり目で中小型株は軟調。TOPIX Smallはマイナスだったし、JASDAQ指数もマイナスでした。
● ファクターで見ると、ちょうど昨日の裏返しのような格好。バリューもリバーサルも「今一つ」感が強く、大やられはしないものの、なかなか儲からない相場が続きます。日本企業の決算発表が本格化するのは4月最後の週。この辺まで、気迷い気分の強い展開になるのかも知れません。今日の日経平均の日中値幅はわずかに105.20円。前後場に分けると、前場が79.64円、後場が78.28円と、より一層、小動きだったことが分かります。はぁ~(溜息)。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別に目立ったのは鉄道株の上昇。直接的には、GSがJR東日本を「新規Buy」にした(JR西日本とJR東海は「新規中立」)ことが火付け役となり、周辺銘柄も含めて人気付いてしまった様子。実は一昨日、かのウォーレン・バフェット氏が率いているバークシャー・ハザウェイ(BRK/A)が米国鉄道第2位のバーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNI)を大量に追加購入したことがSECへの届出で明らかになり、他にも北米の鉄道会社2社を購入したと伝えられたことで、鉄道株は米国でも軒並み高でした。BNIのチャートを見る限りでは、よくバフェット氏が買うような人気低迷局面というよりも、2004年あたりからの上昇後のもみあい局面で、決して安いとは言い難い値段。バフェット氏のやることだから、「何か新しい価値を見出したのかな?」とも連想したくなるところ。もっとも、それがストレートに日本の鉄道会社に波及するかどうかは分かりません(^^;。
● そうそう、寄付き前に発表された2月機械受注は前月比‐5.2%。事前の予想がBloombergで-0.4%、ロイターで‐0.2%だったので、「がぁ~~ん」って感じ(^^;。もっとも、この経済指標は荒いのがウリみたいなもの。機械株の一角が若干弱めだったものの、マーケット全体としては、影響らしい影響は感じませんでした。極端に言えば、株式市場における機械受注の存在価値は、「ザラ場の午後2時に発表される」という点にあったので、それが午前8時50分発表になったことで、イベントとしての役目は終了。注目する向きも減って行くことでしょう(機械セクターのアナリストは別にして…(^^;)。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億7516万株減の18億1474万株、売買代金は逆に同140億円増の2兆5186億円。引き続き盛り上がりに欠ける展開でした。今朝のSQ値を計算すると、前日比44.13円高の17708.82円。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日ぶりに小幅買い越し(4270万株売り/4300万株買い)でした。
● さぁ、昨日の勝ちに乗じて今日も連勝だ!今日は福原が先発みたいです…。でも、もう投げていません(-_-;)。ホンマ、頼むでぇ…。
2007年03月09日(金) .... SQは堅調に通過、後場はやや"お疲れ"の金曜日ムード(^^;
TOPIX : 1730.31 (+9.35, +0.54%) | 日経平均 : 17164.04 (+73.73, +0.43%) | 円ドル : 117.40 |
● 今日はビッグSQ。例によって実況中継風に行くと、午前8時30分の段階でExcel上の日経平均速算気配は前日比2230円高ほどで、19300円台に乗せていました(^^;。もちろん、これは誰も信じないのですが、ここ最近は、大幅マイナスで推移して最後に買いバスケットが入ってチャンチャンって感じだったのが、今回は逆の展開。8時50分で前日比2300円高、8時55分で同2210円高、8時59分でも1950円高と来て、最後の最後にお約束の売りバスケット(かなり大型)が出たものの、買い優勢の状態は変わらず。結局、前日比200.34円高の17290.65円でした。今日の日経平均ザラ場高値は前日比155.90円高の17246.21円だったので、「幻のSQ値」。来週、比較的スッとここを抜ければ問題ないのですが、残れば妙なジンクスになる可能性があるので、ちょっとだけ意識。
● 市場筋によると、最後に出た売りバスケットは、日経平均一銘柄あたり69万4000株ずつと29万8000株ずつ。凄いサイズです(^^;。なお、日経平均型がソコソコ買い越しだった一方、TOPIX型はチャラから気持ち売り越しだった模様。ただし、日経平均採用銘柄の買いに押し上げられて、SQそのものはTOPIXも高くなっています。今回は、某欧州系証券がロールオーバーを「手控え」たように見えたのですが、本当にそうだったとしても、結果的に、逆側の買いがそれなりに入る、ってことでしょうか。SQ値が前日比で200円ブレたのは、それなりの変動だったとしても、落ち着くべきところに落ち着いたって格好でした。なお、市場筋推計では、SQ関連の出来高は約8億株程度、売買代金にして1兆5000億円程度とのこと。9時15分時点での東証1部出来高は11億8693万株、売買代金は2兆0119億円でした。
● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● SQが買い越しだったことに加え、米国株堅調、8日ぶりの「非公式」外資系証券寄付前売買動向買い越しの影響を受けて堅調な寄付き。ところが、午前10時半頃に先物がスルスルと下落。あっという間に裁定解消売りを引っ掛けて、指数もスコンと伸び悩み。その後は、崩れそうで崩れず、上がりそうで上がらず、指数は横ばいのままもみあい。今日は、「米雇用統計を見極めたい」との絶好の"言い訳"もあって、金曜日ムードを満喫する後場になってしまいました。まぁ、お疲れの1週間でしたしネ…(^^;。
● 昔だったら、SQと機械受注が重なることが多く、午後2時にその発表があったので、SQが通過後でもそれなりの緊張感があったのです。ところが、発表時間が8時50分になってからは、機械受注そのものが、あまり市場筋の話題にもならなくなってしまったような気がします。少なくとも株式市場から見る限りにおいては、静かにマイナーな経済指標になって行くのでしょう。今日も相場解説的には、「機械受注がコンセンサスを上回ったことで機械株が堅調に推移」と"きれいに"まとめておきたいところでしょうが、実際のところは、TOPIXが+0.54%だったのに、東証機械株指数は+0.04%とアンダーパフォームでした(^^;。その他金融はぶっ飛んでいましたが、これはどんなにひねくり回しても、機械受注と一切関係ないですしね(^^;。
● 話題変更で日興CGの件。昨晩も色々と掲示板などを眺めていたのですが、とにかく、あちこちで騒がしいこと(^^;。さらに、今朝のニュースで東証からの発表が来週に遅れると伝えられると、ますます思惑先行がし易くなった感じを受けてしまいました。その間隙を縫う形で、5%ルール開示で登場しているファンド筋からも、「売ってあげない」宣言が相次ぎ出てくるなど、TOB価格についての思惑が過熱気味。ファンド筋がこう発表するのも、多分に駆け引きが入っているのは簡単に想像できます。でも、その駆け引きが周辺の思惑を呼ぶのも事実で、東証から正式発表があり、さらにシティからTOBの細目が正式に発表されるまでは、思惑で右往左往する状態が続きそうな空気。つられてというよりも、ヘッジ買いと想像しているのですが、野村HDの株価も動くようになってきたし、傍観者にとっては面白くても、厄介に感じている方々も多いと想像しています。まぁ、ここでは、これ以上は書きませんけど…(^^;。
● 一方、指数ヲタク系の観点からは、今日の日経金融新聞に出ていた「大証、日興上場継続を模索」というのも、問題を複雑化させます。TOPIXは東証1部上場銘柄が対象なので、大証が何をしようとも直接的には関係ありません。東証が上場廃止と言えば、TOPIXから外れます。また、日経平均は銘柄選定基準において、「東証第1部上場銘柄のうち市場を代表する225銘柄を対象」と明記しているので、東証1部銘柄でなくなったら、たとえ大証に上場していても駄目。TOPIXと同様に東証が上場廃止にすれば、日経平均採用銘柄のステータスは無くなります。
● ところが、Russell/Nomura 日本株インデックスだと、「東証一部の上場企業のみに構成銘柄を限定せず、JASDAQ やヘラクレスを含む全市場の上場銘柄を対象」とルールブックに明記されているので、東証上場廃止になったとしても、大証で(大証以外でも良いんだけど)「上場が維持」されれば採用銘柄として残る可能性があります。また、MSCIにも問い合わせたのですが、こちらは「case by case」とのこと(^^;で、詳細はその都度らしいです。いずれにしろ、来週に出てくるであろう東証の発表について、心の準備だけはしておきましょう。
● 記録。東証1部出来高は前日比6億1680万株増の31億9080万株、売買代金は同1兆5364億円増の4兆7581億円。出来高に関しては、昨日、前日比で4億6431万株も減少していたので、それを考慮すると、今日のビッグSQでも、それほど爆発的に出来たというほどではなかったのが分かります。また、売買代金の面からは、2月28日の急落局面で4兆8282億円という超大商いがあったので、そこに少し足りない状況。ビッグSQで商いが膨らんだのはその通りですが、一方で、あの2月28日がいかに凄かったかも分かります(^^;。
● また、SQ日の特徴として売買単価も急上昇。終値ベースで前日比239.57円高の1491.19円でした。寄付き直後の9時15分時点ではもっと高く、1695.02円もありました。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、8日ぶりに買い越し(3840万株売り/3970万株買い)でしたが、やはりフローは少なめの印象。
● さて週末。今週も相場に振られて、何かとお疲れの方が多かったかもしれません(私も含めて…(^^;)。この際ですから、前向きに桜を心待ちにする週末にしたいものです(^o^)。開花予想は色々なサイトがあるので、さくっとググッてみてください。東京の開花予想は3月20日頃みたいなので、まだもう少し先ですけど…。今日も長文スミマセン。良い週末を!
