このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい!
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NT Ratio ● ここ数週間のあまりにも情けない相場展開にうんざりしている方々も多いと推察します(^^;。円高がどうのこうの、政治がどうのこうのと、色々な方向から"分析"と呼ばれる後付けの理屈付けはされるものの、「じゃあ、何がどうなったらえぇねん?」が全く見えてきません。これが相場の雰囲気を一番重たくさせている印象です。まぁ、理屈付けも必要なことでしょうけど、それだけでは先が見えないし、食っても行けません(^^;。ということで、連休ですし、今日は単純だけど基本的で、だから重要なテクニカル指標の確認。

● 右側はNT倍率の推移。週末前に銀行株がチョコッと買い戻しで上昇したり、ファーストリテイリング(9983)が押したりしたのはあったものの、NT倍率のトレンドには大きな変化は見られません。10月に9983/9984コンビ(ファーリテとソフトバンク)が、かなり日経平均を引っ張り、一方で銀行株などが両足に重りをつけたような格好になってTOPIXを押さえてしまったことで、NT倍率はヒョンと上昇したのです。しかし、グラフで見る限りは、直近の色々な調整で逆に中長期的なトレンドラインから上方乖離してしまった分が落ち着いた印象もあり、全体として、NT倍率のかなり力強い上昇トレンドには変化がありません。NT倍率のトレンド転換が、「いつ」と「何がきっかけで」発生するかが大きなカギになる状態には変化がありません。

騰落レシオ こちらは25日騰落レシオ(東証1部)とTOPIXの値動きをグラフにしたものです。上記グラフとX軸を揃えてないので(^^;、ちょっと見難いかもしれませんが、騰落レシオの絶対的なレベル感としては、「そろそろ、えぇところ」まで来ています。

● ただ、騰落レシオのクセとして、相場がズルズルと下落したり、継続的に上昇したりすると、底・天井の「ポイント」が見付けにくくなることが良くあるんです。今年1月〜3月の下落局面でもそうでした。騰落レシオは、数字的には、1月後半、遅くても2月上旬までには「えぇところ」まで下落していたんです。でも相場は、その後もズルズルと下落し続けて、結局、反発に入ったのは3月SQ近辺で底打ちしてから。もし1月後半とか2月上旬に、「えぇところ」だけで買いに行っていたら、約1ヶ月は悶々とした日々を過ごしたことになるんです。もちろん、最終的には儲けることが出来たかもしれないんですが、こういった時は、往々にして、良くてチャラ切り。その後、GWに掛けて大きく上昇した相場の流れに乗れなかったであろうことは、容易に想像できてしまいます。

● "Having Said...."「そろそろ、えぇところ」の水準に来ている点を意識しながらも、タイミングを間違えれば儲からない厄介な位置に居ることを、テクニカル面からは、きちんと認識しておく必要があると考えています。ダッシュ出来るような準備も必要でしょうけど、人より一歩先に出ることが、必ずしも良いとは限らないかもしれないので、その辺が難しいですね…(^^;。

● 今日、東証から大納会と大発会について、『「2009年大納会・2010年大発会」について』との発表がありました。大納会には、かのプロゴルファー、石川遼選手が来るそうです(^^。

● なお、前々から発表されていたことですが、今年の大納会、そして来年初の大発会からは、全日立会となります。(『本年12月30日の大納会より終日立会となります』(東証)参照)。これまでは、大納会・大発会は半日立会だったので、前場が終わったら、その後、顧客先に挨拶回りなどに行くのが証券営業マンの通例だったのですが、今年年末からは、そういった風物詩もなくなりそうですね。かつて、土曜日も半日立会があったのを知っている向きは、どれだけ残っているのでしょうか…(^^;。

● 日本時間で本日早朝、予定通り、MSCI BarraからMSCI関連指数の定期銘柄入替が発表されています。同社のこちらのリリースは、それぞれの指数の銘柄入替えについて述べてあるのですが、具体的な銘柄に追加・削除については、かなり端折ってあります(日本株についての記述は皆無)。毎回そうですが、銘柄入替えに関しては、単なる新規採用や除外だけではなく、FIF(Foreign Inclusion Factor)の変更や指数採用株数などの変更もあるので、情報としてはそれなりの量になります。ただ、これらの情報は「ライセンス情報」で、一般的にタダで配られる類のものではありません。MSCI Barraとライセンス契約をして、決してお安くはない(^^;フィーを支払って、そして初めてアクセスできるものです。

