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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

● ニュースが流れたのは実は昨年末だったのですが、気になる話だったので書いておきます。朝日新聞に掲載された記事で、『仕組み債、契約無効判決 大阪高裁「リスク判断困難」』というもの。記事のリード部分を抜粋すると:

高利回りをうたう一方、為替次第で大きな損失が出る危険性がある「為替連動仕組み債」を巡って、金融機関と投資家の法的争いが増える可能性が高まっている。大阪高裁は10月、この仕組み債について「一般投資家がリスク判断するのは著しく困難」と商品の難解さを理由に契約無効とする異例の判決を下した。金融派生商品(デリバティブ)の一種である仕組み債は地方自治体や中小企業も幅広く保有しており、判決は他の投資家にも影響を広げそうだ。

● 今回、ニュースとして流れているのは、株式絡みの話ではなく、為替連動の仕組み債の話ですが、要はかつて流行した株式のEB債と同様に、オプション等のデリバティブを駆使して表面的な利率を膨らませてある商品で、その一方で、かなり相場動向によっては悲惨な状況を招いてしまうリスクがある商品です。EB債にしろ、全体的な仕組みは同じ。多くの場合はプット売り(場合によってはコール売り)でクーポンを稼いでいるものの、行使価格を超えてしまうと(上だったり下だったり)、一気に"無限責任"状態に陥る仕組み。行使価格を超えない限りは、かなり高利回りな商品として宣伝・販売されるんです。

● 問題は、売る方も買う方もそれを理解して行動していたら良いのだけど、プロ同士の取引ではなく、金融商品取引法で定義されている「アマチュア」の投資家を相手にする場合には、何かと問題が発生するケースが多くなります。元々、仕組みが複雑な商品なので、販売する担当者にそれなりのデリバティブ知識が必要だし、当然、相応の販売責任が掛ってきます。販売会社側は担当者を集めて研修会や勉強会を頻繁に実施しているし、販売に際しては色々な書類や資料を持参して遺漏なきように説明するし、さらに、確認書やら同意書などにハンコを付いてもらったりして、後から検証出来るように証拠を残す努力をします。それでも話がこじれると、今回のような裁判沙汰になるんですよね。

● 今回のニュースを多少なりとも重要視するのは、このニュース記事になった個別の案件がどうのこうのではなく、証券会社や銀行がこれらの「為替連動仕組み債」の販売にかなり積極的に取り組んだ時期があった、ということ。ぶっちゃけて書いてしまえば、証券よりも銀行(メガバンク)の方が積極的に販売していた時期がかなりあったのです。

● つまり、今後、似たような裁判がかなりの数出てくる可能性があるし、今回の判例が、損を出した投資家(買い手)を「裁判でもやって取り返してやろう」的な行動に走らせる可能性が増加するリスクが高くなってきました。為替デリバティブでも、現時点で大きな損失が出ている(実現損か含み損かは別にして)のは、主に円高になったら死ぬデリバティブ。逆側も設計は可能だし、販売していた可能性はあるのですが、儲かっている側で訴訟が発生するワケはありません。損失側だけが訴訟に走るのが普通です。つまり、販売責任を問われるような事態が頻発するようだと、証券、銀行にとっては、決して小さくない特損発生リスクを抱え込んでいることになるんです。

● 最初に抜き出した朝日新聞の記事では、「総務省によると購入した自治体は、神戸市、兵庫県朝来市など全国24市町村で総額約430億円(09年3月、金銭信託含む)」と書いてあるのですが、これは自治体だけの話。普通に想像しただけでも、もっと一般的なところまで広げれば、ゼロの数が違うほどの規模で販売されているだろうってことは、簡単に想像出来てしまうんです。

● 昨年後半から、色々な経済誌等で「為替デリバティブ損失」の記事を見掛けるようになり、最近では一般紙でも見るようになってきました。この背景としては、現に「為替デリバティブ損失」が主要因となって倒産する中小企業が増加していることも大きな要因。

● いくつかニュース記事等を抜粋しておきましたので、ご覧ください。

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● 今日、2月19日(金)はJAL(9205)の上場廃止前の最終売買日でした。手続上は明日、20日に上場廃止となり、その後、100%減資で株券は紙屑となります(電子化されているので、実際には紙の株券すらない)。まぁ、この辺の話は誰もが知っていることですし、いまさらって感じもするので、ここは色々な意味で一時代の終了ってことで、単に記録として書き記しておきます。

JAL今日の値動き

JAL最後の板 ● 上記が今日の値動き(というか一本値)でした。JALは朝から大量の売り物が出ていたことで、結局、値が付いたのは最後の大引け比例配分だけ。それでも2762万4000株も取引が成立したのはご立派(^^;。最後の価格は、もちろん1円でした。

● 右側が最後の"板"状況です(出典:マネックス証券フル板ツール)。ここに来て、成行ではなく、1円で指値を出しているのも何だと思うのですが、もっと上の方の値段にまでかなりの指値売りが出ているのが分かります。まぁ、色々と事情があるのでしょうが(^^;、証券会社には注文件数スライドで取引所からフィーが掛かっている状況を考えると、「ちょっと・・・なぁ~」って感じもします(^^;。まぁ、最終投資家は約定しない限りコストは掛からないんですけどね。

● 何はともあれ、ナショナルフラッグ・キャリアーが経営破綻という事態に追い込まれ、多くの株主が損を被った事態は、マーケットとしては今日で終わり。あと、債務がどうだこうだとか、年金がどうだこうだとかは、マーケットから見る限りは関係のない話となります。個人的には、これを機会に「鶴丸」を復活させても良いと思うんだけどなぁ~(^^;。

● 相場関連から話題が離れてしまうのですが、少し雑談。今朝の毎日新聞に『日航:米デルタと業務提携へ 「スカイチーム」に移籍』 との記事が出ています。もちろん、まだ正式発表ではないのですが、ここまで記事内容が詳細だと、日本独特の意図的なリークだと思います。

● デルタはスカイチーム。これまでは日本の航空会社が属していなかったアライアンスだけに馴染みが乏しいのですが、オフィシャルHPはこちらです。すでに完全に日本語化されていますね(^^;。

● そもそも、米航空会社の太平洋路線の権益は、主として旧パンナムと旧ノースウェストが持っていました。パンナムは破綻した後にユナイテッドになり、それが現在まで続いています。一方、旧ノースウェストはデルタと一緒になって現在に至っている状態です。JALが現在属しているワンワールドは、太平洋路線がそれほど強くなかった(JALがその分をある程度、担っていたと言えばそうだった)のも、この辺に理由というか背景があります。ワンワールドはアメリカン航空と英国航空(British Airlines)が主体だったので、アジアではキャセイパシフィックが主要キャリア。JALがスカイチームに入るとなると、その辺が手薄になる可能性はありますね。

● なんで今さらこんなことを書いているかというと、私が高校卒業したあと、米国に留学する際に、人生で最初の海外旅行としてニューヨークまで乗っていったのがパンナムだったのです(^^;。当時はロッキードのトライスターで、今から考えるとかなり長時間だった(確か16時間ぐらい?)のを覚えているのですが、それでも太平洋を一気に飛び越えることが出来たというのは、ある意味では感動モノでした(^^;。その頃からすると、パンナムはとっくの昔に消えてなくなってしまったし、移り変わりを見るだけでも、色々な意味で感慨深いのです…(^^;。

● 確かに「他人に頼らざるを得ない」というJALの破綻後を考慮すると、ワンワールドに居るよりも、スカイチームの方が筋に適っているのでしょうね。スカイチーム内には、設立当初から太平洋路線を担っている会社に大韓航空があり(スカイチームの創立メンバー)、ある程度の競合というか、ある意味ではアジアのハブを韓国・仁川国際空港に持って行かれることになるのは避けられそうにありません。JALがずっこけたのだから仕方ないのですが、個人的には、やはり複雑な心境です…。日本ジリ貧化の象徴になるかも知れませんね。

● 一方、最近、妙にシティバンクなどがワンワールド関連のキャンペーンを打っているようですが(日経に広告出まくり)、日本企業、特に電子マネー関連でどういった動きが出てくるかも、少しだけ注目しておきます(^^;。

● 皆さんもご存知の通り、今日(1月21日)の大引けは、JR東海(9022)の日経平均採用に伴う基準日でした。同株は明日から日経平均採用銘柄となります。JR東海の終値は 679,000円だったので、みなし額面換算で679円の銘柄ってことになります。出て行ったJALが最後は異常なほどの低位株だったのですが、資金フローの面からは、今日の大引けでは相場全体に対して、目立ったインパクトはありませんでした。まぁ、全体にはほぼ予想通りってところでしょうか。

JR東海(9022)日中足 ● 後々のためにも、今日のJR東海の日中足を載せておきます(出所:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 昨日、日経平均採用のニュースが正式に発表されてから初めての相場では、寄付き後に高値をつけた後は、基本的にジリ貧。ただし、今日の大引の瞬間にはピョコンと戻して引けています。ここでの出来高の盛り上がりもご覧頂けると思いますが、この辺は、さすがインデックス銘柄ってところ(^^;。

● 問題は、今後のJR東海の値動きですが、将来は分かりません(きっぱり!)。指数ヲタクからすると、今日で指数イベントは終了したので、今後は普通の日経平均採用銘柄としての動きになってくるハズです。それ以外の要素については、予想しろって方が無理です(^^;。

● もっとも、ここで話を終わらせるのも何ですから、参考になりそうな話をいくつか。まず夕凪さんのブログで、『JALと似たケース: 三井化学』 と、『JR東海と三井化学』 のアップがあります。いずれもカネボウが破綻により日経平均から外れ、三井化学(4183)が新規採用されたという、今回と似たケースの動きです。さらに、JR東海絡みでしたら、ロイターに、『野村証が募集中の「JPM世界鉄道関連株投信」が高人気、一部の支店で募集停止に』 なんてニュースも流れていました(^^;。もちろん、信じるも信じないはもちろんのこと、どう考えるかも、全て最後は自己責任ですんでよろしく!