2007年01月15日(月) .... 堅調継続、後場は高値圏で小動き
TOPIX : 1704.58 (+19.31, +1.15%) | 日経平均 : 17209.92 (+152.91, +0.90%) | 円ドル : 120.25 |
● 前週末の米国株高やCME日経平均先物高(大証比85円高)、さらに前週からの地合いを引き継いで堅調な展開。また、今朝は「14時」から「8時50分」に移動した機械受注発表。まぁ、影響があったのかなかったのかは分かりませんが(^^;、予想を上回った数字が出てきたので、理屈的には今日の相場に適合していた印象。
● また、前場前半はかなり先物が引っ張った印象もありました。ただ、先物の買いは最初の30分ぐらいで一巡してしまったのか、その後は高値圏での揉みあい商状。日経平均の日中値幅は129.14円と、ここ最近のトレンドと比較するとかなり小さかったのですが、前場は129.14円、後場はわずかに52.96円と縮小。朝方は海外勢の買いの勢いで突っ走ったものの、やはり不透明感からか、フォロースルーが小さかった印象が残りました。今朝のSQは前日比123.61円高の17180.62円。この点からも、SQ値からドンドン上値を買い上がるような動きは今一つだったことが分かります。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別には、ややリバーサルって感じでバリューは水面下の1日。メガバンクが相場を引っ張り、消費者金融も堅調。ソニーがかなり調子良く上昇。一方で、鉄鋼株は多少リフレッシュ休暇中の雰囲気(^^;。機械が強かったのは機械受注のおかげ、と言うことにしておきましょう(^^; 。その一方で、低位株物色の中心はJAL、三洋電機、みずほ信託、三菱自動車など。それなりにワケあり銘柄なので、いったん火がつくと賑わいます(^^;。興味深かったのは、これだけ原油がボロボロになっても、INPEXや石油資源開発などがかなり高かったこと。ちょっと流れが変わってきた可能性があるので、それなりに注意して見ておきたいところ。
● もう一つ気付いたのは、TOPIXサブインデックスレベルだと、Core30が9bps負け、Large70が10bps負け、Mid400が10bps勝ち、Smallが28bps勝ちと、サイズは小さい方向に振れていました。ところが、東証2部やJASDAQ指数はプラスだったとは言え、東証1部には全く追いつけない状態で、マザーズやヘラクレスは前日比マイナス。東証1部値上がりは1433銘柄に達し、値下がりは208銘柄で、これだけ見るとほぼ全面高だったのですが、これはややミスリーディング。ちょっと不思議な1日でした。
● 話題変更。ちょうど1年前の1月16日大引け後、「東京地検特捜部、ライブドア本社を家宅捜索 - NHK」のニュースがヘッドラインに流れて、あの大事件がスタートしました。昨年の1月16日は月曜日で、オーバーナイトのNY市場は祝日。実は、今日と同じシチュエーションだったのです。ライブドアショック前日のTOPIX終値は1670.15ポイント、日経平均は16268.03円でした。今よりは多少低い水準でしたが、似たような水準といえばその通り(^^;。そして、1月17日(火)がライブドアショック当日で、TOPIXは 1631.61 (-38.54, -2.31%)。日経平均は 15805.95 (-462.08, -2.84%)でした。
● 実は、自分で書いたコメントを読み返して、その時の日経平均日中足を見ているのですが、この日の前場は前日比プラスで終わったのです。ところが、マネックス証券の代用有価証券の掛目ゼロで後場ドカ~ン。このライブドア事件で、中小型イケイケドンドン相場は終焉となり、一気に内容が変化。そして翌日は東証の売買システムが停止。日経平均は一時ザラ場で746円安まであったのです(終値では464.77円安)。思い出しました?この週は非常に大きな変化の週だったのです。今年はどうかな??
● HP版であれば、このマーケットコメントの左側フレームから当該日周辺をご覧頂ければ幸いです。ブログ版だったら、左上のカレンダーなどからアクセスすると便利かと思いますし、直リンクだと こちら からどうぞ。別窓が開きます。さらに、せっかくですので、2006年1月17日の日経平均日中足を下に付けておきます。こういうときに便利ですネ(^^;。出典はいつも通りYahoo! JAPAN Financeです。
● 記録。今日の東証1部出来高は前週末比1億8087万株減の19億0008万株、売買代金は同4238億円減の2兆4628億円でした。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅買い越し(2980万株売り/3660万株買い)。米国市場がMarting L. King Dayで休場ってこともあって、全体にフローは少なめでした。NT倍率の低下についても書こうかと考えていたのですが、スペースがなくなってしまいました。そのうち書きます(^^;。
● 話題変更。今日は「歌会始の儀」。株式市場では「お題」にテーマを求める習慣があるのですが、来年のお題は「火」に決定。「火」と言われると、「火の車」だとか、あまり良い連想が浮かんでこないのが情けないところ(^^;ですが、四季報CD-ROMで社名に「火」が入っている銘柄を検索すると、損保会社などが該当するほか、九州耐火煉瓦(5362)、細谷火工(4274)が該当します。旧社名まで含めると、損保会社以外では、日本化薬(4272、日本火薬製造)、ヨータイ(5357、大阪窯業耐火煉瓦)、トーヨーカネツ(6369、東洋火熱工業)が該当。どちらにしろ、あまりエキサイティングではないです(^^;。なお、今年のお題は「月」でし た。
● もう一度話題変更。今朝の日経金融新聞スクランブル欄は『景色一変でも「株名人」健在 ライブドアショックから1年、教訓生かす個人』と興味深い内容。日経金融新聞のHPはあるのですが、記事はヘッドライン以外は掲載されないみたいなので、ざっくり内容を書いておくと、ライブドア事件後の相場急変で個人投資家の売買が落ち込んでいる状況下でも、ちゃんと成果を残している個人投資家が居るとの内容。具体名として取り上げられていたのは、伊藤道臣氏(全日本株式投資選手権)、夕凪氏(ダントツ投資研究所)、B・N・F氏(WikipediaよりB・N・F (ジェイコム男))、そして盛学志氏(HPはなし?!)。文章中に仮名で登場した方々は他にもいらっしゃったのですが、主にこの4名が名前付きで登場していました。
● 私は証券会社に勤務しているので、いわゆるプロと呼ばれる立場にあります。それを含んだ上で、常々、個人投資家のなかでも一部は非常に研究熱心で、実際に自分でリスクを取って相場に参加し、その正しさを証明している方々を尊敬しています。また、尊敬できなければ駄目だとも考えています。アイディアをパクるような恥ずかしいこと(^^;はしませんが、着眼点に感心することは決して少なくないのです。同様の方々は、今回の日経金融新聞に掲載された方々はもちろん、他にもたくさんいらっしゃると思います。株式市場を単なる賭博場として考えるのではなく、真剣に向かい合って研究して実践している方々は、ある意味でプロです。サラリーマンとして相場に向かい合っているのとは真剣度が違うことが多いのですから…。ただ、伝聞だけに頼るような情けない個人投資家が多いのも事実で、何とかする手助けが出来るのであれば、プロとして違った意味で貢献できるとも考えています。ちょっと綺麗過ぎるように聞こえるかもしれませんけど、かなり真剣にそう考えています(^^;。
● 最後にもう一発。前週末に例の日米主要企業決算発表予定ワークシートをアップデートしておきました。例によって意図的に数日遅れのデータですが、今回は先週末金曜日時点のデータなので、まだまだ賞味期限内です。不二家とちゃいまっせ!そろそろデータも入り始めている("Confirmed"が増えてきた)ので、心の準備を。本格的に始まるのは来週からです。左側のフレームからダウンロードページにお進み下さい。こちら からでも行けます(別窓が開きます)。
● 雑談。金曜日の夕刊フジの記事「ユーザーショック…2ちゃんねる、再来週にも強制執行」(http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007011201.html)を発端にして、ネットのあちこちで大騒ぎになっている様子。2ちゃんねるは良くも悪くもネット文化の象徴のような存在。個人的には単なる傍観者ながら、事態の推移には注目しています(^^;。
2006年12月08日(金) .... 軟調、ビッグSQ日の陽線伝説破れる…
TOPIX : 1616.34 (-6.43, -0.40%) | 日経平均 : 16417.82 (-55.54, -0.34%) | 円ドル : 115.30 |
● 今日はビッグSQ。CME日経平均先物(12月限)は16435円と、昨日日経平均終値よりも安い展開。米国株は続落で、CME日経平均先物(3月限)は大証比15円安、GDP改定値は予想よりもちょっと悪い状況でSQ突入。例によって実況中継風に行くと、午前8時40分過ぎからExcel上の日経平均速算値は1700円高ほど。8時55分で1500円高、8時58分で1260円高、8時59分00秒で1170円高、8時59分30秒で1010円高、8時59分45秒で940円高、8時59分58秒で670円高。そして、そこからスコ~~ンと下がって、結局、SQ値は前日比181.80円安の16291.56円。今日の日経平均ザラ場安値は、前日比85.56円安の16387.80円だったので、完璧に「幻のSQ値」状態でした。
● 今朝のSQを前日比だけで見ると、181.80円安とかなり下がった感じを受けるのですが、昨日、一昨日とやや不自然に上昇した分を勘案したら、その分を失っただけとも考えられるところ。BloombergでGRABした日経平均の5日分日中足を付けておきます(出典:Bloomberg Professional)。SQ水準をご覧頂ければ、「数日前の水準に戻った」とってことがご理解頂けるかと(^^;。また、「幻のSQ値」状態もご覧頂けると思います。
● 昨日終値が16500円に近かっただけにオプションでは悲喜こもごもがあったと想像しますが、全体的に見れば、波乱というほどの波風は立たなかった印象。市場筋推計によると、TOPIX型も日経平均型も売り越しで、日経平均一銘柄あたりでは約30万株の売り越し。SQ関連概算出来高は7億3000万株程度、売買代金で1兆3000億円程度とのこと。9時15分時点での東証1部出来高は9億7903万株、売買代金は1兆6513億円でした。
● SQ後の相場は、機械受注まで基本的には見送り。SQ日に陽線になる可能性が強いことがあまりにも周知されてしまったことで、今日は逆になるんではないかなと考えていたら、後場に入って「やっぱり」って感じ(^^;。その一方で、直近の機械受注では下げることが多かったので逆もあるかな、と「あ~でもない、こ~でもない」状態。そして、機械受注発表前からジリジリと戻しに入って14時を迎えました。
● 事前予想の+6.2%(Bloombergもロイターも)に対して、発表数値は+2.8%。当然のように直前までジリ高だった先物は一気に売られ、あっという間に断続的な裁定解消売りが追い掛けて指数はスコ~ン。ただ、事前に先走りっぽく上がっていた分を差し引けば、元の水準に戻っただけでした。そして、かなりきれいにバンジーして元の水準に戻って終了。機械受注は再びマーケット・ムービングなイベントとしてパワーを発揮したものの、方向性までは変えなかった状態でした。機械受注の内容分析はエコノミスト諸氏にお任せするとして、スクリーンに流れる数字を見て、「事前予想より上だったら買い、下だったら売り」と単純明快に売り買いするというのも、それなりに醍醐味があります(^^;。もちろん、その通りにして5分後に儲かっているとは限らないものの、少なくともその瞬間は動きます。上記とやや重複するのですが、日経平均先物(3月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。14時のところで、出来高が急増しているとともに、バンジー状態になっているのが分かります。
● ところが、その後に流れたニュースにずっこけ。「機械受注発表時刻を8時50分に変更、内閣府、市場への影響考慮」ですって。これだけ注目される経済指標に"育った"のに、それをあっさりと放棄。SQ日と重なるならば、8時50分だと株式関係者は忙し過ぎて誰も見ないって、ホンマ。今朝のGDP改定値もほとんど見てなかったんですから(^^;。というわけで、機械受注騒ぎは今回が最後になりました。ここまで続いた機械受注のイベントとしての神通力も無くなるでしょうし、ボラティリティーが高くて信頼性が「???」な経済指標に落ちぶれる可能性が大です(^^;。
● 記録。本日の東証1部出来高は前日比8億2833万株増の23億9414万株、売買代金は同1兆1934億円増の3兆4559億円でした。一番最初に書いた9時15分時点での出来高・売買代金と比較すると、9時15分時点で出来高の40.89%、売買代金の47.78%が出来ていたことになります。この集中度は、直近のビッグSQと比較しても大きいほうでした。また、SQ時の特徴として売買単価の上昇があるのですが、9時15分時点では前日比241.70円高の1686.66円にまで上昇したものの、最終的には同1.48円安の1443.49円と落ち着いた展開。ザラ場で鉄鋼株などが賑わったことで下がった印象。なお、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き買い越し(2560万株売り/3710万株買い)でした。
● ようやく1週間が終わりました(^^;。何となく疲れた1週間だったので、週末はゆっくり休みたいところ。そろそろ年賀状もやらなくちゃ…。良い週末を!