● 実際にマーケットに与えるインパクトを計算しようにも、これらの個別採用銘柄のウェイトだとか、採用株数などの情報がないと、計算できません。しかし、これらはライセンス情報なんです。しかも、到底、個人で契約できるような金額ではないので(グローバル・フルライセンスだったら、ウン千万円とか…(^^;)、ここは既に契約している証券会社などからレポートとして出てくる情報を集めるしかありません…(^^;。実は昔、大証にMSCI Japan先物が上場されていた頃は、そのおかげで個別銘柄リストなどを誰でも簡単にダウンロードできたのですが、現在では不可能になっています。

● まぁ、手っ取り早いところでは、日経NQNで『日写印や千代建などが高い MSCI新規組み入れで』なんてニュースも流れていたので、この辺を見るだけで、少なくとも新規採用と削除銘柄ぐらいは把握できます。日本株では、今回は「新規5銘柄/除外7銘柄」と、心配していたほど除外が多くなかった印象でした。一応、下記に新規・除外の銘柄リストを抜き出しておきます。

新規 エアウォータ(4088)、千代田化工(6366)、シスメックス(6869)、小糸製作所(7276)、日本写真印刷(7915)
除外 DIC(4631)、大阪チタニウム(5726)、オンワードHD(8016)、プロミス(8574)、レオパレス21(8848)、TBS HD(9401)、光通信(9435)

● 各社から出ているレポートを読むと、他にもFIF変更や指数採用株数変更があるものの、予想される売買インパクトで行くと、やはりゼロから増加する新規採用銘柄と、ゼロに落ち込む除外銘柄が大きいのは当然の話です。個人的には中央三井トラストHD(8306)がどうなるか気になっていたのですが、株数はかなり増加するものの、FIFが大きく削られているので、結果的には爆発的というほどのインパクトではなさそうです(売りは売りになりそうだけど…)。個別銘柄ベースでインパクトが大きくなりそうなのは、計算上では、アレとコレとコレでしょうか…。敢えてここに個別銘柄は書きませんが、想像できますよね?!(^^; (^^; (^^;

● 日本市場全体としては、ホンの少しだけですが、資金流入要因になりそうな感じです。"ウェイトが下落して資金流出"とのシナリオも心配していたのですが、トヨタ(7203)と三菱UFJHD(8306)への流入がかなり大きく(両方ともFIF変更)、「この2銘柄のおかげでトータルがプラス」って状態になりそうです。ただし、この2銘柄は流動性もかなりあるので、実際には、個別銘柄としての売買インパクトはかなり限定的だと予想しています。

● 全てのリバランスは、11月30日大引を基準に実施されます。

● 最近は書くのをサボっています(^^;が、あまり長い間音信不通だったら「死んだ」と思われちゃいそうなんで、ちょっとした"業務連絡"を一つ。11月と言えば、MSCI関連の指数の定期銘柄入替え発表があるのですが、先週、その発表予定が出ています。11月分のリバランスに関しては、日本時間で11月12日(木曜日)早朝の予定です(欧州中央時間で11月11日午後11時過ぎ)。

MSCI Barraのリリースはこちらからどうぞ。もちろん英文ですが、簡単なリリース文章です(^^;。

● 既に周知され過ぎるほど周知されているでしょうけど、一応、復習。MSCI関連の指数は四半期毎に見直しされるのですが、5月と11月は比較的大きな見直しとなる一方で、その間の四半期(8月と1月)は微調整となります。これは5月と11月が根本から計算し直しでポートフォリオが見直されるためで、マーケット全体を動かすほどの規模ではなかったとしても、個別銘柄ベースでは新規採用や削除の結果として、それなりのインパクトが発生することも良くある話です。

● 妙にエキサイトする方々が出てくると厄介なので(^^;、ここで個別銘柄の予想は書きません。でも、全体について簡単に予想できることは、日本株が対世界でかなり大きく出遅れていることから、指数採用下限を満たさない中小型株がかなり出てきている可能性がある、ということ。つまり、削除対象になる日本株が結構多くなるリスクが高いと考えられます。もちろん、新規採用される銘柄もそれなりにあるんでしょうけど、それ以上に削除銘柄が多くなる可能性が明らかに高く、これらの中小型株については、それなりの対応策を考えておいた方が良い状況です。

● もっとも、この辺の予想に関しては市場関係者の大部分が既に意識している事柄なので、昔ほどではないにしても、ある程度の先回りポジションを組んでいる向きもあると思います。とは言え、中小型株の一角が"産業廃棄物"状態になって投げ捨てられるリスクがあるのだったら、それを逆手に取るにしろ、何にしろ、心の準備ぐらいはしておいた方が良さそうです…(^^;。

● MSCI Barraからの発表は前述したように日本時間で11月12日(木曜日)早朝。翌13日がオプションSQ。リバランスそのものは11月末に実施です。

NT Ratio ● NT倍率の推移については、継続的にウォッチするようにしているのですが、日経の市況欄にも記事が出たこともあって(^^;、足元では若干の緩和状態にあります(左図参照)。ただし、右下図でも分かるように、短期的なグラフで見た場合には、それも比較的分かり易いのですが、長期的なグラフで見た場合には、まだ"傾向"というほどの変化は出ていません。もちろん、これほどの長期的なグラフではっきり見えるようになった時には、トレンドの確認ってイメージで、決して予知するようなモノではありませんけど…(^^;。

