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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

● 以前から何度か紹介したことのある「考える株式投資」(http://g2s.livedoor.biz/)というサイト。主催者の方には一度もお会いしたことはないし、お話をしたことすらないのですが、前々から、大量保有報告データベースやら、EDINETを系統立てて見ることのできるサイトなど、真面目に投資を考える方々にとっては、実に役立つサイトを運営されています。色々なプログラミングの素養が凄いのは見ただけで分かるし、"gotospace"というハンドル名から勝手に想像すると「理系」の方かな?とは考えるのですが、単に技術に走らないところは一味違っています。どうも証券や金融業界の方ではないような雰囲気を受けるのですが、その辺は不明(^^;。一方、Bloomberg、ロイター、QUICKなどのプロ端末を運営する向きからすると、実に恐ろしいサイトでもあります(^^;。

● そのgotospace 氏が「見えるXBRL」という投資ツールを以前から始動されていたのですが、『「新しい見えるXBRL」を仮公開しました』とのこと。実際に「見えるXBRL」に行ってみればすぐに分かるのですが「これは凄いっす!」(^O^)。

● 個別銘柄別はもちろん、業種別にもEDINET掲載の決算発表から業績予想修正のヒストリカルまで、適時開示情報が全て一目瞭然。正直、ちょっと「唖然」とするぐらいの仕上がりになっています。正直言って、Bloombergなどのプロ端末でヒストリカルの開示を蓄積してあるのは凄いとは思っていたけど、それにしてもPDFをいちいちダウンロードして、そしてPDFを開けてという作業が必要だったのが、XBRLをここまで使いやすく加工してあると、画面で一見して全てが分かってしまうのです。「今期実績が1億円以上で、1週間以内に発表された来期予想の増加率が高い企業」のランキングまであるのですから…(^^;。

● 個人的には、これだけ世界的な景気悪化が急激に襲うなかで、業績予想修正のヒストリーが一目で分かるというだけでも、その企業の対応度合いが見える印象があり、これだけでもかなり重宝します。Bloombergなどでは、業績予想修正が出たことは分かっても、実際に中身の数字を見るにはPDFを落として開けて、という作業が必要だったのが、このサイトでは全てが揃って出てくるんですから、本当に「唖然」です。

● 個人投資家が個人の立場(だと想像しますが…)でここまで出来るんだから、個人投資家とプロである証券会社や機関投資家との情報ギャップが凄い勢いで埋まりつつあるのは誰もが認識出来ます。さらに、プロ端末の運営者にとっては、自らが素早くそして大きく変化して行かないと、端末でフィーを取ることが正当化し辛くなってしまうのも明白。ワケの分からん「煽りサイト」などを見に行く時間があるならば、gotospace 氏の「見えるXBRL」で企業の業績予想がこの半年~9ヶ月でどう変化したかを見るだけで、かなりのことが分かります。しかし、恐ろしいサイトだ…(^o^)。

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 TOPIX : 834.82 (+5.79, +0.70%)    日経平均 : 8512.27 (+138.88, +1.66%)    円ドル : 95.30  

● 米国はThanksgivingの祝日で休場。東京市場の寄付き前に発表された経済指標は、予想されたとは言えかなり悲惨な状況で、先行き不透明感は強まるばかり。ただ、実際にマーケットが始まってみると、寄付き直後に一瞬マイナスに振れる局面はあったものの、比較的安定した右肩上がり。後場中盤に高値を付けた後、スコーンと下落する局面はあったものの、最後の最後にピョンと上昇して高値圏での大引け。今日は大引けでラッセル野村関連指数のリバランスがあったし、もしかしたら月末の「お化粧買い」があったのかも知れません(可能性は薄いと思うけど)。ただ、米国にしろ、日本にしろ、ボロボロの経済指標で相場がドカンとこなかったことは、それなりに評価したいところです(含む希望的観測(^^;)。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 業種別に今日の相場を見ると、これまでかなりボロボロに売られたセクターが買われ、逆にこれまで比較的堅調だったセクターが売られと、かなりはっきりとリターン・リバーサルの空気が流れていました。今日の業種別指数でも値上がり率上位には、不動産、商社、鉄鋼、海運などが並ぶ一方、マイナスだったのは保険、電力・ガス、小売、紙・パ、情報通信といったところ。保険などでは、ラッセル野村リバランスの影響もかなりあったと考えています。

● そういえば、今日設定の野村アセットの「野村リターン・リバーサル日本株0811」 が105億円強の設定となったことも、影響した可能性があります。もっとも、100億円のファンドが相場を動かすというのも言い過ぎかも知れないところで、週末を控えてポジションを整理したい意向が出易い日で、それが結果的にリバーサルっぽい動きになった、って方が当たっていたのかも知れません。

● 記録。東証1部出来高は前日比3億8478万株増の19億6927万株、売買代金は同2574億円増の1兆4799億円でした。出来高面はソコソコ盛り上がったようにも見えるものの、売買代金ベースでは年初来最低レベルをさまよう状態のままです。東証1部値上がりは1079銘柄、値下がりは538銘柄でほぼ昨日と同水準。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比53.38円高の8426.77円(9時35分確定)。日経平均採用銘柄のVWAPから日経平均を計算すると8465.40円で、大勢としては、今日もSQ値水準で横ばい推移だったことが分かります。日経平均の日中値幅は181.56円(前場101.28円、後場111.19円)と小動き。また、市場筋推計による今朝の外資系証券寄付前売買動向は、再び売り越し(2580万株売り/2090万株買い)でした。

● そうそう、今日午後5時にモリモト(8899)が民事再生手続き開始を発表(TDNet開示)し事実上の破綻(帝国データバンク:http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/2843.html)。東証2部銘柄だし「ふぅ~ん」程度でしょうけど、今日、この銘柄ってストップ高買い気配で終わっています(^^;。ビ・ライフ投資法人(8984)を大和ハウス工業(1925)が子会社化すると発表した件があったからでしょうけど、まぁ、何と言いますか…(^^;。今日、モリモト株がストップ高で買えなくてホッとしている方は多いとは思いますが、大和ハウスは知ってたのだろうか?知ってても問題ありそうだし、知らなかったとしても別の問題がありそうだし…。

● 業務連絡。株券電子化に関連して、東証から 「株券電子化移行に伴う本年末の内国株券等の決済の取扱い(5日目決済)について」 とのリリースが出ています。要するに12月末は、ほぼ全銘柄が5日目決済となる予定で、月内受渡最終は12月24日(水)で、12月25日(木)取引分は1月5日(月)が決済日になるってことです。

● 関連して、12月25日(木)から12月30日(火)まで売買停止になる銘柄のリストが、東証HP内の 「株券電子化関連情報」 に掲載されています。以前から折々アップデートされているページですが、NTTやみずほFG、三井住友FGなど、かなり大きな銘柄も売買停止対象になっているので、頭に入れておいた方がよろしいかと。売買再開が2009年1月5日(月)なので、カレンダー上は、丸々1週間半ほど取引できないことになります。さらに、指数関連でも 「株券電子化実施日前後の指数の取扱いの臨時変更について」 なんてのも11月頭に出ており、何かとややこしくなりそうです(^^;。

● 今晩の米国市場は、一応、オープンしているものの、短縮取引なので実質上は連休って感じ。私がNYで勤務していた頃も、この時期は若手がボランティアで出勤しています(^^;、みたいな空気が濃厚だったのを良く覚えています。NYSE休日スケジュールでご確認を。

● 何はともあれ、良い週末を!

 TOPIX : 829.03 (+11.81, +1.45%)    日経平均 : 8373.39 (+160.17, +1.95%)    円ドル : 95.10  

● 米国株については、かなりj距離のあるところ(東京)から眺めているので、実感としての感触が薄くなってしまうものの、昨晩のように、あれだけ「これでもかぁ!」というほどの悪い経済指標が相次いだなかで、かなり上昇して終われたことは、それなりに期待感を抱いてしまうところ。CME日経平均は大証比425円高の8565円と、こちらも大幅高。ところが、日本市場がオープンしたら、「誰もおらへんやんけ…」状態(^^;。相場は上がるにも下がるにも、それなりのエネルギーが必要なんですが、今日はそのどちらもが不足していた印象で、寄付きでピョコンと跳び上がった後は、ひたすら横ばいもみあい。プラスを保ったものの、後場は薄商いのなかをジリ貧に陥る印象の方が強かったです。

● 東証1部出来高は前日比8295万株減の15億8449万株、売買代金は同1119億円減の1兆2225億円で、昨日記録した今年の最低記録(1兆3343億円)をあっさりと更新。実際、売買代金が1兆円台に乗ったのは午後2時半頃で、「ヤバイ」雰囲気と、呆れた空気が相場には漂っていたのです。物色動向を見ても、これまで売り込まれていた商社、海運、銀行、不動産などが高かった一方で、ディフェンシブ系のテレコム、電力・ガス、鉄道などは軟調。自動車はまた別の事情があって軟調だったのですが、薄商いのなかで自律反発しただけ、と言われてしまえばその通りの状況(^^;でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 記録。東証1部値上がりは1026銘柄、値下がりは560銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比183.22円高の8396.44円(9時22分確定)。その後、フワッと上昇する局面があったものの、日経平均採用銘柄のVWAPから日経平均を計算すると8388.47円で、SQ値とはほとんど差が無い状況。つまり、寄付いた後は、実質的には上にも下にも動かなかったことになります。日経平均の日中値幅は158.19円(前場147.44円、後場154.73円)と、昨日を下回る小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ホンのわずかながら買い越し(2440万株売り/2490万株買い)でした。15日ぶりの買い越しです(^^;。

● もともと、日本株固有の「魅力」というのは、「避難場所」としてのニーズはあったとしても、強く投資家を惹き付けるポジティブ要素はかなり限定的。ついこの前まで「PERから見れば割安」の論調があったものの、あれもマーケットが下方修正リスクを織り込んで推移していたので、結果的に当時は割安に見えただけ。もちろん、ほとんどの市場関係者はそんなこと百も承知だったので、当時の「割安」が修正されないまま放置されていたのが、企業業績が大きく下方修正されたことで、落着くべき水準に落着いてきたってことです。残念ながら。

● これは色々なモデルでファンドを運用する立場からすると悩ましい状況で、当時はモデル君はそんなこと意識せずに「割安なんだから買え」と言う一方で、FM諸氏は下方修正リスクを理解しているので「んなもん買えるかぇ!」と拒否。かなりの股裂き現象に苦しんだのです(^^;。10~11月の業績発表を通過して、この矛盾点はかなり解消できたんですが、いつどこでマーケットが更なる下方修正リスクを織り込みに掛かるかが不透明。そうなってくると、引き続き「リスク・リダクション」がメインテーマにならざるを得なくなってしまいます。もうすぐ12月だし、月次リバランスの方々はそろそろ方針を考えておく時期なんですけど…(^^;。

● 話題変更。指数系業務連絡。日本時間の早朝、米S&P500指数の銘柄入替が発表されています。今月17日にも2銘柄の入替え発表があったので、「またぁ?」って感じですが…(^^;。新規採用されたのはDun & Bradstreet(DNB)とRepublic Services(RSG)で、削除はLiz Claiborne(LIZ)とAllied Waste(AW)。入替えのスケジュールは2日に分かれているので、詳細はS&Pのリリースでご確認を。

● 今日は防災訓練で41階から地上まで階段で降りたので、ひざが完全に"笑って"います(^^;。明日はもっと酷くなるだろうから、出社できないかも(^^;。日頃の運動不足を反省させられた日でした(^^;。

 TOPIX : 802.69 (+20.41, +2.61%)    日経平均 : 7910.79 (+207.75, +2.70%)    円ドル : 95.00  

● 米国株安、円高、CME日経平均先物が大証比355円安、外国人売り越しと、明るい材料が見付からないなかでの寄付き。ひどい状況を想像した参加者が多かったのでしょうが、実際には寄付きの売りが一巡してからは下げ渋りの展開。前場終盤から右肩上がりの展開で、後場寄付き後にスコンと上昇し、13時20分前にはTOPIXも日経平均もプラス転換。その後、一時的にマイナス転落する局面はあったものの、最後の1時間ほどは、「ホンマかいやぁ」というほどの勢いで上昇。アレヨアレヨと呆気に取られるぐらいでした。もっとも、商いはそれほど多くなかった印象でしたが…。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。上下動の激しさとともに、そこに渦巻いた心理を想像して頂けると、より一層お楽しみになれるかと…(^^;。

● 今日の相場を振り返ってみても、特にこれと言った材料があって戻ったのでは無かった印象。ただ、最初に目立ってプラス転換したのがメガバンクだったので、シティ(C)関連のニュース、 「シティグループ、身売り含む選択肢を検討=事情筋」 (WSJ紙の翻訳記事)に反応した可能性は考えられます。ちょっと後付っぽいですけどネ(^^;。

● 一方、ファクター分析でみると、前場最初の30~40分間は、まともにファクターが効かないボロボロ状態。ところが、10時前からバリュー、グロース、リバーサルともに結構な勢いで戻し始めたのが印象的でした。後場はずっとリバーサルがギンギン状態。敢えて想像力を逞しくすると、朝から年金筋の買いが入っていたものの、最初は外国勢の売りに押された。ところが、売りが一巡してからは、フォロースルーの売りが少なかったことで買いが優勢になったって感じでしょうか(^^;。

● また、結果的に10月27日安値(終値ベースでTOPIX=746.46pt、日経平均=7162.90円)を割り込まなかったことや、GLOBEXの米株式先物がずっと堅調だったことも、心理的な援軍になったかもしれません。もちろん、この先に関しては「続くかどうか」が焦点。今日は連休控えての週末ってことで、ショート筋も一度ポジションを縮小したいニーズがあったでしょうし、そこにうまく火が付いた格好だったのかもしれません。3連休中に、この火種がどう変化するのかは、実際のところ、やってみないと分からないのです。その点で、今日の上昇が不透明感を払拭したとまでは、言い切れないと考えています。絶望の淵から希望を持てるところまで戻したことは、ちゃんと評価したいですけどネ。

● 記録。東証1部出来高は前日比3億8219万株増の24億8933万株、売買代金は同2138億円増の1兆8181億円と、週末にしては、まぁまぁの出来高。ただ、"活況"という言葉を使うほどではなかったのですが…。東証1部値上がりは1220銘柄、値下がりは412銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比240.83円安の7462.21円(14時20分確定)と、かなり初っ端から売られたことが分かります。なお、保険株がいくつか寄付かなかったのですが、それ以外は9時44分までに全部寄付いています。日経平均の日中値幅は588.50円(前場203.15円、後場452.47円)とかなり大きい目。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、12日連続の売り越し(4270万株売り/2300万株買い)でした。

● 米ビッグ3の件。公聴会の内容は、全部を詳細に見たわけではないのですが、下品な言葉で言えば「開き直り」と「ゆすり、たかり」と大差ないように聞こえてしまいました。日本のメディアだけではなく、CNNでも見たのですが、印象はあまり大きく変わらなかったです。笑ったのは、自家用ジェットで公聴会に駆けつけた件。そりゃあ、 「米国:ビッグ3首脳、大ひんしゅく 自家用機で税金無心の旅」 (毎日新聞)となってしまいますって。セキュリティや時間の件などがあったり、米国でのコーポレート・ジェットは極端に珍しい話ではないにしても、税金での手助けをお願いする立場の行動としては、感情的にも、ちょっと疑問符が付くのは避けられません。これと比較したら、一流ホテルのバーで夜な夜な酒飲むなんて、軽いもんです(^^;。ホンマ…。

● 話題変更。金融庁から出た 「空売り規制強化案」 についても何か書こうかと思ったのですが、パブリックコメント募集中なので、とりあえず控えておきます(^^;。ただ、一言だけ書くなら、「この"案"を書いた方々は、現場を知らないんだろうなぁ~」ってこと。証券会社の機関投資家や外国人投資家セールス/セールス・トレーディングの後ろで、ほんの半場だけでも座って見学すれば、何がどうなっているのか分かるだろうのに…。現場を知らない規制強化が、建築・不動産業界にどれだけ悪影響を与えたか…。おっと、これ以上書くとアレなので…(^^;。

● 何はともあれ3連休。休み明け25日(火)は終値基準でMSCIのリバランス。27日(木)は米国市場はThanksgivingの祝日で休み。ここからクリスマスセールが本格的に始まります。この日の終値でTOPIXの月末修正(小規模)。そして、28日(金)の米国市場は開いているけど短縮取引で、米国は実質上、連休になります(欧州はThanksgivingの祝日はない)。また、この日の終値でラッセル野村のリバランス。色々ありそうな週です(^^;。良い週末&連休を!