2006年11月10日(金) .... 続落、SQは平穏、でも機械受注でドタバタ
TOPIX : 1581.37 (-7.69, -0.48%) | 日経平均 : 16112.43 (-86.14, -0.53%) | 円ドル : 117.60 |
● 今日はミニSQ。例によって実況中継風に行くと、午前8時40分にExcel上の日経平均速算値は前日比1550円安。まぁ、これは誰も信じない(^^;として、8時50分で1350円安、8時58分で1200円安、8時59分00秒で1180円安、8時59分58秒で800円安。そして、最後にいつも通り買いバスケットが入り、気配値はスルスルと変化して、結局、SQ値は前日比102.01円安の16096.56円。シカゴ日経平均先物が大証比110円安だったのを考慮すると、「波乱なし」でした。なお、9時15分時点での東証1部出来高は3億3155万株、売買代金は5650億円。この時点での売買単価はSQ日の典型的な特徴通り、前日比264円強も上昇して1704.20円でした。
● SQを通過すると、今日のイベント第2弾の午後2時の機械受注まで、前場はやることが無くなったって感じ(^^;。最初のドタバタが一巡してからは、日経平均でわずか50円程度の値幅でのもみあい。実際、商いも今一つ盛り上がりに欠ける状態でした。先物では、時折200~300枚といった売り買いがあったのですが、特に大きな反応はなし。ただ、昨日のザラ場安値を割り込まなかったことで(TOPIXは現物・先物ともに瞬間割り込んだ)、その辺に何となく「下値は堅い」感があったのかもしれません。
● 後場に入ってからも基本的には静かだったのですが、日経平均先物で、13時15分に300~400枚単位の買いが3連発で一気にスコーンと上昇。13時23分、13時25分、13時39分と続いて300~400枚単位の買いが入り、これでスコスコスコ~ンと上昇して、指数もあっさりとプラス転換。「買い仕掛け」だとか書く向きもあるでしょうが、個人的には「祭りの前座」ということにしておきます(^^;。
● そしてイベント第2弾の機械受注。昨日も書いたように、機械受注はプロのエコノミストの予想ですら大きくブレるので、発表数値がブレるのはある意味で当然。で、出てきた数字は、なんと-7.4%(!)。これで、先物がどかぁぁぁ~~んと売られ(当然)、現物もあっという間にマイナス転落。発表前に上昇していただけに、余計に反動が厳しく見える状況になってしまい逆バンジー状態。もっとも、前場のレンジに戻っただけと言えばそうなんですが、上がってしまった分だけ、下げが大きく感じられたのは事実。
● 後場寄付後・機械受注前のザラ場安値を割れないのかなぁ、と注目していたのですが、現物は日経平均もTOPIXもOKでした。ところが、現物が終了した15時以降に先物がかなり売られてしまい、特に日経平均先物は安値引け。TOPIX先物も安値を更新したものの、大引けが買い越しだったので安値引けは免れたものの、対現物でかなりの逆ザヤで引ける羽目になりました。もちろん、月曜日には何らかの格好で修正されるでしょうけど、先物が上昇して修正されるのならともかく、相場が下がることによって逆ザヤが修正されるとなると、ちょっと厳しそうです。
● 今日は日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。前場の小動きに対して、後場午後2時前の不思議な上昇と、機械受注発表直後のスコ~ン、そして現物が引けた後のズッコケがご覧頂けるかと…。
● 雑談っぽくなるのですが、よく機械受注発表前に相場が動くと、「数字が漏れたのでは・・・」という憶測話が流れるし、ネットの掲示板などでは、断言するような恥ずかしい滅茶苦茶な書き込みも見掛けるのですが、今日の結果を見ると、皮肉と言うか、「漏れていないこと」を証明した状態(^^;。昨日も書いたようにエコノミスト予想のコンセンサスは+1.8~1.9%(MoM)程度で、これは周知されていたはず。最悪予想値ですら-4.5%だったので、もし事前に-7.4%を知った向きがそれなりの数になっていたとすると、間違いなく大量に売っていたはず。でも、現実は逆に買われていたのです。面白いですね(^^;、この辺の心理合戦は…。
● それにしても、機械受注というイベントは、英語でいう「マーケット・ムービング・イベント」としてのステータスが高いまま(^^;。機械受注の経済指標としての重要度なんて、実際のところ、そんなに大したモノではないハズ。にも関わらず、これだけ注目を集めるし、実際にマーケットを動かすのですから、その神通力は凄いものです。もっとも、ある意味では「流行」なので、どこかで機械受注でマーケットが動かないとなると、一挙に神通力は失われる可能性はあります。でも、それまでは楽しめそうです。忘れてはならないのは、イベントにはチャンスがあると同時に、リスクもあるのです。誤解なきように!
● なお、機械受注の詳細内容や経済的なインパクトについての詳しい話は、エコノミスト諸氏にお任せします。個人的には、明日の新聞で読めば良いと思っているので、内容はほとんど見ていません…(^^;。
● 記録。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(3090万株売り/3670万株買い)。今日1日の東証1部出来高は前日比2億5083万株増の19億0590万株、売買代金は同4116億円増の2兆7939億円でした。売買単価は1日通しでは意外に上がらず、前日比26.49円高の1465.93円でした。上記した9時15分時点の数値と比較していただければ、「意外に」を理解していただけると思います。
● 今日1日の東証1部売買代金推移を見ると、前場が47.6%で後場が52.4%。つまり、SQ以外の普段の日とほとんど差が見られませんでした。ただ、朝寄付後5分間の売買代金は15.4%と普段の数倍規模だったので、SQ以外の前場がかなり「腐っていた」ことが分かります(^^;。
● 最後に指数ヲタク系の話。予定通り、Russell/Nomura日本株インデックスの定期銘柄入替えが発表されています。野村證券金融経済研究所のHPにて、「Russell/Nomura 日本株インデックスの定期入替えのお知らせ」(http://qr.nomura.co.jp/jp/frcnri/docs/200611reb_j.pdf)として掲載されています。まだ中身を見ていないのですが、資料に掲載されている回転率については、「やっぱり」って感じです(^^:。
● 来週はかなり忙しくなりそうなんで、ゆっくり休む週末にしたいです。皆様も良い週末を!