● いずれにしろ、NT倍率は2000年4月の『伝説の日経平均30銘柄入替え』以降、2000年後半ぐらいから、ずっと「10倍プラスマイナス0.5」の周辺で推移していたのが、足元で完全にレンジを放れたのは誰もが否定できない状態は続いています。トレンドとして、昔の「13倍プラスマイナス1倍」程度の世界に戻るのか、それとも新たなレンジを形成するのか、個人的には、かなり興味を持って眺めています。

NT Ratio (Long Term) ● 個別には、「9983」と「9984」のコンビが日経平均の上昇に大きく寄与しているのは周知の通り。特にファーストリテイリング(9983)の爆発パワーに日経平均が大きく影響を受けているのは、誰もが良く分かっていると思います。上記したように、NT倍率が大きなレンジを変えるような動きをしているなかでは、こういった機会をチャンスと感じるのは、ヘッジファンドも同じ。今回も、相当な量のNT倍率関連の取引が入っているのは、誰が見ても明らかな状態。

● 日経平均の変化度を左右する寄与度の大きい銘柄で、なおかつ、それなりに商いが出来る割に値動きが大きな銘柄となったら、現在だとファーリテとソフトバンクに注目が集まるのは、誰がやっても同じ。さらに、マイナス側で銀行株を売るってのは、それなりに業績面からの理屈も付くし、亀井大臣のおかげで政策的にも理屈が通る状態。こうなったら、「やらない方が罪」みたいな状態になってしまいます。そして、日本株市場そのものが、何となく面白くないマーケットになってしまった中では、先物を使って量が捌けるのはメリット。

● で、問題は、どこでアンワインドしてくるか(利食いしてくるか)ってこと。かつて、ソフトバンクが似たような状態の銘柄となり、機関投資家も「買わざるを得ない」となって、アナリストやストラテジストの「アンダーウェイト推奨」から、あれやこれやと理屈を付けて買った頃を思い出します(^^;。もっと昔には、光通信にも、そんな時代がありましたなぁ…(^^;。そして買い終わったら、今度は売り気配で寄付かないという悲劇があったのです。まぁ、ファーリテはそんな羽目にはならないと思いますが、あれやこれやとアナリストがきれいな理屈を付けてくるようになったら、背後には「買いたい」という意思を感じる証左ってことになります。「買いたいんやけど、ちゃんとした理屈が欲しい」という"顧客の声"に応じた結果が、そういったレポートになってくるからです。この辺には敏感になっておきたいところです。

NT Ratio ● 昨日、日経QUICKニュースに、『株価指数先物・オプション大引け、4日続伸 先物NT倍率9年ぶり高水準』と流れていましたが、現物指数のNT倍率(終値ベース)も直近高値を更新してきています。左グラフは前回と同様に、昨年のリーマンショック前の8月1日から直近までのNT倍率を書いていますが、継続的な上昇基調をご覧になれるかと…。

● このNT倍率の推移を眺めて見ると分かるのですが、昨年9月のリーマンショック後の相場混乱期に一気に落ち込んだところが見て取れます。これは、世界的な景気の急速な落ち込みを懸念したことで、日経平均に比重重く採用されている輸出系銘柄が急落したのが大きく響いているのは周知の通りです。ただ、それが1ヶ月ほどで一巡してからは、今年1〜2月にもたつく局面はあったものの、3月以降に関しては、NT倍率は緩やかな右肩上がりが続いているのです。総選挙後に上昇角度が多少大きくなっているのは、もちろん、民主党政権誕生が影響しているのでしょうし、何と言っても連立政権相手の某大臣発言などが響いているのは否定できません。

NT Ratio (Long Term) ● 一方で、右グラフはもっと長期のNT倍率を出しています。Yahoo! JAPAN Finance で日足を遡ると、1991年1月4日から数値が取れるのですが、そこからの過去データを使ってExcel上で描いたグラフです。これだけのデータを集めるのにも結構苦労したのですが(^^;、その結果を見ると、色々と興味深いことも見えてきます。

