2009年09月07日(月) .... 日経平均の定期銘柄入れ替えはゼロ。何となく予想されたことだけど…。
● 本日大引後に、日本経済新聞社から、今年の日経平均定期銘柄入れ替えは実施しない旨の発表がありました。ニュース記事は、日経平均プロフィール内に 『日経平均、09年は銘柄入れ替えなし 日経300は2銘柄』 と掲載されています。日経本紙ではこちらに出ています。
● 先日書いたアップでも、銘柄入れ替えゼロの下馬評が根強いとは書いたのですが、せっかくのイベントなんだから「何か」があるように、ちょっとは期待していたんですけどねぇ~(^^;。
● 事前の証券各社レポートなどを見ても、今年は小規模な入れ替えとの見方が優勢だったので、入れ替えがあったとしても1~2銘柄程度、がコンセンサスだったと感じています。その点では、今回はあまり盛り上がらなかった印象が避けられなかったのですが、それにしてもゼロってのも…、ねぇ~(^^;。
● ちなみに、新規採用候補銘柄としては、毎度お馴染みのSBI HD(8473)、さらに東京建物(8804)やDeNA(2432)あたりが出ていました。一方で、削除候補としては、圧倒的に東京ドーム(9681)でした。明日以降の相場で、多少の反動が出る可能性は考えられるのですが、事前の期待感が大したことは無かったので、どちらにしろ、あまりサプライズ的な動きになるとは考えていません(^^;。
2009年08月22日(土) .... 『NYダウ平均』がMSCI Barraに?!?
● ネット上を彷徨っていたところ(^^;、日経に 『「ダウ平均」売却検討 ダウ・ジョーンズの株指数算出部門』 との記事。元々はWSJ紙の記事とのことだったので、そちらを見ると、『Dow Jones Weighs Sale of Stock-Index Operation』(WSJ) との記事。料金を払っていないので全文を見ることは出来ないのですが(^^;、要するにダウ・ジョーンズ社の親会社のニューズ・コーポレーションが部門売却に動いているようで、"Dow Jones Industrial Average"などの算出元の「stock-market indexing business」が売却対象になっているとのお話。
● 記事によると、ゴールドマン・サックスがこの売却話に絡んでいるとのことで、MSCI Barraなどへの売却が検討されているということ。日経の記事では、MSCIのことを、「金融大手モルガン・スタンレーの株価指数部門」と書いているのですが、私の記憶が正しければ、MSCIはモルガン・スタンレーから独立したハズだったのですが…(^^;。
● それはともかく、ダウ・ジョーンズ系の指数では「NYダウ工業株30種平均」が圧倒的に有名なものの、これは指数としてはかなり旧式の「単純平均」を基にした株価指数。日経平均などと同じになります。一方、現在、世界で主流なのは時価総額加重平均(しかも浮動株基準)の株価指数で、各種MSCI指数はもちろんのこと、日本ではTOPIXなどが時価総額加重平均型の株価指数で、機関投資家などは主にこちらを使っています。ダウ・ジョーンズ社も「NYダウ工業株30種平均」などが有名だけど、実は時価総額加重平均型の指数もたくさん発表しており、この点で、MSCI Barraとはモロにビジネスが重なっています。S&PやFTSEなどを含めて、世界的に有名な指数算出プロバイダーの一つであることは間違いないのです。そこが売却対象になるとは…(^^;。
● 指数ヲタクとしては、指数としては欠陥だらけの「NYダウ工業株30種平均」ながら、やっぱり無くなるなんてことになると寂し過ぎるので、名前が変わったとしても、続けて欲しいとは考えています。日経平均と同様に株式市場にとっては象徴的な指数の一つですから…。
2009年08月13日(木) .... オーバーナイトしないと値幅が取れない展開が継続。
● 先日アップした『ザラ場で儲からない相場が続く…。上昇のほとんどはオーバーナイト要因(^^;。』のフォローアップです。前回同様に分かり易くするために、価格は日経平均先物(9月限)を使っており、イブニング取引は含んでいません。当日寄付で買って終値で売る日計りと、前日終値で買って翌日の寄付きで売る「1泊2日」のオーバーナイトを試して見ました。
● 日経平均そのものではなく先物を使う理由は大部分の方は既にご理解頂けているでしょうけど、蛇足ながら少しだけ。指数は何でもそうですが、その算出の仕組みから、指数の「寄付」は9時01分の数値でしかなく、多くの銘柄が寄付いていない状況だと、指数計算に前日終値が使われたり特別気配が使われたりで、本当の意味での「寄付」ではないからです。一方で、先物は個別銘柄がどの水準で寄付いてくるのかを想定しながら動くので、ギャップを織り込んだ価格で寄付ます。その点からすると、曇り目のない「寄付」ですので、ギャップが存在する状況であれば、素直にギャップが価格として出てくるからです。
● なお、7月13日の日経平均先物終値は9040円。昨日終値の10440円まで1190円の上昇となっています。
日経平均先物(9月限) | (買)当日始値 (売)当日終値 |
(買)前日終値 (売)当日始値 | |||||
始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 前日比 | |||
7/13 | 9240 | 9350 | 9030 | 9040 | -210 | --- | --- |
7/14 | 9240 | 9300 | 9170 | 9250 | +210 | +10 | +200 |
7/15 | 9330 | 9340 | 9250 | 9290 | +40 | -40 | +80 |
7/16 | 9500 | 9500 | 9310 | 9330 | +40 | -170 | +210 |
7/17 | 9410 | 9430 | 9360 | 9380 | +50 | -30 | +80 |
7/21 | 9570 | 9660 | 9500 | 9650 | +270 | +80 | +190 |
7/22 | 9630 | 9760 | 9600 | 9730 | +80 | +100 | -20 |
7/23 | 9710 | 9870 | 9700 | 9780 | +50 | +70 | -20 |
7/24 | 9940 | 9960 | 9860 | 9940 | +160 | 0 | +160 |
7/27 | 10040 | 10190 | 10020 | 10080 | +140 | +40 | +100 |
7/28 | 10120 | 10130 | 10040 | 10080 | 0 | -40 | +40 |
7/29 | 10030 | 10170 | 10020 | 10110 | +30 | +80 | -50 |
7/30 | 10170 | 10210 | 10060 | 10200 | +90 | +30 | +60 |
7/31 | 10310 | 10380 | 10250 | 10370 | +170 | +60 | +110 |
8/3 | 10360 | 10390 | 10320 | 10360 | -10 | 0 | -10 |
8/4 | 10480 | 10490 | 10360 | 10400 | +40 | -80 | +120 |
8/5 | 10410 | 10420 | 10240 | 10250 | -150 | -160 | +10 |
8/6 | 10270 | 10440 | 10260 | 10400 | +150 | +130 | +20 |
8/7 | 10370 | 10430 | 10250 | 10420 | +20 | +50 | -30 |
8/10 | 10550 | 10600 | 10480 | 10550 | +130 | 0 | +130 |
8/11 | 10530 | 10600 | 10510 | 10580 | +30 | +50 | -20 |
8/12 | 10490 | 10530 | 10430 | 10440 | -140 | -50 | -90 |
7/14~8/12の合計 | +1190 | +130 | +1270 |
● 前回と若干変わったのは、「ロングのまま、何もしなかった向き」よりも、オーバーナイトリスクだけを取った方が若干成績が良かったってことですが、目立ったというほどの差ではなく、まぁ、誤差程度と考えた方が良いでしょうね。一方、ザラ場だけに命を賭けていても儲からない相場は継続しており、依然として、「外部・海外要因」に大きく左右されるオーバーナイトギャップが値動きの多くを占めていたことになります。
● ちなみに期間中の高値安値差(日中値動き)は平均で133.81円。最大値でも190円(7月16日)で、最小値は70円(7月17日と8月3日)でした。この点からも、ザラ場の値動きが乏しいことが良く分かります。ザラ場で300円幅ぐらいを二往復してくれると、面白くて仕方ない展開になるんですけどねぇ~(^^;。波長が合わないとえらいことになるでしょうけど…(^^;。
2009年07月28日(火) .... ザラ場で儲からない相場が続く…。上昇のほとんどはオーバーナイト要因(^^;。
● 今日はさすがに連騰記録が途絶えそうな雰囲気ですが、この9連騰中にも、市場関係者の間からは「ちっとも儲からん!」との嘆き声が結構聞こえてきます。実際、マーケットを見ていても、朝方にピョコンと上昇して始まったとしても、ザラ場では動かないというか上値が支えてしまうというか…。要するに前日比ではソコソコの上昇だったとしても、日中はあまり動かない商状が続いている印象がありあり。で、今日は"静か"で"面白みに欠ける相場"なので(^^;、ちょっとデータを抜き出して見ました。
● 分かり易くするために、価格は日経平均先物(9月限)を使っており、イブニング取引は含んでいません。当日寄付で買って終値で売る日計りと、前日終値で買って、翌日の寄付きで売る「1泊2日」のオーバーナイトを試して見ました。なお、今回のラリーは7月14日から始まっているのですが、その前日、7月13日の日経平均先物終値は9040円。昨日終値の10080円まで1040円も上昇し、上昇率は11.50%にもなります。
日経平均先物(9月限) | (買)当日始値 (売)当日終値 |
(買)前日終値 (売)当日始値 | |||||
始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 前日比 | |||
7/13 | 9240 | 9350 | 9030 | 9040 | -210 | --- | --- |
7/14 | 9240 | 9300 | 9170 | 9250 | +210 | +10 | +200 |
7/15 | 9330 | 9340 | 9250 | 9290 | +40 | -40 | +80 |
7/16 | 9500 | 9500 | 9310 | 9330 | +40 | -170 | +210 |
7/17 | 9410 | 9430 | 9360 | 9380 | +50 | -30 | +80 |
7/21 | 9570 | 9660 | 9500 | 9650 | +270 | +80 | +190 |
7/22 | 9630 | 9760 | 9600 | 9730 | +80 | +100 | -20 |
7/23 | 9710 | 9870 | 9700 | 9780 | +50 | +70 | -20 |
7/24 | 9940 | 9960 | 9860 | 9940 | +160 | 0 | +160 |
7/27 | 10040 | 10190 | 10020 | 10080 | +140 | +40 | +100 |
7/14~7/27の合計 | +1040 | +60 | +980 |
● かなり乱暴な議論であることは理解していますし、数字のマジックってことも認識しています。しかし、それでもこの成績の差には、かなりショックを受けてしまいます(^^;。前日比の積み上げだけでも+1040円なので、「ロングのまま、何もしなかった向き」が一番成績が良かったことになってしまうのです(^^;。もうちょっと真面目に考えて見ると、今回のラリーが「外部・海外要因」に大きく左右された結果との一面も見えてきます。東京時間のザラ場ではほとんど動かず、オーバーナイトギャップが値動きの多くを占めていたことになるからです。それにしても、こうやって数字を並べて見ると、特にザラ場に生きている方々にとっては、「やってられんなぁ~」となるのも、良く分かる気がします。
● ご参考までに、日経平均の日足(直近3ヶ月分)も付けておきます(出典:マネックス証券)。
● 今後、この傾向が続くかどうかが問題ですが、それは良く分かりません(^^;。結局のところ、外部要因次第ってところでしょうか…(^^;。
2009年04月22日(水) .... テレビ東京で明日晩、「リーマン破たん 最後の50時間」放映予定。ちょっと期待(^^;
● 番組宣伝ってことではないのですが(^^;、明日(4月23日)夜10時から、テレビ東京の『経済ドキュメンタリードラマ「ルビコンの決断」』で「リーマン破たん 最後の50時間」という番組が放映される予定です。テレビ東京の番組予告ページでは、
2008年9月15日、アメリカの大手証券会社のリーマン・ブラザーズが経営破たん。このとき、六本木ヒルズの29階から32階にオフィスを構える「日本法人」の社員たちは、会社の状況について一切伝えられていなかったという。
「まさか破たんするなんて・・・」