2006年10月10日(火) .... 寄付安→上値試し→機械受注→急速に伸び悩み→なんとかプラス
TOPIX : 1634.83 (+0.62, +0.04%) | 日経平均 : 16477.25 (+41.19, +0.25%) | 円ドル : 119.00 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(3160万株売り/2960万株買い)。市場筋観測によると金額は買い越しだったとのこと。一応、これは北朝鮮の件を含んでいるはずで、昨晩の欧米市場の動向を見るまでもなく、あまり影響は感じられない状態でした。ただ、シカゴ日経平均先物安などを受けて、寄付きは軟調スタート。ただ、今朝のSQを計算すると、前週末比111.21円安の16324.85円で、これはほとんど本日安値と同じ水準。つまり、寄付きである程度の売りは出たものの、それを上回る売り圧力はなかった、ということでしょう。その後は、先物の上昇に引っ張られる格好で一気に高値模索。午後2時の機械受注を待ち構える格好に。
● そして午後2時、機械受注イベント。事前予想がBloombergで+11.2%、ロイターで+11.4%だったところに、出てきた数字は+6.7%。コンセンサスよりもかなり下だったので、まず先物に売り圧力。これが断続的な裁定解消売りを誘発し、アレヨアレヨでマイナス転落。前日比変わらず近辺で踏み止まったものの、上値の重たさは否定できない格好でした。結果的に、機械受注の「イベント」としての効能が証明された状態で(^^;。機械受注の中身ですか?詳細分析はエコノミスト諸氏にお任せします。相場的には、そこまで中身は詳細に見ていないかなって感じだったので・・・(^^;。
● 今日は日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 振り返ってみると、指数は寄付きの売りが一巡してから機械受注まではプラスだったとは言いながら、前場の値下がり銘柄数は1049(値上がり530銘柄)もあって、「相場上昇」というには少し躊躇する感触。この傾向は後場に入ってからも変わらず、最後は指数がずっこけたせいもあって、東証1部値下がりは1236銘柄(値上がりは374銘柄)もありました。金曜日の相場と同じで、これほどの値下がり銘柄数になると、枕詞の「全面安」が付いてもおかしくない状態。でも、指数はプラスなんですよね。2日連続で歪な状況になったわけで、どこか近い将来に修正が入るのでしょう。
● また、往々にして、値下がり銘柄数が多くて指数が上昇しているとき(その逆も同じですが)は、大型株が強くて中小型がやられているケースが多くなります。今日もその通りで、Core30は46bps勝ち、Large70は23bps勝ちだった一方(この2つはプラス引け)、Mid400は46bps負け、Smallは99bps負け(この2つはマイナス)と対照的でした。マザーズは4.03%も下落するなど、かなり中小型株は厳しい展開でした。
● 一方、ファクター的には、バリューはまぁまぁだったものの、リバーサルが今日も軟調。要は限定的ながら非常にモメンタムの強い銘柄がいくつかあって、それがほとんどリバーサルしない、ってこと。上向きだとJT、信越化学、アステラスなど。逆方向では、代表格がソニー。三井金属、ヤフー、セガサミーなどもしんどい銘柄です。サイズはかなり大きい方向にぶれているので、足元「だけ」を見れば、バリューの中でも大型株系、そしてリバーサルの値を逆方向に持って行く感じでポートを組めば、少なくとも足元では「儲かるファンド」になりそうです。ただ、流れは突如として変化するので、実際に運用する立場としては、そこまで派手な動きは出来ないんですけどネ(^^;。
● ちなみに、今日、東証1部で上場来高値更新は14銘柄、年初来高値を更新は28銘柄でした。眺めてみると、綺麗な銘柄ばかり(^^;。ざっと行きましょうか。JT、信越化学、SUMCO、アステラス製薬、エーザイ、第一三共、ホンダ、スズキ、ブラザー工業、島津、キヤノン、オリンパス、東京エレクトロン、トヨタ通商、アシックス、三井不動産、住友不動産、NTT、KDDIなどなど。上場来と年初来が混ざっているのですが、Core30やLarge70が多いなど、雰囲気は感じ取っていただけるかと。年初来安値・上場来安値は多過ぎたので書き切れませんから省略・・・(-_-;)。
● 最後に北朝鮮について。今更何かを書くことも寒気がするので短く。どこにでも話し合いの通じないキチガイがいるってことです。個人レベルでも国家レベルでもあり得るのです。それが近くに存在していて、遠方に移動させることが不可能なのは、日本にとって大いなる不幸。ただ、昨晩の海外市場や今日の東京市場の値動きを見る限りでは、まだ全般に消化難のイメージ。事態が深刻化しないと読んでいるのではなく、直接的・間接的な影響について、マーケットは測りかねているとの印象でした。まぁ、予想するのも無理だし、その場その場で対応って感じにならざるを得ません。
2006年09月11日(月) .... 大幅安、機械受注が想定外の悪化で下げ加速
TOPIX : 1596.50 (-23.42, -1.45%) | 日経平均 : 15794.38 (-286.08, -1.78%) | 円ドル : 117.05 |
● あの9月11日からもう5年も経過したのですね。私事で恐縮ですが、当時、私はNYオフィス勤務だったものの、あの日はたまたま休暇で日本に戻っていました。ちょうど実家のテレビで中継を見ていたのですが、NYオフィスに電話したのを覚えています。さらに余波で予定通りに米国に戻ることが出来なくて、結局、「帰国」したのは1週間後。覚悟していたとは言え、JFKからマンハッタンに向かうタクシーの中からWTCが見えなかった事実(まだ煙というかモヤが掛かっていた)に、誇張抜き愕然としたことを鮮明に覚えています。街の空気もはっきりと変わっていましたし・・・。でも、あれから5年なんですね。
● 相場。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4営業日ぶりの買い越し(2040万株売り/2680万株買い)。ただ、フローはかなり少ない印象があり、NY同時多発テロ5周年の影響があったのかもしれません。寄付き前は堅調な値動きを予想する声が多かったのですが、寄付き前に発表されたGDPが今一つ感。ただ、それ以上に売り込む感じではなくて、ジリ貧ながら動きに乏しいまま前場を終了。
● 相場が動いたのは、午後2時の機械受注。元々マイナスの数字がコンセンサス(Bloombergで-5.4%、ロイターで-5.3%)だったものの、実際に出てきた前月比-16.7%は完璧に想定外。これで先物がスコーンと売られ、債券先物がビュンとぶっ飛び、アレヨアレヨと言う間に日経平均200円安を突破。先物でそれほど巨大な売りがあったというのではなかったものの、機械受注のイベントとしての大きさを再認識する格好になってしまいました(^^;。
● 日経平均先物(12月限)の日中足を貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。午後2時のところでスコンと下落し、出来高も盛り上がったことが分かります。その後、何度かわ~っと出来て階段状に下落した様子もわかります。
● 経済指標に全ての責任を押し付けるのはどうかと思うものの、今日に関しては、かなりタイミングがはまって材料化してしまった、という印象。このところ、エコノミストからは、景気先行きに関して何かと弱気系のコメントが多かっただけに、この手のイベントは意外に響く地合いだったのかもしれません。
● それやこれやで、日経平均は一時前日比300円を超える下落。最終的にも、安値圏での引けとなってしまいました。TOPIXは多少はマシだったものの、それでもかなりの下落。中小型株は朝方は堅調だったものの、相場全体の下落に巻き込まれる格好で結局はソコソコの下落となってしまいました。東証1部の出来高は16億3008万株、売買代金は2兆0056億円。SQだった金曜日よりは大幅に少なかったのですが、売買代金2兆円はまぁまぁ。つまり、ある程度は商いを伴って下げた、ということです。
● 少し話題変更。テクニカル的にみて、先週からの「アイランドリバーサル」(アイランドクラスター)を打ち消すような動きも期待していたのですが、今日の下落で、逆により補強するようなイメージになってきました。この件については、先週金曜日(9月8日)のコメントにも書きましたのでご参照を。
● こういったテクニカルな見方は、後からチャートを見れば鮮明になることが多いのですが、今回は既にその兆候がかなり出てきています。打ち消すには、少なくとも、窓をきちんと埋めていただくしかありません(^^;。具体的に日経平均で書くと、先週水曜日安値(16245.16)から木曜日高値(16141.94)まで窓が空いているのですが、最低でも、ここを埋めるまではちょっと・・・ってことになってしまいます。
● ただ、これも相場に付き物の心理合戦の要素も多分に含んでいることは、意識しておく必要ありです。既に多くの方がこのチャートの形を意識しているでしょうし、それが現状では下げ相場の連想になることも分かっているはず。「チャーティストの話なんて聞けるかぁ!」という向きもあるだろうし、「投げて来たらこっそり拾っておこう」と考える向きもあるはず。その一方で、「名前が付くほど有名な形なんだから・・・」と考える方もいらっしゃるでしょう。この辺の心理合戦というか、駆け引きがまた興味深いところです(^^;。元々、歴史的に9~11月はパッとしない印象が強い時期。なので、個人的には、次に入る場所を考えるって感じに受け止めています。いずれにしろ、タイミングが非常に難しいのですけどね。
● 同和鉱業のワラントの話も書かなきゃと思いつつ、そういえば10月FFW見直しは・・・と考えていたところ、某証券からFFW見直しについてのレポートが出た様子。やられたぁ!(^^; (^^; 今後、あちこちから「10月FFW見直し」レポートが出てくると思います。指数ヲタクにとっては、一応、それなりに大きなイベントになる可能性があるのでご注意を。でも、その前にバリューを何とかしないと・・・(^^;。
2006年08月09日(水) .... ほぼ高値引け、"機械受注"をきっかけに一気上昇
TOPIX : 1578.43 (+15.70, +1.00%) | 日経平均 : 15656.59 (+191.93, +1.24%) | 円ドル : 115.25 |
