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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

2011年03月20日(日) .... 元気にしてますよぉ!

● まず最初に、今回の東北関東大震災で被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げます。

● 神戸で生まれ育った一人として、震災は他人事とは到底思えません。色々と困難があると思いますが、そんな時こそ、前向きに頑張ってください。自分も出来ることを頑張ります!

● 私自身については、とりわけ何かのネタがあるのではありませんが、一応、相場的なことをつらつらと書いておきます。今回の大震災に伴う相場急落では、私個人のポートフォリオもそれなりの被害を受けたのですが、実は2月中旬頃から買いポジションをかなり減らしていました。これは、相場観とは少し違った理由でそうなったのです。

● 前々からブログをお読みいただいている方々はご存知だと思うのですが、ここ数年続いているガン治療の一環として、抗ガン剤を新しくしたのですが、その影響等々でかなり体調不良だったのです。もしかしたら入院しなけりゃあアカンかな、という雰囲気だったし、実際、2月~3月には入院する羽目になってしまいました。この予感があったことが主たる要因で、もう一つは相場が今ひとつしっくりこなかったことから、ポジションを減らしていたというワケです。1月と比較すると、ポジションは4分の1程度にまで減っていたこともあって、実際に相場急落局面に遭遇しても、まぁ、何とか「しゃあない」程度の損失で済ませることが出来ました。

● 実際に地震発生時は自宅療養中だったのですが、あの10分間では、何も出来ませんでした(^^;。その後、週明けから「すぐには入らないだろうと思える下値」の水準(とその当時は考えていた)で買い注文を入れたら、これがボコボコと出来る状態。事前にポジションを減らしていなかったら、到底、買えなかったと思います。さらに、震災から1週間強が過ぎて感じることは、ある程度、ポジションを持っていなかったら参加できなかっただろうということ。もちろん、事前に何の偶然か分からないけどポジションを減らしていたことが大きな要因でしょうけど、雰囲気が合わなくても、ポジションをゼロにするまでは行かなかった点が、再エントリーできた要因でもあったなと感じています。

● 証券各社から「立替金発生」のお知らせが何発も出てきていることを考えると、今回の相場急落で巨大な損失を被った投資家が多く、それが証券会社に降りかかったこともよく分かります。オプションの売り建て禁止も急増しています。その辺のことを考えると、まだまだ相場が落ち着くまでに時間が掛かるでしょうけど、「それも相場」です。逃げませんでぇ!

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騰落レシオとTOPIX

● 前週末時点で25日騰落レシオは、68.58%と一段と下落。25日騰落レシオが70%割れとなるのは、昨年12月2日に66.18%を記録して以来なので、ほぼ半年振りの低水準ってことになります。

● 一般的なテクニカル分析の「教科書」通りだったら、25日騰落レシオの70%割れは一つの目安になる水準。また、グラフをご覧頂いても分かるように、あくまでも経験則としての話ながら、この水準は一つのキーポイントになっていることは間違いなさそうです。グラフを見る限りでは、130%で積極買いすることは賢いとは思えないし、逆に80%割れを売り込むのも賢い手法とは思えない、って感じを受けますね。

● ただ、問題は「買い」に行くかどうかってこと。これは、騰落レシオだけで判断するのは無理があるし、テクニカル指標だけに頼るのも「何ともなぁ~」って感じがあるでしょうね。外部環境などを勘案してってことになるのが普通なんですが、それをやってしまうと、動くに動けなくなるのも事実。この葛藤のなかで、何とか行動を決めなきゃあ仕方ありません(^^;。この辺は、それぞれ各自の自己判断でやってもらうしかないのですが、たとえ、判断が間違った場合であっても、ある程度の「受け身」が取れる範囲で入る、ってことだと考えています。

● 週明け相場の「反発力」には密かに注目しておきます。「反発力」が予想以上に弱ければ、水準としては大体OKとしてもタイミングが合っていないことになります。逆に、ソコソコの「反発力」を感じられる展開ならば、比較的素直にテクニカル指標の示唆に従おうかな…と(^^;。

騰落レシオとTOPIX ● 今日の大幅な相場下落を受けて、25日騰落レシオは86.82%まで下落。これは3月2日に85.85%だった時以来の低水準ってことになります。テクニカル分析の教科書などでは、目安として25日騰落レシオの80%割れ等を指摘するものが多いのですが、そろそろ水準的にも近くなってきた印象です。

● もちろん、テクニカル指標のホンの一つが何かを示唆したからと言って、それだけで投資判断するモノではありません。でも、そろそろ心の準備ぐらいはしておくかな、って感じは持ち始めています。まぁ、真面目に海外事情がどうのこうのや、為替がどうのこうのを考えると、なかなか素直にはパッと動ける状況ではないんでしょうけどね(^^;。

● 大引け後に市場筋の色々な情報を見聞きしていると、あちこちの外資系証券会社が、欧州株を格上げしているようですね。売られ過ぎ等々の判断があるようです。ただ、某米系証券のレポートを読むと、欧州株が格上げされる一方で、そちらにアロケーションを持っていく分だけ削られたのは、実は日本株だったりします(^^;。

● まぁ、日本株に魅力が欠けているのは、多分、世界中の多くの投資家がそう考えているでしょう。ホームマーケットの日本人ですら、そう考えている向きは少なくないのですから…(^^;。実際にレポートを書いているストラテジストにしても、全世界で100%という決められた配分のなかでやり繰りするんだったら、外されるのは、一番積極的な魅力に乏しい日本株となるのも分かる気がします。ま、それでも、依怙地になってでも日本株の可能性を追求したいんで、ここはじっくりと、買い場を探す準備です。

米CNBC動画 - NYダウ1000ドル安局面 ● 米CNBCのサイトに、NYダウが5月6日(NY時間)に一時、前日比で1000ドル安近くまで急落した時のリアルタイム画像がアップされています。もちろん、全て英語ですが、雰囲気は十分以上に分かって頂けると思います。さらに、英語が分かれば、如何に異常な事態だったのか、その異常さがより分かると思います。

● CNBCのJim Cramerが叫びまくってます(^^;。まさにNYダウが1000ドル近く下げた局面をリアルタイムで伝えています。保存版ですね、ホンマ。しかし、あの瞬間にP&Gのチャートを出していたCNBCは凄いというか…。

● 動画は、こちら("Cramer Sees Error In P&G Share Pricing")と("Dow Drops on Greek Protests & Trading Error")からリンクできます。初っ端にCMが入りますが、その後が本番です。

● 前者はNYダウがまさに1000ドル安に接近したところ、後者はそこから一気に500ドル安まで戻ったところです。偶然かもしれませんが、どちらでもP&Gのリアルタイムグラフを取り上げているのは凄いです。

● 昨晩(現地時間で5月6日)のNY株式市場では、トンでもないことが起こりました。一時、NYダウが前日比で1000ドル近くも急落した後、アレヨアレヨと戻ったのです。最終的に大幅安は大幅安だったものの、それにしても、まれに見る乱高下の1日でした。

● その原因の一つ(全てではない!)として、大口の誤発注があったと伝えられています。この辺は色々なメディアでもニュースが流れているので、詳細はそちらにお任せするとして、ここでは記録として日中足等を掲載しておきます。

NYダウ四本値
始値高値 安値終値前日比 前日終値
5/710,862.2210,925.869,787.1710,520.32 -347.8010,520.32

● さらに、として、NYダウの日中足と誤発注があったと伝えられているP&G(PG)株の日中足(出典:Yahoo! Finance)を付けておきます。

NYダウ日中足P&G(PG)日中足
NYダウ 日中足 P&G 日中足
(出典:Yahoo! Finance)

● 見れば見るほど凄いですね。なお、色々な報道によると、NYSEはこの急落局面での取引を「取り消す」と表明しています。この辺の詳細も、各種報道をどうぞ。

● オーバーナイトでの欧州市場、さらにNY株式市場の波乱を受けて、今日の東京株式市場は大幅続落。日経平均終値で -3.10%(10,364.59円、-331.10円)でした。瞬間風速ではもう少しエグイところもあったのですが、それでも指数で2%超の下落(上昇)は、「大幅」という枕詞に値するでしょうから、大幅安は大幅安。

騰落レシオとTOPIX ● メディアは「きれいに聞こえる事後説明」に忙しいようなので(^^;、全て急落の原因をギリシャに責任をおっかぶせる格好になっているものの、ギリシャ・ショックだけが全てではないってことは、多くの市場関係者は分かっていると思います。まぁ、その辺の事情については他のサイトに譲るとして、何はともあれ、騰落レシオの水準をチェックしておきましょう。

● 右グラフは、いつも通り、TOPIXの推移と25日騰落レシオの推移をグラフにしたものです。本日(5月7日)終値時点で、25日騰落レシオは97.66%まで下落。25日騰落レシオが100%台を割り込むのは、3月8日に大台乗せとなって以来なので、ちょうど2ヶ月ぶりの水準ってことになります。ただ、騰落レシオとして見た場合、まだ「低水準」とは言い辛い状態。数字からすると「中立」だし、敢えて言葉にすると、「約2ヶ月間近く続いた過熱状態が、ほぼ解消した」程度に過ぎないのです。

● グラフをご覧頂ければ分かりますが、25日騰落レシオをシグナルと見なして「買う」のであれば、少なくとも90%割れの水準、もっと言えば80%割れ水準が欲しくなります。

● 今後、値上がり500銘柄/値下がり1000銘柄が5日間続けば、25日騰落レシオは、来週金曜日に 76.47%まで下落する計算になります。まぁ、さすがにここまで来れば…ってことでしょうけど、「↑500/↓1000」ってのは、かなり弱い相場。そしてそれが5日間も継続した暁には、それこそ世の末みたいな雰囲気(^^;になってしまうでしょうから、そこまではちょっと考えにくいところ。

NT倍率の推移 ● もし来週、ずっと値上がり/値下がりともに750銘柄ずつのチャラ相場だったとすると、金曜日に25日騰落レシオは、87.08%まで下落する計算。まぁ、この辺が一つの考え場所かなと想定することにしています。

● 今日はもう一つグラフを添付しておきましょう。左側グラフはNT倍率の推移です。今日だけの話ではないのですが、4月上旬頃に11.25近辺の下値支持線を割り込み、少しずつトレンドに変化の兆しが明確になりつつあります。NT倍率は「日経平均÷TOPIX」なので、これまで相場牽引役として突っ走ってきた輸出系銘柄、値嵩株中心の展開に変化が出ていることを示唆しているように思えるのです。

● もっとも、だからといってギリシャ危機の足元を考えると、ここで銀行株を狙うって動きには、到底なれません(^^;。気持ちとして、そちらの方向には行けませんよねぇ~。特にJGBを死ぬほど抱え込んでいる日本の銀行は、かなり偏ったソブリンリスクを抱えているのですから…。

● NT倍率の変化が、相場に直接的に何かをもたらすってことはないかもしれませんが、気になるテクニカル指標の一つとして、ちょっと頭に入れておきましょう。

騰落レシオとTOPIX ● 何でもかんでも「ショック」と名付けるのも節操がない(^^;のですが、今日はそうしたくなるほど色々な悪材料が重なる格好で、東京も当然のように大幅安。ただ、トヨタは朝方の一瞬以外は堅調推移で、この辺の銘柄を見ている限りでは、日経平均が300円近くも下落した(前日比 -298.89円、-2.89%、終値10,057.09円)のとは印象が一致しない一日でした。

● このところ、指数が堅調でもトヨタは我が道を行くって感じで急落していたので、その修正と言えばその通りだったのかも知れません。さらに、プリウスのリコール話まで出てきて、色々な意味で「やり過ぎ感」があったのも事実なんでしょう。相場としては、「これ以上の悪材料」が想像し難くなってくるならば、そこで買い戻しや押し目買いが入るのは、お馴染みのパターン。大引間際に、産経新聞に『トヨタ擁護の声も カナダ経済紙などが米政府の“意図”批判』なんて記事も流れていましたが、似たように考えている向きはいる、ってことなんでしょう。

● さて、今日の相場を受けて25日騰落レシオがどうなったかを確認しておきましょう。本日の東証1部は値上がりがたったの131銘柄で、値下がりが圧倒的な1506銘柄と全面安。この結果、25日騰落レシオは本日大引時点で85.19%まで下落。指数がかなり大きく下落した割には…って印象があるかもしれませんが、さすがに下がってきています。

● この先、来週1週間ずっと750銘柄上昇/750銘柄下落のチャラが続けば、祝日1日を挟んで来週金曜日(ミニSQ日)に82.69%まで下落する計算。実は、レシオはこの先もあまり急激には下落しないのです。同様に500銘柄上昇/1000銘柄下落が来週いっぱい続けば、来週金曜日で74.44%まで下落することになり、これでちょっと「売られ過ぎ感」が出てくるのかもしれません。逆に1000銘柄上昇/500銘柄下落が続いても、レシオは90%台半ば程度です。

● 昨年11月末には瞬間ながら60%割れがあったことを考えると、まだ"年に1回"って感じの究極的な売られ過ぎ感は遠いように見えます。でも、"3ヶ月に1回"程度の水準は見えてきたようにも思えます。いずれにしろ、どうせ将来のことを完全に見通そうってのは無理(^^;。自分の座標軸を確かめながら、ゆっくりと確実に!