● JALの整理ポスト割当(会社更生法適用申請に伴う東証上場廃止決定)を受けて、日経平均の臨時銘柄入替えが発表されました。事前の大方の予想通り(『JAL問題の決着近付く、日経平均「臨時銘柄入替え」の可能性について』 をご参照)、JR東海(9022)がみなし額面5万円で補充されることになります。JALは20日に日経平均から除外され、JR東海の補充は2営業日後の22日から。指数連動ファンドは、1月21日(木)の大引けでJR東海を買うことになります(ルール上は)。

● 現状のJALが極端なほどの低位株で、現時点でのJR東海のみなし額面換算後の株価が682円ってことになるので、資金フローが多少は発生することになります。一応、ご注意を。

● 日経のリリースは、『日経平均、日航を除外しJR東海を補充』 と出ています。前回のアップで、通常の発表は午後4時半と書いたのですが、今回の発表は、日経ニュースサイトで18時45分(情報端末上では18時30分?)と、かなり遅かったです(^^;。これは想像するに、東証からの正式な上場廃止通知(『上場廃止等の決定について-(株)日本航空-』)が出てくるのを待っていたからだと思います。

● 今日は飲み会があり、ほろ酔い気分なので、短いですがこの辺で…(^^;。

JAL(9205) ● 右は本日のJAL(9205)の日中足(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。今週に入って初めてマトモにザラ場で取引されたのですが、その分だけ出来高も爆発。何と、1,042,599,000株も出来ました。10億株でっせ!ホンマ…(^^;。東証1部出来高は32億2679万株だったので、約3分の1がJALだったことになります。

● こういった株価の動きを見ると、どうしても、あしぎんFG(足利銀行)の壮大なマネーゲームを思い出してしまいます。振り返って見ると、これは2003年末(11月~12月)の出来事だったので、もう相当昔の話。今となっては当時のあしぎんFGのチャートも手元にないのですが、記憶にある限りでも、あの乱高下を思い出さざるを得ないのです(^^;。さらに、名古屋のテレビ塔から札(100円札と1ドル札)をばら撒いた輩が居て、それがあしぎんFGのマネーゲームで儲けた金だったってことで、年末の話題となったのも思い出します。自分の記憶プラスネット検索で、色々と見てみましょう。

● なお、このブログの読者の方々には蛇足で必要ないとは信じていますが、念のためにあらかじめ書いておきます。今回のJALが当時のあしぎんFGを同じ値動きをするかどうかは全く分かりませんし、そもそも、予想する気にもなりません。ましてや、JAL株にちょっかいを出すことを薦めているわけではありません(きっぱり!)。単に、回顧調に当時を振り返るってことですから、為念。

● まず、何があったかを振り返っておきましょう。wikipediaの記述によると、足利銀行は色々な経営不振を受けて増資を繰り返したのち、あしぎんFGという持株会社に衣替え。ところが、これでも行き詰ってしまい、2003年11月29日に預金保険法第102条第1項第3号認定を受けて経営破綻。その後、2003年12月1日に特別危機管理開始決定により預金保険機構が足利銀行の総ての株式を強制取得し、あしぎんFGから足利銀行が外れ、その後、あしぎんFGは2003年12月25日に会社更生法の適用を申請。1ヵ月後の2004年1月26日に東証第一部を上場廃止となっています。

● この当時のニュース記事のクリップがいくつかネット上に存在します。もっとも、大元の新聞社の記事は多くが削除されてしまっているようですが、検索してみると、一部コピーがネット上に残っていました。これは著作権を侵害している可能性は大ですが、まぁ、その辺はちょっと横に置いておいて(^^;、リンクを張っておきます。ネットがなければ図書館で1日潰さないと見付からないような情報が、手元ですぐに見付かるんですから、便利な世の中になったものです。感謝 m(_._)m

● 記憶や記録を振り返ると、足利銀行の破綻が発表されてから、あしぎんFGは当然のようにストップ安の連続。そして株価1円で寄付いたところまでは、まぁ、皆が予想した通り。ある程度のマネーゲームは予想されていたものの、あしぎんFGには足利銀行(破綻と同時にFGから外れた)以外にも北関東リースなど4社が傘下にあったことから、「無価値ではないのではないか」との思惑が飛び交う状態になり、12月11日には、株価が24円まで上昇するというトンでもない事態となってしまったのです。出来高も爆発し、私が自分で書いていたマーケットコメントを遡ると、12月3日には東証1部出来高の15億0399万株に対してあしぎんFGの出来高が6億2467万株あまりと、これだけでなんと東証1部全体の41.5%もあったと書いていました(^^;。ひでぇ話だ…。

● この時点であしぎんFGは、監理ポストだったものの整理ポストではなかったので、まだ堂々とした東証1部銘柄だったのです(TOPIXに入ったまま)。この辺は今のJALと似ています。当時は、機関投資家のなかでもピュアにTOPIXパッシブのファンドなどは、「あしぎんFGを売りたいけど売れない」という悩ましい状況に陥っていたのです。これも一つの契機となって、機関投資家の間では、たとえTOPIX銘柄であっても、株価が極端な低位に崩落した場合などにはポートフォリオから外す、といった内規の設定が相次いだのを覚えています。

● そして、2003年クリスマス前に登場したのが、上記の記事にある「紙幣ばらまき男」。当時の記事には、「1円と5円の時に600万株ほど買い、15円ぐらいになった時に売った。7000万~8000万ぐらいのもうけになった」との記述があったので、それも話題になったのを覚えています。マネーゲームとしても、個人で手掛けるには凄い額だと…(^^;。それをテレビ塔からばら撒くというのも何ですが…(^^;。

● かの著名なJ_Coffeeさんのサイトにも(現在は考える株式投資のgotospace氏がミラーサイトを作ってくれています)、所々であしぎんFGの件が出てきます。なかでも、「J_Coffeeの徒然草(36巻)- 整理ポストと監理ポスト(あしぎんFG)」には、マネーゲームのなかで急上昇したあしぎんFGの日中足が掲載されていて、ちょっと懐かしいやら呆れるやら…(^^;。

● 繰り返しになりますが、今回、JALがそうなるかどうかは全く分かりません。というか、あまりえぇ~加減に考える筋を増やさないためにも、すっきりと株価1円(1円買い/2円ヤリ)で張り付いてくれる方が良いのですけどネ…。

● せっかくの祝日ですが、今日は妙に肌寒いこともあって巣ごもり(^^;。そこで、JAL(9205)の件について少し書いておきましょう。ただ、世間一般で出ている「株券紙くず化」等々の話については、日経その他の報道をご覧頂くとして(^^;、ここでは指数絡みの話に集中して行きます。

● まずイベント予定の把握。休み明けの1月12日には、JALのOBに対する「企業年金減額に関する意向確認」の投票期限を迎えます。とは言うものの、色々な報道などを見ていると、現段階ではこの結果がどうあれ、JALが法的整理に入ることは間違いなさそうです。JALの株主にとって、現時点でJAL株を売ったほうが良いかどうかは、まぁ何て言うか、墜落しつつある飛行機の中で旅行者傷害保険の申込み用紙を記入しているようなもので、時、既に遅し。一方で、指数ヲタクにとって気になるのは、JALの上場が維持されるかどうかの点です。

● というワケで本題。ご存知の通り、JALは日経平均採用銘柄です。ところが、JALが破綻となって上場廃止が決まれば、日経平均の「臨時銘柄入替え」が発生することになります。日経平均の銘柄入替え等々のルールは、「日経平均プロフィル」というオフィシャルサイトに詳細に出ていますが、そのなかで今回注目すべきは、「銘柄選定ルール」のところ(2ページあります)。上の方は年1回実施される(例年10月に実施)「定期見直し」に関連する話が中心ですが、今回のJALの場合は、下の方に記載してある「(5)臨時入れ替え」に該当。つまり、「採用銘柄の被合併や経営破たんよる上場廃止が発生した場合」と明記してあるケースに該当する(かもしれない)ってことになります。

● ここでは、JALが法的整理に伴って100%減資を実施し、上場廃止になると想定して書いていきましょう。銘柄入替えについて考察する際に、押さえておくべきポイントがいくつかあります。いずれも、日経平均プロフィルに明記してあることですが、特に以下は重要。

  • 除外は整理ポスト入りと同時に行う
  • 破たん銘柄の整理ポスト入り後、2日間程度の周知期間を置いた上で補充
  • 経営破たんよる上場廃止が発生した場合、「高流動性銘柄群」に含まれる銘柄の中から、当該除外銘柄と同一セクターに属する銘柄のうち、市場流動性順位が高い未採用の銘柄を補充することを原則
  • ただし、細かい例外規定もあり

● このルールから想像すると、JALの上場廃止が決まった時点でJALは整理ポストに割り当てられることになるので、その時点で日経平均から除外されることになります。いまさら後生大事にJAL株を抱えているファンドは多くはないと想像するのですが、それでもピュアな指数連動ファンドからは売りが出るでしょうネ。まぁ、これはそれほど大した話ではありません(空売り出来る訳ではないので)。そして、その日の大引後にでも、日経から新規採用銘柄(補充銘柄)が発表されることになるハズです。そこから2日間程度経過したあとで、めでたく日経平均に採用、という手順になります。これまでの経験からすると、大引後の発表は午後4時半です。もちろん、私がこう書けば日経が気まぐれを起こすかもしれませんが…(^^;。