さかのぼることおよそ50時間前、ポールソン財務長官らとゴールドマン・サックスなどの証券会社のCEOたちがリーマン・ブラザーズの処理を巡って話し合いを続けていた。リーマンが破たんするまでの間に一体何があったのか?ウォール街のボスたちのうごめく思惑と、知られざる50時間の攻防を明らかしていく。
そして当時リーマン・ブラザースの日本法人に勤めていた社員たちはその時、何を感じ、どう行動したのか?番組では元リーマンの社員たちを徹底的に追跡取材。その証言や様々な資料をもとにして構成し、ドキュメンタリードラマとして描いていく。また、なぜ、リーマンの破たんが世界経済にここまで影響を与えたのかなども検証していく。
とのこと。同じ業界、しかも同じ外資系証券に勤める人間として(今は勤めてないけど…(^^;)、全く他人事とは思えない出来事。また国内証券の方々にしても、どうしても山一證券と重ね合わせてしまう向きは少なくないと思います。
● 実際、この番組を見るのは初めてなので、その「ドラマ化」がどの程度リアルなのかは分かりませんが、一応、明日晩は少しだけ期待しておきます。
追記
● うぅ~ん、危惧していたように、あまり大したことはなかった(^^;。ファルド君なら、あんな小部屋ではなく、もっと大きなお部屋にお住みだったろうし…。まぁ、事実をドキュメンタリー仕立てにしたと言う程度でしょうか…。実際にリーマンの日本法人に勤務されていた方々を何人も知っていますが、ちょっと違和感を感じたでしょうね。残念ながら…。
2009年02月22日(日) .... 「ヘッジファンド・クルーク」が3月末でニュース配信終了、サイト閉鎖へ
● 残念な話がまた一つ。「ヘッジファンド・クルーク」が3月末でニュース配信を終了し、サイトが閉鎖されるとのお知らせが出ています。
● もちろん、ヘッジファンド関連のニュースは世界中に溢れているし、今後もそれを追跡するのは十分以上に可能なんですが、日本語でのニュースはかなり限定的だったのも事実。このサイトでは、専門的なニュースを日本語で提供していたし(数日遅れにはなるけど)、RSSもあったのでそれなりに重宝していたんです。
● ヘッジファンド業界は一昨年、2007年夏場のバリュー崩落の頃からおかしくなり、昨年のリーマンショックで過去最大級の変化を強いられた格好になったのですが、その影響がこんなところにも出てきた格好。まぁ、昨今の経済状況を勘案すると致し方ない面もあるにしろ、どこかが引き継いでくれるとありがたいともちょっと感じてしまいます(^^;。これも、今回の"金融危機"の一つの側面ではあるのですが…。
● オフィシャルなお知らせは、ヘッジファンド・クルークの中のこちらのリリースに出ています。
2008年12月08日(月) .... 大幅反発、後場サプライズ気味の一段高。でも薄商い
TOPIX : 812.08 (+26.06, +3.32%) | 日経平均 : 8329.05 (+411.54, +5.20%) | 円ドル : 92.90 |
● 堅調な相場展開を予想してはいたものの、後場寄付きからピョコンと跳び上がったのは、ややサプライズ。理屈付けとしては、前週末の米国株式が悲惨な経済指標や先行き不透明感にも関わらず堅調だったこと、アジア各国市場が軒並み大幅高だったこと、さらに意外感のある上昇が先物を中心にショートカバーを誘発した、ってところ。ただ、それ以外には特に目新しい材料はなく、薄商いの中での株高だっただけかも知れません。上昇日には毎回書いている気もするんですが(^^;、継続できるかどうか、英語でいう「Sustainability」が感じられるかどうかがカギです。さらに明日、フォロースルーが感じられるような展開だと、もう言うことはありません(^o^)。
● 時間順に行きましょう。前場は堅調な推移だったものの、全体としては見送り気分が強く閑散。前引け段階での東証1部売買代金はわずか5099億円に留まり(出来高は6億9822万株)、年初来最低水準での推移でした。ところが、後場SQ値は前場終値に対して101.86円もブッ飛ぶ大きな「昼休みギャップ」が発生。後場はこれでピョコンと高寄りして、そのまま高値圏で揉み合いながらの大引けでした。日中足をご覧頂くと一目瞭然ですが、後場寄付きでピョコンと上に跳ねてから、そこから下がりはしなかったものの、上にも大きく行かなかったこと。つまり、後場寄りで何らかの買いが相場を押し上げたものの、残念ながら、そこからのフォロースルーを力強く感じることは出来ませんでした。日経平均の日中値幅は399.26円と、ほぼ400円。しかし、前場は162.98円、後場は130.23円と、それぞれの半場は比較的小動きだったのです。前場も10時半頃までは「膠着」でしたし、その意味では、不思議な1日でした…。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 今日もLarge70とMid400のパフォーマンスがかなり良く、Large70は49bps勝ち、Mid400は32bps勝ち。Core30は47bps負け、Smallは64bps負けでした。この傾向は先週金曜日と似ています。また、日経平均の上昇率がTOPIXを大きく上回ったのも、金曜日と類似。ただ、金曜日よりもはるかに今日のほうが「日経平均フレンドリー」な1日でした。何が起こっているのかは、追々見えてくるとは思いますが…。
● 記録。東証1部出来高は前週末比3552万株減の18億6386万株、売買代金は同305億円減の1兆3779億円。東証1部値上がりは1443銘柄、値下がりは215銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前週末比77.36円高の7994.87円(9時32分確定)。また、市場筋推計による今朝の外資系証券寄付前売買動向は、売り越し継続(1830万株売り/1190万株買い)。ガタッとフローが減少して閑散でした。
● 話題変更。今週はビッグSQ週。そろそろロールオーバーの時期になりました。Bloombergで何もいじらずにフェアスプレッドを計算させると、TOPIX先物が-0.38pt、日経平均先物が-11.44円。ところが、限月間スプレッド市場では、TOPIXが+0.5pt買い/+0.6ptヤリ、日経平均が+10円買い/+15円ヤリ(ミニ日経は+10円買い/+11円ヤリ)で終わっており、一見するとかなりのプレミアムに見えます。ただ、上記のBloombergのデフォルトで計算させると、短期金利(リスクフリー)が当限も翌限も0.47%になっています。年越しのレートが1週間のレートと同じってのは、正直言って、現在の金融情勢を考慮すると、ちょっと非現実的に感じてしまうところ。
● そこで、当限は0.47%そのままで、翌限(3月限)をファンディング・レートに近いと思われる0.90%にすると、TOPIX先物のフェアスプレッドは+0.56pt、日経平均で-1.83円になるのです。過去の経験則から、TOPIX先物にはあまりプレミアムが付かない一方で、日経平均先物では10円程度のプレミアムが付くことが多いのを考慮すると、実際にマーケットで付いているスプレッドの値段も、ほぼ妥当な水準かなと…。裁定残高の推移やヘッジファンドの動向などを考慮し、さらに機関投資家の間では、株券電子化に伴って、現物よりも先物でロングポジションを取りたい意向が多少あることを考えると、今回はロングロールの方がプレッシャーが強そうにも感じてしまいます。もっとも、普通に考えたとおりに動かないのも相場なんですけど…(^^;。
2008年12月05日(金) .... 小幅続落、強い先行き不透明感から手控えムード
TOPIX : 786.02 (-2.86, -0.36%) | 日経平均 : 7917.51 (-6.73, -0.08%) | 円ドル : 92.30 |
● 少しマイナスかと予想していたら、意外に堅調なスタート。ただ、米ビッグスリーの件や雇用統計などの先行き不透明感は避けられず、上にも下にも大きくは動かない地合いでした。まぁ、これは十分以上に予想できた展開だったので、サプライズでは無かったですけど…(^^;。ただ、指数は比較的小動きだったものの、個別には急上昇している銘柄と急降下している銘柄があちこちにあり、それなりに忙しそうな1日でした。
● 初っ端のプラスについて、市場関係者の間では「???」。買い主体が分からない時は「公的資金の買い」説が有力になります(^^;。まぁ、本当にそうだったかは永遠に分からないし、「公的資金」説が流れる時は、それだけ姿が見えなかったってことです(^^;。今日の相場で特徴的だったのは、Large70が妙に強かったこと。Core30が23bps負け、Mid400が37bps負けだったのに対して、Large70は63bpsも勝っていたのです。Smallも43bps勝ちだったものの、これは時価総額的には小さいところなので影響は小さいものの、Large70のパフォーマンスは、ちょっと不自然な感じもありました。何かその辺の銘柄群に買いが入っていた可能性は考えられます。
● 個別では、一見するとディフェンシブ系がしっかりだったようには見えるものの、電力・ガスや医薬品は、さすがに利食い売りに押された格好でマイナス。一方で、小売りやテレコムは堅調と、方向性が今一つまとめ難い1日でした。まぁ、銀行株が安かったのは、五・十日の週末となれば仕方ありません(^^;。詳細は、色々なマーケットレポートをお読み頂ければと…(とサボる(^^; )。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億2641万株減の18億9938万株、売買代金は同959億円減の1兆4084億円。東証1部値上がりは731銘柄、値下がりは874銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比75.49円高の7999.73円(9時20分確定)。日経平均の日中値幅はたったの115.68円(前場86.47円、後場106.82円)でした。また、市場筋推計による今朝の外資系証券寄付前売買動向は、かなりの売り越し(2570万株売り/1540万株買い)。なお、今日から集計が1社減って11社になりました。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 話題変更。このところのヘッジファンド関連のニュースフローを見ると、「解約停止」や「償還停止」が異常なほど目立ちます。 「米ヘッジファンドのフォートレスが償還停止、年内の償還請求増加で」 (ロイター)や 「チューダー・インベストメント、BVIファンドの償還を一時停止」 (ロイター)などは最近の典型例。ヘッジファンド側の言い分としては、一部の顧客による大型解約・償還によってファンドが不必要に痛むのを防ぎ、残存顧客の利益を守るため、というのが良く使われます。もちろん、ファンドそのものの存在を継続することで、生き残りを図っている面も強くあるのですが…。ちょっと前までは、解約・償還停止なんてのは"破綻一歩手前"と受け止められ、一気に信用を失う禁じ手だったのです。ところが、昨年8月以降、昨今の状況では、残念ながら珍しくも何ともなくなってしまいました。
● マーケット側から見れば、解約・償還停止により、突然のポジション解消に伴う大量の投げ売りや強烈な買戻しが出にくくなり、市場の混乱を抑制する効果があると考えることが出来ます。ただ一方で、投資家側からすると現金化するつもりだったポジションが、強制的な「塩漬け」状態になってしまうワケで、現金が必要だったりリスクを減らす必要があれば、解約・償還停止になっていないファンドを予定外に現金化する羽目に陥り、結局のところは、廻り回ってマーケットに影響を与える結果になります。
● 厄介なのは、往々にして解約・償還停止になるファンドは、運用成績が悪化したことが原因の場合が圧倒的に多いってこと。結果的に運用成績が悪ければ悪いほど、解約・償還停止になってシコる、という投資家としては避けたいパターンに陥ってしまうのです。その分のリスク量を他で落とすことになったり、ヘッジファンド保有リスクを他のデリバティブを使ってヘッジしたり(最近はそういう商品が流行だったりします(^^;)と、余計な手間隙が掛かります。ヘッジしたリスクは、組成した業者がマーケットでヘッジするしかなく、結局、マーケットにインパクトが出て来ることになってしまうのです。
● 解約・償還停止は、基本的にも根本的にも問題の先送り。多くのヘッジファンドは既にレバレッジを落としてしまっているので、かつてのように数百%(もしくはそれ以上)のレバレッジを掛けていた時点で被った損失を、低レバレッジの状態でコツコツ取り返すのは、全てがうまく行ったとしても、かなりの時間が掛かってしまうのは誰が考えてもすぐに分かります。そのため、これらの問題の「解決」には、相当な時間が必要になるのは明らか。後ろ向き処理を時間を掛けてやるというのは、ある意味で、不良債権処理と同じようなもんです。相場に神風が吹くのを待つ、というのも似た状況でしょうし、そんな時には神風が吹くことは無い、というのも多分、「真」なんでしょう。何度も同じことをヤルってのも、情けない気もしますが…(^^;。
● 雑談。 「ホンダ来季F1撤退へ!経費負担が経営圧迫」 (サンケイスポーツ)などと、あちこちのメディアで報道されています。色々な経済状況を勘案すると致し方ないところでしょうけど、やはり寂しく感じるのは避けられません。電気自動車だけの世界的なレースツアーでもあれば、メーカーも資金を投じて参加する大義名分が出来るだろうのに…。既に電気自動車で時速300キロ超も出る車は存在します(Wikipedia、エリーカ)。結構、興味深いレースになると思います。ただ、妙に静かで盛り上がらないレースになるかもしれないけど(^^;。
● 寒くなりそうな週末です。お身体にはくれぐれもお気をつけ下さい。来週はビッグSQです(^^;。良い週末を!