 TOPIX : 782.28 (-45.15, -5.46%)    日経平均 : 7703.04 (-570.18, -6.89%)    円ドル : 95.20  

● 米国株が大幅安(NYダウは-427.47ドル、-5.07%、S&P500は-52.54pt、-6.12%)で5年ぶりの安値水準。日足チャートでも下抜けの雰囲気がより濃厚になってしまい、CME日経平均先物は大証比405円安の7865円。さらに市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ついに11日連続の売り越し(5010万株売り/2350万株買い)。これだけ重なると、もう「キャン」と言うしかなかった感じ。まだそれでも朝方は「その割には下がらない」といった印象もあったんですが、後場に入ってからは、円高が進行したこともあって、ズルズルと下落幅を拡大する展開。チャート上の逆三尊もあっさりと崩れてしまい、下値不安を抱えた状態での大引け。日経平均はモロ安値引け。TOPIXもほぼ安値引けでした。しっかし、日経市況欄に出ると効果てきめんやなぁ~(-_-;)。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 東証33業種では、電力・ガスがプラスだった以外は全てマイナス。なかでも、保険は業種別指数で-15.33%の下落と極端な下落。ほか、業種別指数で二桁%のマイナスは、不動産、その他金融、証券・商品。実は、この辺の業種はこのところズッ下げっぱなしで、ファクター分析でリバーサルが効かないのを如実に表している格好です。今日もまともにファクターが効かない状態で、どうもアンワインドが出ている印象を持たざるを得ませんでした。一方、こんな日でもプラス銘柄はあるもので、電力・ガス以外でも、JT、JR西日本、住友大阪セメントなどがプラス。他にもニトリ、ABCマート、キッセイ薬品などが年初来高値を更新して、なおかつ終値でもプラスでした。

● 保険がストップ安銘柄だらけだったなかでも、損保ジャパン(8755)について一言。昨日、決算発表したのですが、その内容以上に気になった点が一つ。同社は11月4日に上期業績予想を「上方修正」を発表しており、翌日の株価もそれなりに上昇したのです。そして、昨日、通期業績予想を赤字に「下方修正」。確かにルール上は間違ったことはしていないのでしょうけど、市場との対話といった観点からは「なんじゃそりゃ?」状態。上期の上方修正と同時に通期下方修正も発表すべきだったのです。いくら相場変動が大きいことを理由にしたとしても、です(-_-;)。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億5836万株増の21億0714万株、売買代金は同763億円増の1兆6043億円。多少は前日比で増加したものの、まだ低水準のままでした。つまり、売りが多くて下げたというよりも、値段関係なしに少ない買物にぶつけるような売りが下げ要因だったことを示唆しています。東証1部値上がりは130銘柄、値下がりは1541銘柄。日経平均の日中値幅は446.75円(前場259.23円、後場207.87円)と、ほぼ日中通して下げ続けたことが分かります。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比323.26円安の7949.96円(15時00分確定)と、それほど極端な数字ではなかったのです。つまり、ザラ場でフォロースルーの売り圧力があったことを示唆しています。なお、損保ジャパンが最後まで寄付かなかったのですが、保険株以外は9時44分までに全て寄付いていました。

● 話題変更。GM救済からビッグ3救済へと話が大きくなる一方で、資金枠には限界があるのも確か。一度、特別な救済をしてしまうと、後々まで繰り返し「また金クレ…」状態になるのは古今東西同じパターン。当然、米国政府も米国民もそれを分かっているだろうし、スムーズにコンセンサスが出来上がるかどうかは大きな疑問。その一方で、もしビッグ3のどこかがポシャることになれば、連鎖的な影響は想像するのが困難で、思わぬところに大きな悪影響が出る可能性も大だし、下手すると米国全体の信用が大きく毀損する羽目も想定できてしまいます。だから、 「米国債が最上格トリプルAから転落する日」 (ダイヤモンド・オンライン)といった見方が出てくるし、当然、これは為替にも大きな影響を与えるでしょう。そして、それが日本経済にとってプラスになるとは思えないのです。はぁ~(-_-;)。

● よって、結局のところは防空壕から眺めるしかない、というのが現在の投資家の正直な気持ちでしょうか…。外資系金融機関の多くは、11月末か12月末が決算期末。米系投資銀行は11月末決算が多く、それ以外は12月末決算が多いのですが、この時期は動きたくないし大きな損益を出して決算見通しがブレるのを嫌がるのは、日本企業の3月と同じ。経営陣だけではなく、現場でも今年の総括的なミーティングが増えるし、アプレイザルの時期でもあり、何かと本業以外にエネルギーを取られる、まぁ、そういう時期なんです(^^;。このややこしい時期に、相場はこれだけの難問山積というのなら、誰も敢えて火中の栗に手を出そうとしませんって。心理的に事態を悪化させることはあっても、好転要因では有り得ません。それが相場に素直に出ている感じを受けた1日でした。

● そうそう、ヘッジファンド・クルークで 「ヘッジファンドの多数、年末の資金償還請求期限を11月15日・26日に設定」 との記事がありました。元ネタはダウ・ジョーンズの記事です。まぁ、気にしたらキリがないのですけど、来週月曜日は日本市場が祝日で休み。明けて25日(火)には、終値でMSCIのリバランスがあり、米国は27日(木)はThanksgivingの祝日で休場。28日(金)の米国市場は開いているものの短縮取引日(NYSE休日スケジュール)。何かと微妙な空気が流れそうな1週間です(^^:。

2008年11月19日(水) .... 続落、薄商いで方向感の乏しい展開

 TOPIX : 827.43 (-8.01, -0.96%)    日経平均 : 8273.22 (-55.19, -0.66%)    円ドル : 96.60  

● 朝から「盛り上がるネタが無いなぁ~」とは感じていたものの、残念ながらその予想を裏切らない展開の1日でした。商いも昨日とほぼ同水準の薄商いだったし、方向感にも乏しく参加者が少ない印象がありあり。指数としてはそれほど大きな下落にならなかったものの、金融株は増資の話も加わって売られ、輸出関連や商社なども軟調。一方で、内需ディフェンシブ系がそれなりに買われて、適度に打ち消しあい。ただ、指数が大きく下がらなかったのが不思議に感じた1日でもありました。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。グラフでは、それなりに動いたようにも見えるのですが、Y軸の目盛りに注目して頂ければ、大して動かなかったことがご覧頂けるかと…(^^;。

● 市場関係者の間では、TOPIXの820ptあたり、日経平均の8200円あたりを割り込んでくると、公的年金の買いが入るとの思惑が強い状態が継続。チャート面からの「逆三尊」のラインもこの辺で、この水準から下を売り込むネタもとりあえず手元に乏しいとあって、どうしてもここまで下がってくると買い戻しなどが入り、下方硬直性が強くなっている印象です。ただし、買い材料は買戻し以外に乏しいので上値も限定的。「相場が安定してきた」のは事象面からは事実でしょうけど、マーケットを見ていると、「手詰まり感から動きが取れない」との印象の方が強いです。動き出せば動きそうなんですけどネ。ホンの半月前まではボラティリティーの高さに「勘弁してくれ…(T_T)」だったトレーダー連中は、ちょっと落着いてくると「相場が動かなくて面白くない」と…(^^;。まぁ、妙に「100年に一度」の刺激に慣れてしまうと、それが薄れると恋しくなるというか、禁断症状が出るというか…(^^;。

● 一方、今日は指数が動かなかった割に、バリューやリバーサルはかなりボロボロで、特にここ数日はリバーサルが逆噴射する状態が継続しています。つまり、売られる銘柄はいつまでも売られて(典型例が不動産)、一方で、買われる銘柄は継続的に買われている(ツムラ、塩野義製薬、ワタミ、ABCマートなど)状態。プラスとマイナスが適度に打ち消しあっていることで、指数はそれほど動かないというのが見えてきます。「プチ股割き二極化」ってところでしょうか。ファクターがまともに効かないということは、この1~2年の経験からすると、どうしてもアンワインドを連想させます。状況としてはそれが否定できないので、月末まで、ちょっと気をつけておきたいところです。

● 記録。東証1部出来高は前日比216万株減の19億4878万株、売買代金は逆に同359億円増の1兆5281億円。前引け段階での東証1部出来高は9億株割れ、売買代金は7000億円にも届かず、「今日はかなりヤバイぞ」と考えていたのですが、どうにか昨日並の水準は確保。でも、かなりの薄商いでした。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比5.41円安の8323.00円(9時10分確定)と、全くの無風状態(前日比でも確定時刻でも)。東証1部値上がりは736銘柄、値下がりは869銘柄で、これもほぼ昨日と同水準。日経平均の日中値幅は254.38円(前場191.06円、後場157.51円)と比較的小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ついに10日連続の売り越し(2810万株売り/2070万株買い)でした。

● 業務連絡。昨日の話で恐縮ですが、大証から 「株価指数先物取引に係るサーキットブレーカーの発動基準等の見直しについて」 とのリリースが出ています。日経平均先物で言えば、これまでは1万2500円未満で、値動きが1000円幅超、理論価格からの乖離が200円超でサーキットブレーカーが掛かるとなっていたものを、1万円と7500円に新たな刻みを設定。つまり、今後(11月25日以降)は、サーキットブレーカーが掛かり易くなることになります。現在の株価水準は「7500円以上10000円未満」のカテゴリーに入るので、前日比で750円超の変動、理論価格からの乖離が150円超でサーキットブレーカーが発動されることになります。まぁ、日経平均がこんなに下がるとは想定していなかった、ってのが本当のところかもしれませんが…(^^;。

● TOPIX先物など東証の株価指数先物のサーキットブレーカー発動基準は、 「指数先物取引制度概要」 に出ています。東証では、新派生売買システムが稼動した際(2008年1月15日)に、750ポイントという区切りが設定されています。ただ、東証では刻みが「750ポイント以上、1250ポイント未満」で1000ポイントの区切りは無かったのです。そこで昨日、 「指数先物取引におけるサーキットブレーカーの発動基準の見直し等について」 が出て、新たに1000ポイントの区切りが出来ています。こちらも11月25日から実施です。

● 現場としては、それよりも指数型ETFの値幅制限を撤廃、もしくは先物と同じにした方が良いと思うんですけどねぇ~。先物が普通に取引しているのに、指数型ETFがストップ高したりストップ安したりは、やっぱりおかしいでしょ…。

 TOPIX : 850.49 (+3.58, +0.42%)    日経平均 : 8522.58 (+60.19, +0.71%)    円ドル : 97.00  

● G20緊急首脳会合(金融サミット)は、ある程度予想されたとは言え、これと言った具体策は出てこず、さらに寄付前に発表された7-9月期GDPが前期比-0.1%で2四半期連続でのマイナス。Bloombergコンセンサスでは+0.0%、ロイターでは+0.1%だったところなので、実際の「差」は大した事は無かったものの、プラスとマイナスでは心理的には大きなな違いがあり、2四半期連続マイナスで「リセッション入り確認」となってしまいました。

● それやこれやで、寄付き段階から売り先行の展開。ただ、売りが一巡してから新たに大きく売り込む動きはなく、午前10時頃からは逆に右肩上がり。全体に薄商いだったこともあって、アレヨアレヨと上昇して指数は一気にプラス転換。市場筋の間では、例によって「公的資金の買い」の思惑が飛び交っていましたが、本当にそうかどうかは分かりません(いつも通りのこと(^^;)。ファクター推移を見ると、前場終盤から後場寄付きに掛けて、バリュー(フロー系)がヒョイと上昇したので、その思惑も100%間違いってことは無かった空気でした。

● もっとも、後場寄付後の30分間ほどで買い一巡してしまうと、その後は高値巡航→緩やかにジリ貧歩調。最後の30分間には、TOPIXは再びマイナス転落となる局面もあり、日経平均もかなり伸び悩み(日経平均はプラス維持)。いずれにしろ、今日はかなり薄商いだったし、G20に対する本当の反応は今晩の米国市場を見てみないと、との空気が強く、全体としては見送りムードでした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● ただ、指数はそれなりに日中で上下動があり、TOPIXはザラ場高値で+25.86pt(+3.05%、12時52分)、ザラ場安値で-19.90pt(-2.35%、9時48分)と、日中で5.40%も動いています。日経平均はザラ場高値が305.59円高(+3.61%、12時52分)、安値が-243.57円(-2.88%、9時16分)と、こちらは日中で約6.5%も動いたのです。

● 一方、日経平均が前日比でプラスマイナス100円以内だったのは、10月15日に前日比99.90円高を記録して以来。ただ、この日も前日比率では+1.06%あり、前日比率で1%未満は10月9日の45.83円安、-0.50%を記録して以来のこと。TOPIXでは、10月15日に前日比-0.79pt、-0.08%というのが直近では小動き記録ですが、興味深いことに、この日の日経平均は上記したようにプラスで1%超の上昇だったのです。日中大きく上下に動いて結果は小動き。はぁ~(^^;。