● 一方、補充銘柄については、JALと同一セクターに属する銘柄ってことになっています。日経のセクター分類定義はこちらの中段付近に明記されていますが、JALは「運輸・公共」セクターに所属。これは、日経36業種に言い換えると「鉄道・バス、陸運、海運、空運、倉庫、電力、ガス」ってこと。この中で、日経平均に採用されていない銘柄で流動性ランクが上となると、まぁ、ドタ勘で想像したとしても、大体が同じような結果になると思います。敢えて伏字にするほどのことはないと思うので書いちゃいますが、JR東海(東海旅客鉄道、9022)が筆頭候補ですね(^^;。これまでも定期銘柄入替えの際に候補銘柄として何度も名前が出ているので、全くサプライズではないし、「運輸・公共」セクターとしては妥当なチョイスでしょうか。

● JR東海はかなり大きな銘柄なので、(1) JALの上場廃止が決まった、(2) 補充銘柄がJR東海と決まった、と2連発で予想を当てたとしても、どの程度の株価インパクトがあるかは不透明。市場関係者の間では、JALの経営不安が現実味を帯びて囁かれはじめた頃(もうかれこれ半年以上も前の話)から、日経平均の臨時銘柄入替えについては、頭にあったはず。当時は先回りする確信があったのではないにしろ、12月にJALが100円を割り込んで急落した時点では、相当数の市場関係者が意識したと想像します。その時点で、JR東海という名前は、かなりの方々の頭に浮かんでいたでしょうから…(^^;。

● なお、もしJALの減資が100%ではなくて上場維持となれば、現時点での臨時銘柄入替えは発生せず、上記の話は「無かったこと」になります(^^;。現在、話として出ているのは、「施行規則で定める再建計画の開示を行った場合には、当該再建計画を開示した日の翌日から起算して1か月間の時価総額が10億円以上」というのが条件になります。これは東証の有価証券上場規程第601条(7)に明記されています。もし興味のある方は、東証HPにPDFファイルがアップされていますので、ご参照ください(このPDFファイルの39ページ目)。この場合、何%の減資ならこの条件を満たせるかってことが焦点になります。

● ちなみにJALの株価は休み明けに急落(率で言えばの話)すると予想されるのですが、JAL株だけを考えれば、日経平均への直接的な影響は非常に限定的です。JALの金曜日終値は67円ですが、この価格帯での制限値幅は30円。ストップ安するとしても前日比では30円下落するだけ。日経平均は基本が単純平均株価なので、構成銘柄の一つが30円安したとしても、全体からすれば、ホンの微々たるもの。むしろ、ファーストリテイリング(9983)がチョロッと動いた方が、はるかに日経平均に対してはインパクトが大きくなります。

● 総合的に見れば、債権放棄を迫られるメガバンクの株価にも、ある程度のプレッシャーが掛かる可能性があるでしょうから、波及効果としてはJAL単体の下落よりも大きなインパクトになる可能性があります。でも、はっきり言って、JALの経営破綻はサプライズでも何でもありません(^^;。もう何ヶ月も前から分かっていたことだし、現在は手続の最終局面ってこと。それよりも、為替の水準がどうのこうのだとか、米国の株価がどう動いたかの方が、はるかにインパクトがあるでしょうね。

● 最後に蛇足的に少し。この先、日経平均はあと2銘柄の臨時入替えがあることが、ほぼ決まっています。一つは、新日本石油(5001)と新日鉱HD(5016)の経営統合で、これは今年3月末の話。もう一つは、三菱ケミカルHD(4188)による三菱レイヨン(3404)のTOB・完全子会社化に伴うもの。現時点では時期は未確定ながら、春先ってのは違いなさそうです。指数ヲタクにとっては、昨年秋の定期銘柄入替えが無かっただけに、ちょっと心躍る春先になりそうです(^o^)。

● 番組宣伝ってことではないのですが(^^;、明日(4月23日)夜10時から、テレビ東京の『経済ドキュメンタリードラマ「ルビコンの決断」』で「リーマン破たん 最後の50時間」という番組が放映される予定です。テレビ東京の番組予告ページでは、

2008年9月15日、アメリカの大手証券会社のリーマン・ブラザーズが経営破たん。このとき、六本木ヒルズの29階から32階にオフィスを構える「日本法人」の社員たちは、会社の状況について一切伝えられていなかったという。
「まさか破たんするなんて・・・」
さかのぼることおよそ50時間前、ポールソン財務長官らとゴールドマン・サックスなどの証券会社のCEOたちがリーマン・ブラザーズの処理を巡って話し合いを続けていた。リーマンが破たんするまでの間に一体何があったのか?ウォール街のボスたちのうごめく思惑と、知られざる50時間の攻防を明らかしていく。
そして当時リーマン・ブラザースの日本法人に勤めていた社員たちはその時、何を感じ、どう行動したのか?番組では元リーマンの社員たちを徹底的に追跡取材。その証言や様々な資料をもとにして構成し、ドキュメンタリードラマとして描いていく。また、なぜ、リーマンの破たんが世界経済にここまで影響を与えたのかなども検証していく。

とのこと。同じ業界、しかも同じ外資系証券に勤める人間として(今は勤めてないけど…(^^;)、全く他人事とは思えない出来事。また国内証券の方々にしても、どうしても山一證券と重ね合わせてしまう向きは少なくないと思います。

● 実際、この番組を見るのは初めてなので、その「ドラマ化」がどの程度リアルなのかは分かりませんが、一応、明日晩は少しだけ期待しておきます。


追記

● うぅ~ん、危惧していたように、あまり大したことはなかった(^^;。ファルド君なら、あんな小部屋ではなく、もっと大きなお部屋にお住みだったろうし…。まぁ、事実をドキュメンタリー仕立てにしたと言う程度でしょうか…。実際にリーマンの日本法人に勤務されていた方々を何人も知っていますが、ちょっと違和感を感じたでしょうね。残念ながら…。

 TOPIX : 813.37 (-35.88, -4.22%)    日経平均 : 8235.87 (-484.68, -5.56%)    円ドル : 89.50  

● 今日はビッグSQ。例によって時系列に行くと、朝8時半頃にExcel上の日経平均速算は前日比930円高程度。その後、時間が経過するに従って少しずつ下落し、8時55分で820円高、8時59分で600円高、8時59分30秒で350円高と来て、最後の最後に"お約束"の売りバスケットが出て寄付き。ただ、今日は普段のビッグSQと比較すると、かなり商いそのものが少なかったことと、ミスプライス狙いの買い指値なども少なめだったようで、意外に大きなインパクトが発生。SQ値は前日比293.26円安の8427.29円(9時27分確定)と、8500円の大台割れでした。市場筋推計によると、SQ関連売買は、6億株程度、6000億円程度だったとのこと。

● SQ後の相場は、比較的典型的な金曜日相場の雰囲気だったのですが、前場最後の30分間でアレヨアレヨの上昇。「こりゃあ、後場に何か入ってくるの?」との期待感も抱かせる前場の引け味だったのです。ところが、昼休み(12時10分過ぎ)に出てきたのが、「米ビッグスリー救済法案が合意に達せず」とのニュース。しかも、リード民主党上院院内総務が「明日のNY株式相場を懸念」なんて発言するもんだから…。これを受けて、急激な円高が進行してGLOBEXの米株価指数先物がドカンと急落。とてもじゃあないけど、日本株が支えきれるような事態ではありませんでした。

● ニュースが出た最初の頃は、円も対ドルで91円割れあたりだったのが、時間が経過するとともにドンドンと円高が進行。午後1時20分前には、あっさりと90円の大台を割り込み、そこでストップロスを引っ掛けたのか、あっという間に89円も割り込むドル急落/円急騰。ちょっと呆気に取られるぐらいのスピードで、「あぁぁぁ~~~~」って感じの円高進行でした。これまで、ドル安/円高になるぞと言われながらも、ドルは意外に踏ん張っていた感があったのが、一気に噴出した印象。某銀行の為替トレーダー氏は、「ドルの買い手がおらん…」と嘆いていました。

● こうなると当然のように、東京でも自動車株が先陣を切って急落し、ディフェンシブ系銘柄まで下げ幅を広げる展開。一時は、かなりパニック的な空気も流れていました。その後、為替が落ち着きを取り戻すとともに、株式市場もやや落着きを取り戻す展開。実は、今週はずっと上昇していたので、これだけ今日1日で下落しても、週で合計するとプラスでした。ある意味では、"のりしろ"があったってことになるのですが、それでも、1日で見ると大幅下落になってしまいました。焦点は今晩のNY市場の反応ですね、言うまでもなく…(^^;。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 記録。東証1部出来高は前日比7億8318万株増の30億2881万株、売買代金は同7145億円増の2兆4807億円。さすがにビッグSQって感じでした(^^;。それでも、上記した市場筋推計の6億株/6000億円程度がSQ関連だったとすると、パッと見の印象ほどではありません(^^;。それでも、後場のややパニックになった売りが膨らんだのは分かります。東証1部値上がりは252銘柄、値下がりは1408銘柄。

● 日経平均の日中値幅は522.74円(前場190.36円、後場431.24円)と大きく、その大部分が後場だったのが良く分かります。SQだったにも関わらず、前後場の売買代金分布は比較的静かで、前場が50.25%、後場が49.75%でした。ビッグSQとしては珍しくSkewが小さかったというか、それだけ直接的なSQ関連売買が少なかったとも言えます。また、市場筋推計による今朝の外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(2720万株売り/2650万株買い)でした。

● 業務連絡。金融庁から先日の空売りパブリックコメントに対する回答が出ています。詳細は金融庁HP内の 「…パブリックコメントの結果等」 (タイトルが長過ぎるので一部略)のPDFファイルに掲載されていますので、そちらをご参照ください。あまり書くとアレですが、基本的にはパブリックコメントに出てくる段階で既に"結論"が固まっており、大きく変更されることはない、ということを再確認。機関投資家からの注文の場合、注文の都度の確認は無くても良いものの、やっぱり色々と確認と記録を残す(7年間も)が必要なようです。電話テープを7年間も残すの?まぁ、この辺はコンプライアンスの解釈が出てくるまでは、現場としてはフリーズ状態(^^;でしょうけど、「12月16日(火)に施行」なので、あまり時間はありません(^^:。間にあうんかいな?