● 先週突如として出てきたオバマ政権の「新金融制度規制案」(日経では新金融規制案と記述、他にも銀行規制強化案との言い方もある)。正確に記すと、いずれ何らかの規制案は出てくるだろうというのは予想されていました。実際、英国では金融機関の高額ボーナスに対する特別課税が出たし、米国でも金融機関に対する特別課税という案が出ていたんです。ところが、今回出てきた規制案の内容は、ほぼ市場関係者全員の想定を超えるもの。グラス・スティーガル法の時代を知っている世代にとっては、その復活を意図したと感じ取っただろうし、大部分の人々が大衆迎合的と感じただろうし、モロ社会主義的に見えるし、その突然(に思える)の方向転換はかなり極端。見方によっては、投資銀行というビジネスモデルすら否定する格好になっています。

● ひとまず、現時点で出ている規制案について簡単に書いておくと、下記の点が伝えられています。

  • 銀行(商業銀行)による自己勘定取引(プロップ・トレーディング)の制限
  • 銀行(商業銀行)によるヘッジファンド、プライベートエクィティ兼営(投資)の禁止
  • 規模拡大の制限(預金シェア10%上限)

● 実際にこれらのビジネスを知っている方々にとっては、本当にこの辺が実施されるとなると、どんなに大きな地殻変動になるかは、容易に想像できると思います。リーマン・ショックを受けて、米国のかつて"証券会社"と呼ばれた大会社は全部"銀行"になっちゃってます。ゴールドマン・サックスしかり、メリルリンチしかり…。そこが大きな影響を受けようとしているってこと。ストレートに解釈すると、積極的リスクテイクが出来なくなるってことだし、リスクテイク無しにはリターンは生まれません(当然の話)。そして、リスクテイクが出来なくなるってことは、ポジション縮小をせざるを得なくなる可能性が高く、それは信用収縮ってこと。信用が収縮するマーケットがどうなるかは、誰もが簡単に理解できると思います。リーマン・ショックでそれ経験したばかりなのに…。

● 今朝の日経には、日本の銀行はそれほど大きな影響はないなんて、実にの~~天気な声が掲載されていました。確かにヘッジファンド投資やプライベートエクィティなどに関してはそうでしょうけど、それは単に「周回遅れ」だから。選択してエクスポージャーが小さいのではないのです。さらに、忘れちゃあいけないのが、日本の株式市場は60%近くの売買が外国人投資家によってなされていること。そして、株価の上下に対して、日本の銀行はかなり脆弱な体質だってこと。その辺が見えてないのか、敢えて見ないようにしているのかは分かりませんが…。

● マーケットにとって何よりも最悪なのは、今回出てきた規制案の全体像が見えてこないこと。「詳細は今後詰める」というのは、想像次第でどこまでもワーストシナリオが膨らむ可能性があるってことで、マーケットも、少なくとも一時的には、それを織り込みに行かざるを得ないのです。こういった場合、往々にしてマーケットは行き過ぎます。ワーストを織り込みに掛かるんだから、それは当然のこと。さらに、信用収縮というのは、最初のきっかけは大したことが無かったとしても、一旦転がり出すと、転がり出した方向に一気に加速して転がる可能性があるってこと。リーマン・ショックでどれほどの規模で信用収縮が発生したかを思い出せば、これも誰にでも分かるハズです。

● もっとも、実際にこの規制法案が通るかどうかは何とも言えない状況にあることも確かで、このまま規制実施に突っ走るとは考え難い面があるのは事実。何と言っても、その場合に到来するであろうマーケットの混乱は、現時点での米政権にとっては、全く不必要なものだからです。それでも、上記したように、マーケットは何よりも不透明感を嫌がります。それが微妙なレベルであったとしても信用収縮を巻き起こし、それが昨年からずっと継続している相場の上昇基調を、あっさりと終わらせてしまうことだって有り得るんです。少なくとも、その匂いを感じ取ったからこそ、米国株はこれだけ2日間で下落したのでしょうしね。

● ずーっと昔にマーケットコメントで書いた覚えがあったのですが(検索したらこちらでした(^^;)、元英国首相、マーガレット・サッチャーさんの有名な言葉を贈りたいです。

"The poor will not become rich, even if the rich are made poor."
「お金持ちを貧乏にしても、貧乏な人はお金持ちになりません」

● 本当にその通りだと感じます。決して金持ちや高額ボーナスを礼賛するわけではないとしても、「金持ち批判」だけでは何も解決しない、ってこと。それよりも、金持ちにスッとお金を出させるように制度を整備した方が、お互いに良い思いをしつつ金が廻ると思うんですけど…。なお、私の見方は当然ながら、多少なりとも、金融業界側にバイアスしていると思いますので、その辺はあらかじめご了承を(^^;。

参考ニュース

追記:参考になるサイト・ブログ


 TOPIX : 813.37 (-35.88, -4.22%)    日経平均 : 8235.87 (-484.68, -5.56%)    円ドル : 89.50  

● 今日はビッグSQ。例によって時系列に行くと、朝8時半頃にExcel上の日経平均速算は前日比930円高程度。その後、時間が経過するに従って少しずつ下落し、8時55分で820円高、8時59分で600円高、8時59分30秒で350円高と来て、最後の最後に"お約束"の売りバスケットが出て寄付き。ただ、今日は普段のビッグSQと比較すると、かなり商いそのものが少なかったことと、ミスプライス狙いの買い指値なども少なめだったようで、意外に大きなインパクトが発生。SQ値は前日比293.26円安の8427.29円(9時27分確定)と、8500円の大台割れでした。市場筋推計によると、SQ関連売買は、6億株程度、6000億円程度だったとのこと。

● SQ後の相場は、比較的典型的な金曜日相場の雰囲気だったのですが、前場最後の30分間でアレヨアレヨの上昇。「こりゃあ、後場に何か入ってくるの?」との期待感も抱かせる前場の引け味だったのです。ところが、昼休み(12時10分過ぎ)に出てきたのが、「米ビッグスリー救済法案が合意に達せず」とのニュース。しかも、リード民主党上院院内総務が「明日のNY株式相場を懸念」なんて発言するもんだから…。これを受けて、急激な円高が進行してGLOBEXの米株価指数先物がドカンと急落。とてもじゃあないけど、日本株が支えきれるような事態ではありませんでした。

● ニュースが出た最初の頃は、円も対ドルで91円割れあたりだったのが、時間が経過するとともにドンドンと円高が進行。午後1時20分前には、あっさりと90円の大台を割り込み、そこでストップロスを引っ掛けたのか、あっという間に89円も割り込むドル急落/円急騰。ちょっと呆気に取られるぐらいのスピードで、「あぁぁぁ~~~~」って感じの円高進行でした。これまで、ドル安/円高になるぞと言われながらも、ドルは意外に踏ん張っていた感があったのが、一気に噴出した印象。某銀行の為替トレーダー氏は、「ドルの買い手がおらん…」と嘆いていました。

● こうなると当然のように、東京でも自動車株が先陣を切って急落し、ディフェンシブ系銘柄まで下げ幅を広げる展開。一時は、かなりパニック的な空気も流れていました。その後、為替が落ち着きを取り戻すとともに、株式市場もやや落着きを取り戻す展開。実は、今週はずっと上昇していたので、これだけ今日1日で下落しても、週で合計するとプラスでした。ある意味では、"のりしろ"があったってことになるのですが、それでも、1日で見ると大幅下落になってしまいました。焦点は今晩のNY市場の反応ですね、言うまでもなく…(^^;。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 記録。東証1部出来高は前日比7億8318万株増の30億2881万株、売買代金は同7145億円増の2兆4807億円。さすがにビッグSQって感じでした(^^;。それでも、上記した市場筋推計の6億株/6000億円程度がSQ関連だったとすると、パッと見の印象ほどではありません(^^;。それでも、後場のややパニックになった売りが膨らんだのは分かります。東証1部値上がりは252銘柄、値下がりは1408銘柄。

● 日経平均の日中値幅は522.74円(前場190.36円、後場431.24円)と大きく、その大部分が後場だったのが良く分かります。SQだったにも関わらず、前後場の売買代金分布は比較的静かで、前場が50.25%、後場が49.75%でした。ビッグSQとしては珍しくSkewが小さかったというか、それだけ直接的なSQ関連売買が少なかったとも言えます。また、市場筋推計による今朝の外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(2720万株売り/2650万株買い)でした。

● 業務連絡。金融庁から先日の空売りパブリックコメントに対する回答が出ています。詳細は金融庁HP内の 「…パブリックコメントの結果等」 (タイトルが長過ぎるので一部略)のPDFファイルに掲載されていますので、そちらをご参照ください。あまり書くとアレですが、基本的にはパブリックコメントに出てくる段階で既に"結論"が固まっており、大きく変更されることはない、ということを再確認。機関投資家からの注文の場合、注文の都度の確認は無くても良いものの、やっぱり色々と確認と記録を残す(7年間も)が必要なようです。電話テープを7年間も残すの?まぁ、この辺はコンプライアンスの解釈が出てくるまでは、現場としてはフリーズ状態(^^;でしょうけど、「12月16日(火)に施行」なので、あまり時間はありません(^^:。間にあうんかいな?

● 良い週末を!

 TOPIX : 787.12 (-40.35, -4.88%)    日経平均 : 7863.69 (-533.53, -6.35%)    円ドル : 93.20  

● また米国株が急落。先週末までに5日続伸だったので、ある程度は調整が来るとは思っていたものの…(-_-;)。11月の米ISM製造業景況指数は36.2まで落ち込み、これは1982年5月の35.5以来の最低水準。全米経済研究所(NBER)がリセッション入りを正式宣言したのも、「今更言われても…」って感じながら、当然のように好感されるハズはなく、あれやこれやの悪材料が重なりまくって、NYダウは-679.95ドル(8149.09、-7.70%)、S&P500は-80.03pt(816.21、-8.93%)の急落。CME日経平均先物は大証比640円安の7760円。さらに、日本にとっては、1ドル=93円台前半、1ユーロ117円台半ばの円高水準との逆風が吹く中でスタート。

● 当然のように、寄付きから売り先行。ただ、莫大な売りが出たという印象ではなく、買いが手控えられるなかで、スコン、スコンと下値が入ってしまった印象でした。最近の相場は、足元の流れを考えたりシナリオや動きを想定するのではなく、朝起きてNY株式市場動向とCME日経平均先物の動向を見てから考える(その時点である程度、決まっている(^^;)状態なので、特にサプライズはありませんでしたが…。

● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比468.07円安の7929.15円(9時35分確定)。寄付きからかなりの売りが出たのが分かりますが、実は前場の日経平均のザラ場安値は、前日比477.90円安の7919.32円(-5.69%、9時47分)、同じくTOPIXは同40.38pt安の787.09pt(-4.88%、9時40分)で、ほぼSQ値が確定した頃が底だったのです。つまり、ほぼ寄付安値だったし、それ以上のフォロースルーの売りは、ほとんど無かったのです。

● 薄商いで軟調ながらも、安値から多少は戻した水準でこのまま安定して終わるのかと思っていたら、流れてきたのがWSJ紙の「GS、9-11月期に最大20億ドルの純損失の恐れ、純損失は1株約5ドル」(WSJ紙:"Goldman Faces Loss of $2 Billion for Quarter")とのヘッドライン。英語で流れたのが日本時間で14時13分、Bloombergは14時18分にヘッドラインを英語で、日本語で14時19分にピックアップして流しています。その瞬間には「ふぅ~ん」だったものの、その辺から、何となく下げ足を速める展開になり、こうなるともう持ち堪えられなかった状況で、前場の安値(ほぼ寄付値)を大きく割り込んでスルスルと一段安。メディアは先物が悪いなどと書くでしょうが、このところの流動性を考えると、こんな時は先物でないと対処が困難。まず先物を売っておいて、時間と買い指値があれば現物を売るって感じです(^^;。結局、日経平均はモロ安値引けで8000円割れ。TOPIXもほぼ安値引けで800pt割れでした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。Y軸の刻みが大きいので、それほど下がった感じがしないかもしれませんが、結構な下げっぷりでした。

● 東証33業種で見ると、32業種が値下がりしたなかで、電力・ガスは値上がり。今はちょうど月初のリバランス時期ですが、情けない相場のなかではリスク・リダクションに走るリバランス以外にやりようがない、という雰囲気に満ち溢れています。一方、東証2部、JASDAQなどは比較感からすると被害は軽い方。この辺も、薄商いで単に値が付きづらかった為かどうかは不明ながら、機関投資家や外国人投資家がたんまり保有しているところを避けている雰囲気がありあり。某FM氏が、「11月最終週の動きを見て、ちょっとやる気が出そうな感じだったのに、この相場だったらまた防空壕入りするしかない」とおっしゃっていましたが、苦し紛れにしても、自分の身を守るためには仕方ない、って感じでした。

● 一方、市場筋推計による今朝の外資系証券寄付前売買動向は、3日連続の売り越し売り越し(2490万株売り/1610万株買い)。実は11月27日にわずか50万株の買い越しだったものの、その前までは14日連続の売り越し。つまり、実際はもっと長期間に渡って外国人投資家の売り越しが継続している、と受け止めた方が良さそうです。売り買いのフローはかなり減っているものの、売り越しがいつまで経っても解消せず、そしてマーケット全体の取引も減少。買物薄のなかでは、規模がそれほど大きくなくてもインパクトが出るという、マズイ状態に陥りつつあります。

● 今日も欧州からかなりの規模のバスケット売りが出ている、との観測が市場で流れていたのですが、それだけではなく、さらにロング/ショートのアンワインドだけではなく、ロングオンリーからの売りも出ていた印象が避けられませんでした。まぁ、大幅安の日には往々にしてそう見えるのですが、それを割り引いて考えたとしても、外国人投資家の処分売り説はかなり有力に感じてしまいました。

● 残りの記録。東証1部出来高は前日比3億7808万株増の18億8919万株、売買代金は同2934億円増の1兆4026億円。確かに前日比では増加しているものの、水準としては薄商い。東証1部値上がりはたったの154銘柄、値下がりは1516銘柄で「ほぼ全面安」。日経平均の日中値幅は402.63円(前場347.00円、後場192.24円)でした。

 TOPIX : 782.28 (-45.15, -5.46%)    日経平均 : 7703.04 (-570.18, -6.89%)    円ドル : 95.20  