● 物色は医薬品、鉄道、電力・ガスなど、基本的にディフェンシブが中心。テクノロジーは高い銘柄があった一方で、かなり売られる銘柄もあり、全体は小幅高程度。鉄鋼や非鉄は安い方が多かったし、商社も全体軟調。不動産はビル需給の問題が報道されたこともあって、かなり売り込まれてしまい、メガバンクも軟調。内需系銘柄に行きたい気持ちはあるものの、その中でもリスク回避したい気持ちが前面に出ているというか、まだまだ相場の不安定さを気にする向きが圧倒的に多い印象でした。

● 記録。東証1部出来高は前週末比7208万株減の20億2613万株、売買代金は同955億円減の1兆6248億円と商い低調。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前週末比147.97円安の8314.42円(9時30分確定)。東証1部値上がりは886銘柄、値下がりは720銘柄。一方、日経平均の日中値幅は549.16円(前場342.37円、後場304.36円)もありました。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、これで8日連続の売り越し(2930万株売り/1750万株買い)でした。

● 業務連絡。大引け後に、トリドール(3397)のマザーズからの昇格が発表されています。指定は12月10日付。まだ所属部は未定ですが、これは同時に新株式発行(及び売り出し)を実施するためで、価格が決まって時価総額その他が確定して基準をクリアすれば上場部が決まる、という段取りになります。東証HP内、 「一部指定・市場変更・指定替え会社一覧」 をご確認ください。なお、東証1部に指定されるには、 「一部指定基準」 を満たす必要があります。為念。

● 雑談。「AC/DC」というロックバンド、ご存知ですか?1970年代後半に世界的にブレークしたオーストラリア出身のハードロックバンドです。かなり「骨太」なロックバンドで、日本ではそれほど人気が無かったように思う(なんせ昔の話(^^;)んですが、欧米では滅茶苦茶人気のあるバンド。それが、9年ぶりの新アルバム「ブラック アイス(Black Ice)」のリリースとともに再ブレーク。ビックリ(^^;。なんせ、基本的に高校生の頃の話だし、大学の頃には「10年前に流行った曲」的に良く聞いていた記憶があるけど、CS放送の Music Air でも先月からガンガン流れていて懐かしくもほろ苦くも…(^^;。

● そういえば、The Whoも先週から来日コンサートをやってるし(行けないけど、今晩は日本武道館でやってる)、最近はCMでも70~80年代の曲が多いように感じています。ピート・タウンゼントって63歳なんですってネ(^^;。もう立派なおじいちゃんやんか…(^^:。

 TOPIX : 916.65 (+37.65, +4.28%)    日経平均 : 9081.43 (+483.43, +5.81%)    円ドル : 99.00  

● 前週末の米国株式市場の地合いを引継ぎ、さらに 「中国、総額57兆円規模の景気刺激策発表 世界経済低迷に対応」 (日経)のニュースにも刺激され、朝からピョコンと飛び上がって大幅高。ただ、前日比では大幅高だったものの、ザラ場の値動きは今一つ勢いに欠けたのも正直なところ。本日の東証1部出来高は前週末比5億9309万株も減少して21億2395万株、売買代金は同5315億円減の1兆6581億円に留まり、お世辞にも活況とは言い難い状況だったし、薄い中をギャップで飛んでしまった感が強い1日でした。

● 東証33業種指数は全てプラス。海運、鉄鋼、建設機械などの銘柄群が中心的に急上昇した点を考えると、如何にも"中国関連"って感じ。中国の経済対策への期待感が手伝って、「売られ過ぎ」銘柄群が一斉に急上昇したのですが、ショート系の買戻しがかなりあったのかもしれません。いつも焦点は継続性。明日以降も続くかどうかは、本当に「神のみぞ知る」って感じです(^^;。続けば大したものですが、続かなければ不安定な相場が継続することになります。現時点では後者の可能性の方が高いと覚悟しつつ、何か変化の兆しがあるかを考えておくしかありません。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 記録。東証1部値上がりは1409銘柄、値下がりは246銘柄。日経平均のSQ値を計算すると、前日比429.53円高の9012.53円(15時00分確定)。コムシス(1721)とクレディセゾン(8253)が最後まで寄付かなかったのですが、それ以外は9時55分までに寄付いていました。日経平均の日中値幅は394.30円(前場381.70円、後場186.35円)。日経平均のザラ場高値は前週末比523.29円高(+6.10%、14時13分)だったので、SQ値を基準に考えると、あまり大きな値動きが無かったことが分かります。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(3570万株売り/3370万株買い)でした。

● 話題変更で指数ヲタク系話題。東証から 「TOPIX スタイルインデックスシリーズの試験算出開始」 とのお知らせが出ています。ついにTOPIXもスタイル・インデックスの世界に入ります。ちょっと遅かった気はしますが…(^^;。MSCIやラッセル野村など、ありとあらゆる指数にはスタイルインデックスがあるのですが、どうも「今一つ感」が付きまとうもの。東証は「バリュー、グロースの判別には、株式の割安度、成長度の投資指標として広く利用されている実績PBR(連結ベース)を基に予想PERの要素も一部加味し選定します」と説明しているのですが、これだけではイメージも掴み辛いです。何はともあれ、使いやすい指数になることを願っています。

● 今年2月に最初に発表された際のリリースは、 「TOPIXシリーズの拡充について - スタイル指数(バリュー・グロース)の導入‐」 ですが、ここに掲載されている資料は"概念"だけです。また、今年夏に 「TOPIX等のスタイル指数(バリュー指数、グロース指数)の概要について」 とのリリースが出ていますが、こちらも"概念プラスアルファ"程度。具体的な説明については、算出要綱が発表されるのを待つしか無さそうです。指数としての興味は盛り上がるものの、実際に年金基金などにベンチマーク採用されるのは、数年先の話になりそうです。その前に先物やETFなどが出てくるのでしょうね。

● 雑談。昨晩でプロ野球シーズンもようやく終了。もっとも、自分の気持ち的には大分前にシーズンは終わっていたので、それほど大きな感慨はありません(^^;。かつての阪神タイガースは、この時期に日本シリーズなど関係なしに「お家騒動」が起こっていたものです。下手すれば、シーズン後半からクリスマスの頃まで、延々と「あ~でもない、こ~でもない」が繰り返されたものです(^^;。今では考えられないことかも知れませんが…。優勝した年だったら、ちょうどクリスマス前にもハイライトを集めたDVDが発売されて…なんてペースだったのですが、今年は無しでしょうね。まぁ、来年に期待します。

2008年11月06日(木) .... 急反落、不安定な地合いが継続

 TOPIX : 909.30 (-57.61, -5.96%)    日経平均 : 8899.14 (-622.10, -6.53%)    円ドル : 97.80  

● 米国株式市場の流れから、ある程度は安いことは皆が覚悟していたでしょうけど、後場の下げ方は予想以上に大きかった感じを受けました。まだ全てが解決したのではない、との考え方は大なり小なり市場参加者の99%が持っているでしょうが、それにしても指数で5%超も上下するのは尋常ではありません。その尋常で無い状態が連続して発生するのですから、防空壕からちょっと首を出しかけた向きも、「まだあかん」と引っ込んでしまいそうな1日でした。大引け間際にバスケット買いが入ったおかげで安値引けは免れたものの、ザラ場安値はTOPIXで-65.59pt(-6.78%、14時49分)、日経平均で-714.53円(-7.50%、14時50分)まであり、大引け前までズルズルと下落した様子が見て取れます。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 東証33業種は全てマイナス。昨日爆騰した業種が見事に急落しており、いくらリターン・リバーサルと言っても極端過ぎる動き。オーバーナイトのギャップが大き過ぎて、超高速回転ファンドでも、このドッタンバッタンは取れないことの方が多いのです。ファクター分析をすると、今日はさすがにリバーサルは一服。という以上に、これだけギャップだらけで荒れてしまうと、なかなかモデル君も分析が難しかったようで(^^;、スペシフィック・リスクがかなり大きな1日でした。

● 米国雇用がこれからドンドン悪化し、日本の雇用も悪化し、さらに経済状況に関するニュースも当面は悪い話ばかりになりそうなのは、誰もが覚悟している話。それでも上昇することがあるのが株式だし、「不景気の株高」に期待する声が増えているのも確かです。これだけ世界中の中央銀行が金融緩和していると、萎縮しまくったマネーが少しだけでも「通常」に近くなれば、過剰流動性に伴うイケイケドンドン相場がやってくる可能性も、ゼロではないのです(^^;。ただ、それに期待したい気持ちは分vかるのですが、今それに全力で賭けるかと聞かれると、やっぱりタイミングが見えないって答えるしかない状況。タイミングさえ合えば、それこそ「てきと~」に銘柄を選んでも、それなりに儲かることが多いのですが、タイミングが間違っていれば、銘柄がドンピシャでも駄目ってことです。そのタイミングは、まだ見えてくる気がしません。基本的には心を広く持ちつつ、徹底的に時間分散することと考えています。

● 記録。東証1部出来高は前日比4億8957万株も減少して23億7634万株、売買代金は同3292億円減の1兆9989億円。東証1部値上がりは1456銘柄、値下がりは215銘柄で昨日の裏返し。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比500.63円安の9020.61円(9時35分確定)と朝から相当売られたのが分かります。ただ、そこから後場中盤以降にズルズル下がったことは、フォロースルーの売り圧力を感じてしまいました。日経平均の日中値幅は573.59円(前場407.34円、後場226.29円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び大幅売り越し(3930万株売り/2430万株買い)でした。

● 雑談。先日、円が急騰した局面で、個人がユーロなどの外貨買いに走り、街中の両替店に列が出来て、ユーロなどが品切れになったとのニュースがありました。「元気やなぁ~」と感心していたら、金貨などもいまや買えない状態なんですね(^^:。田中貴金属のHPには、 「【お詫び】金貨、プラチナコインの一部販売停止に関するお知らせ」 が掲示されています。行き場所の無い資金があるのは違いないのでしょうが、何か違ったところへ向かっているような気がしてなりません。まぁ、バナナダイエットのように、すぐに落着いてしまうのかも知れませんが…。

 TOPIX : 966.91 (+56.21, +6.17%)    日経平均 : 9521.24 (+406.64, +4.46%)    円ドル : 99.70  

● 米大統領選挙については、ほぼ事前の予想通り、バラク・オバマ上院議員が勝利。昼休み頃から速報が入り始め、後場中盤にはほぼ結果が出ていた状態。全体として、マーケットはフレンドリーな空気で結果を受け止めていた様子だったものの、日本株について、直接的にどうのこうのというのではなかった感じでした。それよりも、相場全体や外部環境に落ち着きが出始めていることを認識する参加者が増加している方が、相場押し上げ要因になったと考えています。

● なんせ「極端の極端の極端の極端」を「これでもかぁ!」とばかりに織り込みに掛かった相場なので、そのうちホンの少しだけでも「極端」が抜けると、それ以外の要因が何もなくても株価は戻ります。その意味では、足元の上昇は自律反発なんでしょうけど、下げが厳しかった分だけ、反発もかなりの規模になるのが自然。指数ベースだと1日で2%も動けばかなりのモノですが、足元のたった2日間で、TOPIXは99.79pt高(+11.51%)、日経平均は944.26円高(11.01%)と、指数ベースで11%超も上昇したのです(^^;。今日はTOPIXも日経平均もモロ高値引けでした。

● 今日はTOPIXの方が勢いがあったので、TOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 相場環境の落ち着きについては、Libor金利が落着いてきたとか、VIX指数も落ち着きを見せつつあるとか、バルチック・ドライバルク指数 (http://www.dryships.com/index.cfm?get=report) は下げ続けているものの、その下落度合いがマシになってきたとか、全体にニュースフローを見ていても感じるところ。物色内容を見ても、まだ危なげなところはたくさんあるにしても、一方通行だけではなく、それなりに売り買いが交錯し始めていることが分かります。

● さらに、相場をファクター分析をすると、ここ5日間ほどはスペシフィック・リターン・リバーサル(SRR)がギンギンに効いており、今日はその中でも特に効いた1日でした。SRRが効くということは、売られた銘柄が買い戻され、行き過ぎた銘柄がお休みする状態が、順番に回転しているということ。これまでは、下がる銘柄はトコトンまで売られて底が全く見えない状態で、かなりの不安感を誘う要因になっていました。それが曲がりなりにも循環し始めたということは、直近では戻りが相場全体に広がっていることを示唆し、さらに色々な意味で「まともな相場」になりつつあるってこと。これまでは、SRRでも短期が中心だったのですが、この2日間ほどでは、中期から長期ゾーン(長期と言っても3ヶ月ほど)へ広がりが出始めている点も心強いところ。最大の問題は「どこまで続くか」で、これがまだ見えて来ないのが難点なんですけどネ(^^;。

● 希望を言えば、もう少し理屈が付く利益系バリューなどに物色が来てくれると有難いものの、こちらはまだかなり不安定。行きそうに見えて、逆にドカーン、という状態を繰り返しており、まだ信頼を置けるような状態ではありません(^^;。今はちょうど年金資金などが月初のリバランスを実施する時期ですが、もう少し安定するようだとこちらに「試し買い」の資金が廻ってくるのでしょうけど、まだちょっと「恐い」感じ(^^;。日々お話ししているFM諸氏の間でも、非常事態を脱出しつつあることは多くが認めながらも、この段階で「えいやぁ」と勝負を掛けるのは時期尚早って声が多い印象。これだけ傷付けば、慎重になるのは止むを得ないんでしょうし…(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比6億0748万株も増加して28億6591万株、売買代金は同4250億円増の2兆3281億円。今日は比較的低位株の商いが多かったことで、株数ベースではややインフレ気味です(^^;。東証1部値上がりは1530銘柄、値下がりは151銘柄とほぼ全面高。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比276.13円高の9390.73円(15時00分確定)と朝から高かったものの、これほどまで「引けピン」になるとは予想していなかった感じ。午後1時頃からスコーンと下落したところなどは、やっぱりかなりヒヤリでした(^^;。日経平均の日中値幅は304.94円(前場208.76円、後場283.05円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(4110万株売り/4700万株買い)と、売り買いともにソコソコのフローでした。