● 良い週末を!

 TOPIX : 834.82 (+5.79, +0.70%)    日経平均 : 8512.27 (+138.88, +1.66%)    円ドル : 95.30  

● 米国はThanksgivingの祝日で休場。東京市場の寄付き前に発表された経済指標は、予想されたとは言えかなり悲惨な状況で、先行き不透明感は強まるばかり。ただ、実際にマーケットが始まってみると、寄付き直後に一瞬マイナスに振れる局面はあったものの、比較的安定した右肩上がり。後場中盤に高値を付けた後、スコーンと下落する局面はあったものの、最後の最後にピョンと上昇して高値圏での大引け。今日は大引けでラッセル野村関連指数のリバランスがあったし、もしかしたら月末の「お化粧買い」があったのかも知れません(可能性は薄いと思うけど)。ただ、米国にしろ、日本にしろ、ボロボロの経済指標で相場がドカンとこなかったことは、それなりに評価したいところです(含む希望的観測(^^;)。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 業種別に今日の相場を見ると、これまでかなりボロボロに売られたセクターが買われ、逆にこれまで比較的堅調だったセクターが売られと、かなりはっきりとリターン・リバーサルの空気が流れていました。今日の業種別指数でも値上がり率上位には、不動産、商社、鉄鋼、海運などが並ぶ一方、マイナスだったのは保険、電力・ガス、小売、紙・パ、情報通信といったところ。保険などでは、ラッセル野村リバランスの影響もかなりあったと考えています。

● そういえば、今日設定の野村アセットの「野村リターン・リバーサル日本株0811」 が105億円強の設定となったことも、影響した可能性があります。もっとも、100億円のファンドが相場を動かすというのも言い過ぎかも知れないところで、週末を控えてポジションを整理したい意向が出易い日で、それが結果的にリバーサルっぽい動きになった、って方が当たっていたのかも知れません。

● 記録。東証1部出来高は前日比3億8478万株増の19億6927万株、売買代金は同2574億円増の1兆4799億円でした。出来高面はソコソコ盛り上がったようにも見えるものの、売買代金ベースでは年初来最低レベルをさまよう状態のままです。東証1部値上がりは1079銘柄、値下がりは538銘柄でほぼ昨日と同水準。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比53.38円高の8426.77円(9時35分確定)。日経平均採用銘柄のVWAPから日経平均を計算すると8465.40円で、大勢としては、今日もSQ値水準で横ばい推移だったことが分かります。日経平均の日中値幅は181.56円(前場101.28円、後場111.19円)と小動き。また、市場筋推計による今朝の外資系証券寄付前売買動向は、再び売り越し(2580万株売り/2090万株買い)でした。

● そうそう、今日午後5時にモリモト(8899)が民事再生手続き開始を発表(TDNet開示)し事実上の破綻(帝国データバンク:http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/2843.html)。東証2部銘柄だし「ふぅ~ん」程度でしょうけど、今日、この銘柄ってストップ高買い気配で終わっています(^^;。ビ・ライフ投資法人(8984)を大和ハウス工業(1925)が子会社化すると発表した件があったからでしょうけど、まぁ、何と言いますか…(^^;。今日、モリモト株がストップ高で買えなくてホッとしている方は多いとは思いますが、大和ハウスは知ってたのだろうか?知ってても問題ありそうだし、知らなかったとしても別の問題がありそうだし…。

● 業務連絡。株券電子化に関連して、東証から 「株券電子化移行に伴う本年末の内国株券等の決済の取扱い(5日目決済)について」 とのリリースが出ています。要するに12月末は、ほぼ全銘柄が5日目決済となる予定で、月内受渡最終は12月24日(水)で、12月25日(木)取引分は1月5日(月)が決済日になるってことです。

● 関連して、12月25日(木)から12月30日(火)まで売買停止になる銘柄のリストが、東証HP内の 「株券電子化関連情報」 に掲載されています。以前から折々アップデートされているページですが、NTTやみずほFG、三井住友FGなど、かなり大きな銘柄も売買停止対象になっているので、頭に入れておいた方がよろしいかと。売買再開が2009年1月5日(月)なので、カレンダー上は、丸々1週間半ほど取引できないことになります。さらに、指数関連でも 「株券電子化実施日前後の指数の取扱いの臨時変更について」 なんてのも11月頭に出ており、何かとややこしくなりそうです(^^;。

● 今晩の米国市場は、一応、オープンしているものの、短縮取引なので実質上は連休って感じ。私がNYで勤務していた頃も、この時期は若手がボランティアで出勤しています(^^;、みたいな空気が濃厚だったのを良く覚えています。NYSE休日スケジュールでご確認を。

● 何はともあれ、良い週末を!

 TOPIX : 840.86 (-64.25, -7.10%)    日経平均 : 8276.43 (-881.06, -9.62%)    円ドル : 98.65  

● 世界的な協調利下げも全く効かず、空売り解禁の米株式市場では、GM(GM)がボロボロに売られ、NYダウは678.91ドル安(-7.33%)、S&P500は-75.02pt(-7.62%)の暴落。CME日経平均先物も引けに掛けて奈落の底状態で大証比585円安。ところが、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、一転して大幅な買い越し(1900万株売り/3290万株買い)。「えっ?買い越し?」って感じでシグナルは妙に交錯。そして日本はミニSQ。

● Excel上の日経平均速算値は、8時40分で前日比1200円ほど。実は、最後までこの値は大きく変化せず、9時直前にバスケット買いが入った様子ながら、SQとは関係ない膨大な売り圧力のおかげで、状況が良く見えない状態(^^;。あまりに特別売り気配銘柄が多くて、9時30分時点でも日経平均採用225銘柄のうち、175銘柄が寄付かず。日経平均が前日比で1000円安超になった時点(9時41分)でも、まだ103銘柄が寄付いていない悲惨な状況。ただ、先物などは9時半頃には戻りに入り始めており、その効果が出てきたのに加えて、多少は買いが入ったようで、10時03分にユニー(8270)が寄付き、最後まで残っていた豊田通商(8015)はこの時点でストップ安売り気配だったので、事実上、SQ値は確定。その豊田通商も10時06分に寄付き、SQ値は前日比1164.89円安の7992.60円と、悲惨な結果になりました。

● 市場筋推計によると、SQ関連売買は約1億5000万株~2億5000万株/約1500億円~2500億円程度とのこと。また、10月限のオプションは権利行使価格が9000円までだったので(SQ週には追加設定がない)、プットが全部イン・ザ・マネーになるという、前代未聞のSQでした。昔にはオプションの権利行使価格が1万円超に渡って存在し、銘柄コードに補助コードが適用されたという異常事態もありましたけど…(そんなこと覚えてる向きも少ないだろうけど(^^;)。

● 大部分の銘柄が寄付いた10時過ぎには、そこまで戻り歩調だった先物の上値が重たくなってしまう状況。ただ、そこから大きく売り込む感じではなく、後場中盤までは安値圏での右往左往。ただ、大きく下げた後だけに、ソコソコの値動きがありました。後場中盤以降は、商社株の一角やコマツ(6301)など、これまでの相場下落の象徴のような銘柄が意外にもプラスに転じて、雰囲気がかなり好転。前日比での大幅安は変わらなかったものの、最後の1時間の雰囲気は、多少明るい方向に変わった印象でした。もっとも、先物は現物引け後の10分間でかなり売られており、拭いきれない不安感が否定できなかった感じです。

● 日経平均と日経平均先物(12月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

日経平均 日中足
日経平均先物(12月限) 日中足

● 「コツン」が聞こえたかと言われると、まだ何とも言えません。テクニカル指標を含めて、あちこちで異常値が頻発しているのは事実です。今朝の売られ方は、相当にパニック的になっていたのも事実。ただ、水準的なものはともかく、タイミングを数日間違えれば、簡単に1~2割やられる地合いです(^^;。こういう状況下では、一度、距離を置くことを決めた投資家が戻ってくるには、時間を掛けるしかないことが多いのです。もちろん、全く予想していなかったような状況変化によって、相場環境が一夜にして一変する可能性はあるのですが、そんな奇跡のようなことを前提にして投資するワケには行きません。どの程度の時間が必要かは、状況次第。場合によっては2週間ほどかもしれないし、悪ければ2年間必要かもしれません。それも含めて、相場に出入りするタイミングが重要だと考えています。それがなかなか見えてこないんですよねぇ~(^^;。

● 今日も記録的な1日だったことは確かなので、前回のようにSQ値などを抜き出しておきます。今日は寄付くのに時間が掛かったので、画面上で見る指数の始値は、あまり意味が乏しいのでSQ値を使っています。同様の理由で、ザラ場高値は後場高値を使っています。また、SQ値は取引所発表のものを使っています。実は今日のSQ値は、TOPIXでも日経平均でも「幻のSQ値」。つまり、寄付きで相当量の「投げ売り」が出たことを示唆しています。また、今後、SQ値が下値支持になる可能性もあるので、注目しておきます。それにしても、こうやって眺めてみると、今日の値幅は凄いですね(^^;。