● 今日も"予想外の展開"との印象が残る1日でした(^^;。米国株式がどうもパッとしない一方で、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び買い越し(3550万株売り/4210万株買い)。ただ、結果的には、シカゴ日経平均先物の軟調さに引っ張られる格好で、前場はマイナスでウジウジ状態。前引けに掛けてジリ貧で下げを拡大し、後場寄付き後すぐにスコンと一段安。ただ、その後はジリジリと戻る展開で午後2時の機械受注タイム。
● 機械受注の事前予想はゼロ近辺(Bloombergで+0.3%、ロイターで-0.4%)だったところ、出てきたのが何と+8.5%(前月比)!これで先物が当然のように反応して、すぐに裁定買いの嵐(^^;。実は、後場寄付き後にスコンと下がってからは、右肩上がりだったので、それを加速した印象で、機械受注が相場の方向性を変えたというのではなかったのですけど、まぁ、見事に「はまった」って感じでした(^^;。
● 相場解説記事的には、「機械受注好調による好景気を期待して・・・」って感じで、ファンダメンタルズ面の話で書きたくなるところでしょうけど、そこまで真面目に考えるよりも、全体に材料不足感があったなかで、機械受注という「イベント」に相場がうまく反応できた、ってことと理解しています(^^;。そうそう、FOMCですか?あれだけ事前に話題だったにしては、今日はほとんど話題にすらなりませんでした。そんなもんです・・・(^^;。機械受注って数字は、経済指標として理解するにはあまりにもボラティリティーが高い経済指標だと考えていますが、「イベント」としての注目点は、まだまだAクラスです(^^;。
● 今日も日経平均先物9月限の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。先物の方が出来高が載るので雰囲気が分かり易いと思います。下でも書きますが、午後2時を境にして、値段もそうですが、かなり商いが膨らんだ様子を見て頂けると幸いです。
● 日経平均は後場寄付直後に前日比224.36円安まであって、高値は大引直前の同194.75円高。日中のレンジは何と419.11円にもなりました。TOPIXはモロ高値引け。ただ、上昇率という点で見ると、日経平均採用の値嵩株が軒並みぶっ飛びだったこともあって、日経平均の方が大きい上昇を記録。これだけでも、裁定買いが相当に大きな相場押し上げ要因だった、と想像できるのです。ファーリテ、ソフトバンク、TDK、CSK、京セラの5銘柄だけで、日経平均を56円強押し上げていましたから・・・。
● 毎分の東証1部売買代金推移を見ると、やはり機械受注をきっかけに商いがかなり膨らんだ様子も見て取れます。今日は前場が39.50%、後場が60.50%と、かなり後場に偏った分布だったのですが、その後場の多くの部分は午後2時の機械受注以降。上記の先物の日中足でも、その雰囲気を感じて頂けると思います。
● 東証1部出来高は前日比3億5499万株増の17億5039万株、売買代金は同4003億円増の2兆2339億円。ドツボ状態からは、若干の反発も見えてきたイメージです。チャート的にも、今日は意外感がある大きな陽線が立ちました。そして、日経平均は200日移動平均戦(15679.62円)に急接近。TOPIXはまだ少し距離があるんですけど(200日線は1607.00pt)、ここから先は、持続力があるかどうかが大きな焦点となります。今週は金曜日にオプションSQを控えているものの、「持続力」を保持しつつ今週を終わることが出来れば、相場の空気も変わるかもしれません。少しだけ期待しておきます(^^;。
● 雑談。昨夕の夕焼け、ご覧になりました?妙にオレンジ色というか、何か非常に不思議な鮮やかな色でした。台風の影響でもあったのかな?録画で見ていて、関本選手のホームランのときに空が映ったのですが、とても印象的な夕焼け色でした。4連勝やし・・・(^o^)。
2006年07月10日(月) .... 前場ナヨナヨ、後場爆騰!何でかは分からんけど・・・(^^;
TOPIX : 1594.07 (+20.92, +1.33%) | 日経平均 : 15552.81 (+245.20, +1.60%) | 円ドル : 113.65 |
● 今日は後場の動きが大きなサプライズ。何があったのかは定かでは無いものの、後場に入ってから、メガバンクやソフトバンクが戻り歩調になると、先物がスルスルと上昇して、いつも通りの裁定買いを誘発。それが余計に買いを入れるきっかけになった様子で、スパイラル的な上昇でした。まずは日経平均の日中足をご覧下さい(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。今日はさすがに日中足も見応えがあります(^^;。
● 今朝のSQを計算すると、前日比188.13円安の15119.48円。実は、前場はこの水準から大きく乖離することなく、かなり眠気を誘う展開(World Cup疲れ?!?)だったのです。前場の日経平均の値動きはわずかに79.64円だったのです。ところが、後場の値幅はなんと418.89円。1日通しの値幅は475.69円あったのですが、ほとんどが後場だったことが分かります。結局、TOPIXは文句なしの高値引け、日経平均もほぼ高値引け。これだけ後場に動けば、商いも後場に偏ります。毎分の東証1部売買代金の分布を見ると、前場が36.3%、後場が63.7%と、圧倒的に後場に商いが集中していました。
● 確かに後場の上昇局面では、先物が走るシーンがありました。特に15300円に乗せてくるところはそんな感じ。先物主導はその通りだったかもしれませんが、誰かが先物を買わなくては、こうはなりません(^^;。そこが本当の背景なんでしょうけど、現時点では正直言って良く分かりません(^^;。日経平均先物(9月限)の日中足も貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。こちらの方が出来高が掲載されているので、より雰囲気が伝わるかもしれません。
● 今日は午後2時に機械受注があって、一部のメディアではこれを材料視していましたが、上記の日中足を見るまでもなく、上昇はそのはるか前にスタートしていたし、実際に日中足を見る限りでは、どこに機械受注があったのかも、はっきりとは分からなかったぐらいですから、これは後付け理由としてもちょっとって感じ。一方、市場筋の間では、例によって「オイルマネーの買い」との観測が流れていましたが、これはウラが取れる類の話ではありません。と言う訳で、無責任に「謎の上昇」ってことにしておきましょう(^^;。実際のところは、「そろそろ反発かな?」と考えていた人が多かったところに、うまく火が点いて燃え上がった、ってことと理解しています(^^;。
● 個別では今日もソフトバンクが何かと注目。取引そのものについては、色々なメディアが追い掛けてくれるでしょうから、こちらはちょっと雑談的話題で行きます(^^;。週末にネットを見ていて、ソフトバンク関連の掲示板の盛り上がりの凄いこと凄いこと・・・(^^;。ヤフーには、「銘柄別掲示板投稿ランキング」(http://messages.yahoo.co.jp/ranking/stocks/postranking_daily.html)なるものがあるのですが、第1位がソフトバンク、第2位がメリルリンチの順番。外国株に過ぎないメリルリンチの銘柄掲示板がここまで盛り上がっているのを見て、ちょっと笑ってしまいました(^^;。
● もうちょい真面目に書けば、ソフトバンクはそれだけ個人投資家が注目する銘柄という証拠で、メリルリンチの掲示板は、多くが非難の声やら誹謗中傷っぽいものまで。外資系証券陰謀説まであって思わず苦笑い(^^;。外資系証券にそれだけの力があるんだったら、日本の株式市場は、もっともっとウィンブルドン化していますって。ホンマに・・・(^^;。ただ、あれだけ恨みの言葉が掲示板に書かれること自体、ソフトバンク株が下がっては困る方々がまだまだ多いってこと。もちろん、頭では理解していたものの、実際にあの掲示板の状態を見ると、余計にそう感じた次第です。
● 話題のメリル・レポートを実際に読めば、「特に目新しいというネタはない」(某FM氏)ってことが分かるのですが、「新規Sell」と「妥当株価1800円」が一人歩きしてしまった格好。BloombergのANRを見ると、例えばリーマンのアナリストは、6月1日付けでソフトバンクの目標株価を1125円としているようだし、何もメリルだけではないのです。でも、メリルのレポートがこれだけ話題になったのは、タイミングが良かったというか(^^;。
● もっとも、大きな話題になったのは個人投資家の間のことで、機関投資家の間では、レポートが出た金曜日の朝(寄付前)には、それほど話題にはならなかったのです。でも、金曜日後場から実際に株価が下がりだしてから、機関投資家の間でも話題になったのが実情。もともと、機関投資家にとっては、あまり真剣に向かい合う銘柄ではないですから(^^;。BloombergのANRで見ると、目標株価も日興シティの3800円(6月26日更新)からリーマンの1125円(6月1日更新)まで千差万別。ハイ、そういう銘柄なんです(^^;。
● 最後に記録。東証1部出来高は前日比2億9705万株増の17億0491万株、売買代金は同5251億円増の2兆4783億円でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4日連続の売り越し(4820万株売り/3090万株買い)。株数ベースではかなりの売り越しだったものの、市場筋観測では金額では「小幅買い越し」とのことでした。
● 雑談。台風3号に続いて4号も誕生した模様。同じコースですね、今のところ。台風3号はモロに朝鮮半島に行きそうなので、この先数日は、ミサイルを撃つどころではないでしょう(^^;。進路図その他は、国際気象海洋(http://www.imocwx.com/typ/typ_0p.htm)からどうぞ。
● そうそう、最後になってしまいましがが、7月下旬に掛けて四半期決算発表が本格化します。しばらくサボっていた(^^;のですが、例の日米主要企業決算発表予定一覧ワークシートを週末にアップデートしておきました。左側のフレーム、「日米主要企業決算発表予定」からダウンロードページにお進み下さい。普通のExcelファイルです。なお、いつも通り、意図的に数日遅れのデータをアップしていますが、今回は先週金曜日時点のデータなので、まだ十分に賞味期限内です(^^;。お楽しみを!