● 2000年後半ぐらいから、NT倍率は「10倍プラスマイナス0.5」の周辺で推移していたのですが、明確にレンジを抜けてきていることが分かります。例の『伝説の日経平均30銘柄入替え』が実施されたのは、2000年4月24日(詳細はこちらから)のこと。NT倍率のグラフでも、その影響がかなりショッキングに出ているのですが、NT倍率はその前からかなりの角度で下落を続けており、この30銘柄入替えについても、今になって振り返れば、そのなかの「スパイク的イベント」に過ぎなかったような感じすらします。何はともあれ、1999年初頭まではNT倍率は13倍近辺の推移だったことも、このグラフから見て取れます。私が個人的にNT倍率関連の取引を活発にやっていた頃は、NT倍率は13倍基準だったので、ある意味で懐かしいっす(^^;。

● 長期的なNT倍率の変移については、色々とファンダメンタル的な理由があって発生するのは当然のこと。この辺の相場解説や謎解きについては、アナリストやストラテジストにお任せするとします(とサボる(^^;)。ただ、いくら民主党が「内需中心」と叫んでも、NT倍率を見る限りでは、そう考えにくい姿が見えてきます。もっとも、現在の日経平均を引っ張る銘柄の一つはファーストリテイリング(9983)なので、その点では「内需」なんですけど…(^^;。

● このところ書いているように、「NT倍率が、いつ、何がきっかけで反転するか?」については、個人的には、かなり注目しています。

● ちょっと書きそびれたというか…(^^;、本来ならば昨晩書いていなければいけない話題です(^^;。東証からTOPIX Core30などの銘柄入れ替えが昨日(10月7日大引後)に発表になっています。詳細は、東証HP内、『TOPIX Core30等株価指数の構成銘柄の定期選定について』をご参照下さい。PDFファイルへの直接リンクはこちらからどうぞ。

● 簡単に端折って書くと、Core30から第一三共(4568)と日立製作所(6501)が外れ、Large70へと格下げになり、入れ替わりにLarge70から、東芝(6502)と関西電力(9503)が昇格してCore30に加わります。Large70からは、中央三井トラスト・ホールディングス(8309)とエヌ・ティ・ティ・データ(9613)が外れ、住友金属鉱山(5713)と九州電力(9508)が入れ替わりに入ってきています。

● もっとも、この辺の銘柄入替は、実際のところは象徴的なもの以上のインパクトは考えづらいのが正直なところで、いまさら先回りして売買しても、多分、何も起こらないと思います(^^;。これは、Core30やTOPIX100などに連動しているファンドやETF、ワラントなどの派生商品が少なく、元々それなりに流動性のある銘柄群に対して、株価を揺り動かすだけのインパクトが考えにくいからです。

● 意外にインパクトがあるかもしれないのは、TOPIX500から外れる銘柄と新たに採用される銘柄群。今回は除外が12銘柄、新規採用が13銘柄あるのですが、この辺が狙い目と言えば狙い目なんかもしれません。でも、上記と同じような理由で、例えば日経平均の銘柄入替えほどのインパクトはないと予想しています。

● 今回は実はもう一つあって、1〜3月期決算銘柄の浮動株比率(FFW)の定期見直しの結果も同時に発表されています。これは東証HP内、『浮動株比率』に公表されています。資料PDFファイルへの直リンクはこちらからどうぞ。

● 実際に自分で調べるのはかなり大変ですが(^^;、某社のレポートによると、851銘柄のFFWが変更され、「回転率が約2.79%(2008年は1.82%)と推測される」とのことで、昨年よりも、かなり変更が多くなっています。単純にインパクトの面からみると、計算上は20日分以上もの売買を要するような銘柄もあり、10日分以上の売買インパクトのある銘柄も10銘柄以上もあるんです。もちろん、小型株が多くて日々の売買が大したことが無いのでそうなる、という数字のマジックもあるんですが、ちょっとした注目点かもしれません(具体的な銘柄名は書きませんけど…)。

● これらの変更は、全て10月29日終値ベースで実施されます。

NT Ratio ● 前回、NT倍率の件を少し書いたところ、もう少し長期トレンドが見たいとの声を頂きましたので、ご要望にお答えする格好でこちらです。リーマン・ショック前の昨年8月頭からの推移を描いています。データは、Yahoo! JAPAN Financeから取ったものをExcel上でグラフにしています。

● 相場の見方は色々あると思うのですが、NT倍率が上昇するということは、日経平均が対TOPIXでアウトパフォームしているということ。大きく端折ってしまえば、日経平均はテクノロジー系や輸出系の影響力が大きく、一方でTOPIXは銀行などの金融株の影響が大きい指数。現状では、銀行、証券を筆頭に金融株が軟調で、これがTOPIX伸び悩みの大きな原因になっています。さらに、輸出系ながら時価総額が巨大なトヨタ自動車などの重たさも響いているのが足元の状況。