● 米国株が大幅安(NYダウは-427.47ドル、-5.07%、S&P500は-52.54pt、-6.12%)で5年ぶりの安値水準。日足チャートでも下抜けの雰囲気がより濃厚になってしまい、CME日経平均先物は大証比405円安の7865円。さらに市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ついに11日連続の売り越し(5010万株売り/2350万株買い)。これだけ重なると、もう「キャン」と言うしかなかった感じ。まだそれでも朝方は「その割には下がらない」といった印象もあったんですが、後場に入ってからは、円高が進行したこともあって、ズルズルと下落幅を拡大する展開。チャート上の逆三尊もあっさりと崩れてしまい、下値不安を抱えた状態での大引け。日経平均はモロ安値引け。TOPIXもほぼ安値引けでした。しっかし、日経市況欄に出ると効果てきめんやなぁ~(-_-;)。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 東証33業種では、電力・ガスがプラスだった以外は全てマイナス。なかでも、保険は業種別指数で-15.33%の下落と極端な下落。ほか、業種別指数で二桁%のマイナスは、不動産、その他金融、証券・商品。実は、この辺の業種はこのところズッ下げっぱなしで、ファクター分析でリバーサルが効かないのを如実に表している格好です。今日もまともにファクターが効かない状態で、どうもアンワインドが出ている印象を持たざるを得ませんでした。一方、こんな日でもプラス銘柄はあるもので、電力・ガス以外でも、JT、JR西日本、住友大阪セメントなどがプラス。他にもニトリ、ABCマート、キッセイ薬品などが年初来高値を更新して、なおかつ終値でもプラスでした。

● 保険がストップ安銘柄だらけだったなかでも、損保ジャパン(8755)について一言。昨日、決算発表したのですが、その内容以上に気になった点が一つ。同社は11月4日に上期業績予想を「上方修正」を発表しており、翌日の株価もそれなりに上昇したのです。そして、昨日、通期業績予想を赤字に「下方修正」。確かにルール上は間違ったことはしていないのでしょうけど、市場との対話といった観点からは「なんじゃそりゃ?」状態。上期の上方修正と同時に通期下方修正も発表すべきだったのです。いくら相場変動が大きいことを理由にしたとしても、です(-_-;)。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億5836万株増の21億0714万株、売買代金は同763億円増の1兆6043億円。多少は前日比で増加したものの、まだ低水準のままでした。つまり、売りが多くて下げたというよりも、値段関係なしに少ない買物にぶつけるような売りが下げ要因だったことを示唆しています。東証1部値上がりは130銘柄、値下がりは1541銘柄。日経平均の日中値幅は446.75円(前場259.23円、後場207.87円)と、ほぼ日中通して下げ続けたことが分かります。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比323.26円安の7949.96円(15時00分確定)と、それほど極端な数字ではなかったのです。つまり、ザラ場でフォロースルーの売り圧力があったことを示唆しています。なお、損保ジャパンが最後まで寄付かなかったのですが、保険株以外は9時44分までに全て寄付いていました。

● 話題変更。GM救済からビッグ3救済へと話が大きくなる一方で、資金枠には限界があるのも確か。一度、特別な救済をしてしまうと、後々まで繰り返し「また金クレ…」状態になるのは古今東西同じパターン。当然、米国政府も米国民もそれを分かっているだろうし、スムーズにコンセンサスが出来上がるかどうかは大きな疑問。その一方で、もしビッグ3のどこかがポシャることになれば、連鎖的な影響は想像するのが困難で、思わぬところに大きな悪影響が出る可能性も大だし、下手すると米国全体の信用が大きく毀損する羽目も想定できてしまいます。だから、 「米国債が最上格トリプルAから転落する日」 (ダイヤモンド・オンライン)といった見方が出てくるし、当然、これは為替にも大きな影響を与えるでしょう。そして、それが日本経済にとってプラスになるとは思えないのです。はぁ~(-_-;)。

● よって、結局のところは防空壕から眺めるしかない、というのが現在の投資家の正直な気持ちでしょうか…。外資系金融機関の多くは、11月末か12月末が決算期末。米系投資銀行は11月末決算が多く、それ以外は12月末決算が多いのですが、この時期は動きたくないし大きな損益を出して決算見通しがブレるのを嫌がるのは、日本企業の3月と同じ。経営陣だけではなく、現場でも今年の総括的なミーティングが増えるし、アプレイザルの時期でもあり、何かと本業以外にエネルギーを取られる、まぁ、そういう時期なんです(^^;。このややこしい時期に、相場はこれだけの難問山積というのなら、誰も敢えて火中の栗に手を出そうとしませんって。心理的に事態を悪化させることはあっても、好転要因では有り得ません。それが相場に素直に出ている感じを受けた1日でした。

● そうそう、ヘッジファンド・クルークで 「ヘッジファンドの多数、年末の資金償還請求期限を11月15日・26日に設定」 との記事がありました。元ネタはダウ・ジョーンズの記事です。まぁ、気にしたらキリがないのですけど、来週月曜日は日本市場が祝日で休み。明けて25日(火)には、終値でMSCIのリバランスがあり、米国は27日(木)はThanksgivingの祝日で休場。28日(金)の米国市場は開いているものの短縮取引日(NYSE休日スケジュール)。何かと微妙な空気が流れそうな1週間です(^^:。

 TOPIX : 835.44 (-15.05, -1.77%)    日経平均 : 8328.41 (-194.17, -2.28%)    円ドル : 96.65  

● 寄付き段階から軟調なのは多くが予想していたでしょうし、その通りの展開。ザラ場は上下動があったものの、方向感は乏しく商いも低調。物色は内需ディフェンシブ系が中心で、「参加したくない」という雰囲気が濃厚な1日。色々な懸念材料は山積みの一方、下値ではそれなりに買いが入ってくる状況で、どちらにも動きづらい地合いで、結局は、上も下も行ききらない状態のまま大引け。東証1部の売買代金は前日比1326億円減の1兆4922億円にとどまり、これは9月1日に1兆4243億円を記録して以来、約2ヵ月半ぶりの低水準でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 出来高や外国人のフローが少なくなっている点は、ある意味では、暴力的に値段関係なしに叩き売る向きが一巡してきた印象につながります。ただ、これで全てが終わったとは、誰も考えていないでしょうし、その不透明感が根強いこともあって、積極的な買い手が現れてきません。当面は、経済情勢にしても企業業績にしても、かなりネガティブなニュースフローが続くのは簡単に想像できるし、あちこちで「人員削減」の嵐が吹いている昨今、気持ちとしてもそれどころではない、というのが正直なところだと思います。まだ時間が必要なのは間違いなさそうですけど、その一方で、チャンスを狙う気持ちは失いたくないところですけどね。

● 記録。東証1部出来高は前日比7519万株減の19億5094万株で、売買代金で見るほど低迷ではなかったものの、やっぱり薄商い。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比162.84円安の8359.74円(9時20分確定)。東証1部値上がりは745銘柄、値下がりは846銘柄で、指数ほどは酷くなかった印象。これは中小型株がまぁまぁだったことが影響しています。日経平均の日中値幅は138.17円(前場138.17円、後場100.00円)と久しぶりの小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、これで9日連続の売り越し(2170万株売り/1480万株買い)でした。もっとも、フローはかなり少なかった印象だったのですが…。

● さて、既にあちこちで指摘されているように、テクニカル的に、TOPIXも日経平均も「逆三尊」を強く意識する展開が数日続いています。その注目レベルが、TOPIXで835pt近辺、日経平均で8200円弱。ここを割り込んでしまうと、10月27日水準(TOPIXで740pt、日経平均で7200円弱あたり)がモロに見えてくることになります。ただ、はっきりとネックラインを割れてくるまでは、その手前で買戻しや押し目買いが入るのは当然のことで、今日もザラ場ではその印象がかなり強い1日でした。上値としては、20日移動平均線や25日移動平均線を意識する声も多く、買戻し以上に上値を買う動きもありませんでした。

● 日経平均の日足を付けておきます(出典:ケンミレ株式情報)。

● 外部環境として、ファンダメンタルズ面の要素に不透明感が強いだけに、中長期の参加者が増加し辛い状況です。さらに、ヘッジファンドなどの外国人投資家の参加が減少してしまっていることで、市場参加者の視点も偏りがちになってしまい、「迷える子羊」軍団が特に理由もなく右往左往しているというか…(^^;。そんな中で足元の市場参加者を平均すると、どうしても目先指向が多くなるし、テクニカル指向が強くなってしまいます。そのため、余計にテクニカルを意識する見方が結果的に「効く」状態(^^;。まぁ、もう少し何か外部環境なりに方向性が出るまでは、こんな感じが続くのかも知れません。

● 一方、S&P500やNYダウの日足は、ちょっとテクニカル的にヤバイ雰囲気が隠し切れなくなってきた印象(-_-;)。S&P500では10月末の安値で845ptあたりが下値だったものの、おとついは「ヒゲ」でその水準を一瞬割り込んでいます。最後にドカンと上昇したので終値ベースでは維持しているものの、昨晩の下落でかなり際どい水準まで下げています。NYダウも8175ドルあたりが安値水準だったものの、おとつい同様に「ヒゲ」で瞬間風速割り込み、終値ではセーフ。ところが、昨日の下落でギリギリの水準まで来ています。ここをはっきりと割り込んでしまうと、もう日足ベースではメドがありません(^^;。ITバブル崩壊後の安値で、S&P500で800pt弱、NYダウでは7500ドルの水準を何度かアタックして跳ね返しているので、この辺がメド。ここを割れると…です。

● 同様にS&P500株価指数の日足を付けておきます(出典:ケンミレ株式情報)。ちょっとチャートが見難いかもしれませんが、そんな時は、お手元の色々なチャートソフトでご参照下さい。

● そうそう、AC/DCとかThe Whoの話、意外感があるほど反応を頂きました(^^;。自分だけじゃあないと嬉しくなっちゃいました(^o^)。

 TOPIX : 837.53 (-37.70, -4.31%)    日経平均 : 8238.64 (-456.87, -5.25%)    円ドル : 95.80  

● オーバーナイトの米国株市場が再び大幅安。CME日経平均先物は大証比575円安(イブニング比でも435円安)の8165円。昨日大引け後のイブニング取引がえらい安いなぁ~とは思っていたものの、それを上回るドカン。おまけに94年台半ばの円高水準となれば、東京も初っ端から「キャン!」。もっとも、最初に売られた後は、それほど大きな下値はなく、後場終盤は戻り歩調。もっとも、最後の最後に不安感からか先物が売られてしまい、裁定解消売りなどを引っ掛けて、結局は大幅安。今日は円高の影響がかなり大きかったこともあり、日経平均はTOPIXよりも1%ほども下落が大きくなっています。

● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比414.14円安の8281.37円(9時36分確定)と、初っ端からかなり派手に売り込まれたことが分かります。前場はこの辺が安値(TOPIXは9時26分、日経平均は9時31分に前場安値を記録)でした。昼休みギャップが+77.07円と大きく上に跳ねたものの、その後は逆にジリ貧。TOPIXは13時40分に-44.08pt(-4.31%)、日経平均は13時41分に547.21円安(-6.29%)のザラ場安値を付けています。その後、かなり戻した(日経平均で250円ほど)のですが、最後の10分間ほどで売られて終わり。特に何かニュースがあってというよりも、ロングでオーバーナイトするのが恐い、という心理状態が色濃く出た印象でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 明日はミニSQ(11月オプションSQ)だし、G20金融サミット(緊急首脳会合)を控えているし、12月末から逆算して45日と、何かと不安になる材料が揃っているというか…(^^;。事前に心配すればするほど、往々にして何も起こらないものなんですが、それでもやっぱり「無理することはない」になってしまうのは、避け難いところ。AIGの件にしても、GMの件にしても、GE(GEキャピタル)の件にしても、真剣に考えようとすればするだけ、考えたく無くなってしまいます(^^;。だから、考えないで済むような妙な銘柄を物色するのも一つの手は手ですが、多くの投資家は着地点というか、最悪シナリオが読めるようになり、その場合の行動が想像できるようになるまで、やっぱり手控えてしまいます。仕方ないんですが…(^^;。

● 実は、そんな相場でも年初来高値を付けている銘柄はあるもので、東証1部では、ワタミ(7522)、サイゼリヤ(7581)、ABCマート(2670)、ツムラ(4540)、クレスコ(4674)が年初来高値更新。52週高値にしても同様で、ライトオン(7445)が加わります(Bloombergで抽出)。お手元の端末で日足チャートをご覧頂くと分かるのですが、ワタミやサイゼリヤの右肩上がりは、「一体、何やねん?」って感じ(^^;。サイゼリヤなんて、あのメラミンピザ事件が絶好で究極の買い場だったのですから…(^^;。こちらから上記銘柄の3ヶ月日足チャート(Yahoo! JAPAN Finance)を表示できるようにしてあります。

● ABCマートとツムラはMSCI指数採用というネタがトドメ的な上げ要因でしょうけど、その前からそれなりに堅調でした。クレスコは出来高が少な過ぎるので除けておいて、ライトオンも「"地球を救う"Tシャツ」だけでこうなるとは思えないし…(^^;。この辺の銘柄をピンポイントで当てるのは無理ですが、それでも元気な銘柄はあるってことです。そして、こうやって並べてみると、共通項が見えてくるような気がしませんか? なお、蛇足だとは思いますが念のため、上記銘柄を推奨するものでは絶対にありません。追随するも逆張りするも、そして見送るも全て自己判断でよろしく。

● 残りの記録。東証1部出来高は前日比1億1592万株増の21億9245万株、売買代金は同875億円減の1兆7576億円。東証1部値上がりは248銘柄、値下がりは1404銘柄。日経平均の日中値幅は416.17円(前場334.39円、後場257.91円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅な売り越し(4240万株売り/1880万株買い)でした。