TOPIX日経平均
指数値前日比前比率時刻 指数値前日比前比率時刻
SQ値821.74-83.37-9.21%15:00 7992.60-1164.89-12.72%10:06
後場高値857.06-48.05-5.31%14:25 8476.74-680.75-7.43%14:25
日中安値823.46-81.65-9.02%9:35 8115.41-1042.0-11.38%9:41
終値840.86-64.25-7.10%15:00 8276.43-881.06-9.62%15:00
(SQ値は取引所発表値)

● その他の記録。東証1部出来高は前日比3億5543万株増の32億7441万株、売買代金は同1605億円増の2兆6353億円でした。ミニSQ関連売買が2億株/2000億円あったとしても、一応、出来高で30億株ほどは出来た格好。東証1部値上がりは175銘柄、値下がりは1499銘柄で、先日10月8日の値上がり44銘柄/値下がり1649銘柄よりはかなりマシでした。一方、指数ベースの日経平均の日中値幅は900.93(前場900.93円、後場290.68円)と、トンでもない数字でしたが、これはミスリーディング。"実質"の値幅は上記表をご参照ください。また、今日の毎分東証1部売買代金分布は、なかなか見れないような形だったので、こちらに画像を貼り付けておきます(別窓で開きます)。朝方から全然寄付かなかった様子が良く分かります。ただ、前後場の分布はSQと感じさせないイメージでした。また、大引け前に商いが盛り上がった状況もご覧頂ければと…。

● そうそう、月曜日(10月13日)の米国はコロンバスデー。FRBのスケジュールに従う為替などは休場ですが、株式は通常通りの取引です。ただ、薄商いになるのが通例です。NYSE休日スケジュールはこちらをご参照。

● 雑談。昨夕、不動産投資信託(REIT)のニューシティ・レジデンス投資法人が民事再生法の適用を申請。ところが、夜のニュースで見た記者会見では、新井潤代表が、ニコニコしながら頭を下げていたのに、ちょっとビックリ。確かに、あの「申し訳ありませんでした!」は非常に日本的なシーンだし、本当に申し訳なく思って頭を下げている場合もあるだろうけど、ある意味では"演出"であり"儀式"。この代表の場合、J-REITマーケットそのものを破壊しかねないような羽目に陥りながら、その"演技"すらも満足に出来ないとは…。今日の東証REIT指数は、前日比-11.99%と暴落状態でした。詳細は帝国データーバンクの 「大型倒産速報」 をどうぞ。

● 今日は長文&まとまりの無い文章でスミマセンでした。良い週末/連休を!

2008年09月22日(月) .... 休暇中。高寄り後は横ばい

 TOPIX : 1168.69 (+19.57, +1.70%)    日経平均 : 12090.59 (+169.73, +1.42%)    円ドル : 106.45  

● 本日まで休暇中のため、マーケット・コメントはお休みです。

● 「いつまで休んどるねん!」って声が聞こえてきそうですが(^^;、5営業日の休暇取得義務ってことで今日まで休みです。まぁ、阪神が3連敗で追い付かれてしまったショックで出社拒否症になってしまった、ってコトにしておいてください(T_T)。まだ首位なんだけど…。

● と言うわけで相場。寄付き段階では米国株高などを受けて高く始まったものの、その後は横ばい。上値が重たかったと言えばその通りで、明日の休みも控えて「手出し無用」の空気が濃かったように感じました。どちらにしろ、日本の要因でマーケットが動いているのではなく、米国の金融界が主要因となって動いているだけに、受動的にならざるを得ない状態。ならば、もう少し先が見えるようになってからで良いか、というのは素直な反応だった気がします。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 休暇中に色々とネットを散策していて感じたのは、どうも「リーマン破綻」や「AIG危機」が相場に与える影響について、たとえ理屈として分かっていたとしても、体感するのが難しいって印象を受けました。これは止むを得ないとは思うものの、どこかの政治家が暴言を吐いていたように、「ハチに刺された」ってほど軽くはありません。金融業界だけの話でもありません。米国だけでなく、先進国の景気がスローダウンすると、一番ダメージを受けるのは製造業。アジア各国も先進国への輸出で稼いでいるのだから、ダメージを受けないワケがありません。では日本の内需はどうかって?駄目に決まってるでしょ!

● CDS(クレジット・デフォルト・スワップ、平たく言えば"倒産保険")が爆発しないように世界中が必死なのも、その複雑さ、仕組みもそうだけど、誰と誰が相手方でいくらの残高があるかという意味での複雑さ、から来る不安感・不透明感は、時間が経過しないと分からない面があるから。ぐちゃぐちゃに絡み合った糸を、切らないで解きほぐさないとならない状況で、だから一度隔離して、落ち着いて時間を掛けてやりましょう、というのが現在の状況。ここで誰かが糸を切ってしまうと、一気に全体が崩壊するリスクがあり、その場合はかなりエグイことになるのは、ちょっと考えれば分かります。リーマン破綻は、まさにその「糸を切る」行為の一つだったし、「AIG危機」を放置すると、糸を1本、2本切るどころではなく、グサっと大きな鋏で大量に断ち切ってしまい、糸玉が支えられずにばらばらに崩壊する、というエグイ状態になりそうだったからです。

● 「信用収縮」と「損失計上」のスパイラルについても、なかなか実感としては難しいところがあるのかも知れません。ここには抜け駆け売りの怖さがあります。例えば株価が500円で10億株の発行済み株式数のある銘柄が、誰かの1000株の売りで1円下がったとしましょう。それだけで、全体としては10億円もの損失が増加したことになるのです。1000株売った向きはたった1000円損しただけなのに…。信用が収縮して資金繰りがタイトになると、最初に行うのが現金を確保すること。多くの場合は資産の切り売りです。そうやって出てきた1000株の売りが、市場全体の他の保有者に大きな損を発生させてしまう可能性があり、そのために余計に売りを誘発してしまう。これが本当に怖い状況なんです。昨年夏からの相場では、1円どころの騒ぎではなく、いきなり半値で処分売却されてしまう債券などが頻発し、それが「想定以上の損失発生」に繋がったのです。時価会計ならば、一度、どこかで値が付いてしまうと、それで評価せざるを得なくなってしまうからです。

● こういった悲惨な状況が、今回の一連の「隔離策」で落ち着くかどうか?これは、正直、やってみないと分からない面があります。日本の金融危機の局面で痛んだのは日本の金融で、世界的には危機ではなかった点があります。さらに、日本国内で見ても製造業はそれなりに元気でした。山一證券が飛んで、三洋証券が飛んで、北海道拓殖銀行が…と続いたものの、製造業の大企業はそれなりの利益を出していたのです。今回は、世界の中心(敢えてそう書きます)の米国が危機に陥り、製造業でも自動車業などでかなりマズイ状況に陥りつつある点が違います。処理の素早さは、いずれやってくるだろう回復の素早さを連想させるものの、誰が牽引役になるかが見えないもどかしさもあるんです。2年後ぐらいに、「やっぱり、あそこが買い場やったなぁ~」と言えることを願うばかりです。ホンマ…。

● さぁ、休み明けの24日(水)から職場復帰です。ただ、やっぱり浦島太郎状態はその通りだし、まずはメールの整理からスタートすることになりそうです(^^;。

 TOPIX : 1149.12 (+51.44, +4.69%)    日経平均 : 11920.86 (+431.56, +3.76%)    円ドル : 106.75  

● 今週は、休暇中のため、マーケット・コメントはお休みです。

● とは言いながら、このマーケットの状況では遊び呆けているワケにも行かず、結局、物理的にオフィスに居るか自宅に居るかの違いだけみたいな夏休みになっています(^^;。場中はそれなりに日経CNBCをつけたままだし、ネット証券の口座(ちゃんとコンプライアンスの許可は取ってありますから…。為念)を利用してトレーディングシステムをリアルタイムで覗いたり、はたまたBloomebrgを覗いたり…(^^;。

● 米国株急反発の流れを受けて、東京も今日はとりあえず反発。ただ、どこまで信じて良いのかとの空気は残っているような印象でした。転機においては、往々にして一喜一憂になるのですが、今日がその「喜」だけだったのかどうかは不明。あの山一證券、三洋証券が破綻した時も、毎週末ごとに「あ~でもない、こ~でもない」があったことを思い出します。あの時は、敢えて言うと「日本ローカルの話」だったのですが、今回はグローバル。それだけにインパクトも違うし、影響度合いも違うのは当然。そして、日本だけが被害を被らないってことも有り得ないのです。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● ところで、リーマン破綻に伴ってリーマンの日本法人が業務停止命令を食らったことで、思わぬところで混乱が発生している模様。それは貸し株市場です。リーマンから株券を借りているのではなく、逆にリーマンに株券を貸し出している方が、一時、ちょっとしたパニック状態になった模様。制度信用取引ではない貸し株市場は、個別に消費貸借契約を交わすことによって、株券を貸し出す一方で担保(現金や国債など)を取ります。まぁ、この消費貸借契約がパーになったとしても、金額的な面では大部分が保全されているので、損失があったとしても大したことは無いハズ。

● 今回の話は、そうではなくて「株券」の部分。リーマンに対する業務停止命令は「9月15日から26日までの12日間」( 「金融庁がリーマン日本法人に業務停止命令、支払い不能のおそれで」 )です。一方、9月末権利付の最終売買日は9月24日(水)。9月末に株券を保有していなければいけない事情がありながら、貸し株料を狙って株券を貸し出している向きにとっては、「困った」状態。業務停止明けは9月29日(月)になるので、9月30日(火)までの実質2日間に貸していた株券のうち、契約上、返してもらえる分について、実際に全て返してもらえるのかは、かなり不透明な状況にあります。持ち合いなどの事情があれば、「スミマセン」では済まない場合もあるでしょう。となると、万が一の場合に備えて市場から株券を調達することも考えざるを得なくなってしまいます。実際にこういった動きがあるかどうかは、自宅で相場を見ている私としては、いかんせん情報不足(^^;。でも、マーケットから調達するならば、9月24日(水)が最終期限(月内最終)です。

● では、リーマンがどんな銘柄を持っているか(かなりの部分は貸し株のハズ)ですが、これは5%ルール開示に頼るしかありません。そんな時は、いつも大変、頼りにしている 「考える株式投資」 「大量保有報告書 データベース」"リーマン" で検索してみましょう。何となく姿が見えてくるかもしれません(^^;。

● 良い週末を!