● 話題変更。某市場筋氏からのメールで知ったのですが、今日の日経朝刊26面に公告が出ています。日本の法律に基づいたものではなく、表題は「ブリヂストン証券訴訟の件について」で、テネシー中央地区担当合衆国連邦地方裁判所ナッシュビル支部の「法廷通知」と出ています。目が痛くなりそうな公告(^^;ですが、「2000年3月30日から2000年8月31日までの間にブリヂストン株式を購入した投資家は、集団訴訟の和解案に従って和解金の支払いを受けられる可能性がある」とのこと。公告によると、一株当たり0.16米ドルの和解金を見積もっているものの、参加資格者全員が応募することはないだろうってことで、「平均分配が増額する可能性があります」と。日本のトールフリー番号も公告に掲載されているので、興味のある方はどうぞ(^^;。しかし、こんなの見ている人おらんやろけど、FMとして知らんかったでは困る場合もあるでしょうから、今日の日経をゴミ箱から出して、この公告をセーブしておきましょう(^^;。

 TOPIX : 784.03 (+37.57, +5.03%)    日経平均 : 7621.92 (+459.02, +6.41%)    円ドル : 95.55  

● 飲み会があって更新が遅くなりました。ほろ酔い気分で行きます(^^;。

● オーバーナイトの米国株市場は相変わらずの状態だったものの、昨日の日本株市場である程度の下落は織り込んだ状態。CME日経平均先物は大証比50円安の7110円で、昨日のイブニングで6830円まで突っ込んでいた点を考えると、こちらは逆に若干ポジティブ。しかし、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大量の売り越し(6000万株売り/2770万株買い)で、「また大量解約売りかいなぁ~」状態。前場寄付き後に一瞬プラスになったものの、かなり神経質な展開で、前場中盤には、TOPIXで-24.93pt(-3.34%、10時17分)、日経平均で-168.00円(-2.35%、10時17分)と、かなり下押しする局面もありました。この時点で、日経平均は6994.90円と7000円割れ(26年ぶり)を記録。

● 後場に入って、為替が対ドルでも対ユーロでも円安方向に動き、市場関係者が一番気にしていた円高独歩高に一服感。GLOBEXの米株式先物が堅調だったことも加わり、一斉に押し目買いやらショートカバーに火を点けた格好。いったん上がりだすと、売り物が「消える」(^^;のは良く見掛ける風景で、今日もそんな感じでした。日経平均7000円割れという「イベント」も通過したことで、ある程度は出尽くし感というか、「もうえぇやろ」感もあったのでしょう(^^;。それやこれやで、指数は高値圏での引け。日中の値幅としては、TOPIXが8.72%、日経平均が8.82%(日中値幅は631.52円で前場が265.96円、後場が500.05円)と凄まじいスウィングでした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● ファクター分析してみると、それほどバリューが上向いたって程ではなかったものの(セクターの方に振り分けられた印象)、低PER、低PBR組がそれなりに上昇。銀行・不動産あたりは朝から弱くて、TOPIXの方がかなりアンダーパフォーム状態だったものの、買われていた銘柄が「理屈が付き易い」銘柄群だったこともあって、機関投資家にとっては、若干呆気に取られながらも、悪い1日ではなかったと察します。市場筋の間では例によって「公的資金の買い」説も流れていたのですが、これは本当かどうかは永遠に分かりません(^^;。それっぽい臭いがするけど、買い手が良く分からない時に出てくる「説」です(^^;。昨日は「オイルマネーの売り」説が出ていたぐらいだし(ユーロ建てで見ると日本株の下落は少ないので売り易いとの理由付け)、まぁ、この辺はネタとして頭のホンの隅っこに置いておく程度でしょうか。

● これでコツンと来たかですか?まぁ、それは2~3ヶ月経過後に振り返れば分かる類のモノで、現時点で分かることはないと考えています(^^;。現在の様々な「対策」などは、基本的に止血措置で、まだ治療の段階ではないのです。まず止血してから治療して、そして傷口が直っていくという過程を経る必要があります。まだ集中治療室で止血措置の真っ最中なのに、「コツン」はないでっしゃろ…(^^;。そんなところで全力疾走を試みるのは無理だし、やはり時間を掛けて治療し、体力の回復を図るしかないと考えています。もちろん、万能特効薬があれば、それに越したことは無いのですが…。

● 残りの記録。東証1部出来高は前日比7026万株増の31億6580万株、売買代金は逆に同606億円減の2兆1718億円。出来高面では30億株超え2日連続だったのですが、ザラ場を見ていると英語でいう「choppy」って感じは否定できませんでした。東証1部値上がりは1356銘柄、値下がりは300銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比0.32円高の7163.22円(12時39分確定)と静か。三井住友FG(8316)が最後まで寄付かなかったものの、それ以外は全て9時20分台に寄付いていました。

● 雑談。今朝のニッカンスポーツに、 「ジェイコム男、株大暴落でも25億円の儲け」 との記事(^^;。記事が正しいとすると、年初来で10%超のプラス。日本株中心でこれは凄いことでっせ。しかも、100万円とか200万円に対する10%と違って、約200億円弱という巨額に対しての10%超ってところが凄いのです。そこら中の「プロ」と呼ばれる連中をほとんどぶっ飛ばしていることになります。個人投資家の強みをフルに生かしていると思うし、もしB・N・F氏がヘッジファンドでも始めるなんて言い出そうものなら、あっという間に数百億円が集まるでしょうネ(^^;。もっとも、彼は他人資産の運用には興味がない様子だし、他人資産の運用だとスタイルが変わってしまうリスクがあるのですけどネ…。それにしても、やっぱり凄いっす。

 TOPIX : 871.70 (-17.53, -1.97%)    日経平均 : 8460.98 (-213.71, -2.46%)    円ドル : 97.80  

● 最終的な数字を見れば大幅続落ながら、ザラ場安値から見ると大幅に戻して終了。TOPIXは前日比 57.55pt安(-6.47%、9時56分)、日経平均は同 658.08円安(-7.59%、9時56分)まであったのですから、ザラ場安値から、TOPIXで 4.50%、日経平均で 5.13%も戻したことになります。決算銘柄に対する反応が良かったとか、GLOBEXの米株先物が堅調だったことなどがあったにしろ、これは凄いことです。

● 時系列で行きましょう。オーバーナイトの米国株市場がまた急落(NYダウで-514.45ドル/-5.69%、S&P500で-58.27pt/-6.10%)。CME日経平均先物は8215円(大証比445円安)と、そこまで酷くなかったものの、実際に東京が始まってみると、この水準を下回ってNY株におつきあい状態。確かに1ドル=97円台、1ユーロ=125円台とかなりの速度で円高が進行したのはネガティブながら、それでも朝方最初の1時間ほどは、「そこまで売るかぁ?」ってほどの売られ方でした。この寄付き後1時間の売りというのは、海外投信系の商いに良く見受けられる特徴。今日もその可能性があったと考えています。その後の1時間、前場中盤以降は、売り圧力がある程度弱まったことを反映してか、相場もジリジリと戻す展開で昼休み。

● ホッと一息付きたかったところが、後場に入って昨日と同じように一段安。為替も対ドル、対ユーロで円高方向に振れて「キャン」(-_-;)。ただ、今日はここからが粘り腰で、その後はアレヨアレヨの戻し。信越化学(4063)の決算が午後1時に出て、同株がそれで上昇に転じた辺りから、相場全体も急速な戻しになった印象でした。昨日大引け後に決算発表したKDDI(9433)も、今日は朝方の一瞬以外はプラス推移だったし、やや安心感が出たというか、材料通過で動き易くなった銘柄に打診買いが入ったところ、意外に株価の足取りが軽かった意外感があったのかもしれません。電力・ガス、テレコム、医薬品・ヘルスケアなどのディフェンシブ系に加え、不動産もプラス転換して、安値からは大幅にもどして終了。今日も日中足は「V」字型でした。

● 日経平均の日中足に加えて、信越化学の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

日経平均日中足
信越化学(4063)日中足

● 記録。東証1部出来高は前日比6億6880万株も増加して28億2640万株、売買代金は同4739億円増の2兆3544億円。売買代金は株数ベースほど増加しなかったものの、それでも前日比で25%ほど増加。今日のザラ場切り返しは、それなりの商いを呼び込んだことが分かります。東証1部値上がりは470銘柄、値下がりは1152銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比399.69円安の8275.00円(14時17分確定)。これはスズキ(7269)がストップ安に張り付いて寄付かなかったからで、9時45分頃までには大部分が寄付いていました。ザラ場で658.08円安まであったので、SQ値よりも260円弱も下げた瞬間があったことになります。そして、終値はSQ値よりも185円ほど上でした。日経平均の日中値幅は531.18円(前場531.18円、後場451.09円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な売り越し(5010万株売り/2840万株買い)でした。

● さて、昨日と今日の相場下落について、実体経済がどうのこうのと理屈を付ける"相場解説"が多いし、それは全然否定しません。しかし、足元のマーケットで起こっていることは、問答無用の「現金化」が断続的に出ているって感じがしてなりません。その現金化を誘発する要因としては、実体経済がどうのこうのというのがあるんでしょうが…。ヘッジファンド主導の強烈な現金化やリスク・リダクションの流れは先月から今月がピークだったのかもしれませんが(そうでない要素もまだまだある)、足元では投信など、もう少し一般的なところから「現金化」が増加している印象があります。彼らはリスク・リダクションというよりも、投資家からの解約に対応する現金化なので背景が異なるものの、マーケットから見ると、現金化という観点からは同じ。価格関係なしでビッドを叩くような売りとなる要因です。

● ヘッジファンドならロング/ショートという格好で両建て戦略が多く、ポジション解消となっても、何かを売る一方で何かを買うことが多いのが通例。一方で、投信などは"ネイキッド・ロング"状態。つまり、解約が来ると、ファンドからはストレートに「売り」だけが出てきます。昨日後場寄付き後すぐに、ファクター分析でサイズがスコーンと下がったので、「誰か大型株主体の売りを出したな」というのはすぐに分かったのですが、この局面でそれをやるってことは、現金化するためとしか考えられないのです。上昇相場で同じことが起こると、「誰か小型株を買いに行ったな…」になるんですけどネ…(^^;。

● 関連して、ロイターに 「ファンド・オブ・ヘッジファンズ、解約要求に備え資金調達」 とのニュースが流れていました。昨日も書いたように、ヘッジファンドの解約通告期限には色々なパターンがあり、例えば今年12月末をターゲットにした分でも、想定できるところとしては、まず9月末、今月末(11月末向け解約の通告も重なる)、11月15日あたり、11月末などの波が考えられるのです。さらに、解約通告をギリギリまで待たないこともあるでしょうから、それ以外の日付でも可能性は常にあります。投信などは解約通告期限といった縛りがないので、余計に「いつでも」状態です。つまり、まだシートベルトを外せるような状況ではない、ってことですネ。

● その一方で、解約の嵐が吹く(吹いている)ことは、どこのヘッジファンドやFoHFsのマネージャーでも嫌になるほど分かっていることで、何も対応していないハズがないのです。かなり多くのファンドが、解約に備えてキャッシュを抱えているのもが事実で、年末までに、どの程度解約されるかが不透明なので、既に半分以上キャッシュなんてファンドも珍しくないのです。今後、何らかの理由により、想定していたほどの解約が出ないということになれば、今度はキャッシュがジャブジャブ過ぎることになり、運用に廻さざるを得ない事態もある得るってことは認識しておくべきかなと…。ただ、それがある程度見えてくるにしても、11月半ば頃まで待つ必要があるとは考えていますけど…。

 TOPIX : 956.64 (+29.27, +3.16%)    日経平均 : 9306.25 (+300.66, +3.34%)    円ドル : 101.45  

● 米国株高に反応したのはそうでしょうが、それ以上に大きかったように感じるのは、「そろそろ落着いてきた」という心理的要素。主に海外投資家による問答無用の「現金化」により、結果的に、株価が極端なケース(破綻や恐慌)までも想定した水準まで売り込まれていたのは、多くの市場参加者が認識しているハズ。少しでも「さすがにそれはないやろ」の気持ちを持てるようになると、その行き過ぎたリスクの織り込み部分は戻すことになり、それだけでもかなりのラリーになるのは簡単に想定できるところ。もちろん、これで全てが終わったワケではないのは承知の上で、先回り的な動きが出始めた可能性はあります。昨日も書いたように、そろそろ「金融危機」ネタに飽きてきましたしネ(^^;。問題は、どこまで続くかなんです…。

● まだ不透明感も色濃く残るなかでの上昇相場だけに、市場に警戒感もそれなりにあったのは明らか。前場から後場中盤までジリ貧だった点もその一つ。今朝の日経平均SQ値は、前日比292.38円高の9297.97円(9時37分確定)で、初っ端からそれなりの買いが先行したことが分かります。その後、TOPIXは9時32分にザラ場高値(+34.51pt、+3.72%)、日経平均も同じく9時32分にザラ場高値(+352.92円、+3.92%)を付け、その後は後場前半に掛けてジリ貧の伸び悩み。TOPIXは前場にザラ場安値が付いているものの、日経平均は13時23分に安値を付けど、かなりどよぉ~んとした雰囲気でした。ただ、その後は一転してきれいな右肩上がりとなり、結局、日中足は「V」字型。ジリ貧を警戒感と受け止めた方が良いのか、大引けに掛けての戻りを力強いと受け取った方が良いのか、どちらが優位とも判断し難い相場でした(^^;。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 物色動向としては、今日は比較的理屈が通る相場。これまでバカスカ売り込まれた外需関連銘柄が一斉に反発。資源系にしても、コモディティー市場の売り一巡感を支えに上昇。ファクター分析をしても、割安感のある銘柄が買われて、バリューがソコソコ、グロースもまぁまぁ、リバーサルがかなり効いて、機関投資家FMの皆さんにとっては、それなりにホッと一息付ける相場だったと察します。問題はこの状態が続くかどうか、ということ。今日の出来高などを見ても、「今一つ」感は避けられない状態です。商いの盛り上がりが欠けるのは、これまでの下落が急だっただけに、戻り売りを考えている向きにしても、この水準ではあまり大きな売りが出てこないのです。そうやこうやで、指数ベースで3%超もの大幅な上昇だった割には、売り買い交錯というほどの勢いは感じられない相場でした。これは東京だけの話ではなく、アジア各国の市場でも、似たような感じだったみたいです。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億3284万株減の20億8358万株、売買代金は同64億円減の1兆8824億円と今一つ盛り上がりに欠ける水準。東証1部値上がりは1257銘柄、値下がりは393銘柄。日経平均の日中値幅は223.10円(前場221.77円、後場172.81円)で、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向 は、買い越し(2320万株売り/3110万株買い)でした。

● 雑談。私にとっての今年のプロ野球シーズンは昨晩で終了。オリンピック以降の試合で良く見た風景が繰り返された印象でした。あれだけチャンスに打てなかったら、いくらピッチャーが抑えていても難しい、ってことでしょう。でも、岩田投手の投げっぷりは見ごたえがあったし、何か来年に繋がるものを魅せてくれた印象でした。これで、スカパーのJ-Sportsを解約し、パックもチャンネルを組み変える作業に入ります。来年3月か4月には、また元に戻しますけど…(^^;。スカパーのおかげで、サンテレビが入らない土地でも心置きなく生中継が見れるのは、それなりに凄いことです。ここでスカパーにお願いしたいのは、プロ野球パックだけでなく、球団別の組み合わせパック考慮して欲しいこと。「阪神タイガースパック」があれば、結構、全国的な販売が期待できると思いますよ!