2008年11月25日(火) .... 大幅続伸、高寄り後に伸び悩むも最後の1時間で急上昇
TOPIX : 831.58 (+28.89, +3.60%) | 日経平均 : 8323.93 (+413.14, +5.22%) | 円ドル : 96.40 |
● 米国株高を受けて、「11月の3連休明けは高い」というジンクス(大和総研調べ)そのままに大幅高。まぁ、日本が休んでいる間にNYダウは金曜日に494.13ドル高(S&P500は47.59pt高)、月曜日に396.97ドル高と(S&P500は51.78pt高)、2日間で11.80%(S&P500は13.21%高)も上昇したんですから、日本が金曜日高かったことを割り引いても、これぐらいはやってくれなきゃあ…(^^;。もっとも、高寄りした後は伸び悩み感でいっぱいで、ちょっとヤバいかなの雰囲気もありました。ところが、最後の1時間でスルスルと上昇。今日はMSCIのリバランス基準日だったので、その影響(全体が若干の買い越し)があった可能性は考えられます。
● TOPIXは840.73pt(+38.04pt、+4.74%、9時25分)のザラ場高値からザラ場安値の807.89pt(+5.20pt、+0.65%、14時02分)、日経平均は同高値の8356.83円(+446.04円、+5.64%、9時34分)から実質上のザラ場安値の後場安値8075.91円(165.12円高、+2.09%、14時02分)と、両指数ともにかなりの値幅を動いたことが分かります。それだけ相場心理も揺れ動いた、ってことです。
● 今朝のSQ値を計算すると、前週末比433.96円高の8344.75円(9時40分確定)と、寄付きにかなり買いが集中したことが分かります。幻のSQ値にはならなかったものの、実際にSQ値が確定した頃には、実際の指数は伸び悩み。日経平均採用銘柄で終値が寄付値を下回っているのが64.0%と約3分の2にも達していたのです。その点から見ても、終値が大幅高だった割には、雰囲気としては今一つだったのが分かるかと…。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 米シティの「公的救済措置」については、あちこちで報道されているし論評されているので、ここでは省略しますが、日本でりそな銀行への公的資金注入が大きな相場の転機になったことを連想された方々は多かったと思います。実際にあの頃のことを振り返ってみても、「状況は深刻で、第二のりそなが出る」って見方は根強く、相場の雰囲気は決して良くなかったし、相場は神経質に上がったり下がったり不安定だったのです。最終的に相場の「評価」が固まって、上向きの方向性が見えたのは翌月になってから。今回もまだ気を緩めるような状態ではないことは、皆が十分以上に分かっていると思うし、だからこそ寄付き後の伸び悩みがあったと考えています。
● 記録。東証1部出来高は前週末比3億3635万株減の21億5298万株、売買代金は同817億円減の1兆7364億円。東証1部値上がりは1270銘柄、値下がりは372銘柄。日経平均の日中値幅は331.14円(前場331.14円、後場248.02円)だったのですが、往復したので気持ちとしてはもっと動いた印象でした。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、13日連続の売り越し(3990万株売り/3080万株買い)でした。
● 業務連絡。先物のサーキットブレーカーの刻みが今日から変わったと思えば、東証/大証から早くも、再なるサーキットブレーカーの発動基準見直しが出てきています。要するに二段階制度ってことで、第1回目のサーキットブレーカー発動後に、第二回目の発動基準を設けるというもの。さらに、理論価格からの乖離基準が廃止されることになります。それぞれ東証のリリースはこちら、大証のリリース(PDF直リンク)はこちらです。いずれも12月15日から実施なので、ビッグSQの後ってことになります。まぁ、あまり使う機会がない制度でしょうけど、何で変更日当日早々に次の変更を出してくるのか…(^^;。
2008年11月19日(水) .... 続落、薄商いで方向感の乏しい展開
TOPIX : 827.43 (-8.01, -0.96%) | 日経平均 : 8273.22 (-55.19, -0.66%) | 円ドル : 96.60 |
● 朝から「盛り上がるネタが無いなぁ~」とは感じていたものの、残念ながらその予想を裏切らない展開の1日でした。商いも昨日とほぼ同水準の薄商いだったし、方向感にも乏しく参加者が少ない印象がありあり。指数としてはそれほど大きな下落にならなかったものの、金融株は増資の話も加わって売られ、輸出関連や商社なども軟調。一方で、内需ディフェンシブ系がそれなりに買われて、適度に打ち消しあい。ただ、指数が大きく下がらなかったのが不思議に感じた1日でもありました。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。グラフでは、それなりに動いたようにも見えるのですが、Y軸の目盛りに注目して頂ければ、大して動かなかったことがご覧頂けるかと…(^^;。
● 市場関係者の間では、TOPIXの820ptあたり、日経平均の8200円あたりを割り込んでくると、公的年金の買いが入るとの思惑が強い状態が継続。チャート面からの「逆三尊」のラインもこの辺で、この水準から下を売り込むネタもとりあえず手元に乏しいとあって、どうしてもここまで下がってくると買い戻しなどが入り、下方硬直性が強くなっている印象です。ただし、買い材料は買戻し以外に乏しいので上値も限定的。「相場が安定してきた」のは事象面からは事実でしょうけど、マーケットを見ていると、「手詰まり感から動きが取れない」との印象の方が強いです。動き出せば動きそうなんですけどネ。ホンの半月前まではボラティリティーの高さに「勘弁してくれ…(T_T)」だったトレーダー連中は、ちょっと落着いてくると「相場が動かなくて面白くない」と…(^^;。まぁ、妙に「100年に一度」の刺激に慣れてしまうと、それが薄れると恋しくなるというか、禁断症状が出るというか…(^^;。
● 一方、今日は指数が動かなかった割に、バリューやリバーサルはかなりボロボロで、特にここ数日はリバーサルが逆噴射する状態が継続しています。つまり、売られる銘柄はいつまでも売られて(典型例が不動産)、一方で、買われる銘柄は継続的に買われている(ツムラ、塩野義製薬、ワタミ、ABCマートなど)状態。プラスとマイナスが適度に打ち消しあっていることで、指数はそれほど動かないというのが見えてきます。「プチ股割き二極化」ってところでしょうか。ファクターがまともに効かないということは、この1~2年の経験からすると、どうしてもアンワインドを連想させます。状況としてはそれが否定できないので、月末まで、ちょっと気をつけておきたいところです。
● 記録。東証1部出来高は前日比216万株減の19億4878万株、売買代金は逆に同359億円増の1兆5281億円。前引け段階での東証1部出来高は9億株割れ、売買代金は7000億円にも届かず、「今日はかなりヤバイぞ」と考えていたのですが、どうにか昨日並の水準は確保。でも、かなりの薄商いでした。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比5.41円安の8323.00円(9時10分確定)と、全くの無風状態(前日比でも確定時刻でも)。東証1部値上がりは736銘柄、値下がりは869銘柄で、これもほぼ昨日と同水準。日経平均の日中値幅は254.38円(前場191.06円、後場157.51円)と比較的小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ついに10日連続の売り越し(2810万株売り/2070万株買い)でした。
● 業務連絡。昨日の話で恐縮ですが、大証から 「株価指数先物取引に係るサーキットブレーカーの発動基準等の見直しについて」 とのリリースが出ています。日経平均先物で言えば、これまでは1万2500円未満で、値動きが1000円幅超、理論価格からの乖離が200円超でサーキットブレーカーが掛かるとなっていたものを、1万円と7500円に新たな刻みを設定。つまり、今後(11月25日以降)は、サーキットブレーカーが掛かり易くなることになります。現在の株価水準は「7500円以上10000円未満」のカテゴリーに入るので、前日比で750円超の変動、理論価格からの乖離が150円超でサーキットブレーカーが発動されることになります。まぁ、日経平均がこんなに下がるとは想定していなかった、ってのが本当のところかもしれませんが…(^^;。
● TOPIX先物など東証の株価指数先物のサーキットブレーカー発動基準は、 「指数先物取引制度概要」 に出ています。東証では、新派生売買システムが稼動した際(2008年1月15日)に、750ポイントという区切りが設定されています。ただ、東証では刻みが「750ポイント以上、1250ポイント未満」で1000ポイントの区切りは無かったのです。そこで昨日、 「指数先物取引におけるサーキットブレーカーの発動基準の見直し等について」 が出て、新たに1000ポイントの区切りが出来ています。こちらも11月25日から実施です。
● 現場としては、それよりも指数型ETFの値幅制限を撤廃、もしくは先物と同じにした方が良いと思うんですけどねぇ~。先物が普通に取引しているのに、指数型ETFがストップ高したりストップ安したりは、やっぱりおかしいでしょ…。
2008年11月13日(木) .... 大幅続落、米国株安や円高受けて3日続落
TOPIX : 837.53 (-37.70, -4.31%) | 日経平均 : 8238.64 (-456.87, -5.25%) | 円ドル : 95.80 |
● オーバーナイトの米国株市場が再び大幅安。CME日経平均先物は大証比575円安(イブニング比でも435円安)の8165円。昨日大引け後のイブニング取引がえらい安いなぁ~とは思っていたものの、それを上回るドカン。おまけに94年台半ばの円高水準となれば、東京も初っ端から「キャン!」。もっとも、最初に売られた後は、それほど大きな下値はなく、後場終盤は戻り歩調。もっとも、最後の最後に不安感からか先物が売られてしまい、裁定解消売りなどを引っ掛けて、結局は大幅安。今日は円高の影響がかなり大きかったこともあり、日経平均はTOPIXよりも1%ほども下落が大きくなっています。
● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比414.14円安の8281.37円(9時36分確定)と、初っ端からかなり派手に売り込まれたことが分かります。前場はこの辺が安値(TOPIXは9時26分、日経平均は9時31分に前場安値を記録)でした。昼休みギャップが+77.07円と大きく上に跳ねたものの、その後は逆にジリ貧。TOPIXは13時40分に-44.08pt(-4.31%)、日経平均は13時41分に547.21円安(-6.29%)のザラ場安値を付けています。その後、かなり戻した(日経平均で250円ほど)のですが、最後の10分間ほどで売られて終わり。特に何かニュースがあってというよりも、ロングでオーバーナイトするのが恐い、という心理状態が色濃く出た印象でした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 明日はミニSQ(11月オプションSQ)だし、G20金融サミット(緊急首脳会合)を控えているし、12月末から逆算して45日と、何かと不安になる材料が揃っているというか…(^^;。事前に心配すればするほど、往々にして何も起こらないものなんですが、それでもやっぱり「無理することはない」になってしまうのは、避け難いところ。AIGの件にしても、GMの件にしても、GE(GEキャピタル)の件にしても、真剣に考えようとすればするだけ、考えたく無くなってしまいます(^^;。だから、考えないで済むような妙な銘柄を物色するのも一つの手は手ですが、多くの投資家は着地点というか、最悪シナリオが読めるようになり、その場合の行動が想像できるようになるまで、やっぱり手控えてしまいます。仕方ないんですが…(^^;。
● 実は、そんな相場でも年初来高値を付けている銘柄はあるもので、東証1部では、ワタミ(7522)、サイゼリヤ(7581)、ABCマート(2670)、ツムラ(4540)、クレスコ(4674)が年初来高値更新。52週高値にしても同様で、ライトオン(7445)が加わります(Bloombergで抽出)。お手元の端末で日足チャートをご覧頂くと分かるのですが、ワタミやサイゼリヤの右肩上がりは、「一体、何やねん?」って感じ(^^;。サイゼリヤなんて、あのメラミンピザ事件が絶好で究極の買い場だったのですから…(^^;。こちらから上記銘柄の3ヶ月日足チャート(Yahoo! JAPAN Finance)を表示できるようにしてあります。
● ABCマートとツムラはMSCI指数採用というネタがトドメ的な上げ要因でしょうけど、その前からそれなりに堅調でした。クレスコは出来高が少な過ぎるので除けておいて、ライトオンも「"地球を救う"Tシャツ」だけでこうなるとは思えないし…(^^;。この辺の銘柄をピンポイントで当てるのは無理ですが、それでも元気な銘柄はあるってことです。そして、こうやって並べてみると、共通項が見えてくるような気がしませんか? なお、蛇足だとは思いますが念のため、上記銘柄を推奨するものでは絶対にありません。追随するも逆張りするも、そして見送るも全て自己判断でよろしく。
● 残りの記録。東証1部出来高は前日比1億1592万株増の21億9245万株、売買代金は同875億円減の1兆7576億円。東証1部値上がりは248銘柄、値下がりは1404銘柄。日経平均の日中値幅は416.17円(前場334.39円、後場257.91円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅な売り越し(4240万株売り/1880万株買い)でした。
2008年10月29日(水) .... 大幅続伸、円高一服受けて輸出関連株が引っ張る展開
TOPIX : 830.32 (+46.29, +5.90%) | 日経平均 : 8211.90 (+589.98, +7.74%) | 円ドル : 97.00 |
● オーバーナイトの米国株が史上2番目の急上昇(NYダウが+889.35ドル、+10.88%)で、CME日経平均先物は大証比380円高の8110円まで上昇。円は対ドルで98円台、対ユーロで125円台と円安方向。これで寄付きから高くなる条件は整った状態(^^;。実際、最初の30分間ほどは買い気配ばかりで値が付かず、全体に寄付いたなと思えたのは9時40分頃。もっとも、そこがTOPIXのザラ場高値でした。後場寄付き後に急に伸び悩み、嫌ぁ~な雰囲気。しかし、午後2時20分頃からは、買いが先行してアレヨアレヨの上昇。全体に板薄のなかを、市場参加者の多くが短期でトレンドフォローに走っている印象で、「右往左往」という言葉がぴったりと来る1日でした。結局、TOPIXは高値圏、日経平均はモロ高値で大引け。TOPIXは9時41分にザラ場高値を付け、後場はこれを上回ることが出来ずに終わっています。日経平均は、モロ高値引けだったし、テクノロジー系を中心とする輸出関連の引っ張りが目立ったことを物語っています。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 「協調利下げへの期待感」と書くときれいのですが(^^;、銀行株がそんなにマーケットを引っ張った印象は無かったので、「まぁ、あったらあったで良いけど…」程度だったでしょうか。それよりも輸出関連などのブッ飛びの方が目立ったので、やはり円高一服の方が「効いた」感じを受けました。まぁ、日本が利下げすることによって、円高にならないように後押しする解釈もあるにはあるでしょうけど…。