 TOPIX : 889.36 (-27.29, -2.98%)    日経平均 : 8809.30 (-272.13, -3.00%)    円ドル : 98.00  

● 「ヤバイ」と思えばスッと戻るし、「行ける」と意気込んだら急に止まる。なかなか思ったようにならない千鳥足相場の1日でした。指数の上下動はかなり大きかったものの、正直言って、最近の相場では日経平均で500円ぐらい動かないと、動いた気がしなくなってきたというか…(^^;。完全に感覚麻痺状態です。一方で、まともに投資を考えている向きからすると、これだけ不安定な相場では、命の次に大事な資金を託すには躊躇するのも当然。やるにしても金額を抑えて時間分散するしかなく、余計に商いが薄くなって一方通行的に値が飛ぶ、という状態を誘発しています。まぁ、どちらにしろ方向感が見えてくる1日ではありませんでした。

● 今朝の日経平均のSQ値を計算すると、前日比206.81円安の8874.62円(9時26分確定)と、寄付きからそれなりに売られていたのです。その後、TOPIXで-31.54pt(-3.44%、10時10分)、日経平均で-376.87円(-4.15%、10時11分)まで突っ込んだものの、そこからは戻し歩調。後場寄付きで+94.47円もの昼休みギャップ(後場SQ値-前引値)を発生させて上にピョコンと飛び、13時08分にはTOPIXで-2.78pt(-0.30%)、日経平均で-25.12円(-0.28%)まで戻したものの、その後は結局ジリ貧。ザラ場でこれだけ上下した割には、出来高や売買代金は今一つの状態が続き、板薄状態というか、市場参加者が方向感を持てずに、さまよえる子羊状態になっているのが見て取れます。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 今日は東証33業種のうち32業種がマイナス(プラスはゴム製品だけ)。昨日、それなりに行けそうな雰囲気があった"中国関連"銘柄は、一部に残り火的な堅調さこそあったものの、全体を引っ張るには明らかに力不足。「継続性があれば…」の状態だったのですが、どうも「???」が残ってしまった格好。今週はミニSQや12月末から逆算して45日目など、色々と神経質になりやすいイベントが週末に控えているだけに、動きがとり辛い状態が続くと覚悟しておいた方が良いのかも知れません。

● 記録。東証1部出来高は前日比4206万株減の20億8189万株、売買代金は逆に同343億円増の1兆6924億円。お世辞にも活況とは言い難い状態でした。東証1部値上がりは351銘柄、値下がりは1284銘柄で、日経平均の日中値幅は351.75円(前場280.00円、後場257.00円)。一方、新興市場は全体に東証1部よりも堅調で、マザーズやヘラクレスはプラス(マザーズ+2.01%、ヘラクレス+1.06%)でした。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4日連続の売り越し(2210万株売り/2170万株買い)でした。フローはガタッと減ってしまいましたが…。

● 話題変更。今日から例の"市場対策"絡みで、空売り残高情報の公開が始まっています。東証HPでは 「空売りの残高に関する情報」 からアクセスできます。直接ご覧頂ければ分かりますが、PDFファイル(ZIPされている)でポジション保有者別に出ているのは、興味深いものがあるものの(普段は"客名"を直接的に見ることは少ないので…)、0.25%超の空売りポジションがあると分かったとして、将来的な買い要因だってことは認識しても、それが実際の株価の動きにどう影響するかは分かりません(^^;。

● 今日の開示分(17時分)をざっと見たところでは、ドイツ銀行ロンドン支店がアイフル(8515)を5.73%空売りしてたり、SFCG(8597)を2.9%空売りしているのが開示されており、野村インターナショナルが同じくアイフルを4.812%も空売りしていると開示されて、「ほぉ~」でした(^^;。その他に「網谷充弘(東京都渋谷区)」って個人(?)投資家が小林洋行(8742)を0.3328%空売りしているとかも開示されています(ぐぐってみると、弁護士さん?えぇんかいな?)。

● 今日が開示初日なので、それなりに興味津々で追い掛けたものの、継続的に追い掛けるほどの情報かどうかは、良く分かりません(^^;。これが「市場対策」というのだったら、手口公開の方がもっと良い(不正防止にもなる)と思うんですけどねぇ~。それと、PDFファイルは如何にもデータとしては扱い難いです(^^;。もっとも、その扱い難さもある意味で目的の一つかも知らんけど…。

● もう一度、話題変更。今晩の米国為替・債券市場は、ベテランズデーの祝日のため休場です。ただし、株式市場は通常通りの取引です。もっとも、為替や債券が休みなので、あまり盛り上がるとは思えないのですが…。昔から不思議に感じているのですが、なぜか、米国ではマーケットによって休みが違うのです(^^;。為替や債券はFRBの予定に従っており、株式はNYSEの予定に従っているのです。 FRB休日スケジュール(為替・債券) NYSE休日スケジュール(株式) をそれぞれどうぞ。

 TOPIX : 879.00 (-30.30, -3.33%)    日経平均 : 8583.00 (-316.14, -3.55%)    円ドル : 97.55  

● しかしまぁ、何と言いますか、かなりえげつない乱高下の1日でした(^^;。メディアは「トヨタショック」と書きたがるでしょうし、実際、トヨタには、あちこちのアナリストから格下げ爆弾が集中し、朝からストップ安売り気配。自他共に認める"日本株式会社"の代表選手がこれだけ痛んでいるってことは、他の銘柄もアカンやろ、との連想が広がるのは避けられなかった格好で、心理的にも相場全体に大きな影響を与えたのは違いありません。朝方はこの辺の不安材料から、ズルズルと下げ幅を拡大する嫌なパターン。それでも、前場中盤に安値を付けてからは、多少戻して前場終了。

● 後場にトヨタが「意外」にもスッと寄付いた(しかも、ストップ安より上で寄った)ことが、先物でのショートカバーを誘い、加えて年金資金なのか、それなりに大型株中心に買いが入ったことで、指数は前場のドツボからあっという間に戻し、先物は一時、前日比でプラス(指数はプラスまでは行かなかった)。日経平均で600円ほども戻したのですから凄いことです。年金買い観測については、ちょうど月初のリバランス時期だし、株式のウェイトが落ちているのは誰が見ても想像できるので有り得る話。その辺の背景に加えて、先物を中心にヘッジ売りを出していた向きが踏まれた感じもありました。だから買戻しが一巡してしまうと、再び下値模索、スルスルと下落して、結局は大幅安。まだ、不安定な相場はこの先も続くと覚悟しておいた方が良さそうです。

● 下に今日の指数の動きをまとめておきました。凄い日中のスィングで、船酔いしそうでした(^^;。なお、SQ値概算はTOPIXに関しては前場終了時で計算。日経平均も同じく前場終了時で切っています。後場にトヨタが上で寄付いているので、若干のズレがありますので、為念。大部分の銘柄は10時前までに寄り付いたのですが、チャートが階段状に下がっているところは、気配が5分毎に更新された結果で、これは本当の意味での「ザラ場」ではないと考えています。なので、始値とせずにSQ値を使っています。蛇足的解説でした(^^;。

TOPIX日経平均
概算SQ値 860.86(-48.44, -5.33%, 11:00)8406.50(-492.64, -5.54%, 11:00)
高値 900.49(-8.81, -0.97%, 13:32)8868.10(-31.04, -0.35%, 13:32)
安値 851.32(-57.98, -6.38%, 09:52)8266.09(-633.05, -7.11%, 09:52)
終値 879.00(-30.30, -3.33%, 15:00)8583.00(-316.14, -3.55%, 15:00)
(概算SQ値は虎年の獅子座算出)

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 日中の値動きも激しかったのですが、今週(4日間)の値動きも激しく、TOPIXは最初の2日間で+99.79pt、後半の2日間で-87.91ptの行って来い。日経平均は2日間で+944.26円して、木・金曜日で-938.24円と究極的過ぎるほどの行って来い。この1週間は何だったんでしょう? (^^; (^^;

● 記録。東証1部出来高は前日比3億4070万株増の27億1704万株、売買代金は同1908億円増の2兆1896億円。東証1部値上がりは296銘柄、値下がりは1360銘柄。日経平均の日中値幅は602.01円(前場508.40円、後場389.15円)。なお、今日は新興市場が比較的堅調で、マザーズやJASDAQ指数はプラスでした。一握りの銘柄動向に左右されたため(マザーズはミクシィ、JASDAQはセブン銀行とか)ってのはありましたが…(^^;。一方、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅売り越し(4520万株売り/2150万株買い)でした。

● 雑談的にもう少しトヨタについて。トヨタは寄付きがストップ安近くの3330円(前日比480円安)、終値は3460円(350円安)でした。前場中はストップ安売り気配だったものの、後場寄付きで少し上で寄ったちょっと珍しいパターン。営業利益予想を1兆円減額というのは、ニュース・ヘッドライン的にもかなり派手だし衝撃的。下期赤字の可能性を示唆するアナリストも数多く、初っ端から条件反射的に売られたのは仕方ない格好でした。米国で取引されているADRが大幅に下落したのは、トヨタとGMを同一視したのではないにしろ、自動車会社に対する不安感は米国の方が強かった可能性は大きかったのかも知れません。敢えて、トヨタが何を考えているのかを深読みすると、これ以上の下方修正はしたくない、ってところでしょうか。それを信じることが出来るかどうかが判断の分かれ道です(^^;。それでも営業利益ベースで6000億円も儲かるのですから、ある意味では大したものです(^^;。

● トヨタ(7203)の日中足も付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

トヨタ(7203)日中足

● 祝日のおかげで1日短い週でしたが、相場がかなり荒っぽいこともあって、そんな感じがありませんでした(^^;。何はともあれ、良い週末を!

2008年11月06日(木) .... 急反落、不安定な地合いが継続

 TOPIX : 909.30 (-57.61, -5.96%)    日経平均 : 8899.14 (-622.10, -6.53%)    円ドル : 97.80  

● 米国株式市場の流れから、ある程度は安いことは皆が覚悟していたでしょうけど、後場の下げ方は予想以上に大きかった感じを受けました。まだ全てが解決したのではない、との考え方は大なり小なり市場参加者の99%が持っているでしょうが、それにしても指数で5%超も上下するのは尋常ではありません。その尋常で無い状態が連続して発生するのですから、防空壕からちょっと首を出しかけた向きも、「まだあかん」と引っ込んでしまいそうな1日でした。大引け間際にバスケット買いが入ったおかげで安値引けは免れたものの、ザラ場安値はTOPIXで-65.59pt(-6.78%、14時49分)、日経平均で-714.53円(-7.50%、14時50分)まであり、大引け前までズルズルと下落した様子が見て取れます。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 東証33業種は全てマイナス。昨日爆騰した業種が見事に急落しており、いくらリターン・リバーサルと言っても極端過ぎる動き。オーバーナイトのギャップが大き過ぎて、超高速回転ファンドでも、このドッタンバッタンは取れないことの方が多いのです。ファクター分析をすると、今日はさすがにリバーサルは一服。という以上に、これだけギャップだらけで荒れてしまうと、なかなかモデル君も分析が難しかったようで(^^;、スペシフィック・リスクがかなり大きな1日でした。

● 米国雇用がこれからドンドン悪化し、日本の雇用も悪化し、さらに経済状況に関するニュースも当面は悪い話ばかりになりそうなのは、誰もが覚悟している話。それでも上昇することがあるのが株式だし、「不景気の株高」に期待する声が増えているのも確かです。これだけ世界中の中央銀行が金融緩和していると、萎縮しまくったマネーが少しだけでも「通常」に近くなれば、過剰流動性に伴うイケイケドンドン相場がやってくる可能性も、ゼロではないのです(^^;。ただ、それに期待したい気持ちは分vかるのですが、今それに全力で賭けるかと聞かれると、やっぱりタイミングが見えないって答えるしかない状況。タイミングさえ合えば、それこそ「てきと~」に銘柄を選んでも、それなりに儲かることが多いのですが、タイミングが間違っていれば、銘柄がドンピシャでも駄目ってことです。そのタイミングは、まだ見えてくる気がしません。基本的には心を広く持ちつつ、徹底的に時間分散することと考えています。

● 記録。東証1部出来高は前日比4億8957万株も減少して23億7634万株、売買代金は同3292億円減の1兆9989億円。東証1部値上がりは1456銘柄、値下がりは215銘柄で昨日の裏返し。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比500.63円安の9020.61円(9時35分確定)と朝から相当売られたのが分かります。ただ、そこから後場中盤以降にズルズル下がったことは、フォロースルーの売り圧力を感じてしまいました。日経平均の日中値幅は573.59円(前場407.34円、後場226.29円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び大幅売り越し(3930万株売り/2430万株買い)でした。

● 雑談。先日、円が急騰した局面で、個人がユーロなどの外貨買いに走り、街中の両替店に列が出来て、ユーロなどが品切れになったとのニュースがありました。「元気やなぁ~」と感心していたら、金貨などもいまや買えない状態なんですね(^^:。田中貴金属のHPには、 「【お詫び】金貨、プラチナコインの一部販売停止に関するお知らせ」 が掲示されています。行き場所の無い資金があるのは違いないのでしょうが、何か違ったところへ向かっているような気がしてなりません。まぁ、バナナダイエットのように、すぐに落着いてしまうのかも知れませんが…。

 TOPIX : 867.12 (-32.25, -3.59%)    日経平均 : 8576.98 (-452.78, -5.01%)    円ドル : 97.95  

● 昨日までの3日連続急上昇の反動もあって、朝から軟調なスタート。ただ、ドカンと売り込むような感じではなく、連休控えて、米大統領選を控えて、日銀アナウンスメントを控えて、ひとまず利食いできるものは外しておこう、という空気がいっぱい。12時30分にみずほFG(8411)から業績下方修正が発表されたものの、それを「好感」して(^^;、相場はグイッと戻し。ただ、それも板薄のなせるワザって感じで、プラス圏をバンバンと買いに行くほどでもなく、何となく模様眺め気分が強まるなかで、午後2時前後の日銀待ちの状態に。

