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このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!

日経平均先物誤発注事件 ● オーバーナイトの欧米市場が祝日での翌朝とあって材料不足。そして今日からネクタイを締めなくても良いって会社も多く、何となく気だるい雰囲気が漂う朝。その寄付き直後、日経平均先物市場でちょっとした事件とパニックが発生しました。ざっくり100万枚ほどの指値売りが出たのです、想定元本ベースで金額換算すると、なんと10兆円弱の売り!あまりに異常な規模だっただけに、多くは「誤発注だろう」と考えたでしょうけど、気だるい雰囲気を吹き飛ばすには十分以上のインパクトがある事件でした(^^;。

● 結論から書くと、いくらかの取引が成立した後に、大部分の指値注文は取消になりました。そして、後場中盤にはドイツ証券から、『大阪証券取引所における誤発注について』 とのリリースが同社HPにて公表され、犯人が自首して確定。ザラ場では、間違えたポジションの決済が残っているとの思惑も流れていたので、その点に関しては、これで一応、一件落着となりました。

● 右写真は市場筋の間で流れていた「その瞬間」の板を写真に取ったものです(撮影者不詳)。他にも こちら も見事にその瞬間を捉えています。いずれにしても、如何に状況が異常だったかがご覧頂けると思います。その注文そのものは、約1分半程度で全て取り消されたので、瞬間に行動できた方々が結構いらっしゃったってことです。その点、個人的には呆然と見ていただけだったので、自分の行動パターンについて、若干、反省モード(^^;。

日経平均先物日中足 ● 実際に価格面で影響があったかですが、左側は今日の日経平均先物(6月限)の日中足です(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。寄付き直後にスパイクが出ているのがご覧頂けると思います。実際にこの誤発注で成立した取引は、出された注文総量(約100万枚)からすると僅かだった様子ですが、それでも気だるい雰囲気の朝にはかなりの出来高だったことは真実。

● 誤発注そのものもそうでしょうが、これを見て売りや買いで動いた参加者も当然のように居たでしょうから、それだけ値動きが増幅された可能性は十分に考えられます。また、思惑が絡んだのも当然の話。下がらない、上がらないとなると、余計に思惑が交錯するのもしかり。単位間違いの発注だったとしても、例えば100万枚ではなく、実際に1万枚売りの注文があったと仮定すると、インパクトは避けられません。そうやこうやで、結局はどの方向にも動きが取れない1日になってしまいました(^^;。

● ツイッターでは、実際にマーケットに参加されている方々の様々な叫びが飛び交っていたのですが、さすがに世間一般のニュースとは違って、速報性も抜群だし、色々な面で状況を把握するのにとても役立ちました。例えば、ftk2401氏の「ざっと見ると 9730円180枚売り30本。 9720円180枚売り166本。 9710円180枚売り686本。 9700円180枚売り1061本。 9690円180枚売り4442本」なんて記述(本文はこちら)。状況把握にはもってこいです(^^;。これで180枚ロットのアルゴが暴走したらしい、ってことも想像できますしね。

● さすがにこれを書いている時間になると、ニュースにも色々と流れています。代表的なところとして、Bloombergの「日経平均先物に一時98万枚の売り注文、ドイツ証券が誤発注」 あたりなら分かり易いと思います。

● しかし、これがきっかけで相場が暴落しなくて良かった(^^;。指値ではなく、成行で出されていたら、本当のパニックになったでしょうから…。きっかけは何であれ、結果的にロスカットを大量に引っ掛けてしまえば、理由以上に相場が動くなんてことは珍しくないのですから…。

追記

● 「日経225先物の板情報を再現できます!-225先物録画」というサイトがあります。URLは http://225playback.com/ です。本日(6月1日)限りの話みたいですが、ここから今日の日経平均先物の板の動きを動画で見ること(動画ファイルのダウンロード)が可能です。かなり重たいファイル(110MB、解凍すればAVIファイル)ですが、4時間強収録されているなかで、今朝の「事件」は寄付き直後だったので、すぐに問題の場面が見付かると思います。「本動画の全部、又は一部を、無償・有償問わず、複製・改変・上映・上演を行うこと、および、放送・通信・有線放送等により公衆に送信することは法律により固く禁止されております」ってことなので、この辺のポリシーは理解をよろしく。

● なお、「225先物録画」のサイトから「虎年の獅子座」へのリンクがありますが、特に相互リンクなどの関係はありません。というか、私の方からは何もやってないんで、いつも密かに申し訳なく感じている次第だったりします(^^;。

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 TOPIX : 1287.74 (+35.31, +2.82%)    日経平均 : 13184.96 (+381.26, +2.98%)    円ドル : 106.55  

● 今日は前場から後場の13時45分までと、それ以降では全く違った相場でした(^^;。

● まず前場から。上値は限定的だろうとは考えていたものの、CME日経平均先物の水準(13200円)には遠く及ばない状態。今さらデカップリングでもないだろうに(^^;、こんな時に付いて行けないようだと、この前まで下げ渋っていたのが「底堅い」のではなく、単に弾性値が小さすぎたというか、ゴムひもではなく固まってしまっていたから、ということになってしまいます。さらに、TOPIX先物/JGB先物が東証のシステムトラブルで9時21分にストップ。「システムトラブル」=「相場下落」という経験則があるだけに、余計に冷や水を欠けられた格好。昼休みの立会外取引にも支障を来たしたようだし、実際に取引を見送った向きもかなりあったと想像します。

● そのTOPIX先物/JGB先物は13時45分に売買再開。売買停止前とあまり変わらない水準で寄付いたものの、その後は「債券先物売り・株式先物買い」が断続的に入ったようで、先物市場で大型買い爆弾が断続的に炸裂するなかで、裁定買いを一気に引っ掛けてスルスルと上昇。TOPIX先物/JGB先物が取引再開されたことをきっかけに、先物主導で上昇という色合いが濃い1日でした。まぁ、それだけ今の市場の方向性には、先物取引が深く関係している、ってことなんでしょう(^^;。

● 想像力を強めると、CTA筋から「債券先物売り・株式先物買い」が朝から入っていたとしても、JGB先物が9時21分から取引できなくなったことで、その間は何も出来ず、13時45分に再開されたところで、遅れていた分を一気に追い付くべく取引を執行した可能性も考えられます。結局、なんだかんだ言いながら、先物先導の上昇でCME日経平均先物の終値水準まで上昇して終了。朝方はアカンと思っていたけど、TOPIX先物の取引再開がきっかけになるとは考えていませんでした(^^;。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● さらに、TOPIX先物(9月限)と日経平均先物(9月限)の日中足も付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。13時45分にTOPIX先物/JGB先物が取引再開され、14時頃から急速に上昇している様子がご覧頂けると思います。TOPIX先物がどうのこうのというよりも、JGB先物が再開されたことで、債券先物と株式先物(主に日経平均先物)との間で何らかの取引が断続的にあったことを十分に想像させる日中足です。

TOPIX先物(9月限)日中足
日経平均先物(9月限)日中足

● 個別では、前週末のゼファーとキョーエイ産業の破綻を受けて、新興不動産や株価低位銘柄(つまり何らかの傷がある銘柄)が朝から軒並み売られ、あちこちで大幅安。まぁ、当然といえば当然のことでサプライズはありません。ただ、今後、毎週末や5・10日にはちょっとした緊張感が高まる局面があるかもしれません。ちなみに9月まで連休はありませんけど…(^^;。もっとも、大型不動産株などは裁定買いに乗る格好でかなり高くなったことから、東証1部33業種で見ると、全てが値上がり。しかし、新興市場は東証2部、JASDAQ、マザーズ、へラクレスが全てマイナスと、かなり色彩の違いが目立った1日でもありました。

● 記録。東証1部出来高は前週末比5722万株増の18億5099万株、売買代金は同543億円増の1兆9543億円と引き続き低調。実は毎分の東証1部売買代金分布で見ると、前場が39.1%、後場が60.9%と、かなり極端に後場に商いが偏っていました。もっと正確に言うと、13時45分以降に一気に商いが増加したのが今日の特徴。先物の影響力の大きさを物語っています。東証1部値上がりは1407銘柄、値下がりは259銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前週末比197.30円高の13001.00円(9時19分確定)。日経平均の日中値幅は263.94円(前場92.52円、後場215.82円)で、特に後場に値幅が出たことが分かります。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、買い越し(2970万株売り/3380万株買い)でした。

● 大引後に開示された先物の手口から。それなりの面子が並んでいました(^^;。日経平均先物では、CSが3264枚買い越し、ニューエッジが2642枚買い越し、GSが1239枚買い越し、ドイツが1130枚買い越し、岡三が売り不明の2198枚買いなど。一方でMSが3368枚売り越し、LBが1676枚売り越し、立花が買い不明の1810枚売り、野村が買い不明の1794枚売りなど。TOPIX先物では、JPMが1608枚買い越し、CSが1586枚買い越し、日興シティが1228枚買い越し。一方で、BNPPが4539枚売り越し、MSが2012枚売り越しなど。いつも通り、これだけ見ても何も分かりませんけどネ…(^^;。

● さて、TOPIX先物/JGB先物のシステム障害については、東証HPの 「売買停止情報(先物・オプション取引等)」 に経緯が出ています。ただし、現時点では原因がどうだったかなどは、何も出ていません。明日になれば 「売買停止情報 (先物・オプション取引等) -過去分-」 に移ると思います。過去分ページを見ると、結構、ちょくちょくメジャーなシステムトラブルがあることが分かります。前回は富士通のプログラムミスが原因だったのですが、今回は何が原因だったのでしょう。東証は今日から呼び値を一部変更しているのですが、それが関係したとは思えないし…。まぁ、いずれにしろ、東証はもう少ししっかりしてくれないと…。何度目やねん?ホンマ…(-_-;)。なお、東証からのお詫びは 「派生売買システムの障害発生に関するお詫びについて」 に出ています。

 TOPIX : 1356.74 (-18.86, -1.37%)    日経平均 : 13942.08 (-188.09, -1.33%)    円ドル : 107.90  

● 寄付きの瞬間こそ、米国株高、CME日経平均先物高を好感して堅調だったものの、それもホンの20分程度。寄付き前にムーディーズが米モノラインのMBIAとアムバックの保証部門を格下げしたことで、「今晩のニューヨーク、大丈夫かいな?」の不透明感。GLOBEXのS&P先物などは、軟調だったもののそれほど大きく下落したのではなかったし、中国株などは結構ブッ飛びだったのに、こちらはジリ貧もジリ貧。時間の経過と共に下げ幅を拡大する状況で、上記は理屈付けって印象。先物にかなり引っ張られた面はあったにしろ、寄付きが堅調だった分だけ下げが大きく感じてしまい、あまり地合いの良くない終わり方でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 一部市場筋の間では、CTA筋がロングになっている日経平均先物を損切りしているのではないか、との見方があったようですが、まぁ、無いとも言えないし、あるとも言えないって感じでしょうか(^^;。日経平均先物「だけ」に限定してみれば、買い方が足元で苦しくなっているのは誰でも分かります。ただ、CTA筋のやり方として、何らかの格好で他商品と組み合わせてポジションを持っていると推測されるだけに、単純には推し量れない世界があると考えています。

● ちなみに、大引後に開示された手口では、日経平均先物ではLBが4172枚売り越し、CSが3108枚売り越し、ニューエッジが1302枚売り越しなど。買い手はUBSが1638枚買い越し、JPMが1287枚買い越し、大和SMBCが売り手口不明の2218枚買いなど。TOPIX先物では、GSが1231枚売り越し、LBが880枚売り越しの一方、BNPPが1856枚買い越しでした。このところLBのお姿を良く見掛けるのですが、手口だけでは何をやっているのかは分かりません(^^;。

● 一方、ニュース記事によると、「ダイワ割安株チャンス2008」は564億0125万円の設定とかなりの金額。多少はバリューが効いていた印象はあったし、サイズも大型方向に振れていたものの、少なくともマーケットのデルタ的なインパクトとしては、この下げ相場では特に何も感じられませんでした。来週末は野村の「野村通貨選択型日本好配当株投信」の設定があるので、そちらに期待しておきましょう(^^;。

● 記録。東証1部出来高は前日比1億0231万株減の20億2263万株、売買代金は同565億円減の2兆1172億円と、結果的に昨日とほぼ同水準。出来高が減ったのは、昨日賑わったテーマ系材料株に安いものが多く、商いの盛り上がりにやや欠けた格好でしょうか。東証1部値上がりは357銘柄、値下がりは1248銘柄。今朝の日経平均SQ値を計算すると、前日比55.18円高の14185.35円(9時09分確定)と、今日のほぼ高値圏でスタートしたことが分かります。

● 日経平均の日中値幅は286.79円(前場207.43円、後場174.04円)でした。実は後場寄付きにピョコンと跳ね上がる昼休みギャップが発生しており、後場SQ値は前引値に対して80.39円も高かったのです。もっとも、ここが後場の高値(^^;だったので、今日は「寄り天」が2回もあったことになります。また、市場筋推計による今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの売り越し(3460万株売り/2370万株買い)でした。

● 話題変更。朝から市場筋(主にセールス・トレーダー)の間で話題になっていたのが、読売新聞の 「クレディ・スイス証券、株自動売買で異常多発…処分検討」 との記事。この記事だけでは、単にアルゴリズムが「下手」でそうなったなのか、ダークプールに伴う問題なのか、詳細不明で想像するしかありません。アルゴリズムはホンの2年ほど前には、かなりの付加価値だったものの、最近では「当たり前」の標準装備になってしまい、「なければ不利、あっても優位にならない」って感じです(^^;。どの業界でも似たようなことは起こる(薄型テレビなんてその最たるもの)んです(^^;。ベテラントレーダーのノウハウを如何にプログラムに取り込むかが勝負ですが、これも「言うは易し、行なうは難し」の典型。開発競争とアイディア競争は行き着くところまで行かないと終わりません。でも終わる前に別の方向に進んでいくので、なかなかモトが取れません。はぁ~(^^;。

● 今週末は全国的に天気が悪いようですが、雨の日には雨の日の楽しみを見出すしかありません。ネガティブに受け止めずに、何かポジティブを探したいです。洗車でも如何です?節水になるし…(^^;。何はともあれ、良い週末を!

 TOPIX : 1287.14 (-17.94, -1.37%)    日経平均 : 13017.24 (-189.91, -1.44%)    円ドル : 107.40  

● 今日はミニSQ。大きな波乱も無かったので、サラリと行きましょう(^^;。Excel上の日経平均速算値は寄付き前から大幅安。8時45分に前日比1750円安、8時50分で1650円安、8時55分で1530円安といった具合。PC上の時計が9時ちょうどで940円安ほどで、そこから"お約束"買いバスケットが入ってチャンチャン。結局、今朝のSQ値は前日比117.17円安の13089.98円(9時36分確定)でした。CME日経平均先物が大証比60円高だったので、SQのイメージとしては150円ほど下押しした格好でしょうか。日経平均型で一銘柄あたり差引15万株弱ほど売り越しだった模様。なお、市場筋推計ではSQ関連売買は約1億6000万株、約2500億円程度とのことでした。

● 通常の相場。前場最初の1時間はSQが売り越しでマイナスになったところから、比較的速やかにプラスに転換。ただ、上値を買いに行く雰囲気ではなく、前場中盤以降はジリ貧。SQ後の脱力感(^^;に加えて、午後に多くなる業績発表への警戒感もあった様子。なんせ最近は地雷だらけですから…(^^;。そして、前引けになったところで「???」状態。TOPIX先物がザラ場引けに見えたのです。その時は「ふぅ~ん」だったものの、板を見ると「引ける板」だったのに引けていない状況。トレーダー連中も、「何で引けなかったんだろうねぇ?」とトレーダー席で買ってきた弁当などを食べていたところ、東証に電話して聞いた向きから、「なんかシステム障害らしいでぇ~」となり騒然。おまけに、「後場寄付きまでに直るか分からんらしい」と。結局、2008年3月限は後場終日売買停止(他限月は通常通りの取引)という「システム障害」状態になってしまいました。

● 「システム障害」と聞くと、市場筋は「売り」と連想してしまいます。あれはかれこれ2年前、2006年1月18日にライブドア事件の余波で東証売買停止ショックが襲い、当時の相場が急落したことを想い出してしまいます。もちろん、システム障害だけが相場急落の原因では無かったにしろ、これ以外でも取引所関連のシステム障害が発生して相場が上がったことはないのです(^^;。加えて、今日は3連休(とG7)を控えた週末。タダでさえ売りが先行し易い地合いにあっただろうから、今日のシステム障害も印象としてマイナスに働いた可能性はあります。経済的には、TOPIX先物の取引が一部とまった程度だと、それほどの影響は無かったハズですから、主に心理的な理由と考えています。なお、今回のシステムトラブルの直接的な影響としては、後場寄付きで後場SQ値が前引終値よりも46.58円下という「昼休みギャップ」があったので、この程度のインパクトはあったと考えています。蛇足ですが、TOPIX6月限が後場ソコソコできていたのは、微笑ましい風景でした(^^;。

● 何はともあれ、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● さらに、今日のTOPIX先物(3月限)の日中足も付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。約定時間が10時59分で止まっているところに注目して頂ければと…(^^;。

TOPIX先物 2008年3月限 日中足

● なお、午後4時から東証で記者会見があったのですが、色々な報道によると「原因がまだ分かっていないので復旧のメドが立っていない」とのこと。幸いにして週末で、しかも3連休なので、システム関係者は週末返上でやるしかないですね。来週、もし売買停止が長引くようだとかなり問題です。 「東証、週明け売買の見通したたず―派生商品システム障害で」 (日経)などをご参照ください。また、東証HP内の 「売買停止情報(先物・オプション取引等)」 にも清算値などの詳細が掲載されています(いずれ"過去分"に移動されるかもしれません)。