● 株式市場からすると日銀がドル/ユーロの押し上げ介入をしてくれた方が、はるかにインパクトがあったように思います。下げ相場で介入しても効き目は薄いでしょうけど、今日みたいに反転局面だと、比較的少ない金額で効果が出たと思うのですが、なぜやらないのですかね?今日の上昇は、再び円高進行なんてことになると、あっさりと手放してしまう上昇だったかも知れないわけで、この辺の不透明感は色濃く残ったままでした。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億8467万株減の29億8113万株、売買代金は逆に同649億円増の2兆2366億円。東証1部値上がりは1406銘柄、値下がりは253銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比501.16円高の8123.08円(15時00分確定)と初っ端からブッ飛び状態。15時00分というのは、日産化学(4021)が最後まで寄付かなかったためで、それ以外は、9時50分までにほぼ寄付いています。日経平均の日中値幅は470.38円(前場464.52円、後場450.92円)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(4680万株売り/4270万株買い)。売り買いともにかなりフローが増加した印象でした。
● 話題変更。日本株とは直接関係ないのですが、世界中の株式関係者の間で話題になっているのが、フォルクスワーゲン(Volkswagen AG、VOW)の爆騰。BloombergのティッカーではVOW:GRで、ロイターではVOW.DEです。チャートをご覧頂けると一目瞭然。というか、あまりに株価が急変してしまって、何が何やら良く分かりません(^^;。同社の株価は2日間で約5倍になり、ドイツ取引所は今日の日本時間早朝、DAX指数のVOWウェイトを強制的に10%に引き下げる措置(Bloombergによると計算上は27%強あった)を発表しています。こんな唐突にウェイトを半分以下にされたら、指数連動ファンドや指数系のデリバティブをやっている連中はどうするんでしょうか?それも逆にパニックです、ホンマ…。もっとも、即日実施ではないみたいですが…。
● VOWの急騰には、色々な背景があるのですが、業績がどうのこうのではありません(^^;。一番最初はリーマン破綻の影響を受け、第二幕の爆騰はポルシェが出資比率を引き上げる、と発表したことがきっかけ。最初のはリーマンの破綻を受けて貸し株が返って来なくなり、指数連動型ファンドなどが「買い直し」を強いられたのが背景。貸し出していた株券の代わりに担保に取っていた現金などがあったはずなので、損益的にはチャラ近辺か、世界的に株価が下がったので、プラスだった可能性もありました。ただ、ファンドとしては株券を持っておく必要があったので、買い直しになったのです。似たようなことは、VOWだけではなく、日本や他国でも発生していました。この結果、VOWはかなり割高になってしまい、あちこちのアナリストは売り推奨するし、ヘッジファンドはVOWを売ってポルシェを買う、なんてロング/ショートを組んでいたのです。これが次の破壊的爆発・修羅場の背景。
● 先日、ポルシェが出資拡大と今後も拡大すると発表したことを受けて、VOWは一気に強烈爆騰。「ショート・スクィーズ」の見本みたいなことになってしまいました。この過程で、かなりの数のヘッジファンドが致命的な大怪我を負ったと囁かれており、実際そう考えざるを得ない状況です。地相場が200ユーロとかの銘柄が、一気に1000ユーロ超までブッ飛んで行ったのですから…。政府・金融当局が株価対策などに右往左往している最中にです。ちなみにVOWは株価爆騰のおかげで、昨晩は瞬間風速で世界最大の時価総額にまでなったのです。そりゃあ「おかしい」と考える向きが多いだろうし、ショートしたくなりますわな…(^^;。他人事だから「(^^;」ですけど、歴史的な踏み上げ相場で踏み上げさせられた方々は…。VOWの昨晩までの日足チャート(軽いPDFファイル)を付けておきます(データはBloomberg、グラフ作成は虎年の獅子座)。さすがにDAXウェイト変更のおかげで、今日は急落しています(^^;。
● 最後に一言。景気対策と称してまたばら撒きをやるらしいですネ。無駄使いも、えぇ加減にして欲しいというか…(-_-;)。個人消費を引き上げるには、富裕層にどうやってお金を使い易くさせるかってことが本当の要点になるハズなのに、"エセ正義"のメディアを含めて、選挙絡みや世間からの反発が怖くて、それは誰も言い出しません。まして、税金払っていない層にまで"給付金"をばら撒くとは、何が平等で何が不平等なのかを本当に疑うばかり。生活保護などが本当に必要な方々には、きちんと手当てすべきだと考えていますが、それは景気対策としてやるべきものではないハズ。福祉としてやれば良いのです。それをどんぶり勘定にして、ドサクサ紛れに不平等をやろうというのだから呆れてしまいます。税金払っている層をどう考えているのか?まぁ、文句を言わない奴隷程度にしか考えていないのでしょう。期待値が低過ぎるので、あまり反論も出てこないのでしょうが、それにしても…。失望の溜息だけが出てきます…(-_-;)。
● 口直し。例の日米主要企業決算発表予定ワークシートをアップデートしてあります。これまでも時々、こっそりと(でもないか(^^;)アップデートしていたし、これからも時々アップしますのでよろしく。左側のメニューからダウンロードページに進めます。シンプルなExcelシートです。
2008年10月06日(月) .... 大幅続落、TOPIXは2003年12月18日以来の1000pt割れ
TOPIX : 999.05 (-48.92, -4.67%) | 日経平均 : 10473.09 (-465.05, -4.25%) | 円ドル : 103.35 |
● ある程度軟調な相場は予想していたにしても、「こんなに下がる材料あったっけ?」→「知らんところで、とても悪いことが進んでいるに違いない」→「買いなんてとんでもない」→「売れるモノは売っておこう」→「とにかくポジションを減らそう」…という心理状態に陥る下落。売られ方を見ていても、"戻りを売る"なんて悠長な雰囲気はなく、「とにかく現金化が最優先」との空気。つまり、換金売りがかなり出ていた様子。後場寄付後に先物主導で戻る一瞬はあったものの、その後、急速な円高進行(対ドルでも対ユーロでも)もあって一段安。TOPIXは2003年12月18日以来、約4年10ヶ月ぶりの1000ポイント割れに落ち込んでしまいました。三桁でっせ!ホンマ…。前週末の米TARP(金融安定化法案)の可決も、材料になりませんでした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● これだけ全面安・大幅安になってしまうと、もうあまり書くことがないというか、書く気力が沸いて来ません…(T_T)。きれいに聞こえるのは、「世界的な景気減速(失速)懸念を嫌気して…」とか、「世界的な信用収縮が引き起こす景気減速懸念」ってところでしょうが、それも空しくなってしまいます。どこかの"相場解説"はどうせ、「先物に仕掛け的な売りが…」とか書くでしょうけど、相場の近くで見ていると、先物が悪いとかって次元の話ではなく、現物市場に押し寄せる大規模なの実弾売り(撤退売り、現金化売り)と、逆に情けない程の買い手不足が全てって感じでした。そんな環境下では、少しでも戻る局面があったらすかさずヘッジ売りが出てしまうし、そのヘッジ売りを止めろとは誰も言えません…。
● ヘッジファンドだけでなく、ありとあらゆる投資家による「リスク資産現金化」の流れば、まだ収まりそうにないのが正直なところ。この1~2週間ほどは、WSJ紙でもヘッジファンドの解約が相場押し下げ圧力になっていると指摘する記事が急速に増加している印象があるし、実際に業界内でも、解約の話だけでなく、ヘッジファンド閉鎖の話、はたまた解約に備えてポジションを現金化する動き、FoHFsへの資金繰りプレッシャーなど、もう珍しくなくなってしまいました。解約停止のファンドが増加していることで、余計に「まとも」なファンドに解約プレッシャーが掛かる悪循環。色々なヘッジファンド指数の9月速報値を見ると、8月に次いでかなり悲惨なものが出始めています。速報値なので、今後、修正される可能性は大きいとしても、良い方に修正されるよりも悪い方に修正されるのではないか、と考えるのは避けられません。
● 最初はロング・ショート系のアンワインドが多かったので、指数ベースではプラス/マイナス打ち消しあっていたのでしょうけど、先月末から10月に入ったところでは、明らかにロング・オンリー系の売りが増加しているようで、これが指数を強く押し下げる要因になっています。ちょうど国内年金資金も、月次のデータが届いて今週が月次リバランスの時期。こんな相場が続いている状況では、常識的に考えて、リスクを落とす以外の選択肢はかなり困難。そして、皆がリスクを落としに掛かっているなかで、一人だけリスクを増加させるのはもっと困難です。結果的に、リスクテイクする資金が極端に細り、買い手が非常に乏しくて市場全体の流動性が落ち、実際に出ている金額以上に価格下落が厳しい状態になっています。通常なら「戻り局面を待って売る」となるんでしょうが、換金売りは現金化が最優先。つまり、ビッドにぶつけて売るしかないのです。いずれどこかで冷静さを取り戻す局面は来るのでしょうが、現時点ではそのタイミングはなかなか見えてきません。
● 記録。東証1部出来高は前週末比2億2129万株増の25億6695万株、売買代金は同460億円増の2兆3764億円でした。出来高面では結構増加していたものの、売買代金はほぼ同水準。相場の値動きが大きかった割には商いが膨らまず、下値を売ってきた様子が分かります。東証1部値上がりはたったの95銘柄、値下がりは1594銘柄に達し、「全面安」の展開。今日は新興市場もかなり悲壮感があり、なかでも東証マザーズは-9.86%、大証ヘラクレスは-8.97%と大幅な下落。東証1部大型株が大きく売られる日は、往々にして、中小型株はビッドがないので売ろうにも売れず、まともな株価が付かないことで、結果的に下げてないように見えることが多いのですが、今日の換金売りはそんなこと関係なしに下値を叩き売ったってことかもしれません。ファンド筋だけではない売りがあったのでしょう。
● 今朝の日経平均SQ値を計算すると、前週末比159.41円安の10778.73円(9時26分確定)と、それほど安くは無かったのです。つまり、ザラ場のフォロースルーの売りが多かったったことになります。なお、TOPIXはザラ場で992.15pt(-55.81pt、-5.33%、13時56分)まで突っ込み、日経平均は10374.38円(-563.76円、-5.15%、13時57分)まで突っ込んでいます。日経平均の日中値幅は465.12円(前場301.17円、後場271.50円)とかなり大きく動いています(ズルズルと下落した)。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅ながら引き続き売り越し(3530万株売り/3320万株買い)でした。
● 大引後に開示された先物の手口も少し。日経平均先物で売り手は、UBSが3591枚売り越し、バークレイズが1840枚売り越し、三菱UFJが1162枚売り越し、みずほが買い手口不明の5073枚売りなど。買いはニューエッジが4103枚買い越し、野村が1703枚買い越し、GSが1513枚買い越し、JPMが1487枚買い越し、MLが売り手口不明の4285枚買いなど。TOPIX先物では、売りはMSが1326枚売り越し、買いはCSが2350枚買い越し、GSが2100枚買い越しなどでした。これだけで何が分かるかといえば、多分、あまり何も分かりませんけど、最近はCTA系は先物「だけ」見ると買い越しが多い様子です(^^;。
● GLOBEXは結構安く推移している(-2.5%程度)し、これを書いている時点の欧州株も、軒並み5%超の下落。今晩の米国市場が自ら立て直さないと連鎖を止めるのが難しくなりそうです…(-_-;)。
2008年09月25日(木) .... 続落、不透明感/不安感払拭できず買い手控え。薄商い
TOPIX : 1153.95 (-14.02, -1.20%) | 日経平均 : 12006.53 (-108.50, -0.90%) | 円ドル : 105.70 |
● 寄付きから米国株安に加えて、配当落ち分の下落も加わり、それ以上に不透明感や不安感が払拭できずに買いが手控えられる毎度のパターン。意外感があるほどスルスルと下落したものの、前場中盤からは妙な期待感(^^;が広がったのか、今度は意外感があるほどの戻り方。ただ、後場は基本的に動きが乏しいままマイナス引け。メガバンク株が上下したことに引っ張られた印象はあったものの、自動車や商社、海運が軟調でTOPIXの方が下げがきつい1日でした。まだ方向感は出てきませんネ、ホンマ…。なお、本日の配当落ちは、概算でTOPIXで約9.20pt程度、日経平均で約83~85円程度とのこと。いずれにしろ、配当を埋めることは出来ませんでした。もちろん、この配当部分は今後、増配や裏切りの減配をする会社が出てくれば変動します。為念。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 上記したように、個別には銀行株、保険株などが堅調だったものの、自動車、商社、海運などがヘロヘロ。鉄鋼も軟調だったし、どうも乗り切れない状況。また、優待権利取りが終わったためか(^^;、JRなどもかなり安かったです。一方、ファクター分析から見ると、どうもフロー系のバリューが不調。7月、8月そして9月と、月末から月初に掛けて、フロー系のバリューが落ち込む現象が発生しました。つまり、割安がより割安になる悩ましい状況に陥った経験があるのです。今回もそれが起こるか戦々恐々(^^;。中間期末という時期だけに、どうしても気になるところです。
● 中間期末と多少関連するのでしょうが、昨日あたりから先物がプレミアムで推移することが多くなっています。日経平均先物だと、フェアが現物+15円程度のところ、現物+40円などで推移することが多くなっているのです。色々と理由は考えられるのでしょうが、一つは、裁定取引が不活発になってきていること。裁定取引を得意にしているプロップ(自己売買部門)は外資系証券が多いのですが、一連の金融危機騒動のおかげでファンディングを取り辛くなっている(コストが高い)ことから、ポジションの積み増しどころか、減らす方向にバイアスが掛かっています。つまり、先物が走っても裁定買いが追い掛けてこないのです。