● 13時58分に情報端末上に流れたヘッドラインは、「日銀、政策金利を0.30%に引き下げ」、「4賛成、4反対で議長決定」のヘッドライン。ヘッドラインが流れた2分後ぐらいから、為替が急速に円高方向に進み(反応がなぜか鈍かった)、これで株式市場は、スコーンと下落。ただ、為替がすぐに元の水準近くまで戻したことで、株式市場も比較的すぐに株式市場は落ち着きを取り戻してチャンチャン。もともと「利下げ」は実体経済への効果云々ではなく、アナウンスメント効果期待だったものの、それが今一つの効果だったのは否めない状況。業績発表シーズンが終わって下方修正が出尽くしてしまえば状況は変わるのでしょうが、今の株式市場にとって、一番恐いのは円高。日銀利下げが、その歯止め効果としては中途半端だったことで、まぁ、何とも煮え切らないイベントになってしまいました。

● その後は基本的に週末ムード。ここ数日は最後の1時間にズンズン上昇するのが恒例になっていたのですが、今日は完璧に逆に出てしまった格好。最後の10分間ほどは、現物市場での換金売りや、このところ続いていた「公的資金"の買い」に期待して買っていた向きの投げ売りに加え、先物にはヘッジ売りがかなり出たようで、断続的な裁定解消売りを引っ掛けてスコーン。心配材料が山積みのうえ、月末・月初に荒れる状態が続いているだけに、この辺の不安定感は止むを得なかった感じでした。ただ、安値引けするほど売られるとは考えていませんでしたが…。大引け直前にズッこけるのは、ある意味でNY市場に似てきた印象ですが、もちろん、あまり好ましい状態ではないです(-_-;)。

● 今日は日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。出来高が一緒に掲載されているので、午後2時のところや、大引け間際に商いが膨らんでいる様子がご覧頂けると思います。

● 記録。東証1部出来高は前日比2億5351万株減の27億8236万株、ただ売買代金はほぼ前日と同水準で、逆に同117億円増の2兆2952億円でした。東証1部値上がりは750銘柄、値下がりは892銘柄で、時間的な都合もあって最後は大型株中心に売られたことが見て取れます。新興市場はプラスでしたしね。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比217.05円安の8812.71円(15時00分確定)。ニコン(7731)とソフトバンク(9984)が最後まで寄付かなかったものの、多くは9時半までに寄付いていました。日経平均の日中値幅は435.33円(前場285.92円、後場435.33円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、2日連続の買い越し(4280万株売り/4340万株買い)でした。

● これで10月が終わったのですが、色々な意味で歴史的な1ヶ月でした。TOPIXは9月末 1087.41pt→10月末 867.12ptで -20.26%。日経平均は9月末 11259.86円→10月末 8576.98円で -23.83%。日経平均採用銘柄で、この期間中に上昇したのは、たったの6銘柄。上昇率順に上から行くと、東京電力、関西電力、信越化学、JAL、中部電力、積水ハウス。ちなみに下落率上位3銘柄はパイオニア、日立建機、太陽誘電で、いずれも半値以下になっています(T_T)。ユニバースをTOPIX500銘柄まで広げると、カブドットコム証券(8703)が栄光の値上がり率トップ(+27.31%)。下落率最悪はエルピーダ(6665)で-73.63%でした。はぁ~(^^;。なお、いずれもBloomberg ProfessionalのMRRを使って計算しています。

● 一歩下がって眺めてみると、サブプライム爆弾が爆発したのが昨年8月と考えると、これでようやく1年とちょっとが経過。「小回り三月、大回り三年」という相場格言を考えると、まだ半分以上残っていることになります(^^;。さらに足元の相場でズッコケが始まったのを、リーマン・ブラザーズ破綻と考えると、それも半分程度の経過率。相場格言が万能だって言うのではないにしても、これだけ相場が大きく動いてしまえば、人の心理が変わるのには時間が必要なのは真実です。この時間の枠のなかで、現在、何をどうすべきかを静かに考える時だとは分かっているものの、ただ、その答えはなかなか出てきません(^^;。

● 何はともあれ3連休。某市場筋氏によると、3連休明けは「荒れる」との経験則があるそうですが、まぁ、「心配してもしゃあない」ってことで、秋を楽しむことにしましょう(^o^)。そろそろ関東近辺も紅葉が迫ってきたのかな?良い週末・連休を!

 TOPIX : 746.46 (-59.65, -7.40%)    日経平均 : 7162.90 (-486.18, -6.36%)    円ドル : 93.35  

● 前場はプラスとマイナスを行ったり来たりの展開。先週末のイブニング取引で、日経平均先物は7100円というトンでもない値段を付けたものの、週末の米国株市場がそれほど懸念されたほどで酷くなかったことあんどから、前場はまぁまぁ落着いた動き(比較感の問題ですが(^^;)。もっとも、大型増資が伝えられたメガバンクは朝からかなり安かったことで、日経平均と比べると、TOPIXは水面下の動きの時間が圧倒的に長かったのですが…。

● 後場に入って最初の1時間は比較的静かな動き。ところが、午後1時半頃から雷雲が広がり始め、ズルズルと下落幅拡大。午後2時過ぎには、スコーンと下落してあっという間に大幅安。特にこれと言った売り材料は無かったものの、市場安定化策のニュースが流れたあたりから、相場が不安定化したなんて、ホンマ、しゃれにもなりません。為替介入がなかった点を嫌気したのかも知れないし、焦点ボケ対策に嫌気がさしたのかも知れません。GLOBEXの米株先物の軟調さも嫌気されたでしょう。いったん下がり始めると、もう心理的にも支えきれず、アレヨアレヨの下落。一度下がりだせば止まらない、というマーケットの脆弱性ばかりが目立つ1日になってしまいました。

● 結局、TOPIXも日経平均も2003年のバブル崩壊後安値をあっさりと下回ってしまい、TOPIXは1984年1月6日に739.87ptで引けて以来(だとと思う)の安値となり、日経平均は1982年10月7日に7114.64円で引けて以来、なんと26年ぶりの安値。まぁ、こんな記録調べても仕方ないのですが、それだけ酷い事態に陥ってしまったのです。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 市場安定化策が発表されたのですが、あまりマーケットでは話題になっていませんでした。「空売り」が相場下落の主要因ではないのは皆が分かっているし、さらに、多くが「これでは止まらない」と十分以上に理解しているからでしょう。ただ、話題になっていたのが「ネイキッド・ショート禁止」の件。その内容は 「空売り規制を強化、株の手当てなく売りつけることを禁止へ=金融庁」 (ロイター)あたりのニュース記事や、金融庁のリリース 「空売り規制の強化について」 をご参照下さい。

● 何が不思議かと言えば、日本でこの「ネイキッド・ショート」というのは、あらかじめ株券を手当て(借りてくる)しない空売り。圧倒的大多数の空売りは、制度信用や一般信用で売るので、これは「手当てしている空売り」になります。何がネイキッド・ショートになるかと言えば、空売りするための株券を借りれないのが分かっていて空売りする馬鹿のことで、意図的に受渡をフェールさせるような取引。この類の取引は、これまでもずーっとご法度だったし、改めて禁止されるようなものではない、というのが私の認識。法律で禁止されていなかったってこと?少なくとも、個人的に理解していたところだと、これまでも駄目だったハズなんですが…(^^;。それを明言したことで「規制強化」というのは、まぁ、何と言いますか…(^^;。

● また、「発行済株式総数の原則0.25%以上の空売りポジションの開示」は、誰が売っているのかが見えることで、心理的な沈静効果が考えられる一方で、もし口座を分散してやられたらどうなるか?ってところは不透明。あくまでも自己申告だし、違反がバレたらそれなりのペナルティを食らうんでしょうが、証券会社側は自分のところで取引されたものについては、ある程度把握できるとしても、顧客の取引全てを把握することは言うまでもなく不可能。まぁ、もともと空売りが主要因で下がっている相場ではないので、"規制強化"しながらも、大した実害は与えないという"微妙な味付け"を当局が配慮してくれた、と理解しておくことにします(^^;。

● さすがに「これでもかぁ!」というほど暴力的に見える相場下落を受けて、さすがにメディアでも「異常」という語句が増加してきた印象があります。確かに異常は異常なんでしょうけど、Gartman氏の"Rules of Trading"の一つに「Markets Can Remain Illogical Far Longer Than You Or I can Remain Solvent」ってのがあるように、常識的に考える以上に、こういった状態が長続きするリスクについては、頭のどこかに入れておきたいところです。これも当然の話で、"常識"が通用しないから"異常"と呼ぶんであって、それを"常識"で推し量ろうとするには無理があるのです(^^;。それを踏まえた上で、どう行動するかが大事なんですよね。行動しない、というのも選択肢の一つですが、全員がそれを出来るワケではないのが難点です。

● 記録。東証1部出来高は前週末比4億5898万株の増加で30億9554万株、売買代金は同1755億円増の2兆2324億円。売買代金はそれほど増加しなかったものの、出来高の30億株超は10月10日に32億7441万株を記録して以来。ただし、この日はミニSQだったので、SQ以外だと今年1月16日に30億2815万株を記録して以来と、かなり昔のことになります(^^;。さすがにパニック的な売りが出た可能性を感じさせます。

● 東証1部値上がりは126銘柄、値下がりは1556銘柄で、金曜日とほぼ同レベル。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前週末比23.13円安の7625.95円(9時44分確定)と静かで、少なくとも朝の寄付き段階では、これほどまでの下落を想定しなかったことがうかがえます。日経平均の日中値幅は737.70円(前場392.53円、後場595.35円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(3330万株売り/2160万株買い)でした。

● 最後に訂正を1件。金曜日、TOPIXのバブル崩壊後安値を「2003年4月28日の773.10pt」と書いたのですが、これは間違い。「2003年3月11日の770.62pt」が正解です。良くやるんですよ…(^^;。伝聞を盲信しないように(^^;。もっとも、今日の相場は、関係ないほど下げてしまいましたが…。

 TOPIX : 806.11 (-65.59, -7.52%)    日経平均 : 7649.08 (-811.90, -9.60%)    円ドル : 95.40  

● 今晩は証券業界関係者の400人規模の盛大な「飲み会」があり、更新が遅くなりました(^^;。「こんな時期に…」って声があるかもしれませんが、「こんな時期だからこそ!」です。何だかんだ言っても、証券界は会社の枠を超えた人と人のつながりで成り立っている業界なんです。ほろ酔い気分で更新と行きたいのですが、今日の日本株市場はもちろんのこと、アジア株式市場はボロボロ。欧州株式市場もボロボロだし、始まったばかりの米国株式市場もボロボロ。円高はひたすら進行しているし…。

● 最初から行きましょう。米国株式市場はまちまちながら、相変わらず不安定感が目立つ印象。東京も初っ端の1時間から昨日同様にスコーン、スコーンと下落幅拡大。日本株がここまで売られる理由はなかったと思うのですが、今のマーケットは理屈で対処しようとするとやられます。相場を見る限りでは、最初の1時間にかなりの売り圧力が発生したようで、これは海外の投信筋の可能性が大。色々と解約だのが出ているのでしょうネ。日本円が急上昇したおかげで、ドルやユーロベースで見れば、生の指数で見るよりも下げが緩やかに見えるでしょうし…。

● 一度は戻り掛けた相場も、前引けに掛けてジリ貧。後場に入ってすぐに、日経平均はあっさりと8000円割れ。1ドル=95円台前半、1ユーロ=121円台の円高水準、そして週末を控えているとなれば、もう止まらなかった感じでした。買物薄のなかをビッドを叩くような売りが多く、トレーダーにしても「待っていると先に下を売られる」状況。最後大引け間際の15分間では一段安となり、結局、TOPIXも日経平均も想定外の急落。TOPIXは終値ベースで2003年5月2日の804.62pt以来の安値、日経平均は2003年4月28日の7607.88円以来の安値で、いずれも約5年6ヶ月ぶりってことになります。この2003年4月28日は、日本のバブル崩壊後安値だったので、そこまで行って来いで下がってしまったことになります。ちなみに、TOPIXは2003年4月28日の773.10ptがバブル崩壊後安値です。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● きれいな理由としては、ソニー決算・業績予想への失望、外需銘柄への警戒感、グローバル・リセッション懸念などでしょうけど、足元では現金化に伴う需給関係の悪化が相場下落に拍車を掛けているのが否定できない状態。投信の解約やヘッジファンドの解約/解約に備えて現金化する動きが途切れない印象があります。実は、先週後半から今週前半に掛けては、少し一服感もあったのですが、それは完全な間違いだったってこと。昨日も書いたように、投信の解約はモロに「売り」として出てきます。しかも、解約なので現金化が最優先目的。「高く売る」などとぬるい話をしているヒマはないのです。

● 一方で、理屈としてこの水準を正当化するには、かなりの業績悪化を見込んでいることになるし、それ以上に、極端なリスク(企業破綻など)を織り込みに掛かっているとしか考えられない状況。何らかのきっかけて「リスク過敏の行き過ぎ」と考えることが出来るようになれば、極端部分が消えるだけでも、かなりの株価の戻りになるのは理解できるのですが…。問題はそのタイミング。加えて、行き過ぎ修正には誰かが自分の後で買ってくれないと駄目で、そのメドを立てるのが、現時点ではかなり難しいのも事実。この調子で世界的な株式の急落が続くとなると、欧米で思惑が出始めている「市場閉鎖」も、あながち"思惑"だけでは無くなってきそうです(-_-;)。余計に混乱を招くだけなので、これは完璧な"禁じ手"なんですけど…。