● 雑談その二。興味深い記事を発見。 「かぶあがりひょうたん御守:八戸・蕪嶋神社のお守りが人気」 (毎日新聞)、 「株価が上がりますよう…八戸・蕪嶋神社のお守り人気が急上昇」 (読売新聞)とか…(^^;。青森県八戸市ですか。土地勘がないので位置的に良く分からないところがあるのですが、 Googleマップではこちら からどうぞ。今週末にでも行く??

 TOPIX : 977.61 (-21.44, -2.15%)    日経平均 : 10155.90 (-317.19, -3.03%)    円ドル : 102.95  

● 世界的な株式急落は世界を一周。おまけに急激な円高となると、もう打つ手なし状態の寄付。昨日、一足先に「やっちゃった」東京だったものの、寄付きから「寄付かない銘柄ばかり」の状態で指数はスルスルと下落。9時16分にはザラ場としては2003年12月11日以来の1万円割れ。東京市場で売買の6割を占める外国人投資家が一斉に市場から逃げ出さざるを得ない状況に陥り、買い手不足が深刻化。ここまで外国人におんぶにだっこで、国内の投資家を育てる努力を怠ってきたツケが一気に噴出している感もありました。

● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比443.94円安(!)の10029.15円(9時45分確定)。シャープ(6753)が最後まで寄付かなかったものの、多くの銘柄は9時30分頃までに寄付きました。9時半前に安値を付けた後は、さすがに打診買いが入り始め指数は切り返し。「日経平均1万円割れ」というイベントも達成したし、円ドルも東京時間前場中頃からはジワジワと円安方向に動き、GLOBEXの米先物も午後は堅調。オーストラリアの利下げもアジア株式市場全体に好影響を与えた模様。安値からはかなり切り返した点は評価出来るものの、ザラ場高値から大引けに掛けてはかなり押すなど、傷口はそれなりに深かったです。

● 日経平均の日中足も付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● また、後日のために、今日の指数の動き(高安)を整理して抜き出しておきます。今日は売り気配が多くて指数の「寄付」にあまり意味がないので、SQ値を使っています。また、TOPIXのSQ値は前場引け段階での概算値です。前引けの段階で寄付いていない銘柄については、TOPIX計算と同じ方法で定められた順位の株価を使って計算しています。為念。

TOPIX日経平均
指数値前日比前比率時刻 指数値前日比前比率時刻
SQ値952.89-46.16-4.62%11:00 10029.15-443.94-4.24%9:45
高値991.89-7.16-0.72%13:15 10363.14-109.95-1.05%13:05
安値944.37-54.68-5.47%9:26 9916.21-556.88-5.32%9:23
終値977.61-21.44-2.15%15:00 10155.90-317.19-3.03%15:00
(SQ値は概算、計算は「虎年の獅子座」)

● 業種別に見ると、紙・パは朝方から堅調だったし、午後からは不動産、銀行など、そして下落の象徴的銘柄だったコマツ(6301)やJFE(5411)がプラスに転じたのも印象的。まぁ、これだけ短期間に主力銘柄が急落する局面と、さすがにリバーサル狙いの買いが入ってきます。普段は1%も動くことが無い主力銘柄が、あっという間に5%とか10%とか急落したのですから、「今日の下落の半分戻ったとしても、5%も取れるんやで」派が打診買いを入れたのは良く理解できます。ただ、今回の下落の背景には、東京市場で売買の6割を占める外国人投資家が、一斉に「リスク資産圧縮、現金化」に走らざるを得なかったことが大きな要因になっています。そりゃあ、世界景気がどうのこうのも大きな要因でしょうけど、足元で需給的な要因が大きく働いているのは違いないところ。だからPERやPBRなどが効かないし、ファクターも効かないし、ファンダメンタルズが効かない相場が続いているのです。となると、「この需給要因が収まれば…」と考えるのは当然。今日、それが最終局面かって?正直、何とも言えません。

● この世界でキャピタルゲインで儲けるには、自分が買った後に誰かが買ってくれないと無理なんです。日本株市場で売買の6割を占めていた外国人は、たとえ生き残っていたとしても、しばらくリハビリが必要。個人投資家に望みを掛けるにしても、今後、景気悪化の数字がドンドン出てくるのが見えるだけに、積極的なブームを想定するのは無理。つまり、「次の買い手」がなかなか見えてこないなかでは、熱が冷めると「もう少し先で、えぇか…」といった様子見ムードが広がるのも無理はないのです。

● ここまで主力株がボロボロに売られた後は、私個人の考え方としては、銘柄選択よりもタイミングが重要。アナリスト諸氏やファンダメンタル派のFM諸氏が聞いたら目を剥くかもしれませんが(^^;、タイミングが当たってさえいれば銘柄が多少外れてもそれなりに儲かります。でも、銘柄がドンピシャで当たっていても、タイミングが間違っていたら、結果的には儲かりません。で、そのタイミングが一番難しいのです。誰かタイミングが見通せる方、教えてください! (^^; (^^;

● 記録。東証1部出来高は前日比3億9818万株増の29億6513万株、売買代金は同1507億円増の2兆5271億円と、最近の水準としては、まぁ活況。ただし、出来高から見たほど売買代金は伸びなかった印象です。一方、日経平均先物は掛け値なしに「活況」で、日経平均先物当限の出来高が25万枚を超えた(イブニングを除いて259,758枚)のは、本当に久しぶりでした。東証1部値上がりは315銘柄、値下がりは1356銘柄。日経平均の日中値幅は446.93円(前場412.33円、後場207.24円)と、2日連続でかなり大きく動きました。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅な売り越し(4480万株売り/2650万株買い)でした。

● 最後に雑談。こういう状況になったとき、特に政治家の先生方は「大丈夫」とか「万全の…」といった発言が多くなります。気持ちは分からないでもないのですが、それを真に受ける向きがどれだけいるのやら…。信頼感の裏打ちがゼロに近い政治家が、下手に「大丈夫です」を繰り返すなら「ホンマはヤバイんや…」と考える方が普通でしょ(^^;。金融機関にとっても、一般の企業にとっても、それは同じで、最初の1回ぐらいはともかく、「大丈夫だ」とうるさいぐらい繰り返されれば、繰り返されるほど疑心暗鬼になって不要なストレスを引き起こすのです。先生方、分かってます?

 TOPIX : 1076.97 (-24.16, -2.19%)    日経平均 : 11154.76 (-213.50, -1.88%)    円ドル : 105.85  

● 寄付きこそはCME日経平均先物が堅調だったことなどを受けてプラスで始まったものの、それは1時間も持たず、その後はマイナス転落してズルズルと下落幅を拡大する展開。時折、米国絡みのニュース("SEC空売り規制延長"とか"米上院で金融安定化法修正案可決"など)で戻る局面はあったものの、上値が重たいというか、買い手がおらんというか…。これほどネガティブな心理状態に陥ってしまうと、「いくら修正法案が可決しても、雇用統計でずっこけたら…」とか、「世界的な景気悪化懸念」など、出てくる話は下向きスパイラル状態の発想ばかり。後場最後の30分ほどは、ヘッジ売りか何かは知りませんが、先物が売られて断続的な裁定解消売りを引っ掛けて一段安。なまじ朝に高かっただけに、引け味は最悪。閉塞感が強まるなかで、買い手不足は深刻化しているのがモロに出てしまった相場でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● かなり悲惨な空気の相場のなかでも、東証33業種別指数で見ると、値上がり業種は7業種あったのです。なかでも、情報通信、電力ガス、医薬品などは、それなりにプラス。一方で、鉄鋼、商社、機械(特にコマツや日立建機)、非鉄などはボロボロ。この辺は、業種別指数で5%超も下落したのです。日立建機(6305)は日経平均採用があってここまで堅調だった反動としても、コマツ(6301)なんてまた1割超も急落し、悲鳴すらも聞こえなくなってきた印象。自動車もそうだし、ソニーが6%近く売られるのも「何で?」って感じ。一方で、こんな相場でも高値を付ける銘柄もあり、東洋水産(2875)なんて上場来高値でっせ。他にも日清食品HD(2897)、山崎製パン(2212)、ABCマート(2670)が瞬間風速にしても年初来高値を付けていました。

● この辺の上がった銘柄群と下がった銘柄群を見るだけで、思い浮かぶ言葉は一つ、「ディフェンシブ」。ちょうど月初のリバランス時期に差し掛かるのですが、この相場環境下でフルインベストメントのFM諸氏は、「とにかくβを落として、ポートのリスクを下げて」が合言葉状態…(T_T;)。株式を保有しながら、如何に「株なんて保有していないようなファンド」を構築するか、って感じになりつつあります(^^;。業績から見た割安感がどうのこうのというファンダメンタルズではないんですよネ、実際のところ。

● 流動性が落ちる中で、値段関係なしのアンワインドやら何やらが飛び交っている状況では、投資アイディアを掲げても空しくなってしまいます。ファクター分析しても、何も効いていないように見えるのも、逃げ出す資金だらけ、との状況を象徴しているように感じます。「陰の極かも知れない」と思いつつも、実際には、手も足も出ない「亀」状態に成らざるを得ません(^^;。Gartman氏の相場格言にも、「Market can remain illogical far longer than you or I can remain solvent」ってのがあるし、タイミングがなかなか見えてきません。タイミングさえ分かれば…です。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億9973万株増の21億3643万株、売買代金は同2037億円増の2兆2036億円。東証1部値上がりは283銘柄で、値下がりが1368銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比64.73円高の11432.99円(9時14分確定)。寄付き段階ではプラスだったのです(^^;。TOPIXのザラ場高値は9時23分(+6.55pt、+0.59%)で、日経平均の高値は9時29分(+84.13円、+0.74%)でした。ちなみにザラ場安値はTOPIXが14時45分(-27.36pt、-2.48%)、日経平均も14時45分(-224.47円、-1.97%)。つまり、ほぼ寄り天で安値圏の引けと、「持ち上げといて、叩き落す」という"痛い"パターン。日経平均の日中値幅は308.60円(前場215.13円、後場132.77円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、再び小幅ながら売り越し(3530万株売り/3160万株買い)でした。

● 考えると気持ちが重たくなるんですが、この惨状が実態経済に反映されて、世間一般が酷さに気付くのは半年後になるんでしょうね。つまり、来年の2月とか3月には、相当に酷い数字が並んでいることを覚悟する必要がありそうです。日本以外の世界は、それを痛切に感じているのですが、なぜか日本はガラパゴス状態というか…(^^;。取り付け騒ぎが発生していないのは、先進国では日本とフランスぐらいです、ホンマ…。もっとも、実際に数字が悪化してくる頃には、相場はもっと先を読みに掛かるでしょうから、「景気がこんなに悪いのに、何で株が上がるねん?」って状態になっているかもしれません。にわか識者(本当の識者はもっと賢い)はそこで、「おかしい」と言うでしょうが、その辺が本当のチャンスかもしれません。何はともあれ、今は生き残ること最優先って感じです。一歩、オフィスから外に出て眺める世間一般は、まだまだ余裕があるように見えますが…。

● ホンマ疲れる相場が続きます。明日はようやく週末。ただし、明日夜には米雇用統計があったりします…(^^;。

 TOPIX : 1127.87 (-20.02, -1.74%)    日経平均 : 11743.61 (-149.55, -1.26%)    円ドル : 106.25  

● 前場は堅調に推移したものの、前場中盤以降はジリ貧。TOPIXは前引け間際にマイナス転落し、日経平均も後場寄付きでマイナス。昼休み立会外取引が売り越しだったのか、今日はソコソコの昼休みギャップが発生し、後場はもうプラスに転じる勢いはありませんでした。元々、それほど強い相場になるとは予想していなかったものの、先行き不透明感からくる買い手控えムードの強さは嫌になるぐらい。香港もメチャ安だったし、これを書いている時点で欧州も大幅安。疑心暗鬼というか、まだ一荒れありそうと考えている向きばかりみたいです。

● 今日はTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 個別には、特に大きな材料がないと思われるのに大幅安する銘柄があったり、一方で、意味不明に堅調な銘柄があったり…(^^;。海運の下落はある程度理解できるとしても、それにつられてと言うか、そもそも海運株が下落するのは資源系がアカンからとの理由付けで、商社、鉄鋼、非鉄がパラシュートが破れてしまったかのような下落状態。自動車も「こんなにボロボロに売る材料あるんかいな?」って感じがするほどの売られ方でした。その一方で、小売り(除く百貨店)が妙に堅調だったり、紙・パも堅調。でも、医薬品などはマチマチと、一概にディフェンシブなどと理屈付けするのは無理で、全体としては、分かったような分からんような1日でした。

● ファクター面から見ても、今日の相場は分かり辛いというか理解が難しい状況。バリューはアカン(特にフロー系)、リバーサルも効かない、グロースは元々期待していないって感じで、要するに何をやっても駄目。思わず「アルファの符号をマイナスにしたら儲かるかも?!?」なんて悪魔の囁きが聞こえてきそうです(^^;。

● 今や市場のテーマは「リスク・リダクション」。「現金ほど強い(安心)モノはない」という雰囲気がずっと続いています。ファンディングレートがこれほど高くなってしまうと、ロング・ショートなどを抱えて四苦八苦しているよりも、さっさと現金化して高い金利で貸した方がマシ、ってことになってしまい、ファンドの解約・現金化、つまりアンワインドがあちこちで進行していることを感じざるを得ません。ファクターが何も効かないという展開も、アンワインドが進行していてポジションを新たに作る向きがほとんど居ない、と考えれば筋が通るのです。こういうのを「陰の極」と呼びたいところですが、本当にここが「極」なのか、単に「極」に向かう過程なのか、もう八合目なのか、まだ二合目なのか、確信が持てない苦しさが今のマーケットを重苦しくしてしまっています。