● 実は、債券市場でも似たようなことが起こっているようで、裁定取引をする向きが減っていることで、マーケット全体の流動性が落ち、さらに価格形成が歪になるケースが増加しているとのこと。株式市場でも全く同じです。ということは、株式市場だけの理由ではなく、色々な金融市場を取り巻く問題が原因の可能性が強いことになり、つまり信用不安、信用収縮に伴うファンディングコストの高騰が大きな原因ではないか、と考えている次第です。株式市場の現状だけを見れば、特にマーケットに悪影響は見受けられません。ただ、逆に先物が先行して下落するようだと、裁定解消売りが断続的に出る可能性もあり(ポジション解消意欲が強いので)、特に9月末までは、神経質に相場を眺めておきます(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比4億4604万株も減少して15億9233万株、売買代金は同6296億円減の1兆7248億円と閑散。如何に商いそのものが手控えられたかが良く現れています。東証1部値上がりは444銘柄、値下がりは1156銘柄。今朝のSQ値を計算すると、前日比206.56円安の11908.47円(9時15分確定)と、朝からかなり突っ込んだことが分かります。TOPIXのザラ場安値は10時19分に-26.50pt(-2.27%)まであり、ザラ場高値は10時59分。日経平均のザラ場安値は9時31分で279.75円安(-2.31%)までありました。日経平均の日中値幅は190.13円(前場184.45円、後場89.97円)で、前場は下がったところから戻したので値幅があったものの、後場は見送り気分が強くなった様子が分かります。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(3370万株売り/2250万株買い)でした。
● 話題変更。ロイターで 「焦点:米金融大再編の波、いずれヘッジファンド業界に」 との記事が流れていましたが、そのなかでGSとMSが銀行持ち株会社の傘下に入ることにより、銀行として自己資本規制が課せられるため、これまでほどレバレッジを効かすことが無理になると考えられ、ヘッジファンド向け融資も細るのではないか、との見方が出ていました。
● ヘッジファンドはプライム・ブローカレッジ(PB)ビジネスと切っては切れない関係にあります。そして、GSとMSは、自他共に認める、ヘッジファンド業界とともに成長したPBビジネスの両巨頭。もちろん、レバレッジ資金はPBからだけではなく、他から引っ張ることも可能は可能ですが、手間ヒマなどを考えると、通常はPBから引っ張ることが多くなります。その蛇口が締まってしまわないまでも細るとなるならば、ヘッジファンドにとっては「酸素が薄い」状態になってしまいます(^^;。それだけで「死ぬ」ことはないでしょうけど、体力が弱い向きはそうなってしまうかもしれません。究極的には、その環境に慣れるしかない、ってことでしょうけど、ヘッジファンド全体として、投資余力の縮小は避けられないと考える方が素直。そうなると、マーケット全体も縮小する状態が中期的に継続することも覚悟しておかなくてはいけなくなります(T_T)。
● 一方、反対側から見ても、多くの証券会社、特に外資系証券会社は、ヘッジファンド向けビジネスを重点に置いた営業をしてきたと思います。昨年夏のサブプライム爆弾が炸裂してからは、ヘッジファンド・ビジネスの落ち込みは、どこもかなり大きいのは簡単に想像できます。それだけに、今後、証券会社としても、委託ビジネスのスタイルを変える必要があるのかどうか、委託ビジネスの世界が変わるのかどうか、さらに生き残るのかどうか…(^^;。中期的な流れには気をつけておきたいところです。
2008年09月16日(火) .... 休暇中。リーマン破綻受け急落
TOPIX : 1117.57 (-59.63, -5.07%) | 日経平均 : 11609.72 (-605.04, -4.95%) | 円ドル : 104.25 |
● 今週は、休暇中のため、マーケット・コメントはお休みです。
● と書くと、「なんちゅう日に休んどるんやぁ!」との声が聞こえてきそうですが(^^;、先週末書いたように、年に1回、5日間連続で休まなくてはいけないのです。内部監査が入るからです。とは言うものの、日常雑務を色々とやりながらも、心配は心配だったので、マネックストレーダーやら日経CNBCを見ていました。まぁ、大体は予想の範囲内程度に収まった印象ですが、逆に言うと、予想以上の下げでなかった分だけ戻りも鈍いのかもしれません。先物などを見ていても、前日比では多く下がっているものの、ザラ場の売りのフォロースルーは大したことなく、ザラ場だけを見れば小動き。今後売りが出てくるのか、それともこれで終わりなのかは、時間が経過しないと分からない面もたくさんあります。
● あちこちの識者が書くと思いますが、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ、要するに倒産保険みたいなもの)をどうするか?さらにCDSを証券化しちゃってたらどうするか?ミートホープの肉や、このところ話題の毒米と同じで、一度、証券化されて拡散してしまうと、その損失額などを算定するのも非常に困難になってしまいます。信用補完のチェーンメールみたいな状態にあるなかで、その鎖のなかの誰か一人が"飛ん"でしまったら、全体が崩壊することも有り得る話ですから…。もっとも、着々と浦島太郎化する1週間ですんで、あまり参考にしないでくださいね(^^;。
● 記録的な1日だったことは確かなので、後々のために、日経平均、日経平均先物(12月限)、そしてTOPIXの日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
2008年09月12日(金) .... 堅調、SQ買い越し→マイナス転落→銀行株先導で切り返し
TOPIX : 1177.20 (+14.48, +1.25%) | 日経平均 : 12214.76 (+112.26, +0.93%) | 円ドル : 107.35 |
● 今日はビッグSQ。先物関係者の3ヶ月に1回の"お祭り"であると同時に、流動性が一瞬にしろ高まることで、不要銘柄を処分するには都合の良い「粗ゴミ回収」がやってくる1日(^^;。例によって実況中継風に行くと、8時45分の段階でExcel上の日経平均速算値は前日比330円高ほど。良く見る風景は1000円安などですが、今回は実はずっとプラスでの推移でした。8時50分に700円高、8時55分に600円高、8時58分に310円高、8時59分に280円高と来て、最後に多少の売りは出た様子ながら、堅調なまま寄付き。SQ値は前日比193.05円高の12295.55円(9時12分確定)でした。SQ確定時刻も早かったし、食い合い株数もそれほど多くなく、ビッグSQにしては静かだった印象。
● 9時15分時点の東証1部出来高は8億7248万株、売買代金は1兆0974億円。前回6月ビッグSQ時の9時15分時点では、13億1104万株/1兆9881億円だったので、半分とは言わないまでも、相当、商いが少なかったことが分かります。最近の色々な信用収縮を受けファンディングコストが高くなっていることで、裁定業者などもポジションが取り辛くなっているのでしょうね。さらに、米系はそろそろ決算も意識する時期ですし…。なお、市場筋推定では、SQ関連売買は6億~6億3000万株程度、売買代金で8000~9000億円程度とのことでした。
● 通常の相場。前場はSQドタバタ後は横ばい相場だったものの、昼休みの立会外バスケット取引が売り越しと伝わったこともあって、後場寄付きからスコーンと下落。TOPIXも日経平均も、午後1時過ぎに、一時前日比でマイナスゾーンへ突入。ただ、それは瞬間風速で、そこから大引けに掛けては、銀行株が引っ張る格好できれいな右肩上がり。ただ、SQ後にもみあった水準までは戻したものの、そこから上のSQ値までは届かず。結果的に、今日は「幻のSQ値(ビッグSQ)」が残ってしまいました。テクニカルの経験則として、SQ値は上値抵抗になったり下値支持になったりすることがあるので、ちょっと頭に入れておきます。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● それにしても、三菱UFJ FG(8306)、みずほFG(8411)、SMFG(8316)の日中足と、TOPIXや日経平均の日中足を比較すると、実に良く似ていました。もちろん、メガバンクが時価総額の大きな銘柄群で影響力が大というのはあるにしろ、相場全体が銀行株の行方にかなり神経を使っている様子が分かるし、その一挙一動に振られている状態も分かります。
● Bloombergで業種別指数の対TOPIX寄与度を見ると、プラス寄与で銀行が+5.56ptでダントツの第1位。第2位の卸売業が+1.53pt、第3位の機械が+1.41ptなので、銀行の影響度の大きさが分かります。個別銘柄でも、対TOPIX寄与度上位3銘柄はMUFG、SMFG、みずほFGの順でメガバンクが独占。次いでORIX、三井物産、三菱商事の順だったのですが、銀行株のインパクトの大きさが分かります。ちなみに、個別銘柄の対日経平均寄与度ランキングは全く様相が違っていて、プラス寄与度上位5銘柄は、順番に、東京エレクトロン、ファナック、ダイキン、アドバンテスト、住友不動産。指数の動きが違うのも、良く分かります(^^;。
● せっかくですんで、三菱UFJ FG(8306)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。前場の最初のところはともかく、特に後場は、日経平均の日中足と傾向が良く似ているのがご覧頂ければと…。
● 記録。東証1部出来高は前日比6億4619株の増加で25億9430万株、売買代金は同9011億円増の2兆9747億円でした。上記した市場筋推計が正しいと仮定するならば、SQ関連以外の売買は18~19億株、2兆円ギリギリってところだったでしょうか。東証1部値上がりは1205銘柄、値下がりは434銘柄。日経平均の日中値幅は218.48円(前場92.18円、後場174.97円)と、前場はかなり小動き、後場は「V」字型になった分だけ値幅がありました。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ほぼチャラ(2830万株売り/2840万株買い)でした。
● 最後に、私事で恐縮ですが、来週1週間(正確には23日まで)、夏休みでお休みさせて頂きます。1年に一度は5営業日の連続休暇を義務付けられており、今回がその「ブロック・リーブ」です。そのため、このコメントもお休みとなりますので、何卒ご了承のほどをお願い致します。9月24日に(会社に席があれば(^^;)浦島太郎状態で復帰する予定です。それでは、皆様も良い週末・連休を!
2008年09月11日(木) .... 大幅反落、買い手不在であの3月17日以来の安値。明日はビッグSQ
TOPIX : 1162.72 (-29.66, -2.49%) | 日経平均 : 12102.50 (-244.13, -1.98%) | 円ドル : 107.45 |
● 朝から軟調な展開だった相場は、ザラ場でもジリ貧の展開。市場関係者の間で注目だったリーマンの発表についても、全般に「要点不明」といった声が多かったし、実際、決算以外に何も出てこなかったことは、"対策"が煮詰まっていないことを連想させてしまい、手控えムードを強めた感がありました。ただ、それ以上に大きかったのは、誰もが否定できない買い手不在感。明日はビッグSQを控えていることもあって、手出し無用の雰囲気は避けられない状況でした。結局、銀行株などが大きく足を引っ張るなかでかなりの下落。TOPIXはあの3月17日の1149.65pt以来の安値水準で大引け。日経平均は3月18日に11964.16円で引けて以来の安値。あまり明るい1日でなかったことは確かでした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 今日の相場の足を引っ張った大きな要因だった銀行株。先日のショートカバーでドカンと上昇したのはともかく、それが続かない姿をこうやって見てしまうと、次に買うには、当初の倍以上の勇気が必要になってしまいます。昨日書いたアイランド・リバーサルはまだ保っているものの、昨日の大陽線に対して、今日は陰線のはらみ線。また「変化の兆し」です(^^;。思わず「どっちやねん?」と突っ込みたくなりますが、それが今の相場。つまり、方向感が定まらないってことです(^^;。何が決定的な材料になるかは分かりませんが、現時点で想像できることは、多分、相場に既に織り込み済み。心を広く持って、何が起こっても冷静に評価、さらに冷静に行動できるように心の準備をしておくしかありません。
● 一方、後場に下げ足を速めたところでは、また「先物に仕掛け売り」なんて言葉がメディアに流れていたのですが、実際に大引後に開示された先物の手口を見ると、売り買い大きくブレているところはありませんでした。「仕掛け売り」なんて言われると、悪魔の存在みたいに聞こえるかもしれませんが、多くの場合は柳の影。言い訳にしか過ぎないのです。ロールオーバーが活発な時期は、相場観とか方向性がどうのこうのというよりも、ロールの方がはるかに大きな玉が出来るので、単品の限月だけを見ていると、かなり大口の売り買いがぽんぽん飛び交うのは良くあること。まぁ、ビッグSQ前日ってことで神経質な空気はあったでしょうし、日経平均で1万2000円というキリの良い数字に近くなると、何かと思惑が飛び交うのは止められないし、またいつもの風景でした(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前日比3億1805株も減少して19億4811万株、売買代金は同4313億円減の2兆0735億円で、昨日増加した分のかなりを失う格好で「行って来い」状態。東証1部値上がりは304銘柄、値下がりは1323銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比144.11円安の12202.52円(9時20分確定)で、そこからもズルズル下落した様子からすると、結構、ザラ場中も売りのフォロースルーがあったことが分かります。日経平均の日中値幅は177.51円(前場103.12円、後場88.57円)と、前後場それぞれはかなり小動きでした。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、5日ぶりの買い越し(2620万株売り/2820万株買い)でした。
● え~~っと、SQの事前予想は基本的にはやりません(^^;。当たらないからです。デルタの計算などからは、どうしても下がりそうに見えるのですが、これは公開情報なので、かなり多くの方々がそう考えているハズ。で、本当にそうなるのかは、明日朝、8時59分58秒ぐらいになれば分かります(^^;。
● 雑談。今日は9月11日。英語でいう「ナイン・イレブン」、2001年9月11日(火曜日)から数えて、もう7年も経過したのです。あの頃、私はニューヨーク勤務で、たまたま、あの週は夏休みで日本に戻っていたところ、夜のニュースで見てびっくりしてNYオフィスに電話したことを良く覚えています。オフィスはミッドタウンだったのでWTCと相当の距離があったこと、さらに証券会社の朝が早いのは世界中どこでも同じで、スタッフは多くが既に出社していたため、直接的な被害は限定的でした。ただ、電話で部下と話をしていても、現地ですら状況が良く掴めなかったのを鮮明に覚えています。その週の金曜日(9月14日)にはNYに戻る予定だったのですが、飛行機が飛ばず、結局、週が明けて9月17日にNYに戻り、空気が大きく変わったのを悲痛に感じたのを昨日のように覚えています。あれ以来、米国は色々な意味で変わってしまいました。色々と考えることが多い1日です。
● 本当の雑談。昨日、「今岡」という名前を聞かなくなったと書いた途端、一軍昇格、即先発。そしてツーランホームラン(^^;。なかなかの印象大です(^o^)。もっとも、その後は凡退が続いているようですが…。相場と一緒で、続けられるかどうかが重要ですけどね。今日は生中継がGAORAなので、スカパーのパックに頼っている私としてはリアルで見れないんです(録画中継は試合後にSkyA+でやる)。なんでGAORAだけパックに入っていないのか、いまだに良く分からんし納得できん!プンプン!