● 一方、今日のマーケットを「指数の値動き以上にひどい」と感じた方々は意外に多かったかもしれません。セクターでは、鉄鋼・非鉄が相変わらずボロボロだったし、機械受注を受けて機械株を中心に酷い羽目。テクノロジー系でも突発的に安い銘柄が散見。一方で、消費者金融などが妙に高かったりと、違和感を感じた方は少なくなかったと思います。ある意味で、理屈が通りそうな割安株が売られ、「何でこんな銘柄が?」ってのが上がる相場展開。まさに資金が流出し続ける相場の悲哀で、皆が持っているような銘柄が、ファンド解約などの資金流出に伴って売られ、空売りされている銘柄は解約で買い戻される、って感じ。さらに後場はTOPIX先物が稼動していなかったことで、モロのバスケット売りが出ていた影響もあったと考えています。

● さらに、ファクター分析を見ている方は感じているでしょうけど、このところ、リバーサルが効かない相場が続いています。「平文」で書くと、伸びたゴムが戻らずに伸びきったまま、という状態が続いているのです。足元の相場は短期、中期、長期ともに、疑問の余地がほとんどど無い状態で下向き。そこでリバーサルが効きにくいという事は、下げトレンドに変化が見られないってこと。押し目買い(逆張り)が報われない相場、と考えることが出来るわけで、雰囲気が盛り上がらないのも当然かもしれません。変化の兆しがいつになるのか、そのタイミングがなかなか見えてきません。なお、私はマーケットに近い立場なので、短期は日中~3日間、中期は1ヶ月、長期は半年~1年って感じで見ていますので、為念(^^;。

● 記録。東証1部出来高はSQだったにも関わらず、前日比2155万株減の23億5225万株、売買代金は逆に同531億円増の2兆7728億円でした。上記した市場筋推計の約1億6000万株/約2500億円をSQ関連として差し引くと、余計に今日の相場がかなり閑散だったことが分かります。前後場の売買代金分布は前場52.0%、後場48.0%と、さすがに多少は前場に振れたものの、それほど極端ではありませんでした。寄付きから5分間の売買代金は15.3%でした。東証1部値上がりは543銘柄、値下がりは1071銘柄。日経平均の日中値幅は281.64円(前場191.70円、後場166.09円)と比較的小さい1日。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き大幅な売り越し(3900万株売り/2630万株買い)でした。これで8日連続の売り越しです。

● 指数ヲタクへの業務連絡。今日、IHI(7013)と三洋電機(6764)の「監理銘柄(審査中)指定の解除」が東証から発表されています。廊下に立たされていた銘柄が、ようやく教室内に戻ることを許されたってことです(^^;。ただし、反省文(改善報告書)を書かされたり、特別の座席に座らされたり(特設注意市場銘柄に指定)がありますが、まぁ、これでひとまず一件落着です。東証HP内、 「監理・整理銘柄指定状況」 の下の方、「監理指定解除・上場廃止銘柄(直近)」に掲載されていますので、ご確認ください。さらに、日経からは 「IHIと三洋電機、日経平均採用を継続」 とのリリースも出ています。分かっていたことなので、いまさら…って感じもしますが(^^;。

● 今日はえらく長文になってしまって申し訳ありませんが、最後にこれは書かなくちゃあいけない話。朝日新聞に 「経産次官「デイトレーダーはバカで無責任」 講演で発言」 との記事。ちょっと前に日経の前田編集委員が書いていた件(その時は名前などはぼかしてあった)と同じ講演会の話でしょう。ニュースの内容を読んでいただければ分かるのですが、日本経済をリードすべき経済産業省の事務次官の公的な発言がこれ。飲み屋でこっそり話をするのならともかく、公的な講演でこの手の発言をする神経は到底理解できません。彼らは自らが正しいと確信して発言しているのでしょうし、私的会話よりは抑え目に発言してコレなんでしょう。つまり、本音というか深層心理は、もっともっと酷いと簡単に想像出来てしまいます。事務次官は官僚、事務方のトップ。経済/産業をリードするべき官僚のトップがこの程度の認識となると、外国人投資家でなくても嫌気するのは当たり前。もちろん、これで相場が下がったなどとナイーブなことを言うつもりはないのですが、プラスでないことは明白です。

● 某FM氏もおっしゃっていましたが、倖田来未の不適切発言などよりも、この事務次官発言の方が、はるかに直接的な経済的損失を招きかねないのです。そして、今日の閣議後会見でも大臣などからは言い訳の嵐で、事態を全く理解していないというか、認識していないように聞こえてなりませんでした。厳しい書き方をすれば、「"バカで無責任"なのはどっちやねん」って感じです。そもそも、期待する方が間違っているのでしょうけどね。なお、夕刊フジにも関連して 「ジェイコム男「またか」と冷やや…経産省次官が失言で」 との記事がありました。引用されているB・N・F氏のコメントの方が、はるかにまともです(当たり前だけど…)。

● 今日は超長文スミマセンでした。何はともあれ3連休。東京はまた雪が降る予報が出ていますが、良い連休を!

 TOPIX : 1752.74 (-58.59, -3.23%)    日経平均 : 17604.12 (-515.80, -2.85%)    円ドル : 118.35  

● 久しぶりに凄みのある相場でした。米国株が大幅急落でシカゴ日経平均先物はなんと大証比585円安。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅売り越し(6020万株売り/2690万株買い)。さらに円高が進行と来れば、円キャリーのアンワインドを連想。また、日経トップ記事は「日興、上場廃止へ」とくれば、もう覚悟を決めるしかありません。まぁ、よくこれだけ弱気材料が集中したというか…(^^;。後で読み返した時のために、現状把握として書いておきます。NYダウは 12,216.24 (-416.02, -3.29%)、S&P500は 1399.04 (-50.33, -3.47%)、NASDAQ総合指数は 2407.86 (-96.66, -3.86%)でした。

● 今朝は90%以上の方々がシカゴ日経平均を参考に600円安を想定したでしょう。ソコソコの銘柄が寄付いた時間帯では、もう少し厳しいところもあって、日経平均で瞬間風速737.13円安までありました。今朝のSQを計算すると、前日比878.68円安の17241.24円。日興CGが最後に寄付いた(10時39分)のですが、今日のザラ場安値よりもかなり下の「幻のSQ値」状態だったのは、ちょっと注目しておきたいところです。

● 30分ほどでほとんどの銘柄が寄付いて売りが一巡してからは、意外に底堅い展開。TOPIXのザラ場安値は9時20分、日経平均は9時21分だったのですが、その後は売り買い交錯で指数は横ばいでした。大引けではMSCI絡み(月末お化粧ではなくて…)だろうと推察するのですが、バスケット買いが入っていてピョコンと戻して引けています。今日はさすがに後日見るでしょうから、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● また、寄付かない銘柄ばかりのなかで、TOPIX先物はサーキットブレーカー措置で9時07分から15分間の取引中断。さらに、東証は「TOPIXが1711.33未満になれば、裁定取引を制限する」と発表(前日比100ポイント安水準のルール)。幸いにして、その水準までは行かなかったものの、久しぶりにこの手の連絡を見ました。これも珍しいことなので、TOPIX先物(3月限)の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。当該時間帯の価格が横ばいで出来高が欠落しているのがご覧頂けるかと…。

● 今日はサプライズも色々とあったのですが、指数の変動幅以上に驚くのは相場の活況度合い。今日の東証1部出来高は、前日比で6億7181万株も増加して36億8639万株、売買代金は概算ベースでも前日比で1兆2669億円も増えて、なんと4兆8282億円(!)。これはSQ日も含めて過去最高だったとのこと。つまり、閑散だったので横ばいになったのではなく、押し目買いを入れていた向きがソコソコあった(市場筋観測で欧州筋からのバスケット買い)からこそ、この状態になったと解釈できます。そうそう、日経平均先物3月限の出来高も201,994枚(立会内取引)に達し、中心限月として過去最高だったそうです。

● 今回の急落について、中国株の下落に原因を求める声が多いと感じるのですが、影響を受けたのは事実でしょう。でも、それが急落の本質ってことではなく、あくまでも「きっかけ」だったと考えています。それよりも、資本の流れ、つまり円キャリートレードの巻き戻し(実際の巻き戻し+巻き戻しの連想)の影響が大きかったと考えています。日本株式市場への直接的なインパクトはもちろん、これによって発生する円高や新興市場下落などが間接的に与える影響は小さくありません。さらに、円キャリーによってファイナンスされている投資資金が縮小するとなると、日本株に限らず、相場下落の方向に働かざるを得なくなります。円キャリーは実態が分かり難い(全体を把握するのは無理?)だけに、「柳の影」と化す部分があるのはいつも通り。相場が嫌がる「不透明感」ってことです。円キャリーについて書き出すときりが無いので止めておきますが、円キャリーで「生まれた」資金のかなりの部分が、投資資金となって世界中を駆け巡っている、という事実だけでも、「円キャリーの縮小=投資資金の縮小」といった関係が想像できると思います。

● 話を戻して、今日の相場を見ていて感じるのは、本来ならば1週間ほど掛けてやる調整を1日でやっちゃた感触も強いです(^^;。一巡後に下値を売るようなフォロースルーがなかったことは評価できるのですが、まだこの先数日の動きを見ないと、実際のところは何とも言えません。つまり、これで終わりなのか、終わりの始まりなのかは、まだ良く見えて来ないのです。ただ、個人的には、少なくとも値幅的にはソコソコやった、と考えています。日柄は少し必要かもしれませんけど、それがどの程度のモノになるかも、ドタ勘程度の根拠しかありません(^^;。もっとも、今日の瞬間風速安値の水準でも、実は1月末~2月初旬の水準まで下落しただけで、そんなに大騒ぎするほどの事ではないのかもしれませんけどね(^^;。

● ちょっと余談っぽくなるのですが、昨日のNYダウの日中足をご覧頂くと、午後の途中で普通では考えられないような値動きがあったことに気付きます(下グラフ参照、出典:Yahoo! Finance)。ニュースなどによると、これはダウ・ジョーンズ社の"システム障害"による指数算出遅れが原因とのこと。この件について日本語ニュースでは、http://markets.nikkei.co.jp/kaigai/dj.cfm?id=bmb0637&date=20070228 などに書かれていますが、一般的なニュース解説ではこの件はあまり出て来ないようです(^^;。この記事でも、この"システム障害"は米国株式急落の主たる要因ではなかったとの書き方をしていますが(ダウ・ジョーンズの記事だし)、システム的な運用(例えば裁定取引)を経験したことがある向きからすると、指数算出がおかしくなるというのは、実際の損益を伴うかなり大きな出来事だったのは簡単に想像できます。さらに、こういう"システム障害"は往々にして相場下落を加速するもの。主犯ではないでしょうけど、下げをより大きなものにしてしまった共犯だったのは否定できないと考えています。まぁ、余談ですけどネ…。

● 話題変更。今日は相場の動きが大き過ぎて、日興コーディアルの話が飛んじゃいそうです(^^;。でも、書いておいた方が良いと思うので、長くなるけど行きます。今朝の日経朝刊トップ記事は、「日興、上場廃止へ・東証が最終調整」(http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hot.cfm?id=d2c2704r27&date=20070227)。まだ東証から正式な発表があったのではないにしても、市場としては当然のように"事実"として受け止める状態に。日興CGは朝から大量の売りを浴びてストップ安売り気配。前場後半の午前10時39分にストップ安で寄付いた(やや意外感あり)ものの、その後、また売られて最後はストップ安で比例配分でした。

● 指数ヲタク系の話題としては、日興CGとシティがくっつこうとみずほFGがくっつこうと構わないのですが、日興CGの日経平均銘柄としてのステータスがどうなるかが気になるところ。日経は日興CGが監理ポスト割当になった際、日興CGを日経平均銘柄のままにすると決定しています。しかし、上場廃止が決まって整理ポスト入りになると、日経平均から外すしかなくなり臨時銘柄入替が発生します。すでに各社から銘柄入替候補予想レポートが出てきています。ここで具体的な銘柄名を書くと、何かと妙にエキサイトする方々が出てきそうなので敢えて書きませんが、ちょっと作業すると出てくる2~3銘柄が、有力候補として出てきています。ここでは、日程的な点を押さえておきましょう。

● 日経平均プロフィールHP(http://www.nikkei.co.jp/nkave/index.html)によると、「突発する事由による臨時入れ換えの場合、破たん銘柄の整理ポスト入り後、2日間程度の周知期間を置いた上で補充します」と明記。また、「倒産等の除外事由が突発した場合は、その入れ替えの周知徹底のため、入れ替え実施まで期間を置くことがあります。特に当該除外に対する銘柄補充については原則として期間を置くものとします」と書いてあります。ひとまず前者の「2日間程度」を参考にするとしても、結局は、東証がいつ日興CGの上場廃止を発表するかによって左右されることになります。訂正有価証券報告書が提出されてから2週間と考えるとならば3月13日とか3月14日。もっと早く東証が発表する可能性もあるのですが、東証発表から2日間程度の周知期間を置くイメージと想像しておくことにしましょう(^^;。なお、東証からは今朝の日経記事に対する「見解」(http://www.tse.or.jp/news/200702/070228_c.html)なるリリースも出ています。

● 今日は大変長くなってしまいました(^^;。恐縮です。最後に残りの記録。東証1部の値上がり銘柄数はたったの33銘柄、値下がりは1676銘柄でした。東証1部上場銘柄数が1719銘柄なので、「全面安」以外の言葉はあり得ません(^^;。実はこれでも値上がり銘柄数は増加した方で、前引けでは、買い気配だったネットマークスを加えてもたったの5銘柄(値下がりは1700銘柄)だったのです。某市場筋氏によると、ブラックマンデー(1987年10月20日)時は値上がり7銘柄、米同時多発テロ直後(2001年9月12日)の日の値上がりは17銘柄だったとのこと。ブラックマンデーの時については、具体的な銘柄名は言えないけど、「7銘柄」は覚えていました(^^;。米同時多発テロの時は、ちょうど休暇中だったので、そこまで詳細は覚えていなかったですけど…。

● 最後の最後。寄付き前には鉱工業生産指数なんかもあったのですが、少なくとも株式関係者は、あまり見ていなかったと思います(^^;。私も全然中身は見ていなかったし、いまさらって感じもするのでパス。内容は本日夕刊か明日の朝刊で読みましょう!

2006年12月27日(水) .... 堅調地合い続く、指数は超小動き

 TOPIX : 1676.95 (+4.50, +0.27%)    日経平均 : 17223.15 (+53.96, +0.31%)    円ドル : 118.65  

● 今日は、めっちゃえぇ天気(^o^)。あれだけ雨が降って風が強ければ、東京の青空もかなりの美しさになります。しかも、ポカポカ陽気でしたしね。気象庁HPによると、今日の東京・大手町の最高気温は20.3℃(13時08分)。ちなみに昨日の最高気温は10.9℃(23時07分)だったので、日中はもっと寒かったハズです。それにしても、今日の美しい空と普段の空を比較すると、如何にホコリなどで汚れた空気を吸っているのかが良く分かります。まぁ、あまり深く考えないことにしましょう(^^;。

● 相場。昨日の地合いを引き継いだことに加え、米国株高やシカゴ日経平均先物高を受けて堅調なスタート。今日も「鉄・非鉄まみれ」でスタートしたものの、10時前頃から鉄鋼株の上値が重たくなり始めると、全体もそれに引っ張られてどんよりムード。ただ、鉄鋼株に利食い売りが出てくるのは自然の流れだし、それ以上にドカンと売り込む感じではありませんでした。指数ベースでの堅調さは保ったものの、指数は超小動き。日経平均の日中値幅はわずかに53.45円。かなり記録的な小動きだろうとは思うのですが、過去分は調査しておりません。悪しからず(^^;。日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 物色は後場には自動車や電機などの輸出関連銘柄へ。円安も追い風だったでしょうが、何よりも鉄鋼・非鉄金属株がこういう上昇をすると、比較感で物色が流れてきます。その意味では、途中で途切れずに循環物色になるようだと、相場にももっと力強さが出てくるハズ。今日は多少はマシだったものの、リバーサルが効き難い相場は継続しており、「静かな二極化」も続いています。そして、市場参加者もそれを何となく感じ取っているだけに、動き出した銘柄に付いて行こうとする傾向が強くなります。いつかどこかでは変化するのですけど、そのタイミングは本当に難しいです。

● 話題変更で指数ヲタク系話題。手元の計算ではトヨタのTOPIXウェイトが、今日の終値で計算して4.99%まで上昇。もう少し小数点を下まで行くと、4.99200396%ってところ(^^;ですが、限りなく5%に近付いてきたのがお分かり頂けるかと。FM諸氏にも聞いてみたのですが、昔のように「何が何でも5%上限厳守」というファンドは、現在では少ないと考えられます。「ドコモが5%を超えていたときに、対応したファンドが多いと思う」とは某FM氏の話。それでも、TOPIXが浮動株対応してから初めての5%超えになるかもしれないので、象徴的なところで「はぁ~、ほぉ~」って視点で見ておこうと考えています。しかし、トヨタに続くメガバンクが情けないから、トヨタが余計に肥大化している印象があるんですよねぇ~。

● 記録。東証1部出来高は前日比5321万株減の16億6489万株、売買代金は逆に862億円増の1兆7692億円でした。また、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ほぼチャラ(1680万株売り/1460万株買い)。相変わらずフローは低調で、普段の約半分って感じでした。興味深かったのは、東証1部毎分売買代金の推移。昨日とは全く逆で、今日は前場57.4%、後場42.6%と、かなり前場に偏った格好。データフィードが一部で不通になったりも、多少は影響したのかもしれません。単に「疲れ」が出ただけかもしれませんが…(^^;。

● ちょっと相場から離れるのですが、今日は前場終了前(午前10時45分)からロイターがダウン。原因は台湾地震でKDDIの光海底ケーブルが切断したことで、ロイター端末やExcelに取り込んだ株価データはもちろん、ニュースも更新されなくなってしまいました。ネット証券などでもロイターのフィードを使っているところが影響を受けたようですし、外国株関連はかなりドタバタだった様子。さらに、国際電話なども一部で通じにくくなったようです。取引所から直接フィードを受けている株価情報などはOKだったのですが、ベンダー経由のシステムだと、何が原因で「システムトラブル」になるかは、本当に分からないものです(^^;。データは15時00分に回復したようですが、大引けに回復されてもなぁ~。この障害の影響は大引け後もあって、ロイターのフィードでは、終値が妙な銘柄がかなりありました。一時的にしろ、Bloombergに切り替えるのに一苦労でした。はぁ~(-_-;)

● 暇時雑談。ディープインパクトが引退して図研騒ぎも一段落(それほど動かなかったけど)。関連して、色々な上場企業関連の馬名について書いておきましょう。某市場筋氏調べの引用です(^^;。

上場企業名馬名
ホソカワミクロン「マチカネ…」
オンワード「オンワード…」
ゼンリン「ゼンノ…」
東京鉄鋼「エア…」
パーク24「…カフェ」
メガネスーパー「…サムソン」
アスクプランニングセンター「アスク…」

● 私は競馬を全くやらないので、知っていたのはホソカワミクロンの「マチカネ…」だけでした(^^;。もちろん、これらの競走馬と企業の業績にはなんら関係ない場合がほとんどで、言ってみればオーナー社長の道楽としてやっているのです。でも、それなりに有名レースで勝ったり、ディープインパクトのように社会的なニュースにまでなった場合など、株価が動くこともあるのです。まぁ、暇話ですんで、命張るような投資アイディアではありません(^^;。為念。

● 蛇足的に追加。馬名を決めるには色々とルールがあるんですが、基本的には「カタカナ2文字以上、9文字以内」。現在では、財団法人日本軽種馬登録協会(http://www.studbook.jp/ja/)という団体が審査や登録などを取り扱っているそうで、この辺の詳細はWikipedia(競走馬>競走馬名)をご参照下さい。

● 年内の立会日もあと1.5日。明日は月末のTOPIX修正関連があります。お忘れなく。最後ひと踏ん張りです!