2006年06月09日(金) .... SQ安→プラス転換→奈落の底→買戻し→機械受注→堅調引け
TOPIX : 1498.68 (+16.46, +1.11%) | 日経平均 : 14750.84 (+117.81, +0.81%) | 円ドル : 114.05 |
● さすがに反発の1日。しかし、日中はかなり神経質な値動きでした。今日の日経平均の日中値幅は436.17円とかなり大きく、下は243.72円安(-1.67%)から、上は192.45円高(+1.32%)まで。如何に動きが荒かったかが分かります。日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● ビッグSQ。昨日の崩落マーケットを受けて、世間一般には不安感があったようですが、SQそのものが爆騰したり暴落したりってことは、10年前ならともかく、ここ最近はほとんどありません。結論から書くと、SQは前日比で178.14円安、14454.89円。マイナスだったし、14500円というオプションをやっている方々にとっては気になる水準を下回ったし、最近のSQとしては「動いた方」だったのですが、「暴」を付ける必要はない程度でした。
● 例によって実況中継。午前8時45分頃のExcel上の日経平均速算は前日比1300円高ほど(^^;。これは毎度の事なので、特にサプライズってことはありません。午前8時55分で1260円高、8時57分で1430円高、8時58分で1320円高、8時59分で1180円高、8時59分45秒で970円高。そして、画面上の時計が実際には9時を過ぎてからデータが入ってきて、予想通りにスコーンと速算値が下落。普段だったら前日比でせいぜいプラス/マイナス100円程度の値動きになるはずが、今日は売りがかなり多かった模様でスルスルと下落し続け、最終的には前日比で178.14円安。午前9時20分に日経平均採用銘柄が全て寄付き、SQ値はExcel上では確定。
● 市場筋推計によると、日経平均型が209万株売り/146万株買い程度。最後の最後に、多分、いつも通りの某欧州系証券と推察されますが、そこが1000バスケット(日経平均採用銘柄あたり100万株ずつ)の売りを出したことが響いた格好。TOPIX型は少し売り越しに見えたのですが、大引け後の東証発表では、前日比0.52ポイント高の1482.74ポイントとほぼチャラ。SQ関連出来高は、推計で6億株強、売買代金で1兆円程度との推計。なお、9時15分時点での東証1部出来高は9億3553万株、売買代金は1兆3994億円でした。
● ただ今日に関しては、SQよりもSQ後のマーケット心理の揺れ動きが印象に残った1日でした。SQ安だったもののすぐに切り返し。でも、せっかくの上昇局面も、前場中頃からは上値の重たさを意識する展開。前引けにかけてジリ貧となり、日経平均は前場マイナス引け。そして、昼休み立会外バスケット取引が売り越しとの観測が広がると、後場に入って一段安。今日のSQ値、14454.89円が「幻のSQ値」となれば、「音」が聞こえるかもしれないとの期待感はあったのですが、後場寄付き直後にSQ値を下回ってしまい、それはアウト。かなり失望感が漂う下値模索局面となってしまいました。
● この時点では悲壮感があったものの、そこからは買戻し先行。そして、SQ日の午後2時といえば機械受注。事前予想(Bloombergで+3.5%、Reutersで+3.3%)に対して、出てきた数字はなんと+10.8%。「なんじゃそりゃあ?」って感じ(^^;。メディアは「機械受注の予想外の伸びを受けて・・・」なんて書くかもしれませんが、実は、発表の10分ほど前から先物はかなり上昇していたのです。まぁ、先回り買いした向きを裏切らなかった数値が出たのは確かで、それが最後まで堅調さを保った要因だったのでしょう。この数字で、その後売られていたら、本当に相場の地合いが悲惨ってことになったのでしょうが、その後、売られることなく大引けまで堅調に推移。これが本物かどうか、来週前半の値動きに注目です。
● なお、毎回の事ですが、機械受注はあくまでもSQ日午後の「イベント」(^^;として、マーケットで受け止められているし、目先筋としてはそこに価値を見出しているのです。詳細な数値分析などはエコノミスト諸氏にお任せですが、発表の瞬間には内容を吟味しているヒマはないし、内容を吟味している向きも、ほとんど存在しないと思います(^^;。(1) 出てきた数字が事前予想に対して上か下か、(2) その瞬間の相場の動きがどちら向きか、が重要なんです。こんなこと、エコノミスト諸氏が読めばお怒りになるかもしれませんが、マーケットの近くで見ている人間としては、それが本音です(^^;。終わってしまえば、内容は明日の新聞で読めば良いか、って感じになるんですよね。なので、内容についてはメディア報道をご覧頂ければ幸いです(とサボる)。実際、なんでこんな突拍子もない数字が出たかは、全然知りません(^^;。
● ところで、今日のマーケットで目立ったのはTOPIX先物のベーシス。大引けだけはかなりのプレミアムで終わっていますが、ザラ場では、9月限で-3.0ポイントやそれ以上(以下?)にまでディスカウントが進行する局面が多々ありました。心理的には弱気材料なんですが、見ていると裁定解消売りはほとんど出ませんでした。「なんで裁定解消売りが出ぇへんねん?」ってことになるんですが、単純に書いてしまえば、要は在庫がなくなってしまったから(^^;。つまり、裁定業者の多くがかなりの在庫(裁定取引用の在庫のことで、ポジション用の在庫ではありません。為念)をSQで解消してしまい、結果として、カラに近い状態になってしまったと・・・(^^;。
● 昨日のTOPIX先物限月間スプレッド市場は、最後は瞬間風速で-1.5ポイントまで軟化し、あまりにもフェアからディスカウントになってしまったことで、ロールする意味が失せてしまったのです。当然の選択肢として、今朝のSQ決済を選んだところが多かった様子ですが、SQが終わってみたらこのディスカウント。「ちょっと無理してロールしておけば良かった」と感じた裁定業者もあったでしょうネ(^^;。ただ、この在庫不足状態は、それほど長続きはしないと考えています。業者間ではTOPIXバスケットのレンディングも可能だし、そこそこ取引があるようなので、比較的短時間に再び"入庫"すると考えています(つまり、裁定"解消"売りが可能になる)。短期間の鬼の居ぬ間にかもしれませんので、為念。
● 最後に記録を書いておきます。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、これで12日連続での大幅売り越し(7460万株売り/4100万株買い)。今日の東証1部出来高は、ビッグSQのおかげもあって、前日比5億1610万株増の31億6855万株、売買代金は同7709億円増の4兆2010億円でした。売買単価は前日比で32.67円高の1325.85円と、SQ日にしては上がらなかった印象でしょうか。
● さて、ワールドカップに世間が染まる時期がきましたが、私達のオフィスのあるビルの前には、でかいスクリーンが運び込まれています。パブリック・ビューイングをやるっぽいのですが、阪神タイガースの試合ではないことは確かなようです(^^;。その阪神タイガースは、今日から甲子園で対西武3連戦。HPによると前売り券完売だそうで、ワールドカップでもあまり影響はないようです(^^;。さすが!
● 今日は長文でスミマセン。皆様も良い週末を!
2006年05月15日(月) .... 5日続落、でも指数は今日の高値圏まで戻して大引け
TOPIX : 1681.81 (-6.37, -0.38%) | 日経平均 : 16486.91 (-114.87, -0.69%) | 円ドル : 109.75 |
● 週明けも暗い雰囲気のスタート。前週末のNY株式は大幅続落で、NYダウよりもNASDAQがチャート的にもかなりヤバイ雰囲気。シカゴ日経平均先物も対大証比で275円も安く、しかも今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅売り越し(4250万株売り/2780万株買い)、「こりゃあ、あかん・・・」状態での寄付き。ただ、実際に寄り付いてから30分ほどで売りが一巡してからは、しばらく右肩上がりの展開でした。
● ところが、10時にドル円がスコーン。アレヨアレヨと言う間に109円台前半に突っ込んでしまい、これを見た株式市場も萎縮モード。前場は結局、行って来いでした。後場寄付き直後にスルスルと戻す局面もあったのですが、午前2時の機械受注が前月比-5.2%と「えぇぇ?!?」って感じの期待はずれな数字。これで再びスコーンと下げ拡大。ところが、これはバンジージャンプでした(^^;。5分ほどで売りが一巡すると、今度はスコーンと戻し。「何をやっとるねん(^^;」って感じでしたが、相場の自律的な動きというよりも、日計り族のノイズ的な動きだった、ってことと理解しています。
● ちなみに今朝のSQを計算すると、前日比274.37円安の16327.41円。寄付き直後のザラ場瞬間風速でこれより安いところはあったものの(9時07分)、結果的に、初っ端に下回った以外はここを割り込みませんでした。これは寄付きである程度の売りが出て、それを上回るだけのフォロースルーの売りは、少なくとも今日に関しては無かった、ってことになります。TOPIXは厳密には高値引けではなかったものの、今日の高値圏で引け。日経平均は最後にピョコンと上昇して高値引け。マイナスだったものの、引け味は悲惨というほど悪くはありませんでした。印象としては、先週後半の方が下げの方が厳しかった感触です。
● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 問題は、これで目先的な底打ち感が感じられるかどうか。個人的には、「うぅ~ん、まだ、ちょっとなぁ~」って感じ(^^;。全く否定するわけではないのですが、どうも想像(期待かも)しているほどのイメージではないのです。確かに、この1週間ほどの指数の下げはかなり大きいのですが、GW中に妙な上がり方をしたのを差し引けば、まだせいぜい500円程度の下落。それでも大きいと言われればその通りかもしれませんが、皆がブン投げた、というイメージが大きくは得られないのです。ただ、この何年かに限らないことですが、昔のようなセリング・クライマックスを想定していると、結局、それがやってこないというのも良くあるパターン。壮絶な売り叩き相場は、そんなに見られるモノではないんでしょうし、だからある意味で価値があります。今回、それを見たかと聞かれれば、やっぱり答えはNoにせざるを得ない印象なんです。
● 一方で、これで指数としては5連敗になったので、そろそろ自律反発の時期。また、今日のソフトバンクの値動きは、それなりに見るところがあったのも事実。ただ、朝方に高値を付けた後、伸び悩み感もあったので迷う所。何度も書いているのですが、相場では、フォロースルーが大事。もし明日、ソフトバンクがあっさりとずっこけるようならば、今日の上昇は「良い売り場」を提供しただけってことになるし、一方で、明日もそれなりに力強い上昇が続けば、「いよいよ期日明け」という雰囲気が強まる可能性が出てくるのです。その意味では、参加するしないは別にして、指標的存在としてのソフトバンクは要注目だと考えています。
● 雑談。ソフトバンクと言えば、ソフトバンク・ホークスって、あんなに野球をする球団だったっけ?個人的には、もっとストレートに真正面から戦う球団って思っていたのですけど、間違いだったんでしょうかねぇ?岡田監督の怒りは、多少は芝居が混じっているところがあるかもしれないけど、可能な限り公平な視線で見たとしても、昨日の試合はちょっとやり過ぎでしょ。内角攻めは分かるけど、それって「絶対絶命」の時だったら「まだ」理解出来るにしても、常にってのは、あまりにも挑発的過ぎるような気がします。私はどちらかと言えば、タイガースファンとしてはかなり大人しい方だと思うけど、あれが球団としての方針なんだったら、次の甲子園では"それなりの対応"って事になってしまいます。ホンマに、もっとストレートにやろうや・・・(-_-;)。
2006年04月10日(月) .... 軟調、全般小安い展開もドカンとは下がらない相場
TOPIX : 1777.34 (-6.38, -0.36%) | 日経平均 : 17456.58 (-106.79, -0.61%) | 円ドル : 118.20 |
● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、11日連続で買い越し(3200万株売り/3650万株買い)だったものの、市場筋観測だと金額では売り越し。先週末のNY市場がアレだったし、今週後半からイースターの休みってこともあって、やや動きが鈍い印象。
● 朝方スコンと安く寄ってからは、ジリジリと戻し歩調。先週金曜日の日中足と繋いでみればよく分かるのですが、最後の30分間でヒョロヒョロと上昇した分を考えれば、金曜日の後場と同水準って感じでした。ところが、昼休み立会外バスケット取引が売り越しとの観測が広まると、例の30分間で先物が下値模索。午後1時過ぎには現物もスコンと下落したものの、またまた一巡後はジリジリと戻し歩調。指数的には軟調だったのですが、一方で、「ホンマ、下がらん相場やなぁ」という印象も残った1日でした。
● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別には、全体軟調な中でも、あちこちで堅調な銘柄が目立ちました。INPEXはニュースもあったとは言え、「何でやねん?!?」というイメージ(^^;。ほか、妙に小売り、特に百貨店なんかが堅調。また、このところ調整ムードだった鉄鋼もリバーサルムード。NECは外資系数社から格上げがあったことで上昇。NECは本当に久しぶりに東証1部の出来高トップでした。珍しいぐらいですね、NECが出来高トップとは・・・(^^;。ちなみに、売買代金ではトップがソフトバンク、次いでMUFG、そしてNECでした。東証1部全体の出来高は、前週末比8139万株減の18億1240万株、売買代金は同2908億円減の2兆3773億円で、ソコソコの水準をキープ。
● そうそう、午後2時には機械受注の発表。機械受注と言えば、SQ日の午後というイメージが強いのですが、当然ながら、SQに合わせて発表しているワケではないので、こうやってズレることもあります(^^;。ただ、機械受注はSQ日の午後でこそ"イベント"パワーを発揮するようで、今回は珍しく事前のコンセンサス近く(Bloombergコンセンサスが+3.2%MoM、数字は+3.4%MoM)だったこともあって、特にマーケットに影響なし。ファンダメンタル面を見るというよりも、あくまでも、午後2時というダレる時間帯の"イベント"ですからね・・・(^^;。日中足を見る限りでは、どこに機械受注があったか、分かりませんでした。
● 雑談。やっぱり「アニキ」は凄い。今日は新聞休刊日で一般紙は休みですが、当然、駅売りのデイリースポーツを買いました。そこに記者会見の一問一答が掲載されているのですが、「なぜ休まないか」との問いに対して、金本選手は「仕事に対する責任感、それだけ」と。それをすっと言い切ることの出来る人間は、野球選手に限らずほとんど見ないです。やっぱ、凄いわ・・・。
● ちなみに、私も社会人になってから「予告なしの病欠」は1日もありません。「予告なし」とは、朝に電話して「体調が・・・」ってヤツで、前日より前から分かっている健康診断とかは別。どうやっているかと言えば、基本的には、早めに手を打つことで、深みに入らないようにする、がコツですかね。実は、今日は体調今ひとつ。予感があるのですが、その予感のウチに対処するとひどくならないのです。対処方法はオレンジジュース。これをがぶ飲みすると、大体のことは直ります(^^;。
2006年03月10日(金) .... 続伸、SQ後に上昇も後場は伸び悩み。今週は疲れた・・・(^^;
TOPIX : 1647.27 (+6.26, +0.38%) | 日経平均 : 16115.63 (+78.72, +0.49%) | 円ドル : 118.45 |
● ビッグSQ。例によって実況中継風に行くと、8時半頃のExcel上の日経平均速算値は前日比で2000円超高(^^;。まぁ、これは誰も信じないでしょうけど、8時55分になってもまだ前日比で1580円高。8時57分で1420円高、8時58分で1380円高。最後の最後、PC上の時計が9時を回ってから「お約束の大口売りバスケット(^^;」のデータが入ってきて、チャンチャン。SQそのものは、前日比35.07円安の16001.84円で、想定通りSQは波乱なしでした。
● SQ関連の売買について、市場筋の集計によると、日経平均型では「売り144万株、買い151万株」だったとのこと。薄い銘柄で170-190万株程度の出来高があったので、便乗する向きも結構あった様子。市場筋集計のSQ関連売買は「出来高概算6.8億株、売買代金1.1兆円」とのこと。
● 今日1日の東証1部出来高は24億4043万株(前日比6億1926万株増)、売買代金は3兆7204億円(同1兆2360億円増)だったので、ここ最近の水準よりは多かったものの、ビッグSQの割には、あまり膨らまなかったとの印象。また、そのおかげか、心配された東証の注文・約定件数も、普段よりは若干は多かったものの、言われてみないと気付かないほど(^^;。ホンマ、商い低調が喜ばしいのかどうかは、複雑な心境になります(^^;。
● 相場の方は、SQそのものは若干の売り越しだったものの、SQ売買が一巡してからの上昇の方が意外感があったかもしれません。先物主導でボコスカと裁定買いが入り、ほんの15分間ほどで、アレヨアレヨという間に上昇。もっとも、9時半過ぎにはそれも落ち着いてしまい、そこからは巡航高度での横ばい。そして、午後2時の機械受注へと突入。事前予想よりも悪い数字が出たことで、ちょっと「ん?どうしよう?」があったあと、やや売り先行に。さすがの機械受注も、何かとイベントが重なって皆がお疲れモードの週末金曜日の午後だと、市場参加者のファイティング・スピリットに火をつけるほどではなかった、ということでしょうか・・・(^^;。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 今後の展開について、FM諸氏の方々とも色々とお話させて頂いたのですが、どうも今一つ、クリアになりません。中長期的な上昇相場についてはあまり異論はなかったのですが、足下、3ヶ月程度の時間枠で見た場合にどうなるかについては、なかなか見えてこないのが実情の様子。「こんなに簡単に戻って良いの?」という声の一方で、「企業業績などを考えても、慎重な向きがまだまだ多い」と、何となく踏み切れない雰囲気を色濃く感じてしまいました。
● ただ、「マーケットもようやく霧がはれていくように、ひとつひとつ不透明要素が解消されてきています」とは、いつもお世話になっている某ベテラン証券マン。確かにその通りです。今回の日銀の件は、まさにそんな感じでしたし、私個人にとっても、この1週間は、先行き不透明感が如何に相場の足を引っ張り、そこで蓄積されたエネルギーが解放されると、如何にマーケットが動くかを再確認した1週間になりました(^^;。
● 今週は本当に何かと疲れました。来週も楽な週ではないと思いますが(^^;、その分だけ、ちゃんと週末に休みたいです(といいつつも、多分、オフィスに出てるだろうなぁ~(^^;)。良い週末を!
2006年02月10日(金) .... 再び軟化、様々な不透明要因抱えて利食い売り先行
TOPIX : 1660.22 (-22.04, -1.31%) | 日経平均 : 16257.83 (-181.84, -1.11%) | 円ドル : 117.85 |
● 今日はミニSQ。SQそのものは、ほとんど波乱なしでした。あえて言うと、SQ時には、とんでもない買い越しに見えて、最後の10秒ほどでExcel上の気配がスコンと下がるパターンが多かったのですが、今日は、寄付き直前までExcel上の気配がほとんどブレなかったこと。8時50分で前日比60円高ほど、8時55分で-30円、8時59分でチャラ、最後に日経平均バスケットで「一銘柄10万株売り19万株買い」が入って、差引若干プラス。結局、SQは前日比86.23円高の16525.90円でした。実は、これがほぼ今日の高値でした(^^;。
● SQでの出来高が盛り上がらなかった理由は色々あるのでしょうが、個人的には、最近の色々な取引所での遅延や何かで、派手な取引を手控えた向きはかなりあったと考えています。実際、遅延が発生して、バスケットなどの売り買いが寄付きに間に合わない、なんて事態に陥れば、本当にシャレになりません。そうなって大損しても、最終的には、トレーダーが悪いのです。こういった事態を懸念して、もしかしたら昨日までにある程度のメドを付けていた可能性もあります。結局、165のプットやコールのポジションを持っていた方々にとっては、それなりのドキドキがあったかもしれませんが、それ以外には、ほとんど影響がありませんでした。
● SQ関連の数字を行くと、市場筋推計で、日経平均型約35万株売り/40万株買い程度、概算で約9000万株が直接的なSQ関連とのこと。9時15分時点の東証1部出来高は3億1756万株、売買代金は4986億円でした。昨日少し書いた東証から発表されている注文・約定件数については、注文件数で普段よりも1割ほど多かったものの、その程度で済みました。ただし、この問題は、3月のビッグSQ時に再び大きくクローズアップされそうです。根本的には、何も変わっていませんから。でも、取り敢えず、今のところは、あまり神経質になることはなさそうです。
● 一方、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(4020万株売り/3420万株買い)。市場筋観測でも「金額は大幅売り越し」とのことで、SQに隠れていたものの、これはちょっとマズい雰囲気を形成していました。SQ買い越しのおかげもあって小高く寄付いたものの、今日はそこが高値。午前10時過ぎには、指数はマイナス転落し、前引けと後場寄付き直後までは、先物主導でかなり売り込まれてしまいました。その後、機械受注への期待感が広がったことで後場前半は戻り歩調。実際に機械受注がかなりコンセンサスを大きく上回ったのですが、その時点では、期待で買われていた分でチャラ(^^;。まぁ、それ以上、大きく下がるような感じではなかったのですが、全体の相場の雰囲気は、あまり楽観視できない印象が残った1日でした。
● 連日になってしまうのですが、今日も日経平均日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 相場の細かいことについては、各メディアなどのレポートにお任せするとして(^^;、話題変更。東証の現物株式取引の30分短縮が妙に「定着」してきたこの頃(^^;。トレーディングルーム内でも、何となくトレーダー連中の昼休みからの戻りが遅くなってきた感があります(^^;。
● ただ、先日も少し書いたのですが、12時30分~13時00分の「先物取引あり・東証現物取引なし」の30分間が、相場に影響を与える傾向が強くなっていることが否定できません。本日の後場SQを計算すると、対前場終値比で103.56円も下げて始まっています。つまり、100円ものギャップが発生していたのです(これはかなり大きい)。この30分間は、裁定取引をやる向きも参加できない(現物取引がない)時間帯なので、極端な言い方をすると「先物やりたい放題」タイム(^^;。そして、先物市場で方向性が出てしまうと、それが後場にキャリーされる可能性が強いのです。
● この"暫定的"措置は、セールス・トレーディングの現場では、何かとテクニカルで悩ましい問題も発生させています。まず、TOPIX先物を含めて先物・オプション全体、大証、JASDAQは12時半スタートなので、間違いリスク(失念リスク、勘違いリスク)が常に存在することが一つ。例えば、バスケットの中に、一銘柄でも大証銘柄が入っていたりすると、のんびり構えているワケには行きません。これは顧客側でも同じなんですけど、そういう時に限って、12時25分ぐらいにドカンとバスケットが届いたりします(^^;。のほほんとプログラムしていたりすると、大証銘柄があったりして、「ゲゲ・・・間に合わん」なんて羽目もあり得るのです(幸いにして、私はまだそんな羽目には陥っていないけど・・・(^^;)。
● さらに、先物とのポジション交換をするEFP的な取引の場合、東証が午後1時スタートになったことで、「現先両方とも後場寄付きで・・・」という方法が使えなくなってしまいました。そのため、「現物は午後寄り付き、大証銘柄は午後1時、先物も午後1時に・・・」なんて厄介なことになっています。それなら朝の寄付きでやれば良いのですが、朝はギャップリスクが大きい場合があって、EFPとしては余り好環境でない事も多いので、躊躇する気持ちがあります。後場寄付きというのは意外に使い勝手が良かったのですが、それだけに、現在の宙ぶらりん状況は悩ましいのです。
● また、VWAP型トレーディング手法を執行するトレーディングシステムでは、何らかの格好で過去の出来高分布を参照しながら、「○時△分に××株執行」という格好でプログラムを組んでいるハズ。市場の出来高分布に沿う格好で執行すれば、VWAPに近い執行が出来る、というのが基本コンセプトです。ところが、突然の東証の取引時間短縮で、当初の頃は、30分短縮における過去出来高分布データがない状態でスタートせざるを得なくなってしまったのです。しかも、大証銘柄については、これまで通りの過去出来高分布データに沿っていくとしても、東証が動いていない影響を受けているはず。その辺の微妙な味付けも分からないまま、プログラム執行せざるを得なくなってしまったのです。
● 今後、東証が取引時間を元に戻すとなると、また別の問題が出てきます。そのまま現在の"短縮取引"のデータを過去データとして使うと、12時30分~13時00分は「取引がない」ということになってしまうのです(^^;。当然、そんな馬鹿げた羽目にならないように、色々と知恵を絞って対策はするのですが、結構、厄介な問題です。取引時間短縮が恒久的措置だったらシステムを変えちゃうんですが、いつまでというのが明記されていない暫定的な現状では、全てが宙ぶらりん状態。しかも元に戻す時には即時対応を迫られるんです。
● もちろん、過去の出来高分布データを使わないで、単純な時間配分で対応することは可能ですが、それによるサービス低下(VWAPからの乖離)リスクは付きまとったまま。いずれにしろ、ホンマ、難儀なことです。分かる人には分かってもらえると思いますが、結局はボヤキですかねぇ~(^^;。スンマヘン!