2008年09月09日(火) .... 急反落、NY高も期待レベルには届かず戻り売りに押される
TOPIX : 1191.59 (-24.82, -2.04%) | 日経平均 : 12400.65 (-223.81, -1.77%) | 円ドル : 107.60 |
● オーバーナイトの米国株は大幅高だったものの、昨日の時点で東京市場が急騰して先回り。NYダウの289.78ドル高(+2.58%)、S&P500の25.48pt高(+2.05%)は、昨日のTOPIXが+3.89%、日経平均が+3.38%からすると、やや期待に届かなかった印象。売られたというよりも、期待値に届かなかった分だけ修正で下がったって感じでした。○○ジャパンのように、金メダルを思いっきり期待されていて、メダル逃しの4位だったらがっくりと失望されてしまった、ってところでしょうか…(^^;。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別銘柄の動きも、指数と同じで「やや失望」含みの状況。昨日ブッ飛びだった銀行株も、その分の調整をしたイメージ。今日1日の下落率を見るとかなり大きかったものの、昨日は軒並み2桁%の上昇だったので、それを考慮すれば比較的値持ちは良かった方かも知れません。商社なんかの方が、はるかに悲惨な下げ方でしたから…。ただ、メガバンクが軒並みストップ高まで駆け上がった勢いからすると、今日の反落は如何にも「単なる目先のショートカバーだけやったんかいな」って事にもなってしまいます。ショートカバー以外に買い手がいないとなるとちょっと厄介。
● 関連性が繰り返し指摘されているりそなHDに公的資金が注入されたケースを見ると、りそなHDに預金保険法102条に基づいて公的資金の注入(正確には再注入)が決まったのは、2003年5月17日(土曜日)夜のこと。この辺の長い目のチャートを見れば分かりますが、その後1週間程度は、TOPIXや日経平均でみる相場は、「あーでもない、こーでもない」で大きくは動けなかったのです。5月23日に上がり掛けて、5月27日には再び下。でも結果的に、翌日の5月28日から6月半ばにかけて一直線に上昇し、その後は上下波動を描きながらも翌年4月まで上昇を続けたのです。
● そう考えると、現時点で相場が消化不良になっているのは、不思議でもなんでもなく、もう少し時間が必要なのも当然。米国が日本の10倍のスピードで動いている(^^;としても、少なくとも2~3日は見ないと分からんと覚悟はしておきます(^^;。昨晩、ウェルズファーゴ銀行(WFC)がファニーメイ(FNM)とフレディマック(FRE)について、評価損を計上すると発表していますが、他も追随せざるを得ないんでしょうね。りそなへの公的資金注入とは違っているのが、この株主責任を問う点です。
● 指数系の話。昨夕の日経平均銘柄入替えの正式発表を受けて、採用銘柄はそれなりに買われ、削除銘柄はそれなりに売られ、ハズレ銘柄も売られ、妥当な値動きでした(^^;。ハズレ銘柄の筆頭はエルピーダ(6665)だったでしょうか。業績悪化でアナリストからそっぽを向かれていることも加わって、泣きっ面に蜂状態。ただ、前場中の悲惨な売られ方からすると、最後はかなり戻して引けています(最終的に-3.82%)。SBI HD(8473)に期待していた向きは多くなかったと思うものの、それでも結構な下落(-8.20%)。一方で、長谷工(1808)はそれほど大きな影響はなし(5円安の95円、-5.00%)。NTT都市開発(8933)もいくつか候補に挙がっていたものの、それほど大きな影響はなかった印象(-0.32%)。
● 新規採用された大平洋金属(5541)や日立建機(6305)はそれなりに堅調(大平洋金属 +2.45%、日立建機 +3.01%)。ただ両銘柄とも鮮やかな「寄り天」でしたけど…(^^;。大平洋金属と日立建機の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億8965万株減の17億8550万株、売買代金は同1941億円減の1兆9964億円。昨日も出来高/売買代金が先週金曜日との比較で減少したのが気になったのですが、今日はそこから1割も減少。つまり、多くは静観というか傍観している状態で、昨日の上昇にしても、本当の意味で買いが入ったのではない、と言われても仕方ない状況。どうも乗りの悪さを感じてしまいました。
● 東証1部値上がりは304銘柄、値下がりは1334銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比110.57円安の12513.89円(9時33分確定)で、初っ端の売られ方としては妥当なレベル。ここがほぼ今日の高値圏で、ザラ場で戻り売り圧力がかなりあったことを示唆しています。日経平均の日中値幅は194.22円(前場112.54円、後場109.84円)と、前後場それぞれは比較的小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、4日連続の売り越し(2690万株売り/2040万株買い)でした。フローがまた減ってきた印象がありました。
● 最後にロールオーバーについて少し。昨日あたりに書こうと思っていたものの、ビッグニュースで相場が大きく動いたこともあって「それどころとちゃう!」って感じになってしまいました(^^;。今日もその気配が多かったものの、TOPIX先物はどうも今日あたりがロールのピークだった様子。取引所の限月間スプレッド取引(TOPIX先物)の出来高は日中取引だけで131,576枚にも達し(昨日はイブニング含めて32,789枚)、これは日中取引の9月限単品の40,238枚、12月限単品の13,150枚を大きく上回る水準。スプレッドのレベルはジワジワと上昇し、-7.6ptで始まったのが、最後は-7.3pt、VWAP値で-7.49ptでした。先週金曜日には-8.2ptまで突っ込んでいたことを考えると、かなり戻ってきました。一方、日経平均先物はいつも通り、TOPIX先物よりも遅くなりそうで、明日後場か明後日前場がピークになりそうです。
2008年09月05日(金) .... 大幅続落、指数が内容悪化に追い付いてきた感じも…
TOPIX : 1170.84 (-30.81, -2.56%) | 日経平均 : 12212.23 (-345.43, -2.75%) | 円ドル : 106.85 |
● 米国株大幅安、CME日経平均先物安、円高、金融・信用不安、五・十日、週末と、外部環境面からは買い手控え理由ばかり。当然のように、相場は朝から大幅安。もっとも、前場中に安値をつけた後、後場にもう一度安値アタックしたものの、TOPIXも日経平均もそこは何とか耐え抜いた状況。前日比での指数の動きはかなり大きかったものの、ファクター面から相場内容を見ると、実は今日は過去2~3日ほど酷くなかったのです。その点からは、ある意味では、指数の動きがここ数日の相場内容の悪化に追い付いてきたかな、という印象もありました。
● ファクター分析から見ると、この数日間、極端な悪者だった色々なファクターが、前場の1時間程度を除けば、比較的落着いた動き。フロー系のバリューもまぁまぁだったし、スペシフィック・リターン・リバーサルも、昨日の逆噴射状態から見れば、随分と落着いた感じでした。グロースも稼いだ印象はなかったものの、極端に足を引っ張っていた状態から、ニュートラルに近くなっただけでも大きな改善(^^;。全体を見ると、昨日、一昨日とは、かなり印象が違って見えたし(この2~3日が酷すぎたのもあるけど…)、ホンの少しだけ一息。もっとも、単に週末金曜日に良く見かける「その週の逆」だけだったのかどうかは、月曜日にならないと分からないのですが…(^^;。
● 個別にも、このところ下げ相場に抵抗して上昇していたような銘柄群が、今日は調整気味(例:日本ハム、山崎製パンなど)だった点も、少し変化の兆しを感じるところ。もっとも、これらの銘柄にしても、他の損失拡大が止まらない銘柄群(例:コマツ)などと「あわせ切り」されただけかも知れず、そうだとしたら、マーケットが落着いてきたのではなく、いよいよマーケットから撤退している向きが多くなっている証左かもしれません。つまり、ロング・ショート筋だけではなく、ロングオンリーからも撤退売りが出始めている可能性を考えてしまうのです。これは、あまり考えたく無いシナリオですが、もしそうだとすると、これまで下値抵抗力がそれなりにあった銘柄群も売られ、これまで下げ止まらなかった銘柄もやっぱり売られるという、行き場無しの悲惨な状況になってしまいます。証券マンとしては、これは考えないことにします(^^;。
● 一歩下がって相場を眺めると、相場の歪みがかなりの規模に達した時は、意外にも指数は小動き(小高かったりする)で推移。そして、少し経ってから指数がドカン。昨年8月は、8月9日~11日に掛けて「統計学的に有り得ない」状態が起こったものの、この時点で日経平均などはプラスだったりしたのです。そして、1週間空けて8月17日にドカンが来たのですが、今回は1日あったかなかったか。時間軸の違いはあるものの、色々な面で昨年8月を連想させたし、相場環境に違いはあったとしても、背景的というか需給的には、似たようなことが起こっていたのでしょう。時間の経過とともに、この辺は追々見えてくると思います。こう書くと「もう終わった」みたいに聞こえるかもしれませんが、そう願いたい気持ちと警戒感の狭間で週末を迎えるイメージです(^^.。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億4603万株増の22億7924万株、売買代金は同790億円増の2兆3295億円。まぁ、見れる水準に戻ってきました。東証1部値上がりは227銘柄、値下がりは1445銘柄と「ほぼ全面安」状態。ただし、東証33業種で2業種(鉱業、紙パ)は値上がりでした。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比350.91円安の12206.75円(9時30分確定)と、初っ端からかなり「来て」いました。SQ値よりも下はあったのですが、結果的にSQ値あたりで引けています。つまり、ザラ場で寄り付いてからは、それほどの圧力を食らわなかった感じです。日経平均の日中値幅は222.32円(前場222.32円、後場92.27円)。もっとも、これは指数計算上のマジックで、ザラ場の値動きとしては、12165円~12265円程度の比較的狭い値動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの売り越し(4240万株売り/3040万株買い)でした。
● 指数のパフォーマンスを見ると、TOPIXはザラ場安値で前日比-37.39pt(-3.11%、9時58分)まであり、日経平均は同394.33円安(-3.14%、9時59分)までありました。後場にTOPIXで1166.50pt(13時21分)、日経平均で12172.90円(13時26分)まで安値があったのですが、いずれも前場の安値を下回ることなく、大引けに掛けて多少なりとも戻す展開でした。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 大引後に開示された先物手口についても少し。日経平均先物(当限)では、GSが2372枚売り越し、野村が1060枚売り越し、MLが買い手口不明の2437枚売りなど。CSが1609枚買い越し、LBが1349枚買い越し、大和SMBCが売り手口不明の2265枚買いなど。TOPIX先物(当限)では、JPMが2286枚売り越し、バークレイズが1092枚売り越しなど。買いは野村が2487枚買い越し、CSが1960枚買い越しなど。CTA筋が良く使っていると考えられている「筋」は、今日は買い越し気味。つまり、先物がプッシュして下げたのではなく、現物主導で下がったと見た方が良い感じです。
● 雑談。今週は本当に疲れました。阪神タイガースが勝ち出せば、また相場も少しは良い方向に向かうと信じています。だから、今週末は広島で勝たなくては…。来週は日経平均銘柄入替えが発表されるだろうし、ビッグSQもあります。気力と体力を整えるためにも、良い週末を!