● 原因としては色々考えられるでしょうし、某大臣の発言も要因の一つでしょう。謎解きはアナリスト諸氏、ストラテジスト諸氏にお任せするとして、NT倍率が反転するということは、何が起こるかについて想像してみると、これは、恐ろしいシナリオも描けてしまいます。前回のアップの繰り返しになるんですが、金融株が輸出関連に対して爆騰するとは思えないのが正直なところなので、NT倍率が下落するということは、日経平均が対TOPIXでかなりのアンダーパフォーマーになる可能性が強いってこと。つまり、金融系銘柄などが売られる以上に、テクノロジー系や輸出系銘柄が売られる、ってシナリオになってしまうのです。

● もっとも、相場は意地悪で、その時点で最も可能性が高いと考えているシナリオ通りにならないのは、良くある話(^^;。その辺も頭に入れつつ、10月相場を眺めながら行きたいものです。少なくとも、「何か」が起こった時に、自らがどう動くべきかは、色々なシミュレーションをして考えをまとめておくべきかな、と考えています。

● 亀井静香金融・郵政問題担当大臣という選択肢は、新政権にとって、さらにマーケットにとって、何かと火種になるのではないかと懸念は持っていたのですが、やっぱりというか何と言うか…。いったい、この人は自分の立場というか、少なくとも出身母体の政党議席数をわきまえて発言しているのかどうか、大いに疑問に思ってしまいます。多分、同じように感じている人が多いんでしょうし、常識ある人々は今回のモラトリアム法案などがマトモに受け止められるとは考えていないでしょうけど、それでも不透明感は相場にとってマイナス材料。NT倍率の推移を見ても、このところの動きはかなり酷い状態です。

● あちこちのニュースから抜き出してきても、こんな感じ…。もちろん、全てのメディアが公正中立だとは考えていないとしても、それにしても…って感じは避けられません。

● ぶっちゃけた話、こういう"ニュース"は、スポーツ新聞などを読むほうがはっきりと書いてあるので分かり易いです(^^;。いずれにしろ、ある程度の経済サポート制度は考えられるにしても、それは約1年前だったら同意が得られただろうけど、「今になってなんで?」って感じは避けられません。もちろん、もう一度、経済全体としてダブルディップに陥るリスクがあるのは事実だとしても、それでも「なんで今?」ってのは避けられません。まぁ、もともと「日経平均先物廃止」なんてことを提言した人だから、過去をある程度知っている向きにとっては、「またか…」なんでしょう。全銀協会長のコメントも、そんな感じがありましたしネ。しかし、自らがどういう立場で大臣になっているのか、もう少し認識された方が良い様な印象は避けられませんでした。

NT Ratio ● まぁ、政治の話をするのがこの場所の本題ではないので、この辺にしておいて、もう少し相場関連の話。今回の亀井発言に加えてJALの経営問題を受けて、金融株が全般に売り込まれた結果、NT倍率で見て分かるように、かなり歪な状態になりつつあります。これをNT倍率という言い方ではなく、物色として見ると、「日経平均採用値嵩株買い・時価総額大銘柄売り」となり、もっと端折ってしまえば、テクノロジーや輸出系(とファーストリテイリング)を買いで、銀行株を中心とする金融株売りって構図になるのです。

● 問題は誰がそうやっているのかということ。NT倍率などを意識せずに、単に業績回復度合いとか、中国経済がどうのこうので銘柄選択をして、結果的にそういう格好になったという面は大きいと考えています。その一方で、NT倍率をモロに意識して、ロング・ショートをかましてきているヘッジファンドの影も十分以上に感じるようになってきたのも事実。ヘッジファンドは、いずれどこかでアンワインド(ポジションの解消)をやってきます。それがジワジワだったらNT倍率もジワジワと低下するようになるでしょうし、何らかのきっかけで急激に発生すれば、NT倍率も急激に下落するシナリオも想像できてしまいます。

● とは言うものの、「何がどうなればそうなる」というのははっきり見えてこないのが現状。だからこそ、NT倍率はこんな格好でジワジワと上昇過程をたどっているのですが、その裏で、逆側に動くリスクもそれなりに意識しておきたいです。足元の状況を見る限りでは、銀行株急騰のシナリオはちょっと考えにくいので、日経平均採用値嵩株系が下がるってコト?ならば、相場全体も影響は避けられないだろうし…。頭を柔らかくして考えておきたいところです。

● 蛇足。過去といえば、亀井静香氏は、かつて、かの許永中を「盟友」と呼んだとかどうとか…。Googleなどで「亀井静香 許永中 盟友」とググってみると、かなりおどろおどろしい世界が出てきてびっくりすると思いますヨ。いずれにしろ、せっかく鳩山総理の外交デビューがソコソコの好印象で来たんですから、これ以上、妙な方向に進まないことを祈るのみです。少なくとも、政治の世界がマーケットに悪影響を与え過ぎないことを願っています。まぁ、避けられないことなのは分かっていますけど…(^^;。