 TOPIX : 1097.68 (-23.75, -2.12%)    日経平均 : 11489.30 (-260.49, -2.22%)    円ドル : 104.75  

● 今週は、休暇中のため、マーケット・コメントはお休みです。後場はそれなりに戻した印象もあったのですが、先物は最後に少し売られていますネ。まぁ、今晩の米国株市場がどう動くかで、明日の東京もまた動きが出るのでしょう。何にしろ、記録的な1日だったので、日経平均、日経平均先物(12月限)、そしてTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

日経平均日中足
日経平均先物(12月限)日中足
TOPIX日中足

● 少しだけ雑談。日経に 『リーマン破綻の影響、与謝野氏「ハチが刺した程度」』 というトンでもない記事が出ていました。「経済財政担当相」の認識がこの程度なんだから、相場から逃げ出す人が止まらないのも当然かもしれません。「日本の金融機関が痛むことは無い」とも発言していたのですが、本気だったのですかね?本気だったとすると、さらにこれが政治家の現状認識だとすると、薄ら寒いものも感じてしまいます。不安を鎮める目的での発言かもしれませんが、金融のプロ連中からみると、元々、期待していないとは言え、余計に不安が増すやら呆れるやら…。

● 米国と日本の大きな違いは、実務経験者がトップにいるかどうかってこと。ポールソン財務長官はゴールドマン・サックスの会長兼最高経営責任者までやった人。だから、誰が何と言おうとも、日本のどの大臣よりも実務経験は豊かだし修羅場も見てきているハズ。それが逆噴射するリスクはあるものの、現時点では、実務経験が無くて選挙が頭の90%を占めている政治家よりは、色々な意味で頼りになるのは間違いないと考えています。万が一、ゴールドマン・サックスが似たような状況になった時、彼がどう行動するかは見ものですが、本当の大きな人間だったら、アメリカ人が最も重視する考え方の一つとしての「フェアネス」が出ると信じたいところです。

● がらりと話題変更。ちょっと遅くなったのですが、ようやく四季報CD-ROMをインストールしました。これだけマーケットが荒れているところ、さらに割安修正が効かない局面では、銘柄選択も慌てることはありません(^^;。ゆっくり候補銘柄を探して、風向きが少し変わってから参戦しても間に合うハズです。配当利回りが2%を超えてきている主力銘柄も多い中では、個人向け国債などよりも良く見える銘柄は少なくないと考えています。四季報CD-ROMは、会社四季報CD-ROM 2008年4集秋号 からどうぞ。

● 紙媒体と違ってCD-ROMの優位さはデータとしてスクリーニングなどが可能なこと。ただし、東洋経済はちょっと意地悪をしていて、抽出したデータはコピーできない仕様になっています。今回は、「高配当利回り(年率2.5%以上)&大型株(時価総額2000億円以上)」をスクリーニングしてみました。条件は配当利回りが2.5%以上で前期末の時価総額が2000億円以上で、東証1部の銘柄。時価総額が2000億円以上だと東証1部で322銘柄になるので、まぁ、雰囲気としては良いところかなと。大型株にしたのは業績やら財務の安定感を求めたためです。上位500銘柄ぐらいがユニバースでよかったのですが、今回はこの辺にしておきましょう。あと、信用倍率などを加えても面白いかもしれませんね。

● もうひとつ、おまけに 「平均年収1000万円以上(従業員数100人以上)」でスクリーニングしてみました。従業員数100人以上にしたのは、そうしないとホールディング会社がいっぱい出てくるからです。ホールディング会社は管理職ばかりの会社って感じですから、実業としてはちょっと違うかなということで外してあります。なお、両方ともリストはPDFファイルにしてあります。以上、半分、広告でした(^^;。

2008年09月16日(火) .... 休暇中。リーマン破綻受け急落

 TOPIX : 1117.57 (-59.63, -5.07%)    日経平均 : 11609.72 (-605.04, -4.95%)    円ドル : 104.25  

● 今週は、休暇中のため、マーケット・コメントはお休みです。

● と書くと、「なんちゅう日に休んどるんやぁ!」との声が聞こえてきそうですが(^^;、先週末書いたように、年に1回、5日間連続で休まなくてはいけないのです。内部監査が入るからです。とは言うものの、日常雑務を色々とやりながらも、心配は心配だったので、マネックストレーダーやら日経CNBCを見ていました。まぁ、大体は予想の範囲内程度に収まった印象ですが、逆に言うと、予想以上の下げでなかった分だけ戻りも鈍いのかもしれません。先物などを見ていても、前日比では多く下がっているものの、ザラ場の売りのフォロースルーは大したことなく、ザラ場だけを見れば小動き。今後売りが出てくるのか、それともこれで終わりなのかは、時間が経過しないと分からない面もたくさんあります。

● あちこちの識者が書くと思いますが、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ、要するに倒産保険みたいなもの)をどうするか?さらにCDSを証券化しちゃってたらどうするか?ミートホープの肉や、このところ話題の毒米と同じで、一度、証券化されて拡散してしまうと、その損失額などを算定するのも非常に困難になってしまいます。信用補完のチェーンメールみたいな状態にあるなかで、その鎖のなかの誰か一人が"飛ん"でしまったら、全体が崩壊することも有り得る話ですから…。もっとも、着々と浦島太郎化する1週間ですんで、あまり参考にしないでくださいね(^^;。

● 記録的な1日だったことは確かなので、後々のために、日経平均、日経平均先物(12月限)、そしてTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

日経平均日中足
日経平均先物(12月限)日中足
TOPIX日中足
 TOPIX : 1287.74 (+35.31, +2.82%)    日経平均 : 13184.96 (+381.26, +2.98%)    円ドル : 106.55  

● 今日は前場から後場の13時45分までと、それ以降では全く違った相場でした(^^;。

● まず前場から。上値は限定的だろうとは考えていたものの、CME日経平均先物の水準(13200円)には遠く及ばない状態。今さらデカップリングでもないだろうに(^^;、こんな時に付いて行けないようだと、この前まで下げ渋っていたのが「底堅い」のではなく、単に弾性値が小さすぎたというか、ゴムひもではなく固まってしまっていたから、ということになってしまいます。さらに、TOPIX先物/JGB先物が東証のシステムトラブルで9時21分にストップ。「システムトラブル」=「相場下落」という経験則があるだけに、余計に冷や水を欠けられた格好。昼休みの立会外取引にも支障を来たしたようだし、実際に取引を見送った向きもかなりあったと想像します。

● そのTOPIX先物/JGB先物は13時45分に売買再開。売買停止前とあまり変わらない水準で寄付いたものの、その後は「債券先物売り・株式先物買い」が断続的に入ったようで、先物市場で大型買い爆弾が断続的に炸裂するなかで、裁定買いを一気に引っ掛けてスルスルと上昇。TOPIX先物/JGB先物が取引再開されたことをきっかけに、先物主導で上昇という色合いが濃い1日でした。まぁ、それだけ今の市場の方向性には、先物取引が深く関係している、ってことなんでしょう(^^;。

● 想像力を強めると、CTA筋から「債券先物売り・株式先物買い」が朝から入っていたとしても、JGB先物が9時21分から取引できなくなったことで、その間は何も出来ず、13時45分に再開されたところで、遅れていた分を一気に追い付くべく取引を執行した可能性も考えられます。結局、なんだかんだ言いながら、先物先導の上昇でCME日経平均先物の終値水準まで上昇して終了。朝方はアカンと思っていたけど、TOPIX先物の取引再開がきっかけになるとは考えていませんでした(^^;。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● さらに、TOPIX先物(9月限)と日経平均先物(9月限)の日中足も付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。13時45分にTOPIX先物/JGB先物が取引再開され、14時頃から急速に上昇している様子がご覧頂けると思います。TOPIX先物がどうのこうのというよりも、JGB先物が再開されたことで、債券先物と株式先物(主に日経平均先物)との間で何らかの取引が断続的にあったことを十分に想像させる日中足です。

TOPIX先物(9月限)日中足
日経平均先物(9月限)日中足

● 個別では、前週末のゼファーとキョーエイ産業の破綻を受けて、新興不動産や株価低位銘柄(つまり何らかの傷がある銘柄)が朝から軒並み売られ、あちこちで大幅安。まぁ、当然といえば当然のことでサプライズはありません。ただ、今後、毎週末や5・10日にはちょっとした緊張感が高まる局面があるかもしれません。ちなみに9月まで連休はありませんけど…(^^;。もっとも、大型不動産株などは裁定買いに乗る格好でかなり高くなったことから、東証1部33業種で見ると、全てが値上がり。しかし、新興市場は東証2部、JASDAQ、マザーズ、へラクレスが全てマイナスと、かなり色彩の違いが目立った1日でもありました。