 TOPIX : 1549.41 (-10.37, -0.66%)    日経平均 : 15557.45 (-76.36, -0.49%)    円ドル : 116.45  

● ちょっと話題が逸れるのですが、昨晩のNYダウを良くみると、アルトリアグループ(MO)だけでNYダウをなんと42.10ドルもマイナス寄与しているのに、それでもトータルで67.71ドル高。あちらはチャートを見ても非常に重要なポイントに差し掛かっているだけに、動向は気になるところです。抜けてくれば、テクニカル的にはソコソコの上値がありそうな雰囲気ですけど、抜けなければ大変ですから・・・(^^;。

● 日本市場。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、2日連続での売り越し(3440万株売り/2790万株買い)。ただ、それほど大きな影響は感じなかったです。米国株高、シカゴ日経平均先物高(大証比105円高)を好感する一方で、今日は配当落ち(日経平均で約60円、TOPIXで約6.85ポイント)があり、その分はマイナスのスタート。前場はほぼ配当を埋めた水準で推移したものの、後場に入って下げ幅を広げる格好で軟化。ただ、それも午後1時半頃からは横ばいになり、みみずのような日中足(^^;でした。

● ある意味では記念の日(^^;なので、日経平均の日中足を貼り付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 今日の東証1部出来高は前日比3億0091万株減の12億5221万株、売買代金は同4320億円減の1兆6416億円。これは、出来高ベースで8月29日の12億5378万株を下回り今年最低の出来高。また、売買代金でも同じ8月29日の1兆6598億円を下回り今年最低。まぁ、どうしようも無かったです(^^;。

● 相場そのものは静かだったので、少し話題変更。昨日のJPMバスケット誤発注(http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20060926AT2C2504H25092006.html)に続いて、今日は「株価指数の誤算出」がありました。ネタはRussell/Nomura Prime指数。一般には馴染みが薄い指数かもしれませんが、最近では年金基金などでのベンチマーク採用が出てきている新興指数です。TOPIXとの違いは、他市場(JASDAQ、マザーズなど)を含んでいる点です。。

● そのRussell/Nomura Prime指数が、朝初っ端から滅茶苦茶な数字。周辺がチョビマイナス推移だったのに、Russell/Nomura Primeは前日比で6.5%高などとあっけらかんと表示していました。私はワークシート上に色々なリアルタイム・データを取り込んでいるのですが、株価指数の場合、前日比で3%以上の上下があれば色が変わるようにしています。なので、寄付き初っ端から「なんじゃ、こりゃ?」状態だったのですが、結局、前場中はその妙な数字のまま更新継続。後場は更新停止になってしまった(先物は取引停止)ので、終値とすると、前日比74.76ポイント高(+6.39%高)というとんでもない数値が輝いていました。

● ロイターでもBloombergでも同じ数字が表示されていたので、これは算出元(野村證券金融経済研究所)の問題だったのは明確。ところが、あまりにマイナーな指数だったためか、ベンダーのヘルプデスクも全く対応が出来ておらず、こちらも「まぁ、しゃあない」状態。改めて説明されるまでもなく、ミレアの分割処理を間違えたのでしょうが、野村證券金融経済研究所の指数算出者としての責任はかなり重たいです。午後2時になって、野村ホールディングスのHPにコメント掲載(http://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nsc/20060926/20060926.html)されました。ただ、同研究所のHP(http://qr.nomura.co.jp/jp/index.html)やTDNetにはコメントは掲載されておらず、ちょっと片手落ちだったかなと・・・。

● 関連して苦言も一つ。朝方、この件について大証に問い合わせてみたところ、この対応がまた悲惨。電話で長時間も保留されることが二度。嫌になって途中で切ってしまいました。10時過ぎに掛け直したところ、「これから確認します」ですって。大証では、商いはほとんど無いというものの、RNプライム指数先物が取引されています。今日の相場で前日比6.5%高なんてとんでもない数値が出ていたら、取引所として指数算出元に確認するのは当然のこと。9時01分に気付いてしかるべきで、10時過ぎになって指摘されてから「確認します」って、ちょっと取引所として対応がまずいんじゃないでしょうか?結局、後場になってRNプライム先物も売買停止。大証には昔、場立ちとしてお世話になっただけに、もっとしっかりして欲しいと、本当に心から願うばかりです。

● マイナーな指数だったので不幸中の幸いだったのかもしれませんが、今日の件で、RNプライムをベンチマークにしている年金基金が増加、との自画自賛プレスリリースが以前あったことを思い出します。でも、こんなチョンボをするのだったら、「信頼性が???」ってことになりかねないところ。なお、画面上の終値は+6.39%なので、RNプライムをベンチマークとしていた方々は、今日は600ベーシス超はやられたことでしょう(^^;.。明日にでも修正値(訂正値)が出てくるとは思いますけど・・・。

 TOPIX : 1601.02 (+23.10, +1.46%)    日経平均 : 15857.11 (+292.09, +1.88%)    円ドル : 116.35  

● 大規模停電やら日経平均更新停止など、妙なイベントが盛り沢山の1日でした。薄商いとは言え、さらに先物主導だったとは言え、結果的に重要な上値の節目をいくつか抜き去ったことは、それなりに注目の必要がありそうです。しかし、これと言った材料がなかったのにこの上昇。どうも妙な1日でした。

● まず初っ端に、日経平均と日経平均先物9月限の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。日経平均日中足の「不自然」なところを頭に入れて、以下のコメントをお楽しみ下さい(^^;。

日経平均日中足日経平均先物9月限日中足

● 電車はガラガラ、道もガラガラ・・・(^^;。普通に出勤して色々なことをやっていたところ、後から出社してきた連中が「地下鉄が停電している」と。大手町周辺だけかと思っていたら、実はかなり広範囲の停電だったことが後で判明。大手町界隈の信号も消えていたのだけど、私たちのオフィスの入っているビルは全く問題なし。問題のあるビルと通常通り運営できたビルがあったのは、何が違ったのでしょうか・・・。数年前に夏場の電力不足が話題になったとき、BCP(Business Continuity Plan)の一環として色々調べたのですが、新しいビルには、ほとんど自家発電装置が入っています。その辺(能力や容量)が違いだったのでしょうか。朝方のビル街では、あちこちのビルから煙が出ていたのですが、あれって自家発電装置の煙だったのですネ・・・(^^;。

● 何はともあれ、東証は通常通りの取引。ただ、世間はお盆休みの真っ只中で新聞休刊日。材料不足感がかなり強い1日だったし、停電騒ぎがそれに拍車を掛けた感じでのスタート。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、ソコソコの買い越し(2300万株売り/3620万株買い)が継続し、少しずつ外国人買いが戻ってきているのが分かりますが、それだけではマーケットが勢い良く動くには、まだ足らないイメージでした。

● 多くが「小動き・閑散」をイメージしていたなかで、サプライズは突然やってきました。最初は午前9時41分に日経平均先物でワンショット600枚(700枚?)買いが入ったことをきっかけに、300枚単位の買いが相次いだことで、アレヨアレヨという間に急上昇。「何や?何や?」と言っている間に、日経平均は200円も上がりました(^^;。

● しかし、その後のマーケットは基本的に心肺停止状態(^^;。後場午後1時25分から、日経のトラブル(停電の影響?!?)で日経平均の更新が止まってしまい、余計にやる気なし相場が象徴的な格好に。でも、実際のところ、更新停止になってからしばらく気付かなかったほどですから、如何に小動きだったかがお分かり頂けるかと(^^;。

● さすがの先物も動けなくなってしまい、「お盆休みやし・・・」と諦めの空気(^^;。ところが、午後2時37分に日経平均先物で再び大口買い(400枚+600枚?)が入ったことで一段高。日経平均の更新は止まったままでしたが、「そんなのお構いなし」って感じ。このニ発の先物大口買いが効いた格好となり、結局、高値圏での引け。今日に関しては、日経平均更新停止も特に悪材料視されませんでした。なお、大引け段階でも公式の日経平均は止まったままでしたが、Excel上の計算では、前日比292.09円高の15857.11円。結局、午後4時半前になって、ようやく日経HPにもニュース掲載(http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060814AT3L1404514082006.html)されました。ただ、かなり不十分なニュースで、日経の慌て具合が見える感じもします。

● 日経平均の更新停止について少し苦言を。これも立派な「システム障害」です。Excel上で日経平均の速算は比較的簡単に出来るので、公式の日経平均が止まっていても、通常のトレーディングの観点だけでは、あまり不便はなかったのは事実。でも、逆に言えば、その程度の方法でバックアップは可能なハズなので、日経にも、その程度のコンティンジェンシーはやっておいて欲しかったです。

● これを書いている時点では、日経は朝の停電が原因とのニュース(http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060814AT3L1403P14082006.html)を流しているのですが、じゃあ、なんで13時25分まで動いていたのかってこと。まさかUPS(無停電電源装置)に切り替わっていたのを知らず、午後になってバッテリーがなくなったって、サーバーが止まってしまったのではないでしょうねぇ~(^^;。いずれにしろ、バックアップが働かなかった点だけを見ても、「システム障害」だったと言えると考えています。日経からは何も原因についてニュースが出ていないのですが、先物大口買いのおかげで高かったものの、下手すりゃあ、相場は逆方向だったとしてもおかしくなかったのですから・・・。

● 日経平均の四本値はまだ発表されていない様子ですが、日中の高値などが分からないと、例えばデリバティブ商品でノックイン/ノックアウトがあったりした場合、ノックしたかどうかが分からないというのは、非常に大きなポイントになります。もしかしたら、ザラ場で何らかのヘッジをする必要があったかもしれないし、商品としてノックすることで一瞬にして損益曲線が変わった可能性も無いわけではないのです。特に、今日は結果的に上値の色々な抵抗線を一気に上回っただけに、そういうのがあったとしてもおかしくなかったのです。指数を提供することの責任は、それなりの大きさがあることを、この機会にぜひ自覚して欲しいものです。

● 8月15日を控えて、機械株がかなり売られたりなどがあったのですが、長くなり過ぎるので、この辺はメディアのレポートにお任せしましょう。最後に記録。今日の東証1部出来高は前週末比3億8733万株減の13億0835万株、売買代金は同4299億円減の1兆7348億円。サイズ的には、真ん中が盛り上がる状態となり、Core30とSmallが負けでLarge70とMid400が勝ち。日経平均がかなりTOPIXをアウトパフォームしており、日経平均採用値嵩株が一様にぶっ飛んでいたことも考え合わせると、やはり先物主導での裁定買いの勢いを感じる1日でした。

● 雑談。またナゴヤドームで3連敗。まだ「終わり」ではないものの、スポーツ紙のトーンも「来シーズン」系に移ってきそうな雰囲気・・・(-_-;)。残念だけど、あの戦いぶりだと仕方ないかもしれません。ただ、このままズルズルと下がるのではなく、最後っ屁はちゃんと掛けて欲しいかなと。心配なのは、新聞が「来シーズン」系の話題になると、このところ出てこなかった「犯人探し」系の話題になる懸念があるってこと。これをやってしまうと、すごく雰囲気悪くなるんで、やるんだったらシーズン後にして欲しいものです。

 TOPIX : 1710.76 (-45.64, -2.60%)    日経平均 : 16914.40 (-489.56, -2.81%)    円ドル : 115.65  

● かなり酷い下げ。朝方の30分間の下落は、かなり凄みがあったし、大引け間際の30分間の下げも凄みがありました。今日は下がる日は下がる日だったと思うのですが、寄付き後約30分間で日経平均400円安は「想定外」。また、1日通しでも日経平均で500円超の下落も「想定外」(最後はほんの少し戻ったけど・・・)。朝から、先物が恒常的にディスカウントに陥り、それが断続的な裁定解消売りを引き起こしていた状況。でも、裁定解消売りはあくまでも"結果"で、本当に知りたいのは、「誰が先物をこんなにアグレッシブに売ったの?」ということ。大引け後に開示された先物の手口を見ると、欧州系証券が日経平均先物やTOPIX先物で売り越しとなっていたものの、いつも通り、これだけじゃあ、想像力を豊かにすることは出来ても、本当のところは何も分かりません(^^;。

● まず、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。Y軸の関係で、あまり動いていないようにも見えてしまうのですが、朝方の下げと、最後30分間の下げの酷さをご覧頂ければと・・・。

● 朝方から弱い相場を連想させる条件は、ある程度ありました。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、大幅売り越し(5030万株売り/3650万株買い)。これが少なくとも寄付きのトーンを決めてしまったイメージ。シカゴ日経平均先物が安かったこと、円高気味だったこと、さらに敢えてこじ付け気味に書くと、参院千葉補選で自民党が敗北したことも、外国人投資家からの売りを連想させたのかもしれません。別に今日になって原油高が発生したのではないでしょうし、実は円高は原油高を多少なりとも緩和するはず。でも、これだけマーケットが急落してしまえば、まぁ、何であっても一括りで悪材料視って感じでしょうか(^^;。

● 他にも、市場筋の間では、色々な憶測話も飛び交っていたのですが、まぁ、こういう下げの日は仕方ないですね。いずれも後付けっぽい話ばかりだったし、ウラが取れる話はなかったので、ここでは敢えて書きません。でも、ピンからキリまで、かなりバラエティに富んでいました(^^;。

● 一部では大型株に売りが出ていたとの観測が流れていたものの、数字を見ると、必ずしもそうは言えない状況。Core30は27bps勝ち、Large70は1bps負けのチャラ、Mid400は26bps負け、Smallは8bps負けでした。一見すると、悲惨な相場に見えるのですが、今日はバリューがまぁまぁだったし、リバーサルもまぁまぁ。年金資金を運用する機関投資家的には、指数は急落したとしても、ファンドは見た目ほどは酷くない1日だったと推察します(というか、多分、それなりに良い1日だったハズ)。また、今日は東証2部やマザーズはTOPIXや日経平均と比較すると軽傷。ただ、これまでの推移を考えると、何とも言えないところでしょうけど・・・。

● そうやこうやで、TOPIXが今日の安値を付けたのは大引け(つまりドン安値引け)。また、日経平均が安値を付けたのは14時54分、前日比511.81円安(2.94%安)までありました。日経平均の下落幅は、一昨年、5月10日の554.12円安以来の大幅下落。下落率で言うと、今年1月18日以来、約3ヶ月ぶりの水準。チャート的には、短期的にはちょっとぶっ壊れ感が出ているものの、中長期的には、まだ昨年からの上昇をぶち壊すほどではなし。迷うところですが、某市場筋のコメント、「今年に入って日経平均が200円以上、下落したのはこれで15回目となるが、過去14回では、翌日の高安は11勝3敗となっている」に少し期待しておきましょう(^^;。

● これだけ全面安だったら、あまり書くこともない(^^;ので、ちょっと脱線。今日から東証現物取引が午後12時半開演に復帰(^^;。特に目立ったほどの差はありませんでした。このところ、前場、後場ともに2時間だったこともあり、売買代金分布もほぼ50%、50%となっていました。今日は、前場が51.56%、後場が48.44%。実は、東証が時間短縮する前の売買代金分布は、前場が47%程度、後場が53%程度だったので、今日は少し前場に偏った感じ。特に、朝方の30分間でかなり売買代金が出来た印象があり、12時30分~14時30分頃までは、逆に売買代金が落ち込んだ印象がありました。明日以降、少しずつ普段のペースに戻ってくると思います。

● 東証の注文件数は、今日は裁定取引が活発だったこともあってか、確定値で607.8万件。先週あたりでは、注文件数で500万件前後が多かったので、約100万件ほど増加した感じ。約定件数は確定値で295.7万件で、こちらも200~250万件あたりだったのからすると、増加している印象があります。まぁ、これだけ指数が動けば、30分間立会時間が延びたかどうかよりも、相場の動きの方が影響したと思いますけど・・・。なお、東証の打ち切りラインは、現時点で「注文件数850万件、約定件数450万件」なので、まだ余裕はあります。日々の注文・約定件数については、東証HPの http://www.tse.or.jp/market/yakujo/index.html からどうぞ。

● そうそう、しばらく更新をサボっていたのですが、業績シーズン入りしたこともあり、例の日米主要企業決算発表予定ワークシートをアップデートしておきました。実際には土曜日にアップしました。今回ほぼ最新のデータです(意図的に数日遅れにすることが多いのですが・・・)。お楽しみとともに、心の準備を!左側のフレームから、ダウンロードページにお進み下さい。ご存知ない方のために書いておくと、単純なExcelのワークシートにしてあります(リンクもマクロもありません(^^;)。

 TOPIX : 1747.86 (+0.54, +0.03%)    日経平均 : 17317.53 (-32.59, -0.19%)    円ドル : 117.70  