● 金融危機の影響が先進各国のなかで小さいはずの日本株が、他国に足並みを揃えるか、もしくはそれ以上の下落を演じていることについて、某シニアFM氏(海外)が、「日本は上昇相場では成熟国、下落相場では新興国」と笑っていましたが、ホンマ、笑えないジョークです。ただ、外国人投資家が6割ものシェアを握る状態に甘んじてしまい、国内投資家を育てることをサボってきたツケは否定できないところ。同様に、日本経済全体としても外需に頼る構造のままで、内需振興の手を抜いていたツケが積もっていたのも否定できません。

● 円高だって今は嫌気されるものの、1980年代後半には円高は大きな好感材料だったのです。かつて「トリプル・メリット相場」といった言葉が流行ったのですが、その条件の一つが円高だったのですから…。これは、日本経済は内需型バブルだったからですが、重要なのは「内需型」だったということ。政策的に円高でもメリットを受けられるような経済対策が出来れば、世界も日本を見直すきっかけになるのでしょうが、これは相場反転よりも期待薄…(-_-)。この際ですから、バブル崩壊後の安値を割り込んで、それを機会に何かが変わることを期待したいところです。ただ、たとえ変化の芽吹きが出てくるにしても、日本からではなく、海外からなんでしょうね…、残念ながら。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億8984万株減の26億3656万株、売買代金は同2976億円減の2兆0569億円と、決して多くはありませんでした。これは、売り買いが交錯して下げたのではなく、無理矢理にビッドを叩く格好で売られたことを示唆しています。東証1部値上がりは123銘柄、値下がりは1556銘柄で、最近の相場と比較すると、指数の下落ほどは"強烈"ではなし。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比158.06円安の8302.92円(9時45分確定)で、少なくとも朝の寄付き段階では、これほどまでの下落を想定しなかったことが分かります。なお、昼休みギャップもかなり大きく、後場SQ値は前場終値に対して-58.61円もありました。日経平均の日中値幅は743.97円(前場378.08円、後場335.95円)で、前後場の値幅合計がほぼ1日の値幅という、右肩下がりのトレンドデーだったことが分かります。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き、売り越し(3490万株売り/2140万株買い)でした。

● 悪い相場のことは一時忘れて、紅葉を楽しみたい季節です。皆様も良い週末を!

 TOPIX : 871.70 (-17.53, -1.97%)    日経平均 : 8460.98 (-213.71, -2.46%)    円ドル : 97.80  

● 最終的な数字を見れば大幅続落ながら、ザラ場安値から見ると大幅に戻して終了。TOPIXは前日比 57.55pt安(-6.47%、9時56分)、日経平均は同 658.08円安(-7.59%、9時56分)まであったのですから、ザラ場安値から、TOPIXで 4.50%、日経平均で 5.13%も戻したことになります。決算銘柄に対する反応が良かったとか、GLOBEXの米株先物が堅調だったことなどがあったにしろ、これは凄いことです。

● 時系列で行きましょう。オーバーナイトの米国株市場がまた急落(NYダウで-514.45ドル/-5.69%、S&P500で-58.27pt/-6.10%)。CME日経平均先物は8215円(大証比445円安)と、そこまで酷くなかったものの、実際に東京が始まってみると、この水準を下回ってNY株におつきあい状態。確かに1ドル=97円台、1ユーロ=125円台とかなりの速度で円高が進行したのはネガティブながら、それでも朝方最初の1時間ほどは、「そこまで売るかぁ?」ってほどの売られ方でした。この寄付き後1時間の売りというのは、海外投信系の商いに良く見受けられる特徴。今日もその可能性があったと考えています。その後の1時間、前場中盤以降は、売り圧力がある程度弱まったことを反映してか、相場もジリジリと戻す展開で昼休み。

● ホッと一息付きたかったところが、後場に入って昨日と同じように一段安。為替も対ドル、対ユーロで円高方向に振れて「キャン」(-_-;)。ただ、今日はここからが粘り腰で、その後はアレヨアレヨの戻し。信越化学(4063)の決算が午後1時に出て、同株がそれで上昇に転じた辺りから、相場全体も急速な戻しになった印象でした。昨日大引け後に決算発表したKDDI(9433)も、今日は朝方の一瞬以外はプラス推移だったし、やや安心感が出たというか、材料通過で動き易くなった銘柄に打診買いが入ったところ、意外に株価の足取りが軽かった意外感があったのかもしれません。電力・ガス、テレコム、医薬品・ヘルスケアなどのディフェンシブ系に加え、不動産もプラス転換して、安値からは大幅にもどして終了。今日も日中足は「V」字型でした。

● 日経平均の日中足に加えて、信越化学の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

日経平均日中足
信越化学(4063)日中足

● 記録。東証1部出来高は前日比6億6880万株も増加して28億2640万株、売買代金は同4739億円増の2兆3544億円。売買代金は株数ベースほど増加しなかったものの、それでも前日比で25%ほど増加。今日のザラ場切り返しは、それなりの商いを呼び込んだことが分かります。東証1部値上がりは470銘柄、値下がりは1152銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比399.69円安の8275.00円(14時17分確定)。これはスズキ(7269)がストップ安に張り付いて寄付かなかったからで、9時45分頃までには大部分が寄付いていました。ザラ場で658.08円安まであったので、SQ値よりも260円弱も下げた瞬間があったことになります。そして、終値はSQ値よりも185円ほど上でした。日経平均の日中値幅は531.18円(前場531.18円、後場451.09円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な売り越し(5010万株売り/2840万株買い)でした。

● さて、昨日と今日の相場下落について、実体経済がどうのこうのと理屈を付ける"相場解説"が多いし、それは全然否定しません。しかし、足元のマーケットで起こっていることは、問答無用の「現金化」が断続的に出ているって感じがしてなりません。その現金化を誘発する要因としては、実体経済がどうのこうのというのがあるんでしょうが…。ヘッジファンド主導の強烈な現金化やリスク・リダクションの流れは先月から今月がピークだったのかもしれませんが(そうでない要素もまだまだある)、足元では投信など、もう少し一般的なところから「現金化」が増加している印象があります。彼らはリスク・リダクションというよりも、投資家からの解約に対応する現金化なので背景が異なるものの、マーケットから見ると、現金化という観点からは同じ。価格関係なしでビッドを叩くような売りとなる要因です。

● ヘッジファンドならロング/ショートという格好で両建て戦略が多く、ポジション解消となっても、何かを売る一方で何かを買うことが多いのが通例。一方で、投信などは"ネイキッド・ロング"状態。つまり、解約が来ると、ファンドからはストレートに「売り」だけが出てきます。昨日後場寄付き後すぐに、ファクター分析でサイズがスコーンと下がったので、「誰か大型株主体の売りを出したな」というのはすぐに分かったのですが、この局面でそれをやるってことは、現金化するためとしか考えられないのです。上昇相場で同じことが起こると、「誰か小型株を買いに行ったな…」になるんですけどネ…(^^;。

● 関連して、ロイターに 「ファンド・オブ・ヘッジファンズ、解約要求に備え資金調達」 とのニュースが流れていました。昨日も書いたように、ヘッジファンドの解約通告期限には色々なパターンがあり、例えば今年12月末をターゲットにした分でも、想定できるところとしては、まず9月末、今月末(11月末向け解約の通告も重なる)、11月15日あたり、11月末などの波が考えられるのです。さらに、解約通告をギリギリまで待たないこともあるでしょうから、それ以外の日付でも可能性は常にあります。投信などは解約通告期限といった縛りがないので、余計に「いつでも」状態です。つまり、まだシートベルトを外せるような状況ではない、ってことですネ。

● その一方で、解約の嵐が吹く(吹いている)ことは、どこのヘッジファンドやFoHFsのマネージャーでも嫌になるほど分かっていることで、何も対応していないハズがないのです。かなり多くのファンドが、解約に備えてキャッシュを抱えているのもが事実で、年末までに、どの程度解約されるかが不透明なので、既に半分以上キャッシュなんてファンドも珍しくないのです。今後、何らかの理由により、想定していたほどの解約が出ないということになれば、今度はキャッシュがジャブジャブ過ぎることになり、運用に廻さざるを得ない事態もある得るってことは認識しておくべきかなと…。ただ、それがある程度見えてくるにしても、11月半ば頃まで待つ必要があるとは考えていますけど…。

 TOPIX : 889.23 (-67.41, -7.05%)    日経平均 : 8674.69 (-631.56, -6.79%)    円ドル : 99.55  

● 米国株安(NYダウ -231.77ドル、-2.50%)を受けて、朝からある程度軟調地合いは多くが想定していたでしょうが、ここまで大幅に下がることは大多数にとって完全な想定外。特に後場の下げ足の速さについてはかなりの意外感がありました。タイミングとしては、ユーロが対円でスコンと下落したあたりから売りが加速した印象があったのですが、ユーロ円の急落は、直接的な理由というよりも、きっかけだったと考えています。最近は大幅な値動きに慣れてきたのは事実でしょうけど、先週後半からおぼろげながらも、相場に落ち着きが見え始めていただけに、「まだ終わってないか…」との失望感は避けられず、一気に冷や水状態で心理的にかなり響く大引けとなってしまいました。「疑心暗鬼」という言葉を片隅に追いやることが出来るのは、いつになることやら…。

● 結局、TOPIXも日経平均もモロ安値引け。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比234.97円安の9071.28円(9時33分確定)で、寄付きから売られたものの、この程度の下落は多くが想定していたでしょう。前場はほぼ日経平均9000円あたりでの推移で、SQ値水準から大きく戻りはしなかったものの、売られもしなかったのです。ユーロが対円で130円を割り込んできたのは、後場寄付き直前。そして、スコーンって感じでユーロ安が進んだのが午後1時半前で、同時に対ドルでも円高が進行し、タイミング的に日本株が下げ足を速めたのと一致。

● もっとも、それ以降の円ユーロや円ドルは比較的落着いていたのに、日本株はズルズルと下落幅が拡大し続ける状況。かつて流行った「ユーロ高メリット銘柄リスト」は「地雷銘柄リスト」と化して市場筋の間を飛び交うなか、この辺からは、為替どうのこうのというよりも、心理的に「こりゃあ、到底買えない」という空気が広がってしまった印象でした。加えて、時間が進むとともにアジア各国市場もボロボロになり、余計に「到底買えない」感に拍車を掛けた格好。韓国市場などは、かなり悲壮感があったように感じました。「サムスン電子、サンディスクへの買収提案を撤回」 (日経)ってのも、あれだけウォンが急落してしまうと、どうしようもなかったのでしょうね。公式の理由には出てこないですけど…。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 記録。東証1部出来高は前日比7402万株増の21億5760万株、売買代金は逆に同18億円減の1兆8806億円と、指数の値動きが荒かった割には今一つ。買いが手控えられるなか、ビッドを売りに行かざるを得なかった向きが多かったことを感じさせます。東証1部値上がりはたったの75銘柄、値下がりは1602銘柄で、全面安。日経平均の日中値幅は523.45円(前場208.98円、後場330.04円)とかなり大きく、しかも「前場値幅+後場値幅≒1日の値幅」で、戻りらしい戻り局面が無かったことを物語っています。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再びかなりの売り越し(4220万株売り/2560万株買い)でした。

● 少し話題変更でヘッジファンドの話。市場では、ヘッジファンドの解約通告期限を「45日ルール」などと呼ぶことが多いようです。つまり、投資家サイドがヘッジファンドを解約するには、当該月の月末から逆算して45日前に通告するという話。そのため、ヘッジファンドの決算が多いとされる11月末(本当にどの程度多いのかは良く分からない(^^;)を基準に逆算すると、解約に伴うドタバタ売りは「10月15日まで」との共通認識がある(あった)様子です。

● ヘッジファンドは流動性が高いファンドでも、基本的に月末でしか解約できない場合が圧倒的に多いのです(これはかなり確実)。基準価格(NAV per unit)を計算するのに、運用側も投資家側も月末が都合が良い(きちっとした数字が出る)点があるのです。ただ、流動性はファンドによってピンキリで、毎月解約可能なファンドもあれば、半年に1回しか解約できないファンドもあります。M&A系ファンドは一般的に流動性が低く、半期とか1年に1回のみというのは珍しくありません。一方で、クオンツ系ファンドのように分散が効いたファンドは、毎月の流動性があるものが多いです。M&A系ファンドなどは、個別企業の発行済み株式数のかなりの部分を保有してたりするので、日々の流動性に対するポジションが大きくなり、解約が来た場合に、その対応(現金化)に時間が掛かるってことです。

● そこまでは良いとして、普段からこの「45日ルール」について、かなり不思議に感じています(^^;。実際にヘッジファンドにある程度足を突っ込んでいる方々からは、「そんなに45日ノーティスばかりでもないのにねぇ~」って声の方が良く聞こえてくる印象があるのです(^^;。私にしても全体像を把握するには程遠いのは自覚しているし、実際に「どう」と言い切れるほど数多くのファンドを見ているのではありません。なので、かなり曖昧な話で恐縮ですけど、それでも15日や30日ノーティス、3ヶ月ノーティスなどは良く見掛けるし、個人的な印象として45日ノーティスが大多数とは感じないのです。いつからなんでしょうね、日本で「45日ルール」が定説として広まったのは?(^^; (^^;

● もっとも、今回は解約の申し出が届く前から、圧倒的な「現金化」の動きがあったわけで、単に解約対応だけではないのです。この辺は語れば長くなるので端折りますが、この1~2ヶ月ほどの「現金化」の動きは、最初はレバレッジの縮小(デ・レバレッジング)から始まったのです。この結果、相場が大きく動きボラティリティーが急激に上昇してたことで、意図しないほどのリスクを抱えてしまう結果になり、慌ててリスク縮小(リスク・リダクション)に一斉に走り、それが余計に相場のボラティリティーを高める悪循環に陥ったのです。リスク・リダクションとデ・レバレッジングは大規模な同時進行となり、マーケットは大きく歪み、それが運用成績悪化。そうなると、当然のように解約もドンドン出てきます。リスク・リダクションと同時に、解約に備えて現金を手元に確保しておきたい意向もドンドン高まり、それが余計にポジション解消を誘発して…、って感じです。