● 記録。東証1部出来高は前週末比1億1363万株減の17億1009万株、売買代金は同1356億円減の1兆8824億円と薄商い。東証1部値上がりは530銘柄、値下がりは1100銘柄。今朝のSQ値を計算すると、前週末比17.38円安の11875.78円(9時16分確定)と、寄付き段階で既にある程度の売りがあったことを感じさせます。その後、指数はジリジリと上昇したものの、TOPIXは9時51分にザラ場高値(+11.72pt、+1.02%)を付け、日経平均は9時44分に(+169.51円、+1.43%)まであって、その後はジリ貧。朝方高かった分だけ日経平均の日中値幅は大きく、一日通しで341.62円(前場179.42円、後場161.31円)ありました。なお、後場SQ値(11890.91円)は前引値に対して56.74円も下放れる「昼休みギャップ」が発生しました。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(3190万株売り/2200万株買い)でした。

● 雑談。ポール・ニューマンが亡くなったとのこと。私が一番最初に真剣に見たポール・ニューマンの映画は"The Sting (1973)"だったのですが、これはテレビの深夜枠での放送。あまりにも引き込まれてしまって、全部を真剣に見てしまい、寝坊して翌日の授業に遅れそうになったのを良く覚えています(^^;。その後、"The Verdict (1982)"、"The Color of Money (1986、邦題:ハスラー2)"、"Nobody's Fool (1994)"などは、リアルタイムで映画館で観たクチでした。印象に残っているのは、やっぱり"The Sting"と"The Color of Money"でしょうか。単に「Blue Eyes」で男前の俳優というだけではなく、あのような感じで年を取れたら…と思わせるところが記憶に残っています。どちらもDVDを持っているので、秋の夜長に観たいものです。

 TOPIX : 1147.89 (-6.06, -0.53%)    日経平均 : 11893.16 (-113.37, -0.94%)    円ドル : 105.80  

● 朝方の一瞬は米国株高などを好感してプラスで始まったものの、その後は米国での「救済法案(金融安定化法案)」協議の行方に不透明感が強く、寄付高以外は、ほぼマイナス圏での推移でした。ザラ場でも、誰かが協議案を拒否したとか、暫定合意したとか、WaMu(Washington Mutual)が飛んだとか、はたまたフォルティスの資金繰り悪化報道など、不透明感の解消には程遠いニュースばかり。

● もう少し広いところを見ても、バルチック・ドライが大幅安だとかで海運株はひたすら売られ、鉄鋼などもボロボロと、景気の先行きを不安視せざるを得ないようなネタばかり。銀行株にしても、実際に今後の見通しが立つような値動きではなかったし、週末を控えていることもあって、手控えムードでいっぱい。相場は寄付き段階でもあまり強いとは感じなかったものの、一方で、ドカンと売られなかった(一時、かなり売られたけど戻した)のは、買い方だけでなく、売り方にとっても動きづらい印象。どちらにしろ、新規にポジションを組むような雰囲気は皆無で、ポジション整理を「今」やるか、「先延ばし」するかが焦点って感じでした…。はぁ~(^^;。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 記録。東証1部出来高は前日比2億3139万株増の18億2372万株、売買代金は同2933億円増の2兆0180億円。昨日よりは増加したとは言え、活発とはお世辞にも言い難い状況。東証1部値上がりは341銘柄に留まった一方で、値下がりは1307銘柄もあり、指数から受ける印象よりも値下がり銘柄数が多い感じを受けました。今朝のSQ値を計算すると、前日比30.03円高の12036.56円(9時40分確定)。TOPIXは13時46分に-18.50pt(-1.60%)、日経平均は13時50分に217.80円安(-1.81%)まで突っ込んでいます。大引けまでには良く戻ったというべきでしょうか。一方、日経平均の日中値幅は293.91円(前場150.53円、後場155.51円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(3650万株売り/2510万株買い)でした。

● 一歩引いて考えれば考えるほど、この先、ヘッジファンド業界に津波のように襲い掛かってくる可能性が高い難局からは、どうやっても避けられないように思えてしまいます。暴力的な相場の上下は一巡したとしても、構造的に業界としての拡大に急ブレーキが掛かるのは避けられないだろうし、それによって世界中の色々なマーケットも、規模縮小や流動性の低下などの難題が降りかかってきそうな雰囲気。GS/MSというプライム・ブローカーの二大巨頭が銀行になることで、レバレッジが掛け辛くなる件については昨日も書いたのですが、それ以外にも副作用が何かと出てくるのは避けられません。

● 足元のマーケットでも、投資家がリスク忌避から投資エクスポージャーを減らそうと解約に走るとなると(実際にそれが起こっている)、運用側もポジションを縮小せざるを得なくなります。この状況下だと、突然、空売りの多い銘柄群が買戻しで急上昇したり、逆に買いポジションが多いと思われる銘柄群が叩き売られたりするのです。つまり、割安がより割安になり、割高がより割高になるという難儀な状況が出現し、影響はヘッジファンドだけに留まらず、ロングオンリーの投資家にも広がってしまいます。主に年金資金などを運用するロングオンリーのFM諸氏にとっても、この状況が非常に悩ましいのは同じで、対ベンチマークでオーバーウェイトになっている銘柄ほどアンダーパフォームするという状態に陥ってしまいます。対応策として最初にやることは、飛び出している部分を削ぐこと。つまり「割安がいずれ修正される(買われる)だろう」と信じてオーバーウェイトしていたポジションほど売り圧力が強い、ってことになってしまいます。もっと最悪なのは、周りの皆が似たような状況にあるってことです。

● さらに事態を悪化させるのが、金融株を中心に空売り規制が世界中で行われていること。ロング/ショートファンドなどは、ショートが自由に出来ない(やり辛い)状況では、ロングも出来ません。さらに、ファンディングレートが高過ぎて、裁定取引やスタットアーブのような薄利多売の取引も困難になってくることで、普段だったら割安を修正すべく入ってくる買いが入ってこなくなり、割安が割安のまま放置されてしまうのです。これが余計にファンドの収益を悪化させることになり、よりポジション解消を進めざるを得なくなるという悪循環。やはり傷が癒えるには、ある程度の時間が必要と考えざるを得ないです。まぁ、考えても仕方が無いとして、明るい方向を見る開き直りが必要なのかもしれませんけど…(^^;。

● The Gartman Letter の"Rules of Trading"の中から、いくつか以下に抜き出しておきます。どれもかなり重たいっす(^^;。

- Never, ever, ever, under any circumstance, add to a losing position.
- Market can remain illogical far longer than you or I can remain solvent.
- An understanding of mass psychology is often more important than an understanding of economics.
- There is never just one cockroach.
- Do more of that which is working and less of that which is not.

● 雑談。さて、祝日のおかげで短い週でしたが、それなりに気を遣う1週間でした。また月曜日早朝に何かあるのかもしれませんが、それまではすっぱり忘れて秋を楽しみましょう(^o^)。そうそう、 「阪神日本一!…なら、経済効果767億円ナリ」 (朝日新聞)との記事もありました(^^;。さぁ、プロ野球もシーズン終盤のスパートです。良い週末を!

 TOPIX : 1153.95 (-14.02, -1.20%)    日経平均 : 12006.53 (-108.50, -0.90%)    円ドル : 105.70  

● 寄付きから米国株安に加えて、配当落ち分の下落も加わり、それ以上に不透明感や不安感が払拭できずに買いが手控えられる毎度のパターン。意外感があるほどスルスルと下落したものの、前場中盤からは妙な期待感(^^;が広がったのか、今度は意外感があるほどの戻り方。ただ、後場は基本的に動きが乏しいままマイナス引け。メガバンク株が上下したことに引っ張られた印象はあったものの、自動車や商社、海運が軟調でTOPIXの方が下げがきつい1日でした。まだ方向感は出てきませんネ、ホンマ…。なお、本日の配当落ちは、概算でTOPIXで約9.20pt程度、日経平均で約83~85円程度とのこと。いずれにしろ、配当を埋めることは出来ませんでした。もちろん、この配当部分は今後、増配や裏切りの減配をする会社が出てくれば変動します。為念。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 上記したように、個別には銀行株、保険株などが堅調だったものの、自動車、商社、海運などがヘロヘロ。鉄鋼も軟調だったし、どうも乗り切れない状況。また、優待権利取りが終わったためか(^^;、JRなどもかなり安かったです。一方、ファクター分析から見ると、どうもフロー系のバリューが不調。7月、8月そして9月と、月末から月初に掛けて、フロー系のバリューが落ち込む現象が発生しました。つまり、割安がより割安になる悩ましい状況に陥った経験があるのです。今回もそれが起こるか戦々恐々(^^;。中間期末という時期だけに、どうしても気になるところです。

● 中間期末と多少関連するのでしょうが、昨日あたりから先物がプレミアムで推移することが多くなっています。日経平均先物だと、フェアが現物+15円程度のところ、現物+40円などで推移することが多くなっているのです。色々と理由は考えられるのでしょうが、一つは、裁定取引が不活発になってきていること。裁定取引を得意にしているプロップ(自己売買部門)は外資系証券が多いのですが、一連の金融危機騒動のおかげでファンディングを取り辛くなっている(コストが高い)ことから、ポジションの積み増しどころか、減らす方向にバイアスが掛かっています。つまり、先物が走っても裁定買いが追い掛けてこないのです。

● 実は、債券市場でも似たようなことが起こっているようで、裁定取引をする向きが減っていることで、マーケット全体の流動性が落ち、さらに価格形成が歪になるケースが増加しているとのこと。株式市場でも全く同じです。ということは、株式市場だけの理由ではなく、色々な金融市場を取り巻く問題が原因の可能性が強いことになり、つまり信用不安、信用収縮に伴うファンディングコストの高騰が大きな原因ではないか、と考えている次第です。株式市場の現状だけを見れば、特にマーケットに悪影響は見受けられません。ただ、逆に先物が先行して下落するようだと、裁定解消売りが断続的に出る可能性もあり(ポジション解消意欲が強いので)、特に9月末までは、神経質に相場を眺めておきます(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比4億4604万株も減少して15億9233万株、売買代金は同6296億円減の1兆7248億円と閑散。如何に商いそのものが手控えられたかが良く現れています。東証1部値上がりは444銘柄、値下がりは1156銘柄。今朝のSQ値を計算すると、前日比206.56円安の11908.47円(9時15分確定)と、朝からかなり突っ込んだことが分かります。TOPIXのザラ場安値は10時19分に-26.50pt(-2.27%)まであり、ザラ場高値は10時59分。日経平均のザラ場安値は9時31分で279.75円安(-2.31%)までありました。日経平均の日中値幅は190.13円(前場184.45円、後場89.97円)で、前場は下がったところから戻したので値幅があったものの、後場は見送り気分が強くなった様子が分かります。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(3370万株売り/2250万株買い)でした。

● 話題変更。ロイターで 「焦点:米金融大再編の波、いずれヘッジファンド業界に」 との記事が流れていましたが、そのなかでGSとMSが銀行持ち株会社の傘下に入ることにより、銀行として自己資本規制が課せられるため、これまでほどレバレッジを効かすことが無理になると考えられ、ヘッジファンド向け融資も細るのではないか、との見方が出ていました。

● ヘッジファンドはプライム・ブローカレッジ(PB)ビジネスと切っては切れない関係にあります。そして、GSとMSは、自他共に認める、ヘッジファンド業界とともに成長したPBビジネスの両巨頭。もちろん、レバレッジ資金はPBからだけではなく、他から引っ張ることも可能は可能ですが、手間ヒマなどを考えると、通常はPBから引っ張ることが多くなります。その蛇口が締まってしまわないまでも細るとなるならば、ヘッジファンドにとっては「酸素が薄い」状態になってしまいます(^^;。それだけで「死ぬ」ことはないでしょうけど、体力が弱い向きはそうなってしまうかもしれません。究極的には、その環境に慣れるしかない、ってことでしょうけど、ヘッジファンド全体として、投資余力の縮小は避けられないと考える方が素直。そうなると、マーケット全体も縮小する状態が中期的に継続することも覚悟しておかなくてはいけなくなります(T_T)。

● 一方、反対側から見ても、多くの証券会社、特に外資系証券会社は、ヘッジファンド向けビジネスを重点に置いた営業をしてきたと思います。昨年夏のサブプライム爆弾が炸裂してからは、ヘッジファンド・ビジネスの落ち込みは、どこもかなり大きいのは簡単に想像できます。それだけに、今後、証券会社としても、委託ビジネスのスタイルを変える必要があるのかどうか、委託ビジネスの世界が変わるのかどうか、さらに生き残るのかどうか…(^^;。中期的な流れには気をつけておきたいところです。

 TOPIX : 1192.38 (+0.79, +0.07%)    日経平均 : 12346.63 (-54.02, -0.44%)    円ドル : 107.35  

● オーバーナイトの米国株が大幅安(NYダウは-280.01ドル、-2.43%)とあって、寄付前から悲壮感が漂う展開。ただ、実際に寄り付いてみると、先物が意外に下げ渋り、裁定買いを引っ掛けて指数も下げ渋る展開。昨晩の米株式市場最大の話題になったリーマン・ブラザーズ(LEH)関連のニュースがマーケットを飛び交うなかで、銀行株を初めとする金融セクターや不動産、建設セクターが後場に強含みの展開に。これでTOPIXは午後2時半前にプラス転換。日経平均も瞬間にはプラスになったものの、大引けではマイナスのまま。日経に電子部品がどうのこうのと書かれて、京セラ、TDKなどの日経平均採用の値嵩株がマイナスだったのが響いた格好でした。

● 今日はTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。午後2時半にヒョンと上昇しているのは、昨晩から"交渉中断"伝えられていた韓国産業銀行(KDB)とリーマンの出資交渉について、あちこちのニュースで、 「韓国産業銀、リーマン経営権を6兆ウォンで取得することを模索=聯合」 とのニュースが突然流れたから。しかし、大引け後には、 「韓国産業銀とリーマン、合意に近づいてはいない=韓国政府当局者」 として、再度、交渉は中断ってことになっています。相当この辺の情報は錯綜していたし、それに目先筋が振り回された感はありました。なお、リーマンは日本時間の明日朝7時半に四半期決算発表と「Strategic Initiatives」の発表を予定しています。明日朝、何が出てくるか、情報端末を気にしておきましょう(^^;。

● 今日の銀行株、不動産株、建設株の上昇には意外感があり、何を示唆しているのか迷うところ。実際、前場は軟調推移だったのが、後場に切り返してきた点は、「あれっ?」って感じ。現実的なところで、ショートカバーや裁定買い以外に買い手が望み難い状況は皆が承知の上。それを考えた上で、ドカンと急落しなかったことに安堵感と意外感がありました。ただ、かといって希望が湧き出るというところまでは行かず、気迷いが強く残った印象。