● 今日も上がるのか下がるのかが、はっきりしない1日(^^;。もっとも、機関投資家の多くは、少なくとも直接的には、相場そのものは上がろうが下がろうが関係ない場合が多いので、その点では、あまり気にしていなかったかもしれません。今日はバリューが結構効いていたこともあって、過ごし易かったと推察します。ただ、対ベンチマークがそうだとしても、トレンドが付いて上がる相場や下がる相場と、そうでない揉み合い相場では、効いてくるファクターがかなり違っているので、その点については、それなりに注意が必要なのは言うまでもありませんけど・・・(^^;。

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅買い越し(3440万株売り/3720万株買い)。マーケット全体の動きに方向感が今ひとつで、ちょっと乗りづらい印象があるのは、日本人投資家だけではありません。外国人投資家とメールのやり取り(リアルタイムでBloombergでやり取りしていても、電話ではナカナカ話しない世界だったりします・・・(^^;)をしていても、その雰囲気は感じ取れます。ただ、注目しなくなってきたとの感触は全く受けないので、何かあれば、すぐにわぁ~っと参戦してくると思いますけど・・・。

● メガバンク株が軟調だったものの、それ以外のCore30銘柄は全般堅調で、今日はCore30が一人勝ち状態。対TOPIXで44bpsもの勝ちでした。Large70は6bps負けでほぼチャラ、Mid400は28bps負け、Smallは43bpsの負けでした。ソニーが東証1部売買代金トップだったのですが、これも最近にしては珍しい感じ。アナリストをはじめとして、皆が嫌っている銘柄だけに、動き出すと意外に軽いのかもしれません(^^;。一方で、消費者金融は今日もボロボロ。色々な余波は、クレジット系の銘柄から小売りにも広がり、丸井が-7.11%。「そこまで売るか?」って感じもありましたが、一度、連想ゲームが広がると、なかなか止まりません。

● 興味深かったのは、今日の東証1部値上がりが567銘柄で、値下がりが1027銘柄だったこと。これだけを見ると、ざっくり日経平均で150円安程度だったとしてもおかしくない印象だったので、それだけ中小型株が軟調だったってことでしょう。ただ、繰り返しになりますが、全体を見渡せば、方向感に乏しい1日。好意的に見れば「底堅く粘り強い相場」ですが、「上値が重たい」のも事実。今日は綱引き状態で決着付きそうに無かったのですが、決着が付くときは、あっという間に勝敗が見えるモノ。もちろん、そこで乗れればベストですが、少なくともタイミングを見失わない広い心を持っておきたいです。

● 話題変更。今日は20日なので、大引け後に恒例の色々な発表が出ています。まず、東証1部昇格銘柄は、フェニックス電機(6927)とシーズクリエイト(8921)の2銘柄。いずれも5月1日指定となります。実際のTOPIX算入は1ヶ月チョイ先の話なので、現時点では、あまり気にすることはありません。東証HPでは、http://www.tse.or.jp/listing/1section/1sec.html にてご確認を。

● また、TOPIXの月末修正も発表されています。東証HPでは、「新株予約権の行使等に伴う上場株式数等の変更」として、http://www.tse.or.jp/news/200604/060420_a.html に掲載されています。いつも通り、これは「No Pain, No Gain」の精神で読み解く必要がある資料ですが、今月も300件超あるなかで、気になるのはその1割程度です。あまり詳細を書くと「あれ」なので、適度にぼやかして書きますが、今月も一部に「厄介」な銘柄があります。全て公表情報なので、ちょっと注意すれば分かるネタです。また、全体でソコソコのウェイト増加になる見込みなので、ファンディングの売りにも注意が必要になりそうです。実施は4月27日終値基準で、4月28日から。この辺は毎月と全く同じです。

● そして、本日、東証から「午後立会開始時刻の延刻措置の解除について」なるリリースも発表されました。ライブドア事件の余波で後場の立会時間を30分間短縮していたのですが、来週月曜日(4月24日)から、以前通りの午後0時30分から後場立会いに戻ります。これで「魔の30分間」などと言われる事もなくなりそうです。「注文件数850万件、約定件数450万件」のリミットは残るのですが、最近は、注文件数で500万件程度、約定件数で活況で250万件程度なので、あまり神経質になるほどのことはないと考えています。この注文・約定件数のヒストリカルも東証のHPで公開されており、http://www.tse.or.jp/market/yakujo/index.html に掲載されていますので、ご参照を。

● それにしても、やっぱり東証は、実施までにあまり時間をくれませんでした(^^;。アルゴリズム・トレーディング系のシステムでは、ヒストリカルデータの調整その他を、今週末に一斉にやる必要が出てきそうです。でないと、12時30分~13時00分に関して、「過去出来高ゼロ」→「執行株数ゼロ」なんてとんでもない"判定"が出るとマズイですから(^^;。まぁ、そこまでアホなトレーディングシステムはないと思いますけどネ。なお、東証のリリースは、http://www.tse.or.jp/news/200604/060420_c.html でご確認を。現場へのもう一つの影響としては、昼休みに遠出できなくなりそうです(^^;。

2006年02月27日(月) .... 堅調、浮動株移行の影響も…

 TOPIX : 1656.82 (+9.08, +0.55%)    日経平均 : 16192.95 (+91.04, +0.57%)    円ドル : 116.15  

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き買い越し(3900万株売り/4740万株買い)。朝方は諸々の追い風に乗ってスコーンと上昇したものの、買い一巡後は、全体に伸び悩み感が残る展開になってしまいました。現物の20日移動平均線がTOPIXで1655ポイント近辺、日経平均で16200円近辺、25日線もほぼ同水準で、結果的に、この辺から上がやや重たくなる水準との印象を残してしまったかもしれません。

● 今日はTOPIX第2回浮動株移行の基準日(大引け)。今回は、事前にあまりマーケットで話題にならないことが「話題」になったほど(^^;。ただ、その分だけ、先回り組がどの程度の規模になっているかが読みづらく、「やってみなければ分からない」状態で今日を迎えました。

● 理論的には、大型株の浮動株比率が高い銘柄が買われて、一般的な中小型株は浮動株比率が低いので、こちらが売られるはず。前回は先回り組が多過ぎて、逆に出てしまいました。ところが、今回は理論通りに中小型株が最後に幅広く売られてスコンと下落。その一方で、大型株は堅調(除くドコモ、日産など)。このせいもあって、東証1部では値下がり銘柄数の方が多い状態でした。また、後場にマザーズやJASDAQがずっこけたのは、直接的な浮動株移行の影響ではなく、いわば連れ安状態(^^;。一部に例外はあったものの、後場は浮動株ファクターがかなり効く状態となり、結果的に、素直に反応が出て終了となりました。毎分の東証1部売買代金分布を見ると、今日は最後の方にかなり偏りが発生しており、大引けのワンティックでは、全日売買代金の7.7%ほどが取引されました。朝の寄付きが4.0%だったので、かなり大引けに売買が集中したことが分かります。

● 細かく見ても、最後のワンティックでのCore30とSmallの動きは、非常に対照的(^^;でした。Core30がピョコンと上昇した一方、Smallはドカンと下落。一方、そのおかげかどうか、現物大引後に先物がかなり売られていました。もう少し数字で書くと、午後2時を基準点にすると、Core30は0.2525%の上昇、Smallは0.5031%の下落でした。同じやり方でLarge70は0.2850%の上昇、Mid400は0.2526%の下落。一番パフォーマンスが良かったのがLarge70で、悪かったのはSmallで、80bps近くも差が付きました(^^;。これだけ素直な反応が出るとは、ちょっと意外だったかも。なお、第3回目(最後)のTOPIX浮動株基準移行は6月末実施です。

● 日中足を掲載しようかと思ったのですが、Yahoo! Financeでは見付からないので、東証のHPをご覧下さい。Core30が、http://www.tse.or.jp/REALIDX/def38.html で、Smallが http://www.tse.or.jp/REALIDX/def43.html です。ただし、本日限りです(明日になれば、明日のグラフで更新されてしまいます(^^;)。

● これで、指数系イベントの一つが終了。明日大引けではMSCIリバランスがあり、SUMCOが新規追加となりますが、これはほぼ100%周知済みと思います。MSCIにはSUMCOが追加になる他にも、何かと細かな調整があります。これは、FIF変更及び指数算出用株式数の変更で計50銘柄に及びます。ただし、詳細な内容は著作権の絡みもあるし、妙にエキサイトする方が出てきても困るので、ここには書きません(^^;。でも、何やかんやの合計で日本株ウェイトは若干の上昇となり、日本株市場には計算上で、相当程度の資金流入が予想されています(これも、ここでは具体的金額は書きません(^^;)。もちろん、全てが明日の大引けで入ってくるワケはないし、今回のMSCIで「買わない」ことにより日本株のウェイトを引き下げることも可能で、実際にそうする向きもあると考えられます。さらに、ある程度の先回りはあるでしょうから、買いが入るとしても、相場が上がるかどうかは別問題です。まぁ、明日の大引けも、気を抜かずに行きましょう(^^;。

● 話題変更。今日から新装開店した大証の新システム。全く問題もなくスムーズに動き、約定もかなりの速さに進歩。これまでの「遅延」との落差を感じるのか、市場筋の反応も良くて、「サクサク」、「めちゃ速い」などの声ばかり。引け約定が速くなったのは、「感動的」なんて声までありました(^^;。

● 社内の某プロップトレーダーは、日常的に色々な取引所の反応時間を計測しているのですが、彼によると、今日は大証が「SGXの3倍ほど速く、ほぼ欧州の先物市場と同水準。これで、一番遅いのは東証先物になった(^^;」と。市場筋の間で毎日飛び交っていた「遅延警告メール」の嵐は、完全に姿を消しました(^^;。ただ、大証さんに認識しておいて欲しいのは、これが「本来の姿」だってこと。遅延警告メールが市場筋の間で飛び交うこと自体が「異常事態」だったのです。朝方、大証(8697)は一時ストップ高(^^;までつけてましたが、その辺をよろしゅう頼んまっせ!あとは、東証ですね。色々な不安を抱えたまま3月SQに突入して行くことになります。

● ところで、大証が新システムに移行したことで、「板」が上下8本開示になりました。正直言って、情報端末を見るのと取引所端末を見るのとでは、情報格差はほとんどなくなった感じがあります。もちろん、細かいところでは差があるのですが、かつて取引所会員証券としての特権だった「板」情報も、いまやパブリック・インフォメーションになってしまったのですね(^^;。いまさらながらに、会員権を保有し続ける利点と、逆に会員権を保有するから発生するコストは、以前だったら考えられないほど、その差が縮小しているのは事実です。

● 別の角度からみると、取引所端末を経由してバイカイを見ると、本当に「見る」だけですが、情報端末経由だとExcelなどに取り込めるので、かなり違った使い方も可能になります。データが電子的に充実することにより、トレーディングシステムで「Market Depth」などが計測・推測しやすくなり、取引インパクトを推計する精度向上にも使えることになります。実際には、そんなに遠い上値や下値を知ってどうする、という現実的な面はあるんでしょうが(^^;、アルゴリズム・トレーディングなどの現場では、開発競争がますます激しくなりそうです。

● 今日も長いなぁ~(^^;。スンマセン。

 TOPIX : 1647.74 (+7.27, +0.44%)    日経平均 : 16101.91 (+5.81, +0.04%)    円ドル : 116.65  

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅買い越し(4150万株売り/4360万株買い)。ただ、何となく盛り上がりに欠ける雰囲気は否定できず、円高傾向を材料に電機や自動車が軟調。別に新しいネタではないのですが、他にこれといった材料がないと、どうしても比較感で大きく感じてしまいます(^^;。中小型株は引き続き堅調だったものの、東証1部全体で見ると、傾向はまちまち。あまり動く材料もなかったことで、前場は、日経平均の16000円の攻防でした。もっとも、"攻防"というほど商いが盛り上がったのではなかったのですけど・・・(^^;。

● 昼休みは特に大きなギャップは発生せず平穏。午後1時半過ぎから上伸の動きが少しずつ鮮明になり、TOPIXは午後1時45分頃にはプラス転換。銀行、証券、鉄鋼などの"内需"系銘柄が引っ張ったことでTOPIXの方が強い状態となり、日経平均は大引け直前にようやくプラス転換。東証1部は937銘柄値上がり、642銘柄値下がりと、雰囲気は悪くなかったです。今日の東証1部出来高は、前日比1億0864万株減の18億8752万株、売買代金は同1927億円減の2兆3823億円。少ないってことではないのですが、一時期のような個人投資家中心の超高速回転トレードが控え目になっているのは感じざるを得ないです。

● 今週は結局のところ、毎日、日中足を付けていたので、えいやぁ!って感じで、今日も日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。ちょっと違うのが、今日はTOPIXと日経平均の両方です。チャートの形は当然ながら似通っているのですが、レベルが少し違うところ、そして最後の方でTOPIXがグィ~~ンと伸びたあたりに、少し注目をよろしく。下記、フリーフロートの影響があったんではないか、と考えています。

日経平均日中足TOPIX日中足

● さて、TOPIX浮動株移行第2弾を来週に控えて、ジワジワという感じで影響が出ているように見えます。上のコメントでは、取り敢えず「"内需"系銘柄が引っ張り」とは書いたのですが、メガバンクが上昇する一方で、同じく"内需"系のはずのドコモが軟調だったりの状況は、浮動株移行の影響を感じてしまいます。仕事柄、かなり意識して見るからかもしれないですが、どうしても否定出来ない感じです。

● ただ、今回は、昨年の第1弾の時のように市場で話題にならないし、某FM氏によると、「今回は証券会社から出てくるレポートは、かなり少ない」とのこと。前回は、先回り組が多過ぎたためか、最後は先回り組にとってずっこけ状態(機関投資家にとってはフレンドリー)。この経験から、今回は気持ち的にも先回りをする意欲が沸きにくいのかもしれません(^^;。ただ、先回りが少な過ぎると、今度は「素直なインパクト」が出てしまうワケで、この辺の需給の釣り合いは非常に微妙です。市場でどの程度の先回りがあるかどうかは、究極的には、月曜日大引直前にならないと分からないのです(^^;。

● 一方、直接的か間接的かはともかく、ちょっと分析してみると、浮動株移行の影響は既に1月半ばから上昇傾向が出ていることが分かります。手軽なのは、「参考TOPIX÷旧TOPIX」のレシオをグラフ化してみることで、傾向がビジュアルに分かります。つまり、浮動株化された指数が非浮動株化指数をアウトパフォームしている、ということ。ただ、ここには留意点もあって、ライブドア・ショックのおかげで、中小型株がボロボロになった影響が出た面もあるでしょうから、この辺は割り引いて考える必要があります。場合によっては、こちらの方が主たる要因かもしれません。指数ヲタク系のイベントとしては、直前でも妙に静かなのが若干気にはなっています(^^;。

● なお、参考TOPIXと旧TOPIXのデータは、東証HPからExcel形式で随時ダウンロードできます。URLは、http://www.tse.or.jp/topix/float/index.html です(下の方)。各自でお楽しみ下さい(^o^)。

● 話題変更。月曜日(2月27日)から、いよいよ大証の売買システムが新装開店となります。ヘラクレスは既に新システムで運用されているのですが、実際に約定が滅茶苦茶に速いのは実感します。ただ、現在はヘラクレスだけで広々としていた室内を独占している状態なわけで、そこに他の銘柄や先物が今週末引越ししてくるってこと。これからが本番です。

● 新システム移行に伴って、大証では、細かい制度が色々と変更されます。同値配分、板寄せ時、ストップ高安時の比例配分などのやり方が若干変わります。その後、3月に日経平均オプションの刻みが変わることは、比較的周知されていると思うのですが、これは日経平均が1万円未満のところだけ(ストライクが250円刻みになる)。今の相場水準を考えると、現実的には何も変化がありません(^^;。1万円以上は、現状通り500円刻みです(http://www.ose.or.jp/frame.html?news/0602/060222c.shtml)。

● それ以上に、意外に周知されていないのが、日経平均先物の立会外取引の刻み値(ティック)の変更。これまで10円刻みだったのが、1円刻みに変わります。顧客筋に色々とお話したところ、この件が機関投資家にとっては重要な割に、意外に周知されておらず、「えっ、何それ?」という声をかなり聞きました。確かに、かなり限られたニーズなので仕方ないでしょうけど、ロールオーバーの時には、重要な変更点でもあります。これまでは、10円ティックのおかげで、取引を何本か組み合わせないと1円単位の値段が出せなかった(つまり、大口でないと無理だった)のが、これからはその苦労がなくなります(^o^)。6月限へのロールを控えて、何かと役立ちそうですし、超大口でなくても、100~200枚規模の投資家には相当のメリットがあるはずです。ただし、これは立会外取引の場合だけですので為念。

● 色々な変更については、大証HP内の「新売買システムの稼動に伴う諸制度改正に係る関連諸規則の一部改正について」として、http://www.ose.or.jp/frame.html?rules/revise/060221a.html に掲載されています。ただ、毎度お馴染みで、普通に読んでも分かりにくい文章だと思いますが(^^;、その辺は、もう諦めの境地。究極的には、疑問点は大証に聞いていただいた方が良いとは思いますが、分からない場合は、何となく分かった気分になりましょう(^^;。通常ケースでは、それほど大問題になるほどの変更はありませんから・・・(^^;。

● 昨日の投資部門別売買動向についても書こうかと思ったのですが、そしてMSCIについても・・・。でも、もうスペース切れ(^^;。来週は、TOPIXの浮動株基準移行以外にも、TOPIX恒例の月末修正、そしてMSCIがあります。来週後半からは、ロールオーバーもそれなりに始動するでしょう。何かとイベントが重なるのですが、無闇に不安がるのではなく、ちゃんと自分でインパクトを調べて、理解して、そして可能ならばチャンスと受け止めてくださいネ。実際、チャンスなんですから(^^。

● 末筆になりましたが、皆様から「ジャンクメールを如何に防ぐか」の手法を色々とご提案頂きました。ありがとうございます。このHPに残してある過去分のメールアドレスをどうするかを考えると、かなり頭が痛いのですが、「ぼちぼち」対応をしていきたいと考えています(^^;。すでに私のメールアドレスは、どこぞの業者で元気に巡回していることでしょうから(^^;、究極的にはアドレスを変えるしかないんですけどね。ざっくり削除するだけなので、手間というほどのことではないのですが、難点はジャンクメールが多いと、本当に大事なメールもジャンクに見えてしまうこと・・・(^^;。というわけで、見分けやすいSubject欄へのご協力を!