● 先週後半から、ようやくグローバルな大津波が収まってきたような雰囲気があっただけに、今日の相場では「10月15日過ぎたのに、何でこんなに売るの?」的な失望感があったのでしょう。失望感に加えて、「まだ続いているのか…」、「いつまで続くのか?」といった不透明感が増してしまい、「買ってる場合じゃあない」と買い手が萎縮してしまう状態。今日の相場でも、午後から一気に崩れた印象があったし、他のアジア市場の崩れ方もみると、日本だけではない資金の動きがあったことを想像させます。もっとも、究極的に背景が見えてくるとしても、まだ相当先の話でしょうけど…。

● 話が長くなってしまったのですが、関連ニュースを一つ。ヘッジファンドクルークでは、「株価続落の原因、ヘッジファンドではなく投資信託の資金確保―米トリムタブス調査」 との記事がありました。元ネタはダウジョーンズの「Forced Hedge Fund Selling May Be Over For Now, TrimTabs Says」ですが、英語よりも日本語で読む方が楽です(^^;。いずれにしろ、まだしばらく一喜一憂の流れは変わりそうにありません。今日の相場でそれをかなり感じてしまった次第です。なお、このサイトのニュースを読むには、無料会員登録が必要です。為念。

● 最後に、夕凪さんの「ダントツ投資研究所」で、「似ているチャートその後」 (http://yuunagi.enjyuku-blog.com/archives/2008_10_post_284.html にもある)がアップデートされています。経済情勢やら相場環境は全く違うのですが、グラフの形やタイミングがかなり似通っているように見えます。相場を動かす要因は何であれ、相場心理の揺れ方には大差ないのかも知れません(^^;。ただし、「かつてこうだった」が「これからどうなる」と同じかどうかは分かりません。為念。

 TOPIX : 864.52 (-90.99, -9.52%)    日経平均 : 8458.45 (-1089.02, -11.41%)    円ドル : 100.10  

● 米国株市場が再度急落。NYダウは前日比733.08ドル安(-7.87%)、S&P500はもっと酷くて-90.17pt(-9.03%)。公的資金注入をまるっきり無視するように急落する相場は、一般的相場解説としては「実体経済の悪化懸念」でしょうけど、ある意味では信用恐慌を連想させる出来事が、金融業界以外でも発生することを想定してしまった可能性があります。一度心理的に壊れてしまうと、極端なケース(企業破綻など)を「有り得ない」と考えることが不可能になり、そのリスクを価格に織り込まざるを得なくなってしまいます。「有り得ない」を普通に「有り得ない」と考えることが出来るようになると、それだけで極端に価格に織り込んだ部分だけでも戻るのですが…。

● 日本株市場。米国株の急落を受けてCME日経平均先物は大証比1025円安(!)の8465円。当然、こちらの先物もその水準を目指して急落。日経平均先物はCME水準を下回る8300円で寄付き、そこでサーキットブレーカー発動で一時取引中断。ただ、比較的早い時間帯に松下(ではなくパナソニック(^^;。6752)などが寄付き(9時05分)、これだけ海運市況がボロボロにも関わらず郵船(9101)が9時20分に寄付くなど、「おっ、意外に早く寄るやん」って印象。株価が100円台の銘柄(太平洋セメント、三菱自動車、川重、IHIなど)は、あちこちでスッと寄付き、個人投資家の参戦をかなり感じた状況。前回の暴落局面で買いそびれた向きが「えいやぁ!」と買い入れた雰囲気でした。

● 9時45分頃には日経平均採用銘柄で寄付いていないのが残り15銘柄となり、大部分の銘柄は寄付いた状態。この辺からザラ場相場スタート。その後、戻りかけては押され、売られかけては戻しと、ずっと底辺でさまよっていた相場は、後場最後の1時間ぐらいに息切れ状態になり今日の安値を更新。この辺からストップ安に張り付く銘柄も増加し、結局、TOPIXは安値圏での大引け、日経平均はモロ安値引けでした。TOPIXも日経平均も歴代第2位の下落率。ちなみに、歴代第1位はブラックマンデー(1987年10月20日、TOPIX=-14.62%、日経平均=-14.90%)で、これまでの第2位はスターリンショック(1953年3月5日、TOPIX=-8.75%、日経平均=-10.00%)でした。

● 今日も歴史的な1日になってしまったので、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● セクターは東証33業種全てがマイナス。ただし、ブリヂストン(5108)、住友ゴム(5110)がプラスだったこともあって、ゴム製品は最後の最後までプラスを維持していたのです(最終的にはマイナス)。ほか個別銘柄では、花王(4452)、ローソン(2651)、ファミリーマート(8028)、ダイセキ(9793)などが、こんな日にプラスでした。ただ、どうしても目立つのは圧倒的なマイナスだった点。海運はバルチックドライ指数が崩壊状態(開所以来最大の下落)に陥ったこともあって、軒並み大幅安。ほか、商社や鉄鋼、非鉄なども悲惨で、テクノロジー系は買い手不在が如実に出てしまった格好。見慣れてしまった10%超下落が、そこら中に散乱して、手が付けられない状態。市場全体の出来高は多くは無かったので、買物薄のなかを、換金売り・解約売り、もしくは投げ売りなど、とにかく売りたい向きがビッドを叩いた状態が分かります。はぁ~~(T_T)。

● 記録。東証1部出来高は前日比4835万株増の25億6068万株、売買代金は逆に同1669億円減の2兆1758億円。指数の動きの割には、商いが膨らまなかった様子が見て取れます。東証1部値上がりはたったの87銘柄、値下がりは1611銘柄で、文句なしの「全面安」。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比926.56円安の8620.91円(9時54分確定)と、寄付きから売られたことが分かります。ある意味では、寄付きから160円ほど下げて引けているので、ザラ場の売り圧力はこの程度だったのかもしれません(ストップ安で売るに売れないのはあったとしても…)。日経平均の日中値幅は942.40円(前場841.08円、後場272.18円)ですが、これは前回同様にミスリーディング。SQ値を寄付値と考えると、前日比で大きく動いたほどはザラ場で動かなかったことが分かります。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、一転して大幅な売り越し(4320万株売り/1630万株買い)でした。

● 一歩引いてみるまでもなく、金融危機で資金のパイプが詰まり、心理的な圧迫感から個人消費が急激に落ち込み、それに伴って実体経済が悪化するのは、まさに日本の「失われた10年」と同じ状況。実体経済の悪化とともに日本で発生したのが、長期的なデフレ。とりわけ資産デフレ/逆資産効果が進行し、それが余計に金融システムを痛めつけ、巡ってさらに実体経済を傷つけるという、出口の見えない悪循環が続いたのです。ここまでの米国発グローバル金融危機が、不思議なぐらい日本の「失われた10年」と似通った流れになっているのは否定し難い状態。そうなってくると米国(や欧州)が、何か相当に違う方策でも出さない限り、同じような方向に進む可能性を考えざるを得ない印象です。

● 当時、日本でも超低金利が長期間に渡って浸透したおかげで、現金保有が増大したのですが、それが必要資金が流れないフン詰まり状態にもなり、最後は量的緩和で無理矢理動かす羽目になりました。それが次の不動産バブル(ミニ規模だったけど…)を生み、足元で弾けつつあるのですが…(^^;。貯蓄癖の乏しい米国人が全く同じ行動を取るとは思えないものの、資金の流れがフン詰まりになっている状況は似たり寄ったり。どうやって資金をスムーズに流すことが出来るのか、極端な話、「現金保有が損をする」という状態を景気配慮の低金利のなかでどう演出できるか…。いや、簡単ではないのは皆が分かっているんです。だからこそ、こんなマーケットになってしまっているんです。

● 欧州市場もかなり悲惨なスタートだったものの、これを書いている時点では、かなり戻っています(大幅安だけど暴落ではない水準)。GLOBEXの米株価指数先物もプラスになってきて、イブニングの日経平均先物も高く、少しだけ期待しておきましょう(^^;。どっちにしろ、米国株式市場次第ですけど…。

 TOPIX : 840.86 (-64.25, -7.10%)    日経平均 : 8276.43 (-881.06, -9.62%)    円ドル : 98.65  

● 世界的な協調利下げも全く効かず、空売り解禁の米株式市場では、GM(GM)がボロボロに売られ、NYダウは678.91ドル安(-7.33%)、S&P500は-75.02pt(-7.62%)の暴落。CME日経平均先物も引けに掛けて奈落の底状態で大証比585円安。ところが、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、一転して大幅な買い越し(1900万株売り/3290万株買い)。「えっ?買い越し?」って感じでシグナルは妙に交錯。そして日本はミニSQ。

● Excel上の日経平均速算値は、8時40分で前日比1200円ほど。実は、最後までこの値は大きく変化せず、9時直前にバスケット買いが入った様子ながら、SQとは関係ない膨大な売り圧力のおかげで、状況が良く見えない状態(^^;。あまりに特別売り気配銘柄が多くて、9時30分時点でも日経平均採用225銘柄のうち、175銘柄が寄付かず。日経平均が前日比で1000円安超になった時点(9時41分)でも、まだ103銘柄が寄付いていない悲惨な状況。ただ、先物などは9時半頃には戻りに入り始めており、その効果が出てきたのに加えて、多少は買いが入ったようで、10時03分にユニー(8270)が寄付き、最後まで残っていた豊田通商(8015)はこの時点でストップ安売り気配だったので、事実上、SQ値は確定。その豊田通商も10時06分に寄付き、SQ値は前日比1164.89円安の7992.60円と、悲惨な結果になりました。

● 市場筋推計によると、SQ関連売買は約1億5000万株~2億5000万株/約1500億円~2500億円程度とのこと。また、10月限のオプションは権利行使価格が9000円までだったので(SQ週には追加設定がない)、プットが全部イン・ザ・マネーになるという、前代未聞のSQでした。昔にはオプションの権利行使価格が1万円超に渡って存在し、銘柄コードに補助コードが適用されたという異常事態もありましたけど…(そんなこと覚えてる向きも少ないだろうけど(^^;)。

● 大部分の銘柄が寄付いた10時過ぎには、そこまで戻り歩調だった先物の上値が重たくなってしまう状況。ただ、そこから大きく売り込む感じではなく、後場中盤までは安値圏での右往左往。ただ、大きく下げた後だけに、ソコソコの値動きがありました。後場中盤以降は、商社株の一角やコマツ(6301)など、これまでの相場下落の象徴のような銘柄が意外にもプラスに転じて、雰囲気がかなり好転。前日比での大幅安は変わらなかったものの、最後の1時間の雰囲気は、多少明るい方向に変わった印象でした。もっとも、先物は現物引け後の10分間でかなり売られており、拭いきれない不安感が否定できなかった感じです。

● 日経平均と日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

日経平均 日中足
日経平均先物(12月限) 日中足

● 「コツン」が聞こえたかと言われると、まだ何とも言えません。テクニカル指標を含めて、あちこちで異常値が頻発しているのは事実です。今朝の売られ方は、相当にパニック的になっていたのも事実。ただ、水準的なものはともかく、タイミングを数日間違えれば、簡単に1~2割やられる地合いです(^^;。こういう状況下では、一度、距離を置くことを決めた投資家が戻ってくるには、時間を掛けるしかないことが多いのです。もちろん、全く予想していなかったような状況変化によって、相場環境が一夜にして一変する可能性はあるのですが、そんな奇跡のようなことを前提にして投資するワケには行きません。どの程度の時間が必要かは、状況次第。場合によっては2週間ほどかもしれないし、悪ければ2年間必要かもしれません。それも含めて、相場に出入りするタイミングが重要だと考えています。それがなかなか見えてこないんですよねぇ~(^^;。

● 今日も記録的な1日だったことは確かなので、前回のようにSQ値などを抜き出しておきます。今日は寄付くのに時間が掛かったので、画面上で見る指数の始値は、あまり意味が乏しいのでSQ値を使っています。同様の理由で、ザラ場高値は後場高値を使っています。また、SQ値は取引所発表のものを使っています。実は今日のSQ値は、TOPIXでも日経平均でも「幻のSQ値」。つまり、寄付きで相当量の「投げ売り」が出たことを示唆しています。また、今後、SQ値が下値支持になる可能性もあるので、注目しておきます。それにしても、こうやって眺めてみると、今日の値幅は凄いですね(^^;。

TOPIX日経平均
指数値前日比前比率時刻 指数値前日比前比率時刻
SQ値821.74-83.37-9.21%15:00 7992.60-1164.89-12.72%10:06
後場高値857.06-48.05-5.31%14:25 8476.74-680.75-7.43%14:25
日中安値823.46-81.65-9.02%9:35 8115.41-1042.0-11.38%9:41
終値840.86-64.25-7.10%15:00 8276.43-881.06-9.62%15:00
(SQ値は取引所発表値)

● その他の記録。東証1部出来高は前日比3億5543万株増の32億7441万株、売買代金は同1605億円増の2兆6353億円でした。ミニSQ関連売買が2億株/2000億円あったとしても、一応、出来高で30億株ほどは出来た格好。東証1部値上がりは175銘柄、値下がりは1499銘柄で、先日10月8日の値上がり44銘柄/値下がり1649銘柄よりはかなりマシでした。一方、指数ベースの日経平均の日中値幅は900.93(前場900.93円、後場290.68円)と、トンでもない数字でしたが、これはミスリーディング。"実質"の値幅は上記表をご参照ください。また、今日の毎分東証1部売買代金分布は、なかなか見れないような形だったので、こちらに画像を貼り付けておきます(別窓で開きます)。朝方から全然寄付かなかった様子が良く分かります。ただ、前後場の分布はSQと感じさせないイメージでした。また、大引け前に商いが盛り上がった状況もご覧頂ければと…。

● そうそう、月曜日(10月13日)の米国はコロンバスデー。FRBのスケジュールに従う為替などは休場ですが、株式は通常通りの取引です。ただ、薄商いになるのが通例です。NYSE休日スケジュールはこちらをご参照。

● 雑談。昨夕、不動産投資信託(REIT)のニューシティ・レジデンス投資法人が民事再生法の適用を申請。ところが、夜のニュースで見た記者会見では、新井潤代表が、ニコニコしながら頭を下げていたのに、ちょっとビックリ。確かに、あの「申し訳ありませんでした!」は非常に日本的なシーンだし、本当に申し訳なく思って頭を下げている場合もあるだろうけど、ある意味では"演出"であり"儀式"。この代表の場合、J-REITマーケットそのものを破壊しかねないような羽目に陥りながら、その"演技"すらも満足に出来ないとは…。今日の東証REIT指数は、前日比-11.99%と暴落状態でした。詳細は帝国データーバンクの 「大型倒産速報」 をどうぞ。

● 今日は長文&まとまりの無い文章でスミマセンでした。良い週末/連休を!