● 今週は、何か長い1週間だった気分です。さらに、休みのハズの祝日が土曜日にはまってしまうので、休みを1日損した気分(-_-;)。何はともあれ、皆様も良い週末を
2006年01月13日(金) .... まちまち、SQ高も全般は横ばい。また大型の誤発注・・・
TOPIX : 1681.69 (-2.65, -0.16%) | 日経平均 : 16454.95 (+9.76, +0.06%) | 円ドル : 114.50 |
● 今日はミニSQ。事前のデルタ計算では多少の売り越し予想だったと思いますが、実際に終わってみれば、若干の買い越し。例によって実況でいきましょう。Excel上の日経平均速算値は、8時40分頃までは前日比100円高程度と小動きだったものの、8時50分には1320円高(^^;。もちろん、これが本当だと信じる方もいないでしょうけど、8時55分に1080円高、8時57分に640円高、8時59分に610円高、8時59分30秒に430円高、そして実際には時計が9時を回ってから(9時00分15秒頃)になって、やっとお約束の売りバスケットがデータとして入って、速算値は小高い程度に。結局、SQは前日比90.75円高の16535.94円でした。まぁ、これでも165コールはイン・ザ・マネーになっちゃったってことです。
● 実は、今日のザラ場日経平均高値は前日比45.08円高の16490.27円でSQ値までは届かず、「幻のSQ値」となってしまいました。先物関係者の間では、「幻のSQ値」は、上値抵抗になったり下値支持になったりするし、転機のきっかけになると言われています。特に論理的な根拠があるわけではないのですが、実際、今日は目立つ「幻のSQ値」になってしまったので、少し注目をしておきます。
● SQのおかげで、当然のように東証1部の売買代金分布はかなり歪み、寄付きの1分間で今日1日の12.0%、寄付5分間で16.1%、10分間で18.5%の分布。前場が53.9%、後場が46.1%だったので、普段よりも5%弱は前場に触れたイメージです。毎回のことですが、興味深いのは、午後2時の機械受注。今日も、ここでピョコンと柱が立って、約1%の売買代金がこの瞬間に出来ていました。大引けが1.8%だったので、ザラ場の1分間としてはナカナカの規模。機械受注のイベントとしては、いまだにそれなりの存在感があります(^^;。一方、今日1日の東証1部出来高は22億9981万株、売買代金は3兆2060億円。市場筋推計でSQ関連出来高・売買代金は1億4000万株程度、2200億円程度とのことで、SQがあった割には、大した規模には膨らみませんでした・・・(^^;。
● 少し話題が外れるのですが、今日も取引所(特に大証)のシステム遅延がかなりひどく、結構、イライラとさせられました。朝の寄付きは、SQなのである程度覚悟はしていたものの、ザラ場でも例えば午後2時の機械受注発表後。特に日経平均先物は遅延が目立ち、発注してから約定が戻ってくるのに4分程度も掛かっていました。トレーディングルーム内での、「どないなっとんねん!約定返ってけぇ~へん!」の怒号が飛び交う風景も、今では見慣れたもの(-_-;)。15分もすれば落ち着くのですが、皆が取引したい時にまともに取引できない、というのはやはり困りモノ。
● 現物も大証はひどかったです。毎度のことながら、午後2時半過ぎから遅延がひどくなり、午後2時45分頃になれば、5分程度も結果が返ってこないのは「当然」って状況。ヘラクレスなどは、約定結果が返ってくるのに15分近くも掛かっていました。活況なのは分かるし、ヘラクレスはもうすぐ新システムに移行する予定があるのも分かるけど、結果が戻るのに15分も掛かるのだったら、本当にシャレになりません。
● 最近は、顧客とも大証銘柄は事前に相談して「早めに切り上げる」が普通になってきました。大引けの15時10分までやっていたら、結果が戻ってくるのが15時30分過ぎになってしまい、色々な約定処理業務に障害が出てくる状況に陥ります。また、取引だけを考えても、14時45分過ぎからは、反応が鈍くなりすぎて危ないので、委託取引ではリスクを避けるために、大引け近辺での取引を諦めて"14時45分締め"なんてことをせざるを得なくなっています。ホンマ、頼んまっせ!
● もう一つの話題は、また発生した「大口」誤発注。銘柄は三井住友FG(8316)。大和SMBCが銘柄間違いで2万5000株を寄付きで売りに行ってしまい、半分ほどの取り消しはできたものの、半分ほどが約定してしまったとのこと。前場中にほとんどの買戻しを完了した(損失約5億円だそうで)と発表しました。同株の日中足を添付しておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 実は、SQのときにSMFGが妙に安かったので、目には入っていたのですが、誰かが売り出しに関連して流動性の高くなるSQを狙って売ったのかな、なんて考えていました。誤発注の規模としてはかなり大きい(300億円弱)ので、ちゃんと発注金額で制限が掛かっていたら、銘柄間違いでも、止まったはずなんですけどねぇ。「OK」の二度押しだったんでしょうか?三井住友海上と間違えたんだろうと想像しますが、本当にそうだとすると、ちょっとお粗末・・・。電話発注で「三井住友」と言われて、そうなってしまったんでしょうか?!?
● 今回の件も、何かと要因が重なっているのは、傍で見ていて分かります。発注ロットはかなり大きかったのですが、今日がミニSQという特殊事情の寄付きでは、この大きさの注文も、傍から見ていると、「決してありえないロットではない」って面があります。さらに、上記したように三井住友FGが公募・売出を控えていることで、何か関連のある商いがあったのか、という連想も起こります。
● 株式市場には、昔からミスを防ぐために、独特の銘柄愛称があります。有名なところでは、「別子」が住友金属鉱山で、住友金属工業は「住金」ってところ。「別子」と「住金」って言われると、違う銘柄なんてことは誰でも分かります。でも、フルネームで「住友金属鉱山」なんて言われると、かえって「住金」と間違える人が出てくるでしょうネ。かつての証券界では、先輩からこの辺は叩き込まれたものだし、独特の銘柄略称をちゃんと言えることが、一人前の証券マンという空気も強かったのです。でも、バブル大量採用とバブル崩壊の頃から、これは何となく当てはまらなくなってしまったのです。立会場閉鎖も、かなり影響していたと考えています。
● 一方、最近は、新しい銘柄が大量に出てきて、愛称が追いつきません(^^;。私達のところでは、三井住友FGのことを、「SMFG」と英語的に言っていますが、これが業界標準とは思っていません。定着するには、やはり時間が必要なんです。その時間が経過する前に、合併やら何やらで銘柄名そのものがコロコロと変わるので、追いつかないんです(^^;。銀行業界だけでも、せっかく「とうみつ」(東京三菱)って呼び名が定着しつつあったと思えば、三菱UFJ FGなんですから・・・(^^;。
● 話を戻すと、最近は、相次いで誤発注が表面化することもあって、各社ともに発注を取り扱う部署はピリピリしていると思います。それだけピリピリしているにも関わらず、これだけの規模の誤発注が起こってしまうのは、単にトレーディングシステムの問題だけではないんです。株式は千差万別で、システム対応するにしても、画一的にどこかで線を引けるようなものではありません。条件をいっぱい付けて縛るならば、送信を押してから発注が出て行くまで、1分間も掛かるようなシステムになってしまうでしょうし・・・(^^;。また、単位株がバラバラになり過ぎて、ミスを見付け難くなっているという制度面の問題も見逃せません。
● 結局は、ちゃんと人間の眼で見て、頭で考えてスクリーニングするしかないのですよね。瞬時に「この注文はおかしい!」と気付くだけの能力がないと、やはりこの手のミスは止まらないのです。発注担当者だけではなく、営業マンもアシスタントも含めて、です。
● えらい長い文章になってしまって申し訳ありません。良い週末を