● 今日も長文スミマセン。皆様も良い週末を!

2006年02月23日(木) .... 急反発、ほぼ全面高の展開

 TOPIX : 1640.47 (+31.01, +1.93%)    日経平均 : 16096.10 (+314.32, +1.99%)    円ドル : 117.45  

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅売り越し(3100万株売り/5330万株買い)だったものの、市場筋観測では金額買い越し。さらに、寄付き前から、「今日は大きな買いバスケットが入っている」との憶測が市場筋の間を飛び交う状態で、実際にマーケットがスタートしてからの状況を見れば、あながち"ガセネタ"ではなさそう・・・って雰囲気。最初に上昇して始まったことで、余計に買いが勢い付いた印象もありました。ただ、ある程度の水準を決めてしまうと、前場は巡航飛行状態。高かったものの、上値をビシバシ取りに行く感じではありませんでした。

● 昼休みのバスケットは市場筋観測でデルタフラット。ただ、先物は意外に堅調に推移し、後場SQを計算すると、前場終値比48.58円高。一時期ほど大きくは無かったものの、今日も昼休みギャップは若干存在した格好です。後場中頃に中だるみタイムはあったものの、午後2時前からは先物主導で右肩上がりの展開。最後までパワーは衰えず、日経平均は高値引け、TOPIXも高値圏での引けとなりました。毎日というパターンにはしたくないのですが、今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 東証1部出来高は、前日比で2億7361万株減の19億9616万株、売買代金は同1575億円減の2兆5750億円。ちょっと伸び悩んだ感じですかね・・・。東証業種別指数でマイナスだったのは鉱業だけ。東証1部で値上がりが1477銘柄、値下がりが149銘柄と、こちらからもほぼ全面高だったことが分かります。

● 相場全体の印象ですか?正直言って、まだ半信半疑から脱出できません(^^;。簡単に戻り過ぎているような気がする一方で、戻りそのものは認める勇気が必要なのも理解しています。落ちているナイフは、一度、地面に当たって跳ね返っているように見えるのですが、英語で言う"Dead Cat Bounce"(死んだ猫を高いところから落とすと、生きているように跳ね返る。でも、死んでいることには間違いない、という相場の一時的な反発を指すエグイたとえ(^^;)の可能性も否定できません。究極的には、待つしかないんでしょうが、それでチャンスを逃すのも悔しいし・・・。と言うわけで、結局、答えは出てこないのです(^^;。皆さん、自己責任ですからね!

● 話題変更。昨日(2月22日)の日経夕刊に前田昌孝編集委員のコラム、「株式市場"魔の30分間"解消へ妙案、大引け変更も選択肢に」なる記事。正直言って、ずっこけてしまいました(^^;。前田編集委員は鋭い記事が多いので個人的には、比較的、読む方なんですが、この「東証現物午後2時半大引け、先物は午後3時10分大引け」はあかんでしょ。多分、市場関係者の9割は、簡単でダーティーな事態緩和方法として、「東証が大証に頭下げて、現物、先物ともに開始時刻を午後1時にしてもらえば良い」と考えているハズ。もちろん、東証もTOPIX先物を午後1時スタートにするという前提です。それでも、SGXが残るんですけど、これは国際問題に発展するでしょうから、無理でしょうけどネ。要は、日本国内の事情で色々なことを解決できる時代ではない、ってことです(^^;.。

● 前田編集委員は「東証終了後に大証で先物の取引があっても、現物市場への影響は限られる」と書いていらっしゃいますが、これは「雨天順延、翌日再試合」みたいなもので、「限られる」というのには、かなり異議があります。もし、終値ベースで妙に順ザヤが大きかったり、逆ザヤが大きかったりすると、何かと海外に影響を与える可能性が高いし、そうでなかったとしても地球を一回転してきたら、翌日にギャップが発生するのは目に見えています。昼休みのギャップは「けしからん」としても、オーバーナイトのギャップは「容認」ってことでしょうか?オーバーナイトだと、海外市場動向など、他に"苦情"の持って行く場所があるという点については、気持ちとしては分からないではないのですけど・・・。

● さらに、記事からすっぽり抜け落ちているんですが、現実的にもっと切実なのは、終値で色々な金融商品の価値評価がなされる、という点。投信はその典型ですが、もし、先物が異常に乖離して引けた場合、現物ロング/先物ショートなどのファンドは、それだけで極端な損益が出たように見えるし、その異常値を含んだ基準価格で売り買いできる(される)ということ。翌朝には修正されるはずの、いわば、幻の値段で売り買いできるってことは、別の大きな問題を発生させます。こちらの方が、実害としては大きいかも知れません。

● この際ですから、東証が取引時間を元に戻すときに、ストップ高安も撤廃する一方でサーキットブレーカー制度を導入し、同時に手口公開も再開して欲しいもんです(論点は全く違うけど・・・(^^;)。前田氏がこれを読むことはないと思いますが、万が一、億が一、お読みだったら、この辺をプッシュして欲しいものです(^^;。

● お詫びを一言。最近のこのHPのヒット数には、ちょっと自分でも戸惑い気味です。そして、数々のメールを頂くのですが、全く返事が出来ないありさまに陥っています。もちろん、以前から「返事出せない」という、とんでもない失礼な状態が続いていたのですが、最近は、完璧にドツボに嵌まっています(^^;。本当にゴメンナサイ。でも、メールは一つずつちゃんと読んでいますし、力を頂いているのも事実です。励みになります。本当にありがとうございます。

● それと、皆さんのところでも同じかもしれませんが、HPにメールアドレスを掲載していることもあって、私のところには、大量のジャンクメールが毎日途切れることなく届きます(^^;。最近は、ジャンクメールも一見するとジャンクと分からないように、Subject欄が「こんにちは」とか「お世話になっています」など、紛らわしいテクニックを使っています。なので、メールを送信していただく際に、可能な限り、何かパッとみてわかるようなSubject欄にして頂けると判別可能になり、バサッと削除するときにも間違って一緒に削除するリスクを軽減できます。返事を出さないという失礼に加えて、読みもしない、という失礼まで上塗りしたくないので、可能な限り、ご協力をよろしくお願い致します m(_._)m。

 TOPIX : 1609.46 (-3.10, -0.19%)    日経平均 : 15781.78 (-113.16, -0.71%)    円ドル : 118.65  

● どうも今ひとつ、方向感が定まらない1日でした。昨日、日経平均がかなり突っ走った印象があったので、その修正もあったのでしょう。ザラ場中はほぼ1日中、TOPIXがプラス、日経平均がマイナスで推移し、一見バラバラ。最後の30分間で売られてしまって、TOPIXもマイナス引けだったのですが、東証1部では値上がりが863銘柄、値下がりが730銘柄で、日経平均が「やり過ぎ」の反動安だったことも含めて、色々な意味で歪みを調整する1日だったイメージ。Core30が52bps負け、Large70は6bps負けだった一方で、Mid400は31bps勝ち、Smallは74bps勝ちで、前日比でもプラスで終了。また、東証2部指数、JASDAQ指数、東証マザーズ指数もプラスで、中小型株は比較的堅調な推移でした。

● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。後場前半は、昨日の急上昇相場を思い起こさせる展開だったのですが、最後の30分間はずっこけでしたね。

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、2営業日連続の買い越し(3100万株売り/5330万株買い)。ただ、昨日ほどの勢いは無く、あまり上値を取る感じではなし。注文にリミットが付いていたのかもしれませんね。前場、午前9時半過ぎにスルスルと上昇する局面があり、また「欧州絡み(オイル?)の買い」との観測が飛び交ったのですが、こちらも昨日ほどの迫力はなし。

● 昼の"30分間の時差タイム"(「魔の30分間」とは呼ばない!)では、大証の日経平均先物が始まる前からSGX日経平均先物が軟調な値動き。昼バスがやや売り越しとの見方が市場筋を飛び交っていましたが、それが無くても、先物がこういう動きをすると連想はそこに行ってしまいます。

● 正確に書くと、12時半に先物が始まったときは、前場終値比で50~60円下(15700円近辺)で推移し、その後、12時40分過ぎには15670円ワンタッチ。ところが、現物が始まる午後1時前には、ほぼ前場終値水準の15750円近辺まで戻っていたのです。現物の後場SQは前場終値比-8.24円と、ほぼフラット。この意味からは、今日は「魔の30分間」はなかったのです。先物がスルスルと売られたのは、実は午後1時15分頃で、現物が寄付いた後だったのです。

● 実は、ここ数日間少し気にはなっていたのですが、"30分間の時差タイム"を避けてヘッジ売りを出している向きがあるようにも感じます。昼休みの立会外バスケットを受けたりして、ヘッジしなくてはいけない向きの一部が、「魔の30分間」と理不尽に糾弾されるのが嫌で、現物スタート時間までヘッジを後伸ばししている可能性です。

● 「そこまでやるか?」って感じはするのですが、どうせ現物も動いていないし、"30分間の時差タイム"の間で先物が動かないのであれば(これはかなり大きな仮定)、現物がスタートしてから先物を売っても、効果は大きく変わらないかもしれません。もっとも、そこまで誰かが無理をしたとしても、後場に相場が下がれば、メディアには「魔の30分間」とか「仕掛け」とか書かれるのかもしれませんけどね・・・(-_-;)。いつも感じるのですが、「仕掛け」で相場を説明できるんだったら、ホンマ、苦労はしません(^^;。さらに、誰かが簡単に安易に「仕掛け」できるほど、先物市場は微小な存在ではないと思うんですけどねぇ~(^^;。

● ちょっと話題変更。ここ数日、「リバーサル効いてますねぇ」といったメールをいくつか頂くようになりました(^^。もっとも、リバーサルは、今年1月初めには反転の兆しがあったのです。ただ、その時は、12月のイケイケ・モメンタム相場の記憶が強く残っていたため、「ダマシ?!」というムードが強かったのです。なので、実際には踏み込めなかったのが現実だったでしょう。

● そして、誰もが予想しなかったライブドア事件。これはきっかけに過ぎなかったと考えていますが、結果的に、リバーサルが上伸するのを後押しした印象があります。1月末に、リバーサルはフラフラとくる局面もあったのですが、その後は再度一段高。昨年後半の半年で本当に鳴かず飛ばずだった分を、この1ヶ月間で一気に取り返しつつある印象すらあります。バリューも、リバーサルに若干遅れながら反転しつつあり、基本的にバリューとリバーサルを何らかの格好で取り入れていることの多い機関投資家にとっては、この1ヶ月の相場は「それなりに居心地良い」状態だと推察します。

● かのGartman氏の相場格言で私が好きなのの一つは、 "do more of that which is working, and less of that which is not." ってもの。調子が良い戦略をドンドンやって、調子悪い戦略は引き気味にしておけ、という至極妥当な教えです。機関投資家としては、それほど急に戦略変更は出来ないし、戦略変更にはつきものの売買回転率も上げられないという制約はあるのでしょうが、頭に留め置きたい格言です。ただ、実際にはこれが実に難しいのは、皆さんご承知の通り(^^;。今年は、どうもJanuary Effectらしいものもなかったし、あまりバリューの調子が良くないはずの2月にソコソコ好調だったりと、どうも例年とは違うパターンの進捗状況です。来週はフリーフロートも控えているし、潮目には注意しておきたいです。

 TOPIX : 1605.33 (-26.06, -1.60%)    日経平均 : 15713.45 (-330.22, -2.06%)    円ドル : 118.10  

● また今日も昼休みを挟んだ前後で相場の方向性が決まってしまった感がありました。朝方は、寄付き前に発表されたGDPが事前予想を上回ったこともあり、堅調にスタート。実は、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、これで8営業日連続の売り越し(4110万株売り/3240万株買い)。昨日夕方発表された投資主体別動向でも、外国人投資家が久しぶりの売り越しだったこともあり、この辺はちょっと「曇り空」状態だったのです。それでも、プラスで寄付いてきたのですけど・・・ネ。

● 寄付き後、前場ザラ場中は、「迷える子羊」が千鳥足で右往左往する状況(^^;。あまり方向感が見出せないままだったものの、それでも、相場はGDPに敬意を表したのか、一応、プラスで推移。ところが、前引け間際に、SGXを震源地として先物がスルスルと下落。当然のように、「昼バス、売り越しか?」という連想を引き起こしてしまい、あっという間に下げ拡大。そして昼休み。

● 昼休み東証立会外バスケット取引は、単一銘柄とバスケットをあわせて合計895億円強。昨日ほどは多くなかったものの、市場筋観測は「デルタ売り」。まず、SGXで日経平均先物が軟調にスタートし、その後の大証も軟調にスタート。こうなってしまうと、もう現物も「キャン」と言うしかありませんでした。後場SQを計算すると、前場終値比で86.39円安と、相変わらずのギャップが存在しました。

● 個人的には"魔の30分間"という呼び方は嫌なんですが、一方で、某ディーラーの「オーバーランチは怖い怖い、マジでオーバーナイトよりリスクあったりして・・・(^_^;」なんてコメントがありました。現状ではおっしゃる通りの状況になっています(^^;。ただ、これが先物性悪論などに結びつくのは避けて欲しいですね。そもそもは、東証のシステム不安からくる取引時間短縮が悪いのだし、現物を昼休みに売りたがる方々が多いからこうなるのであって、先物が究極的な原因ではないんですから。ただし、このネタも使い古されてきました。そろそろ違った発想も出てくる時期ってことは、認識しておきたいと考えています。

● 先物安から誘発されて、「キャン」と下値で後場スタートしたあと、売りが一巡してそろそろ戻るかと考え始めた瞬間、大証日経平均先物で大口爆弾売り。一時、騒然という雰囲気になったものの、日経平均先物は2月14日の安値15690円に顔合わせしたところで踏ん張り、その後はスルスルと戻り。もっとも、市場の空気は、ここで買うというよりも、「どこで売るか」を考えている状態だと、なかなかきれいに戻るのは困難で、結局はもみ合った後に、最後はだれてしまい、指数は安値引けに近い状態でした。現物市場でも、特に中小型株はしんどく、Smallなどは昨日よりはマシになったものの、東証2部やマザーズは相変わらずの大幅安でした。

● 日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 今朝の日経に騰落レシオの件が掲載されていましたが、今日も東証1部では値上がり191銘柄に対して、値下がりが1439銘柄と圧倒的。出来高面ではそれほど盛り上がった印象は無かったので、週明けの相場の動きに注目したいところ。日足などのチャートは、はっきり言えば、結構ヤバイ雰囲気。ただ、大きく売り込むにしてもエネルギーは必要で、現時点では、ちょっとそれも足らないかな、とは考えています。いずれにしろ、週明け数日の動きがキーになるかも知れないので、ちょっと注目しておきたいです。

● そうそう、ちょっと間が空いてしまったのですが、例の日米主要企業決算発表予定ワークシートをアップデートしておきました。四半期業績開示はほぼ終了していますが、次の展開を考えるお役に立てれば・・・(^^;。いつも通り、意図的に数日遅れのデータをアップしています。よろしく。

● 今週も長い1週間でした。皆様も良い週末を!

 TOPIX : 1660.22 (-22.04, -1.31%)    日経平均 : 16257.83 (-181.84, -1.11%)    円ドル : 117.85  

● 今日はミニSQ。SQそのものは、ほとんど波乱なしでした。あえて言うと、SQ時には、とんでもない買い越しに見えて、最後の10秒ほどでExcel上の気配がスコンと下がるパターンが多かったのですが、今日は、寄付き直前までExcel上の気配がほとんどブレなかったこと。8時50分で前日比60円高ほど、8時55分で-30円、8時59分でチャラ、最後に日経平均バスケットで「一銘柄10万株売り19万株買い」が入って、差引若干プラス。結局、SQは前日比86.23円高の16525.90円でした。実は、これがほぼ今日の高値でした(^^;。

● SQでの出来高が盛り上がらなかった理由は色々あるのでしょうが、個人的には、最近の色々な取引所での遅延や何かで、派手な取引を手控えた向きはかなりあったと考えています。実際、遅延が発生して、バスケットなどの売り買いが寄付きに間に合わない、なんて事態に陥れば、本当にシャレになりません。そうなって大損しても、最終的には、トレーダーが悪いのです。こういった事態を懸念して、もしかしたら昨日までにある程度のメドを付けていた可能性もあります。結局、165のプットやコールのポジションを持っていた方々にとっては、それなりのドキドキがあったかもしれませんが、それ以外には、ほとんど影響がありませんでした。

● SQ関連の数字を行くと、市場筋推計で、日経平均型約35万株売り/40万株買い程度、概算で約9000万株が直接的なSQ関連とのこと。9時15分時点の東証1部出来高は3億1756万株、売買代金は4986億円でした。昨日少し書いた東証から発表されている注文・約定件数については、注文件数で普段よりも1割ほど多かったものの、その程度で済みました。ただし、この問題は、3月のビッグSQ時に再び大きくクローズアップされそうです。根本的には、何も変わっていませんから。でも、取り敢えず、今のところは、あまり神経質になることはなさそうです。

● 一方、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続き売り越し(4020万株売り/3420万株買い)。市場筋観測でも「金額は大幅売り越し」とのことで、SQに隠れていたものの、これはちょっとマズい雰囲気を形成していました。SQ買い越しのおかげもあって小高く寄付いたものの、今日はそこが高値。午前10時過ぎには、指数はマイナス転落し、前引けと後場寄付き直後までは、先物主導でかなり売り込まれてしまいました。その後、機械受注への期待感が広がったことで後場前半は戻り歩調。実際に機械受注がかなりコンセンサスを大きく上回ったのですが、その時点では、期待で買われていた分でチャラ(^^;。まぁ、それ以上、大きく下がるような感じではなかったのですが、全体の相場の雰囲気は、あまり楽観視できない印象が残った1日でした。