● 本日、鳩山政権の誕生を受けて、金融・郵政問題担当大臣として、国民新党の亀井静香氏が閣僚入りすることが正式発表されました。まぁ、それはそれで良いんですが、この亀井氏って、約1年前には『日経平均先物取引の廃止』を提言していたのをご存知ですか?もっとも、当時は市場関係者ですら「フン!なんじゃそりゃあ?」程度で、鼻で笑う感じであしらうぐらいだったし、まともには取り合わない程度だったのです。

● ところが、この提言を出した人が金融担当大臣として、金融庁を所管することになるんだから、まぁ、何と言いますか…(^^;。あまりこのブログでは政治的な話はしないようにしているのですが、金融証券市場に対して、この程度の認識しかない向きが大臣ってのも、ちょっとだけ気にはなります。日本人だったら、その辺のことは実現性が乏しいってのは理解できるとしても、この辺の話が英訳されて外国人投資家の間でも広まってしまうとなると、ちょっと過剰な話になってもおかしくないんです。鳩山氏の論文を部分的に英訳しただけで、あれだけ米国で大騒ぎになるんですから…。

● ちなみに、この『日経平均先物取引の廃止』の提言は、国民新党のHPに現在でも掲載されています。昨年10月17日に公表した「緊急金融安定化対策について」です。

● おまけ話。消費者・少子化対策担当大臣として社民党の福島瑞穂氏が決まったのですが、この人に関しても、まぁ、何と言いますか…。何がですか?今日、市場筋の間で"回覧"されていたメールです。なんと同氏の著作に、『産まない選択―子どもを持たない楽しさ』ってのがあると…(^^;。現在はAmazonでは「この本は現在お取り扱いできません」状態で販売されていないようですが、しっかし、ねぇ〜(^^;。少子化対策担当大臣でっせ、ホンマ…。いずれにしろ、お手並み拝見です。

● 本日大引後に、日本経済新聞社から、今年の日経平均定期銘柄入れ替えは実施しない旨の発表がありました。ニュース記事は、日経平均プロフィール内に 『日経平均、09年は銘柄入れ替えなし 日経300は2銘柄』 と掲載されています。日経本紙ではこちらに出ています。

● 先日書いたアップでも、銘柄入れ替えゼロの下馬評が根強いとは書いたのですが、せっかくのイベントなんだから「何か」があるように、ちょっとは期待していたんですけどねぇ〜(^^;。

● 事前の証券各社レポートなどを見ても、今年は小規模な入れ替えとの見方が優勢だったので、入れ替えがあったとしても1〜2銘柄程度、がコンセンサスだったと感じています。その点では、今回はあまり盛り上がらなかった印象が避けられなかったのですが、それにしてもゼロってのも…、ねぇ〜(^^;。

● ちなみに、新規採用候補銘柄としては、毎度お馴染みのSBI HD(8473)、さらに東京建物(8804)やDeNA(2432)あたりが出ていました。一方で、削除候補としては、圧倒的に東京ドーム(9681)でした。明日以降の相場で、多少の反動が出る可能性は考えられるのですが、事前の期待感が大したことは無かったので、どちらにしろ、あまりサプライズ的な動きになるとは考えていません(^^;。

● 毎年恒例の日経平均定期銘柄入替えの時期がやってきました。基本的に9月第1週後半から第2週に掛けて発表されることが多く、過去の例からは、9月メジャーSQ日の前に発表されています。

● ただ、今年は「もしかしたら銘柄入替えがゼロかもしれない」という下馬評も結構根強いので、もし本当に入替えがゼロだった場合、その旨の発表そのものがあるのかどうかは不明です。かの「伝説の30銘柄入替え」(2000年)以来、定期銘柄入替えで銘柄が入れ替わらなかったことはありません。もし定期入替えがゼロだったら、現行制度になってから初めて、ってことになります。

● 過去の日経平均銘柄入替え関連のニュースは、日経平均プロフィルというサイトのニュースページ(http://www.nikkei.co.jp/nkave/news/index.html)に全て掲載されています。ご参考までに、過去の日経平均銘柄入替え発表日は以下表の通りです。全てこの日の大引後、大体は午後4時半頃に発表されています。そのためSQ日までの営業日は、翌日からの計算としてあります。為念。

日経平均・定期銘柄入替え
発表日曜日対SQ日
2008年9月8日第2月曜日4営業日前
2007年9月7日第1金曜日5営業日前
2006年9月5日第1火曜日3営業日前
2005年9月5日第1月曜日4営業日前
2004年9月7日第1火曜日3営業日前
2003年9月9日第2火曜日3営業日前
2002年9月5日第1木曜日6営業日前
2001年9月11日第2火曜日3営業日前
2000年9月8日第2金曜日SQ日当日