2008年09月04日(木) .... 指数は反落、強い違和感が残る相場続く
TOPIX : 1201.65 (-18.90, -1.55%) | 日経平均 : 12557.66 (-131.93, -1.04%) | 円ドル : 108.05 |
● 今日も指数は基本的に小動き。ただ、相場の内容は相変わらずかなりの歪みが出ており、今日はバリューはファクターとしては反発したものの、グロースと短期のスペシフィック・リターン・リバーサルは、相変わらずの惨状でした。サイズも引き続き大型に振れており、リスクを忌避する動きが続いていることを感じさせる1日でした。昨日ほどの酷さはないにしても、誰が何をやっているのか見えてこないとの不安感や不透明感が、リスク・リダクションを引き起こし、それがさらに他のファンドの同様の動きを誘発する悪循環。ロング/ショート系のアンワインドが多いためか、指数ベースで見れば大きな方向性は見えてこない状態が継続。でも、今日もかなり強い違和感が残る1日でした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別銘柄では、コーニング(GLW)のウォーニングを受けて、ガラス株がドカンと売られたり、商社、海運、鉄鋼、非鉄などが軒並み安。コマツも下げ止まる気配が見えない状況。この辺は、割安株として一度ならず何度も買われた銘柄群だけに、ここが売られると相場の雰囲気はかなり悪くなります。りそなHDがなんで-13.4%だったのかも謎。「与信費用が…」なんてのは前々から分かっていた話だし…。いずれにしろ、今日も指数の下落よりも、相場の地合いはかなり悪かった印象が残りました。もちろん、食品だのブリヂストンあたりをガンガンにロングして、商社、鉄鋼、海運、銀行などをガンガンにショートしていたら、「えぇ相場や!」ってことになったのでしょうが、そんなのは極々少数派(もし居たとしても)でしょう。
● リターン・リバーサルが効かない相場というのは、平文で言い換えれば「強い銘柄がより強く、弱い銘柄がより弱く」、「割安がより割安になり、割高がより割高になる」ことで、逆張りが報われない相場ってこと。機関投資家でも特に年金資金は逆張り的な投資戦略が多いし、個人投資家は超目先のデイトレーダー以外は、もっと逆張り。それが報われないとなると、相場の雰囲気が悪化するのは当然と言えば当然。逆張りには勇気が必要ですが、頑張って続ければ報われたのが過去の経験則。ただ、足元では成果が得難い相場が続いているのです…。はぁ~(溜息)。
● 記録。東証1部出来高は前日比1億9983万株増の21億3321万株、売買代金は同2566億円増の2兆2505億円と、久しぶり(8月12日以来)に20億株/2兆円超え。東証1部値上がりは358銘柄、値下がりは1285銘柄と、指数の動きよりはかなり値下がり銘柄数が多かった印象。TOPIXと日経平均のパフォーマンス差が約50bpsもあった点にも注目です(あまり良いシグナルではないことが多い)。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比55.65円安の12633.94円(9時10分確定)。日経平均の日中値幅は146.31円(前場146.31円、後場87.93円)。
● また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(3560万株売り/2970万株買い)でした。一方、大引後に開示された先物の手口は、今日も静か。日経平均先物でニューエッジが1065枚売り越し、大和SMBCが919枚買い越しなど。TOPIX先物ではGSが2601枚買い越しだったのが目立った程度でした。
● 今週に入ってから、ホンマに疲れる日々です。相場も疲れるし、何と言ってもあの横浜に連敗とは…。しかも「惜しい!」って感じの負け方ではなかったのが重症。少なくとも、相場か阪神タイガースかどちらかが調子良ければ、それなりに気持ちの持って行き場所もあるんですが…、ショボン…(T_T)。
2008年09月03日(水) .... 指数はプラスでも相場にはかなりの歪み、リスク・リダクション止まらず
TOPIX : 1220.55 (+8.18, +0.67%) | 日経平均 : 12689.59 (+80.12, +0.64%) | 円ドル : 108.90 |
● 指数は上値が重たかったにしろ、1日中プラスで推移。それだけ見れば、「あっそ、良かったやん」って感じ(^^;でしょうけど、実際にマーケットの近くで少し違った視点で見ていると、かなり強い違和感を感じる1日でした。それは、何よりもファクター面から見た相場の歪みがかなり酷かったこと。フロー系のバリュー、短期のスペシフィック・リターン・リバーサル、元々期待していなかったとは言えグロースと、御三家が全てボロボロ。まだ詳細には調べていませんが、昨日と今日の2日間で、多分、今年一番強烈な歪みが発生した印象です。イメージとしては、-3σは超えてしまったかなという感じです。指数はプラスだったのに、相場内容にかなりの歪み。どこかで見た覚えがあります…(-_-;)。昨年8月第2週です。昨日と今日だけでは、昨年8月第2週ほどのえげつない状態には届かない規模。しかし、6月中旬からの流れを見ると、昨年8月の規模を既に超えてきています。
● 昨年8月はGSのグローバル・アルファという巨大ファンドの解約に端を発して、デレバレッジングの嵐が吹いたことで、相場が急速に歪む羽目に陥ったのです。ファンド解約そのものもそうだけど、皆が同じような投資戦略でパーティーに参加していたところ、急に地震が来て停電になったので一斉に出口に殺到という状況に似た格好になり、実際の解約や何やらにに輪を掛ける格好でマーケットインパクトが増幅されてしまったのです。それから1年超が経過した現在、それほど高いレバレッジを掛けているファンド(ヘッジファンドとプロップ部門)があるとは思えないなかで、昨日と今日の強烈な相場の歪み。何を意味しているのか、不安感が募ります。
● ロング・ショート系のファンドがアンワインド(ポジション解消)すれば、指数的なインパクトは限定的になるものの、相場内容には歪みが出ます。昨年8月もそうだったし、昨年11月もそう。今年3月もそうでした。昨日は指数がそれなりに下落したものの、今日は指数はずっと堅調。でも、相場の歪みはかなり強烈。その点から、ロング・ショート系のファンドがアンワインドと考えるのがストレートに思えます。もちろん、ロング・ショート系ファンドの大型設定でも似たようなことは有り得るのですが、現状で日本株市場に大きな資金が入ってくるとは考え難い状況。しかも、割安がより割安になる状況を見れば、アンワインド(≒撤退)と考える方が素直に思えます。そうすると誰が何をやっているのやら…。
● この辺の不安感、不透明感が多くの投資家を「リスク・リダクション」(リスク縮小)に走らせている感がありあり。フルインベストメントの機関投資家は、ポートフォリオをキャッシュにするわけにも行かず、ポートのリスクを下げるしか対応策が無い、という状態が強まっているのをヒシヒシと感じます。今週は月次のリバランスが多い週なので、余計にそう感じるのかも知れませんが、マーケットが不安定で流動性が落ちているだけに、中小型株へのインパクトも無視できません(今日は新興市場は軒並み大幅安)。
● 今日上昇した業種を見ると、食品、医薬品、電力・ガスなどが堅調だった一方で、商社、鉄鋼などはボロボロ。それぞれに原油下落やロシア状況など、ファンダメンタル理由を探すことは可能です。しかし、もっと全体に共通しているのは、今の市場でリスクを落とそうと試みた時に買われる銘柄群、売られる銘柄群ってこと。昼に債券トレーダーとも話をしたのですが、あちらでも「割安がドンドン割安になる」状況が起こっているとのこと。余裕があれば、「こんな時こそ逆張り」って刀を振り上げて立ち向かえるのですが、今のマーケットを見ると、その元気を感じるのは非常に困難です。ストレステストをやると、本当にストレスで倒れそうになる結果が出てしまうし、それ以上に、昨年8月を経験したことで、「有り得ない」が本当に有り得ないかどうか、誰も自信が持てなくなってしまった状態にあります。もちろん、今日が「底」だった可能性もあるのですが…。
● 記録。東証1部出来高は前日比5264万株増の19億3338万株、売買代金は同321億円増の1兆9940億円。東証1部値上がりは1069銘柄、値下がりは573銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比115.17円高の12727.64円(9時12分確定)。日経平均の日中値幅は120.21円(前場110.89円、後場102.91円)と小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(2460万株売り/2770万株買い)でした。
● 大引後に開示された先物の手口を見ると、今日は全般に「非常に静か」でした。日経平均先物で差引1000枚超の売り買いは、GSが1883枚買い越しだった程度。他はUBSが931枚買い越し、LBが940枚売り越し、野村が買い手口不明の2072枚売りなど。TOPIX先物は、MSが2306枚買い越しだった一報、BNPPが2426枚売り越しなど。今日はニューエッジもCSも静かでした(^^;。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。個人的には、今日の指数の動きはミスリーディングで、あまり参考になりませんでしたけど…。
● 業務連絡。大引後に東証から 「株価指数算出上の取扱いについて(住石ホールディングス等)」 とのお知らせが出ています。該当銘柄は住友石炭鉱業(1503)、テンプスタッフ(2476)、ケンウッド(6765)、日本ビクター(6792)。いずれも小さな銘柄ですが、9月24日(水)が最終売買日でホールディング会社が10月1日(水)に新規上場となります。お忘れ無きように(^^;。
● もう一つ業務連絡。それとFTSEから日本株指数に関して銘柄入替えが発表されています。リリースはこちらからですが、これはほんの数行の文章だけ。新規追加及び削除銘柄は、FTSEのサイト内にあるExcelファイルをこちらからどうぞ。一般的にFTSEをベンチマークにしているファンドは、MSCIほどの規模ではないと考えられるものの、欧州系にはソコソコあるようです。一応、ご注意を。リバランスは9月19日(金)の大引けを基準に実施されます。
2008年09月02日(火) .... 前場は堅調に推移、後場崩れて大幅安
TOPIX : 1212.37 (-18.27, -1.48%) | 日経平均 : 12609.47 (-224.71, -1.75%) | 円ドル : 108.00 |
● ったく…、首相の「やぁ~めた」辞任って、何とかならんのでしょうかねぇ~。G7の国家首領として並ぶのが恥ずかしくなるほど、だだ捏ねてるレベルの辞任理由。市場から見れば、それほど期待していなかっただけに、失望も大した事はなかったものの、国のトップが取る行動としては情けない限り(-_-;)。やっぱり、二世議員は駄目ってことですね。市場筋の間ではヤケクソ気味に「麻生関連銘柄リスト」なんてのが飛び交っていましたけど…(^^;。
● 国家のトップが政権を投げ出したにも関わらず、マーケットへの影響はほとんど無い状態。外国人からBloombergで問い合わせが色々と飛んでくるのは予想通りだったのですが、そのたびに、なぜか自分が言い訳(にしかならない)を書き綴るのも本当に疲れます(^^;。彼らからすると、"妙に冷静"な相場展開は、「この国家の非常時になんで?」ってことになるのでしょうね。一方、日本のことを比較的良く知っている外国人からは、「また?」みたいなメールが多く、中には「大変そうだね」と、慰めとも皮肉とも取れるようなメッセージが飛んできたりするんです(^^;。彼らは日本の首相は米国大統領なんかと根本的に違うってことを既に良く知っていますから…(^^;。
● 前場は相場は相変わらず方向感に乏しい閑散商状だったものの、後場に入ってから、ズルッと滑り始めて、午後2時過ぎからはスコーン。特にこれといった悪材料が出たわけではなかったものの、先物が売られると裁定解消売りを引っ掛けて、あっという間に大幅下落。首相辞任をネタにするなら、朝から売られていてもおかしくなかったハズ。後場から売られたというのは、軽々しく想像すると(^^;、昼休みのバスケットが影響したとか、起き出して来た中東や欧州系が売ってきたとか考えてしまうものの、実際は不明。韓国ウォン急落で…って声もあったのですが、これも分かったような分からんような…(^^;。単に先物市場に売り圧力が掛かってしまい、断続的な裁定解消売りを誘発した、という需給面の要因が大きかったのでしょう。メディアは「首相責任放棄辞任を嫌気」なんて書くかもしれませんが…(^^;。
● 今日は日経平均と日経平均先物(9月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● また、毎分の東証1部売買代金で見ると、午後2時前後に急激に売買が膨らんだ様子が分かります。この結果、今日は前場が36.5%、後場が63.5%と、普段のプロファイルよりも後場側に10%も歪みがありました。今日はなかなか興味深いプロファイルだったのでこちらに付けておきます。上記の現物、先物の日中足と照らし合わせて頂ければ、より影響というかインパクトがご覧頂けると思います。小さな画像をクリックすると、大きな画像が開きます。
● 一方、今日の相場では、再びフロー系のバリューがボロボロで、リバーサルも効かず、グロースは最初から駄目駄目と、再び何もファクターが効かない状態に陥ってしまいました。シミュレーションファンドの動向やファクター分析を見ている限りでは、今日のドローダウンはこの1ヶ月程度で1日としては最悪だった印象。月初リバランス時期だったことが影響していたのかも知れませんが、顧客と話していても「リスクを落とす」が合言葉。キャッシュにすることが許されないファンドにとっては、「儲けることよりも、損失を限定することが最優先」と言い切った某ベテランFM氏の言葉が頭から離れませんでした。仕方ないっすね、こんな状況だと…。
● 記録。東証1部出来高は前日比5億3861万株も増加して18億8074万株、売買代金は同5376億円増の1兆9618億円。東証1部値上がりは170銘柄、値下がりは1478銘柄と、昨日に続いて「ほぼ全面安」。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比20.63円安の12813.55円(9時15分確定)と、少なくとも前場は大した動きはなかったのです。日経平均の日中値幅はわずか429.45円(前場140.63円、後場415.79円)と久しぶりに大きく膨らみ、その大部分が後場でした。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(1970万株売り/1490万株買い)でした。
● 大引後に開示された先物の手口。日経平均先物では、LBが3749枚売り越し、UBSが3144枚売り越し、JPMが1821枚売り越し、CSが1135枚売り越しなど。買い手はニューエッジが2341枚買い越し、BNPPが2309枚買い越し、GSが1220枚買い越しなど。TOPIX先物では、CSが2679枚売り越し、GSが2388枚売り越し、JPMが2329枚売り越しなど。買い手はBNPPが3928枚買い越し、バークレイズが1771枚買い越し、ニューエッジが1243枚買い越しなど。ニューエッジは買い越しでしたネ(^^;.。