● 連日になってしまうのですが、今日も日経平均日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 相場の細かいことについては、各メディアなどのレポートにお任せするとして(^^;、話題変更。東証の現物株式取引の30分短縮が妙に「定着」してきたこの頃(^^;。トレーディングルーム内でも、何となくトレーダー連中の昼休みからの戻りが遅くなってきた感があります(^^;。

● ただ、先日も少し書いたのですが、12時30分~13時00分の「先物取引あり・東証現物取引なし」の30分間が、相場に影響を与える傾向が強くなっていることが否定できません。本日の後場SQを計算すると、対前場終値比で103.56円も下げて始まっています。つまり、100円ものギャップが発生していたのです(これはかなり大きい)。この30分間は、裁定取引をやる向きも参加できない(現物取引がない)時間帯なので、極端な言い方をすると「先物やりたい放題」タイム(^^;。そして、先物市場で方向性が出てしまうと、それが後場にキャリーされる可能性が強いのです。

● この"暫定的"措置は、セールス・トレーディングの現場では、何かとテクニカルで悩ましい問題も発生させています。まず、TOPIX先物を含めて先物・オプション全体、大証、JASDAQは12時半スタートなので、間違いリスク(失念リスク、勘違いリスク)が常に存在することが一つ。例えば、バスケットの中に、一銘柄でも大証銘柄が入っていたりすると、のんびり構えているワケには行きません。これは顧客側でも同じなんですけど、そういう時に限って、12時25分ぐらいにドカンとバスケットが届いたりします(^^;。のほほんとプログラムしていたりすると、大証銘柄があったりして、「ゲゲ・・・間に合わん」なんて羽目もあり得るのです(幸いにして、私はまだそんな羽目には陥っていないけど・・・(^^;)。

● さらに、先物とのポジション交換をするEFP的な取引の場合、東証が午後1時スタートになったことで、「現先両方とも後場寄付きで・・・」という方法が使えなくなってしまいました。そのため、「現物は午後寄り付き、大証銘柄は午後1時、先物も午後1時に・・・」なんて厄介なことになっています。それなら朝の寄付きでやれば良いのですが、朝はギャップリスクが大きい場合があって、EFPとしては余り好環境でない事も多いので、躊躇する気持ちがあります。後場寄付きというのは意外に使い勝手が良かったのですが、それだけに、現在の宙ぶらりん状況は悩ましいのです。

● また、VWAP型トレーディング手法を執行するトレーディングシステムでは、何らかの格好で過去の出来高分布を参照しながら、「○時△分に××株執行」という格好でプログラムを組んでいるハズ。市場の出来高分布に沿う格好で執行すれば、VWAPに近い執行が出来る、というのが基本コンセプトです。ところが、突然の東証の取引時間短縮で、当初の頃は、30分短縮における過去出来高分布データがない状態でスタートせざるを得なくなってしまったのです。しかも、大証銘柄については、これまで通りの過去出来高分布データに沿っていくとしても、東証が動いていない影響を受けているはず。その辺の微妙な味付けも分からないまま、プログラム執行せざるを得なくなってしまったのです。

● 今後、東証が取引時間を元に戻すとなると、また別の問題が出てきます。そのまま現在の"短縮取引"のデータを過去データとして使うと、12時30分~13時00分は「取引がない」ということになってしまうのです(^^;。当然、そんな馬鹿げた羽目にならないように、色々と知恵を絞って対策はするのですが、結構、厄介な問題です。取引時間短縮が恒久的措置だったらシステムを変えちゃうんですが、いつまでというのが明記されていない暫定的な現状では、全てが宙ぶらりん状態。しかも元に戻す時には即時対応を迫られるんです。

● もちろん、過去の出来高分布データを使わないで、単純な時間配分で対応することは可能ですが、それによるサービス低下(VWAPからの乖離)リスクは付きまとったまま。いずれにしろ、ホンマ、難儀なことです。分かる人には分かってもらえると思いますが、結局はボヤキですかねぇ~(^^;。スンマヘン!

● 今週は、何か長い1週間だった気分です。さらに、休みのハズの祝日が土曜日にはまってしまうので、休みを1日損した気分(-_-;)。何はともあれ、皆様も良い週末を

 TOPIX : 1682.26 (+10.87, +0.65%)    日経平均 : 16439.67 (+166.99, +1.03%)    円ドル : 118.75  

● NY株式が堅調で、CME日経平均先物も対大証比で155円高。ただ、今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、引き続きかなりの売り越し(4660万株売り/2990万株買い)。昨日の日本株大幅安もあったのですが、ひとまず良い方を見据えて(^^;のスタート。印象的だったのは、寄付きの買いが一巡した後から、もう一段高したこと。これは強い印象を与え、その後の相場のトーンを決めた感じでした。

● 前場中頃にCNNで米連邦議会ビルに付属する建物で毒ガス騒ぎ発生と流れて、多少、ふら付く局面もあったのですが、全体としてはしっかり。もっとも、16500円から上を積極的に買う動きは乏しく、この辺で上値が重たい印象もありました。後場後半は、明日のSQが気になるのか(後述)、ジリ貧になる局面もあったのですが、最後の30分で戻して大引け。あんまり連日にはしたくない気持ちもありますが(^^;、今日も日経平均日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● なお、東証1部出来高は、前日比で1.5億株ほど減少して20億6183万株、売買代金は2240億円減の2兆8896億円。反発とは言いながら、やや模様眺め気分も同居していたことを、感じさせました。この「やや模様眺め気分」には、明日がミニSQってことも頭のスミにあったからだろう、と考えています。

● 東証が突然の売買打ち切りに追い込まれたのは、1月18日でした。つまり、明日は、この東証システム障害とそれに伴う「注文件数・約定件数」リミットを意識しながらとしては、初めてのSQとなります。このリミットは、1月22日に東証から発表された「注文件数850万件、約定件数450万件」(http://www.tse.or.jp/news/200601/060122_a.html)となっています。で、最近の注文件数の推移を見ると、ざっくりベースで、注文件数では最初の1時間は250万件、1日トータルで600万件程度(http://www.tse.or.jp/market/yakujo/index.html)。ちょっと前は、約定件数が焦点になったのですが、今回のSQでは、実は、注文件数に注目しています。

● SQの時には、ミスプライスが発生するチャンスがあるので、それを狙いに行く注文(カウンター)がかなり入ってくるのが通常のシーン。ミスプライスが発生しなければ約定しない「遠い注文」が多いので、約定件数にはなり難いのが通常ですが、注文件数としてはカウントされるはず。これがどの程度になるかは、本当に想像するのも困難ですけど、敢えて、それを考えざるを得ないのがSQ。もし、最初の1時間の注文件数が普段の2倍あると勝手に仮定すると、注文件数は、これでプラス250万件。通常の600万件プラス250万件で、計算上は、上限の850万件に届いてしまうことになるのです(-_-;)。

● もっとも、過去の有効注文件数の数値をさかのぼって調べてみると、ミニSQでは、2倍にまでは膨らまないことが多く、せいぜい2~3割増という程度。でも、前回の12月ビッグSQでは、前日の2倍程度の注文件数になっていました。明日はミニSQなので、これまで通りのパターンで行けば、一応、最悪の事態(再度の取引打ち切り)には陥らない可能性が高いと推察できます。ただ、相場は水物。今晩のNY市場などで一波乱あると、明日の東京市場に、影響が出てくる可能性があります。明日は、機械受注というイベント(午後2時)もありますし、一応、トレーディング上のリスクとして、少しだけは意識しておく必要がありそうです。

● 昨日はエキサイトして書き過ぎた(^^;ので、今日はちょっと短い目にします(^^;。

 TOPIX : 1671.39 (-42.08, -2.46%)    日経平均 : 16272.68 (-448.31, -2.68%)    円ドル : 117.90  

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、かなりの売り越し(5330万株売り/3690万株買い)。ただ、前場ザラ場の印象としては、「なかなか下がらんなぁ~」というのも結構ありました。ところが、前場引け間際に先物が先行してスルスルと下げ足拡大。これは、昼休み立会外バスケット取引で大きなバスケット売りが出るときの典型的な予兆。やばい雰囲気がプンプンするなかでの昼休み、そして後場寄付き。

● 午後12時半になって、先物などの取引がスタート。初っ端から予想通りに先物が軟調で、さらに日経平均先物(大証)が、これまでも見たことが無いほどの遅延が発生する強烈なシステム"障害"。私達のところでも、後場寄付直後の委託注文の約定が、なんと15分掛かるってのがありました。普段なら、先物の単品注文ならば、顧客との電話を切らずに約定案内出来るのが普通ですが、今日は駄目。普段ならば、以下のようなペースで会話が進みます(あくまでもフィクションですが、かなりリアルなフィクションです。ST=セールストレーダー)。

顧客:日経平均先物当限、成行で20枚売ってください
ST:日経平均先物3月限、成行20枚売りですね(と復唱しつつ、同時に注文入力)
顧客:ハイ (5秒ぐらいの沈黙)
ST:16520円で20枚売りました
顧客:新規の売建でお願いします
ST:新規売建で。ありがとうございます

ところが、今日は・・・

顧客:日経平均先物当限、成行で20枚売ってください
ST:日経平均先物3月限、成行20枚売りですね(と復唱しつつ、同時に注文入力)
顧客:ハイ (5秒ぐらいの沈黙)
ST:(居心地悪い沈黙・・・)
顧客:(何とも居心地悪い沈黙・・・)
ST:約定、返って来ませんねぇ~。もう注文はとっくの昔に出しているんですけど・・・
顧客:そうですか・・・。混み合っているのですかねぇ。
ST:そのようです。ちょっとお待ちくださいネ (沈黙・・・)
顧客: (ちょっとイラついて・・・)まだですか?
ST:まだ取引所から何も約定が返って来ないんです。少々お待ち下さい・・・。
顧客:ちょっと長過ぎません?ちゃんと注文出ています?
ST:もちろんです。注文は正しく出ているはずですが、取引所から反応が・・・
顧客:大丈夫ですか?
ST:もちろん大丈夫です。でも・・・取引所から・・・ (と消え入りそうな声で)
顧客:(不信感たっぷりの声で)じゃあ、約定が出来たら電話ください
ST:スミマセン。約定が戻ってきたらすぐに電話します(冷や汗ダラダラダラ・・・)
ST:(電話を切った後・・・) 「どないなっとるんやぁ!」 (と一人叫ぶ!)

とこんな感じ・・・(-_-;)。繰り返しますが、あくまでもフィクションです(^^;。顧客は、当然のようにセールストレーダーがミスったのではないかと疑うし、こちらは「どないなっとんねん!」状態。もちろん、それなりのプロのトレーダーばかりなので、さすがにダブり発注はなかったものの、そのリスクはかなり高い状態が続きました。

● しかも、もっと驚きだったのは、今日の"障害"では、約定案内が遅延していたのではなく、約定時間そのものが遅延していたこと。つまり、注文受付が遅延していたと想像されることです。これまでの大証の"障害"は、注文は届いているけど、約定案内が戻ってくるのに異様に時間が掛かるというパターンが中心だったので、遅延とは言いながら、「注文執行は出来ているハズ」という妙な安心感もあったのです(この言い方も変ですが・・・)。でも、今日は注文自体が取引所に届いていないという、悲惨で深刻な状況だったと想像されるのです。この最悪の状態は、12時30分頃から1時過ぎ頃まで続き、この時間帯は15分の遅延が当たり前。その後も、折に触れて先物は5~7分程度は慢性的に遅延していましたが、この程度なら、もう慣れっこになってしまいました(-_-;)。本当は、絶対にあってはならない事なんですけどね。

● 一方、現物でも銘柄によっては、大証からの約定案内に20~30分掛かるのは当たり前の状態に・・・(-_-;)。これも、最近は珍しい風景ではないので、ある程度は心の準備が出来ているものの、こういう状況に陥ってしまうと、指値訂正が非常に困難になるし、訂正の訂正は厳禁状態。通常、取引所に注文を出すと、受付番号などとともに、「注文受け取りました」というACKという電文が返ってくるのです。これが返って来ないと、次の指値訂正は出来ません。そして指値訂正などをすると、「訂正しました」というACKが返って来るのですが、それが来るまでは、その次の指値訂正(訂正の訂正)は出せないのです。このやり取りに1回20分とか掛かってしまうと、どういう状況に陥るかは簡単に想像できますよね。ホンマ、えぇ加減にして欲しい、と今日はさすがに切れました。

● 話題を戻して、システム"障害"が売りを呼ぶ構図については、今さら説明するまでもないでしょう。今日に関しては、昼休みに顧客売りのバスケットを受けたところなどは、先物を売ってヘッジしようとしていたはず。ところが、先物がまともに売れない(というか、約定出来たかどうかも分からない)状態に陥ってしまったことで、仕方なくSGXでその分を売ろうとしたでしょう(当然の行為)。ところが、SGXでは大証の日経平均先物ほどの流動性はありません。つまり、流動性のキャパ以上に先物を売らざるを得なくなったことが簡単に想像できるのです。某相場解説では「仕掛け的な売り」と書いていましたが、そうではなくて、止むに止まれず、SGXにしては大きなロットの売りを出さざるを得なかった可能性が高いのです。さらに、SGXで先物を売るのもままならないとなると、東証寄付時に、ストレートに現物バスケット売りを出した可能性まで考えられるのです。

● もっと書くと、その先物遅延混乱中は、バイカイも現値も「10~15分前のものではないか」というとんでもない連想をせざるを得ず、ディーラー連中は注文を手控えざるを得ない状況に陥ったと想像できます。つまり、買戻しすら入れるに入れられない状況ってことです。そんななか、売り買いせざるを得ない向き(ヘッジ売り)は板薄のなかを成行で売らざるを得ない状態になり、余計に値段が飛んだ感じもありました。加えて、直接関係ない向きも参加するので売りが加速することがあるは、あの東証システム障害ショックで経験済み。なので、連想売りも出てきてしまいます。売りが売りを呼ぶ、って感じでしたね。

● それやこれやで、指数はあっという間に崩落状態。その後、買戻しで戻りそうになる局面はあったものの、日中足を見れば見事な右肩下がり。最後まで下落は止まらず、指数は軒並み安値引け。日足チャートからみても、この1週間半ほどのもみ合いレンジから、スコンと下抜けた格好になり、「ヤバイ」感じになってしまいました。先物で言うと、20日移動平均線16200円弱と、窓が空いている15920-16160円(1月26-27日)が目先的な焦点になりそうです。

● 今日の相場を記録面から行くと、東証1部出来高は前日比で1億3000万株ほど減少の22億1935万株、売買代金は逆に2879億円増加の3兆1136億円。売買単価は200円ほど上昇して1402.92円でした。東証1部33業種は全て下落。東証1部では、値上がりはわずか126銘柄にとどまり、値下がりが1520銘柄と圧倒的でした。

● 実は、今日の日経平均3月限の出来高は101,133単位。昨日の2倍弱だったのですが、昨日は値動きがかなり小さかったせいで、一昨日は90,360単位出来ていたので、今日の出来高が極端に大きかったというのではありません。なのに、15分超もの異常な遅延。大証からの詳細な「言い訳」は、これを書いている時点では出てきていないのですが、やっぱり説明義務はあると思います。「注文集中によるもの・・・」の決り文句で、大証は「システム障害」を認めようとしない姿勢の様子ですが、前も書いたように、ユーザーからすると、「これがシステム障害じゃぁなければ、何がシステム障害やねん!」って感じです。

● 私自身が関西出身で、しかも大証で場立ち研修をスタートし、本当に大証にはお世話になった一人として、これは涙が出るほど情けない状況。何とか、ちゃんと立ち直ることを祈っています。もうすぐSQなんだし・・・。

● あまりに書かなきゃあいけない事が多過ぎて疲れます、ホンマ・・・。今日も日経平均日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。昨日の逆で、Y軸の縮尺の関係で、あまり動いていないように見えるかもしれませんが、きょうは結構ひどい1日でした。日経平均の前引けと大引けのギャップに注目しつつ、最後に、下記をお読みください(長文スミマセン)。

● 今日の件はともかくとして、一歩下がって、東証が現物取引を30分間短縮したことで、先物だけが先行する後場の妙な特色が出てきているように感じています。30分間先行して取引開始になる先物が、後場のマーケット全体のトーンにかなり影響を与えてしまう、ということです。現先が同時にスタートしていた頃よりも、少なくとも心理的に先物の影響力が大きくなったように感じるのです。

● 今日などはその典型で、現物が動いていない30分間で先物が下値に向かってしまうと、現物寄付きの初っ端から売り先行になってしまい、後場のトーンを決めてしまいます。これは上昇の時も同じパターン。先物しか動いていないので、先物に注目せざるを得ず、その動向に注目が集まってしまうためですけど、弊害とも受け止められる面が強くなっている印象が否定できません。もちろん、「これも相場」なので、文句を言う前に対応せざるを得ないのですが、東証30分短縮の影響が、あちこちに歪みを形成しつつあるのは間違いなさそうです。

● 他にも、現場では東証30分短縮がもたらす影響は色々あるのですが、長くなり過ぎたので、これは次回にしましょう。今日は、エキサイトして書き過ぎました。スンマヘン!ホンマ、大証はん、頼んまっせ!

 TOPIX : 1711.02 (+16.78, +0.99%)    日経平均 : 16710.55 (+230.46, +1.40%)    円ドル : 118.45  

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、小幅買い越し(6560万株売り/7220万株買い)。差し引きは事実上チャラに近い感じだったのでしょうけど、売り買いともに量がかなり多かったのはやや意外。マーケットは寄付きから上昇。ただ、このところの相場の特徴は、ある程度の水準まで行くと横ばい(もしくはジリ貧)になってしまうこと。前場は16700-800円の"壁"に阻まれる格好で、上も下もがっちり。大引け間際の15分ほどで、先物主導でスルスルと上昇して高値引けになったものの、全体感としては、上値を抜けるには材料不足という印象が残った1日。なお、今日の東証1部出来高は、ほぼ昨日と同水準の25億0673万株、売買代金はちょっと減少して3兆0858億円でした。

● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 相場の内容については、他のメディアをご覧頂くとして(と言ってサボる・・・(^^;)、ここは、ちょっと相場とは直接違う話題に行きます。まず初っ端は怒りの声から。

● 昨日も書いたのですが、今日も大証の遅延はひどかったです。ザラ場中も遅延が頻発していた印象があったのですが、何よりも驚きは、日経平均先物が引けたのは午後3時20分(でも約定時間は午後3時10分)だったってこと。さらに、現物はもっと遅れて、午後3時半過ぎにならないと大引け約定が返って来ませんでした。いくら慣れっこになってしまった(-_-;)とは言え、顧客に約定案内が返せないどころか、際どい指値などだったら、出来なかったと思いこんでしまうリスクまであります。某市場筋は、「日経平均先物の引けは3時20分になったのでしょうかねぇ」なんてコメントをメールしていましたが、本当にその通り!