 TOPIX : 899.01 (-78.60, -8.04%)    日経平均 : 9203.32 (-952.58, -9.38%)    円ドル : 100.35  

● 急落する相場にも、ある程度は見慣れてきた感があるものの、やっぱり非常事態。TOPIXは手元に記録が無かったので、東証に直接聞いてみたのですが、今日の下落率は開所以来第3位の下落率(指数は遡って計算されている)。日経平均も歴代第3位の下落率、下落幅では18位でした(日経平均プロフィル)。如何に今日の下落がひどく、歴史に残る非常事態だったかが分かります。ちなみに、歴代第1位はTOPIXも日経平均も、ブラックマンデー(1987年10月20日、TOPIX=-14.62%、日経平均=-14.90%)で、第2位はスターリンショック(1953年3月5日、TOPIX=-8.75%、日経平均=-10.00%)です。

● 昨日は一時的にしろ下げ止まりそうな雰囲気があったのに、オーバーナイトで米国株式がドカンと来てしまうと、また打つ手なし状態。午後はGLOBEXの米先物はプラスになったりしていたものの、相場はそれを完全無視(これを書いている時点では、GLOBEXもかなり安い)。急速な「リスク資産現金化」の流れが止まるどころか、加速していた感がありました。午後2時過ぎには、板薄のなかをスルスルと戻す局面があったものの、そこで円ドルが100円突破。これで、株式も見事な返り討ち状態になってしまい、その後は、スコーン、スコーンと買物薄のなかを一段安。主力銘柄が軒並み10%もの下落率を記録するなかで指数も暴落。ほぼ安値圏で取引を終了しています。現物が引けた後の10分間で先物は一段と売られ、最近見たことが無いほどの逆ザヤ。今晩の米国株が立ち直らなければ、現物が下落する格好で先物に追い付くのでしょう。

● 今日は、日経平均と日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。全体に戻り局面がほとんど無かった点と、先物が最後の10分間で売られてしまった様子をご覧頂ければと…。

日経平均 日中足
日経平均先物(12月限) 日中足

● TOPIXも日経平均も5日続落。この5日間で、TOPIXは-202.12pt(-18.36%)、日経平均は-2164.94円(-19.04%)というトンでもない下落を記録しています。まさに、超音速で落ちてくるナイフ状態で、これを怪我せずに素手で受け止めることの出来る人は限りなくゼロに近い状態。多くは遠巻きに見守るのが精一杯で、勇気のある向きでも、地面に落ちて跳ね返るところで掴みに行こうと考えているハズ。一方で、解約に直面しているファンドや、色々な事情で資金繰りが悪化している向きは、「とにかく現金化」の動きを加速させます。値段など関係なく、とにかく現金化することが最優先になっているなかでは、買い指値のあるところに売りをぶつけるしかなく、文字通りの投げ売りをせざるを得なくなっています。買い手不足は深刻で、現金化を急ぐ向きだけが目立つ悲惨な地合いでした。

● この水準まで下がってくると、さすがに公的資金や国内年金資金が買いを入れる可能性が出てきます。もちろん、相場観での買いではなく、あらかじめ定められた資産運用比率を保つためです。つまり、足元で債券が上昇して株式が下がっていることから、「債券比率が高くなり過ぎ/株式比率が低くなり過ぎ」といった状況が発生すれば、債券を売って株式を買う必要がある、ということ。もっとも、実際に現場で運用しているFM諸氏に"強気筋"なんて居ようハズもなく(^^;、もし資産配分比率をキープする目的で株式を買うにしても、淡々と執行されるのでしょう。既に実際に買いが入っている可能性も十分にあるものの、ここ数日は、あまりに売り圧力が強過ぎて、その姿が全然見えません(^^;。

● 売りの主体はヘッジファンドや海外からの投信など、外国人投資家が主だったところでしょうけど、国内からも売りが出てきているのも感じました。FM諸氏からすると、自分が持っている銘柄ばかりが売られているとの心境だと推察します。つまり「理屈が付く銘柄」ほど売られているのが現状。同じような考え方をして、同じように銘柄選択をして、同じように保有されている銘柄群がバカスカと売られているのです。今のマーケットでは、独立した考え方をする向き(主に個人投資家)が少なくなっていることを、改めて感じさせられている格好です。「リスク・リダクション」と「現金化」の流れがどこで止まるのか?相場が落ち着きを取り戻すのがいつになるのか?傷の深さがエグイだけに、落着いてもすぐに資金が戻ってくる状態にならない覚悟は必要です。その上で、タイミングです。この言葉、毎日書いている気がするんですが(^^;、なかなか見えてきません。

● 個別銘柄の値動きなどは、他のマーケットレポートを参照頂くとして(^^;、記録に行きましょう。東証1部出来高は前日比1億0728万株減の28億5785万株、売買代金は同1054億円減の2兆4217億円。これだけ指数が動いたのに、出来高も売買代金も前日比で増加しなかったというのは、買い指値にぶつける売りが圧倒的だったことを物語っています。つまり、売り買いが交錯したのではなく、単に「買いが売られた」状態で、しかも下値まで売り叩いてきたので指数の下落が厳しかった、と読み取れるのです。東証1部値上がりはたったの44銘柄、値下がりは1649銘柄に達し、間違いなく「全面安」。

● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比335.79円安の9820.11円(9時24分確定)。この時点でも「厳しいなぁ~」と考えていたものの、終わってみれば「寄付きで全部売れば良かった」状態でした(T_T)。ザラ場でもフォロースルーの売りが、かなり多かったことも物語っています。日経平均の日中値幅は851.83円(前場324.78円、後場561.40円)と非常に大きく、前後場の値幅を足せばほとんど日中値幅になるというのは、日中ほとんど戻りらしい戻りがなくて下げ続けたこと。前後場の売買代金分布を見ると、前場が38.59%に対して後場が61.41%と、この点からも、後場の下げが予想以上だったことをうかがわせる数字です。なお、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(3110万株売り/2710万株買い)でした。

● 余談ですが、今日の下落でトヨタ自動車(7203)がTOPIXウェイト第1位を三菱UFJFG(8306)に明け渡しました。手元の計算ですが、三菱UFJ FGのTOPIXウェイトは3.85%、トヨタが3.65%。これがいつ以来というのは調べてないので不明ですが、今回の下落を象徴しているような気がします。なお、TOPIXウェイト上位5銘柄は順番に、三菱UFJ FG、トヨタ自動車、三井住友FG(8316)、みずほFG(8411)、NTT(9432)です。

● 最後にもう一つ。昨夕発表されたFFW見直しやTOPIXニューインデックス変更についても書きたかったのですが、この嵐の中では…(^^;。東証HP内の 「浮動株比率」 、及び、 「TOPIX Core30等株価指数の構成銘柄の定期選定について」 をご参照ください。

 TOPIX : 977.61 (-21.44, -2.15%)    日経平均 : 10155.90 (-317.19, -3.03%)    円ドル : 102.95  

● 世界的な株式急落は世界を一周。おまけに急激な円高となると、もう打つ手なし状態の寄付。昨日、一足先に「やっちゃった」東京だったものの、寄付きから「寄付かない銘柄ばかり」の状態で指数はスルスルと下落。9時16分にはザラ場としては2003年12月11日以来の1万円割れ。東京市場で売買の6割を占める外国人投資家が一斉に市場から逃げ出さざるを得ない状況に陥り、買い手不足が深刻化。ここまで外国人におんぶにだっこで、国内の投資家を育てる努力を怠ってきたツケが一気に噴出している感もありました。

● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比443.94円安(!)の10029.15円(9時45分確定)。シャープ(6753)が最後まで寄付かなかったものの、多くの銘柄は9時30分頃までに寄付きました。9時半前に安値を付けた後は、さすがに打診買いが入り始め指数は切り返し。「日経平均1万円割れ」というイベントも達成したし、円ドルも東京時間前場中頃からはジワジワと円安方向に動き、GLOBEXの米先物も午後は堅調。オーストラリアの利下げもアジア株式市場全体に好影響を与えた模様。安値からはかなり切り返した点は評価出来るものの、ザラ場高値から大引けに掛けてはかなり押すなど、傷口はそれなりに深かったです。

● 日経平均の日中足も付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● また、後日のために、今日の指数の動き(高安)を整理して抜き出しておきます。今日は売り気配が多くて指数の「寄付」にあまり意味がないので、SQ値を使っています。また、TOPIXのSQ値は前場引け段階での概算値です。前引けの段階で寄付いていない銘柄については、TOPIX計算と同じ方法で定められた順位の株価を使って計算しています。為念。

TOPIX日経平均
指数値前日比前比率時刻 指数値前日比前比率時刻
SQ値952.89-46.16-4.62%11:00 10029.15-443.94-4.24%9:45
高値991.89-7.16-0.72%13:15 10363.14-109.95-1.05%13:05
安値944.37-54.68-5.47%9:26 9916.21-556.88-5.32%9:23
終値977.61-21.44-2.15%15:00 10155.90-317.19-3.03%15:00
(SQ値は概算、計算は「虎年の獅子座」)

● 業種別に見ると、紙・パは朝方から堅調だったし、午後からは不動産、銀行など、そして下落の象徴的銘柄だったコマツ(6301)やJFE(5411)がプラスに転じたのも印象的。まぁ、これだけ短期間に主力銘柄が急落する局面と、さすがにリバーサル狙いの買いが入ってきます。普段は1%も動くことが無い主力銘柄が、あっという間に5%とか10%とか急落したのですから、「今日の下落の半分戻ったとしても、5%も取れるんやで」派が打診買いを入れたのは良く理解できます。ただ、今回の下落の背景には、東京市場で売買の6割を占める外国人投資家が、一斉に「リスク資産圧縮、現金化」に走らざるを得なかったことが大きな要因になっています。そりゃあ、世界景気がどうのこうのも大きな要因でしょうけど、足元で需給的な要因が大きく働いているのは違いないところ。だからPERやPBRなどが効かないし、ファクターも効かないし、ファンダメンタルズが効かない相場が続いているのです。となると、「この需給要因が収まれば…」と考えるのは当然。今日、それが最終局面かって?正直、何とも言えません。

● この世界でキャピタルゲインで儲けるには、自分が買った後に誰かが買ってくれないと無理なんです。日本株市場で売買の6割を占めていた外国人は、たとえ生き残っていたとしても、しばらくリハビリが必要。個人投資家に望みを掛けるにしても、今後、景気悪化の数字がドンドン出てくるのが見えるだけに、積極的なブームを想定するのは無理。つまり、「次の買い手」がなかなか見えてこないなかでは、熱が冷めると「もう少し先で、えぇか…」といった様子見ムードが広がるのも無理はないのです。

● ここまで主力株がボロボロに売られた後は、私個人の考え方としては、銘柄選択よりもタイミングが重要。アナリスト諸氏やファンダメンタル派のFM諸氏が聞いたら目を剥くかもしれませんが(^^;、タイミングが当たってさえいれば銘柄が多少外れてもそれなりに儲かります。でも、銘柄がドンピシャで当たっていても、タイミングが間違っていたら、結果的には儲かりません。で、そのタイミングが一番難しいのです。誰かタイミングが見通せる方、教えてください! (^^; (^^;

● 記録。東証1部出来高は前日比3億9818万株増の29億6513万株、売買代金は同1507億円増の2兆5271億円と、最近の水準としては、まぁ活況。ただし、出来高から見たほど売買代金は伸びなかった印象です。一方、日経平均先物は掛け値なしに「活況」で、日経平均先物当限の出来高が25万枚を超えた(イブニングを除いて259,758枚)のは、本当に久しぶりでした。東証1部値上がりは315銘柄、値下がりは1356銘柄。日経平均の日中値幅は446.93円(前場412.33円、後場207.24円)と、2日連続でかなり大きく動きました。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な売り越し(4480万株売り/2650万株買い)でした。

● 最後に雑談。こういう状況になったとき、特に政治家の先生方は「大丈夫」とか「万全の…」といった発言が多くなります。気持ちは分からないでもないのですが、それを真に受ける向きがどれだけいるのやら…。信頼感の裏打ちがゼロに近い政治家が、下手に「大丈夫です」を繰り返すなら「ホンマはヤバイんや…」と考える方が普通でしょ(^^;。金融機関にとっても、一般の企業にとっても、それは同じで、最初の1回ぐらいはともかく、「大丈夫だ」とうるさいぐらい繰り返されれば、繰り返されるほど疑心暗鬼になって不要なストレスを引き起こすのです。先生方、分かってます?