● 記録。東証1部出来高は前週末比5722万株増の18億5099万株、売買代金は同543億円増の1兆9543億円と引き続き低調。実は毎分の東証1部売買代金分布で見ると、前場が39.1%、後場が60.9%と、かなり極端に後場に商いが偏っていました。もっと正確に言うと、13時45分以降に一気に商いが増加したのが今日の特徴。先物の影響力の大きさを物語っています。東証1部値上がりは1407銘柄、値下がりは259銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前週末比197.30円高の13001.00円(9時19分確定)。日経平均の日中値幅は263.94円(前場92.52円、後場215.82円)で、特に後場に値幅が出たことが分かります。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(2970万株売り/3380万株買い)でした。

● 大引後に開示された先物の手口から。それなりの面子が並んでいました(^^;。日経平均先物では、CSが3264枚買い越し、ニューエッジが2642枚買い越し、GSが1239枚買い越し、ドイツが1130枚買い越し、岡三が売り不明の2198枚買いなど。一方でMSが3368枚売り越し、LBが1676枚売り越し、立花が買い不明の1810枚売り、野村が買い不明の1794枚売りなど。TOPIX先物では、JPMが1608枚買い越し、CSが1586枚買い越し、日興シティが1228枚買い越し。一方で、BNPPが4539枚売り越し、MSが2012枚売り越しなど。いつも通り、これだけ見ても何も分かりませんけどネ…(^^;。

● さて、TOPIX先物/JGB先物のシステム障害については、東証HPの 「売買停止情報(先物・オプション取引等)」 に経緯が出ています。ただし、現時点では原因がどうだったかなどは、何も出ていません。明日になれば 「売買停止情報 (先物・オプション取引等) -過去分-」 に移ると思います。過去分ページを見ると、結構、ちょくちょくメジャーなシステムトラブルがあることが分かります。前回は富士通のプログラムミスが原因だったのですが、今回は何が原因だったのでしょう。東証は今日から呼び値を一部変更しているのですが、それが関係したとは思えないし…。まぁ、いずれにしろ、東証はもう少ししっかりしてくれないと…。何度目やねん?ホンマ…(-_-;)。なお、東証からのお詫びは 「派生売買システムの障害発生に関するお詫びについて」 に出ています。

 TOPIX : 1252.43 (-11.22, -0.89%)    日経平均 : 12803.70 (-84.25, -0.65%)    円ドル : 106.10  

● 野球中継を見ていたら、抜けられなくなって更新が遅くなりました(^^;。苦労したけど勝ったので、それなりに気分良く行きます(^o^)。

● 米国株高を受けて堅調にスタートしたものの、多くが予想していたように上は伸びないまま。今日もCME日経平均先物の終値水準(13130円)に届かないままで、朝方の高いところでもあまり雰囲気は良くない状態。10時過ぎからは、ジリ貧状態が明らかになり、前引けに掛けてズルズルと滑り落ち、後場はマイナス転落でマイナス圏での推移。あまり期待していなかったとは言え、想像以上に「弱い」相場と感じた方々が多かったでしょう。はぁ~(溜息)。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● ザラ場中、WSJ紙に 「Mortgage Giant Freddie Mac Considers Major Stock Sale, Issue of Up to $10 Billion」 ("フレディマックが約1兆円の増資を検討中")との記事が流れ、これでどちらかに動くかと期待したものの、ジリ貧状態には変化なし。逆に手控えムードが強まった印象もありました。このニュースが原因で今日の相場が下がったというのは言い過ぎかなとは思うものの、渦中の金融機関が資本増強するのを好感する、というこれまでのパターンからすると、やはり失望の雰囲気は避けられませんでした。

● 一方、今日もバリューは今一つの展開。朝方初っ端はそれなりに「押し目買い」が入っていた印象があったのですが、相場全体がジリ貧になるとバリューもジリ貧。今日はリバーサルがソコソコ好調だったので、ある程度、バリューのマイナス面を覆い隠していたかもしれませんが、これで今週はずっとバリューが駄目駄目マーク点灯したままでした。来週の展開にも注意が必要になりそうです。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億0960万株増の17億9377万株、売買代金は同395億円増の1兆9000億円と引き続き低調。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比116.04円高の13003.99円(9時17分確定)と堅調。ただ、日経平均のザラ場高値は12999.64円(9時51分)で、今朝のSQ値は「幻」で、昨日と同様に寄付きがほぼ日中の高値でした。日経平均の日中値幅は237.31円(前場86.06円、後場142.56円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な売り越し(4270万株売り/2990万株買い)。ただし、市場筋によると、ある1社がある低位株を大きく売り越したのでこうなったとのことで、それを除けば小幅買い越しだったと。

● 話題変更で指数ヲタク系話題。今月は20日が休みなので、今日、いつものTOPIX月末修正が一斉に所報掲載されています。ただ、結果的には、7月1日に発表されたFFW変更の方が大きい地位を占める格好になりました。1bp以上のウェイト変化のある銘柄は、ウェイト減少側でキヤノン、BOSCH、キリンHD、アステラス製薬、アサヒビール。ウェイト上昇側でヤマハ発動機、日本アジア投資、ビックカメラってところ。アステラス製薬は自己株消却でウェイト減ですが、それ以外はFFW変更によるウェイト減です。一方、日本アジア投資とビックカメラは東証1部への新規上場なので、純粋なウェイト増加はヤマハ発だけ。敢えて詳細は書きませんが、一応、月末はそれなりに注意しておきましょう(^^;。

● 東証HPでは 「月末上場株式数」 にPDFの資料が掲載されています。ただし、毎回書いているように、最初はこれを見てもチンプンカンプンだと思います(^^;。そこは「No Pain, No Gain」で頑張ってください。また、浮動株(FFW)比率の変更は、 「浮動株比率」 に資料が掲載されています。こちらはもう少し分かり易い資料です(^^;。

● そうそう、大引け後にゼファー(8882)が民事再生法の適用を申請して受理され事実上の破綻。ニュースは、 日経 ロイター もう一つロイター などが出ています。また、東証からも 「上場廃止等の決定について-(株)ゼファー-」 とのリリースが出ています。ま、これまでも何かと"話題"になっていた銘柄なので、それほどのサプライズはありません。新興不動産株がしんどいのも、かれこれ数ヶ月続いていることなので、その点からもサプライズはありません。ただ、より一段と警戒感が強まる可能性は考えられますネ。連休前なので、何かでるだろうとは何となく考えていたのですが…。

● さぁ、連休。学校も休みに入ったでしょうし、来週は多少は通勤も楽になりそうです(^^;。蒸し暑いなかで睡眠不足の方々もいらっしゃるでしょうね。ガソリン高を理由にして、お近くのスタバで涼みながら読書なんて悪くないですよ(^^;。良い週末を!

 TOPIX : 1297.88 (-0.14, -0.01%)    日経平均 : 13237.89 (-27.51, -0.21%)    円ドル : 106.85  

● 「今日はさすがに…」という気持ちと、「やっぱりアカン」が交錯する金曜日。寄付きは堅調だったものの、すぐにスコーンと下落する様を見ると、諦めの気持ちが先行する地合いに大きな変化は感じられませんでした。結局、今日も相場は小幅続落で、これで日経平均はついに12連敗。TOPIXは「たったの」8連敗です。過去の記録を見ると、12連敗は1954年4月28日~1954年5月18日の15連敗以来。12連敗だけを取れば、1953年5月21日~1953年6月3日以来。この12連敗は「スターリン暴落」の時だそうですが、当然、そんな昔のことは知りません(^^;。日経平均のサイコロ(サイコロジカルライン)は、モロに0勝12敗。これはめったに見れる数字ではありません(^^;。

● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比21.86円高の13287.26円(9時07分)。つまり、一応は、米国株堅調(NASDAQはマイナスだったけど)やCME日経平均先物高に敬意を表した寄付だったのです。ところが、5分後には、もうTOPIXも日経平均もマイナス。「今日こそは堅調です!」ってお客さんに電話するヒマもなく、第一声は「やっぱりあきまへんわ」でしたから…(^^;。この「やっぱり」が今の相場の空気を良く表しているというか、今朝寄付き前の段階でも、朝高でもあまり持たないだろう、が支配的なムード。日経平均12連敗と言っても、そんなにガンガン売られた感じではないので、パニック的な空気は感じません。

● 場中にあるヘッジファンドのFM氏とメールで話(^^;をしたのですが、同氏いわく、「ここで買うかどうかは全く別問題だけど、反発を狙うんだったら中国株などの新興国市場だろう。50%下落したマーケットは半値戻ししただけで50%取れる。日本はせいぜい年初来で12~13%程度の押しなので、半値戻しでも6÷88でたったの7%も取れない」と。つまり100→50→75は、50の水準で入れば50%のリターンが望めるということ。もちろん、これはタイミングが非常に重要なので簡単な話ではないにしろ、タイミングが難しいのは日本市場でも同じ。どうせなら、大きく狙いたいのは人情みたいなものです(^^;。つまり、今の日本市場は底堅い点は評価できるものの、「押さないから買えない」、つまり反発狙いの買いが入り難くしているような感じも受けます。皮肉ですね。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 今日の相場の話題は不動産、特に新興不動産株。これらの銘柄は朝から弱かったのですが、後場に入ってドカンと一段安。週末金曜日ということもあって、ただでさえポジションを持ち越したくないところで、こんな値動きをされてしまえば、心理的に市場全体に嫌なムードが漂うのは避けられませんでした。具体的にどこかがどうなるってのではなくても、マンションの売れ行きが鈍っているのは周知の事実だし、それを受けて、あちこちの不動産業者が苦しくなっているのも周知。「五・十日に注意」なんて声が聞こえてくると、連想ゲームも悪い方向に行くのは止むを得なかった感じです。「絶対に有り得ない」とは言い切れない時に、不安心理は増幅します。米国でも「GMに破綻の恐れ」なんてのが普通に語られる時代ですから…。