● 結果的に、今日の上昇で、三菱UFJ FG(8306)などは、非常にきれいなアイランド・リバーサルを形成することになり、さらにはらみ線の次に抱き線というおまけ付き。はらみ線で「変化の前兆」となり、その次にかなり大きな陽線。ホンマ迷うところです(^^;。その他のメガバンク株にも似たような形が出来ているし、三菱地所(8802)や三井不動産(8801)なども似たような状態。過去の経験則からすると、ファンダメンタルズの要因を探すよりも、チャートに素直に付いた方が大体は結果が良好なのは分かっているものの、「それでも、ねぇ~」って印象は避けられません(^^;。一方で、指数を見ると(日経平均先物なども同様)、アイランド・リバーサルっぽい状態を埋めてしまった格好となり、こちらは個別銘柄群とは逆にも受け取れるシグナルを示唆。色々な点で迷います。

● 三菱UFJ FG(8306)の日足(3ヶ月)を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

三菱UFJ FG(8306)日足

● 一方、ファクター面から見ると、アセット系のバリューは良かったものの、フロー系のバリューが相変わらず酷い状態。銀行などの金融株、不動産株、建設株などといった利益面で割安じゃない銘柄が上昇し、商社、鉄鋼などの利益面で割安な銘柄がブチ売られる状況だと、FM諸氏にとっては「痛し痒し」の1日だったと推察します。実際のところ、現状で銀行株などをオーバーウェイトしている向きはほとんどいないでしょうし、不動産や建設株についても同様でしょう。ファクターの効きから相場を見ても、まだまだ不安定さが続きそうだし、方向感が出てくるには時間が掛かりそうなイメージでした。

● 記録。東証1部出来高は前日比4億8066万株も増加して22億6616万株、売買代金は同5085億円増の2兆5049億円と、ここ最近の水準としては活況。東証1部値上がりは919銘柄、値下がりは708銘柄と値上がり銘柄数の方が多く、TOPIXの印象によりマッチした感じでした。ちなみに、日経平均採用銘柄だけで見ると、値上がり95銘柄に対して値下がり123銘柄でした。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比246.19円安の12154.46円(9時16分確定)と、「かなり来た」状態でスタート。ただ、ここがほぼ1日の安値でした。日経平均の日中値幅は244.70円(前場141.39円、後場148.34円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日連続の売り越し、しかもソコソコサイズの売り越し(3530万株売り/2070万株買い)でした。

● 雑談。矢野選手が良くやってくれました(^o^)。ベテランに頼りすぎるきらいはあるものの、頼れるベテランほど貴重な存在はありません。シーズンがずっとスムーズに行くとは考えていなかったものの、オリンピック前からの展開はやっぱりしんどいっす(^^;。ところで、ルー・フォードってどうなったんだろうと思っていたところ、ニッカンスポーツでは「解雇」との記事。一方、デイリースポーツでは「今後も“戦力”」と…。どちらにしろ、崖っぷちみたいです(^^;。そういえば、「今岡」という名前もホンマに聞かなくなってしまった…。

 TOPIX : 1170.84 (-30.81, -2.56%)    日経平均 : 12212.23 (-345.43, -2.75%)    円ドル : 106.85  

● 米国株大幅安、CME日経平均先物安、円高、金融・信用不安、五・十日、週末と、外部環境面からは買い手控え理由ばかり。当然のように、相場は朝から大幅安。もっとも、前場中に安値をつけた後、後場にもう一度安値アタックしたものの、TOPIXも日経平均もそこは何とか耐え抜いた状況。前日比での指数の動きはかなり大きかったものの、ファクター面から相場内容を見ると、実は今日は過去2~3日ほど酷くなかったのです。その点からは、ある意味では、指数の動きがここ数日の相場内容の悪化に追い付いてきたかな、という印象もありました。

● ファクター分析から見ると、この数日間、極端な悪者だった色々なファクターが、前場の1時間程度を除けば、比較的落着いた動き。フロー系のバリューもまぁまぁだったし、スペシフィック・リターン・リバーサルも、昨日の逆噴射状態から見れば、随分と落着いた感じでした。グロースも稼いだ印象はなかったものの、極端に足を引っ張っていた状態から、ニュートラルに近くなっただけでも大きな改善(^^;。全体を見ると、昨日、一昨日とは、かなり印象が違って見えたし(この2~3日が酷すぎたのもあるけど…)、ホンの少しだけ一息。もっとも、単に週末金曜日に良く見かける「その週の逆」だけだったのかどうかは、月曜日にならないと分からないのですが…(^^;。

● 個別にも、このところ下げ相場に抵抗して上昇していたような銘柄群が、今日は調整気味(例:日本ハム、山崎製パンなど)だった点も、少し変化の兆しを感じるところ。もっとも、これらの銘柄にしても、他の損失拡大が止まらない銘柄群(例:コマツ)などと「あわせ切り」されただけかも知れず、そうだとしたら、マーケットが落着いてきたのではなく、いよいよマーケットから撤退している向きが多くなっている証左かもしれません。つまり、ロング・ショート筋だけではなく、ロングオンリーからも撤退売りが出始めている可能性を考えてしまうのです。これは、あまり考えたく無いシナリオですが、もしそうだとすると、これまで下値抵抗力がそれなりにあった銘柄群も売られ、これまで下げ止まらなかった銘柄もやっぱり売られるという、行き場無しの悲惨な状況になってしまいます。証券マンとしては、これは考えないことにします(^^;。

● 一歩下がって相場を眺めると、相場の歪みがかなりの規模に達した時は、意外にも指数は小動き(小高かったりする)で推移。そして、少し経ってから指数がドカン。昨年8月は、8月9日~11日に掛けて「統計学的に有り得ない」状態が起こったものの、この時点で日経平均などはプラスだったりしたのです。そして、1週間空けて8月17日にドカンが来たのですが、今回は1日あったかなかったか。時間軸の違いはあるものの、色々な面で昨年8月を連想させたし、相場環境に違いはあったとしても、背景的というか需給的には、似たようなことが起こっていたのでしょう。時間の経過とともに、この辺は追々見えてくると思います。こう書くと「もう終わった」みたいに聞こえるかもしれませんが、そう願いたい気持ちと警戒感の狭間で週末を迎えるイメージです(^^.。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億4603万株増の22億7924万株、売買代金は同790億円増の2兆3295億円。まぁ、見れる水準に戻ってきました。東証1部値上がりは227銘柄、値下がりは1445銘柄と「ほぼ全面安」状態。ただし、東証33業種で2業種(鉱業、紙パ)は値上がりでした。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比350.91円安の12206.75円(9時30分確定)と、初っ端からかなり「来て」いました。SQ値よりも下はあったのですが、結果的にSQ値あたりで引けています。つまり、ザラ場で寄り付いてからは、それほどの圧力を食らわなかった感じです。日経平均の日中値幅は222.32円(前場222.32円、後場92.27円)。もっとも、これは指数計算上のマジックで、ザラ場の値動きとしては、12165円~12265円程度の比較的狭い値動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの売り越し(4240万株売り/3040万株買い)でした。

● 指数のパフォーマンスを見ると、TOPIXはザラ場安値で前日比-37.39pt(-3.11%、9時58分)まであり、日経平均は同394.33円安(-3.14%、9時59分)までありました。後場にTOPIXで1166.50pt(13時21分)、日経平均で12172.90円(13時26分)まで安値があったのですが、いずれも前場の安値を下回ることなく、大引けに掛けて多少なりとも戻す展開でした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 大引後に開示された先物手口についても少し。日経平均先物(当限)では、GSが2372枚売り越し、野村が1060枚売り越し、MLが買い手口不明の2437枚売りなど。CSが1609枚買い越し、LBが1349枚買い越し、大和SMBCが売り手口不明の2265枚買いなど。TOPIX先物(当限)では、JPMが2286枚売り越し、バークレイズが1092枚売り越しなど。買いは野村が2487枚買い越し、CSが1960枚買い越しなど。CTA筋が良く使っていると考えられている「筋」は、今日は買い越し気味。つまり、先物がプッシュして下げたのではなく、現物主導で下がったと見た方が良い感じです。

● 雑談。今週は本当に疲れました。阪神タイガースが勝ち出せば、また相場も少しは良い方向に向かうと信じています。だから、今週末は広島で勝たなくては…。来週は日経平均銘柄入替えが発表されるだろうし、ビッグSQもあります。気力と体力を整えるためにも、良い週末を!

 TOPIX : 1201.65 (-18.90, -1.55%)    日経平均 : 12557.66 (-131.93, -1.04%)    円ドル : 108.05  

● 今日も指数は基本的に小動き。ただ、相場の内容は相変わらずかなりの歪みが出ており、今日はバリューはファクターとしては反発したものの、グロースと短期のスペシフィック・リターン・リバーサルは、相変わらずの惨状でした。サイズも引き続き大型に振れており、リスクを忌避する動きが続いていることを感じさせる1日でした。昨日ほどの酷さはないにしても、誰が何をやっているのか見えてこないとの不安感や不透明感が、リスク・リダクションを引き起こし、それがさらに他のファンドの同様の動きを誘発する悪循環。ロング/ショート系のアンワインドが多いためか、指数ベースで見れば大きな方向性は見えてこない状態が継続。でも、今日もかなり強い違和感が残る1日でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 個別銘柄では、コーニング(GLW)のウォーニングを受けて、ガラス株がドカンと売られたり、商社、海運、鉄鋼、非鉄などが軒並み安。コマツも下げ止まる気配が見えない状況。この辺は、割安株として一度ならず何度も買われた銘柄群だけに、ここが売られると相場の雰囲気はかなり悪くなります。りそなHDがなんで-13.4%だったのかも謎。「与信費用が…」なんてのは前々から分かっていた話だし…。いずれにしろ、今日も指数の下落よりも、相場の地合いはかなり悪かった印象が残りました。もちろん、食品だのブリヂストンあたりをガンガンにロングして、商社、鉄鋼、海運、銀行などをガンガンにショートしていたら、「えぇ相場や!」ってことになったのでしょうが、そんなのは極々少数派(もし居たとしても)でしょう。

● リターン・リバーサルが効かない相場というのは、平文で言い換えれば「強い銘柄がより強く、弱い銘柄がより弱く」、「割安がより割安になり、割高がより割高になる」ことで、逆張りが報われない相場ってこと。機関投資家でも特に年金資金は逆張り的な投資戦略が多いし、個人投資家は超目先のデイトレーダー以外は、もっと逆張り。それが報われないとなると、相場の雰囲気が悪化するのは当然と言えば当然。逆張りには勇気が必要ですが、頑張って続ければ報われたのが過去の経験則。ただ、足元では成果が得難い相場が続いているのです…。はぁ~(溜息)。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億9983万株増の21億3321万株、売買代金は同2566億円増の2兆2505億円と、久しぶり(8月12日以来)に20億株/2兆円超え。東証1部値上がりは358銘柄、値下がりは1285銘柄と、指数の動きよりはかなり値下がり銘柄数が多かった印象。TOPIXと日経平均のパフォーマンス差が約50bpsもあった点にも注目です(あまり良いシグナルではないことが多い)。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比55.65円安の12633.94円(9時10分確定)。日経平均の日中値幅は146.31円(前場146.31円、後場87.93円)。

● また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(3560万株売り/2970万株買い)でした。一方、大引後に開示された先物の手口は、今日も静か。日経平均先物でニューエッジが1065枚売り越し、大和SMBCが919枚買い越しなど。TOPIX先物ではGSが2601枚買い越しだったのが目立った程度でした。

● 今週に入ってから、ホンマに疲れる日々です。相場も疲れるし、何と言ってもあの横浜に連敗とは…。しかも「惜しい!」って感じの負け方ではなかったのが重症。少なくとも、相場か阪神タイガースかどちらかが調子良ければ、それなりに気持ちの持って行き場所もあるんですが…、ショボン…(T_T)。

 TOPIX : 1220.55 (+8.18, +0.67%)    日経平均 : 12689.59 (+80.12, +0.64%)    円ドル : 108.90  

● 指数は上値が重たかったにしろ、1日中プラスで推移。それだけ見れば、「あっそ、良かったやん」って感じ(^^;でしょうけど、実際にマーケットの近くで少し違った視点で見ていると、かなり強い違和感を感じる1日でした。それは、何よりもファクター面から見た相場の歪みがかなり酷かったこと。フロー系のバリュー、短期のスペシフィック・リターン・リバーサル、元々期待していなかったとは言えグロースと、御三家が全てボロボロ。まだ詳細には調べていませんが、昨日と今日の2日間で、多分、今年一番強烈な歪みが発生した印象です。イメージとしては、-3σは超えてしまったかなという感じです。指数はプラスだったのに、相場内容にかなりの歪み。どこかで見た覚えがあります…(-_-;)。昨年8月第2週です。昨日と今日だけでは、昨年8月第2週ほどのえげつない状態には届かない規模。しかし、6月中旬からの流れを見ると、昨年8月の規模を既に超えてきています。

● 昨年8月はGSのグローバル・アルファという巨大ファンドの解約に端を発して、デレバレッジングの嵐が吹いたことで、相場が急速に歪む羽目に陥ったのです。ファンド解約そのものもそうだけど、皆が同じような投資戦略でパーティーに参加していたところ、急に地震が来て停電になったので一斉に出口に殺到という状況に似た格好になり、実際の解約や何やらにに輪を掛ける格好でマーケットインパクトが増幅されてしまったのです。それから1年超が経過した現在、それほど高いレバレッジを掛けているファンド(ヘッジファンドとプロップ部門)があるとは思えないなかで、昨日と今日の強烈な相場の歪み。何を意味しているのか、不安感が募ります。

● ロング・ショート系のファンドがアンワインド(ポジション解消)すれば、指数的なインパクトは限定的になるものの、相場内容には歪みが出ます。昨年8月もそうだったし、昨年11月もそう。今年3月もそうでした。昨日は指数がそれなりに下落したものの、今日は指数はずっと堅調。でも、相場の歪みはかなり強烈。その点から、ロング・ショート系のファンドがアンワインドと考えるのがストレートに思えます。もちろん、ロング・ショート系ファンドの大型設定でも似たようなことは有り得るのですが、現状で日本株市場に大きな資金が入ってくるとは考え難い状況。しかも、割安がより割安になる状況を見れば、アンワインド(≒撤退)と考える方が素直に思えます。そうすると誰が何をやっているのやら…。

● この辺の不安感、不透明感が多くの投資家を「リスク・リダクション」(リスク縮小)に走らせている感がありあり。フルインベストメントの機関投資家は、ポートフォリオをキャッシュにするわけにも行かず、ポートのリスクを下げるしか対応策が無い、という状態が強まっているのをヒシヒシと感じます。今週は月次のリバランスが多い週なので、余計にそう感じるのかも知れませんが、マーケットが不安定で流動性が落ちているだけに、中小型株へのインパクトも無視できません(今日は新興市場は軒並み大幅安)。