● その後、大証から、日経平均の大引け処理終了が午後3時20分、現物株式の終了が午後3時31分だった、と正式なFAX通知がありましたが、ホンマ、何とかして欲しいものです。さらにカチンと来たのが、そのFAX通知で「これはシステム障害によるものではありません」の一言。あのなぁ~(-_-;)、ユーザー側から言わせてもらえば、「これがシステム障害とちゃうんやったら、何がシステム障害やねん!プンプン!」って感じ。さらに、この遅延の影響で、大証銘柄の終値や四本値のデータ送信にも影響が出たと発表(http://www.ose.or.jp/frame.html?news/0602/060202i.shtml)。終値の間違いだけでなく、なぜか寄付値がおかしい銘柄もあったとのことで、ホンマ、何とかして欲しいものです。

● まぁ、これ以上書いても仕方ないので、ヲタク系話題へとがらりと変更(^^;。昨夕、東証から月例の浮動株比率の見直しが発表されました(http://www.tse.or.jp/topix/float/rate/index.html)。新規上場や昇格銘柄に浮動株比率の設定があったものの、既存銘柄群には変更がありませんでした(見落としてない限り・・・(^^;)。これで、心置きなく(^^;、今月末の第2回目TOPIX浮動株調整に進むことができます。

● 不思議というか興味深いことに、今回の第2回浮動株調整は、は市場筋の間でも、全くといって良いほど話題になりません。前回は初回ということもあって、各社からレポートが相次いだのですが、今回は「し~~ん」状態(^^;。ただ、興味深いことに、参考TOPIXと旧TOPIXとのレシオ(TOPIXの現指数と旧指数でも)を取ると、1月半ばを底にして、参考TOPIXが旧TOPIXをかなりはっきりとアウトパフォームしており、浮動株ファクターが効いている状態にあることが分かります。下に、「参考TOPIX÷旧TOPIX」のチャートを付けておきますので、それを見ながら読んでください。

Data source: Tokyo Stock Exchange Homepage

● このレシオは、実は12月中旬から約1ヶ月に渡って、かなりひどい下がり方をしたのです。ところが、そこからは派手なバンジージャンプ状態。参考TOPIXはフル・フリーフロート指数です。旧TOPIXは全く浮動株比率の考えを採用していない指数です。参考TOPIXが旧TOPIXをアウトパフォームしているということは、浮動株指数が強いということ。つまり、市場であまり話題にならなくても、誰かが密かにポジションを積み上げている可能性は考えられます。もっとも、反転タイミングはライブドア・ショックと一致するので、単に大型銘柄に揺れ戻しただけかもしれませんけどネ・・・(^^;。

● 昨日の浮動株比率見直し発表を受けて、今後数日間でもう少し話題になってくるとは思いますが、もしそうならなかったら、逆に少し注意しておいてください。前回は逆サイドのポジションがかなりあったので、実際に浮動株移行を実施した方々にとって、ほとんどインパクトは感じなかった(機関投資家側からはむしろ良い方向に行った)と思います。でも、逆サイド側の興味が薄れて参加者が少なくなれば、それだけ裸のインパクトが大きくなる可能性があるワケですから・・・。

● 最後は雑談。昨日のコメントで夕刊フジに「日興コーデ粉飾疑惑"441億円の実現利益を偽装"、告発文書を入手」(http://www.zakzak.co.jp/top/2006_02/t2006020103.html)なる記事が掲載された件を書いたのですが、その後、夜に夕刊フジのHPを見たら、HPにはこの記事は掲載されていませんでした(今もない)。つまり、削除されちゃったってことでしょうね。一般的に、通信社や新聞社が記事削除をするときは、「記事削除のお知らせ」を出すのですが、そこは夕刊フジ(^^;。単に消しちゃったみたいです。日興コーディアルあたりから、強烈に抗議でも行ったのでしょうか?もともと、内容と比較すると、ヘッドラインがやや衝撃的過ぎた面はありましたけどねぇ~(^^;。

2006年02月01日(水) .... 7日ぶりに下落、後場下げ足速める

 TOPIX : 1694.24 (-16.53, -0.97%)    日経平均 : 16480.09 (-169.73, -1.02%)    円ドル : 117.20  

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、2日連続で小幅売り越し(4270万株売り/4010万株買い)。さらに、米国市場大引け後に発表されたGoogle(GOOG)の決算が悪くて、それでGLOBEXのNasdaq100先物がかなり売られたことを気にする声もありました。でも、それにもかかわらず、前場はかなり底堅い印象。正直、なんで堅調なのかが良く分からない状態だったし(^^;、途中で指数がプラスになったところでは、「何でこんなに強いねん?」って声も飛び交っていました。

● ところが、後場に入ってからは、一転して右肩下がりジリ貧商状。この2日間ほどは、最後の1時間とかに右肩下がりになっていたのですが、今日は後場全部が右肩下がり。特に後場は、かなり失望感が強い地合いでした。ライブドアを持ち出したくはないのですが(^^;、ライブドアが100円割れになると同じ時期に、日経平均先物も16500円割れ。さらに、夕刊フジに「日興コーデ粉飾疑惑"441億円の実現利益を偽装"、告発文書を入手」(http://www.zakzak.co.jp/top/2006_02/t2006020103.htmlだったけど、記事削除されたの?)なる記事が掲載されたことが市場筋の間を駆け巡り、日興コーディアルがスコーンと売られてしまい、下げが加速した印象。コックローチ理論(ゴキブリを一匹見付けたら、一匹では済まない)の連想で、野村HDなども下げ足を速め、ただでさえ軟調な地合いが余計に落ち込んだ印象を残してしまいました。

● もちろん、この辺の理由付けも、何となく八つ当たりの雰囲気が無きにしもあらず(^^;。実際、日興コーディアルの株価がそれほど動いていなかったら、誰も気にしなかったことでしょう。でも、今の相場は、何となく、「売りたくないように見えるけど、無意識に売る理由を探している」という感じを受けてなりません。逆説的に言えば、それだけ参加者が慎重になっているので、総員強気の状態よりはリスクが小さいのかもしれません。でも、何となく気にはなっています。

● 今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 何はともあれ、結局、日経平均は安値引け、TOPIXも安値圏での引けとなりました。東証1部出来高は25億1814万株、売買代金は3兆2191億円とソコソコ活況。ただ、商いが盛り上がったという印象はあまり無かったです。もっとも、一歩下がって見ると、TOPIXも日経平均は昨日まで6連騰で、TOPIXは終値ベースで122.87ポイント上昇、日経平均は同1289.17円も上昇していたので、ここでの一服は当然と言えば当然なんですけど・・・。

● 昨日書いた「はらみ線」の件、今日の下落は、「ちょっとヤバイ」状態の雰囲気を認めざるを得ない感じでした。私は水晶玉を扱えるワケではないので、断言する気はないしその能力もないのですけど・・・(^^;。とは言うものの、市場参加者全体がそういうムードになっているのも真実で、逆側の「安心」に対する評価も、少し過剰反応のように感じてしまいます。業績絡みのニュースやアナリストの格付け変更に、足下で株価はかなり反応するものの、3~4日経過後にもう一度見ると「あれっ?」ってのも結構あるんです。うまく泳ぎ渡るのは難しいでしょうけど、イベントが発生してから考えるのではなく、常に冷静な時に先々を考えておきたいものです。言うほど、そんなに簡単ではないんですけどネ(^^;。

● 最後に苦言を一つ。大証のシステムは今週からヘラクレスが新システムでの運用となり、既存システムへの負担が多少は減ったはず。ただ、あまり変化は見受けられないのですよね、実際問題。今日も遅延がかなり発生した印象があるし(後場の日経平均先物は特にひどかった)、現物でも大引約定は戻ってくるまでに、7-10分とか掛かっていました。もう市場筋も遅延に慣れっこになってしまい、諦めの気持ちもあって、大きな声は上がらなくなっているのですが、遅延が常態化しているおかげで、私達の現場では、顧客が大証銘柄の取引を自己制限する傾向は明確になってきています。東証のずっこけの方が派手だったので、メディアには東証が登場することが多かったのですが、大証の慢性遅延も何とかして欲しいものです。何円で取引されているか不明な時に注文を入れるのは、やはり恐いですよ・・・ホンマ。

 TOPIX : 1618.46 (+6.03, +0.37%)    日経平均 : 15651.00 (+2.11, +0.01%)    円ドル : 114.95  

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、3日ぶりの買い越し(4640万株売り/ 5230万株買い)。この程度だと、事実上はチャラですね。相場は、エルピーダの赤字転落発表を"好感"して買い気配でスタートしたり、全体に雰囲気はかなりアップビートでスタート。後場に入って、短縮取引のライブドアが寄付き、市場の関心がそちらに行ってしまった感があったのですが、何はともあれ寄付いたことで、ライブドア・ショックも峠を越えたと多数が考えていること実証した格好。相場も、ようやく多少は普段のペースに戻りつつあることを感じた1日でした。

● 全体感とすると、前場は堅調で右肩上がりだったこともあり、ソコソコ地合いも良かったと感じたのですが、後場のズルズルと下落する右肩下がり、伸び悩みは、あまり雰囲気が良くなかったのは事実(下記、日中足ご参照。出典:Yahoo! JAPAN Finance)。もっとも、後場は、あれだけ注目されていたライブドアが、寄付きから上にほとんど行かなかった(後述)ことで、マーケット全体の雰囲気が落ち込んだ面もあったので、明日以降の相場で、もう一度地合いを確認する必要はあると考えています。

● ライブドアについて書くのは、そろそろ終わりにしたいのですが(^^;、なかなか状況がそうさせてくれません(^^;。昨日、東証が発表した取引短縮などの措置もあって、前場は基本的に忘れることができる銘柄でした。今日のストップ安でジュース一缶の値段になるってことで、板の状況は昨日までと相当に変化。朝10時頃には、まだ午後1時半まで取引が始まらないのに、4000万株近い買いが入っていました。午後1時15分過ぎには、ストップ安水準では買い長の状態に。午後1時半の"寄付き"直前では、127円前後で計算。実際に売り気配が出たところで130円近辺計算中。午後1時45分過ぎに、誰かが大量買いを入れて、計算気配は一気に145円程度まで上昇。

● 最終的には、午後1時53分に155円で初値を付けて、久しぶりのザラ場取引成立。その後、ザラ場で164円まであったものの(午後2時0分)、その後は階段状に下落。安値はストップ安の126円直前の128円まであって、結局は137円引け。出来高は4億2155万6083株でした。売買代金は633億円強。当然、東証マザーズ市場ではダントツのトップだったし、東証1部換算でも第5位。わずか1時間半の取引としては、相当のものでした。

● 今日はやはり歴史的な出来事の一つとして、ライブドアの日中足を残しておくしかありません。と言うわけで、いつも通り、出典はYahoo! JAPAN Financeです。取引時間が90分間しかなかったのですが、上記日経平均の日中足と見比べると、何となく連動性が感じられると思います。

ライブドア(4753)日中足

● 東証システム不安もあるにはあったのですが、実際には、ライブドアがザラ場で取引されても、市場全体の途中中断などの最悪の事態には発展しませんでした。今日の東証件数を時系列に書くと以下の通り(出典:東証ホームページ)。

時間注文件数約定件数前時差分
10時230万85万+85万
11時340万155万+70万
14時480万240万+85万
15時580万290万+50万
確定582.9万303.9万+63.9万

● 確かにライブドアが寄付く前後の1時間では、ある程度の約定件数増加が見受けられますが、それほど極端な数字ではありませんでした。もっとも、今日に関しては、市場関係者があまりにもライブドアに注目しすぎて、他のことをやっていなかった面があったかもしれません(^^;。

● なお、明日以降についても、東証からはライブドア株について、新たに色々な売買規制が発表されています。東証HPに、「投資者及び関係の皆様へ -ライブドア株式の売買に関する措置について-」(http://www.tse.or.jp/news/200601/060125_e.html)として掲載されているのですが、要約すると下記。

(1) ライブドア株の取引時間は、当面、午後2時から午後3時とする
(2) ライブドア株の買付けについて、買付顧客から買付代金(現金)の即日徴収
(3) 自己計算による売付け及び買付けの禁止
(4) 信用取引による新規の売付け及び買付けの禁止

● 今日、同株がザラ場で寄付いたことで、明日以降、よりマネーゲーム化するリスクはかなり大きく、それへの対策という点はそれなりに理解できます。ただ、何度も書くのですが、取引所がほんの少しでも市場参加者から売買の機会を奪うというのはとても重たいこと、という点は認識しておいて欲しいものです。

● 結局、今日の話題はライブドアだけになってしまいました。反省しています・・・(^^;。2004年初頭(1月前半)の自分のコメントを読み返していると、エッジ(現ライブドア)が分割バブルで爆騰していた当時の事を、ありありと思い浮かべてしまいます。自分で書いた文章だから、余計にそうなんです。

● もちろん、あの頃に眉を顰めていたのは私だけではなく、色々なサイトに当時の件については、書かれていました。もう更新されなくなってしまったJ_Coffeeさんのサイトもその一つ。http://j_coffee.at.infoseek.co.jp/kabushikibunkatsu3.htm などは、その代表格ですし、今でも事件を理解するのに役立つと思います。もう一つ、夕凪さんの http://www.geocities.jp/yuunagi_dan/jissen/Jissen016.htm なども参考になると思います。当時から、「株式分割バブル」に警鐘を鳴らしていた方々は、いっぱい居たのです。

 TOPIX : 1612.43 (+24.53, +1.54%)    日経平均 : 15648.89 (+288.24, +1.88%)    円ドル : 114.60  

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、売り越し継続(4100万株株売り/3240万株買い)。ただ、市場の"寄付き前"話題は、やはりライブドア(4753)。昨晩の「堀江社長逮捕」のニュースは、号外も出たようですし、夜のニュースでも花盛り状態。ただ、市場にとっては、あれで「かなり終わった」ということだったのでしょう。ライブドアに投資・投機して失敗した方々は、自分の判断を責めるしかないわけですが、市場全体としては、不透明感が相当部分、取り除けた、と評価した格好の1日でした。もし「ホリエモン逮捕で株急落」なんて記事を予定していたメディアがあったとすれば、「えぇ気味」(^^;。そうは問屋が卸しませんでぇ!

● 寄付きの買いが一巡した後、前場中盤にちょっとダレそうな局面もあったのですが、そこで日経平均先物に500枚買いの連発攻撃。これがきっかけとなり、裁定買いを交えて指数は一段高。その後、ずっこけそうになる度に先物市場が支えたり、現物市場が支えたりで、結局、大きな押し目がないまま大引け。大引け間際には、日計り族のポジション調整でやや伸び悩んだものの、昨日とは違って、かなり良い感じの引け味でした。

● ただ、ちょっと気になった面もあります。東証1部の出来高は15億8839万株、売買代金は2兆2753億円で、ここ最近のマーケットからすると、活況とは言い難い状況。売買単価は1432.49円とかなり高かったものの、それを含んで考えても、やや商い的には伸び悩み感があったのは事実です。ある意味では、今回のライブドア・ショックで、個人投資家の一角がやはり、相当に慎重になっている面を指し示しているのかもしれません。今後の相場展開への影響といった面では、頭に入れておきたい点です。

● さて、大引け後、東証から「投資者及び関係の皆様へ(今後のライブドア株式の売買の取扱いについて)」(http://www.tse.or.jp/news/200601/060124_g.html)なる文章がリリースされています。内容を簡単に書けば、

(1) ライブドア株は25日以降当分の間、午前中の立会いを行わない
(2) ライブドア株の取引は午後1時半から午後3時に制限
(3) 始値成立後の売買動向により、売買停止措置もある

というもの。ライブドア一銘柄のおかげで、東証全体が売買停止に追い込まれるというのは、東証にとっても耐えられない出来事でしょうから(^^;、それを避けるための特別措置としては、仕方ない面があるとは思います。ただ、投資家からほんの少しでも売買の機会(たとえライブドアだとしても)を奪うという行為は、取引所としては非常に重たいものだ、という認識は持っておいて欲しいと考えています。

● 最後に雑談。昨日書いた「N響アワー」の話、みんな無視かと思ってたら、意外に反応がありました(^^;。調子に乗ってもう一つ。その「N響アワー」番組の締めは、「弦楽のためのアダージョ(バーバー)」でした。ただ、こう言われても、どういった曲なのか分からない方の方が圧倒的に多いと思います(私も含めて・・・(^^;)。実は、オリバー・ストーン監督の「プラトゥーン」のテーマに使われた曲(そう言われれば分かる?かな?)です。私も知らなかったのですが、昔からあった曲なんですね(^^;。てっきり、あの映画の為に書かれた曲だと思っていました。

● とても切ない旋律が印象的ですが、頭に浮かぶのは、チャーリー・シーンが最後にヘリで運ばれていく場面。音楽を聴いてすぐに場面を思い出すというのは、映像も音楽も両方ともにパワフルでないと成立しないもの。パワフルな映像と音楽があるからこそ、いつまでも記憶に残るんです。個人的には、ラップには付いて行けないですけど、この辺の音楽ならばネ・・・(^^;。

 TOPIX : 1587.90 (-36.49, -2.25%)    日経平均 : 15360.65 (-336.04, -2.14%)    円ドル : 114.80  

● 金曜日のNYダウは213.32ドル安(1.96%安)、NASDAQ総合指数は54.11ポイント安(2.35%安)。CME日経平均先物は15255円と、前週末の大証比でなんと485円安。今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、また売り越し(5240万株売り/4420万株買い)。こりゃあ、笑うしかありません(-_-;)。せっかく日本ではライブドア・ショックに多少なりとも行き先が見え掛けてきたところで、今度は海外初の振動。まだ落ち着きと言う点では、時間が掛かりそうな雰囲気。