2008年09月01日(月) .... 大幅反落、薄商いのなか先週末上昇の反動安
TOPIX : 1230.64 (-24.07, -1.92%) | 日経平均 : 12834.18 (-238.69, -1.83%) | 円ドル : 108.55 |
● 前週末の米国株軟調、CME日経平均先物安(大証比150円安)、多少円高方向に振れたこと、さらに月末の「お化粧」が剥がれたのか、朝から軟調な展開。もっとも、ある程度の水準が決まってからは、特に上にも下にも行かず、例によって閑散横ばい。今晩は米国市場が祝日で休場なので、日本がやりたいように商いしても良かったハズですが、それは地合いが良い時の話(^^;。他力本願市場では、上がるも下がるも米国次第(-_-;)。グスタフ君(予想進路)が米南部を直撃して原油急騰なんてなったらどうしよう…なんて余計なことも考えてしまいますしネ。結局、大引け間際に裁定解消売りやらバスケット売りを浴びてしまい、TOPIXはほぼ安値引け、日経平均はモロ安値引け。「月替わり」なんて言葉が死語になって久しいとは言え、情けなさを十分以上に感じた1日でした。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 今日は、東証33業種のうち「その他製造」だけがプラス。ご存知の通り、これは任天堂(7974)がプラスだったからです(^^;。Bloombergで業種別指数内でのウェイトを調べると、その他製造のうち任天堂が占めるウェイトは63.69%。まぁ、約3分の2が任天堂ってことです(^^;。他に似たような業種は、ゴム製品でブリヂストン(5108)のウェイトは任天堂を上回る68.74%を独占。空運はANA(9202)が53.64%あるのですが、JAL(9205)も45.64%あって、その他の銘柄(国際航業とパスコだけ)は完璧無視状態(^^;。鉱業ではINPEX(1605)が82.63%をも占めており、INPEXが上がるか下がるかで、業種別指数の値動きの大部分が決まる状態にあります。
● ざっと見たところ、一銘柄で業種別指数の50%超を占めているのは、その他製造、ゴム製品、空運、鉱業。逆に散らばっているのは、建設、化学、電機など。化学や電機は業種そのもののウェイトがソコソコあるし、それぞれの企業に専門性もあるのでともかくとして、建設は時価総額の観点から見ても、何らかの集約が必要に思えます。もちろん、これは昔から言われていたことですが、なかなか集約が進みません(^^;。
● 記録。東証1部出来高は前週末比4億3712万株も減って13億4213万株、売買代金は同6056億円減の1兆4243億円と、先週金曜日に増加した分以上をあっさりと返上。東証1部値上がりは194銘柄、値下がりは1485銘柄と「ほぼ全面安」。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比180.19円安の12892.68円(9時20分確定)。日経平均の日中値幅はわずか106.37円(前場58.09円、後場52.54円)どまり。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し(2240万株売り/2040万株買い)でした。
● 大引後に開示された手口も少し。日経平均先物では、CSが2660枚売り越し、LBが2390枚売り越し、ニューエッジが1538枚売り越しなど。一方で、SBIが1399枚買い越し、大和SMBCが1257枚買い越し、立花が売り手口不明の1777枚買いなど。TOPIX先物では、CSが3223枚売り越し、ニューエッジが1301枚売り越し、JPMが1236枚売り越し、LBが1093枚売り越し、MSが1078枚売り越しなど。買いはBNPPが5452枚買い越し、GSが2526枚買い越しなどでした。皆さん、お疲れ様っす(^^;。
● 話題変更。今日から9月。ってことで、日経平均の定期銘柄入替えを頭に入れつつ、SQ対応の週になります。過去の日経平均定期銘柄入替え発表日を振り返ってみると、以下の通り。過去分は全て「日経平均プロフィル」のニュースページに掲載されています。現行方式になったのは2000年から、つまり、あの「伝説の30銘柄入替え」があってからです(^^;。銘柄入替の発表はおおむね午後4時半。下表では、発表があってからSQ日までに実際に取引できた日数(営業日)を抜き出してあります。
銘柄入替発表日 | SQまでの営業日数 |
2000年9月08日(金) | 0日(SQ日当日) |
2001年9月11日(火) | 2日+SQ日 |
2002年9月05日(木) | 5日+SQ日 |
2003年9月09日(火) | 2日+SQ日 |
2004年9月07日(火) | 2日+SQ日 |
2005年9月05日(月) | 3日+SQ日 |
2006年9月05日(火) | 2日+SQ日 |
2007年9月07日(金) | 4日+SQ日 |
出所:日経平均プロフィル |
● 今回は日取りの関係でSQ日が9月12日(金)とかなり遅いので、月初からの日数だけを見れば、銘柄入替えの発表も遅い目になりそうな空気。ただ、SQ日から逆算した日数では、これまでの年と大きく変える必要性は見付かりません。2002年と2007年はSQ週の前週に発表されていますが、それ以外はSQ週の発表。曜日の並びだけで言えば、今年は2003年と同じパターンで、9月第2週の可能性は大きいと考えています。もっとも、何時発表するかは日経次第なので、今週後半からやや警戒感を持ちながら、本命は来週の月~火曜日(9月8日~9日)大引後って感じでしょうか(^^;。QUICKに一番早く流れるでしょうけど(日経だし)、どちらにしろ大引け後です。リリースは日経のサイトや日経プロフィルのニュースページに発表されます。
2008年08月29日(金) .... 大幅反発、何やかんやでほぼ全面高
TOPIX : 1245.71 (+35.18, +2.88%) | 日経平均 : 13072.87 (+304.62, +2.39%) | 円ドル : 109.10 |
● 米国株上昇、CME日経平均高、7月鉱工業生産指数速報が予想より良く、原油安。さらにささやかにしろ景気対策への期待感もあって、朝からピョコンと上昇してスタート。その後、1時間ほどは横ばい状態だったものの、午前10時過ぎから上値追い基調。先物に引っ張られた印象はあったものの、それでも久しぶりに大きな上昇になった点は評価。月末の「お化粧買い」観測は朝から市場筋を駆け巡っていたし、"誰も期待していない"経済対策も、"減税"の言葉が出て、いざ相場が上がりだすと「誰も期待していないだけに、もしかしたら…」って心理状態になってしまいます(^^;。結局、何やかんやで大幅高。TOPIXはモロ高値引けとなり、週末・月末の不安感は覆い隠される格好でした。ただ、具体的に「何」が効いたのかは、良く分からない1日でしたが…(^^;。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 個別にも、相場全体の追い風も加わって、任天堂(7974)の業績上方修正にも相場は敏感に反応。日中足を見れば分かりますが、発表直後からすっ飛びました(^^;。任天堂はここ最近、鳴かず飛ばずが多かったし、増額修正してくるのはある程度分かっていたハズながら、実際に出ると動いたのは拍手。一方、今日の全面高の中で大幅安だったのは、富士フイルムHD(4901)。1割超も下げるほど売る必要があったかは議論ですが、弱みを見せてしまうと叩かれてしまいます。月末ってこともあり、新興系不動産はやはり不安感が拭えないのか、かなり安い銘柄が多かったものの、大型系は全体堅調。今日は銀行株がかなり相場を引っ張ったことで、中小型株は上昇についていけない格好。Core30が37bps勝った以外、Large70は3bps負け(チャラ)、Mid400は35bps負け、Smallは29bps負けでした。
● 任天堂(7974)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。かなりストレートに反応しているのをご覧頂ければと…。
● 記録。東証1部出来高は前日比3億9130万株増の17億7925万株、売買代金は同5721億円増の2兆0299億円と、久しぶりに2兆円の大台超え。東証1部値上がりは1522銘柄、値下がりは140銘柄と「ほぼ全面高」。東証33業種別指数も全て値上がりでした。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比183.21円高の12951.46円(9時40分確定)。この9時40分は富士フイルムHDで、それ以外は9時20分前後までに寄っていました。指数が前日比で動いた割にザラ場は静かで、日経平均の日中値幅は160.88円(前場130.80円、後場75.66円)どまり。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(1920万株売り/2620万株買い)でした。
● 大引け後に開示された先物手口についても少し。毎度おなじみの面子が大活躍(^^;。日経平均先物では、CSが5875枚買い越し、ニューエッジが5029枚買い越し、BNPPが1156枚買い越しなど。売りはドイツが2074枚売り越し、SBIが1381枚売り越し、立花が1133枚売り越し、大和SMBCが1128枚売り越し、松井が1126枚売り越し、野村が買い手口不明の1957枚売りなど。TOPIX先物では、CSが5012枚買い越し、LBが2134枚買い越し、ニューエッジが1747枚買い越しなど。売りはBNPPが6651枚売り越し、野村が1589枚売り越し、ドイツが1523枚売り越しなど。もっとも、この時期はロールオーバーが活発化するので、9月限の手口だけ見ても仕方が無いんですけどネ(^^;。
● 一方、今日はMSCI四半期リバランスの基準日だったこともあり、大引けに掛けて取引が増加。東証1部毎分売買代金推移で見ると、前場42.92%、後場57.08%と、普段より5%程度は後場に振れていた格好。また、寄付きの1分間が2.5%だったのに対して、大引けの1分間は7.2%もの売買代金が集中。今朝は買い気配が多かったことを考慮して、寄付きの5分間を見ると、これが7.0%。ちなみに大引け前5分間は13.5%もありました。月末も重なり、かなり売買代金が歪んだことが分かります。
● 話題変更。来週から9月で、そろそろ先物のロールオーバー時期が近付いてきました。今回はSQが日取りの関係で9月12日(金)とかなり遅く、9月限がExpireするまで、まだたっぷり2週間あります。取引所での限月間スプレッド取引は、今週に入って板がそれっぽくなり始め、今日は、TOPIX先物で-7.0~7.2ptあたりの動き、日経平均先物で-50円を挟んだ動きでした。Bloombergで何も手を加えないデフォルト状態で計算したフェア限月間スプレッドは、TOPIXで-7.50pt近辺、日経平均で-65.80円近辺。この水準は、金利をどう取るかや配当の推計により違いが出てきます。なお、いつも通り、TOPIX先物はフェア近辺、日経平均先物はプレミアム状態でした。
● 早ければ来週にでも、日経平均の定期銘柄入替え発表があるはずなので、日経平均はそれを片睨みしながらの展開。もっとも、低位銘柄の小幅入替えになりそうな空気なので、それほど大きな障害にはなっていない様子ですけど…。10円刻みでしか取引所取引が出来ない日経平均先物としては、スプレッドが-50円近辺という相場水準のおかげで、取引所取引でもそれなりに商いが進みそうです。いずれにしろ、来週からもっとロールが活発化すると考えています。
● 最後に、今週も何かと疲れました。肉体的にというよりも、これだけ人気離散しているマーケットに向かっていると、心理的に疲れてしまいます、ホンマ…(^^;。週明けは米国市場がLabor Dayで休み。ここで、日本株市場が意外感のある走り方を演出すれば面白くなるんですけど…(^^;。来週からは9月。8月最後に良い週末を!
2008年08月26日(火) .... 米株安受け反落、売買代金は3日連続で今年最低を記録
TOPIX : 1229.35 (-9.90, -0.80%) | 日経平均 : 12778.71 (-99.95, -0.78%) | 円ドル : 109.70 |
● オーバーナイトでの米国株安、CME日経平均先物安などを受けて軟調な展開。今日も盛り上がりには欠けた展開はその通りながら、昨日は指数が結構高かったのに空虚感が否定できなかったものの、今日は朝方の売りが一巡してから、それなりに戻し局面があったおかげで、前日比でマイナス推移だったにしては雰囲気は悪くなかったです。もっとも、出来高/売買代金は相変わらず低調で、出来高はGSユアサとURBANのおかげで今年最低を免れたものの、売買代金は3日連続で今年最低を記録。
● 物色面では、銀行株などに振り回されていた感はあるものの、目先筋が参加者の多くを占める現状だと、方向感が乏しくならざるを得ないし、自律的な中期的な動きに期待するのも無理があります。海外市場の動向などから、この辺の銘柄が振られるのは仕方ない格好。一方、これだけ閑散な相場でも、メディアなどの「相場解説」ではある一定量のニュースを書かざるを得ないので、普段だったら完全無視の動きでも意外に大きく報じられたりします(^^;。その辺を頭に入れて読む必要はあるかなと…。しかし、この出来高/売買代金だったら、ザラ場をリアルタイムに見ていなかったとしても、それほど「見逃した」という感触はなかったと思います。はぁ~(溜息)。
● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。
● 記録。東証1部出来高は前日比3159万株増の13億4281万株、売買代金は逆に同71億円減の1兆3769億円と閑散。東証1部出来高トップはGSユアサで5906万株、第2位がURBANで5150万株。つまり、この2銘柄で1億1000万株もやっているので、その他の銘柄が如何に閑散だったかが分かります。URBANはさすがに売買代金ランキングに出てこないものの、GSユアサは338億円で第4位でした。
● 東証1部値上がりは528銘柄、値下がりは1055銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比203.58円安の12675.08円(9時15分確定)で、ほぼ安値圏での寄付き。日経平均の日中値幅は145.12円(前場67.64円、後場89.89円)と小動き。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(1360万株売り/1690万株買い)でした。
● 大引け後に開示された先物の手口についても少し。これだけ閑散な中でも、いつもの面子にそれなりの動きがありました。日経平均先物では、ドイツが1801枚売り越し、CSが1755枚売り越し、ニューエッジが1700枚売り越しなど。買いはUBSが3299枚買い越し、MSが2425枚買い越しなど。TOPIX先物では、CSが1553枚売り越し、ニューエッジが1467枚売り越し、JPMが979枚売り越しなど。買いはGSが3031枚買い越し、野村が1098枚買い越しなど。まぁ、これを見たからといって何かが確実に分かるってことはないのですが、「ほぉ~~、はぁ~~」と楽しんでいただければ幸いです(^^;。