● 今日上昇した業種を見ると、食品、医薬品、電力・ガスなどが堅調だった一方で、商社、鉄鋼などはボロボロ。それぞれに原油下落やロシア状況など、ファンダメンタル理由を探すことは可能です。しかし、もっと全体に共通しているのは、今の市場でリスクを落とそうと試みた時に買われる銘柄群、売られる銘柄群ってこと。昼に債券トレーダーとも話をしたのですが、あちらでも「割安がドンドン割安になる」状況が起こっているとのこと。余裕があれば、「こんな時こそ逆張り」って刀を振り上げて立ち向かえるのですが、今のマーケットを見ると、その元気を感じるのは非常に困難です。ストレステストをやると、本当にストレスで倒れそうになる結果が出てしまうし、それ以上に、昨年8月を経験したことで、「有り得ない」が本当に有り得ないかどうか、誰も自信が持てなくなってしまった状態にあります。もちろん、今日が「底」だった可能性もあるのですが…。

● 記録。東証1部出来高は前日比5264万株増の19億3338万株、売買代金は同321億円増の1兆9940億円。東証1部値上がりは1069銘柄、値下がりは573銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比115.17円高の12727.64円(9時12分確定)。日経平均の日中値幅は120.21円(前場110.89円、後場102.91円)と小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(2460万株売り/2770万株買い)でした。

● 大引後に開示された先物の手口を見ると、今日は全般に「非常に静か」でした。日経平均先物で差引1000枚超の売り買いは、GSが1883枚買い越しだった程度。他はUBSが931枚買い越し、LBが940枚売り越し、野村が買い手口不明の2072枚売りなど。TOPIX先物は、MSが2306枚買い越しだった一報、BNPPが2426枚売り越しなど。今日はニューエッジもCSも静かでした(^^;。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。個人的には、今日の指数の動きはミスリーディングで、あまり参考になりませんでしたけど…。

● 業務連絡。大引後に東証から 「株価指数算出上の取扱いについて(住石ホールディングス等)」 とのお知らせが出ています。該当銘柄は住友石炭鉱業(1503)、テンプスタッフ(2476)、ケンウッド(6765)、日本ビクター(6792)。いずれも小さな銘柄ですが、9月24日(水)が最終売買日でホールディング会社が10月1日(水)に新規上場となります。お忘れ無きように(^^;。

● もう一つ業務連絡。それとFTSEから日本株指数に関して銘柄入替えが発表されています。リリースはこちらからですが、これはほんの数行の文章だけ。新規追加及び削除銘柄は、FTSEのサイト内にあるExcelファイルをこちらからどうぞ。一般的にFTSEをベンチマークにしているファンドは、MSCIほどの規模ではないと考えられるものの、欧州系にはソコソコあるようです。一応、ご注意を。リバランスは9月19日(金)の大引けを基準に実施されます。

 TOPIX : 1212.37 (-18.27, -1.48%)    日経平均 : 12609.47 (-224.71, -1.75%)    円ドル : 108.00  

● ったく…、首相の「やぁ~めた」辞任って、何とかならんのでしょうかねぇ~。G7の国家首領として並ぶのが恥ずかしくなるほど、だだ捏ねてるレベルの辞任理由。市場から見れば、それほど期待していなかっただけに、失望も大した事はなかったものの、国のトップが取る行動としては情けない限り(-_-;)。やっぱり、二世議員は駄目ってことですね。市場筋の間ではヤケクソ気味に「麻生関連銘柄リスト」なんてのが飛び交っていましたけど…(^^;。

● 国家のトップが政権を投げ出したにも関わらず、マーケットへの影響はほとんど無い状態。外国人からBloombergで問い合わせが色々と飛んでくるのは予想通りだったのですが、そのたびに、なぜか自分が言い訳(にしかならない)を書き綴るのも本当に疲れます(^^;。彼らからすると、"妙に冷静"な相場展開は、「この国家の非常時になんで?」ってことになるのでしょうね。一方、日本のことを比較的良く知っている外国人からは、「また?」みたいなメールが多く、中には「大変そうだね」と、慰めとも皮肉とも取れるようなメッセージが飛んできたりするんです(^^;。彼らは日本の首相は米国大統領なんかと根本的に違うってことを既に良く知っていますから…(^^;。

● 前場は相場は相変わらず方向感に乏しい閑散商状だったものの、後場に入ってから、ズルッと滑り始めて、午後2時過ぎからはスコーン。特にこれといった悪材料が出たわけではなかったものの、先物が売られると裁定解消売りを引っ掛けて、あっという間に大幅下落。首相辞任をネタにするなら、朝から売られていてもおかしくなかったハズ。後場から売られたというのは、軽々しく想像すると(^^;、昼休みのバスケットが影響したとか、起き出して来た中東や欧州系が売ってきたとか考えてしまうものの、実際は不明。韓国ウォン急落で…って声もあったのですが、これも分かったような分からんような…(^^;。単に先物市場に売り圧力が掛かってしまい、断続的な裁定解消売りを誘発した、という需給面の要因が大きかったのでしょう。メディアは「首相責任放棄辞任を嫌気」なんて書くかもしれませんが…(^^;。

● 今日は日経平均と日経平均先物(9月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

日経平均日中足
日経平均先物(9月限)日中足

● また、毎分の東証1部売買代金で見ると、午後2時前後に急激に売買が膨らんだ様子が分かります。この結果、今日は前場が36.5%、後場が63.5%と、普段のプロファイルよりも後場側に10%も歪みがありました。今日はなかなか興味深いプロファイルだったのでこちらに付けておきます。上記の現物、先物の日中足と照らし合わせて頂ければ、より影響というかインパクトがご覧頂けると思います。小さな画像をクリックすると、大きな画像が開きます。

● 一方、今日の相場では、再びフロー系のバリューがボロボロで、リバーサルも効かず、グロースは最初から駄目駄目と、再び何もファクターが効かない状態に陥ってしまいました。シミュレーションファンドの動向やファクター分析を見ている限りでは、今日のドローダウンはこの1ヶ月程度で1日としては最悪だった印象。月初リバランス時期だったことが影響していたのかも知れませんが、顧客と話していても「リスクを落とす」が合言葉。キャッシュにすることが許されないファンドにとっては、「儲けることよりも、損失を限定することが最優先」と言い切った某ベテランFM氏の言葉が頭から離れませんでした。仕方ないっすね、こんな状況だと…。

● 記録。東証1部出来高は前日比5億3861万株も増加して18億8074万株、売買代金は同5376億円増の1兆9618億円。東証1部値上がりは170銘柄、値下がりは1478銘柄と、昨日に続いて「ほぼ全面安」。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比20.63円安の12813.55円(9時15分確定)と、少なくとも前場は大した動きはなかったのです。日経平均の日中値幅はわずか429.45円(前場140.63円、後場415.79円)と久しぶりに大きく膨らみ、その大部分が後場でした。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(1970万株売り/1490万株買い)でした。

● 大引後に開示された先物の手口。日経平均先物では、LBが3749枚売り越し、UBSが3144枚売り越し、JPMが1821枚売り越し、CSが1135枚売り越しなど。買い手はニューエッジが2341枚買い越し、BNPPが2309枚買い越し、GSが1220枚買い越しなど。TOPIX先物では、CSが2679枚売り越し、GSが2388枚売り越し、JPMが2329枚売り越しなど。買い手はBNPPが3928枚買い越し、バークレイズが1771枚買い越し、ニューエッジが1243枚買い越しなど。ニューエッジは買い越しでしたネ(^^;.。

 TOPIX : 1233.37 (-2.17, -0.18%)    日経平均 : 12851.69 (-13.36, -0.10%)    円ドル : 109.95  

● 前場は米国株安などに引っ張られて軟調な展開。ところが、昼休み立会外バスケット取引の影響か、上海株式市場の久しぶりの大幅高を好感したのか(多分後者)、後場寄付きでピョコンと上跳ねして、後場はプラス転換でスタート。ただ、後場寄付きのピョコン以外に追随する向きは乏しく、結局、ジリ貧。TOPIXの方がマイナスで推移する時間帯が長かったのですが、日経平均も結局はマイナスで終了。いずれにしろ、前場も後場も覇気に乏しい展開で、能動的な動きが見られない1日でした。最近は、こんな風景も見慣れてきた感があります(-_-;)。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。後場寄付きでピョコンと動いた以外は、動きに乏しかったことがご覧頂けるかと…。

● 相場について積極的に書くネタも乏しかったので、さっさと記録に行きます。東証1部出来高は前日比6505万株増の16億3318万株、売買代金は同231億円増の1兆7243億円。前日比では多少増加したものの、売買代金で見れば昨日と同じく商い低調。東証1部値上がりは975銘柄、値下がりは612銘柄と値上がり銘柄数の方が多い状態。こんな時は中小型株がアウトパフォームしていることが多く、今日もCore30が43bps負け、Large70が11bps負けだった一方、Mid400が42bps勝ち、Smallが92bps勝ち。JASDAQ指数、マザーズ、ヘラクレスもプラスで終わっています。

● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比128.23円安の12736.82円(9時09分確定)。今日はここが「幻のSQ値」で最も安いところでした。一方、後場SQ値は前引値に対して72.24円も上に跳ねており、これが「ピョコン」でした(^^;。日経平均の日中値幅は169.68円(前場88.37円、後場71.97円)と小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(2720万株売り/1780万株買い)でした。市場筋によると、株数ベース以上に金額ベースでは売り越しだったとのこと。

● 一歩引いて考えてみると、割安銘柄があちこちにあることは、市場参加者の9割が認識しているハズ。ただ、ここから企業業績の悪化があると想定するならば、割安の根拠となる数字が劣化するわけで、割安"度合い"は変わらないまでも、"水準"は足並みを揃えて下落するリスクを意識せざるを得なくなってしまいます。経験則からは、実際は割安"度合い"も一緒になって下落するケースが多く、「割安がより割安になる」(≒バリューが効かない)になることも良くある話。こうなってくると、安易に「割安株を買う」なんて言ってられない心理状態になってしまい、まさに今がその状態だと考えています。

● こんな時は、「安全牌」的な銘柄を保有するしかないと誰もが考えるだろうし、それ以上に、フルインベストメントで無くてキャッシュに出来る立場なら、キャッシュにしておきたいと考えがち。いずれどこかで株価は反転するんだし、景気動向に半年先行するとすれば、もしかしたら株価は年内にも動き出す可能性があることになります。その際に機動的に動くためにも、キャッシュにしておくことに魅力があるように思えるんです(^^;。世界的に見て、商品市場で儲け難くなってきたこと、新興国市場で儲け難くなってきたことなどから、「次のチャンス」を狙っている資金、つまり待機資金はかなりあると考えています。それが日本株に流れてくるようにするには、何をどうすれば良いのか…。少なくともバラ撒きの経済対策ではないことは確かです、ホンマ…。

● 雑談。オリンピック野球は今晩対米戦。勝てば決勝ラウンドでキューバと最初にあたり、負ければ韓国と最初に当たることになります。頼んまっせ!そうそう、産経新聞に 「関西人は野球がお好き? 五輪中継視聴率・上位は野球が独占」 なんて記事が出ていました。確かにそうかもしれない…(^^;。

 TOPIX : 1238.93 (-7.55, -0.61%)    日経平均 : 12956.80 (-66.25, -0.51%)    円ドル : 109.45  

● 朝方の30分間ほどは少しヒヤッとしたものの、売り一巡後には比較的素直に戻して一時プラス転換。ただ、それも比較的短時間で終わってしまい、その後は最近見慣れてきた「だらぁ~~」とした方向感に乏しい展開。今日は鉄鋼、商社、海運といった、この1ヶ月ほどでかなり売り込まれたセクターが堅調だった一方、アーバンコーポ(8868)の民事再生法申請・受理を受けて、銀行、不動産、建設株などが軒並み軟調。特に低位建設株、新興不動産株などは、かなり手酷く売り込まれた銘柄があちこちにありました。ある意味では分かり易い1日だったものの、今後の相場の方向性を感じられる1日ではありませんでした。ちなみに、マザーズ指数、ヘラクレス指数は算出来安値を更新しています。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 個別銘柄の値動きなどは他の市況解説をご覧頂くとして(とサボる(^^;)、ファクター面について少し。昨日、今日とバリューに多少の反発気運が出始めているような感じがあります。ただ、7月からバリューはかなり動きが悪かったし、7月最後の週あたりから8月にかけては、かなり酷い状況が続いていたので、単なるその反発に過ぎない可能性はあります。ただ、昨年8月とか11月などとグラフをあわせて描くと、日柄的に「そろそろ…かな?」という辺りには来ているのも事実。ここで頭に入れておくべきは、「まだはもうなり、もうはまだなり」という相場格言(^^;。「そろそろ」との気持ちと、「まだまだ」が交錯する厄介なところです。2週間ほど経過してみると、結果的にどちらだったのかは分かるんですが、現時点では「何とも言えない」が正直なところです(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億6825万株減の17億6319万株、売買代金は同1175億円減の1兆8956億円と低調。東証1部値上がりは482銘柄、値下がりは1113銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比69.40円安の12953.65円(9時16分確定)。TOPIXも日経平均もザラ場ではプラスに転じる局面があったものの、結果的にはこのSQ値近辺で大引け。日経平均の日中値幅は163.70円(前場163.70円、後場89.63円)と小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、今日もかなりの売り越し(3290万株売り/1790万株買い)でした。

● 大引け後に開示された先物の手口についても少し。日経平均先物では、LBが4614枚売り越しと目立った動きで、CSが1301枚9売り越し。買いはニューエッジが2224枚買い越し、JPMが1976枚買い越し。その他は静かでした。TOPIXではBNPPが1492枚買い越しだった以外は、売り買い共に差引で1000枚超の取引はなく、こちらも手口面では静かな1日でした。

● 話題変更。日本時間の早朝、MSCIから四半期銘柄入替が発表されています。5月には大きな銘柄入替が発生するし、11月も時にはそれなりになる場合があるものの、8月、2月は基本的には「微調整」リバランス。今回は日本株については、新規追加も削除もありません。FIF変更や株数変更があったものの、これは無料では公開されない有料ライセンス情報ですので、ここには書きません(MSCIのヒットマンに追い掛けられるのは嫌なので…(^^;)。なお、リバランスは8月29日(金)終値基準で実施されます。忘れないようにしないと…(^^;。詳細は MSCI Barraのホームページ 内の「Index Announcements」からどうぞ。

● 雑談。やっぱり主砲と呼ばれるだけのことはあります(^o^)。これで気分良く大阪に戻って、明日から"横浜銀行"との3連戦。と言ってたら、コロッとやられるので、気を抜かないで行かないと…。一方で、オリンピックは今晩は対台湾戦。明日は対オランダ、16日は対韓国戦と続きます。