● 今朝は寄付きでかなり売りが集中したものの、それが一巡した後は、比較的落ち着いた展開。パニック的な売りが市場を襲ったのは、初っ端の15~20分程度だけでした。今日の日経平均SQを計算すると、前日比344.34円安の15352.35円。日経平均のザラ場安値が前日比383.98円安の15312.71円(9時22分)だったので、「幻のSQ値」ではありませんでしたが、その後、かなり戻ったことは感じて頂けると思います。

● ところが、10時過ぎに買いが一巡した後は、再び右肩下がりのジリ貧。結局、日中安値ではなかったものの、安値圏での引けとなり、あまり引け味は良いとは言えない状況でした。後場は特に商いもどよぉ~んとした状態で、東証のリミットには遠く届かず、約定件数は291.8万件程度(http://www.tse.or.jp/news/200601/060123_f.html)。別に商い自粛があったとかではなく、要は儲からない相場では、参加する人が少なくなる、ってことです(^^;。

● 今日も日経平均日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。やっぱり、後日読み返した時に、日中足があるとないとでは、イメージの浮かび方が違いますから・・・(^^;。

● 一歩下がって相場を俯瞰して感じることは、当分は振られる展開が続きそうだってことを再確認した1日だったし、まだまだ「落ち着いた」なんて言える状況ではない、ってこと。ただ、このところの下げで、理屈抜きだった銘柄が理屈に従った値動きをして、まともな銘柄の方が下げ渋るので(当然と言えば当然)、機関投資家にとっては、足元は悪くない状況と推察します。多少はバリューもやる気が出てきた印象があるし、機関投資家的には、この1週間ほどは「勝てる相場」だと思います。なお、この「勝てる」というのは、「実現益が出る」と言う意味ではありません。対ベンチマークでアウトパフォームする、という意味です。為念。

● 一方、個人投資家の場合、懸念された追証発生は予想したほどではなかったとは言いながら、私がかなり参考にしている某個人投資家のブログでも、「これだけ多くのトレーダーが血を流したその後で、何事もなかったかのように再度上昇トレンドに戻れるほど、マーケットって鈍感ではないと思う」(http://blog.livedoor.jp/voltaire/、勝手リンク、ゴメンナサイ)とのコメント。本当にその通りだと思います。その一方で、騒乱のときにチャンスがあるのは、紛れもない事実。チャンスをチャンスと考えることが出来るかどうかは、その時々の状況(含損益(^^;)ですが、少なくとも、そうなる「努力」はしたいものです(^^;。

● ちなみに、上記ブログでも記述があったのですが、ライブドアが寄付くと東証の約定件数リミットがあっと言う間に使い果たされてしまうのではないか、という件。これは、あの売買停止の頃から、市場筋の間ではかなり語られています。当然、東証側も何らかの対策を考えていると推察します(でないと、本当に"取引できない取引所"になってしまう)。個人的にうがった見方をすると、以前、立会場で色々な銘柄が取引されていたとき、俗に言う「笛吹き」(取引中断)はかなり頻繁にあったし、その制度は残っているはず。なので、寄付いた瞬間に「取引集中」を理由にライブドアを取引中断にすることは、多分、制度上は可能だと思います(東証に確認したわけではないけど・・・)。また、大証でのプライムシステムのように、「板寄せ」のみの値付け方式も、やってやれないことはないでしょう。多分、後者はやらんでしょうけど・・・。

● 夕方、「ライブドア堀江社長逮捕」のニュース。ここで安易に先行き予想するのは、妙にエキサイトする方々が出てきそうなので、一応、止めておきます(^^;。ただ、言えるのは、相場というのは「不透明感」を一番嫌う、ってこと。この「ホリエモン逮捕」で、不透明感が強まったと受け取るか、不透明感の一つが解消したかと取るか、そのどちらが多いかで、明日の相場にも影響が出そうな気がしています。株式市場は"美人投票"ですから、自分がどう考えるかも大事ですが、それ以上に、市場参加者がどう考えるかがより重要。この点をお忘れなく!

● 相場もあまり良くないので、がらりと話題変更。爽やかな雑談に行きましょう(^^;。毎週日曜日夜に、NHK教育テレビで「N響アワー」という番組があるんですが、昨日は、初っ端から「映画スター・ウォーズのテーマ」でスタート。普段はかなり"お堅い"曲目が多いのですが、今回は「劇伴音楽」とのテーマで楽しめました。この曲は、もちろんジョン・ウィリアムズ作曲。現在クラッシックと呼ばれているものの多くは、言ってみれば、その当時の"ポピュラーミュージック"だったわけで、このスター・ウォーズや他のジョン・ウィリアムズの作品(ジョーズ、ETなど)も、堂々と後世に残っていくひとつだと思います。

● ジョン・ウィリアムズと言えば、映画音楽ではもちろん有名ですが、それ以上に有名なのは、彼が1980年代後半から90年代前半まで率いたボストン・ポップス。ボストン交響楽団(Boston Symphony Orchestra)が夏場に変身する楽団ですけど、これはお世辞抜きで滅茶苦茶お勧め(^o^)。もし夏場に米東海岸に行くチャンスがあれば、是非ともボストンまで足を伸ばして欲しいものです(チケットが手に入ればですが・・・)。NYCとボストンは、飛行機で約1時間弱(実際に飛んでいるのは35分間程度)。ちょうど、日本で言うと東京・大阪より近い距離で、シャトル便がバスのように相当数飛んでいます。なお、ボストン・ポップスは、8月はタングルウッド音楽祭に行ってしまうのでご注意を。そう言えば、かつてボストン交響楽団の音楽監督はかの小澤征爾氏でした。何かとつながりがあるでしょ!

● ボストン交響楽団のURLは、http://www.bso.org/ です。そこから、ボストン・ポップスには、http://www.bso.org/armsOfBSO.jhtml?catName=Pops&area=pop で飛べます。

 TOPIX : 1624.39 (+4.10, +0.25%)    日経平均 : 15696.69 (+0.41, +0.00%)    円ドル : 115.60  

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、一転して買い越し(3890万株売り/4890万株買い)。ただ、ここ最近の個人パワーからすると、外国人投資家の動きは大したインパクトを感じません(^^;。今週の投資部門別売買動向が出てくるのは来週ですが、どんな個人投資家のシェアになっているのでしょうね?恐ろしくも興味津々です。

● 相場の方は、「寄り天」を心配していたのですが、その通り、絵に描いたような「寄り天(寄付き天井)」になってしまいました(^^;。チャートの上でもそうですが、実は今日のSQを計算すると、前日比215.58円高の15911.86円。ザラ場の日経平均高値が前日比179.11円高の15875.39円だったので、かなり上に乖離していることが分かります。このSQ値を基点にしてみると、より一層、「寄り天」度合いが分かっていただけるかと・・・。最後は多少戻ったものの、朝方の勢いからすると、あまり良い引け味ではありませんでした。週末だから、仕方ない面もあったのですけどね。今日も日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。

● 時系列的に行くと、前場はまだ小高いまま推移したのですが、先物が始まってから東証の現物がスタートするまでの30分間に、先物がズルズルと売られてしまい、これで東証の現物も軟化。この30分間というのは、先物の動きに全く左右されてしまうので、かなり難儀な時間帯です。"仕掛け"とまでは言いませんが、先物市場の空気が後場寄付きの現物を支配する格好になってしまいます。上がるときもそうですが、今日のように下がるときもある、ってことです。上記グラフでも、雰囲気の変化は分かります。妙なリスクを抱え込まないためにも、早急に先物と現物のスタート時間を一致させることを願っています。

● また、ザラ場中(特に後場)の相場は、ソフトバンクの上下動に合わせるように上下(^^;。いまや、心理的にも日経平均的にも、ソフトバンクの動きがマーケット全体を揺り動かす感じすらあります。日経平均採用の最大ウェイト値嵩株として、上にも下にも日経平均を揺り動かす存在は、"みなし額面変更"対応のまずさを、より一層引き立たせてしまっています。今後、もし日経が対応方針を変えないのだったら(多分、変えないでしょう)、今後も似たような問題が日経平均に対して発生する可能性が残ります。

● 今日の東証1部出来高は20億9604万株(前日比3億6837万株減)、売買代金は2兆9952億円(前日比4019億円減)でした。一方、大引け時点での東証注文件数は656万件、約定件数が335万件程度と発表されています(http://www.tse.or.jp/news/200601/060120_d.html)。昨日は約定件数が400万ギリギリまで行った事を考えると、落ち着いたというか、醒めたというか・・・(^^;。

● 今朝の日経によると、NYSEの1日あたりの約定件数は最大2100万件。米国では、小口電子取引(SOES)が稼動して約定件数がかなり増加しました。さらに、ティックが1セントに変更された際にも、約定件数の増加を懸念する声があったのですが、当時NYにて勤務していた私でも、特にシステム的な負荷を感じたことはありませんでした。インフラの重要性への考え方の違いと言えばその通りかもしれませんが、こうなってしまうと東証の機能不全は"しんどい"出来事です。日本全体がそう言った目で見られてしまいますから・・・。今週末も東証"社員"の方々は出社だと思いますが、公共機関としての責任という面から、何とか一層の改善をお願いしたいところです。

● 話題変更。大引け後に、恒例の東証1部昇格銘柄が発表されました(http://www.tse.or.jp/listing/1section/1sec.html)。今回は、サンエー(2659)、CVSベイ(2687)、バンダイV(4325)、創建ホーム(8911)の4銘柄がご昇格。実施は2月1日です。事前に色々なレポートや何から予想されていたものと、あまり大きく変わらないので、極端なサプライズはありません。TOPIXへの算入方法が変更されてから、昇格イベントもぐっとおとなしくなった印象があります。ただ、基本的な需給の仕組みは変わっていないので、買わなきゃあいけない方は買うし、買う必要がない方は買いません(^^;。どういった時に「買わなきゃあいけない」状態になるかは、ちゃんと見ればそれなりに分かります。「No Pain, No Gain」ですから(^^;、頑張りましょう!

● また、今日は恒例のTOPIX月末修正も発表されています。東証のHPでは、「新株予約権の行使等に伴う上場株式数等の変更」(http://www.tse.or.jp/news/200601/060120_e.html)として資料が掲載されています。慣れないと分かり難い面がある資料ですが、必要な情報は網羅されているので、これも「No Pain, No Gain」で頑張って読み解きましょう!ヒントというほどではありませんが、2銘柄ほど、ちょっと気を付けた方が良いウェイト変化があります。ご注意を。

● 最後に一つ気になったこと。今朝の読売新聞に、「株大幅分割を制限、政府・与党が法規制検討」(http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5900/news/20060120i101.htm)とのヘッドライン。本当に、何も分かってないんですね・・・。今年1月から、保振預託分に関しては、新株が事実上即時交付になったので、もうそんなことは発生し得ないのです。敢えて言うのであれば、最低単位あたりの投資金額が下がることによって、買いが入りやすくなる効果はあるでしょうけど、それで「非現実的な急騰」はほぼ不可能。こんなこと、ちょっとマーケットに参加したら分かっているのに、堂々とこんなコメントする方もそうだし、それを記事にしてしまう方もそう。誰かちゃんと政府・与党にブリーフィングしてあげないとマズイっしょ。世界中に恥を晒すだけです。

● それ以上に、今回の件で、株式分割にネガティブな見方が広がるのを恐れていました。株式分割が悪いのではなく、かつて、新株の交付に時間が掛かるという制度面のスキというか「不備」があり、それを突かれたのが大きな原因。株式分割は、基本的に良いことなのは、皆が分かっていること。そして、その「不備」はほぼ解消されたのに、あたかも株式分割が悪いように「政府・与党」が検討するなんて、正常ではないですね。ホンマ・・・。

● 本当に忙しい週でした。東京は今週末は雪?!?皆様も良い週末を!

2006年01月19日(木) .... 大幅反発、押し目買いでほぼ全面高

 TOPIX : 1620.29 (+45.62, +2.90%)    日経平均 : 15696.28 (+355.10, +2.31%)    円ドル : 115.15  

● 今朝の「非公式」外資系証券寄付前売買動向は、2日連続でかなりの量で売り越し(7700万株売り/4880万株買い)。ただ、寄付き直前にソフトバンクが買い越しになるなど、今日は朝から買い先行。今朝のSQを計算すると、前日比79.23円高の15420.41円だったので、寄付きは若干おっかなびっくりだった雰囲気ですが、実際に上がり始めると、一斉に買いが入ったイメージ。なんていうか、方向性を確認して入ってきたって感じが強く(^^;、奈落の底に落ち込むような昨日の後場前半の動きからすると、随分と違った空気でした。なお、東証1部値上がり銘柄は1514銘柄に達し(値下がりは130銘柄)で、文句なしの「全面高」でした。

● 歴史的な相場が行われていることもあるので、連日ですが、日経平均の日中足を付けておきます(出典:Yahoo! JAPAN Finance)。あとで振り返るにしても、グラフがあった方がイメージがつかみやすいので・・・。

● 今日は東証1部33業種全てが上昇。落ち着いて考えてみれば、昨日はライブドアなどと何の関係もない銘柄までバカスカ売られていたし、当然のことながら、割安感を感じる銘柄も出てきた状態。実際、朝の外資系証券動向はかなりの売り越しだったものの、誰かは分からないのですが、前場の早い時間帯に、しっかりと主要銘柄を買っていた向きもあった感じ(多分、外国人投資家)。したたかですね(^^;。

● 今日の日経平均の高値は、前日比399.64円高の15740.82円。午後1時11分に記録しています。昨日のザラ場安値(15059.52円、746.43円安)からすると、681.30円も戻したことになります。ライブドア・ショックが始まる前日、1月16日の終値(16268.03円)からすると、昨日のザラ場安値まで1208.51円の下落で、今日のザラ場高値でその半分強を戻したことになります。ここからです、本当の戦いは・・・(^^;。

● 個別には、昨日一時ストップ安まで叩かれたソフトバンクが、最後はストップ高まで買われるなど、非常に個別銘柄のボラティリティーを感じる日々です(^^;。ただ、東証1部出来高は、前日比で8億1530万株の減少で24億6441万株、売買代金も前日比で5697億円減少の3兆3971億円でした。絶対水準としてはかなり多いものの、昨日比で減少していることは、余計に昨日の商いの多さを立証していることでもあります。つまり、昨日の下げ相場が一つの「セリング・クライマックス」だったことを感じさせる点の一つです。ただ、ここからは英語でいう「Sustainability(持続可能性)」が問題。これが証明出来れば、相場は元の上昇基調に戻る可能性が強くなるし、駄目だったら、もう一度下値トライをすることになります。私は水晶玉を扱えないので、良く分かりません(^^;。日々素直に相場を見るだけです。

● そうそう、今日も東証はおっかなびっくりの状態でしたが、後場が午後1時から始まったこともあって、今日は大引けまで取引ができました。ちゃんと比例配分も出来たし・・・(^^;。約定件数や注文件数については、東証HPの「新着情報」(http://www.tse.or.jp/news/index.shtml)に時系列的に掲載されています。ご参照を。>

● 少し話題変更。与謝野経済財政・金融担当相が、閣議後の会見で、「他の証券会社が追随しなかったのは賢明な判断=ライブドア担保掛け目」との発言。まぁ、これだけの市場インパクトを与えてしまったのだから、感情的なものもあって、マネックス証券が何かと叩かれるのも避けられないのでしょう。

● ただ、擁護するというわけではなく中立的に見ても、マネックス証券が実施した今回の件は、会社のリスク管理・与信管理としては当然のことをしたまで。証券会社に限らないでしょうけど、金融機関では、何かあったときにクレジットラインを絞るなんて日常茶飯事だし、リスク管理・与信管理としては当然の施策です。逆に、なんらかのリスクが発生したときに、ボケーっと何も対応しないでいるという方が、会社のポリシーとしては問題です。

● しかし、今回の件では、個人向けの商売で、法人取引の世界でのやり方をそのまま当てはめてしまった点について、実施方法に検討の余地はありそうです。マネックス証券にしても、これだけのインパクトを与える意図は無かったでしょう。でも、次回はより慎重にならざるを得ないと思います。附則的に、今回の相場急落で、信用取引のレバレッジの恐さを初めて分かった方々もいらっしゃったことでしょう。高い授業料だったかもしれませんが、中長期的には、この経験はそれなりのメリットがあると考えています。

● 実は、昼休みにマネックスから「ライブドアオート(7602)の代用有価証券掛目の引き上げについて」なる発表がありました。掛目を0%から80%に引き上げるというもの。同株は今日、寄付いたためだと考えられますが、これが心理的にマーケットにポジティブな効果はあったと思います。実際に同株を担保にしている向きは多くないと思いますが、マネックスの"方針" が「寄付けば担保余力が戻る」という方向で見えてきたという連想が起こるからです。

● もっとも、大引け後には、岩井証券がライブドア関連の担保掛目引き下げを決めた、とBloombergに流れていました。今朝の日経金融新聞には、各社の方針が出ていて、突然には担保掛目をいきなりゼロ、なんてしないような声が多かったのですが、これは各社のリスク管理方針ですから、一律的にというのもおかしな話。こういった施策の違いが「当たり前」と受け止められるようになるなら、これも中長期的に良いことだと考えています。

● そうそう、最近更新をサボっていましたが、そろそろ四半期業績開示の時期。例の日米企業決算発表予定ワークシートをアップデートしておきました。左側のフレームから、ダウンロードページにお進み下さい。なお、例によって、意図的に数日遅れのものをアップしています。そんなに錆付いていることはないと思いますが、ご了承を。

● 最後に雑談。某トレーダーが、「今回のライブドア・ショックで、一番得をしたのは、ヒューザーだ」って。本当にその通り(!)。もしライブドア・ショックが無ければ、ヒューザーが新聞の一面を飾っていたでしょうし、もっともっと厳しい追求になっていたと思います。隠れてしまいましたもんね(^^;。

● 今日も全くまとまりのない文章になってしまいました(^^;。読みにくくてスミマセン。