● 記録。東証1部出来高は前日比4億1041万株も減って18億2840万株、売買代金は同5688億円減の1兆9647億円とかなり閑散。見送り姿勢が多かったことを物語っています。東証1部値上がりは839銘柄、値下がりは748銘柄と、若干値上がり銘柄数が多かったものの、この程度は誤差の範囲内。日経平均の日中値幅は153.09円(前場70.12円、後場114.28円)とかなり小動き、特に前場はひどかったです(^^;。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、2日連続でかなりの売り越し(2820万株売り/1440万株買い)でした。

● 雑談。昨晩は、そんなにあっさりとは行かんやろうなと「冷静」に考えながら、「3タテやったらえぇなぁ~」と期待も込めてテレビ観戦。矢野選手がやってくれました(^o^)。やっぱり今年の阪神タイガースは強いわ…ホンマ。これで2位中日と9.5ゲーム差、貯金は今シーズン最多の24で独走態勢。もっとも、昨年は逆に10ゲーム離されていて、一度は追い付いたのだから、逆も当然有り得る話。ただ、今の状態をそれなりにキープできれば、大きく崩れる雰囲気は全く感じません。そろそろ9月の甲子園の試合を手配しておかないと…(^^;。今日から対横浜3連戦。貯金シリーズだと舐めていたらやられるので、そこは気を引き締めて(ハマの番長は投げないみたいだけど…)。今週末の浜スタは阪神タイガースファンで埋まるのでしょうね(^^;。

● 良い週末を!

2008年06月25日(水) .... 小幅反落、朝安後は下げ渋る展開

 TOPIX : 1346.08 (-3.11, -0.23%)    日経平均 : 13829.92 (-19.64, -0.14%)    円ドル : 107.90  

● ちょっとした飲み会で更新が遅くなりました。では、行きます。

● ある程度は軟調な値動きを予想していたものの、前場終盤の下落はちょっとヒヤリ。ただ、後場に入ってからは、それを忘れたかのように戻り基調となり、マイナスから脱出できなかったものの下げ渋る展開。今一つ勢いは感じなかったものの、大きくも下がらないことを、この2日間ほどで示唆している格好です。チャート的にも、ちょうど一目均衡表の「雲」の上限近辺でモジモジ。底堅いのが安心感に繋がる面はあっても、上値が乏しいと98%の市場参加者が考えているなかでは、逆に「下がらないから買えない」面もあって下値が乏しいのも痛し痒し。やっぱり方向感は見えてこないですネ。それやこれやで、TOPIXは小幅反落、日経平均は小幅ながら5日続落。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 個別には、昨日大引後に事実上の破綻を発表したスルガコーポ(1880)。それに伴う社債デフォルトを受け、特に新興不動産や建設株、さらに消費者金融の一角は、「ミニクレジットクランチ」状態。アーバンコーポ(8868)やゼファー(8882)などに加えて、アイフル(8515)がどっか~ん。ただ、市場全体に悪影響を与えるほどのインパクトはありませんでした。昨夕のスルガコーポが出た時点で、この辺の銘柄が厳しい状態に陥ることは、多くの方々が想像できたでしょうから、それほどサプライズではありませんでした。ただ、これらの売り込まれた銘柄について、戻りを取りに行くかどうかは結構迷うところ。リバーサルやバリューにティルトしてシステム運用してると、この辺の銘柄が下がると「買ってちょうだい!」とモデル君が囁くので厄介です(^^;。

● 一方で、JR各社は軒並み大幅高。夏休みの鉄道旅行が増えそうとか、環境関連などが材料として指摘されていたものの、どうも後付けっぽいところ(^^;。相場全体に物色の行き場所が乏しくなっているところだけに、安定感を含めてこちらに向かった印象。実はJRだけでなく、陸運は軒並み高でした。何か陸運に特有の材料があってというよりも、不動産を避けているなかで、準不動産株としての陸運に一時避難的に物色が向かった印象でした。

● 記録。東証1部出来高は前日比3億5512万株も増加して19億8471万株。昨日が酷すぎたので前日比ではかなり増加したように見えるものの、それでも20億株に届かず。売買代金は同4380億円増の2兆1672億円。こちらは2兆円の大台を超えました(喜ぶほどのモノではないけど…)。東証1部値上がりは871銘柄、値下がりは760銘柄と、指数とは逆に値上がり銘柄数の方が多い状態。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比47.50円安の13802.06円(9時06分確定)で。朝からそれなりに安かったものの、その後、前引けに掛けてはもっと売られたことが分かります。日経平均の日中値幅は197.55円(前場185.10円、後場135.04円)でした。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの売り越し(2710万株売り/1590万株買い)でした。

● 話題変更。東証の立会外取引のToSTNeTでは、「単一銘柄取引のうち売買代金が50億円以上」を超大口取引として、約定内容の公表遅延措置(1日遅れ)があります。それらの取引は、東証HPの 「ToSTNeT取引-超大口約定情報」 に掲載されるのですが、最近、三菱UFJ FGで36,000,000株(3600万株)というかなり大口約定が、この数日間に何回も成立しているのです。金額にして350~360億円ほど。元々かなり大きな銘柄なので、この程度のロットだったら株主上位10位の誰でも出来るロットですが、ちょっと「???」で市場筋の間で話題(^^;。真剣に話を書くほどのストーリーもまだ探っていないのですが、誰かご存知の方いらっしゃいます?こっそりと囁きを聞かせていただければと…(^^;。

 TOPIX : 1407.44 (-17.66, -1.24%)    日経平均 : 14209.17 (-230.97, -1.60%)    円ドル : 104.20  

● せっかくTOPIXが年初来高値を更新したと思えば、今日は意外なほどの下落。「よぉ、振られるわ…(^^;」と思いながらも、付いて行くところは付いて行かざるを得ないし、難儀な相場が続きます。多少円高方向に振れたこともあって、日経平均先物は昨夕のイブニング取引から軟調だったことに加え、米国株が案の定って感じで下落して、初っ端から大幅安の展開。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比210.64円安の14229.50円(9時12分確定)。前場はこの水準で踏ん張りそうな感じもあったのですが、後場に入ってからは売りに押される展開。

● ザラ場中に出てきた「米リーマン・ブラザーズの赤字拡大、増資検討」のニュースを嫌気と言えば、何となくそれっぽく思えるものの、建設株などを見ると、ここ最近でポロポロと破綻企業が出始めていることなども、少し気になってきた雰囲気もありました。まぁ、下げ出すと悪材料が気になるし、一喜一憂相場と考える方が理解し易いようには考えていますけど…(^^;。大引けでバスケット買いが入っていたので多少下げが少なくて済んだ感はあったものの、それでもTOPIXも日経平均もかなりの下落。TOPIXは-26.08pt(-1.83%、14時15分)、日経平均は-312.39円(-2.16%、14時15分)までありました。日経平均は最後のワンティックで30円ほど上にピョコンと跳ねて終わっています。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 東証33業種指数は全てマイナス。東証1部値上がりは229銘柄、値下がりは1422銘柄に達し、「ほぼ全面安」の展開。銀行株はかなり上下動したものの、最後は結構なマイナス。不動産はゼファー(8882)の心理的影響(100%子会社の近藤産業が破産手続き開始)を受けてか、それとも単なる反動なのかは不明ながら、軒並み大幅安。実際に画面を見ていると、ソコソコ高い銘柄もあったのですが、大勢には逆らえなかった印象でした。

● 上にも書いたように、最近は大型ではないものの、上場企業関連の破綻が相次いで発生。昨日も大証2部のジェイオーGHD(1710)の中核企業、ジェイオー建設が民事再生法の適用を申請して事実上の破綻。先週末(5月30日)には、東証・大証2部上場のトスコ(3304)が会社更生法の適用を申請して飛んだし、5月28日ジャスダック上場のアリサカ(2328)が会社更生法の適用を申請。つまり、金利上昇があれば耐えられないような企業がいっぱいある、って事でしょうか。連想で、リフレと喜んで銀行株を買うのも、あくまでもトレーディング的にならざるを得ないってことで、今日はこちらもマイナス。もっとも、上記したように、相場が悪くなると悪材料が気になる、ということだけだったのかもしれません…(^^;。

● 残りの記録。東証1部出来高は前日比1643万株増の22億8073万株、売買代金は逆に同233億円減の2兆7596億円。まぁ、水準としては昨日と同程度でした。日経平均の日中値幅は161.72円(前場117.83円、後場161.72円)と、比較的小動きでした。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日ぶりの売り越し(2760万株売り/2410万株買い)でした。

● 先物の手口も少し。日経平均先物では、LBが3945枚売り越し、CSが1703枚売り越し、MSが1540枚売り越し、ニューエッジが1395枚売り越し。買いはJPMが1985枚買い越し、野村が売り手口不明の2735枚買いなど。TOPIX先物では、MLが6423枚売り越し、MSが3143枚売り越し。買いはBNPPが6578枚買い越し、UBSが1714枚買い越し、GSが1555枚買い越しなど。いつもとは面子が替わったものの、かなりの大きな殴り合いがあったのは間違い無さそうです(^^;。

● 雑談。今日から仙台で対楽天2連戦。マー君が先発だけど、雨かなと思っていたら、試合できるみたいです。せっかく先制したのに、下柳投手が既に6失点。何か滅茶苦茶調子悪いみたい…(-_-;)。