● ちなみに、今年の9月SQは9月11日(金)です。そうそう、ストリートでの下馬評ですか?まぁ、ここに銘柄名を明記してしまうと、妙にエキサイトする方々が出てくるリスクがあるので、いつも通り、個別名は無しにしておきます(^^;。

● 今朝(8月23日、日曜日)の日経に『マザーズ、株価9割下落で上場廃止 東証が改革案』(日経)との記事。これまでも上場廃止基準などは定められていたものの、今度追加される(であろう)基準は、公募価格比で株価が9割以上下落し、さらに一定期間経過後に回復しなければ、上場廃止処分を食らうというもの。記事によると、週明けにも東証の取締役会で決まり、パブリックコメントを経て最終決定される見込みとのこと。これを書いている時点では、東証の「パブリック・コメント」には、まだ何も掲載されていませんが、25日以降に詳細はここに載ってくるってことなんでしょう。

● まだ細部を見ていないし、記事しか読んでいないので何とも言えない部分はあるのですが、率直な感想としては「やっとか…」ってところ(^^;。方向性としては正しいと思うし、もっと前々からこの手の「退場ルール」を整備する必要はあると考えていました。もちろん、これは東証マザーズ市場だけの話ではなく、東証1部もそうです。今この瞬間でも、東証1部から外される(東証2部とかへ格下げになる)基準をもっと厳しくすべき、と考えています。

● 制度上は、いくら東証そのものが上場企業がちゃんと運営されているとの「お墨付き」を与えるものではないとしても、世間一般はそう見ることになるんです。上場企業は非上場企業よりも信用力が上だとか、それが一般的なイメージ。色々な銘柄にしても、上場時はその基準に合致していたかもしれないけど、年月が経過するに従って落ちぶれてしまったり、妙な筋に経営介入されてしまって、会社としての中身に疑問を抱かざるを得ないような銘柄は、それなりに出て行ってもらう仕組みは必要だと常々感じていたところです。まぁ、今回の件はその第一歩なんでしょうね。

● 東証の上場廃止基準は、東証1部・2部はこちらマザーズ市場についてはこちら、と公表されています。色々と基準があるなかで、「債務超過」などの業績・財務面で引っ掛かる以外に、最近は「虚偽記載又は不適正意見等」などのコンプライアンス面での用件に引っ掛かって上場廃止になる銘柄が増加傾向でした。そして「流通株式時価総額」に引っ掛かる超低位株(要するにどうしようもないボロ株)もちょくちょくあったのですが、妙な銘柄ほど妙な手段でクリアしたりして、上場銘柄としてしがみつくのもあり、眉をしかめていた市場関係者や投資家も少なくなかったと思います(含自分)。

● マザーズ市場の「流通株式時価総額」基準は、「2.5億円未満(平成21年12月末までは1.5億円未満)(猶予期間1年)」と定められています。ただ、極端な話、上場している限り、株価は1円未満にならないので、2.5億株の流通株式があれば、株価がたった1円の超ボロ株になったとしても、時価総額基準では上場が維持できてしまうのです。ワケの分からんMSCBなんかをドカッと大量に発行して、それが急速に転換されて「流通株」になることで、この基準を満たしてしまうパターンなどが考えられるだけに、投資家としてはやってられません、ホンマ。この辺のループホールを防ぐというのが今回の意図でしょうけど、じゃあ、完全に水漏れ状態が止まったかというと、多分、必ずしもそうではないんでしょうネ。ただ、一つずつ穴を閉じていく作業はしなきゃ行けないのも事実です。

● 証券取引所は、色々な企業を上場させることでフィーを取る、というビジネスです。もちろん、株券などの売買に伴いフィー収入もあるのですが、企業を上場させることでフィーを稼ぐというのも大きな部分を占めるビジネス。それだけに、自らその収入減を招くような上場廃止については、消極的との見方をされる土壌があったのです。つまり利益相反ってこと。ただ、投資家、市場関係者に受け入れられる市場を管理する立場としては、目に見える行動を率先して取るしかないのも厳然たる事実。マザーズ市場だけではなく、東証1部などについても、より厳しい「退場ルール」をお願いしたいところです。

2009年08月22日(土) .... 『NYダウ平均』がMSCI Barraに?!?

● ネット上を彷徨っていたところ(^^;、日経に 『「ダウ平均」売却検討 ダウ・ジョーンズの株指数算出部門』 との記事。元々はWSJ紙の記事とのことだったので、そちらを見ると、『Dow Jones Weighs Sale of Stock-Index Operation』(WSJ) との記事。料金を払っていないので全文を見ることは出来ないのですが(^^;、要するにダウ・ジョーンズ社の親会社のニューズ・コーポレーションが部門売却に動いているようで、"Dow Jones Industrial Average"などの算出元の「stock-market indexing business」が売却対象になっているとのお話。

● 記事によると、ゴールドマン・サックスがこの売却話に絡んでいるとのことで、MSCI Barraなどへの売却が検討されているということ。日経の記事では、MSCIのことを、「金融大手モルガン・スタンレーの株価指数部門」と書いているのですが、私の記憶が正しければ、MSCIはモルガン・スタンレーから独立したハズだったのですが…(^^;。

● それはともかく、ダウ・ジョーンズ系の指数では「NYダウ工業株30種平均」が圧倒的に有名なものの、これは指数としてはかなり旧式の「単純平均」を基にした株価指数。日経平均などと同じになります。一方、現在、世界で主流なのは時価総額加重平均(しかも浮動株基準)の株価指数で、各種MSCI指数はもちろんのこと、日本ではTOPIXなどが時価総額加重平均型の株価指数で、機関投資家などは主にこちらを使っています。ダウ・ジョーンズ社も「NYダウ工業株30種平均」などが有名だけど、実は時価総額加重平均型の指数もたくさん発表しており、この点で、MSCI Barraとはモロにビジネスが重なっています。S&PやFTSEなどを含めて、世界的に有名な指数算出プロバイダーの一つであることは間違いないのです。そこが売却対象になるとは…(^^;。

● 指数ヲタクとしては、指数としては欠陥だらけの「NYダウ工業株30種平均」ながら、やっぱり無くなるなんてことになると寂し過ぎるので、名前が変わったとしても、続けて欲しいとは考えています。日経平均と同様に株式市場にとっては象徴的な指数の一つですから…。

● 先日アップした『ザラ場で儲からない相場が続く…。上昇のほとんどはオーバーナイト要因(^^;。』のフォローアップです。前回同様に分かり易くするために、価格は日経平均先物(9月限)を使っており、イブニング取引は含んでいません。当日寄付で買って終値で売る日計りと、前日終値で買って翌日の寄付きで売る「1泊2日」のオーバーナイトを試して見ました。

● 日経平均そのものではなく先物を使う理由は大部分の方は既にご理解頂けているでしょうけど、蛇足ながら少しだけ。指数は何でもそうですが、その算出の仕組みから、指数の「寄付」は9時01分の数値でしかなく、多くの銘柄が寄付いていない状況だと、指数計算に前日終値が使われたり特別気配が使われたりで、本当の意味での「寄付」ではないからです。一方で、先物は個別銘柄がどの水準で寄付いてくるのかを想定しながら動くので、ギャップを織り込んだ価格で寄付ます。その点からすると、曇り目のない「寄付」ですので、ギャップが存在する状況であれば、素直にギャップが価格として出てくるからです。

● なお、7月13日の日経平均先物終値は9040円。昨日終値の10440円まで1190円の上昇となっています。

日経平均先物(9月限) (買)当日始値
(売)当日終値
(買)前日終値
(売)当日始値
始値高値 安値終値前日比
7/139240935090309040-210 ------
7/149240930091709250+210 +10+200
7/159330934092509290+40 -40+80
7/169500950093109330+40 -170+210
7/179410943093609380+50 -30+80
7/219570966095009650+270 +80+190
7/229630976096009730+80 +100-20
7/239710987097009780+50 +70-20
7/249940996098609940+160 0+160
7/2710040101901002010080+140 +40+100
7/28101201013010040100800 -40+40
7/2910030101701002010110+30 +80-50
7/3010170102101006010200+90 +30+60
7/3110310103801025010370+170 +60+110
8/310360103901032010360-10 0-10
8/410480104901036010400+40 -80+120
8/510410104201024010250-150 -160+10
8/610270104401026010400+150 +130+20
8/710370104301025010420+20 +50-30
8/1010550106001048010550+130 0+130
8/1110530106001051010580+30 +50-20
8/1210490105301043010440-140 -50-90
7/14〜8/12の合計+1190 +130+1270

● 前回と若干変わったのは、「ロングのまま、何もしなかった向き」よりも、オーバーナイトリスクだけを取った方が若干成績が良かったってことですが、目立ったというほどの差ではなく、まぁ、誤差程度と考えた方が良いでしょうね。一方、ザラ場だけに命を賭けていても儲からない相場は継続しており、依然として、「外部・海外要因」に大きく左右されるオーバーナイトギャップが値動きの多くを占めていたことになります。

● ちなみに期間中の高値安値差(日中値動き)は平均で133.81円。最大値でも190円(7月16日)で、最小値は70円(7月17日と8月3日)でした。この点からも、ザラ場の値動きが乏しいことが良く分かります。ザラ場で300円幅ぐらいを二往復してくれると、面白くて仕方ない展開になるんですけどねぇ〜(^^;。波長が合わないとえらいことになるでしょうけど…(^^;。